JPH0529493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、静電記録装置における定着装置に関
し、更に詳しくは、側板に回動可能に支持された
定着ローラ及び該定着ローラ方向に押圧された加
圧ローラよりなる一対のローラ間に、トナー可視
像が転写された記録紙を通過させ、前記トナー像
を定着させる定着装置に関する。

（考案の背景） 静電記録装置は、帯電された感光ドラムに原稿
情報に応じた露光を行つた後、ドラム表面に形成
された静電潜像にトナーの可視像を形成せしめ、
トナー可視像を記録紙に転写し、定着せしめる装
置である。この記録紙に転写されたトナー可視像
を定着させる定着装置は、加熱された定着ローラ
と定着ロール方向に押圧される加圧ローラにより
なる一対のローラを有し、この一対のローラ間
に、記録紙を通過させ、熱と圧力とで転写された
トナーを溶融し、定着させるようになつている。
そして、加圧ローラは、一端が加圧ローラの軸受
部材を押圧し、他端が定着装置のフレーム側に取
付けられたコンプレツシヨンスプリングにより、
定着ローラ方向に押圧されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記構成の定着装置を組立てる場合、コンプレ
ツシヨンスプリングは治工具を用いて圧縮された
状態で組付けがされる。よつて治工具が必要で、
組付工数も多くなるという問題点がある。

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、治工具が不要で、ワンタツチで
コンプレツシヨンスプリングの組付けが可能な定
着装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するための本考案は、側板に
回動可能に支持された定着ローラ及び該定着ロー
ラ方向に押圧された加圧ローラよりなる一対のロ
ーラ間に、トナー可視像が転写された記録紙を通
過させ、前記トナー像を定着させる定着装置にお
いて、前記側板に定着ローラ方向のガイドが設け
られ、該ガイドに前記加圧ローラの軸受部材が案
内され、該軸受部材の反定着ローラ側がコンプレ
ツシヨンスプリングの一端で押圧され、該コンプ
レツシヨンスプリングの他端は、スプリング受板
で受けられており、前記コンプレツシヨンスプリ
ングの他端近傍には支持部が配設され、この支持
部には、前記スプリング受板が挿通可能な切欠き
が設けられており、前記スプリング受板は、前記
切欠きを挿通して前記コンプレツシヨンスプリン
グを圧縮した状態で前記支持部と交差し、これに
より、その支持部に支持されることを特徴とする
ものである。

（作用） 本考案の定着装置において、スプリング受板は
支持部に設けられた切欠きを挿通し、更に、回動
することにより支持部に支持される。そして、加
圧ローラは支持部に支持されたスプリング受板に
受けられたコンプレツシヨンスプリングでもつ
て、前記加圧ローラの軸受部は定着ローラ方向に
押圧される。

（実施例） 次に、第１図乃至第３図を用いて、本考案の一
実施例を説明する。これらの図において、１は本
考案の定着装置、２は定着ローラ、３は加圧ロー
ラである。定着ローラは、第３図に示すように、
定着装置１の側板４に軸受部材５を介して、回動
可能に支持され、表面に四沸化エチレン（商品
名：テフロン樹脂）ライニングされたストレート
パイプ２ａと、該ストレートパイプ２ａ内に挿通
されたヒータランプ２ｂを有している。又、定着
ローラ２の一端部には、ギヤ６が取付けられ、該
ギヤ６は、図示しない駆動歯車列に噛合い、定着
ローラ２は回動駆動されるようになつている。７
はストレートパイプ２ａの軸方向の移動を禁止す
る抜け止め防止用の止め金具である。ストレート
パイプ２ａにはヒータランプ２ｂの熱を逃がさな
いように開放端に貫通孔８ａを有する円錐状の覆
い部材８が嵌合し、貫通孔８ｂにはヒータランプ
２ｂが挿通している。この覆い部材８は側板４に
ネジ９を用いて取付けられたランプ端子台１０と
一体に固定されている。１１はヒータランプ２ｂ
の両端を保持するランプホルダで、ランプホルダ
１１の基端部１１ａはランプ端子台１０に電源接
続端子１２と共にネジ１３で固定されている。

そして、ヒータランプ２ｂに電流が流れ、ヒー
タランプ２ｂは発熱し、定着ローラ２のストレー
トパイプ２ａ表面は180〜200℃に加熱される。定
着ローラ２と対をなす加圧ローラ３は、シヤフト
３ａと該シヤフト３ａの外周に巻装された耐熱性
のゴム層３ｂとを有し、シヤフト３ａの両端には
軸受部材１４が嵌合し、加圧ローラ３は回動可能
となつている。軸受部材１４は、側板４に設けら
れた定着ローラ２方向のガイド、本実施例では、
側板４に設けられた溝４ａに嵌合し、加圧ローラ
３は溝４ａに案内され、定着ローラ２方向に移動
可能となつている。軸受部材１４の反定着ローラ
２側、つまり軸受部材１４の下面には突起１４ａ
が突設され、該突起１４ａは、コンプレツシヨン
スプリング１５の一端１５ａに嵌合している。コ
ンプレツシヨンスプリング１５の他端１５ｂは、
スプリング受板１６上の軸受部材１４方向に突設
された突起１６ａに嵌合している。そして、突起
１６ａの両サイドには、反軸受部材１４方向に突
設された突起１６ｂ，１６ｃが設けられている。
それらの突起１６ｂ，１６ｃが定着装置１の底部
に設けられた切欠き１７を有する支持部１８ａ，
１８ｂに穿設された孔１８ｃ，１８ｄに嵌合する
ことにより、スプリング受板１６は支持部１８
ａ，１８ｂに支持されている。そして、コンプレ
ツシヨンスプリング１５の一端１５ａは軸受部材
１４を押圧し、加圧ローラ３は定着ローラ２方向
に押圧されている。ここで、支持部１８ａと１８
ｂとの間の切欠き１７の幅Ｄは、スプリング受板
１６の幅ｄより若干広くなつている。又、１９は
加圧ローラ３に接触するクリーニングローラ、２
０は排紙ローラである。

そして、トナー可視像が転写された記録紙が加
熱された定着ローラ２及び該定着ローラ２方向に
押圧された加圧ローラ３よりなる一対のローラ間
を通過する。この時、転写されたトナーは、熱と
圧力で溶融され、記録紙上に定着されるようにな
つている。

次に上記構成の定着装置を組付ける場合、第１
図に示すように、コンプレツシヨンスプリング１
５の他端１５ｂをスプリング受板１６の突起１６
ａに嵌合させ、下方より、コンプレツシヨンスプ
リング１５の一端を軸受部材１４の突起１４ａに
嵌合させる。そして、スプリング受板１６が支持
部１８ａ，１８ｂの軸受部材１４側上方に来る
迄、コンプレツシヨンスプリング１５に圧縮力を
加える。この時、スプリング受板１６の支持部１
８ａ，１８ｂとの相対角度は第１図における実線
の方で、支持部材１８ａと１８ｂとの間の切欠き
１７の幅Ｄよりもスプリング受板１６の幅ｄは若
干狭いので、スプリング受板１６は、支持部１７
と１８との間を自由に挿通することができる。そ
して、スプリング受板１６が、支持部１８ａ，１
８ｂの軸受部材１４側上方迄来ると、90°回転さ
せ、更に、前記圧縮力を解除する。すると、スプ
リング受板１６はコンプレツシヨンスプリング１
５の付勢力で支持部１８ａ，１８ｂに当接するま
で移動し、第１図における２点鎖線の位置とな
り、スプリング受板１６の突起１６ｂ，１６ｃが
支持部１７，１８の孔１７ａ，１８ａに嵌合し、
組付けが完了する。

上記構成によれば、コンプレツシヨンスプリン
グ１５を押える治工具が不要で、ワンタツチで、
コンプレツシヨンスプリング１５を組付けること
ができる。

尚、本考案は、上記実施例に限るものではな
い。例えば、軸受部材１４やスプリング受板１６
に突起を設けてコンプレツシヨンスプリング１５
と嵌合させたが、突起のかわりに穴を設けて、コ
ンプレツシヨンスプリング１５を嵌合せしめても
よい。

（考案の効果） 以上、説明したように本考案によれば、治工具
が不要で、ワンタツチでコンプレツシヨンスプリ
ングの組付が可能な定着装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部を示す斜視
図、第２図は本考案の一実施例を示す側面図、第
３図は第２図におけるＡ−Ａ断面図である。 １……定着装置、２……定着ローラ、２ａ……
ストレートパイプ、２ｂ……ヒータランプ、３…
…加圧ローラ、３ａ……シヤフト、３ｂ……ゴム
層、４……側板（ガイド）、４ａ……溝、５，１
４……軸受部材、６……ギヤ、７……止め金具、
８……覆い部材、８ａ……貫通孔、９，１３……
ネジ、１０……ランプ端子台、１１……ランプホ
ルダ、１２……電源接続端子、１４ａ，１６ａ，
１６ｂ，１６ｃ……突起、１５……コンプレツシ
ヨンスプリング、１５ａ……一端、１５ｂ……他
端、１６……スプリング受板、１７……切欠き、
１８ａ，１８ｂ……支持部、１８ｃ，１８ｄ……
孔、１９……クリーニングローラ、２０……排紙
ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 側板に回動可能に支持された定着ローラ及び該
   定着ローラ方向に押圧された加圧ローラよりなる
   一対のローラ間に、トナー可視像が転写された記
   録紙を通過させ、前記トナー像を定着させる定着
   装置において、 前記側板に定着ローラ方向のガイドが設けら
   れ、該ガイドに前記加圧ローラの軸受部材が案内
   され、該軸受部材の反定着ローラ側がコンプレツ
   シヨンスプリングの一端で押圧され、該コンプレ
   ツシヨンスプリングの他端はスプリング受板で受
   けられており、 前記コンプレツシヨンスプリングの他端近傍に
   は支持部が配設され、この支持部には、前記スプ
   リング受板が挿通可能な切欠きが設けられてお
   り、 前記スプリング受板は、前記切欠きを挿通して
   前記コンプレツシヨンスプリングを圧縮した状態
   で前記支持部と交差し、これにより、その支持部
   に支持されることを特徴とする定着装置。