JPH05295583A - サマリウム金属又はサマリウム合金の製造法 - Google Patents
サマリウム金属又はサマリウム合金の製造法Info
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- JPH05295583A JPH05295583A JP9995592A JP9995592A JPH05295583A JP H05295583 A JPH05295583 A JP H05295583A JP 9995592 A JP9995592 A JP 9995592A JP 9995592 A JP9995592 A JP 9995592A JP H05295583 A JPH05295583 A JP H05295583A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 効果的な電気分解によるサマリウム金属又は
サマリウム合金の製造。 【構成】 アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の
フッ化物の少なくとも1種とフッ化サマリウムとを主
体とする電解浴中で、酸化サマリウムを原料として溶融
塩電解還元法によりサマリウム金属又はサマリウム合金
を製造する方法において、少なくとも陰極近傍の電解浴
を固液共存状態として電解を行なうことを特徴とするサ
マリウム金属又はサマリウム合金の製造法。
サマリウム合金の製造。 【構成】 アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の
フッ化物の少なくとも1種とフッ化サマリウムとを主
体とする電解浴中で、酸化サマリウムを原料として溶融
塩電解還元法によりサマリウム金属又はサマリウム合金
を製造する方法において、少なくとも陰極近傍の電解浴
を固液共存状態として電解を行なうことを特徴とするサ
マリウム金属又はサマリウム合金の製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサマリウム金属又はサマ
リウム合金の製造法に関するもので、特に、酸化サマリ
ウムを原料として溶融塩電解還元法によりサマリウムの
金属又は合金を製造する方法に関するものである。
リウム合金の製造法に関するもので、特に、酸化サマリ
ウムを原料として溶融塩電解還元法によりサマリウムの
金属又は合金を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サマリウム合金、特に鉄及び/又はコバ
ルトとの合金は、その優れた磁石特性により、最近のナ
イトロマグネ、Sm−Fe−N系、新磁石の発明に見ら
れるように、磁性材料としての用途の増大が期待されて
おり、この為金属サマリウム及びサマリウム合金の磁石
業界における需要が増大している。
ルトとの合金は、その優れた磁石特性により、最近のナ
イトロマグネ、Sm−Fe−N系、新磁石の発明に見ら
れるように、磁性材料としての用途の増大が期待されて
おり、この為金属サマリウム及びサマリウム合金の磁石
業界における需要が増大している。
【0003】サマリウム合金の製造は従来、酸化サマリ
ウムをミッシュメタルで還元する熱還元法により金属サ
マリウムを作り、その後、種々の金属と混合、溶解して
合金化する方法によりサマリウム合金の製造が行なわれ
て来た。この熱還元法は1300〜1600℃の高温度
で還元反応を行ない、サマリウム金属を蒸留採取する回
分方式である為、ルツボ材質の消耗が激しく、又操作が
繁雑な上、高温を必要する為、製造コストが高く不都合
であった。
ウムをミッシュメタルで還元する熱還元法により金属サ
マリウムを作り、その後、種々の金属と混合、溶解して
合金化する方法によりサマリウム合金の製造が行なわれ
て来た。この熱還元法は1300〜1600℃の高温度
で還元反応を行ない、サマリウム金属を蒸留採取する回
分方式である為、ルツボ材質の消耗が激しく、又操作が
繁雑な上、高温を必要する為、製造コストが高く不都合
であった。
【0004】一方、溶融塩電解による還元法も試みられ
てはいるものの、サマリウムについてはあまり研究例が
なく報告も少ない。例えば、特公昭45−17064号
公報には、三酸化サマリウムを原料として、フッ化サマ
リウム(SmF3 )40〜90重量%とフッ化リチウム
(LiF)、フッ化バリウム(BaF2 )、フッ化カル
シウム(CaF2 )、フッ化マグネシウム(MgF2 )
又はフッ化ストロンチウム(SrF2 )60〜10重量
%からなる溶融電解浴中で、陰極として鉄、ニッケル又
はコバルトを用いて電解することによりサマリウム合金
を製造する方法が開示されている。
てはいるものの、サマリウムについてはあまり研究例が
なく報告も少ない。例えば、特公昭45−17064号
公報には、三酸化サマリウムを原料として、フッ化サマ
リウム(SmF3 )40〜90重量%とフッ化リチウム
(LiF)、フッ化バリウム(BaF2 )、フッ化カル
シウム(CaF2 )、フッ化マグネシウム(MgF2 )
又はフッ化ストロンチウム(SrF2 )60〜10重量
%からなる溶融電解浴中で、陰極として鉄、ニッケル又
はコバルトを用いて電解することによりサマリウム合金
を製造する方法が開示されている。
【0005】しかしながら、この溶融塩電解還元法はサ
マリウム酸化物を直接還元することができるという点で
は望ましいものの、23ボルトという高い電極間電圧を
必要とし、低電圧では目標とする合金を効果的に得るこ
とができないと報告されている。また、このように電極
間電圧が高いためか、電解浴を形成するフッ化サマリウ
ム自体も電解消費され、このため電解浴の減少や組成変
化が起こり、工業的な長時間運転を行なうことができな
かった。
マリウム酸化物を直接還元することができるという点で
は望ましいものの、23ボルトという高い電極間電圧を
必要とし、低電圧では目標とする合金を効果的に得るこ
とができないと報告されている。また、このように電極
間電圧が高いためか、電解浴を形成するフッ化サマリウ
ム自体も電解消費され、このため電解浴の減少や組成変
化が起こり、工業的な長時間運転を行なうことができな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】このような事情か
ら、三酸化サマリウムを原料として溶融塩電解を行なう
にあたっては、低電圧でも良好な電解ができ、しかも、
電解浴中のフッ化サマリウムの電解消費を抑制し、効率
的にサマリウム金属又は合金を回収する方法が望まれて
いた。
ら、三酸化サマリウムを原料として溶融塩電解を行なう
にあたっては、低電圧でも良好な電解ができ、しかも、
電解浴中のフッ化サマリウムの電解消費を抑制し、効率
的にサマリウム金属又は合金を回収する方法が望まれて
いた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる問題
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、電解浴を均一な
溶融状態とすることなく、固液共存状態として電解を行
なうことにより本発明の目的が達成されることを見い出
した。すなわち、従来電解浴は均一溶融加熱するのが常
識であったが、これに対し、特に陰極周囲の電解浴を固
液共存状態となるような低温に保持することにより、低
電圧でも良好に電解が行なわれ、電解時におけるフッ化
サマリウムの消費も少なくなるという驚くべき事実を見
出し本発明に到達した。
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、電解浴を均一な
溶融状態とすることなく、固液共存状態として電解を行
なうことにより本発明の目的が達成されることを見い出
した。すなわち、従来電解浴は均一溶融加熱するのが常
識であったが、これに対し、特に陰極周囲の電解浴を固
液共存状態となるような低温に保持することにより、低
電圧でも良好に電解が行なわれ、電解時におけるフッ化
サマリウムの消費も少なくなるという驚くべき事実を見
出し本発明に到達した。
【0008】本発明の要旨は、アルカリ金属もしくは
アルカリ土類金属のフッ化物の少なくとも1種とフッ
化サマリウムとを主体とする電解浴中で、酸化サマリウ
ムを原料として溶融塩電解還元法によりサマリウム金属
又はサマリウム合金を製造する方法において、少なくと
も陰極近傍の電解浴を固液共存状態として電解を行なう
ことを特徴とするサマリウム金属又はサマリウム合金の
製造法に存する。
アルカリ土類金属のフッ化物の少なくとも1種とフッ
化サマリウムとを主体とする電解浴中で、酸化サマリウ
ムを原料として溶融塩電解還元法によりサマリウム金属
又はサマリウム合金を製造する方法において、少なくと
も陰極近傍の電解浴を固液共存状態として電解を行なう
ことを特徴とするサマリウム金属又はサマリウム合金の
製造法に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本願発明
で使用する電解浴は、アルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属のフッ化物(以下、単にアルカリ金属フッ化物と
言う)とフッ化サマリウムとを主体とするものであり、
通常電解浴全体に対し95〜10重量%のフッ化サマリ
ウムと5〜90重量%のアルカリ金属フッ化物を含む。
アルカリ金属フッ化物としては、通常、フッ化リチウム
が用いられるが、その一部をフッ化バリウム、フッ化カ
リシウム、フッ化ランタンなどの1種又は2種以上の組
合せで代替してもよい。これら電解に使用する陽極とし
ては、通常用いられる陽極であればいずれも使用するこ
とができ、例えば炭素、白金、タングステン又はタンタ
ル等であり得るが、通常、棒状や板状の炭素を用いる
と、白金等非消耗性の陽極に比べ安価でしかも用いる電
圧を低くすることができる。また、陰極としては、サマ
リウム合金を得る場合には理論的にはサマリウムと合金
化し得る金属のうち金属自体の融点が浴の温度より高
く、サマリウムとの合金の融点が浴の温度より低ければ
用い得るが、実際には、通常、鉄、コバルトなどが用い
られる。これらの金属は磁石の原料でもあり、得られた
合金もそのまま磁石原料として用いることができ、好都
合である。陰極中の不純物は合金中に混入するため、不
純物が少ない電解鉄等が用いられる。本発明では、これ
ら金属の陰極の上に液体状態で生成したサマリウム合金
が、電解浴との比重差により滴下する。滴下したサマリ
ウム合金を、陰極下方の電解浴中に開口部を有する受器
内に液層として溜める。受器としては難融金属であるタ
ンタルやタングステンが用いられる。また、本発明で製
造するサマリウム合金中のサマリウム含有量は通常60
重量%以上であり、合金の具体例としては、例えば、サ
マリウム60〜90重量%,鉄40〜10重量%のも
の、サマリウム60〜90重量%,ニッケル40〜10
重量%のもの、サマリウム60〜90重量%,コバルト
40〜10重量%のもの等が挙げられる。
で使用する電解浴は、アルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属のフッ化物(以下、単にアルカリ金属フッ化物と
言う)とフッ化サマリウムとを主体とするものであり、
通常電解浴全体に対し95〜10重量%のフッ化サマリ
ウムと5〜90重量%のアルカリ金属フッ化物を含む。
アルカリ金属フッ化物としては、通常、フッ化リチウム
が用いられるが、その一部をフッ化バリウム、フッ化カ
リシウム、フッ化ランタンなどの1種又は2種以上の組
合せで代替してもよい。これら電解に使用する陽極とし
ては、通常用いられる陽極であればいずれも使用するこ
とができ、例えば炭素、白金、タングステン又はタンタ
ル等であり得るが、通常、棒状や板状の炭素を用いる
と、白金等非消耗性の陽極に比べ安価でしかも用いる電
圧を低くすることができる。また、陰極としては、サマ
リウム合金を得る場合には理論的にはサマリウムと合金
化し得る金属のうち金属自体の融点が浴の温度より高
く、サマリウムとの合金の融点が浴の温度より低ければ
用い得るが、実際には、通常、鉄、コバルトなどが用い
られる。これらの金属は磁石の原料でもあり、得られた
合金もそのまま磁石原料として用いることができ、好都
合である。陰極中の不純物は合金中に混入するため、不
純物が少ない電解鉄等が用いられる。本発明では、これ
ら金属の陰極の上に液体状態で生成したサマリウム合金
が、電解浴との比重差により滴下する。滴下したサマリ
ウム合金を、陰極下方の電解浴中に開口部を有する受器
内に液層として溜める。受器としては難融金属であるタ
ンタルやタングステンが用いられる。また、本発明で製
造するサマリウム合金中のサマリウム含有量は通常60
重量%以上であり、合金の具体例としては、例えば、サ
マリウム60〜90重量%,鉄40〜10重量%のも
の、サマリウム60〜90重量%,ニッケル40〜10
重量%のもの、サマリウム60〜90重量%,コバルト
40〜10重量%のもの等が挙げられる。
【0010】電解浴の相状態は浴組成(フッ化サマリウ
ム/フッ化リチウム等の他のフッ化物の割合)に応じ、
固相と液相が共存する場合や、液相のみの場合が有りう
る。本発明においては、電解に必要な液相とともに、固
相が共存する状態を維持することが重要である。この状
態は電解浴の組成と温度が決まれば一義的に定まる。す
なわち、本発明では電解浴組成に応じた加熱温度を選
択、相態図の固相線以上、液相線以下の範囲(例えばフ
ッ化リチウムと三フッ化サマリウムとを用いた電解浴の
場合、図1の斜線部に相当)で示される組成及び温度を
選択し電解を行なえば、固液共存状態を維持することが
できる。また、本発明では電解浴全体を固液共存状態と
しなくてもよく、少なくとも、陰極の近傍の電解浴の状
態が固液共存する状態とすればよい。液相線を越える温
度下でも合金を得ることは出来るが、メタルの生成が僅
かであり、高温のため、浴の蒸発ロスが増えたり、炉材
質の劣化や熱ロス等、不利な面が現れ好ましくない。従
って、本発明の場合、必要に応じて、陽極周囲などは別
途加熱し均一溶融状態としても差し支えないのである。
ム/フッ化リチウム等の他のフッ化物の割合)に応じ、
固相と液相が共存する場合や、液相のみの場合が有りう
る。本発明においては、電解に必要な液相とともに、固
相が共存する状態を維持することが重要である。この状
態は電解浴の組成と温度が決まれば一義的に定まる。す
なわち、本発明では電解浴組成に応じた加熱温度を選
択、相態図の固相線以上、液相線以下の範囲(例えばフ
ッ化リチウムと三フッ化サマリウムとを用いた電解浴の
場合、図1の斜線部に相当)で示される組成及び温度を
選択し電解を行なえば、固液共存状態を維持することが
できる。また、本発明では電解浴全体を固液共存状態と
しなくてもよく、少なくとも、陰極の近傍の電解浴の状
態が固液共存する状態とすればよい。液相線を越える温
度下でも合金を得ることは出来るが、メタルの生成が僅
かであり、高温のため、浴の蒸発ロスが増えたり、炉材
質の劣化や熱ロス等、不利な面が現れ好ましくない。従
って、本発明の場合、必要に応じて、陽極周囲などは別
途加熱し均一溶融状態としても差し支えないのである。
【0011】電極間の電圧は通常3.5ボルト以上20
ボルト以下、好ましくは4〜8ボルトの範囲で行なう。
酸化サマリウムの理論分解電圧は最低必要であるが、実
質的にも3.5ボルト程度以上であれば電解は可能であ
る。また20ボルトを越えるとジュール熱として熱ロス
が生じるのみならず、電解浴のフッ化物までも分解する
事になり、省エネルギー、省資源の面からも好ましくな
い。
ボルト以下、好ましくは4〜8ボルトの範囲で行なう。
酸化サマリウムの理論分解電圧は最低必要であるが、実
質的にも3.5ボルト程度以上であれば電解は可能であ
る。また20ボルトを越えるとジュール熱として熱ロス
が生じるのみならず、電解浴のフッ化物までも分解する
事になり、省エネルギー、省資源の面からも好ましくな
い。
【0012】電解に用いる容器は、電解浴に接する部分
を鉄製とし、サマリウム合金を溜める部分をタングステ
ンもしくは、タンタル等の金属ルツボとすると経済的な
点からも好ましい。従来難融性の貴金属であるタングス
テンやタンタル等の高価な材料を用いて電解が行なわれ
てきたが、本発明者らは電解槽の基本材料は安価な鉄製
であっても本発明で使用する浴に対して耐浴性が高く、
十分実用に供することを見出した。サマリウム合金を溜
める部分はメタルとの反応を防止する目的で難融性の貴
金属であるタングステンやタンタル等の材質が望まし
い。
を鉄製とし、サマリウム合金を溜める部分をタングステ
ンもしくは、タンタル等の金属ルツボとすると経済的な
点からも好ましい。従来難融性の貴金属であるタングス
テンやタンタル等の高価な材料を用いて電解が行なわれ
てきたが、本発明者らは電解槽の基本材料は安価な鉄製
であっても本発明で使用する浴に対して耐浴性が高く、
十分実用に供することを見出した。サマリウム合金を溜
める部分はメタルとの反応を防止する目的で難融性の貴
金属であるタングステンやタンタル等の材質が望まし
い。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。 実施例1 電解浴組成がフッ化リチウム=11重量%、三フッ化サ
マリウム=89重量%となるように、フッ化リチウム8
10g、三フッ化サマリウム6,554gを秤量、混合
した後、この電解浴の原料の酸化サマリウム、140g
を添加、混合し、電解用セルの窒化硅素製ルツボ(内径
=140mm,深さ=200mm)に仕込んだ。アルゴ
ン雰囲気下、セル全体を外部加熱し、電解中は浴温を7
90℃に保持した。電極には電解鉄を陰極に用い、陽極
にはカーボンを用いた。両電極間の距離を80mmとっ
た。直流電解電流50Aを1.5時間流し電解を行っ
た。陰極、陽極の電流密度は共に、1A/cm2 であっ
た。電極間電圧は11ボルトを示した。電解停止後、ル
ツボの底に溜まっていたメタルは40gであり、分析し
た結果、このメタルはSm/Fe=75/25(重量
比)の合金であった。従って電解により生成したサマリ
メタルは30gであり、電流効率は21%が得られた。
陰極、陽極共に消耗していた。又、電解ガス中に高濃度
のCOガスが検出された。このことは、酸化サマリウム
の電解が正常に行われた事を示している。
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。 実施例1 電解浴組成がフッ化リチウム=11重量%、三フッ化サ
マリウム=89重量%となるように、フッ化リチウム8
10g、三フッ化サマリウム6,554gを秤量、混合
した後、この電解浴の原料の酸化サマリウム、140g
を添加、混合し、電解用セルの窒化硅素製ルツボ(内径
=140mm,深さ=200mm)に仕込んだ。アルゴ
ン雰囲気下、セル全体を外部加熱し、電解中は浴温を7
90℃に保持した。電極には電解鉄を陰極に用い、陽極
にはカーボンを用いた。両電極間の距離を80mmとっ
た。直流電解電流50Aを1.5時間流し電解を行っ
た。陰極、陽極の電流密度は共に、1A/cm2 であっ
た。電極間電圧は11ボルトを示した。電解停止後、ル
ツボの底に溜まっていたメタルは40gであり、分析し
た結果、このメタルはSm/Fe=75/25(重量
比)の合金であった。従って電解により生成したサマリ
メタルは30gであり、電流効率は21%が得られた。
陰極、陽極共に消耗していた。又、電解ガス中に高濃度
のCOガスが検出された。このことは、酸化サマリウム
の電解が正常に行われた事を示している。
【0014】実施例2 電解浴の温度を850℃に保持した以外は実施例1と同
様の方法で電解を行った。電極間電圧は11ボルトを示
した。電解停止後、ルツボの底に溜まっていたメタルは
24gであり、分析した結果、このメタルはSm/Fe
=75/25(重量比)の合金であった。従って電解に
より生成したサマリメタルは18gであり、電流効率は
13%が得られた。実施例1と同様に、陰極、陽極共に
消耗し、電解ガス中には高濃度のCOが検出された。
様の方法で電解を行った。電極間電圧は11ボルトを示
した。電解停止後、ルツボの底に溜まっていたメタルは
24gであり、分析した結果、このメタルはSm/Fe
=75/25(重量比)の合金であった。従って電解に
より生成したサマリメタルは18gであり、電流効率は
13%が得られた。実施例1と同様に、陰極、陽極共に
消耗し、電解ガス中には高濃度のCOが検出された。
【0015】比較例1 電解浴組成がフッ化リチウム=16重量%、三フッ化サ
マリウム=84重量%となるように、フッ化リチウム
1,178gと三フッ化サマリウム6,186gを秤
量、混合した後、原料の酸化サマリウム140gを添
加、混合し、電解用セルに仕込んで、電解浴の温度を8
10℃に保持した以外は実施例1と同様の方法で電解を
行った。電極間電圧は11ボルトを示した。電解停止
後、ルツボの底に溜まっていたメタルは0gであった。
陰極は消耗していなかった。陽極のカーボンのみが消耗
した。このことは、電解が正常に進行しなかったことを
示している。
マリウム=84重量%となるように、フッ化リチウム
1,178gと三フッ化サマリウム6,186gを秤
量、混合した後、原料の酸化サマリウム140gを添
加、混合し、電解用セルに仕込んで、電解浴の温度を8
10℃に保持した以外は実施例1と同様の方法で電解を
行った。電極間電圧は11ボルトを示した。電解停止
後、ルツボの底に溜まっていたメタルは0gであった。
陰極は消耗していなかった。陽極のカーボンのみが消耗
した。このことは、電解が正常に進行しなかったことを
示している。
【0016】比較例2 電解浴組成がフッ化リチウム=16重量%、三フッ化サ
マリウム=84重量%となるように、フッ化チリウム
1,178g、三フッ化サマリウム6,186gを秤
量、混合した後、原料の酸化サマリウム140gを添
加、混合し、電解用セルに仕込んで、電解浴の温度を8
80℃に保持した以外は実施例1と同様の方法で電解を
行った。電極間電圧は11ボルトを示した。電解停止
後、ルツボの底に溜まっていたメタルは0gであった。
比較例1と同様、陰極は消耗せず、陽極のみ消耗した。
マリウム=84重量%となるように、フッ化チリウム
1,178g、三フッ化サマリウム6,186gを秤
量、混合した後、原料の酸化サマリウム140gを添
加、混合し、電解用セルに仕込んで、電解浴の温度を8
80℃に保持した以外は実施例1と同様の方法で電解を
行った。電極間電圧は11ボルトを示した。電解停止
後、ルツボの底に溜まっていたメタルは0gであった。
比較例1と同様、陰極は消耗せず、陽極のみ消耗した。
【0017】
【発明の効果】サマリウム金属又は合金を、工業的に安
定して、効率よく製造する事が出来る。
定して、効率よく製造する事が出来る。
【図1】図1はLiF−SmF3 系相態図であって、同
図中に実施例1及び2と比較例1及び2の電解浴の状態
を示した。
図中に実施例1及び2と比較例1及び2の電解浴の状態
を示した。
Claims (1)
- 【請求項1】 アルカリ金属もしくはアルカリ土類金
属のフッ化物の少なくとも1種とフッ化サマリウムと
を主体とする電解浴中で、酸化サマリウムを原料として
溶融塩電解還元法によりサマリウム金属又はサマリウム
合金を製造する方法において、 少なくとも陰極近傍の電解浴を固液共存状態として電解
を行なうことを特徴とするサマリウム金属又はサマリウ
ム合金の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9995592A JPH05295583A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | サマリウム金属又はサマリウム合金の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9995592A JPH05295583A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | サマリウム金属又はサマリウム合金の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295583A true JPH05295583A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14261121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9995592A Pending JPH05295583A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | サマリウム金属又はサマリウム合金の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05295583A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013098448A (ja) * | 2011-11-04 | 2013-05-20 | Hitachi Ltd | 鉄系磁性材料及びその製造方法 |
CN109440139A (zh) * | 2018-11-30 | 2019-03-08 | 中国工程物理研究院材料研究所 | 一种用于金属熔盐电解精炼的双杯型陶瓷坩埚及其制备方法 |
CN114438550A (zh) * | 2022-02-12 | 2022-05-06 | 内蒙古益飞铽冶金科技有限公司 | 用于生产金属钐的稀土氟化物体系电解工艺 |
-
1992
- 1992-04-20 JP JP9995592A patent/JPH05295583A/ja active Pending
Cited By (3)
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