以下、実施形態の画像生成装置及び画像生成システムを図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態における画像生成装置は、例えば、上下水道設備や送電設備などが備えている構成要素(バルブやポンプなどの設備)を模式的に示した画像(例えば、送電系統を模式化した「単線結線図」や、水の流れを模式化した「全体フロー図」など)とともに、その構成要素の状態を表示することができる監視装置である。
以下においては、上下水道設備の状態を表示することができる監視装置の場合について説明する。図1は、監視システム2の全体構成を示す図である。画像生成装置である監視装置100は、ネットワークNWを介して上下水道設備200と通信を行い、上下水道設備200の備えているポンプやバルブなどの構成要素の稼働状態を表示する。稼働状態とは、例えば、運転しているか否かを示す運転状態や、故障が発生しているか否かを示す故障状態、異常が発生しているか否かを示す異常状態、設備が備える各種計器が測定する水の量や状態などを指す。
監視装置100は表示部160を備え、当該表示部160に上下水道設備200の構成要素を模式的に示した画像を表示する。監視装置100が表示する画像には、上下水道設備200の各構成要素の稼働状態についての情報が、構成要素に関連付けられて表示される。ユーザ1は、監視装置100を操作し、画像中の特定の領域を表示させることができる。監視装置100は、ユーザ1の操作に応じて表示階層を選択し、表示画像の表示態様を切り替える。なお、表示階層とは、本例における表示態様の指標である。
図2は、同一の構成要素を表す、表示階層毎の表示態様の一例を示す図である。図2(a)は、表示階層100における表示の態様の例である。図2(b)は、表示階層50における表示の態様の例である。図2(c)は、表示階層40における表示の態様の例である。本例において、表示の態様は、表示階層が下位である程(例えば、表示階層100)詳細であり、表示階層が上位である程(例えば、表示階層40)集約または簡略化される。また、稼働状態についての表示も階層毎に異なり、表示の態様の場合と同様に、表示階層が下位である程詳細であり、表示階層が上位である程集約または簡略化される。
以下、再度図1の説明に戻る。上下水道設備200は、例えば、ポンプ1、2…、バルブ1、2…、濾過池1、2…、流量計1、2…、塩素計1、2…などの構造体や施設などの構成要素を備える。上下水道設備200の構成要素は、稼働状態を検出する計器を備える。計器には、例えば、流量計、水質計器(塩素計、pH計など)、水位計などがある。計器は、例えば、濾過池などの施設を通過した後の残留塩素の濃度や水の流量などの水の状態を計測する。上下水道設備200の構成要素の識別情報と、当該構成要素の稼働状態を示す稼働情報は、ネットワークNWを介して、監視装置100に送信される。また、これらの構造体や計器などは、監視装置100から送信された命令に基づいて、制御されてもよいし、されなくてもよい。
ネットワークNWは、例えば、専用通信網、携帯電話網、VPN(Virtual Private Network)網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)など、またはこれらの組み合わせによって構成される情報通信ネットワークである。
監視装置100は、入力部110と、図示しないCPU(Central Processing Unit;中央演算装置)などのプロセッサを備える制御部120と、表示部160と、通信部170と、記憶部190と、を備える。また、制御部120は、演算部130と、生成部140と、表示制御部150と、通信制御部180と、を備える。また、演算部130は、表示領域演算部131と、階層演算部132と、を備える。これらの機能部は、例えば、記憶部190に格納されたプログラムをCPUが実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、機能部の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)やASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)などのハードウェア機能部であってもよい。
以下、監視装置100が備える各機能部について説明する。記憶部190は、例えば、HDD(Hard Disc Drive;ハードディスク記憶装置)、SSD(Solid State Drive;半導体記憶装置)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory;書き換え可能不揮発性メモリ)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)などを備え、CPUが実行する各種プログラム(ファームウェアやアプリケーションプログラムなど)やCPUが行った各種の処理結果などを格納する。
また、記憶部190は、画像データ191、信号割付情報192、稼働状態情報193などを格納する。画像データ191は、表示階層毎に表示の態様が定義されている。画像データ191は、表示シンボルデータ191Aと表示構成情報191Bとを有している。表示シンボルデータ191Aには、表示階層毎に、上下水道設備200の備える構成要素の識別情報と、表示シンボルの識別情報と、表示シンボルの画像データとが対応付けられて記憶されている。なお、表示シンボルとは、上下水道設備200を構成する構成要素を図形として表すものである。また、表示構成情報191Bには、表示階層毎に、表示シンボルの識別情報と、当該表示シンボルを表示するか否かを示す情報と、表示する場合の表示位置を示す位置情報とが、対応付けられて記憶されている。このように、記憶部190は、上下水道設備200における構成要素を表す表示シンボルと表示階層とが対応付けられた画像データ191を記憶する。また、信号割付情報192には、表示階層毎の上下水道設備200の備える構成要素の稼働状態を画像に反映させるための規則が記憶されている。また、稼働状態情報193には、上下水道設備200の備える構成要素の識別情報と、稼働状態を示す稼働情報とが対応付けて記憶されている。
入力部110は、例えば、マウスやキーボード、タッチパネルなどを備える。入力部110は、表示部160に表示する領域の範囲を指定するユーザ1からの操作を受け付け、当該操作を示す操作情報を演算部130に出力する。例えば、ユーザ1はマウスを操作して、表示部160に表示された画像中の特定の領域(例えば、四角形の領域)を指定することで、当該領域を表示画面の表示サイズに拡大させる指示を与える。このように、入力部100は、表示画像の大きさの変更指示を受け付ける。
制御部120の演算部130は、入力部110から入力された操作情報に基づいて、表示部160が表示する領域を算出し、表示階層を算出する。例えば、上述のように、四角形の領域がマウスによって指定された場合、演算部130の表示領域演算部131は、当該領域の対頂点の座標を、表示領域を指定する情報として算出する。演算部130の階層演算部132は、表示領域演算部131が算出した表示領域に関する横方向及び縦方向の画素数や、表示部160の横方向及び縦方向の画素数、画像データ191が示す画像全体の横方向及び縦方向の画素数などに基づいて、表示階層を算出する。演算部130は、算出した表示階層を示す情報と、表示領域を指定するための情報とを生成部140に出力する。すなわち、演算部130は、表示部160の大きさ及び解像度、操作情報などに基づいて、表示階層を指定する。
制御部120の生成部140は、画像データ191の表示構成情報191Bを参照し、演算部130から入力された表示階層と、表示構成情報191Bの表示シンボルを表示するか否かを示す情報とに基づいて、表示する表示シンボルを選択する。生成部140は、選択された表示シンボルの識別情報と、当該表示シンボルの位置情報を取得する。生成部140は、記憶部190から画像データ191の表示シンボルデータ191Aを記憶部190から読み出し、選択された表示シンボルの識別情報と演算部130から入力された表示階層とに基づいて、対応する表示シンボルの画像データを取得する。
生成部140は、取得した表示シンボルの画像データを、位置情報に基づいて配置した画像を生成する。生成部140は、信号割付情報192を参照し、演算部130から入力された表示階層と、配置された表示シンボルが表す構成要素の識別情報とに基づいて、当該構成要素の稼働状態を画像に反映させるための規則を取得する。生成部140は、稼働状態情報193を参照し、当該構成要素の稼働情報を取得する。生成部140は、取得した規則と稼働情報とに基づいて、画像中に当該構成要素の稼働状態についての文字や数値などの情報を配置する。また、生成部140は、表示シンボル各々に当該シンボルが表す構成要素の稼働状態を反映させる。すなわち、制御部120の生成部140は、構成要素の稼働情報と演算部130から入力された表示階層の画像データ191とに基づいて、表示シンボルと稼働情報とを関連付けた画像を生成する。生成部140は、演算部130から入力された表示領域を指定するための情報に基づいて、生成した画像の表示領域を選択する。生成部140は、当該表示領域の表示画像データを表示制御部150に出力する。
表示部160は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示装置を備える。タッチパネルの場合、入力部110と表示部160とは一体とされていてもよい。表示制御部150は、表示部160を制御し、生成部140から入力された表示画像データに基づいて表示画像を表示させる。
通信部170は、例えば、有線通信用のネットワークカードや、無線通信用のアンテナ、符号化部及び復号部、変調部及び復調部、増幅部、DA変換部及びAD変換部、アップコンバータ及びダウンコンバータなどの通信インタフェースを備える。通信部170は、上下水道設備200から送信される、当該設備における構成要素の識別情報と当該構成要素の稼働状態を示す稼働情報を受信する。通信制御部180は、通信部170から入力された構成要素の識別情報と当該構成要素の稼働情報とを対応付けて、稼働状態情報193に記憶させる。
なお、入力部110は、上述したマウスによる表示領域を指定する操作の他に、ピンチインまたはピンチアウトによる拡大縮小の操作や、画面上に表示された入力ボタンを押下することなどによる表示階層を選択したり拡大縮小率を選択したりする操作、画像上の表示領域を移動させる操作をユーザから受け付けてもよい。拡大縮小の操作の場合、入力部110は、例えば、拡大縮小の基準となる中心の座標と拡大縮小率とを演算部130に出力する。また、生成部140は、例えば、ピンチインまたはピンチアウトなどの操作の場合、その操作中、随時画像を生成し、連続的に画像の拡大縮小と表示態様の切り替えを行ってよい。また、上下水道設備200の構成要素の状態は動的に変化するため、ユーザ1からの入力がなくても、生成部140は、稼働状態情報193を随時参照し、稼働情報が示す稼働状態を、表示画像に随時反映させてよい。また、生成部140は、演算部130から入力される表示領域を示す情報に基づいて、当該表示領域のみの画像を生成してもよい。また、この場合、例えば、バックグラウンドで、画像データ191が示す画像の全体を生成するなどしてもよい。
なお、ユーザ1から操作の入力がされる前に監視装置100の表示部160が表示する画像は、例えば、画像データ191が示す画像の全体像である。この全体像とは、例えば、図3に示すような上下水道設備200の構成要素のすべてを表示できるような画像である。なお、表示階層は、表示部160の画素数と画像全体の画素数とに基づいて、演算部130により算出される。
次に、階層が異なる場合の表示シンボルと稼働状態などの表示方法の第1例について図2〜図6を用いて説明する。図3は、画像データの構成を説明するための図であり、表示部160に画像データ191が示す画像30を表示した様子を模式的に示している。画像30には、8つの表示モジュール31−1〜31−8(図中、破線枠)が、例えば、矢印B1〜B4で示すように、均等な距離を置いて配置される。表示モジュール31−1〜31−8には配管32が連結され、表示モジュール31−1〜31−8間の接続を示している。表示モジュール31−1〜31−8各々は、上下水道設備200の構成要素を表す表示シンボルを有し、表示階層毎に定義された態様で表示シンボルが表示される。例えば、ユーザの操作により表示が拡大されると、表示階層は大きくなる。図2の例の場合、画像が拡大されると、図2(c)、図2(b)、図2(a)の順に表示が変化する。
図2は、表示階層毎の表示モジュールの表示態様の一例を示す図である。図2(a)〜図2(f)はいずれも同一の表示モジュール31−1内の表示例を示す。上述のように、図2(a)〜図2(c)は、それぞれ、表示階層100、50及び40における表示例を示す。ここでは、図3の表示モジュール31−1が、図2(a)〜(c)に対応し、当該モジュールがポンプとバルブとを1つずつ有している場合を例にして説明する。
図2(a)には、上下水道設備200のポンプ及びバルブを表す表示シンボルS1及びS2が配管311−1を介して連結されている様子が示されている。また、それぞれの表示シンボルにはその故障状態を示す矢印型のアイコンA1、A2が関連付けられて表示されている。以下、矢印型のアイコンのことを矢印と称する。また、ポンプS1及びバルブS2の稼働状態の詳細を示す文字や数値I1及びI2が表示されている。図2(b)は、図2(a)と同一の表示モジュール31−1内の表示例を示すが、表示階層100における表示(図2(a))と比較すると、表示階層50では、数値情報I1、I2が省略されている。また、図2(c)も同一の表示モジュール31−1内の表示例を示すが、表示階層50における表示(図2(b))と比較すると、表示階層40では、省略されたバルブS2と矢印A2とがポンプS1及び矢印A1とに各々集約されている。このように、画像データ191では、上位の表示階層に対応付けられた上位の表示シンボルは、下位の表示階層に対応付けられた下位の表示シンボルを集約した表示シンボルとなっている。
また、記憶部190は画像データ191を記憶するので、記憶部190は、構成要素を表す表示シンボルと表示階層とが対応付けられた画像データ191を、上位の表示階層に対応付けられた上位の表示シンボルが、下位の表示階層に対応付けられた下位の表示シンボルを集約するように記憶する。なお、本例では、上位の表示階層で表示シンボルを表示するときは、下位の表示階層の表示シンボルの一部を表示し、残りを間引くことで表示シンボルを集約する。
図2(d)〜図2(f)は、それぞれ、表示階層100、50及び40における表示例を示す。このように表示階層毎に、表示モジュールの縦方向及び横方向の大きさは異なっていてもよい。なお、表示シンボルを表示するとき、各モジュールの境界が、例えば、図2(a)の破線の枠のように示されてもよい。また、モジュールは、最上位の階層を示すものであってもよい。
図4は、記憶部190に記憶されている表示構成情報の一例を示す表であり、図4(a)〜図4(c)は、いずれも表示モジュール31−1(図2)内の表示態様の選択方法を示している。図4(a)は、表示モジュール31−1内に配置する、ポンプとバルブを表す表示シンボルの表示方法を示す。図4(b)は、上記ポンプとバルブの故障状態を示す矢印A1と矢印A2の表示方法を示す。図4(c)は、上記ポンプとバルブについて測定された稼働状態の詳細を示す文字や数値の表示方法を示す。列C40は、表示シンボルを示す。列C41は、表示階層100のときの選択方法を示す。列C42は、表示階層50のときの選択方法を示す。列C43は、表示階層40のときの選択方法を示す。なお、表示構成情報191Bには、表示する場合の表示位置を示す位置情報も対応付けられているが、ここでは位置情報を省略して示す。
表示モジュール31−1は、上述のように、表示階層100及び50のときには、ポンプS1、バルブS2、矢印A1及び矢印A2を表示する。その一方、表示階層40のときには、バルブS2及び矢印A2が表示されず、ポンプS1及び矢印A1のみが表示される。図4(a)及び図4(b)の表を参照すると、ポンプ及び矢印A1については、上述の3つの階層のいずれについても「○」が記載されている。従って生成部140は、いずれの階層においてもポンプ及び矢印A1を画像上に配置する。バルブ及び矢印A2については、表示階層100、50のときに「○」が記載され、表示階層40のときに「×」が記載されている。従って、生成部140は、表示階層100、50のときは、バルブ及び矢印A2を画像上に配置し、表示階層40のときは、バルブ及び矢印A2を画像上に配置しない。図4(c)の表を参照すると、情報I1及び情報I2については、表示階層100のときに「○」が記載され、表示階層50、40のときに「×」が記載されている。従って、生成部140は、表示階層100のときは、情報I1と情報I2とを画像上に配置し、表示階層50、40のときは、情報I1と情報I2とを画像上に配置しない。なお、各表示シンボルの接続や表示位置は、階層毎に別途定義されていてもよい。
以下、表示シンボルに稼働状態を関連付けて示す方法の一例について説明する。本例において、上下水道設備200の構成要素各々の稼働状態は、構成要素各々を表す表示シンボルの色に関連付けて示される。例えば、構成要素が運転している場合、対応する表示シンボルを「赤色」で表し、構成要素が停止している場合、表示シンボルを「緑色」で表す。なお、図面においては、赤と緑とを、赤に対応するハッチングと緑に対応するハッチングとにより示す。例えば、図2におけるポンプS1、バルブS2、後述の図7(a)におけるポンプSP2などは、本例では、「赤色」で表されている。また、後述の図7(a)のポンプSP4とバルブSV4は、本例では、「緑色」で表されている。
図5は、信号割付情報の一例を示す表である。図5は、表示シンボルを「赤色」で表示する条件を、表示階層毎に示している。また、当該条件に該当しない場合、表示シンボルは、「緑色」で示される。列C50は、表示シンボルを示す。また、列C51は、表示階層100のときの条件を示す。また、列C52は、表示階層50のときの条件を示す。列C53は、表示階層40のときの条件を示す。
上述(図2)のように、表示階層100及び50において、表示モジュール31−1はポンプとバルブとを表す表示シンボルS1とS2とを配置する。図5に示すように、生成部140は、ポンプ及びバルブそれぞれの運転状態(ポンプが正常運転か否か、及びバルブ弁寸開か否か)に基づいて、当該表示シンボルS1、S2を表示する色を選択する。また、表示階層40において、生成部140は、図4に示す表示構成情報に基づいて、表示モジュール31−1内のバルブをポンプに集約して表す。図5に示すように、生成部140は、ポンプとバルブとの運転状態(ポンプが正常運転かつバルブが弁寸開か否か)に基づいて、ポンプを示す表示シンボルS1の色を選択する。すなわち、制御部120の生成部140は、信号割付情報に基づいて、下位の表示シンボルによって表される構成要素の稼働情報を集約した稼働情報と上位の表示シンボルとを関連付けた画像を生成する。以上のように、信号割付情報192には、下位の表示シンボルによって表される構成要素の運転状態を示す稼働情報の集約方法を示す情報が記憶されている。
以下、上下水道設備200の構成要素の表示シンボルに、当該構成要素の故障状態を関連付けて示す方法の一例について説明する。上述(図2)のように、表示モジュール31−1内には、設備の構成要素であるポンプ及びバルブの故障状態を矢印A1及び矢印A2でそれぞれ示すことができる。矢印の提示方法はいくつか考えられ、例えば、故障が検出されたときに矢印を表示させる。また、故障が検出されたときに、矢印を点滅させたり、矢印の色を変えるようにしてもよい。以下では、一例として、故障が検出されたときに矢印を点滅させて表示し、故障が検出されないときは矢印を点滅させないこととする。
図6は、信号割付情報の別の例を示す表である。図6は、矢印を点滅させて表示する条件を、表示階層毎に示している。列C60は、表示シンボルを示す。また、列C61は、表示階層100のときの条件を示す。また、列C62は、表示階層50のときの条件を示す。列C63は、表示階層40のときの条件を示す。
上述(図2)のように、表示階層100及び50において、表示モジュール31−1はポンプとバルブとの故障状態を表す矢印A1及び矢印A2を配置する。図6に示すように、生成部140は、矢印A1及び矢印A2の点滅を、対応するポンプ及びバルブそれぞれの故障状態に基づいて決定する。すなわち、矢印A1はポンプが過電流または地絡の場合点滅し、矢印A2はバルブが弁過負荷のときに点滅する。
また、表示階層40において、表示モジュール31−1は、矢印A2を矢印A1に集約して表す。図6に示すように、生成部140は、矢印A1の点滅を、ポンプとバルブとの故障状態に基づいて決定する。すなわち、ポンプが過電流または地絡か、またはバルブが弁過負荷の場合、矢印A2は点滅する。以上のように、信号割付情報192は、故障状態や異常状態を示す稼働情報の集約方法を示す。
次に、階層が異なる場合の表示方法の第2例について図7〜図10を用いて説明する。図7は、表示階層毎の表示モジュールの表示態様の別の例を示す図である。図7(a)及び図7(b)はいずれも同一の表示モジュール31−2内の表示例を示す。図7(a)は、表示階層50における表示例を示す。図7(b)は、表示階層40における表示例を示す。ここでは、図3の表示モジュール31−2が、図7(a)及び(b)に対応し、当該モジュールがポンプとバルブとを4つずつ有している場合を例にして説明する。
図7(a)は、上下水道設備200のポンプSP1〜SP4及びバルブSV1〜SV4を表す表示シンボルが、配管311−2を介して連結されている様子を示す。矢印AP1〜AP4は、ポンプSP1〜SP4の故障状態を示す。矢印AV1〜AV4は、バルブSV1〜SV4の故障状態を示す。図7(b)は、図7(a)と同一の表示モジュール31−2内の表示例を示すが、表示階層50における表示(図7(a))と比較すると、表示階層40では、ポンプSP2〜ポンプSP4とバルブSV1〜バルブSV4との表示が省略されている。また、矢印AP2〜矢印AP4と矢印AV1〜矢印AV4との表示が省略されている。また、直列に接続されたポンプとバルブとの4つの組の稼働情報を集約した数値情報IP1が、表示シンボルSP1に関連付けて表示されている。
図8は、表示構成情報の別の例を示す表であり、図8(a)及び図8(b)は、いずれも表示モジュール31−2(図7)内に配置する表示シンボルの階層毎の表示方法を示している。図8(a)は、上下水道設備200の構成要素のポンプとバルブの表示シンボルの表示方法を示す。図8(b)は、上記ポンプとバルブの故障状態を示す矢印の表示方法を示す。図8(c)は、数値情報の表示方法を示す。列C80は、表示シンボルを示す。列C81は、表示階層50のときの表示方法を示す。列C82は、表示階層40のときの表示方法を示す。
図8(a)及び図8(b)の表を参照すると、表示階層50のときはすべての表示シンボルに「○」が記載されている。従って、生成部140は、表中の全ての表示シンボルを画像上に配置する。表示階層40のときは、ポンプSP1及び矢印AP1にのみ「○」が記載されている。従って、生成部140は、表示階層40のときは、ポンプSP1と矢印AP1のみを画像上に配置し、他の構成要素の表示シンボルは、ポンプSP1と矢印AP1に集約される。図8(c)の表を参照すると、表示階層50のときは情報IP1に「×」が記載されている。また、表示階層40のときは情報IP1に「○」が記載されている。従って、生成部140は、表示階層50のときは、情報IP1を画像上に配置せず、表示階層40のときは、情報IP1を画像上に表示する。
図9は、信号割付情報の別の例を示す表であり、表示モジュール31−2(図7)内の表示シンボルに稼働状態を反映させるための規則を示す。図9は、表示シンボルを「赤色」で表示する条件を、表示階層毎に示している。また、当該条件に該当しない場合、表示シンボルは、「緑色」で示される。列C90は、表示シンボルを示す。また、列C91は、表示階層100のときの条件を示す。また、列C92は、表示階層50のときの条件を示す。列C93は、表示階層40のときの条件を示す。
上述のように、表示階層50において、表示モジュール31−2内の表示シンボル各々は、上下水道設備200の構成要素各々を示す。図9(a)に示すように、当該シンボルが表す構成要素の稼働状態各々に基づいて、各表示シンボルの色が決定される。表示階層40において、表示モジュール31−2の表示シンボルは、複数の構成要素を集約している。図7(a)で示すように表示モジュール31−2に表される構成要素は、ポンプとバルブとが直列に接続され、ポンプとバルブとの組は並列に接続されている。従って、直列に接続されているポンプとバルブとは、そのいずれかが稼働停止すると処理が行えなくなる。その一方、並列に接続されているポンプとバルブとの4つの組は、そのいずれかが正常に稼働していれば処理を続けることができる。従って、図9(b)が示す表示シンボルの色の設定規則には、ポンプSP1に対して4つの条件が併記されており、ポンプとバルブとの4つの組のいずれかが正常に稼働していれば、当該シンボルSP1は「赤色」で表示される。このように、接続態様に応じた稼働状態を判定する条件が表示階層毎に記憶されていてもよい。そのため、様々な接続態様が含まれている上下水道設備や送電設備などの稼働状態を表示するのに好適である。
本例では、ポンプとバルブの4つの組の内、3つの組が正常に稼働している。図7(b)には、集約された構成要素の稼働状態を示す「3(運転台数)/4(全体数)」の情報IP1が配置されている。なお、表示の態様は分数でなく、例えば、上述の場合だと、75%などの%表示であってもよい。
図10は、信号割付情報及び稼働情報に基づく、稼働情報の表示態様への反映方法の一例を説明するための表である。本例では、表示モジュール31−2(図7)内の表示に稼働状態を反映させる方法を示す。列C100は、信号割付情報に含まれる、表示モジュール31−2内の構成要素の処理単位であるポンプとバルブとの4つの組の稼働状態を判定する基準を示す。列C101は、稼働状態情報193の稼働情報が示す稼働状態が、列C100の該当項目を満たすか否かの判定結果を示す。図10に示されるように、本例においては、ポンプSP4とバルブSV4の組は正常に稼働していない。従って、ポンプとバルブとの4つの組の内、3つの組が稼働していることが、図7(b)の情報IP1によって示される。
また、本例では、この「3/4」の情報を、表示シンボルSP1の色の透明度に反映させる。上述のように、表示シンボルSP1の色は、ポンプとバルブとの4つの組のいずれかが正常に稼働していれば、当該シンボルSP1は「赤色」で表示される。この「赤色」の透明度を、稼働している構成要素の数に対応付け、ポンプとバルブとの4つの組すべてが稼働している場合、透明度は0とする。ポンプとバルブとの4つの組の一部しか稼働していない場合、稼働していない割合に応じて「赤色」の透明度を順に上げる。このように稼働状態に応じて表示シンボルの色の透明度を変更することによって、直観的に構成要素の稼働状態を把握することが可能となる。なお、列C100が示す各基準についての判定は、生成部140が画像を生成するときに行ってよい。また、通信制御部180が上下水道設備200から稼働情報を受信したときに当該判定を行い、判定結果を記憶部190に記憶しておいてもよい。
次に、階層が異なる場合の表示方法の第3例について図11を用いて説明する。図11は、別の表示階層毎の表示モジュールの表示態様の一例を示す図である。図11(a)及び図11(b)はいずれも同一の表示モジュール31−3内の表示シンボルを表示する例を示す。図11(a)は、表示階層100における表示例を示す。図11(b)は、表示階層50における表示例を示す。ここでは、図3の表示モジュール31−3が、図11(a)及び(b)に対応し、当該モジュールが濾過池と、流量計と、塩素計とを3つずつ有している場合を例にして説明する。
図11(a)は、上下水道設備200の濾過池a〜c、流量計a〜c及び塩素計a〜c各々を表す表示シンボルW1〜W3、F1〜F3及びC1〜C3が各々配管311−3を介して連結されている様子を示す。また、流量計a〜c及び塩素計a〜c各々の測定結果である流量と残留塩素濃度とが情報IF1〜IF3及びIC1〜IC3として、それぞれの表示シンボルに関連付けて表示されている。図11(b)は、図11(a)と同一の表示モジュール31−3内の表示例を示すが、表示階層100における表示(図11(a))と比較すると、濾過池W1〜W3の表示シンボルW1〜W3が表示シンボルW1に集約されている。また、流量計Fa〜Fcの表示シンボルFa〜Fcが表示シンボルFaに集約されている。また、塩素計C1〜C3の表示シンボルC1〜C3が表示シンボルC1に集約されている。また、流量計Fa〜Fc及び塩素計C1〜C3各々による測定結果がそれぞれ集約され、情報IF1及びIC1としてそれぞれ示されている。
表示シンボルの集約方法は、上述と同様の方法で行うことができるため、説明を省略する。計器による測定結果は、例えば、合計値や算術平均値、幾何平均値、最大値、最小値などの統計値を算出する算術演算に基づいて集約してよい。例えば、流量を合計によって集約して示す場合、以下の式に基づいて流量が算出される。
F=F1+F2+F3 …(1)
なお、式(1)においてFは流量の合計値であり、流量F1〜F3は、流量計Fa〜Fc各々が測定した流量である。生成部140は、算出した流量の合計値Fに基づいた値を、表示階層40における画像上に、情報IF1として配置する。
また、例えば、残留塩素濃度を算術平均によって集約して示す場合、以下の式に基づいて、残留塩素濃度が算出される。
Cl=(F1×Cl1+F2×Cl2+F3×Cl3)/(F1+F2+F3)
…(2)
なお、式(2)において、塩素濃度Cl1〜Cl3は、塩素計C1〜C3各々が測定した残留塩素濃度である。生成部140は、算出した残留塩素濃度の算術平均値Clに基づいた値を、表示階層40における画像上に、情報IC1として配置する。残留塩素濃度を最大値または最小値によって集約して示す場合、以下の式(3)または(4)に基づいて、残留塩素濃度が算出される。
Cl=max(Cl1,Cl2,Cl3) …(3)
Cl=max(Cl1,Cl2,Cl3) …(4)
なお、以上の統計的な算術演算による集約の結果は、ユーザの選択に基づいて、そのいずれかが表示されるようにしてよい。また複数の算術演算の結果や測定値が同時に表示されるようにしてもよい。また、表示シンボルなどの表示態様も上述されたものでなくてもよい。例えば、上下水道設備200の構成要素の稼働状態は、表示シンボルの「赤色」及び「緑色」以外の色で示してよい。また、より細かく稼働状態を分類し、それに応じて、表示シンボルを3種類以上の色で表示してもよい。また、点滅における明るさを変更すること、点灯と消灯との時間間隔を変更すること、表示シンボルの形の変化させることなどにより稼働状態を表現してもよく、その表現方法は、特定の視覚的効果を及ぼす方法に限定されない。
図12は、監視装置100の動作の一例を示すフローチャートである。まず、入力部110は、表示部160に表示する領域の範囲を指定するユーザ1からの操作を受け付け、当該操作を示す操作情報を演算部130に出力する(ステップS101)。次に、演算部130は、入力部110が受け付けた操作情報に基づいて、表示領域を指定する情報を算出する。また、表示領域演算部131が算出した表示領域に関する横方向及び縦方向の画素数や、表示部160の横方向及び縦方向の画素数、画像データ191が示す画像全体の横方向及び縦方向の画素数などに基づいて、表示階層を算出する。演算部130は、算出した表示領域を指定する情報と表示階層を示す情報とを生成部140に出力する(ステップS102)。
次に、生成部140は、演算部130が算出した表示階層と記憶部190から読み出した画像データ191に基づいて、表示シンボルを配置した画像を生成する(ステップS103)。次に、生成部140は、演算部130が算出した表示階層と、記憶部190から読み出した信号割付情報192及び稼働状態情報193に基づいて、稼働状態を画像に反映させる(ステップS104)。次に、生成部140は、演算部130が算出した表示領域を指定する情報に基づいて、生成した画像内の表示する画像領域を選択し、当該領域の画像データを表示制御部150に出力する(ステップS105)。そして、表示制御部150は、生成部140から入力された表示画像データに基づいて、表示画像を表示部160に表示させる(ステップS106)。
次に図12のステップS102で説明した、表示階層の算出方法を図13と図14とを用いて詳述する。図13は、表示階層の算出方法を説明するための図である。図13(a)は、画像データ191が示す画像40の構成を表す模式図である。上述の通り、画像データ191が示す画像40は、13個の表示モジュール41−1〜41−13を配置して構成される。この画像40のうちの表示領域43が表示部160に表示される。以下では、表示部160の横方向及び縦方向の画素数をそれぞれXv及びYvとする。
図13(b)は、表示階層と表示モジュールとの関係を示す図である。表示モジュールに対応付けられた構成要素の表示態様は、上述の通り、表示階層毎に定義されている。表示モジュールの表示態様は、表示階層が高い程詳細であり、表示階層が低い程簡易である。また、表示モジュールの画素数は、表示階層が高い程大きく、表示階層が低い程小さい。以下、表示階層lにおける、ある表示モジュールiの横方向と縦方向の画素数をそれぞれ画素数Xi,lと画素数Yi,lとする。図13(b)に示すように、例えば、表示モジュールiの大きさについて、Xi,100>Xi,80>Xi,10及びYi,100>Yi,80>Yi,10の関係が成り立つ。このように、表示モジュールの画素数は表示階層lに応じて変化する。
図13(a)に示した例では、表示領域43には、6つの表示モジュール41−1、41−2、41−6、41−7、41−8及び41−11が含まれている。このように、表示領域にその一部でも含まれる表示モジュールを表示対象モジュールMとすると、生成部140が画像を生成する表示階層lは、以下の式(5)及び(6)を満たす最大のmとして定められる。
図14は、監視装置100の動作の一例を示すフローチャートである。図14は、図12のステップS102における処理の詳細を示す。まず、演算部130の表示領域演算部131は、入力部110が受け付けた表示領域についての操作が、拡大縮小などのように、表示領域の大きさの変化を示すものか否かを判定する(ステップS201)。例えば、表示領域の移動など、表示領域の大きさが変化しない場合(ステップS201;NO)、演算部130は、現在の表示階層を選択し、生成部140に出力する(ステップS202)。表示領域の大きさが変化する場合(ステップS201;YES)、演算部130は、表示領域を算出する(ステップS203)。
次に、演算部130は、ステップS203で算出された表示領域に表示モジュールの一部でも含まれる表示モジュールを、表示対象モジュールMとして選択する(ステップS204)。次に、演算部130は、表示階層を示す変数mの初期値を、表示階層の最大数である100に設定する(ステップS205)。次に、演算部130は、設定した変数mにより示される表示階層において、ステップS204で選択された表示モジュールが、式(5)及び(6)を満たすか否かを判定する(ステップS206)。式(5)及び(6)を満たさない場合(ステップS206;NO)、演算部130は、表示階層を示す変数mを一段階下げて(ステップS207)、再度ステップS206の処理を行う。式(5)及び(6)を満たす場合(ステップS206;YES)、演算部130は、現在の変数mを、生成部140が画像を生成する表示階層として生成部140に出力する。
また、本例では、例えば、表示階層40などの上位の階層に対応付けられた上位の表示シンボルは、例えば、表示階層50などの下位の階層に対応付けられた下位の表示シンボルの一部であり、当該シンボルは、上位の階層において他の下位の表示シンボルを集約した。しかし、本実施形態は、これに限らず、上位の表示シンボルは、下位の表示シンボルとは別に定義されてもよい。そして上位の表示シンボルに、複数の下位の表示シンボルと当該表示シンボルによって表される設備の構成要素とが対応付けられてよい。
このように、本実施形態によれば、監視装置100の通信部170は、設備における構成要素の稼働情報を受信する。記憶部190は、構成要素を表す表示シンボルと表示階層とが対応付けられた画像データ191を、上位の表示階層に対応付けられた上位の表示シンボルが、下位の表示階層に対応付けられた下位の表示シンボルを集約するように記憶する。そして、制御部120の生成部140は、指定された表示階層の画像データ191を記憶部190から読み出し、当該読み出された画像データ191と、通信部170により受信された構成要素の稼働情報とに基づいて、表示シンボルと稼働情報とを関連付けた表示画像を生成する。従って、例えば、現実の事物としての設備の構成要素の動的な稼働状態を示す視認性の高い画像を生成することができる。
また、本実施形態によれば、制御部120の生成部140は、下位の表示シンボルによって表される構成要素の稼働情報を集約した稼働情報と上位の表示シンボルとを関連付けた表示画像を生成する。従って、監視装置100は、上位の階層で表示シンボルが集約された場合であっても、稼働状態を簡潔に表示することができる。
また、本実施形態によれば、演算部130は、表示部160の大きさと解像度とに基づいて、表示階層を算出する。従って、画像を表示する装置毎に表示部の大きさや解像度が異なる場合であっても、視認性の高い画像を生成することができる。
また、本実施形態によれば、演算部130は、入力部110が受け付ける画像の表示領域に基づいて、表示階層を算出する。従って、監視装置100は、ユーザの操作を反映し、連続的に画像の表示態様を切り替えることができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態における画像生成システムは、例えば、上下水道設備や送電設備などの状態を表示することができる監視システムである。本実施形態の監視システムと、第1の実施形態の監視装置100とは類似するが、本実施形態の監視システムは、設備の備える構成要素の稼働状態を示す稼働情報を記憶する装置と、画像を表示する装置が別である点で、第1の実施形態の監視装置100と異なっている。
図15は、第2の実施形態の画像生成システムの機能を備える監視システム2aの全体構成を示す図である。監視サーバ500は、ネットワークNWを介して上下水道設備200と通信を行い、上下水道設備200から受信した構成要素の稼働情報を記憶する。また、端末装置600は、例えば、携帯電話機やスマートフォン、タブレット端末装置、パーソナルコンピュータなどであり、ネットワークNWを介して監視サーバ500と通信を行い、情報を送受信する。端末装置600は表示部660を備え、当該表示部660に上下水道設備200の構成要素を模式的に示した画像を表示する。端末装置600が表示する画像には、上下水道設備200の各構成要素の稼働状態についての情報も表示される。ユーザ1は、端末装置600を操作し、画像中の特定の領域を表示させることができる。
監視サーバ500は、図示しないCPUなどのプロセッサを備える制御部520と、通信部570と、記憶部590と、を備える。通信部570及び記憶部590が備える構成は、第1の実施形態の監視装置100の通信部170及び記憶部190と類似する。また、記憶部590には、表示シンボルデータ591Aと表示構成情報591Bとを有する画像データ591、信号割付情報592及び稼働状態情報593とが格納され、これらの内容は、第1の実施形態の監視装置100の備える画像データ191、信号割付情報192及び稼働状態情報193と同様である。通信部570は、上下水道設備200から送信される構成要素の識別情報と、設備を構成する構成要素の稼働状態を示す稼働情報を受信する。通信制御部580は、通信部570から入力された構成要素の識別情報と当該構成要素の稼働情報とを対応付け、稼働状態情報593として記憶部590に記憶させる。
端末装置600は、入力部610と、図示しないCPUなどのプロセッサを備える制御部620と、表示部660と、通信部670と、図示しない記憶部と、を備える。入力部610及び表示部660が備える構成は、第1の実施形態の監視装置100の入力部110及び表示部160と同様である。また、制御部620は、演算部630と、生成部640と、表示制御部650と、通信制御部680と、を備える。また、演算部630は、表示領域演算部631と、階層演算部632と、を備える。これらの機能部は、例えば、記憶部に格納されたプログラムを制御部620のCPUが実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、機能部の一部または全部は、LSIやASICなどのハードウェア機能部であってもよい。通信部670は、例えば、有線通信用のネットワークカードや、無線通信用のアンテナ、符号化部及び復号部、変調部及び復調部、増幅部、DA変換部及びAD変換部、アップコンバータ及びダウンコンバータなどの通信インタフェースを備える。記憶部は、例えば、HDD、SSD、EEPROM、ROM、またはRAMなどを備え、CPUが実行する各種プログラム(ファームウェアやアプリケーションプログラムなど)やCPUが行った各種の処理結果などを格納する。
本実施形態に係る監視システム2a(図13)と第1の実施形態に係る監視装置100(図1)とを比較すると、第2の実施形態の端末装置600が備える入力部610、演算部630、生成部640、表示制御部650、表示部660の機能は、第1の実施形態の監視装置100の備える入力部110、演算部130、生成部140、表示制御部150、表示部160の備える機能と同様であり、説明を省略する。しかしながら、本実施形態では、画像データ591、表示シンボルデータ591A、表示構成情報591B、信号割付情報592及び稼働状態情報593が監視サーバ500の記憶部590に格納されているため、端末装置600は、監視サーバ500との通信を介してこれらの情報を取得する。
端末装置600の通信制御部680は、生成部640からの画像データ591、信号割付情報592及び稼働状態情報593の参照要求に応じて、通信部670を制御し、監視サーバ500にデータの送信要求を行う。監視サーバ500の通信部570が端末装置600からのデータの送信要求を受信すると、監視サーバ500の通信制御部580は、要求されたデータを記憶部590から読み出す。そして、通信制御部580は、通信部570を制御し、端末装置600に当該データを送信する。端末装置600の通信部670がデータを受信すると、端末装置600の通信制御部680は生成部640に当該データを出力する。以上により、生成部640は、第1の実施形態の監視装置100の生成部140と同様に、画像の生成に必要なデータを取得することができ、画像を生成することができる。
なお、本例では、演算部や生成部などの機能部が端末装置600に備えられている場合を説明したが、これらの機能部は監視サーバ500に備えられていてもよい。この場合、端末装置600の入力部が受け付けた情報を監視サーバ500に送信し、監視サーバ500は、受信した情報に基づいて、画像を生成する。そして監視サーバ500は生成した画像を端末装置600に送信する。このように、各機能部を複数の装置に持たせ、各機能部の処理結果を通信部を介して送受信することにより、画像生成システムを実現しても良い。
このように、本実施形態によれば、生成部と画像データとが異なる装置に存在する。これにより、設備の稼働状態を監視する装置と設備の稼働状態を確認するための装置とを分けることができる。従って、例えば、端末装置は、監視対象の設備と直接通信を行わなくても、設備の稼働状態について視認性の高い画像を生成することができる。また、例えば、端末装置を持ち歩いて、画像を参照しながら、設備の点検や修理を行うこともできる。
<実施形態に共通の効果>
以上述べた少なくともひとつの実施形態の画像生成装置及び画像生成システムによれば、階層を持つ画像データにおける上位の表示階層の表示シンボルは、下位の表示シンボルを集約した表示シンボルとなっており、また、表示シンボルは設備の構成要素を表す。そして生成部は、表示階層に基づいて構成要素の稼働状態と表示シンボルとを対応付けた表示画像を生成するという技術的特徴を持つことにより、設備の構成要素とその稼働状態とについて、設備の構成要素を拡大した場合であっても縮小した場合であっても、視認性の高い画像を生成することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上述した実施形態における監視装置100、監視サーバ500または端末装置600の一部、例えば、演算部130、630、生成部140、640、通信制御部180、580、680及び表示制御部150、650をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、監視装置100、監視サーバ500または端末装置600に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における監視装置100、監視サーバ500または端末装置600の一部、または全部を、LSI等の集積回路として実現してもよい。監視装置100、監視サーバ500または端末装置600の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。