JP7273700B2 - 耐アーク性樹脂成形物、ガス遮断器用のノズル、ガス遮断器及び耐アーク性樹脂成形物の製造方法 - Google Patents

耐アーク性樹脂成形物、ガス遮断器用のノズル、ガス遮断器及び耐アーク性樹脂成形物の製造方法 Download PDF

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本発明の実施形態は、耐アーク性樹脂成形物、ガス遮断器用のノズル、ガス遮断器及び耐アーク性樹脂成形物の製造方法に関する。
ガス絶縁開閉装置(Gas Insulated Switchgear;GIS(以下、GISという))は、変電所などに設置され、大容量電流を遮断または投入する装置である。GISは、ガス遮断器、断路器、母線電路、避雷器、計器用変成器などにより構成され、密閉容器内に絶縁媒体である六フッ化硫黄(SF)ガスが封入されている。GISを構成するガス遮断器は、消弧室内にアーク接触子(電極)が設置され、アーク接触子を開閉するための操作機構を備えた装置である。
図11に、パッファ式のガス遮断器の一例を示す。パッファ式のガス遮断器は、固定接触子部と可動接触子部とによって構成されるが、図11には、遮断動作中の固定接触子部の断面模式図を示している。図11に示すように、固定接触子部は、絶縁物により作製されるノズル11内に固定側アーク接触子12が配置されている。ノズル11には、可動側アーク接触子13が挿入可能となっている。また、ノズル11は消弧室を構成する部材である。固定接触子部と可動接触子部とが投入状態にあるとき、ノズル11内にはSFガスが充填される。ノズル11には、パッファ室14、パッファシリンダ15、パッファピストン16が接続されており、パッファシリンダ15およびパッファピストン16からなるピストン機構でSFガスを圧縮している。電流遮断時には、圧縮されたSFガスをノズル11から噴射し、電流遮断時に固定側アーク接触子12と可動側アーク接触子13との間で発生したアークを消弧する構造となっている。
ノズル11の構成材料としては、フッ素系樹脂が使用されるが、遮断時に発生するアークの熱や紫外線を多量に含む光により、樹脂表面だけでなく、樹脂内部にも導電性を有する炭化物が生成するため、絶縁性能が著しく低下する場合があった。また、フッ素系樹脂の内部炭化により発生したガスが樹脂内部から噴出し、フッ素系樹脂が吹き飛ばされるという現象が起きることで、樹脂表面に著しい凸凹が形成され、遮蔽用に設置したノズルの機械的強度が大幅に低下する場合もあった。さらに、樹脂表面に形成された凸凹のために、SFガスのような消弧性ガスを吹き付ける際のガスの流れが悪くなり、十分な冷却効果が得られない場合もあった。
そこで、フッ素系樹脂に無機フィラーを分散したノズルが開発されている。このようなノズルでは、フッ素系樹脂に窒化ホウ素からなるフィラーを充填することにより、アークからの光をフィラーによって反射して樹脂内部への進入を防ぎ、内部劣化を防いでいる。また、窒化ホウ素を充填したノズルは、未充填のものよりも色が白くなり、光の反射率も高くなっている。
また、フッ素系樹脂に、CuO-Cr系、CoO-Cr-Mn3系、CoO-Fe-Cr系、あるいはCuO-Fe-Mn系のいずれかを主成分とする顔料を分散したノズルも開発されている。このようなノズルでは、顔料をフッ素系樹脂に分散させることで、アークの熱や紫外線を多量に含む光を樹脂表層で吸収し、内部劣化を防いでいる。
さらに、フッ素系樹脂に、酸化亜鉛からなるウィスカを分散させたノズルも開発されている。酸化亜鉛のような半導電性の性質をもつウィスカをフッ素系樹脂中に分散させることにより、ノズルの帯電を防止し、絶縁抵抗の低下を防止し、アークに対する耐性を高めている。
しかし、フッ素系樹脂に窒化ホウ素を充填したノズルを製造する際には、窒化ホウ素の分散工程やフッ素系樹脂の焼成工程などにおいて窒化ホウ素からガスが発生する。発生したガスがフッ素系樹脂中に滞留すると、窒化ホウ素を充填しないフッ素系樹脂単独では起きない色むらや点状の変色が発生する場合があった。このような変色部は、白色で反射率が高い他の部分に比べ、アークからの熱や紫外線光を吸収しやすく、局所的な劣化の原因になる場合があった。
また、CuO-Cr系などの顔料を含むノズルは、色むらや変色をほぼなくすことが可能であるが、アークに対する耐性は、窒化ホウ素を分散したノズルよりも劣る場合があった。
さらに、酸化亜鉛からなるウィスカを分散させたノズルは、ウィスカが半導電性であることから、ノズルの帯電を防止して絶縁抵抗の低下を防止する点において、カーボンフィラーなど導電性フィラーを分散した場合と比較して劣る場合があった。
特公平1-37822号公報 特許第4945104号公報 特許第6157896号公報
本発明が解決しようとする課題は、色むらや変色の発生を防止し、耐アーク性を改善することができる耐アーク性樹脂成形物、ガス遮断器用のノズル、ガス遮断器及び耐アーク性樹脂成形物の製造方法を提供することである。
実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、フッ素系樹脂からなる成形物に、鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む平均粒子径1~30μmの凝集体が、フッ素系樹脂に対して1~10質量%の割合で分散され、且つ、平均粒子径0.1~1μmの球状の窒化ホウ素フィラーが、1~10質量%の割合で分散されている。
第1実施形態に係るガス遮断器の断面を示す模式図。 第1実施形態に係る耐アーク性樹脂成形物におけるフィラーの分散状態を示す模式図。 第1実施形態の耐アーク性樹脂成形物の製造方法を説明する模式図。 第2実施形態に係る耐アーク性樹脂成形物におけるフィラーの分散状態を示す模式図。 第2実施形態の耐アーク性樹脂成形物の製造方法を説明する模式図。 実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の各ノズルの耐アーク試験による内径変化率を示す図。 比較例1のノズルのアークに対する耐性発現のメカニズムを説明する模式図。 実施例1のノズルのアークに対する耐性発現のメカニズムを説明する模式図。 実施例2のノズルのアークに対する耐性発現のメカニズムを説明する模式図。 比較例2のノズルのアークに対する耐性発現のメカニズムを説明する模式図。 従来のガス遮断器の断面を示す模式図。
以下、実施形態の耐アーク性樹脂成形物、ガス遮断器用のノズル、ガス遮断器及び耐アーク性樹脂成形物の製造方法を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に、本実施形態のパッファ式のガス遮断器を示す。パッファ式のガス遮断器は、固定接触子部と可動接触子部とによって構成されるが、図1には、遮断動作中の固定接触子部の断面模式図を示している。図1に示すように、固定接触子部は、本実施形態の耐アーク性樹脂成形物からなるノズル1を備える。中空円筒状のノズル1内には、固定側アーク接触子12が配置されている。また、ノズル1内には、可動側アーク接触子13が挿入可能となっている。固定接触子部と可動接触子部とが投入状態にあるとき、ノズル1は固定側アーク接触子12及び可動側アーク接触子13を内包する。これにより、ノズル1は、各接触子12、13の間に発生するアークの近傍に配置されることになる。また、固定接触子部と可動接触子部とが投入状態にあるとき、ノズル1内にSFガスが充填される。ノズル1には、パッファ室14、パッファシリンダ15、パッファピストン16が接続されている。パッファシリンダ15およびパッファピストン16からなるピストン機構によって、ノズル1内のSFガスを圧縮している。電流遮断時に、圧縮されたSFガスをノズル1から噴射させて、電流遮断時に固定側アーク接触子12と可動側アーク接触子13との間で発生したアークを消弧する構造となっている。
ノズル1は、本実施形態の耐アーク性樹脂成形物から構成される。本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、図2に示すように、フッ素系樹脂からなる成形物21に、鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む平均粒子径1~30μmの凝集体22が、フッ素系樹脂に対して1~10質量%の割合で分散されたものである。ここで、鱗片状の窒化ホウ素フィラーとは、窒化ホウ素の粒子形状が鱗片状になっているフィラーである。更に、凝集体は、鱗片状の窒化ホウ素フィラーが凝集した凝集体である。
フッ素系樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン樹脂、あるいは四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体を用いることが好ましい。ポリ四フッ化エチレン樹脂の融点は約327℃であり、また、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体の融点は約302~310℃であり、これらはフッ素系樹脂の中でも高い耐熱性を有しているため、アークに対する耐性が高い。また、ポリ四フッ化エチレン樹脂は溶融時の粘度が高いため、高温で溶融しても元の形状を維持できる。このため、本実施形態に係る耐アーク性樹脂成形物は、アークによって加熱された場合においても、熱による変形がほとんどない。
鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む凝集体22は、平均粒子径1~30μmの範囲にあること、また、フッ素系樹脂からなる成形物21中に1~10質量%の割合で分散されていることが好ましい。平均粒子径10μm未満の窒化ホウ素からなるフィラーをフッ素系樹脂中に5質量%の割合で分散させた成形物では、窒化ホウ素からなるフィラーに起因する色むらや点状の変色が発生する場合あり、また、アークに対して局所的な劣化の原因となっていた。しかしながら、本実施形態の耐アーク性樹脂成形物では、鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む平均粒子径1~30μmの凝集体22を、フッ素系樹脂21に分散させることで、色むらや点状の変色を防止できる。
また、凝集体22の平均粒子径を1~30μmの範囲とし、かつ、凝集体22の含有量を1~10質量%の範囲とすることで、成形物中での凝集体22の個数密度を高めることができ、アーク光に対する反射率を高めることができる。凝集体22の平均粒子径を1μm以上とすることで、フッ素系樹脂中で凝集体22を均一に分散させることができる。また、凝集体22の平均粒子径を30μm以下とすることで、凝集体22の個数密度が高くなり、アーク光の反射率を向上できる。なお、凝集体22の平均粒子径は、二次粒子としての平均粒子径である。
また、凝集体22の含有量を1質量%以上とすることで、凝集体22の個数密度が高くなり、アーク光の反射率を向上でき、耐アーク性を向上できる。更に、凝集体22の含有量を10質量%以下とすることで、フィラーに起因する色むらや点状の変色を防止でき、耐アーク性を向上できる。また、耐アーク性樹脂成形物の加工性を向上することができ、耐アーク性樹脂成形物をガス遮断器のような複雑な形状の部品にも容易に成形することができる。
鱗片状のフィラーは、その形状に由来して比較的平坦な面を持ち、この平坦面の存在がアークの光を反射する際に有利になると考えられる。しかし、鱗片状のフィラーが凝集しないままフッ素系樹脂中に含まれると、製造工程における加圧により、鱗片状フィラーの平坦面がアーク光に向かないため、アーク光を反射する際に必ずしも有利にならない。そこで、本実施形態では、鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む凝集体22をフッ素系樹脂に含有させることにしている。凝集体22は、鱗片状の窒化ホウ素フィラーが凝集した二次粒子であって、鱗片状の窒化ホウ素フィラーがランダムな方向を向いたまま凝集しており、このような凝集体22を含むことにより、フッ素系樹脂中での凝集体22の配向状態によらずに、アークによる光を反射させることができる。
本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、図3に示すように、フッ素系樹脂粉末31と、所定量の鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む凝集体22を攪拌混合して混合物とする工程と、得られた混合物を所定の型に充填して圧縮形成した後に焼成する焼成工程とを経ることによって製造できる。また、図3に示すように、得られた耐アーク性樹脂成形物に対して、更に切削等の機械加工を施すことで、ガス遮断器用のノズルに成形することができる。
この製造方法において、フッ素系樹脂粉末31は、平均粒子径が10~100μmの範囲の微粉末であることが好ましい。混合工程においてフッ素系樹脂粉末31の内部に凝集体22が侵入することは不可能であり、凝集体22を緻密に分散させるには、フッ素系樹脂粉末31の粒径を小さくすることが好ましい。一方、平均粒子径が100μmを超えるような粗大なフッ素系樹脂粉末(造粒粉)を使用した場合は、凝集体22は、フッ素系樹脂粉末31の粒界に沿って分散することになるため、緻密に分散させることができない。
なお、フッ素系樹脂粉末31の平均粒子径は、レーザー回折式の粒度分布測定装置で測定した平均粒子径とする。
本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、フッ素系樹脂からなる成形物21中に、鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体22を分散させてなり、凝集体22の平均粒子径を1~30μmの範囲とし、かつ、凝集体22の含有量を1~10質量%の範囲とすることで、成形物中での凝集体22の粒子の個数密度を高めることができ、アーク光に対する反射率を高めることができる。また、色むらや変色を抑制することができる。これにより、本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、耐アーク特性を向上できる。
また、窒化ホウ素フィラーを含む凝集体22を含有させることで、フッ素系樹脂中での凝集体22の配向状態によらず、アークによる光を反射させることができ、耐アーク特性をより向上できる。
なお、本実施形態の耐アーク性樹脂成形物におけるフィラーの平均粒子径及び含有量の確認方法は例えば次の通りとする。まず、フッ素系樹脂の分解温度以上の温度まで耐アーク性樹脂成形物を加熱してフッ素系樹脂を除去することで、耐アーク性樹脂成形物中の凝集体を回収する。回収した凝集体の質量から、耐アーク性樹脂成形物中の凝集体の含有量(質量%)を求める。また、回収した凝集体を走査型電子顕微鏡によって観察し、凝集体を構成するフィラーの形状が鱗片状かどうかを確認する。更に、走査型電子顕微鏡によって100個以上の凝集体粒子が一視野に収まるように写真撮影し、100個以上の各凝集体粒子の直径をそれぞれ測定し、その平均値を凝集体の平均粒子径とする。平均粒子径は、二次粒子としての平均粒子径である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の耐アーク性樹脂成形物について説明する。
本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、第1の実施形態と同様に、ガス遮断器のノズルとして用いられる。
本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、図4に示すように、フッ素系樹脂からなる成形物41に、鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体42と、球状の窒化ホウ素フィラー43とが分散されてなる。ここで、球状の窒化ホウ素フィラーとは、窒化ホウ素の粒子形状が球状になっているフィラーである。また、鱗片状の窒化ホウ素フィラーとは、窒化ホウ素の粒子形状が鱗片状になっているフィラーである。更に、凝集体は、鱗片状の窒化ホウ素フィラーが凝集した凝集体である。
フッ素系樹脂としては、第1実施形態と同様に、ポリ四フッ化エチレン樹脂、あるいは四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体を用いることが好ましい。
本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、成形物41中に、窒化ホウ素からなる鱗片状のフィラーの凝集体42及び窒化ホウ素からなる球状のフィラー43が分散されている。鱗片状のフィラーを含む凝集体42は、第1の実施形態で説明したように、フッ素系樹脂中での凝集体42の配向状態によらず、アークによる光を反射させることができるものであるが、このようなフィラーの凝集体42同士の間に、比較的粒径が小さな球状のフィラー43が分散して含まれることで、反射率のばらつきが抑制され、アーク光に対する反射率をより高めることができる。更に、鱗片状のフィラーの凝集体42に加えて球状のフィラー43を含有させることで、比較的高価な凝集体42の含有量を相対的に抑制することができ、耐アーク性樹脂成形物のコストを低減できるようになる。また、球状のフィラー43が分散して含有されることで、耐アーク性樹脂成形物の強度が向上するようになる。
鱗片状のフィラーの凝集体42の平均粒子径は1~30μmの範囲であり、成形物41中の鱗片状のフィラーの凝集体42の含有量は1~10質量%の範囲である。凝集体42の平均粒子径及び含有量の限定理由は、第1の実施形態の場合と同様である。
球状のフィラー43の平均粒子径は0.1~1μmの範囲であり、成形物41中の球状のフィラー43の含有量は1~10質量%の範囲である。球状のフィラー43の平均粒子径を0.1μm以上にすることで、アーク光の反射率の低下を抑制できる。また、球状のフィラー43の平均粒子径を1μm以下にすることで、球状のフィラー43の個数密度の低下を抑制し、アーク光の反射率の低下を抑制できる。また、成形物41中の球状のフィラー43の含有量を1質量%以上とすることで、成形物41中での球状のフィラーの粒子の個数密度を高めることができ、アーク光に対する反射率を高めることができる。また、球状のフィラー43の含有量を10質量%以下とすることで、色むらや変色を防止して、耐アーク性を向上できる。
本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、図5に示すように、平均粒子径が10~100μmの範囲のフッ素系樹脂粉末31と平均粒子径が0.1~1μmの範囲の球状の窒化ホウ素フィラー43とを混合して第1の混合物M1とし、第1の混合物M1に更に鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む平均粒子径1~50μmの凝集体42を混合して第2の混合物M2とする混合工程と、第2の混合物M2を所定の型に充填して圧縮形成した後に焼成する焼成工程とを経ることにより製造できる。また、図5に示すように、得られた耐アーク性樹脂成形物に対して、更に切削等の機械加工を施すことで、ガス遮断器用のノズルに成形することができる。
この製造方法において、フッ素系樹脂粉末31は、第1の実施形態と同様に、平均粒子径10~100μmの微粉末であることが好ましい。加えて、図5に示すように、平均粒子径0.1~1μmの球状の窒化ホウ素フィラー43をフッ素系樹脂粉末31に加えて攪拌混合した後、その混合物M1に、鱗片状の窒化物フィラーの凝集体42を攪拌混合するとよい。球状のフィラー43は、比表面積が大きく表面のエネルギーが大きいため凝集体として存在しやすい。この凝集体を粉砕して緻密に分散するためには、最初にフッ素系樹脂粉末31と球状のフィラー43を攪拌混合し、その後、鱗片状のフィラーの凝集体42を更に加えて攪拌混合するとよい。このような混合工程を行うことにより、本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、窒化ホウ素からなる鱗片状のフィラーの凝集体42及び窒化ホウ素からなる球状のフィラー43が、フッ素系樹脂中で、緻密且つ均一に分散した状態となる。一方、最初に鱗片状のフィラーの凝集体42とフッ素系樹脂粉末31とを撹拌混合し、その後、球状のフィラー43を加えて撹拌混合した場合は、球状のフィラー43が凝集してしまい、球状のフィラー43を均一に分散させることができないため、好ましくない。
本実施形態の耐アーク性樹脂成形物は、フッ素系樹脂からなる成形物中に、鱗片状のフィラーの凝集体42と球状のフィラー43とを分散させることで、色むらや変色の発生を防止し、アーク光の反射率を高め、耐アーク性を改善することができる。
なお、本実施形態の耐アーク性樹脂成形物におけるフィラーの平均粒子径及び含有量の確認方法は例えば次の通りとする。まず、フッ素系樹脂の分解温度以上の温度まで耐アーク性樹脂成形物を加熱してフッ素系樹脂を除去することで、耐アーク性樹脂成形物中のフィラーを回収する。回収したフィラーの質量から、耐アーク性樹脂成形物中のフィラーの含有量(質量%)を求める。また、回収したフィラーを走査型電子顕微鏡によって観察し、フィラーを構成する粒子の形状を観察し、球状フィラー及び鱗片状フィラーの凝集体が含まれること確認する。更に、走査型電子顕微鏡によって、球状フィラー及び鱗片状フィラーの凝集体のそれぞれの粒子の100個以上が一視野に収まるように写真撮影し、各粒子の直径をそれぞれ測定し、その平均値を平均粒子径とする。
次に、実施例と比較例について説明する。実施例1、2と、比較例1、2のノズルの耐アーク性試験結果により、アークに対する耐性の作用・効果について説明する。表1に、実施例1、2及び比較例1、2の詳細を示す。
Figure 0007273700000001
wt%:重量パーセント
実施例1では、鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体(平均粒子径12μm)の5質量%相当量と、平均粒子径30μmのフッ素系樹脂粉末とを、室温にて混合攪拌した。その後、混合物を金型に充填し、200kg/cmの圧力により成形した。成形体を金型から取り外し、500℃の加熱炉で焼成し、室温まで冷却した後に、機械加工により、実施例1の耐アーク性樹脂成形物からなる中空筒状のノズルを得た。ノズルの外径は30mm、内径は18mmであった。
実施例2では、球状の窒化ホウ素フィラー(平均粒子径0.5μm)の1質量%相当量と、平均粒子径30μmのフッ素系樹脂粉末とを室温にて混合攪拌した。その後、その混合物に、鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体(平均粒子径12μm)の4質量%相当量を加え、室温にて攪拌混合した。続いて、得られた混合物を金型に充填し、200kg/cmの圧力により成形した。成形体を金型から取り外し、500℃の加熱炉で焼成し、室温まで冷却した後に、機械加工により、実施例2の耐アーク性樹脂成形物からなる中空筒状のノズルを得た。ノズルの外径は30mm、内径は18mmであった。
比較例1では、平均粒径8μmの窒化ホウ素からなる鱗片状フィラーの5質量%相当量と、平均粒径300μmのフッ素系樹脂粉末とを室温にて混合攪拌した。その後、混合物を金型に充填し、200kg/cmの圧力により成形した。成形体を金型から取り外し、500℃の加熱炉で焼成し、室温まで冷却した後に、機械加工により、比較例1の耐アーク性樹脂成形物からなる中空筒状のノズルを得た。ノズルの外径は30mm、内径は18mmであった。
比較例2では、球状の窒化ホウ素フィラー(平均粒子径0.5μm)の5質量%相当量と、平均粒子径30μmのフッ素系樹脂粉末とを室温にて混合攪拌した。その後、混合物を金型に充填し、200kg/cmの圧力により成形した。成形体を金型から取り外し、500℃の加熱炉で焼成し、室温まで冷却した後に、機械加工により、比較例2の耐アーク性樹脂成形物からなる中空筒状のノズルを得た。ノズルの外径は30mm、内径は18mmであった。
図6に、耐アーク性試験後におけるノズルの内径変化を示す。比較例1によるノズルの内径変化率を1として、実施例1、2、および比較例2によるノズルの内径変化率を比較している。変化率が小さいほど、アークに対する耐性が高いことを示している。
ノズルの内径変化率は以下のようにして測定した。実施例1、2及び比較例1、2のノズルから、外径30mm、内径18mm、厚さ10mmのリング状サンプルを採取した。このリング状サンプルをポリ四フッ化エチレン製の中空円柱状の一対の治具によって厚み方向から挟んで固定した。このとき、リング状サンプルの中空部と治具の中空部とが連通するように位置合わせした。そして、治具の中空部からリング状サンプルに電極を挿入し、リング状サンプルの内周面近傍においてアークを発生させた。アーク発生前後でのリング状サンプルの内周面の減肉量を測定した。アークの発生条件は、電流25kA、周波数50Hz、アーク時間10msとし、アークを連続して5回発生させた。試験中はリング状サンプルの中空部にSFガスを0.5MPaの圧力で流した。
図6に示すように、実施例1および実施例2によるノズルの内径変化率は、比較例1によるノズルの内径変化率に対して小さくなっていることがわかる。これにより、実施例1および実施例2のノズルは、比較例のノズルよりもアークに対する耐性が高まっていることが確認できる。また、実施例1及び実施例2のノズルでは色むらや変色は確認されなかった。
以上の結果から明らかなように、実施例1、2のノズルでは、ノズル表面においてアーク光が反射されることで、アークに対する耐性を高めることができる。
図7~図10には、実施例1、2、比較例1、2のノズルにおけるフィラーの分散状態を模式図で示している。
図7に示すように、比較例1によるノズルでは、フッ素系樹脂中61中に鱗片状の窒化ホウ素フィラー64を分散した後の加圧工程において、加圧により、鱗片状の窒化ホウ素フィラー64が加圧方向に対して垂直に配向する(鱗片状の窒化ホウ素フィラー64の長辺方向の面が、加圧面に対して平行に配向する)。その後、焼成、機械加工によりノズルが作製されるが、鱗片状の窒化ホウ素フィラー64は配向しており、短辺方向の面がアーク光側に向いているため、アーク光に対して垂直に向かっている面積が小さくなり、効率的にアーク光を反射することができない。
一方、図8に示すように、実施例1では、フッ素系樹脂中61中に鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体62を分散した後の加圧工程において、加圧により、鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体62が配向することがないため、フッ素系樹脂中61中で均一に分散している。このため、アーク光側に向いている面積が大きくなり、効率的にアーク光を反射することができるため、内径の変化率が小さくなっている。
また、実施例1で使用しているフッ素系樹脂粉末(平均粒子径が30μm)は、比較例1で使用しているフッ素系樹脂粉末(平均粒子径が300μm)よりも小さい。窒化ホウ素フィラーは、フッ素系樹脂粉末の内部には分散しないため、粉末の界面に沿って分散することになる。実施例1では、平均粒子径の小さいフッ素系樹脂粉末を使用することで、鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体62が緻密にフッ素系樹脂中に分散し、アーク光側に向いている面積が大きくなり効率的にアーク光を反射できることも、アーク光に対する耐性が高い要因である。
また、図9に示すように、実施例2では、フッ素系樹脂中61中に分散した鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体62と球状の微細な窒化ホウ素フィラー63により、アーク光側に向いている面積が最も大きくなり、効率的にアーク光を反射することができるため、内径の変化率も最も小さくなっている。
図10に示すように、フッ素系樹脂中61中に球状の微細な窒化ホウ素フィラー63を分散した比較例2によるノズルにおいても、緻密に分散した球状の微細な窒化ホウ素フィラー63が、アーク光を効率的に反射するため、比較例1よりはアーク光に対する耐性が高くなっているが、鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体62を含まないため、実施例1および2によるノズルが示すアーク光に対する耐性には及ばない。
このように、実施例1および実施例2のノズルでは、窒化ホウ素フィラーの凝集体が、効率的にアーク光反射することができるため、アークに対する耐性が高まっていると考えられる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、フッ素系樹脂からなる成形物に、鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む平均粒子径1~30μmの凝集体が、フッ素系樹脂に対して1~10質量%の割合で分散されていることにより、色むらや変色の発生を防止し、耐アーク性を改善することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…ノズル、12…固定側アーク接触子、13…可動側アーク接触子、14…パッファ室、15…パッファシリンダ、16…パッファピストン、1、41、61…フッ素系樹脂、22、42、62…鱗片状の窒化ホウ素フィラーの凝集体、31、34…フッ素系樹脂粉末、43、63…球状の窒化ホウ素フィラー、64…鱗片状の窒化ホウ素フィラー。

Claims (6)

  1. フッ素系樹脂からなる成形物に、鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む平均粒子径1~30μmの凝集体が、前記フッ素系樹脂に対して1~10質量%の割合で分散され、且つ、平均粒子径0.1~1μmの球状の窒化ホウ素フィラーが、1~10質量%の割合で分散されている耐アーク性樹脂成形物。
  2. 前記フッ素系樹脂が、ポリ四フッ化エチレン樹脂又は四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重体である請求項1に記載の耐アーク性樹脂成形物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の耐アーク性樹脂成形物からなる、ガス遮断器用のノズル。
  4. 固定側アーク接触子と、前記固定側アーク接触子に接離する可動側アーク接触子と、前記固定側アーク接触子及び前記可動側アーク接触子を内包するように設けられたノズルとを備え、電流遮断時に前記固定側アーク接触子及び前記可動側アーク接触子間に発生するアークに、ガスを吹き付けて前記アークを消孤するガス遮断器であって、
    前記ノズルが、請求項1または請求項2に記載の耐アーク性樹脂成形物からなるガス遮断器。
  5. 平均粒子径が10~100μmの範囲のフッ素系樹脂粉末と鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む平均粒子径1~30μmの凝集体とを混合して混合物とする混合工程と、
    前記混合物を所定の型に充填して圧縮形成した後に焼成する焼成工程と、を備えた、請求項1または請求項2に記載の耐アーク性樹脂成形物の製造方法。
  6. 平均粒子径が10~100μmの範囲のフッ素系樹脂粉末と平均粒子径0.1~1μmの球状の窒化ホウ素フィラーとを混合して第1の混合物とし、前記第1の混合物に更に鱗片状の窒化ホウ素フィラーを含む平均粒子径1~30μmの凝集体を混合して第2の混合物とする混合工程と、
    前記第2の混合物を所定の型に充填して圧縮形成した後に焼成する焼成工程と、を備えた、請求項2に記載の耐アーク性樹脂成形物の製造方法。
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