JPH076673A - パッファ形ガス遮断器 - Google Patents

パッファ形ガス遮断器

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JPH076673A
JPH076673A JP14963793A JP14963793A JPH076673A JP H076673 A JPH076673 A JP H076673A JP 14963793 A JP14963793 A JP 14963793A JP 14963793 A JP14963793 A JP 14963793A JP H076673 A JPH076673 A JP H076673A
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JP
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puffer
arc
nozzle
circuit breaker
movable contact
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Application number
JP14963793A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Hirano
嘉彦 平野
Toshiaki Inohara
俊明 猪原
Tetsuya Nakamoto
哲哉 中本
Masayuki Ishikawa
石川  雅之
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Publication of JPH076673A publication Critical patent/JPH076673A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H33/00High-tension or heavy-current switches with arc-extinguishing or arc-preventing means
    • H01H33/70Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid
    • H01H33/7015Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid characterised by flow directing elements associated with contacts
    • H01H33/7076Switches with separate means for directing, obtaining, or increasing flow of arc-extinguishing fluid characterised by flow directing elements associated with contacts characterised by the use of special materials

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  • Circuit Breakers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アークから発生するエネルギーをより有効に
ノズルの中に配合した充填材で遮断する。ノズルの性能
低下を最低限に抑える。吸収されたわずかなアークエネ
ルギーをすみやかに拡散し、アークに晒された際の絶縁
耐力並びに遮断性能の低下を最小限に抑制する。低誘電
率のノズルを備えたパッファ形ガス遮断器を提供する。 【構成】 遮断器の開極時においてパッファ室で圧縮さ
れた消弧性ガスを固定・可動接触子間に発生したアーク
に吹き付けて消弧するノズルが設けられたパッファ形ガ
ス遮断器において、前記ノズルを弗化アルミニウム粒子
2を含む非晶性弗素樹脂1によって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパッファ形ガス遮断器に
関するものであって、特に消弧性ガスをアークに向かっ
て吹き付けるためのノズルの耐アーク性向上を図ったパ
ッファ形ガス遮断器に係る。
【0002】
【従来の技術】ガス遮断器において、電流を遮断する動
作を行うと固定および可動電極間にアークが発生する。
このアークを効果的に消弧するための遮断器として、パ
ッファ形ガス遮断器が広く知られている。このパッファ
形ガス遮断器は、SF6 ガスなどの消弧性ガスを充填し
た容器内に、容器に対して固定された固定接触子とこの
固定接触子に対向して接離可能に配置された可動接触子
が収納され、これら固定接触子と可動接触子の近傍には
両者間で発生したアークを消弧するための消弧手段が設
けられている。この消弧手段は、前記容器内に可動接触
子と連動するパッファシリンダと、このパッファシリン
ダ内部に組み込まれたパッファピストンとを備え、パッ
ファシリンダとパッファピストンによって囲まれた空間
が、可動接触子の開極時に消弧性ガスを圧縮するパッフ
ァ室になっている。また、前記可動接触子近傍には遮断
器の開極時においてこのパッファ室で圧縮された消弧性
ガスを固定・可動接触子間に発生したアークに吹き付け
て消弧するノズルが設けられている。
【0003】ところで、このような構造のパッファ形ガ
ス遮断器においては、従来、弗素樹脂からなる絶縁性の
ノズルが使用されていた。しかし弗素樹脂からなる絶縁
物がアークに晒されると、アークから放射されたエネル
ギーが弗素樹脂の内部にまで浸透して吸収され、ノズル
内部にボイドの発生あるいは炭化現象を引き起こし、絶
縁性能を著しく低下させると共にノズル材料の損耗を引
き起こす問題があった。また、エネルギーを繰り返し受
けることにより弗素樹脂がノズル表面からめくれ落ち、
ガス流の状態を初期と異なったものに変えてしまい、遮
断性能の低下を引き起こすという可能性があった。
【0004】これを防ぐために特公昭49−17654
号公報記載の発明では、ノズルの材料として、四弗化エ
チレン樹脂にアルミナ粒子を0.1重量%〜50重量%
均一に分散した四弗化エチレン樹脂組成物を使用するこ
とで、アークエネルギーがノズル内部に侵入するのを遮
断し、耐アーク性を向上している。また、これ以外にも
特公昭48−38216号公報記載の発明では、CaF
2 、MgF2 、SbS、BaSO4 、BNを四弗化エチ
レン−エチレン共重合体の耐アーク性を付与する充填材
として挙げている。いずれの従来技術でも、表現の違い
はあるもののアークから発生するエネルギー線が前記ノ
ズルに当たっても混入された充填材によって遮蔽され、
ノズルの深部にまで劣化が進行しない効果が謳われてい
る。
【0005】一方、従来使用していた弗素樹脂は、誘電
率が2.1〜3.3であり、前記充填材を混入すると充
填材の誘電率が高いため、製作されたノズルは従来の弗
素樹脂単体のものよりも全体的に誘電率が高いものにな
っていた。従って、前記の従来技術を絶縁性能が限界で
設計された遮断器に適用した場合には、絶縁破壊が生じ
る場合も考えらる。また、前記のように充填材について
は多くの検討がなされているが、その検討の中心は、耐
アーク性の向上であり、ノズルの低誘電率化という観点
からの検討は積極的に行われてこなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなアルミナ
粒子などを充填する従来技術によれば、アークエネルギ
ーの遮蔽効果は見られるものの、近年進められるガス遮
断器の大容量化によってアークエネルギーが将来におい
て現状以上に増大すればその効果にも限界を生じ、ノズ
ルの持つ重要機能である絶縁性能が低下する可能性のあ
ることがわかった。また、従来公知の充填材はいずれも
弗素樹脂の誘電率2.1〜2.3に対して大きな値を持
っているため、充填材を弗素樹脂に充填するとノズル自
体の誘電率が増加し、電極間の電解強度が増加し、絶縁
設計をし直す必要があった。
【0007】このように従来の技術のままでは、将来ガ
ス遮断器がさらに大容量化するに際して、ノズルがアー
クに晒されることによる絶縁耐力の低下・遮断性能の低
下が起こる可能性が残されている。そこで、本発明者
は、近年進められているガス遮断器の大容量化によって
アークエネルギーが将来において現状以上に増大して
も、アークから発生するエネルギーを有効に遮蔽でき絶
縁性能が低下しない充填材およびノズル材料の検討を行
った。
【0008】本発明は前記のような技術的課題を解決す
るためになされたものであり、その目的は、アークに晒
された際の絶縁耐力並びに遮断性能の低下を最小限に抑
制することが可能で、しかも、ノズルの母体となる樹脂
に充填材を混入しても、少なくとも従来の弗素樹脂と同
様の誘電率を持ったノズルを備えたパッファ形ガス遮断
器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、ノズルが弗化アルミニウム粒子
を含む非晶性弗素樹脂によって構成され、望ましくは弗
化アルミニウム粒子の充填量は20容量%以下で、弗化
アルミニウム粒子の粒径は平均粒径10μm以下になっ
ていることを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、ノズルが弗化アルミニ
ウム粒子を含む四弗化エチレン樹脂によって構成され、
望ましくは弗化アルミニウム粒子の充填量は20容量%
以下で、弗化アルミニウム粒子の粒径は平均粒径10μ
m以下になっていることを特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、ノズルがセラミックス
粒子を含む弗素樹脂によって構成され、望ましくはセラ
ミックス粒子の充填量は20容量%以下で、セラミック
ス粒子の粒径は平均粒径1μm以下になっていることを
特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、前記弗素樹脂が四弗化
エチレン樹脂であることを特徴とする。
【0013】
【作用】前記の構成を有する請求項1では、ノズルの母
体である非晶性弗素樹脂はGHzまでの周波数に対して
誘電率が2以下であり、温度が高くなるにつれ、比誘電
率が低下していく特性があるため、充填材を混入しても
低い誘電率を得ることが可能である。また、充填した弗
化アルミニウムの誘電率は5.0で、従来の充填材とし
て使用されているアルミナの9.5、炭酸カルシウムの
8.5に比べて低い。このため、弗化アルミニウムを使
用することで、非晶性弗素樹脂に充填した時のノズルの
誘電率の上昇を抑制することができる。
【0014】請求項2の発明では、ノズル母体である四
弗化エチレン樹脂は耐熱性に優れ低誘電率の特性を有す
る。一方、これに充填する弗化アルミニウムも誘電率が
低いので、四弗化エチレン樹脂に充填した場合でも、誘
電率の上昇を抑制することができる。
【0015】請求項3の発明では、セラミックス粒子を
含む弗素樹脂によってノズルを構成したので、ノズルに
侵入したアークエネルギーは、充填したセラミックス粒
子のもつ複数の屈折率によって複数の方向に屈折され、
分散される。また、充填されたセラミックス粒子により
ノズルの熱伝導率も上昇しているので、分散されたエネ
ルギーもすみやかに拡散される。
【0016】請求項4の発明では、セラミックス粒子を
充填するノズル母体が、耐熱性に優れ低誘電率の特徴を
有する四弗化エチレン樹脂からなるので、ノズルの耐ア
ーク性能がより向上する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って具体的
に説明する。なお、第1および第2の実施例が、それぞ
れ本出願の請求項1および請求項2の発明に対応し、第
3実施例が請求項3および請求項4の発明に対応する。
また、パッファ形ガス遮断器自体の構成は広く知られた
ものであり、本発明はノズルを有するパッファ形ガス遮
断器全般に採用できることから、パッファ形ガス遮断器
の構造については特に図示せず、ノズル部分の拡大図の
みを示す。
【0018】(1)第1実施例…図1ないし図4 第1実施例によるガス遮断器のノズルは、図1に模式的
に示すように、例えばアモルファスフルオロポリマー樹
脂のような非晶性弗素樹脂1に弗化アルミニウム粒子
(AlF3 )を充填した材料によって構成されている。
この場合、弗化アルミニウム2の充填量は20容量%以
下で、平均粒径は10μm以下である。
【0019】このような構成を有する第1実施例では、
ノズルにアークエネルギー3が照射された場合、弗化ア
ルミニウム粒子2によりノズルに入射したアークエネル
ギー3の大部分は反射(遮蔽)され、反射光4となって
ノズル内部には侵入しない。一部のアークエネルギー5
はノズル内部には侵入するが、弗化アルミニウムの混入
によりノズル全体の熱伝導率が高くなるためすみやかに
拡散され、熱が局部に集中することがない。以上の作用
により、第1実施例におけるパッファ形ガス遮断器で
は、ノズルに吸収されるアークエネルギー最小限に抑え
ることが可能となるともに、吸収されたわずかなアーク
エネルギーをすみやかに拡散することが可能となり、ア
ークに晒された際の絶縁耐力並びに遮断性能の低下を最
小限に抑制することが可能となる。
【0020】また、ノズルの母体である非晶性弗素樹脂
は図2に示したようにGHzまでの周波数に対して誘電
率が2以下である。温度に対しても図3に示すように温
度が高くなるにつれ、比誘電率が低下していく特性があ
るため、充填材を混入しても、少なくとも従来の弗素樹
脂と同様程度あるいはそれ以下の誘電率を得ることが可
能である。従来の弗素樹脂に充填材を充填した遮断器で
は、ノズルの誘電率が高くなるので電極間の絶縁強度が
変化し、絶縁設計をし直す必要があったが、非晶性弗素
樹脂に充填材を混入したノズルの誘電率は従来の弗素樹
脂と同等かあるいはそれ以下であるので、ノズルだけを
本実施例のノズルと入れ換えれば絶縁設計をし直さなく
ても適応可能である。
【0021】加えて、弗化アルミニウムの誘電率は5.
0で、ガス絶縁機器用樹脂の充填材として広く使用され
ているアルミナの9.5、炭酸カルシウムの8.5に比
べて低い。このため、弗化アルミニウムを使用すること
で、充填材を充填した時のノズルの誘電率の上昇を抑制
することができる。また、弗化アルミニウムは白色の粒
子で、やはり白色であるアルミナや窒化ホウ素などと同
様の反射(遮蔽)効果が期待できる。
【0022】図4に、非晶性弗素樹脂に対する弗化アル
ミニウムの充填量と一定のエネルギーを注入した場合の
材料の消耗量の関係を示す。一定のエネルギーを注入し
た場合の材料の消耗量は指数関数的に小さくなり、アー
クから発生するエネルギー線が前記ノズル材に当たって
も弗化アルミニウムによって遮蔽されることを示してい
ることは、結果としてノズル材の損傷量が低減している
ことでわかる。
【0023】一方、機械的強度は、弗化アルミニウムの
充填量の増加に従って低下する傾向にある。パッファ形
ガス遮断器は遮断時大きなガス流を伴いノズルは大きな
衝撃力を受け、機械的にも優れたものが要求される。無
制限に充填材を加えることができる訳でなく、機械的特
性に加えて成型性(充填量が多いほど成型が難しくな
る)や電気特性(充填量が少ないほど誘電率が小さく電
気的には望ましい)のバランスから、弗化アルミニウム
の充填量は20容量%以下が望ましく、特に3〜15%
が適していることがわかった。充填材の平均粒径は加工
性(加工表面の平滑度)や機械的強度と大きな関係があ
り、耐アーク性能という点では必ずしも規定されること
はないが、平均粒径は10μm以下が適当である。
【0024】以上述べた第1実施例においては、非晶性
弗素に充填される弗化アルミニウム粒子は1種類の粒径
等級からなる成分から構成されているとしたが、さらに
第2、第3の成分が含有されていても同様の効果を得ら
れることはいうまでもない。弗化アルミニウム系材料と
してA1F3 を主成分としてB2 O3 、MgOなどを添
加する様々のものが有るが、これらの材料も本発明に使
用することができる。
【0025】(2)第2実施例…図5ないし図6 第2実施例によるガス遮断器のノズルは、図5に模式的
に示すように、四弗化エチレン樹脂11に弗化アルミニ
ウム粒子(AlF3 )を充填した材料によって構成され
ている。この場合、弗化アルミニウム12の充填量は2
0容量%以下で、平均粒径は10μm以下である。
【0026】このような構成を有する第2実施例では、
ノズルにアークエネルギー13が照射された場合、弗化
アルミニウム粒子12によりノズルに入射したアークエ
ネルギー13の大部分は反射(遮蔽)され、反射光14
となってノズル内部には侵入しない。一部のアークエネ
ルギー15はノズル内部には侵入するが、弗化アルミニ
ウムの熱伝導率は15[W/m・K]と四弗化エチレン
樹脂よりも高く、弗化アルミニウムの混入によりノズル
全体の熱伝導率が高くなるためすみやかに拡散され、熱
が局部に集中することがない。以上の作用により、第2
実施例におけるパッファ形ガス遮断器では、ノズルに吸
収されるアークエネルギー最小限に抑えることが可能と
なるともに、吸収されたわずかなアークエネルギーをす
みやかに拡散することが可能となり、アークに晒された
際の絶縁耐力並びに遮断性能の低下を最小限に抑制する
ことが可能となる。
【0027】ノズル性能は、充填材の性質と関連があ
り、第2実施例で使用した弗化アルミニウム12は、下
記の表1に示す通り、他の充填剤と比較しても優れてい
る。
【0028】
【表1】
【0029】この表1から明らかなように、弗化アルミ
ニウムは、電気特性が良く、熱伝導率も高い。また、ノ
ズルがアークに晒された場合に、四弗化エチレン樹脂の
非常に温度の高い分解ガスが部分的に生じるが、弗化ア
ルミニウムはこのような分解ガスとも反応せず、消弧性
ガスとして使用されるSF6 ガスにも侵蝕されないとい
う優れた特性を有しているため、パッファ形ガス遮断器
のノズルとして優れた耐アーク性能を発揮する。更に、
前記第1実施例でも述べたように、弗化アルミニウムの
誘電率は5.0で、ガス絶縁機器用樹脂の充填材として
広く使用されているアルミナの9.5、炭酸カルシウム
の8.5に比べて低い。このため、弗化アルミニウムを
使用することで、充填材を充填した時のノズルの誘電率
の上昇を抑制することができる。
【0030】また、弗化アルミニウムは白色の粒子で、
やはり白色であるアルミナや窒化ホウ素などと同様の反
射(遮蔽)効果が期待できる。すなわち、弗化アルミニ
ウムの充填量と一定エネルギーを注入した場合のノズル
の消耗量との関係を図6に示す。この図6から明らかな
ように、一定のエネルギーを注入した場合のノズルの消
耗量は、四弗化エチレン樹脂に対する弗化アルミニウム
の充填量が増加するに従って指数関数的に小さくなり、
アークから発生するエネルギー線が前記ノズル材に当た
っても弗化アルミニウムによって遮蔽され、ノズルの損
耗量が低減していることがわかる。
【0031】一方、ノズルの機械的強度は、前記第1実
施例と同様に弗化アルミニウムの充填量の増加に従って
低下する傾向にある。パッファ形ガス遮断器は遮断時大
きなガス流を伴いノズルは大きな衝撃力を受け、機械的
にも優れたものが要求される。無制限に充填材を加える
ことができる訳でなく、機械的特性に加えて成型性(充
填量が多いほど成型が難しくなる)や電気特性(充填量
が少ないほど誘電率が小さく電気的には望ましい)のバ
ランスから、弗化アルミニウムの充填量は20容量%以
下が望ましく、特に3〜15%が適していることがわか
った。充填材の平均粒径は加工性(加工表面の平滑度)
や機械的強度と大きな関係があり、耐アーク性能という
点では必ずしも規定されることはないが、平均粒径は1
0μm以下が適当である。
【0032】以上述べた第2実施例においては、四弗化
エチレン樹脂に充填される弗化アルミニウム粒子は1種
類の粒径等級からなる成分から構成されているとした
が、さらに第2、第3の成分が含有されていても同様の
効果を得られることはいうまでもない。弗化アルミニウ
ム系材料としてA1F3 を主成分としてB2 O3 、Mg
Oなどを添加する様々のものが有るが、これらの材料も
本発明に使用することができる。
【0033】(3)第3実施例…図7ないし図8 図7に示す第3実施例のノズルには、ノズルの母体であ
る四弗化エチレン樹脂21にセラミックス粒子22が充
填されている。このセラミックス粒子22の充填量は2
0容量%以下で、その粒径は平均粒径1μm以下になっ
ている。セラミック粒子22としては、SiO2 、Zr
O2 、PbO、CaF2 などの複屈折率を有するものが
使用される。複屈折率とは、光学的に異方性のある物体
に光が入射する時に、複数の屈折した光が生じる現象を
いう。
【0034】前記のような構成を有する第3実施例にお
いて、ノズル内部にアークエネルギー23が進入した場
合の現象を述べる。ノズル内部に進入したアークエネル
ギー24は、次に複屈折率を有するセラミックス22に
至る。セラミックス22は屈折率を有するため、このセ
ラミックス22に入射したアークエネルギー24は複数
の方向に屈折され、分散される。更に、第3実施例で
は、セラミックス粒子として1μm以下の粒子を含むた
め、四沸化エチレンの内部まで影響を与えるような紫外
線や可視光などは、レーリー散乱、ミー散乱などの効果
により散乱される。ここでいうレーリー散乱とは波長に
比べて十分に小さい粒子により起きる散乱であり、ミー
散乱とは粒子のオーダーと波長のオーダーが同程度の時
の生じる散乱である。また、ノズル中に散乱されたエネ
ルギーは、セラミックスの混入によりノズル全体の熱伝
導率が向上しているため、すみやかに拡散される。
【0035】図8に複屈折率を有するセラミックスの充
填量と一定エネルギーを注入した場合のノズルの消耗量
との関係を示す。図8から明らかなように、一定のエネ
ルギーを注入した場合のノズルの消耗量は、四弗化エチ
レン樹脂に対するセラミックス粒子の充填量が増加する
に従って指数関数的に小さくなり、アークから発生する
エネルギー線が前記ノズル材に当たってもセラミックス
粒子によって遮蔽され、ノズルの損耗量が低減している
ことがわかる。
【0036】一方、ノズルの機械的強度は、前記第1、
第2実施例と同様に充填材であるセラミックス粒子の充
填量の増加に従って低下する傾向にある。パッファ形ガ
ス遮断器は遮断時大きなガス流を伴いノズルは大きな衝
撃力を受け、機械的にも優れたものが要求される。無制
限に充填材を加えることができる訳でなく、機械的特性
に加えて成型性(充填量が多いほど成型が難しくなる)
や電気特性(充填量が少ないほど誘電率が小さく電気的
には望ましい)のバランスから、セラミックス粒子の充
填量は20容量%以下が望ましく、特に3〜15%が適
している。また、ノズルの母体としては、四弗化エチレ
ン樹脂に限らず他の弗素樹脂も採用可能である。
【0037】以上の通り、第3実施例におけるパッファ
形ガス遮断器では、ノズル内に侵入したアークエネルギ
ーを効率よく分散すること、およびアークエネルギーを
すみやかに拡散することが可能となり、ノズル内部で発
生する劣化を防ぎ、アークに晒された際の絶縁耐力並び
に遮断性能の低下を最小限に抑制することが可能とな
る。
【0038】
【発明の効果】以上の通り、本発明よれば、アークから
発生するエネルギーをより有効にノズルの中に配合した
充填材で遮断でき、ノズルの性能低下を最低限に抑える
ことができると共に、吸収されたわずかなアークエネル
ギーはすみやかに拡散されるため、アークに晒された際
の絶縁耐力並びに遮断性能の低下を最小限に抑制するこ
との可能で、しかも低誘電率のノズルを備えたパッファ
形ガス遮断器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパッファ形ガス遮断器の第1実施例に
おいて、ノズル内部の粒子構成並び入射したアークエネ
ルギーの進行経路を示す模式図。
【図2】非晶性弗素樹脂の誘電率の周波数特性を示す
図。
【図3】非晶性弗素樹脂の誘電率の温度特性を示す図。
【図4】非晶性弗素樹脂に対する弗化アルミニウムの充
填量と一定のエネルギーを注入した場合の材料の消耗量
の関係を示す図。
【図5】本発明のパッファ形ガス遮断器の第2実施例に
おいて、ノズル内部の粒子構成並び入射したアークエネ
ルギーの進行経路を示す模式図。
【図6】四弗化エチレン樹脂に対する弗化アルミニウム
の充填量と一定のエネルギーを注入した場合の材料の消
耗量の関係を示す図。
【図7】本発明のパッファ形ガス遮断器の第3実施例に
おいて、ノズル内部の粒子構成並び入射したアークエネ
ルギーの進行経路を示す模式図。
【図8】四弗化エチレン樹脂に対するセラミックス粒子
の充填量と一定のエネルギーを注入した場合の材料の消
耗量の関係を示す図。
【符号の説明】
1…非晶性弗素樹脂 2…弗化アルミニウム粒子 3…ノズル表面へ入射するアークエネルギー 4…反射されたアークエネルギー 5…ノズル内部へ浸透したアークエネルギー 11…四弗化エチレン樹脂 12…弗化アルミニウム粒子 13…ノズル表面へ入射するアークエネルギー 14…反射されたアークエネルギー 15…ノズル内部へ浸透したアークエネルギー 21…四弗化エチレン樹脂 22…セラミックス粒子 23…ノズル表面へ入射するアークエネルギー 25…ノズル内部へ浸透したアークエネルギー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 雅之 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消弧性ガスを充填した容器内に、容器に対
    して固定された固定接触子とこの固定接触子に対向して
    接離可能に配置された可動接触子が収納され、これら固
    定接触子と可動接触子の近傍には両者間で発生したアー
    クを消弧するための消弧手段が設けられ、 この消弧手段として、前記容器内に可動接触子と連動す
    るパッファシリンダが設けられ、このパッファシリンダ
    内部にはパッファピストンが組み込まれ、このパッファ
    シリンダとパッファピストンによってパッファ室が形成
    され、前記可動接触子近傍には遮断器の開極時において
    このパッファ室で圧縮された消弧性ガスを固定・可動接
    触子間に発生したアークに吹き付けて消弧するノズルが
    設けられたパッファ形ガス遮断器において、 前記ノズルが弗化アルミニウム粒子を含む非晶性弗素樹
    脂によって構成されていることを特徴とするパッファ形
    ガス遮断器。
  2. 【請求項2】消弧性ガスを充填した容器内に、容器に対
    して固定された固定接触子とこの固定接触子に対向して
    接離可能に配置された可動接触子が収納され、これら固
    定接触子と可動接触子の近傍には両者間で発生したアー
    クを消弧するための消弧手段が設けられ、 この消弧手段として、前記容器内に可動接触子と連動す
    るパッファシリンダが設けられ、このパッファシリンダ
    内部にはパッファピストンが組み込まれ、このパッファ
    シリンダとパッファピストンによってパッファ室が形成
    され、前記可動接触子近傍には遮断器の開極時において
    このパッファ室で圧縮された消弧性ガスを固定・可動接
    触子間に発生したアークに吹き付けて消弧するノズルが
    設けられたパッファ形ガス遮断器において、 前記ノズルが弗化アルミニウム粒子を含む四弗化エチレ
    ン樹脂によって構成されていることを特徴とするパッフ
    ァ形ガス遮断器。
  3. 【請求項3】消弧性ガスを充填した容器内に、容器に対
    して固定された固定接触子とこの固定接触子に対向して
    接離可能に配置された可動接触子が収納され、これら固
    定接触子と可動接触子の近傍には両者間で発生したアー
    クを消弧するための消弧手段が設けられ、 この消弧手段として、前記容器内に可動接触子と連動す
    るパッファシリンダが設けられ、このパッファシリンダ
    内部にはパッファピストンが組み込まれ、このパッファ
    シリンダとパッファピストンによってパッファ室が形成
    され、前記可動接触子近傍には遮断器の開極時において
    このパッファ室で圧縮された消弧性ガスを固定・可動接
    触子間に発生したアークに吹き付けて消弧するノズルが
    設けられたパッファ形ガス遮断器において、 前記ノズルがセラミックス粒子を含む弗素樹脂によって
    構成されていることを特徴とするパッファ形ガス遮断
    器。
  4. 【請求項4】前記ノズルの母体である弗素樹脂が、四弗
    化エチレン樹脂であることを特徴とする請求項3のパッ
    ファ形ガス遮断器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009032499A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Mitsubishi Electric Corp 遮断器用絶縁ノズル
EP2445068A1 (en) * 2009-06-17 2012-04-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Gas insulation apparatus

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