JPH05295917A - 立体駐車場における自動車受け渡し方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駐車を短時間で完了させることができると共
に、パレットの受け渡し不良のトラブルを極めて少なく
する。 【構成】 多数の駐車スペースＳ₁ 〜Ｓ_n を形成したラ
ック１の側方に、台車７ａと、昇降台７ｂと、伸縮フォ
ーク７ｃとからなる自動車受け渡し装置７を配設し、自
動車受け渡し場３で上記伸縮フォーク７ｃ上にパレット
４を介して乗せた自動車２を、台車７ａ及び昇降台７ｂ
を同時に作動させることにより、所定の駐車スペースＳ
₄ に対向する位置まで移動させ、伸縮フォーク７ｃを伸
長させて、パレット４をラック１側に受け渡すことによ
り、該パレット４上の自動車２を所定の駐車スペースＳ
₄ に収納する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、立体駐車場の所定の駐
車スペース内に自動車を迅速に収納することができるよ
うにした自動車受け渡し方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の立体駐車場について、本発明の実
施例に対応する図１を利用して説明すると、複数の縦桁
１ａ及び横桁１ｂを縦横に枠組することにより構成され
たラック１に上下左右に多数の駐車スペースＳ₁ 〜Ｓ_n
を形成しており、自動車２を空車状態の駐車スペース、
例えばＳ₄ 内に収納する場合には、自動車受け渡し場３
で待機する昇降装置（図示せず）上のパレット４に自動
車２を乗せた後、該昇降装置を駆動して、自動車２を所
定の高さ位置まで下降させ、続いて、上記パレット４を
昇降装置から水平移動装置（図示せず）側に受け渡した
後、該水平移動装置を駆動して、自動車２を駐車スペー
スＳ₄ に対向する位置まで水平移動させ、更に、上記パ
レット４を水平移動装置からラック１側に受け渡すこと
により、自動車２を駐車スペースＳ₄ 内に収納するよう
にしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
自動車２を駐車スペースＳ₄ 内に収納するために、パレ
ット４の受け渡しを２回にわたって行う必要があり、そ
の受け渡し回数が多く、しかも昇降装置と水平移動装置
とを時間的にずらして駆動する必要があるため、駐車に
時間が長くかかり、能率が悪い。また、この種の装置で
最も多く発生するパレット４の受け渡し不良のトラブル
も当然多くなり、メンテナンスに手間がかかるという問
題がある。

【０００４】本発明は、上記問題点に鑑み、駐車を短時
間で完了させることができると共に、パレットの受け渡
し不良のトラブルを極めて少なくすることができる立体
駐車場における自動車受け渡し方法を提案することを目
的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成を実施例に対応する図面に基づいて説明
すると、本発明は、多数の駐車スペースを形成したラッ
クの側方に、該ラックに沿って移動自在な台車と、該台
車上に昇降自在に配設された昇降台と、該昇降台に設け
られて該昇降台から側方に突出可能な伸縮フォークとか
らなる自動車受け渡し装置を設け、自動車受け渡し場で
上記伸縮フォーク上にパレットを介して乗せた自動車
を、台車及び昇降台を同時に作動させることにより、所
定の駐車スペースに対向する位置まで移動させ、伸縮フ
ォークを伸長させて、パレットをラック側に受け渡すこ
とにより、自動車を所定の駐車スペース内に収納するも
のである。

【０００６】

【作用】本発明によれば、自動車受け渡し場に自動車受
け渡し装置を待機させた状態で、該自動車受け渡し装置
の伸縮フォーク上にパレットを介して自動車を乗せ、上
記自動車受け渡し装置の台車を水平移動させると同時
に、昇降台を昇降させることにより、上記自動車を直線
的に最短距離で移動させて所定の駐車スペースに対向さ
せることができ、続いて、上記伸縮フォークを伸長させ
て、パレットをラック側に受け渡すことにより、該パレ
ット上の自動車を所定の駐車スペース内に確実に収納す
ることができる。

【０００７】

【実施例】図１及び図２はビルの地下室６内に建設され
た立体駐車場を示すものであって、上記地下室６内に多
数の駐車スペースＳ₁ 〜Ｓ_n を有する一対のラック１，
１が一定間隔をおいて互いに平行に設けられ、該両ラッ
ク１，１間に、地下室６の底面に敷設されたレール９上
に走行自在に配設された台車７ａと、該台車７ａ上に配
設された昇降台７ｂと、該昇降台７ｂ上に配設された一
対の伸縮フォーク７ｃとから構成された自動車受け渡し
装置７が設けられている。

【０００８】上記昇降台７ｂは、図３及び図４に示すよ
うに、昇降台本体１０の下面両端に垂設した垂設枠１
１，１１に設けたガイドローラ１２を台車７ａ上に立設
した機枠１３の上下方向に伸びるガイドレール１３ａに
当接させることにより、昇降自在に形成されている。

【０００９】上記昇降台７ｂの昇降駆動機構について図
３〜図５に基づいて説明すると、駆動装置１４により回
転駆動される一対の駆動スプロケットホイール１５，１
６に巻回された両チェン１７，１８のうち、一方のチェ
ン１７は、その一端が中間スプロケットホイール１９及
び機枠１３の上端部に設けた上部スプロケットホイール
２０を介して前記一方の垂設枠１１の連結杆１１ａに連
結されると共に、該チェン１７の他端が中間スプロケッ
トホイール２１及び機枠１３の下端部に設けた下部スプ
ロケットホイール２２を介して上記一方の垂設枠１１の
連結杆１１ｂに連結され、また、他方のチェン１８は、
その一端が中間スプロケットホイール２３，２４，２５
及び機枠１３の上端部に設けた上部スプロケットホイー
ル２６を介して前記他方の垂設枠１１の連結杆１１ｃに
連結されると共に、該チェン１８の他端が中間スプロケ
ットホイール２７，２８，２９及び機枠１３の上端部に
設けた上部スプロケットホイール３０を介してバランス
ウエイト３１に連結されており、前記駆動装置１４を正
逆駆動することにより、昇降台７ｂを昇降させることが
できる。なお、昇降台７ｂの重量とバランスウエイト３
１の重量とが相殺されているので、昇降台７ｂの昇降を
円滑に行うことができる。

【００１０】前記伸縮フォーク７ｃは、図６〜図７に示
すように、昇降台７ｂに固着された断面略Ｌ字状の形材
３３ａ，３３ａからなる基礎枠３３と、該基礎枠３３に
ガイドローラ３３ｂを介して水平移動自在に支持された
中間移動枠３４と、該中間移動枠３４にガイドローラ３
５ａを介して水平移動自在に支持された上部移動枠３５
とから構成されている。

【００１１】上記伸縮フォーク７ｃの伸縮駆動機構につ
いて説明すると、図９にも示すように、昇降台７ｂの上
部に設けた一対の昇降台側スプロケットホイール３６，
３６に伸縮フォーク７ｃの伸縮方向に沿って無端状駆動
チェン３７を巻回すると共に、中間移動枠３４の下部に
一対のチェン係合金具３８，３８を取付けており、該両
チェン係合金具３８，３８は、常に、そのいずれかが駆
動チェン３７に対向して該駆動チェン３７に係合すると
共に、駆動チェン３７の端部で係合を解除されるように
なっており、昇降台７ｂ内の駆動装置３９（図６参照）
により上記駆動チェン３７を走行駆動させると、該駆動
チェン３７に係合するいずれかのチェン係合金具３８を
介して中間移動枠３４が水平移動させられる。

【００１２】また、中間移動枠３４の前後両端に配設し
た一対二組の中間移動枠側スプロケットホイール４０に
連動チェン４１を伸縮フォーク７ｃの伸縮方向に沿って
巻回し、該各連動チェン４１の一方端部を昇降台７ｂの
固定金具４２に連結すると共に、その他方端部を上部移
動枠３５の突起部４３に連結しており、前述したよう
に、中間移動枠３４が水平移動すると、それに連動して
連動チェン４１を介して上部移動枠３５が同方向に水平
移動するようになっている（図１０参照）。

【００１３】更に、上記上部移動枠３５の上面中央にパ
レット係止突起４５を突設し、該パレット係止突起４５
にパレット４の下面に形成した係合部４６を係合させる
ことにより、該パレット４を昇降台７ｂ上の所定位置に
係止することができ、この状態から伸縮フォーク７ｃを
伸長することにより、パレット４を昇降台７ｂ上からラ
ック１側に受け渡すことができる（図１１参照）。

【００１４】なお図１中、４７は自動車受け渡し場３の
前方に設けた自動車方向転換用ターンテーブルである。

【００１５】駐車の要領を図１に基づいて説明すると、
まず自動車受け渡し場３の手前に自動車２を一旦停車さ
せ、該自動車受け渡し場３の外の所望の位置に設けられ
た操作盤を操作する。これによりコンピュータが作動
し、自動車受け渡し装置７により空車状態の駐車スペー
ス、例えＳ4 からパレット４が自動車受け渡し場３にも
たらされ、自動車受け渡し場３の開閉ゲート３ａが開放
される。次に、上記パレット４上に自動車２を乗せ（図
１状態）、再び、上記操作盤を操作すると、開閉ゲート
３ａが閉鎖され、自動車受け渡し装置７が作動して自動
車２が上記駐車スペースＳ₄ に対向する位置にもたらさ
れるが、このとき、自動車受け渡し装置７の昇降台７ｂ
を下降させると同時に台車７ａを走行させるようにして
いるので、自動車２を駐車スペースＳ4 に対向する位置
まで最短距離で直線的に移動させることができる。

【００１６】次に、伸縮フォーク７ｃを伸長させること
により、パレット４がラック１側に受け渡され、該パレ
ット４上の自動車２を駐車スペースＳ₄ 内に収納するこ
とができる。続いて、昇降台７ｂを若干下降させること
により、伸縮フォーク７ｃのパレット係止突起４５をパ
レット４の係合部４６から離間させ、伸縮フォーク７ｃ
を縮小することにより、自動車２の受渡しが完了する。

【００１７】立体駐車場から自動車２を出す場合には、
前記と同様に操作盤を操作するだけでよい。これによ
り、自動車受け渡し装置７が上記とは逆の手順で作動
し、駐車スペースＳ₁ 〜Ｓ_n 内に収納されている所望の
自動車２を自動車受け渡し場３まで移動させることがで
きる。

【００１８】上記実施例では、自動車受け渡し場３を一
箇所設けただけであるが、図１に仮想線で示すように、
自動車受け渡し場３を追加し、一方の自動車受け渡し場
３を入口専用とし、他方の自動車受け渡し場３を出口専
用にしてもよい。これにより、自動車２の受け渡しを一
層迅速に行うことができる。

【００１９】また地下室６に設けられる立体駐車場を例
にあげて説明したが、地上及びビルの階上に設けられる
立体駐車場にも適用することができるのは勿論、断崖の
地形の場所に設けることもできる。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、自動車受け渡し装置の
台車と昇降台とを同時に作動させることにより、昇降台
上の伸縮フォークにパレットを介して乗せた自動車を所
定の駐車スペースに対向する位置まで最短距離で直線的
に移動させることができ、しかも、その移動の間、上記
パレットの受け渡しをする必要がないから、駐車を短時
間で完了させることができる。また、パレットの受け渡
しは伸縮フォークとラックとの間で行われるだけあり、
その受け渡し回数が従来に比べて半減しているから、当
然、パレットの受け渡し不良のトラブルを極めて少なく
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例たる立体駐車場における自動
車受け渡し方法を説明するための縦断面図である。

【図２】同水平断面図である。

【図３】同立体駐車場に配設された自動車受け渡し装置
の正面図である。

【図４】同装置の縦断面図である。

【図５】同装置に用いられる昇降台の昇降駆動機構を説
明する概略斜視図である。

【図６】同装置に用いられる伸縮フォークの縦断面図で
ある。

【図７】同伸縮フォークの縦断面図である。

【図８】同伸縮フォークの横断面図である。

【図９】同伸縮フォークの伸縮駆動機構を説明する概略
斜視図である。

【図１０】同伸縮フォークの伸長状態を示す縦断面図で
ある。

【図１１】同伸縮フォークによるパレットの受け渡し状
態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ラック ２ 自動車 ３ 自動車受け渡し場 ４ パレット ７ 自動車受け渡し装置 ７ａ 台車 ７ｂ 昇降台 ７ｃ 伸縮フォーク Ｓ₁ 〜Ｓ_n 駐車スペース

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の駐車スペースを形成したラックの
   側方に、該ラックに沿って移動自在な台車と、該台車上
   に昇降自在に配設された昇降台と、該昇降台に設けられ
   て該昇降台から側方に突出可能な伸縮フォークとからな
   る自動車受け渡し装置を設け、自動車受け渡し場で上記
   伸縮フォーク上にパレットを介して乗せた自動車を、台
   車及び昇降台を同時に作動させることにより、所定の駐
   車スペースに対向する位置まで移動させ、伸縮フォーク
   を伸長させて、パレットをラック側に受け渡すことによ
   り、自動車を所定の駐車スペース内に収納することを特
   徴とする立体駐車場における自動車受け渡し方法。