JP2018165344A - 窒化ホウ素粒子含有シート - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導率、耐電圧、接着力及び耐屈曲性に優れた放熱窒化ホウ素二次粒子含有シートの提供。【解決手段】樹脂Bを内包する窒化ホウ素二次粒子及び樹脂Aを含む窒化ホウ素粒子含有シートであって、樹脂A及び樹脂Bは夫々エポキシ樹脂を含み、樹脂Aが含むエポキシ樹脂Aのエポキシ当量は、樹脂Bが含むエポキシ樹脂Bのエポキシ当量より大きく、エポキシ樹脂Bのエポキシ当量が270未満である、窒化ホウ素粒子含有シート。好ましくは、エポキシ樹脂Aのエポキシ当量が270以上である窒化ホウ素粒子含有シート。窒化ホウ素二次粒子が、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子を含有するものであることが、望ましい、窒化ホウ素粒子含有シート。【選択図】図1

Description

本発明の放熱シートは、窒化ホウ素二次粒子を含み、熱伝導率、耐電圧、接着力及び耐屈曲性に優れた窒化ホウ素粒子含有シートに関する。さらには、電気・電子部品用、特にパワー半導体デバイスに好適に用いられる絶縁放熱シートに関する。
電気機器の小型化・高性能化が進むにつれて、電子部品の実装密度は高くなってきている。高密度化により、電子部品から発生する熱の放散の必要性はより高まっており、重要な課題となっている。熱を放散させる方法として、高い放熱性を有し、かつ熱伝導率が10W/m・K以上のアルミニウム等の熱伝導体を、発熱源に接着する方法が広く採用されている。また、この熱伝導体を発熱源に接着するために、絶縁性を有する絶縁接着材料が用いられている。絶縁接着材料には、熱伝導率が高いことが強く求められている。
上記絶縁接着材料の一例として、特許文献1には、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤、エラストマー及び無機充填剤を含有する接着剤組成物を、ガラスクロスに含浸させた絶縁接着シートが開示されている。
一方、絶縁接着材の熱伝導率を向上させる無機充填剤として、六方晶窒化ホウ素(h−窒化ホウ素)が広く電気・電子材料分野で多く利用されている。これは、h−窒化ホウ素は、黒鉛と同じ層状構造を有し、合成が比較的容易で、且つ、熱伝導性、固体潤滑性、化学的安定性、耐熱性、絶縁性等に優れるという特徴を備えているためである。
しかしながら、h−窒化ホウ素は板状の粒子形状であり、その板面方向(ab面内又は(002)面内)には高い熱伝導性を示すものの(通常、熱伝導率として400W/mK程度)、板厚方向(c軸方向)には低い熱伝導性(通常、熱伝導率として2〜3W/mK程度)しか示さない。従って、これを樹脂に配合して窒化ホウ素粒子含有樹脂組成物とし、例えば、板状の成形体(以下、シートと表すことがある。)を成形した場合、板状のh−窒化ホウ素が成形時に窒化ホウ素粒子含有樹脂組成物の流動方向である成形体の板面方向に配向することとなる。得られるシートは、板面方向には熱伝導率に優れるものの、厚み方向には低熱伝導率しか示さないという問題があった。
そこで、このようなh−窒化ホウ素の熱伝導性の異方性を改良するために、シートを成形した場合でも上記のような配向が少なく、且つ、鱗片状以外の形状を有するh−窒化ホウ素が凝集した二次粒子が検討されてきた(特許文献2、3、4及び5)。特に特許文献5に記載されるカードハウス構造をもつh−窒化ホウ素二次粒子は、二次粒子の耐崩壊性を改善し、熱伝導率の面でも優れることがわかっている。また、特許文献6では、カードハウス構造の窒化ホウ素二次粒子が樹脂を内包(窒化ホウ素二次粒子内部に樹脂が存在)する窒化ホウ素二次粒子を用いることで、高熱伝導率と高耐電圧を両立させることが提案されている。しかし、内包する樹脂に関しては詳しい検討がなされていない。
特開2006−342238号公報 特開2006−257392号公報 特表2008−510878号公報 特開平9−202663号公報 特開2016−135732号公報 特開2015−193752号公報
窒化ホウ素は表面官能基が非常に少ないために、樹脂との密着性が低くなるという欠点がある。そのため、特許文献2〜5に記載されたような窒化ホウ素二次粒子を用いて作製した従来の高熱伝導放熱シートは高い熱伝導率を示す一方で、接着性能が十分ではなかった。
一方、特許文献6には、カードハウス構造の窒化ホウ素二次粒子が樹脂を内包する窒化ホウ素粒子が示されているものの、内包する樹脂に関しては詳細検討がなされていない。さらに、本発明者の検討によると、窒化ホウ素二次粒子は内部に空隙を有しているため、樹脂を内包させても内部の空隙を完全に埋めることが困難であることがわかってきた。
本発明は、窒化ホウ素二次粒子が特定の樹脂を内包することで、熱伝導率、耐電圧、接着力及び耐屈曲性に優れた放熱窒化ホウ素二次粒子含有シートを提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、窒化ホウ素二次粒子が内包する樹脂のエポキシ当量と窒化ホウ素二次粒子の外部に存在する樹脂のエポキシ当量を調整することにより、窒化ホウ素二次粒子内部の空隙を少なすることができることを見出した。さらに、熱伝導率及び耐電圧に優れ、窒化ホウ素二次粒子と樹脂との接着性を向上させ、さらに、柔軟で割れにくい耐屈曲性に優れた窒化ホウ素粒子含有シートが得られることに到達した。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1]樹脂Bを内包する窒化ホウ素二次粒子及び
樹脂Aを含む
窒化ホウ素粒子含有シートであって、
樹脂A及び樹脂Bはそれぞれエポキシ樹脂を含み、
樹脂Aが含むエポキシ樹脂Aのエポキシ当量は、樹脂Bが含むエポキシ樹脂Bのエポキシ当量より大きく、
エポキシ樹脂Bのエポキシ当量が270未満である、窒化ホウ素粒子含有シート。
[2]前記エポキシ樹脂Aのエポキシ当量が270以上である、[1]に記載の窒化ホウ素粒子含有シート。
[3]前記窒化ホウ素二次粒子が、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子を含有するものである、[1]又は[2]に記載の窒化ホウ素粒子含有シート。
本発明は、熱伝導率、耐電圧、接着力及び耐屈曲性に優れた放熱窒化ホウ素二次粒子含有シートを提供することができる。
本発明の窒化ホウ素二次粒子の倍率20万倍の走査型電子顕微鏡(以下「SEM」と称す)写真である。 本発明の窒化ホウ素二次粒子の倍率100万倍のSEM写真である。 カードハウス構造の模式図である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
本発明の窒化ホウ素二次粒子含有シートは、特定の窒化ホウ素二次粒子及び樹脂を含有することで、熱伝導率、耐電圧、接着力及び耐屈曲性に優れる。本発明の効果を奏する理由は以下のように推測される。
本発明のシートは、窒化ホウ素二次粒子を含むことにより、高い熱伝導率を達成することができる。さらに、該窒化ホウ素二次粒子に内包される樹脂(樹脂B)がエポキシ樹脂を含み、且つ、該エポキシ樹脂のエポキシ当量が270未満であることで、樹脂Bが高度に架橋される。そのため、高電圧を印加した際に樹脂の劣化による短絡を防止し、耐電圧に優れる。
さらに、窒化ホウ素二次粒子含有シートに含まれる樹脂Aがエポキシ樹脂Aを含み、且つエポキシ樹脂Aのエポキシ当量がエポキシ樹脂Bより大きいことで、樹脂Aは特に柔軟な構造を有する。従って、窒化ホウ素二次粒子含有シートの耐屈曲性が向上し、さらに、窒化ホウ素二次粒子と樹脂Aの界面剥離を抑制することで熱伝導性を向上できる傾向になる。
<樹脂A>
本発明の窒化ホウ素粒子含有シートは樹脂Aを含有し、樹脂Aはシートを構成する樹脂である。樹脂Aはエポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂A」と表すことがある。)を含み、エポキシ樹脂A以外を含んでいてもよい。
エポキシ樹脂Aのエポキシ当量(以下、「WPEA」と表すことがある。)は後述するエポキシ樹脂Bが含むエポキシ樹脂Bのエポキシ当量(以下、「WPEB」と表すことがある。)より大きい。WPEAがWPEBより大きいことで、シートを構成するエポキシ樹脂Aの架橋点間距離が長くなり、エポキシ樹脂Bと比較して柔軟な構造となる。従って、よりしなやかで、割れにくい耐屈曲性に優れたシートを得ることができる。
なお、エポキシ当量はエポキシ樹脂の分子量をエポキシ基の数で除した値である。
WPEAは、好ましくは270以上であり、より好ましくは500以上、さらに好ましくは1000以上である。また、好ましくは10000以下であり、より好ましくは7000以下、さらに好ましくは5000以下である。WPEAが上記下限値以上であることで、エポキシ樹脂Aの架橋点間距離が長くなるため、柔軟な構造によりしなやかで、割れにくい耐屈曲性に優れたシートを得ることができる傾向にある。また、上記上限値以下であることで、高電圧における絶縁性を確保することができる傾向にある。
エポキシ樹脂Aは1種類の構造単位を有するエポキシ樹脂のみであってもよいが、構造単位の異なる複数のエポキシ樹脂を組み合わせてもよい。組み合わせた場合においても、組み合わせて得られたエポキシ樹脂Aのエポキシ当量の合計(WPEA)がWPEBより大きいことが重要である。
エポキシ樹脂Aは特に限定されないが、例えば、エピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂Aが含む構成単位の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンテン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、又はピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
また、3級アミン構造を有するエポキシ樹脂も持用いることができる。具体的には、N,N−ジメチルアミノエチルグリシジルエーテル、N,N−ジメチルアミノトリメチルグリシジルエーテル、N,N−ジメチルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
多官能脂肪族のエポキシ樹脂としては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリメチルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
上記の中でも、多官能脂肪族のエポキシ樹脂が好ましく、特にトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルはエポキシ当量が140と小さく好ましい。
樹脂Aはエポキシ樹脂A以外の成分を含んでいてもよく、例えば、エポキシ以外の硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム等が挙げられる。
硬化性樹脂としては、熱硬化性、光硬化性、電子線硬化性など重合可能なものであれば良いが、耐熱性、吸水性、寸法安定性などの点で、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、二重結合を有するアクリルモノマー等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルアミドイミド樹脂、ポリエーテルアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。また、それらのブロック共重合体、グラフト共重合体等の共重合体も含まれる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ゴムとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロ・スルホン化ポリエチレン、ポリウレタンゴムなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
樹脂A中のエポキシ樹脂Aの含有率は特に限定されないが、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。また、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。この範囲であることで、後述するシート組成物の成膜性が向上し、さらに、窒化ホウ素二次粒子含有シートの耐電圧性、接着力及び耐屈曲性が向上する傾向にある。
<窒化ホウ素二次粒子>
本発明に係る窒化ホウ素二次粒子は、樹脂Bが内包されていることを特徴とする(以下、「樹脂内包窒化ホウ素二次粒子」と表すことがある。)。窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる窒化ホウ素二次粒子は、その内部に一次粒子が凝集した際に生ずる空隙が存在する。本発明の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子は、該空隙が特殊な樹脂により埋められていることを特徴とする。
なお、樹脂Bは、上記の窒化ホウ素粒子含有シートが含む樹脂Aと異なる組成であり、含有するエポキシ樹脂のエポキシ当量が異なる。エポキシ樹脂Aはエポキシ樹脂Bと同じエポキシ樹脂を含んでいても良いが、エポキシ樹脂Bのエポキシ当量はエポキシ樹脂Aのエポキシ当量よりも小さい必要がある。
[樹脂B]
本発明の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子は、樹脂Bが二次粒子中に内包されている。二次粒子に内包されるとは、窒化ホウ素二次粒子中の凝集した一次粒子の空隙に樹脂が存在することを指す。
樹脂Bは、エポキシ樹脂Bを含み、該エポキシ樹脂Bのエポキシ当量(WPEB)が270未満である。複数の種類のエポキシ樹脂を含有する場合には、それぞれのエポキシ樹脂のエポキシ当量に質量分率を掛けた合計数が270未満であればよい。すなわち、エポキシ当量300のエポキシ樹脂70部とエポキシ当量100のエポキシ樹脂30部の場合は、300×0.7+100×0.3=240と計算することができる。
WPEBが270未満であることで、エポキシ樹脂Bの架橋密度が高くなり、硬化した際の樹脂Bが適度な硬度を有する。樹脂構造が適度な硬度を有することで、交流の高電位を負荷した場合にも、樹脂内部の分極による振動が抑制されることによる破壊を低減し、絶縁性が向上する傾向にある。
WPEBは、より好ましくは250未満であり、さらに好ましくは200未満である。また、窒化ホウ素二次粒子の表面は窒化ホウ素一次粒子が様々な方向を向いており、表面が凹凸状になっている。その凹凸を埋めるように上記の樹脂Bが内部から窒化ホウ素二次粒子の外、つまりシート側へにじみ出ており、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子とその外部の樹脂Aとの界面には、エポキシ当量が小さいエポキシ樹脂B層が存在することになる。したがって、電気的に最も弱くなる窒化ホウ素二次粒子と樹脂Aとの界面にも高架橋のエポキシ樹脂が存在することになるため、高耐電圧の特性を有する。
樹脂Bは、エポキシ樹脂Bを有していれば特に限定されない。例えば、フェノール樹脂等を有していてもよい。フェノール樹脂も特に限定されないが、エポキシ樹脂Bのエポキシ基の数100に対してフェノールの水酸基の数は20以上が好ましく、40以上がより好ましく、50以上がさらに好ましい。また、100以下が好ましく、80以下がより好ましくは、70以下がさらに好ましい。
上記フェノール樹脂の具体例としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、又はポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。なかでも、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂及びアリル基を有するフェノール樹脂から選択される少なくとも1つが好ましい。
上記フェノール樹脂の市販品としては、MEH−8005、MEH−8000H及びNEH−8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH903(三菱化学社製)、LA―7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P(以上いずれも大日本インキ社製)、並びにPS6313及びPS6492(群栄化学社製)等が挙げられる。
本発明で用いられる窒化ホウ素二次粒子の構造は特に限定はない、鱗片状の一次粒子を団子状に固めた構造であってもよく、また、そのように固めた二次粒子を、加熱により焼結した窒化ホウ素二次粒子でもよい。また、鱗片状の窒化ホウ素一次粒子が配向せずに複雑に積層したようなカードハウス構造を有していても良い。窒化ホウ素二次粒子の凝集形態は走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
前記カードハウス構造とは、窒化ホウ素二次粒子表面において窒化ホウ素一次粒子の結晶が窒化ホウ素二次粒子の中心側から表面側へ向けて放射状に成長しているウニ様の形態、又は窒化ホウ素一次粒子が小板でありそれらが焼結凝集しているウニ様の球状の形態であることが好ましい。このようなカードハウス構造では鱗片状の一次粒子がランダム配向しているため、どの方向にも熱伝導率の高い結晶面が向いており、等方的に高い熱伝導率を発現でき、さらに、一次粒子の平面部と端面部が接触している構造であるため粒子間の熱抵抗が小さく、熱伝導率が非常に高くなる傾向にある。
本願発明の効果を損なわない範囲で、窒化ホウ素二次粒子は上記窒化ホウ素一次粒子以外の成分を含有してもよい。窒化ホウ素一次粒子以外の成分としては、バインダー、界面活性剤、溶媒に由来する成分等を挙げることができる。
(形状)
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子は球状であることが好ましい。ここで「球状」とは、アスペクト比(長径と短径の比)が1以上2以下、好ましくは1以上1.5以下であることをさす。本発明の窒化ホウ素二次粒子のアスペクト比は、SEMで撮影された画像から200個以上の粒子を任意に選択し、それぞれの長径と短径の比を求めて平均値を算出することにより決定する。
(平均粒子径(D50))
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の平均粒子径(D50)は、通常5μm以上であり、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは25μm以上であり、より更に好ましくは30μm以上、より更に好ましくは40μm以上であり、より更に45μm以上であり、特に好ましくは50μm以上である。また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。上記上限値以下であることで、成形体とした際に表面の平滑性が向上し、さらに樹脂内包窒化ホウ素二次粒子が適当な間隙となるため熱伝導性が向上する傾向にある。また、上記下限値以上であることで、成形体とした際に樹脂内包窒化ホウ素二次粒子間の接触抵抗が大きくなり過ぎず、窒化ホウ素二次粒子自体の熱伝導性が高くなる傾向にある。
なお、D50は測定に供した粉体の体積を100%として累積曲線を描かせた際に丁度累積体積が50%となる時の粒子径を意味し、その測定方法は、湿式測定法としては、分散安定剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを含有する純水媒体中に窒化ホウ素二次粒子を分散させた試料に対して、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置などを用いて測定することができ、乾式測定法としては、Malvern社製「Morphologi」を用いて測定することができる。
(破壊強度)
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の破壊強度は、通常2.5MPa以上、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは3.5MPa以上、更に好ましくは4.0MPa以上であり、通常20MPa以下、好ましくは15MPa以下、更に好ましくは10MPa以下である。上記上限値以下であることで、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の強度が過剰にならず、成形体とした際に表面平滑性が向上し、また、熱伝導性が向上する傾向にある、また、上記下限値以上であることで、シートを作製する際の圧力での粒子変形が抑制され、熱伝導性が向上する傾向にある。
なお、破壊強度は、粒子1粒をJIS R 1639−5に従って圧縮試験し、下記式により算出できる。通常、粒子は5点以上測定し、その平均値を採用する。
式:Cs=2.48P/πd2
Cs:破壊強度(MPa)
P:破壊試験力(N)
d:粒子径(mm)
(全細孔容積)
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の全細孔容積は特に限定されないが、好ましくは2.2cm3/g以下である。また、好ましくは0.01cm3/g以上、より好ましくは0.02cm3/g以上であり、好ましくは2cm3/g以下、より好ましくは1.5cm3/g以下である。
全細孔容積は、窒素吸着法および水銀圧入法で測定することができる。上記上限値以下であることで、シート内の窒化ホウ素二次粒子内が密になっているために、熱伝導を阻害する境界面を少なくすることが可能となり、より熱伝導性の高い窒化ホウ素二次粒子となる傾向にある。また、上記下限値以上であることで、細孔に樹脂が過剰に取り込まれず、見かけの粘度の上昇を抑制できる場合があり、シート組成物の成形加工或いは塗布液の塗工性が向上する傾向にある。
(比表面積)
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の比表面積は好ましくは1m2/g以上、より好ましくは3m2/g以上、さらに好ましくは5m2/g以上である。また、好ましくは50m2/g以下、より好ましくは40m2/g以下、さらに好ましくは8m2/g以下、特に好ましくは7.25m2/g以下である。樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の比表面積が、この範囲であると、樹脂と複合化した際に、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子同士の接触抵抗が低減される傾向にあり、後述するシート組成物の粘度上昇を抑制できるため好ましい。比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
(バルク密度)
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子のバルク密度は、通常0.3g/cm3以上であることが好ましく、より好ましくは0.35g/cm3以上、更に好ましくは0.4g/cm3以上である。バルク密度が上記下限値以上であることで、見かけの体積が大きくなり過ぎず、シート中に樹脂成分に対して、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の体積を抑制することができる。そのため、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を含むシート組成物等を製造した際の、該シート組成物の粘度上昇を抑制できる傾向にある。
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子のバルク密度の上限については特に制限はないが、通常0.95g/cm3以下、好ましくは0.9g/cm3以下、より好ましくは0.85g/cm3以下である。バルク密度が上記上限値以下であることで、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を含む樹脂組成物中で樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の分散が均一となり、沈降を抑制できる傾向にある。
なお、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子のバルク密度は、粉体のバルク密度を測定する通常の装置や方法を用いて求めることができる。
[樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の製造方法]
本発明の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の製造方法は特に限定されず、また、樹脂Bを内包させる前の窒化ホウ素二次粒子の製造方法は特に限定されない。
(窒化ホウ素二次粒子の製造方法)
樹脂Bを内包させる前の窒化ホウ素二次粒子の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、上記特許文献2〜6に示す方法等が挙げられる。具体的例として、以下の方法を挙げる。
窒化ホウ素二次粒子は、好ましくは、粘度が200〜5000mPa・である原料窒化ホウ素粉末を含むスラリー(以下「窒化ホウ素スラリー」と称す場合がある。)を用いて粒子を造粒し、造粒粒子を加熱処理することによって、該造粒粒子の大きさを保持したまま窒化ホウ素一次粒子の結晶子を成長させて、製造することができる。窒化ホウ素スラリーの粘度は、好ましくは300mPa・s以上、より好ましくは500mPa・s以上、更に好ましくは700mPa・s以上、特に好ましくは1000mPa・s以上であり、好ましくは4000mPa・s以下、より好ましくは3000mPa・s以下である。
上記窒化ホウ素スラリーの粘度は、生成する窒化ホウ素二次粒子の体積基準の平均粒子径D50および、窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径に大きく影響し、該粘度を200mPa・s以上とすることにより、窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径及び窒化ホウ素二次粒子の体積基準の平均粒子径D50を大きくすることができる。
一方、窒化ホウ素スラリーの粘度を5000mPa・s以下とすることにより、造粒を容易にすることができる。
なお、本発明における窒化ホウ素スラリーの粘度とは、FUNGILAB社の回転粘度計「VISCO BASIC Plus R」を用い、ブレード回転数100rpmにて測定した粘度のことである。
上記窒化ホウ素スラリーの粘度とすることで、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を用いた樹脂内包窒化ホウ素二次粒子含有樹脂組成物(本発明において、「シート組成物」と表すことがある。)を作製する場合、同一の充填量においても、他の窒化ホウ素粒子と比較して得られるシートの熱伝導率が向上する傾向にある。これは、窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の平均結晶粒子径の増大により、窒化ホウ素一次粒子中の結晶粒界が減少すること、窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の特定面が配向していることによると推察される。好ましくは、窒化ホウ素二次粒子の体積基準の平均粒子径D50が大きいことにより、窒化ホウ素二次粒子間の接触抵抗が低減することも影響すると考えられる。
なお、上記ピーク強度比および結晶子径は、窒化ホウ素スラリーから製造する造粒粒子を加熱処理する際の焼成温度、原料窒化ホウ素粉末中に存在する酸素濃度によっても制御できる。具体的には、後述の通り、窒化ホウ素スラリーから製造する造粒粒子を加熱処理する際の焼成温度範囲を1800℃以上2300℃以下とすることでピーク強度比を3以上とすることができ、原料窒化ホウ素粉末中に存在する酸素濃度が1.0質量%以上の原料を用いることで、結晶子径を所望の範囲に制御できる。即ち、適切な焼成温度範囲と適切な酸素濃度の原料窒化ホウ素粉末を用いることで上記ピーク強度比と上記平均結晶子径を同時に制御できる。
これにより樹脂内包窒化ホウ素二次粒子をシート組成物とした際の窒化ホウ素二次粒子間の接触抵抗の低減並びに窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子中の結晶粒界が減少し、該窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の特定の結晶面が配向した、熱伝導性の高い窒化ホウ素二次粒子を作製できる。
(樹脂Bを内包させる方法)
窒化ホウ素二次粒子に樹脂Bを内包させる方法も特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂Bのエポキシ基量100に対して水酸基量が50であるフェノール樹脂とイミダゾール系硬化促進剤を混合し、窒化ホウ素二次粒子と混ぜて真空引きを行う方法が挙げられる。これにより窒化ホウ素二次粒子の内部に樹脂が含浸され、内包した状態となる。その後、窒化ホウ素二次粒子の外部に存在する樹脂Aなどのシートの構成成分、例えば、樹脂Aとエポキシ樹脂Aのエポキシ基量の50%に相当する水酸基を持ったフェノールとイミダゾール系硬化促進剤等を混ぜることができる。樹脂Aの粘度が高い場合には適宜溶媒を用いても良い。
[樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を構成する一次粒子]
(窒化ホウ素一次粒子の長軸)
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の長軸は通常0.5μm以上、好ましくは0.6μm以上、より好ましくは0.8μm以上、更に好ましくは1.0μm以上、特に好ましくは1.1μm以上である。また通常10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。長軸方向に高い熱伝導率を有するため、一次粒子が上記下限値以上であることで、二次粒子全体が高い熱伝導率を持つことができる傾向にある。また、上記上限値以下であることで、一次粒子同士の結合点が多くなり、高圧で圧潰し難くなる傾向にある。
なお、上記長軸とはSEM測定により得られた窒化ホウ素二次粒子1粒を拡大し、1粒の窒化ホウ素二次粒子を構成している窒化ホウ素一次粒子について、画像上で観察できる窒化ホウ素一次粒子の最大長を平均した値である。
(窒化ホウ素一次粒子の結晶構造)
窒化ホウ素一次粒子の結晶構造は、特に限定されないが、合成の容易さと熱伝導性の点で六方晶系のh−窒化ホウ素を主成分として含むものが好ましい。また、バインダーとして窒化ホウ素以外の無機成分が含まれる場合、熱処理の過程でそれらが結晶化するが、窒化ホウ素が主成分として含まれていればよい。なお、上記窒化ホウ素一次粒子の結晶構造は、粉末X線回折測定により確認することができる。
(窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径)
本発明の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を粉末X線回折測定して得られる窒化ホウ素一次粒子の(002)面ピークから求めた窒化ホウ素一次粒子の平均結晶子径は、特に制限はされないが、平均結晶子径は大きいことが熱伝導率の点から好ましい。例えば、通常300Å以上、好ましくは320Å以上、より好ましくは375Å以上であり、更に好ましくは380Å以上、より更に好ましくは390Å以上、特に好ましくは400Å以上であり、通常5000Å以下、好ましくは2000Å以下、更に好ましくは1000Å以下である。上記平均結晶子径が上記上限値以下であることで、窒化ホウ素一次粒子の過剰成長を抑制し、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子内の間隙が広くなりすぎず、成形体とする際の成形性が向上する傾向にある。また、間隙が広くなり過ぎないことにより、熱伝導性を向上できる傾向にある。一方、上記平均結晶子径が上記下限以上であることで、窒化ホウ素一次粒子内の粒界の増加を抑制し、結晶粒界でのフォノン散乱の発生を防止し、熱伝導を向上できる傾向にある。
上記粉末X線回折測定は、0.2mm深さのガラス試料板に表面が平滑になるように樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を充填し、測定される。
また、上記平均結晶子径とは、粉末X線回折測定によって得られる窒化ホウ素一次粒子の(002)面ピークから、後述の実施例において記載の通り、Scherrer式にて求められる結晶子径である。
(窒化ホウ素一次粒子のピーク強度比)
本発明に係る窒化ホウ素一次粒子において、(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))が3以上であることが好ましい。前記ピーク強度比は、シート等の成形体に成形する前の粉末の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子において0.2mmの深さのガラス試料板に表面が平滑になるように充填し、粉末X線回折測定して得られるものである
また、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比は好ましくは3以上、より好ましくは3.2以上、さらに好ましくは3.4以上、特に好ましくは3.5以上である。また、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下である。
窒化ホウ素一次粒子及び樹脂内包窒化ホウ素二次粒子のピーク強度が上記上限値以下であることで、シートとした際に樹脂内包窒化ホウ素二次粒子が崩壊し難い傾向にあり、上記下限値以上であることで、放熱シートの厚み方向の熱伝導性が向上する傾向にある。
なお、ピーク強度比は粉末X線回折測定により測定された該当するピーク強度の強度比から計算することができる。
(窒化ホウ素一次粒子のピーク面積強度比)
本発明に係る窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))(以下、ピーク面積強度比1と表すことがある。)は0.25以上であることが好ましい。前記ピーク面積強度比1は、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を10mmφの粉末錠剤成形機で0.85ton/cm2の成形圧力で成形して得られたペレット状の試料を粉末X線回折測定することにより得られる、
ピーク面積強度比1は、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.5以上、よりさらに好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.81以上、特に好ましくは0.85以上、とりわけ好ましくは0.91以上である。また、上限は特に制限はないが、好ましくは10.0以下、より好ましくは5.0以下、さらに好ましくは4.0以下であり、よりさらに好ましくは2.0以下であり、特に好ましくは1.6以下である。
また、ピーク面積強度比の別の表現としては、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を10mmφの粉末錠剤成形機で0.85ton/cm2以上2.54ton/cm2以下の成形圧力で成形して得られたペレット状の試料中の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比(100)/(004))が挙げられる(以下、ピーク面積強度比2と表すことがある。)。ピーク面積強度比2は好ましくは0.25以上、より好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.35以上、よりさらに好ましくは0.40以上である。また、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.2以下である。ピーク面積強度比2が上記上限値より小さいことで、成形体とした際に窒化ホウ素二次粒子間の接触抵抗が大きくなり過ぎない傾向にある。また、ピーク面積強度比2が上記下限値より大きいことで、シート成形時の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の崩壊が抑制され、厚み方向の熱伝導性が向上する傾向にある。
通常、放熱シートなどにおいて最適なプレス圧力条件は、放熱シートの種類によって異なる。樹脂マトリックス中に分散した窒化ホウ素二次粒子は、用途に応じた圧力条件にさらされるが、通常、窒化ホウ素粒子は圧力方向に対して直行する方向にab面が配向する傾向にある。窒化ホウ素二次粒子を用いた場合でも成形圧力に対して粒子変形が生じ、結果としてab面が圧力方向に直行する方向に配向する傾向にある。
例えば、樹脂製の高放熱基板は、樹脂製基板内部の空隙低減や分散させた窒化ホウ素二次粒子同士の完全な接触のために、0.85ton/cm2以上2.54ton/cm2以下のような比較的高い圧力で成形されると考えられる。このため、ピーク面強度比2で用いる上記圧力範囲でも窒化ホウ素一次粒子の配向変化が少ない窒化ホウ素二次粒子が熱伝導性向上には必要である。
本発明の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子は、好ましくは樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子がカードハウス構造を有する。これは、窒化ホウ素一次粒子同士が一次粒子平面部と端面部で接触することによる相互補強構造を有することから、広い成形圧力範囲で樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の変形を抑制することが可能である。用途に応じて最適な圧力範囲は異なるが、成形体の厚み方向に高熱伝導化するためには、0.85ton/cm2以上2.54ton/cm2の範囲において、少なくとも一定以上の一次粒子配向が保持される状態が達成することが好ましい。
一定以上の一次粒子配向とは、例えば一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比(100)/(004))によって表現されるが、これは(004)面、すなわち、圧力方向に対して直行する方向にab面が配向する割合がどれだけ少ないかを表現するものである。従って、上述のピーク面積強度比が大きいほど、成形圧力による窒化ホウ素二次粒子の変形が少ない。高熱伝導性を達成するには、少なくともピーク面積強度比は0.25以上であることが必要と考えている。ピーク面積強度比の下限、上限については前述のとおりである。
なお、0.85ton/cm2以上2.54ton/cm2の範囲におけるピーク面積強度比は、上記圧力範囲において一点でも所定の数値を満たせば問題なく、本発明の圧力範囲全てにおいて達成する必要はない。また、好ましくは、0.85ton/cm2、1.69ton/cm2、2.54ton/cm2の3点にて所定の数値を満たすことである。
なお、上記ピーク面積強度比は、錠剤成形機(10mmφ)に約0.2gの粉末を充填し、手動油圧式ポンプ(理研精機社製P-1B-041)を用いて、種々のプレス圧で錠剤成形した試料を測定に供する(例えば、0.85ton/cm2、1.69ton/cm2、2.54ton/cm2等)。測定は、オランダPANalytical社製X‘PertPro MPD粉末X線回折装置を用いて行うことで、該当するピーク面積の強度比を計算することができる。
<窒化ホウ素粒子含有シート>
[樹脂内包窒化ホウ素二次粒子含有樹脂組成物]
本発明の窒化ホウ素粒子含有シートを製造する際に樹脂内包窒化ホウ素二次粒子と樹脂Aとを含有した樹脂内包窒化ホウ素二次粒子含有樹脂組成物(以下、「シート組成物」と表すことがある。)を用いることで、より高い熱伝導率と耐電圧性を併せ持つ窒化ホウ素粒子含有シートを製造することが可能となる。
シート組成物中の樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の含有割合は、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子と樹脂Aの合計を100質量%として、通常5質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下である。上記上限値より小さいことで、シート組成物の粘度が抑制され、成形加工性が得られる傾向にある。また、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子が密に充填され、窒化ホウ素粒子含有シートの熱伝導性が向上する傾向にある、また、上記下限値以上であることで、成形加工性は及び熱伝導性の両方が向上する傾向にある。
(硬化剤)
本発明に係るシート組成物及び窒化ホウ素粒子含有シートは硬化剤を含んでいてもよく、含まれている硬化剤は特に限定されない。硬化剤は、フェノール樹脂、芳香族骨格又は脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物等であることが好ましい。この好ましい硬化剤の使用により、耐熱性、耐湿性及び電気物性のバランスに優れた樹脂内包窒化ホウ素二次粒子含有シートの硬化物を得ることができる。硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノール樹脂は、特に限定されない。上記フェノール樹脂の具体例としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、又はポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。なかでも、窒化ホウ素二次粒子含有シートの柔軟性及び難燃性をより一層高めることができるので、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂及びアリル基を有するフェノール樹脂から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
上記フェノール樹脂の市販品としては、MEH−8005、MEH−8000H及びNEH−8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH903(三菱化学社製)、LA―7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P(以上いずれも大日本インキ社製)、PS6313及びPS6492(群栄化学社製)等が挙げられる。
芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、特に限定されない。芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。なかでも、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸の使用により、窒化ホウ素二次粒子含有シートの硬化物の耐水性を高めることができる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、SMAレジンEF30、SMAレジンEF40、SMAレジンEF60及びSMAレジンEF80(以上いずれもサートマー・ジャパン社製)、ODPA−M及びPEPA(以上いずれもマナック社製)、リカジットMTA−10、リカジットMTA−15、リカジットTMTA、リカジットTMEG−100、リカジットTMEG−200、リカジットTMEG−300、リカジットTMEG−500、リカジットTMEG−S、リカジットTH、リカジットHT−1A、リカジットHH、リカジットMH−700、リカジットMT−500、リカジットDSDA及びリカジットTDA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにEPICLON B4400、EPICLON B650、及びEPICLON B570(以上いずれも大日本インキ化学社製)等が挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。この場合には、窒化ホウ素二次粒子含有シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。また、上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又は該酸無水物の変性物等も挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、リカジットHNA及びリカジットHNA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにエピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H及びエピキュアYH309(以上いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
(硬化促進剤)
硬化速度や硬化物の物性などを調整するために、上記硬化剤と硬化促進剤とを併用してもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアジン類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類又は有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類等が挙げられる。また、上記硬化促進剤としては、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類又は金属ハロゲン化物等が挙げられる。上記有機金属化合物類としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫又はアルミニウムアセチルアセトン錯体等が挙げられる。
上記硬化促進剤として、シアノ基含有イミダゾール系硬化促進剤、高融点のイミダゾール系硬化促進剤、高融点の分散型潜在性硬化促進剤、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、又は高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等を使用できる。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤は、シアノ基含有イミダゾール系であることが好ましい。シアノ基含有イミダゾール系は樹脂相溶性が高いが、反応活性領域も高いという特徴がある。これにより反応系を容易に制御でき、かつ窒化ホウ素二次粒子含有シートの硬化速度、及び窒化ホウ素二次粒子含有シートの硬化物の物性などをより一層容易に調整できる。
シート組成物及び窒化ホウ素粒子含有シートに含まれている樹脂A100質量部中に、硬化剤は5〜50質量部の範囲内で含まれていることが好ましい。上記樹脂A100質量部中の硬化剤の含有量のより好ましい下限は10質量%であり、より好ましい上限は40質量%である。硬化剤の量が上記下限値以上であることで、窒化ホウ素二次粒子含有シートを充分に硬化させることができる傾向にある。硬化剤の量が上記上限値以下であることで、硬化に関与しない余剰な硬化剤が発生せず、さらに硬化物の架橋が充分に進行する傾向にある。このため、窒化ホウ素二次粒子含有シートの硬化物の耐熱性及び接着性が充分に得られる。
特にフェノール樹脂を硬化剤として用いる場合には、フェノールに含まれる水酸基の数とエポキシ基の数を調整することが好ましい。エポキシ基の数100に対してフェノールの水酸基の数は20以上、より好ましくは40以上、さらに好ましくは50以上、100以下、より好ましくは80以下、さらに好ましくは70以下が良い。
(その他のフィラー)
本発明のシート組成物及び窒化ホウ素粒子含有シートは、樹脂含有窒化ホウ素二次粒子の他にフィラーを含んでも良い。樹脂含有窒化ホウ素二次粒子以外のフィラーとしては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素の一次粒子、アルミナ、結晶性シリカ、合成マグネサイト、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウム、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、エポキシビーズ、スチレンビーズ、ウレタンビーズなどの合成樹脂粒子等が挙げられる。フィラーの形状は球状でもよく、鱗片状でもよく、破砕品などの不定形でもよい。樹脂含有窒化ホウ素二次粒子以外のフィラーは、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記その他のフィラーの体積平均粒子径(D50)は、特に限定されないが、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましく、1μm以上が特に好ましい。また、60μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、10μm以下が特に好ましい。
平均粒子径が上記下限値以上であることで、シート組成物の粘度が抑制され、高い密度でフィラーを充填することができる傾向にある。また、平均粒子径が上記上限値以下であることで、窒化ホウ素粒子含有シートの硬化物の絶縁破壊特性が向上する傾向にある。
なお、上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
放熱窒化ホウ素粒子含有シート100体積%中のその他フィラーの含有体積%は特に限定されないが、5体積%以上が好ましく、10体積%以上がより好ましく、15体積%以上がさらに好ましい。また、65体積%以下が好ましく、60体積%以下がより好ましく、50体積%以下がさらに好ましい。上記下限値以上であることで、十分な熱伝導率が得られる傾向にあり、上記上限値以下であることで、フィラー間の樹脂の量が適当な量となり、シート形状を保つことができる傾向にある。
(有機溶剤)
本発明のシート組成物及び窒化ホウ素粒子含有シートは、有機溶剤を含んでも良い。含まれる有機溶剤は、放熱窒化ホウ素粒子含有シート100質量部に対して5質量部以下が好ましい。より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下が好ましい。有機溶剤が5質量部を超える場合には硬化時の溶剤揮発によるボイド形成が生じることがある。
上記有機溶剤の沸点は、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。
上記有機溶剤の例としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
(分散剤)
本発明に係るシート組成物及び窒化ホウ素粒子含有シートは、分散剤を含んでいてもよい。分散剤の使用により、窒化ホウ素粒子含有シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。
上記分散剤は、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有することが好ましい。分散剤が水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有することで、絶縁シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基としては、例えば、カルボキシル基(pKa=4)、リン酸基(pKa=7)、又はフェノール基(pKa=10)等が挙げられる。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基のpKaは、2〜10の範囲内にあることが好ましく、3〜9の範囲内にあることがより好ましい。pKaが2以上であることでエポキシ成分の反応が抑制され、未硬化状態の窒化ホウ素粒子含有シートが貯蔵された場合に、窒化ホウ素粒子含有シートの貯蔵安定性が得られる傾向にある。pKaが10以下であることで、分散剤としての機能が充分に果たされ、窒化ホウ素粒子含有シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性が充分に高められる傾向にある。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基は、カルボキシル基又はリン酸基であることが好ましい。この場合には、窒化ホウ素粒子含有シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性をさらに一層高めることができる。
上記分散剤としては、具体的には、例えば、ポリエステル系カルボン酸、ポリエーテル系カルボン酸、ポリアクリル系カルボン酸、脂肪族系カルボン酸、ポリシロキサン系カルボン酸、ポリエステル系リン酸、ポリエーテル系リン酸、ポリアクリル系リン酸、脂肪族系リン酸、ポリシロキサン系リン酸、ポリエステル系フェノール、ポリエーテル系フェノール、ポリアクリル系フェノール、脂肪族系フェノール、又はポリシロキサン系フェノール等が挙げられる。分散剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明のシート組成物及び窒化ホウ素粒子含有シートは、必要に応じて、チキソ性付与剤、難燃剤又は着色剤などを含んでいてもよい。
[シート組成物の調製方法]
シート組成物の調製方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。なお、その際、シート組成物の均一性の向上、脱泡等を目的として、ペイントシェーカーやビーズミル、プラネタリミキサ、攪拌型分散機、自公転攪拌混合機、三本ロール、ニーダー、単軸又は二軸混練機等の一般的な混練装置などを用いて混合・撹拌することが好ましい。
各配合成分の混合順序も、特段の問題がない限り任意であるが、例えばマトリックス樹脂を有機溶媒に混合・溶解させて樹脂液を作成し、得られた樹脂液に、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子及び上記のその他の成分を十分混合したものを加えて混合し、その後、粘度調製用の有機溶媒を加えて混合した後に、更に、樹脂硬化剤や硬化促進剤、或いは、分散剤等の添加剤を加えて混合する方法が挙げられる。
[窒化ホウ素粒子含有シートの製造方法]
以下、シート組成物を用いて本発明の窒化ホウ素粒子含有シートを製造する方法を具体的に説明する。
(塗布工程)
まず基材の表面に、シート組成物で塗膜を形成する。
即ち、シート組成物を用いて、ディップ法、スピンコート法、スプレーコート法、ブレード法、その他の任意の方法で塗膜を形成する。スラリーの塗布には、スピンコーター、スリットコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどの塗布装置を用いることにより、基材上に所定の膜厚の塗膜を均一に形成することが可能であり、好ましい。なお、基材としては、後述の銅箔やPETフィルムが一般的に用いられるが、何ら限定されるものではない。
(乾燥工程)
次に、基板に塗布されたシート組成物を乾燥させる。乾燥温度は、通常10℃以上、好ましくは15℃以上、より好ましくは20℃以上、さらに好ましくは25℃であり、通常140℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、さらに好ましくは80℃以下、よりさらに好ましくは70℃以下である。上記下限値以上であることで、塗膜中の有機溶媒を十分に除去でき、有機溶媒が次のシート化工程における高温加圧処理で蒸発し、残留溶媒の蒸発跡がボイドとなることを抑制することができる傾向にある。上記上限値以下であることで、マトリックス樹脂の硬化を抑制でき、良好な乾燥膜を得ることができる傾向にある。
また乾燥時間は、通常1時間以上、好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間以上、更に好ましくは4時間以上であり、通常、168時間以下、好ましくは144時間以下、より好ましくは120時間以下、更に好ましくは96時間以下である。上記下限値以上であることで、塗膜中の有機溶媒を十分に除去でき、有機溶媒が次のシート化工程における高温加圧処理で蒸発し、残留溶媒の蒸発跡がボイドとなることを抑制することができる傾向にある。上記上限値以下であることで、良好な強度の塗布膜が得られ、さらに、シート化工程におけるマトリックス樹脂の可塑化によって十分な流動性が得られ窒化ホウ素粒子含有シート内に存在するボイドに十分樹脂を浸透することができる傾向にある。
乾燥させる前の窒化ホウ素粒子含有シートの膜厚は通常100μm以上、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上、更に好ましくは300μm以上であり、通常、800μm以下、好ましくは700μm以下、より好ましくは600μm以下、更に好ましくは500μm以下である。膜厚が上記上限値以下であることで、有機溶媒の蒸発速度の制御が容易となり、窒化ホウ素粒子含有シート内のボイドを低下できる傾向となる。また上記下限値以下であることで、良好な強度の窒化ホウ素粒子含有シートが得られる傾向にある。
この際、一定の温度において加熱処理を行ってもよいが、塗布液中の有機溶媒等の揮発成分の除去を円滑に進めるために、減圧条件下にて加熱処理を行ってもよい。また、樹脂の硬化が進行しない範囲で、段階的な昇温による加熱処理を行っても良い。例えば、25〜40℃で加熱する方法、最初30℃で、次に40〜90℃で加熱する方法、50℃で加熱する方法等が挙げられる。加熱時間は、例えば30分〜60分程度の加熱処理を実施することができる。
(加圧工程)
乾燥工程の後には、加圧工程を行ってもよい。シート化工程は、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を含むフィラー同士を接合させヒートパスを形成する目的、シート内のボイドや空隙をなくす目的、基材との密着をさせる目的等から加圧することが望ましい。
加圧工程は、基材上の乾燥膜に通常10kgf/cm2〜2000Kgf/cm2、好ましくは20Kgf/cm2〜1000kgf/cm2、より好ましくは50Kgf/cm2〜800kgf/cm2の加重をかけて実施することが望ましい。この加圧時の加重を上記上限以下とすることにより、樹脂含有窒化ホウ素二次粒子が破壊することなく、シート中に空隙などがない高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る傾向にある。また、加重を上記下限以上とすることにより、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を含むフィラー間の接触が良好となり、熱伝導パスを形成しやすくなるため、高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る傾向にある。
加圧工程では、銅基板に塗布、乾燥した組成物膜を通常25〜300℃、好ましくは40〜250℃、より好ましくは50〜200℃、特に好ましくは60〜180℃で加熱することが望ましい。この温度範囲でシート化工程を行うことにより、塗膜中の樹脂の溶融粘度を低下させることができ、シート内のボイドや空隙をなくすことができる。
加圧工程は、通常30秒〜4時間、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは3分〜1時間、特に好ましくは5分〜45分である。この範囲で行うことで、製造性が向上し、さらにシート内の空隙やボイドの除去が十分に行える傾向にある。
乾燥後、プレス前の窒化ホウ素粒子含有シートの膜厚は通常50μm以上、好ましくは80μm以上、より好ましくは100μm以上、更に好ましくは150μm以上であり、通常、600μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは200μm以下である。
また、プレス後の窒化ホウ素粒子含有シートの膜厚は用途に応じて適宜調整することができる。通常40μm以上、好ましくは70μm以上、より好ましくは100μm以上であり、通常、500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。上記膜厚であることで、耐電圧が向上し、熱抵抗を抑制できる傾向にある。
完全に硬化反応を行わせる硬化工程は、加圧下で行ってもよく、無加圧で行ってもよいが、加圧する場合は、上記と同様の理由から、上記の加圧工程と同様の条件で行うことが望ましい。なお、加圧工程と硬化工程を同時におこなっても構わない。
窒化ホウ素粒子含有シートの熱伝導率(W/mK)は、特に制限はないが、好ましくは2W/mK以上、より好ましくは3W/mK以上、さらに好ましくは5W/mK以上、さらに好ましくは10W/mK以上、よりさらに好ましくは13W/mK、特に好ましくは15W/mK以上、とりわけ好ましくは17W/mK以上である。
耐電圧性能は、特に制限はないが、好ましくは3kV/mm以上、より好ましくは3.3kV/mm以上、さらに好ましくは5kV/mm以上であり、よりさらに好ましくは8kV/mm以上、よりさらに好ましくは10kV/mm以上、よりさらに好ましくは15kV/mm以上、よりさらに好ましくは20kV/mm以上であり、特に好ましくは30kV/mm以上である。
また、窒化ホウ素粒子含有シートの接着強度(N/cm)は、特に制限はないが通常、0.5N/cm以上、好ましくは1N/cm以上、更に好ましくは2N/cm、特に好ましくは3N/cm以上、とりわけ好ましくは5N/cm以上である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例における各種の条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における好ましい範囲同様に、本願発明の好ましい範囲を示すものであり、本願発明の好ましい範囲は前記した実施態様における好ましい範囲と下記実施例の値または実施例同士の値の組合せにより示される範囲を勘案して決めることができる。
以下に、実施例における測定条件を記載する。
[成形体の厚み方向熱伝導率]
株式会社メンターグラフィックス製の熱抵抗測定装置「T3ster」を用いて、同一組成・同一条件で作製した厚みの異なる窒化ホウ素二次粒子含有シート成形体の熱抵抗値を測定し、熱抵抗値を厚みに対してプロットしたグラフの傾きから、熱伝導率を求めた。
[成形体(シート)の耐電圧測定]
JISC2110:1994準拠 株式会社計測技術研究所製 AC Withstand Voltage Tester 7473を用いて、成形シートをフロリナートFC-40中で直径25mmの円柱電極を用いて荷重500gにて0Vから20kVまで0.5kV/sの昇圧速度で印加し、電流閾値10mAを超える電圧を測定して、絶縁破壊電圧をも求めた。データ数は1サンプルから点測定し平均を取った。
[硬化シートの接着力評価]
株式会社エー・アンド・製の引張試験装置を用いて、放熱窒化ホウ素二次粒子含有シートを用いて銅箔を貼り合わせたサンプルの接着力を90°ピール試験によって評価した。評価時の引張速度は50mm/minで評価を行った。
[実施例1]
<窒化ホウ素二次粒子の製造>
カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子は下記の方法で作製した。
原料として、粉末X線回折測定により得られる(002)面ピークの半値幅が2θ=0.67°、酸素濃度が7.5質量%である六方晶窒化ホウ素(以下原料h−BN粉末と記載)を用いた。
(原料)
原料h−BN粉末:10000g
バインダー(多木化学(株)製「タキセラムM160L」、固形分濃度21質量%):11496g
界面活性剤(花王(株)製界面活性剤「アンモニウムラウリルサルフェート」:固形分濃度14質量%):250g
(スラリーの調製)
原料h−BN粉末を樹脂製のボトルに所定量計量し、次いでバインダーを所定量添加した。さらに、界面活性剤を所定量添加した後、ジルコニア性のセラミックボールを添加して、ポットミル回転台で1時間撹拌した。スラリーの粘度は、810mPa・sであった。
(造粒)
BNスラリーからの造粒は、大河原化工機株式会社製FOC−20を用いて、ディスク回転数20000〜23000rpm、乾燥温度80℃で実施し、球状のBN造粒粒子を得た。
(窒化ホウ素二次粒子の作製)
上記BN造粒粒子を、室温で真空引きをした後、窒素ガスを導入して復圧し、そのまま窒素ガスを導入しながら2000℃まで83℃/時で昇温し、2000℃到達後、そのまま窒素ガスを導入しながら5時間保持した。その後、室温まで冷却し、カードハウス構造を有する球状の窒化ホウ素二次粒子を得た。
(分級)
更に、上記加熱処理後の窒化ホウ素二次粒子を、乳鉢および乳棒を用いて軽粉砕した後、目開き90μmの篩を用いて分級した。分級後、窒化ホウ素二次粒子を構成するBN一次粒子の平均結晶子径、該BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))、窒化ホウ素二次粒子のD50を測定した。測定結果は表1に示す。
<樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の製造>
樹脂Bとして、エポキシ樹脂1(2官能の脂肪族エポキシ樹脂、エポキシ当量205g/eq)を1.92gに、フェノール樹脂1(水酸基当量143g/eq)を0.647gを用いた。樹脂Bにイミダゾール系硬化促進剤1(固形分濃度20質量%のMEK溶液)0.135gを混合し、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子2.5gを添加し、泡とり錬太郎(シンキー製)で400rpmで30秒、2000rpmで3分間撹拌した。さらに、窒化ホウ素二次粒子を2.74g添加し(窒化ホウ素二次粒子の合計で5.24g)、泡とり錬太郎で同様に撹拌した。
その後、真空オーブンにて30℃で15分間真空下にさらして、窒化ホウ素二次粒子内に樹脂Bを内包させ、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子1を得た。樹脂内包窒化ホウ素二次粒子1が内包するエポキシ樹脂Bのエポキシ当量は205g/eqであった。
<窒化ホウ素粒子含有シートの製造>
樹脂Aとして、エポキシ樹脂1を1.04g、フェノール樹脂1を0.522g、ビスフェノールF系フェノキシ樹脂1(固形分濃度45質量%のMEK溶液、エポキシ当量9840g/eq)を3.49g、エポキシ樹脂2(3官能の芳香族エポキシ樹脂、エポキシ当量97g/eq)を0.207g用意した。
樹脂Aに、アルミナ粒子1(平均粒径7μm 比表面積0.9m2/g 株式会社アドマッテクス製)26.3g、ナイロン粒子1(5μmΦ 東レ株式会社製)0.014g、イミダゾール系硬化促進剤1を0.146g、溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)5.25gを混合して、7.83gの樹脂内包窒化ホウ素二次粒子1に添加した。その後、上記と同一条件で泡とり錬太郎による撹拌混合を実施した。エポキシ樹脂Aのエポキシ当量は380g/eqであった。
上記のシート組成物をPETフィルム上に、ギャップ間300μmのアプリケータを用いてキャスティングした。60℃のホットプレート上で1時間乾燥した後、60℃の真空オーブンでさらに1時間加熱して溶剤を除去し、窒化ホウ素粒子含有シート1を得た。
窒化ホウ素粒子含有シート1の上部にPETフィルムを置き、ハンドプレス機を用いて100kgf/cm2、70℃で10分間プレスを行った。プレス後の窒化ホウ素粒子含有シート1の厚みは135μmであった。円柱電極を用いてフロリナート中で耐電圧を測定したところ、3.31kV/mmであり、良好な値を示した。また、プレス後の窒化ホウ素粒子含有シート1は非常に柔軟であり、Φ5mmの円筒に巻きつけても割れることがなかった。
[比較例1]
ビスフェノールF系フェノキシ樹脂1を5.79g、エポキシ樹脂1を1.70g、エポキシ樹脂2を0.342g、フェノール樹脂1を0.868g、イミダゾール系硬化促進剤1を0.28g、MEK4gを混合し、よく撹拌した。さらに、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子1を5.22g、アルミナ粒子1を26.51g、ナイロン粒子1を0.0149gを加えて、実施例1と同様の条件で泡とり錬太郎を用いて撹拌混合を行った。
本比較例1では、エポキシ樹脂Aとエポキシ樹脂Bは同じ組成であり、WPEA及びWPEAは382g/eqであった。実施例1と同様の方法で窒化ホウ素粒子含有シート2を製造した。得られた窒化ホウ素粒子含有シート2の厚みは148μmであり、耐電圧は2.9kV/mmであった

Claims (3)

  1. 樹脂Bを内包する窒化ホウ素二次粒子及び
    樹脂Aを含む
    窒化ホウ素粒子含有シートであって、
    樹脂A及び樹脂Bはそれぞれエポキシ樹脂を含み、
    樹脂Aが含むエポキシ樹脂Aのエポキシ当量は、樹脂Bが含むエポキシ樹脂Bのエポキシ当量より大きく、
    エポキシ樹脂Bのエポキシ当量が270未満である、
    窒化ホウ素粒子含有シート。
  2. 前記エポキシ樹脂Aのエポキシ当量が270以上である、請求項1に記載の窒化ホウ素粒子含有シート。
  3. 前記窒化ホウ素二次粒子が、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子を含有するものである、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素粒子含有シート。
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