JPH052957A - パツフア形ガス遮断器 - Google Patents

パツフア形ガス遮断器

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Publication number
JPH052957A
JPH052957A JP3151796A JP15179691A JPH052957A JP H052957 A JPH052957 A JP H052957A JP 3151796 A JP3151796 A JP 3151796A JP 15179691 A JP15179691 A JP 15179691A JP H052957 A JPH052957 A JP H052957A
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JP
Japan
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arc
nozzle
puffer
circuit breaker
boron nitride
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Application number
JP3151796A
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English (en)
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Katsumi Suzuki
克巳 鈴木
Masayuki Ishikawa
石川  雅之
Toshiaki Inohara
俊明 猪原
Toshiyuki Nakano
俊之 中野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Publication of JPH052957A publication Critical patent/JPH052957A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H33/00High-tension or heavy-current switches with arc-extinguishing or arc-preventing means
    • H01H33/70Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid
    • H01H33/7015Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid characterised by flow directing elements associated with contacts
    • H01H33/7076Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid characterised by flow directing elements associated with contacts characterised by the use of special materials

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  • Circuit Breakers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アークに晒された際の絶縁耐力及び遮断性能
の低下を有効に抑制可能であり、且つ、充填剤を混入し
ても従来のフッ素樹脂単体と同等かそれ以下の低誘電率
を有するノズルを備えたパッファ形ガス遮断器を提供す
る。 【構成】 消弧性ガスを充填した容器内に接離可能な固
定接触子1及び可動接触子2を有する。可動接触子2部
に設けられたパッファシリンダ3とパッファピストン4
とからパッファ室5を形成する。遮断動作時には、パッ
ファシリンダ3とパッファピストン4の相対移動によっ
てパッファ室5内の消弧性ガスを圧縮してノズル6に導
き、固定・可動接触子間に発生したアークにガス流7を
吹き付けて消弧を行う。ノズル6を、窒化ホウ素(B
N)粉末12を含む非晶性フッ素樹脂11(図1)、ま
たは、炭窒化ホウ素(BNC)粉末を含む非晶性フッ素
樹脂によって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パッファ形ガス遮断器
に係るものであり、特に、そのノズルの耐アーク性を向
上したパッファ形ガス遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス遮断器において、電流を遮断する動
作を行うと、固定及び可動電極間にアークが発生する。
このアークを消弧するために、従来、SF6ガスなどの
消弧性ガスを圧縮して絶縁性のノズルに導き、電極間に
発生したアークに吹き付けて消弧するパッファ形ガス遮
断器が存在している。図5は、一般的なパッファ形ガス
遮断器の構成の概略を示す模式図である。
【0003】図5に示すように、SF6 ガスなどの消弧
性ガスを充填した図示していない容器内には、固定接触
子1及び可動接触子2が接離可能に対向配置されてい
る。可動接触子2部には、パッファシリンダ3とパッフ
ァピストン4が設けられ、これらによってパッファ室5
が形成されている。パッファシリンダ3の先端部外周に
は、可動接触子2を包囲し、且つ可動接触子2より大き
く突出する形状を有する絶縁性のノズル6が配置され、
パッファシリンダ3の先端部に設けられた開口部3aを
介して、パッファ室5と連通されている。この図5のパ
ッファ形ガス遮断器においては、電流遮断動作時に、可
動接触子2を固定接触子1から開離する方向に移動する
と共に、パッファシリンダ3とパッファピストン4との
相対的移動により、パッファ室5を圧縮し、その開口部
3aからノズル6内にガス流7を導き、固定・可動接触
子1,2間に発生したアーク8にガス流7を吹き付けて
消弧を行う。
【0004】ところで、以上のようなパッファ形ガス遮
断器においてガス流の吹き付けのために使用されるノズ
ルとしては、従来、フッ素樹脂からなる絶縁性材料が使
用されていた。しかしながら、フッ素樹脂からなる絶縁
物がアークに晒されると、アークから放射されたエネル
ギーがフッ素樹脂の内部にまで浸透して吸収され、ノズ
ル内部にボイドの発生あるいは炭化現象を引き起こし、
また、エネルギーを繰り返し受けることにより、フッ素
樹脂の表面が徐々に剥離する恐れがあった。このため、
多数回の遮断動作の後には、ノズルの内面に変形を生
じ、電流遮断動作時において当初の設計による所望のガ
ス流とは異なるガス流を生じてしまい、遮断性能の低下
を引き起こす恐れがあった。
【0005】以上のような問題を防止するために、ノズ
ルの材料として、耐アーク性に優れた材料の開発が進め
られている。例えば、特公昭49−17654号公報の
技術においては、四フッ化エチレン樹脂にアルミナ粉末
を0.1重量%乃至50重量%均一に分散して、アーク
エネルギーがノズル内部に侵入するのを遮断し、耐アー
ク性に優れた四フッ化エチレン樹脂組成物を得ている。
また、特公昭48−38216号公報では、四フッ化エ
チレン−エチレン共重合体の耐アーク性を付与する充填
剤として、CaF2 、MgF2 、SbS、BaSO4
BNを挙げている。これらの従来技術においては、表現
の違いはあるものの、アークから発生するエネルギー線
が前記ノズルに当たっても、混入された充填剤によって
遮蔽され、ノズルの深部にまで劣化が進行しないという
効果が得られることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ように、フッ素樹脂にアルミナなどの充填剤を混入して
構成された従来技術のノズルでは、近年進められている
パッファ形ガス遮断器の大容量化によって、アークエネ
ルギーが将来において現状以上に増大した場合に、この
強大なアークエネルギーに適応できない。すなわち、従
来技術のノズルにおいては、現状のアークエネルギーに
はどうにか適応できるものの、絶縁性能には限界があ
り、予想され得る将来の強大なアークエネルギーに晒さ
れた場合に、絶縁耐力の低下・遮断性能の低下が起こる
危険性を有しており、ひいては、絶縁破壊が生じる恐れ
もあった。
【0007】また、従来使用していたフッ素樹脂は、誘
電率が2.1〜2.3と低いのに対し、前記のアルミナ
粉末を初めとする各種の充填剤の誘電率は、極めて高い
値を有している。そのため、このように誘電率の高い充
填剤を混入して製作されたノズルは、従来のフッ素樹脂
単体のものより全体的に誘電率の高いものとなってい
た。従って、電極間の電界強度が増加し、絶縁設計をし
直す必要があった。
【0008】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決するために提案されたものであり、その目的は、ア
ークに晒された際の絶縁耐力及び遮断性能の低下を有効
に抑制可能であり、且つ、充填剤を混入しても従来のフ
ッ素樹脂単体と同等かそれ以下の低誘電率を有するノズ
ルを備えたパッファ形ガス遮断器を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、消弧性ガスを
充填した容器内に接離可能な固定接触子及び可動接触子
を有し、可動接触子部に設けられたパッファシリンダと
パッファピストンとからなるパッファ室を圧縮すること
によって消弧性ガスを圧縮してノズルに導き、固定・可
動接触子間に発生したアークに吹き付けて消弧を行う消
弧室を有するパッファ形ガス遮断器において、ノズル
が、窒化ホウ素(BN)粉末を含む非晶性フッ素樹脂に
よって構成されるか、または、炭窒化ホウ素(BNC)
粉末を含む非晶性フッ素樹脂によって構成されることを
特徴としている。
【0010】この場合、非晶性フッ素樹脂としては、例
えば、アモルファスフルオロポリマー樹脂を使用するこ
とが可能である。また、窒化ホウ素粉末あるいは炭窒化
ホウ素粉末の充填量は、20容量%以下であることが望
ましく、粉末の平均粒径は、10μm以下であることが
望ましい。
【0011】
【作用】以上のような構成を有する本発明のパッファ形
ガス遮断器においては、ノズルの中に配合した窒化ホウ
素粉末あるいは炭窒化ホウ素粉末によって、アークから
発生するエネルギーを有効に遮断でき、ノズルの性能低
下を効果的に抑制できる。その上、窒化ホウ素粉末ある
いは炭窒化ホウ素粉末は、熱伝導率が高く、これらの材
料を混入した場合、ノズル全体の熱伝導率が高くなるた
め、ノズル内部に吸収されたわずかなアークエネルギー
を速やかに拡散することができる。従って、アークに晒
された際の絶縁耐力及び遮断性能の低下を有効に抑制で
きる。
【0012】また、ノズルの主成分であるアモルファス
フルオロポリマー樹脂などの非晶性フッ素樹脂は、誘電
率2以下と、従来のフッ素樹脂の誘電率2.1〜2.3
よりもさらに低い誘電率を有しており、温度に対して
も、温度上昇に従って誘電率が低下していく特性を有し
ている。そして、このように誘電率の低い非晶性フッ素
樹脂を主成分とした場合には、誘電率の高い窒化ホウ素
粉末あるいは炭窒化ホウ素粉末を20容量%程度充填し
ても、従来のフッ素樹脂単体と同等か、あるいはそれ以
下の、低い誘電率のノズルを得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図5に示すようなパッファ形
ガス遮断器に適用してなる一実施例を、図1を参照して
説明する。この場合、図1は、本実施例におけるノズル
内部の粒子構成及び入射したアークエネルギーの進行経
路を示す模式図である。なお、本発明は、ノズル部分の
組成の改良のみに特徴を有するものであるため、以下に
は、ノズル部分の構成及び作用についてのみ説明する。
【0014】まず、図1を参照して、本実施例の構成を
説明する。すなわち、図1に模式的に示すように、本実
施例のノズル6は、非晶性フッ素樹脂として、アモルフ
ァスフルオロポリマー樹脂(アモルファスフルオロポリ
マー粒子11)を使用し、これを主成分として、窒化ホ
ウ素粉末(窒化ホウ素粒子12)を充填した材料によっ
て構成されている。窒化ホウ素粉末の充填量は20容量
%以下、平均粒径は10μm以下とされている。
【0015】次に、図1を参照して、本実施例のノズル
にアークエネルギーが照射された場合の作用を説明す
る。すなわち、図1に示すように、ノズル6にアークエ
ネルギーが照射された場合、ノズル6に充填された窒化
ホウ素粒子12により、入射アークエネルギー13の大
部分は、反射(遮蔽)され、反射アークエネルギー14
となるため、ノズル6内部には侵入しない。そして、一
部のアークエネルギーのみがノズル6内部に侵入し、侵
入アークエネルギー15となる。この場合、窒化ホウ素
の熱伝導率は、数百度の温度領域で9[W/m・K]と
高く、このような窒化ホウ素粒子12の混入により、ノ
ズル全体の熱伝導率が高くなっているため、侵入アーク
エネルギー15はノズル内部において速やかに拡散さ
れ、熱が局部的に集中することがない。
【0016】以上の作用により、本実施例におけるパッ
ファ形ガス遮断器では、ノズルに吸収されるアークエネ
ルギーを最小限に抑制することが可能となると共に、吸
収されたわずかなアークエネルギーを速やかに拡散する
ことが可能となる。従って、アークに晒された際の絶縁
耐力及び遮断性能の低下を最小限に抑制することが可能
である。
【0017】さらに、図2は、ノズルの主成分であるア
モルファスフルオロポリマー樹脂の23℃での周波数と
誘電率との関係を示す特性図であり、また、図3は、ア
モルファスフルオロポリマー樹脂の温度と誘電率との関
係を示す特性図である。すなわち、非晶性フッ素樹脂
は、図2に示すように、ギガヘルツまでの周波数に対し
て誘電率が2以下と低い。その上、温度に対しても、図
3に示すように、温度が高くなるに従って誘電率が低下
していく特性があるため、本実施例のように、窒化ホウ
素(BN)を充填剤として混ぜた場合でも、従来のフッ
素樹脂と同等かあるいはそれ以下の誘電率を得ることが
可能である。
【0018】ところで、従来技術に従いフッ素樹脂に充
填剤を充填する方法は、ノズルの誘電率を高くすること
になるので、電極間の電界強度が上昇し、絶縁設計をし
直す必要があったことは前述したが、本発明に従い非晶
性フッ素樹脂に窒化ホウ素を混入してなる本実施例のノ
ズルの誘電率は、従来のフッ素樹脂と同等かあるいはそ
れ以下である。従って、従来技術によって製造した既存
のパッファ形ガス遮断器において、そのノズルだけを本
実施例によるノズルに置き換えた場合、絶縁設計をし直
す必要なく適用可能である。
【0019】図4においては、窒化ホウ素の充填量と一
定のエネルギーを注入した場合の材料の消耗量の関係
が、曲線Aとして示されている。この曲線Aに示すよう
に、一定のエネルギーを注入した場合の材料の消耗量
は、窒化ホウ素の充填によって指数関数的に小さくなっ
ている。すなわち、この曲線Aは、アークから発生する
エネルギー線がノズルに照射された場合、ノズル材料と
して配合された窒化ホウ素によってエネルギーの大部分
が遮蔽されるために、結果としてノズル材料の消耗量が
低減することを示している。
【0020】その反面、ノズルの機械的強度は、窒化ホ
ウ素の充填量の増加に従って低下する傾向にあるため、
窒化ホウ素の充填量が多すぎると、ノズルに要求される
高い機械的強度が得られなくなる恐れがある。ノズルに
おいて要求される高い機械的強度が得られない場合に
は、パッファ形ガス遮断器の遮断時にノズルに加わる大
きな衝撃力に対して、ノズルに劣化・損傷を生じる恐れ
がある。また、機械的特性に加えて、成型性(充填量が
多いほど成型が困難になる。)や電気的特性(充填量が
少ないほど誘電率が小さく電気的には望ましい。)を考
慮した場合にも、無制限に充填剤を加えることは不都合
である。
【0021】そして、窒化ホウ素の充填量の増大に伴う
これらの欠点と前述した窒化ホウ素の充填による作用効
果とのバランスを考えれば、窒化ホウ素の充填量は、前
記実施例に示したように、20容量%以下が望ましく、
さらに限定すれば、3〜15%の範囲が好適である。こ
の範囲内で窒化ホウ素を充填した場合には、従来のフッ
素樹脂単体の機械的強度とほとんど同程度の十分な機械
的強度を得られる。また、充填される窒化ホウ素粉末の
平均粒径は、ノズルの加工性(加工表面の平滑度)や機
械的強度と大きな関連があるが、一般的には、10μm
以下とすることが好都合である。
【0022】続いて、本発明による別の実施例として、
前記実施例と同様に、アモルファスフルオロポリマー樹
脂を主成分として使用し、充填剤としては、前記実施例
における窒化ホウ素粉末の代わりに、20容量%以下の
充填量で、平均粒径10μmの炭窒化ホウ素粉末を使用
した場合の一実施例を説明する。このように、充填剤と
して炭窒化ホウ素粉末を使用した場合にも、前記窒化ホ
ウ素粉末と同様に、入射アークエネルギーの大部分を反
射(遮蔽)することができるため、ノズル内部に侵入す
るアークエネルギーは、入射アークエネルギーのごく一
部のみとなる。その上、炭窒化ホウ素の熱伝導率は、数
百度の温度領域で27[W/m・K]と、前述した窒化
ホウ素の約3倍に相当する非常に高い熱伝導率を有し、
ノズル全体の熱伝導率は前記実施例よりもさらに高くな
るため、侵入アークエネルギーは、ノズル内部において
さらに迅速に拡散され、熱の局部集中がより有効に防止
される。従って、本実施例においては、前記実施例より
もさらに有効な作用効果を得られる。
【0023】炭窒化ホウ素粉末の配合による作用効果
は、次の表1を参照することにより、さらに明確化され
る。なお、表1は、充填剤として、四フッ化エチレン樹
脂(PTFE)、炭窒化ホウ素(BNC)、アルミナ、
及び窒化ホウ素(BN)の4種の材料を取り上げ、これ
らの各材料の各種特性、及び、各材料をそれぞれアモル
ファスフルオロポリマー樹脂に同一の容量%配合した場
合の各種特性を、4種について比較的に示している。
【0024】
【表1】
【0025】この表1から、炭窒化ホウ素は、融点が非
常に高く、従って、高い耐熱性を有しており、且つ、数
百度の温度領域における熱伝導率も前述の通り27[W
/m・K]と高く、充填剤として使用した場合に最大の
熱伝導性を得られることがわかる。また、電気的特性に
ついても、アモルファスフルオロポリマーに配合した際
の誘電率は、2.3と低く、従来のフッ素樹脂と同等の
誘電率を得ることができる。従って、前記実施例と同様
に、従来技術によるパッファ形ガス遮断器のノズルを、
本実施例によるノズルに置き換えた場合、絶縁設計をし
直す必要なく適用可能である。さらに、化学的にも安定
であるため、アークに晒された際に生じるところの、非
晶性フッ素樹脂の非常に温度の高い分解ガスにも反応し
ないという優れた特性を有しており、これらの特性によ
り、ノズルの充填剤として使用した場合、優れた耐アー
ク性が得られることは明らかである。
【0026】また、図4においては、前記実施例に対応
する窒化ホウ素の充填量と一定のエネルギーを注入した
場合の材料の消耗量の関係を示す曲線Aに加えて、炭窒
化ホウ素の充填量と一定のエネルギーを注入した場合の
材料の消耗量の関係が、曲線Bとして示されている。こ
の曲線Bに示すように、炭窒化ホウ素に関する曲線は、
前述した窒化ホウ素に関する曲線とほぼ同様の形状を有
しており、一定のエネルギーを注入した場合の材料の消
耗量は、炭窒化ホウ素の充填によって指数関数的に小さ
くなっている。すなわち、この曲線Bは、アークから発
生するエネルギー線がノズルに照射された場合、ノズル
材料として配合された炭窒化ホウ素によってエネルギー
の大部分を遮蔽でき、結果としてノズル材料の消耗量を
低減できることを示している。
【0027】その反面、炭窒化ホウ素の充填量の増加
は、窒化ホウ素の場合と同様に、機械的特性や成型性、
電気的特性に好ましくない影響を与えるため、このよう
な欠点とのバランスを考えた場合、炭窒化ホウ素の充填
量は、前述の窒化ホウ素と同様に、20容量%以下が望
ましく、さらに限定すれば、3〜15%の範囲が好適で
ある。ところで、このように、炭窒化ホウ素を充填した
場合に得られる機械的強度は、前記実施例において窒化
ホウ素を充填した場合に得られる機械的強度に比べて2
〜3倍高い。すなわち、窒化ホウ素を充填してなる前記
実施例と、炭窒化ホウ素を充填してなる本実施例とにお
いて、同容量比、同一条件でノズルを成形した場合、ノ
ズル全体の機械的強度は、本実施例の方が格段に高く、
この意味で、充填剤として炭窒化ホウ素を使用すること
は、窒化ホウ素を使用する場合よりも極めて有効であ
る。また、充填される炭窒化ホウ素の平均粒径は、ノズ
ルの加工性(加工表面の平滑度)や機械的強度と大きな
関連があるが、窒化ホウ素の場合と同様に、10μm以
下とすることが好都合である。
【0028】なお、本発明は、前記2つの実施例に限定
されるものではなく、例えば、非晶性フッ素樹脂として
は、アモルファスフルオロポリマー樹脂に限らず、低誘
電率及び高い耐熱性を有する他の非晶性フッ素樹脂を使
用した場合にも同様の作用効果を得られる。また、前記
2つの実施例においては、充填剤として使用する窒化ホ
ウ素または炭窒化ホウ素を、それぞれ、1種類の粒径等
級(平均粒径10μm)からなる成分から構成したが、
これに加えて、第2、第3の粒径等級を有する同種類の
成分が含有された場合においても同様の作用効果を得ら
れる。
【0029】さらに、本発明においては、充填剤とし
て、窒化ホウ素または炭窒化ホウ素以外の材料を含むこ
とも可能である。例えば、窒化ホウ素系材料として、窒
化ホウ素(BN)を主成分とし、B2 3 、MgO、M
gなどを添加してなる各種の材料を使用することも可能
である。同様に、炭窒化ホウ素系材料として、炭窒化ホ
ウ素(BNC)を主成分とし、B2 3 、MgO、Mg
などを添加してなる各種の材料を使用することも可能で
ある。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、非晶性フッ素樹脂を主成分とし、窒化ホウ素(B
N)粉末または炭窒化ホウ素(BNC)粉末を充填剤と
してノズルを構成することにより、アークに晒された際
の絶縁耐力及び遮断性能の低下を有効に抑制可能であ
り、且つ、充填剤を混入しても従来のフッ素樹脂単体と
同等かそれ以下の低誘電率を有するノズルを備えたパッ
ファ形ガス遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うパッファ形ガス遮断器の一実施例
におけるノズル内部の粒子構成及び入射したアークエネ
ルギーの進行経路を示す模式図。
【図2】アモルファスフルオロポリマー樹脂の23℃で
の周波数と誘電率との関係を示す特性図。
【図3】アモルファスフルオロポリマー樹脂の温度と誘
電率との関係を示す特性図。
【図4】窒化ホウ素及び炭窒化ホウ素の充填量と一定の
エネルギーを注入した場合の材料の消耗量の関係を示す
曲線図。
【図5】一般的なパッファ形ガス遮断器の構成の概略を
示す模式図。
【符号の説明】
1 … 固定接触子 2 … 可動接触子 3 … パッファシリンダ 3a … 開口部 4 … パッファピストン 5 … パッファ室 6 … ノズル 7 … ガス流 8 … アーク 11 … アモルファスフルオロポリマー粒子 12 … 窒化ホウ素粒子 13 … 入射アークエネルギー 14 … 反射アークエネルギー 15 … 侵入アークエネルギー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 俊之 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消弧性ガスを充填した容器内に接離可能
    な固定接触子及び可動接触子を有し、可動接触子部に設
    けられたパッファシリンダとパッファピストンとからな
    るパッファ室を圧縮することによって消弧性ガスを圧縮
    してノズルに導き、固定・可動接触子間に発生したアー
    クに吹き付けて消弧を行う消弧室を有するパッファ形ガ
    ス遮断器において、前記ノズルが、窒化ホウ素(BN)
    粉末を含む非晶性フッ素樹脂によって構成されることを
    特徴とするパッファ形ガス遮断器。
  2. 【請求項2】 消弧性ガスを充填した容器内に接離可能
    な固定接触子及び可動接触子を有し、可動接触子部に設
    けられたパッファシリンダとパッファピストンとからな
    るパッファ室を圧縮することによって消弧性ガスを圧縮
    してノズルに導き、固定・可動接触子間に発生したアー
    クに吹き付けて消弧を行う消弧室を有するパッファ形ガ
    ス遮断器において、前記ノズルが、炭窒化ホウ素(BN
    C)粉末を含む非晶性フッ素樹脂によって構成されるこ
    とを特徴とするパッファ形ガス遮断器。
JP3151796A 1991-06-24 1991-06-24 パツフア形ガス遮断器 Pending JPH052957A (ja)

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