JPH05294868A - ビスフェノール類の製造方法 - Google Patents
ビスフェノール類の製造方法Info
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- JPH05294868A JPH05294868A JP4096302A JP9630292A JPH05294868A JP H05294868 A JPH05294868 A JP H05294868A JP 4096302 A JP4096302 A JP 4096302A JP 9630292 A JP9630292 A JP 9630292A JP H05294868 A JPH05294868 A JP H05294868A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、助触媒として3−メルカプ
トプロピオン酸を用いることにより、触媒寿命の延長が
可能となるビスフェノ−ルの製造方法を提供することが
できる。 【構成】 本発明は、スルホン酸基を有する強酸性陽イ
オン交換樹脂の存在下、フェノ−ル類とケトン類とを反
応させてビスフェノ−ルを製造する方法において、助触
媒として3−メルカプトプロピオン酸を用いる方法であ
る。 【効果】 ビスフェノ−ルAの製造において、3−メル
カプトプロピオン酸の活性および触媒寿命の延長効果が
大である。
トプロピオン酸を用いることにより、触媒寿命の延長が
可能となるビスフェノ−ルの製造方法を提供することが
できる。 【構成】 本発明は、スルホン酸基を有する強酸性陽イ
オン交換樹脂の存在下、フェノ−ル類とケトン類とを反
応させてビスフェノ−ルを製造する方法において、助触
媒として3−メルカプトプロピオン酸を用いる方法であ
る。 【効果】 ビスフェノ−ルAの製造において、3−メル
カプトプロピオン酸の活性および触媒寿命の延長効果が
大である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビスフェノ−ル類の製造
方法に関する。
方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、メ
ルカプトアミンによる部分中和で改質した酸型の不溶性
強酸カチオン交換樹脂を触媒として、この触媒の存在下
にフェノールとケトンとを反応させてビスフェノールを
製造する方法が知られている(米国特許第3,394,
089号明細書参照)。
ルカプトアミンによる部分中和で改質した酸型の不溶性
強酸カチオン交換樹脂を触媒として、この触媒の存在下
にフェノールとケトンとを反応させてビスフェノールを
製造する方法が知られている(米国特許第3,394,
089号明細書参照)。
【0003】しかしながら、この改質された樹脂は、そ
れ自体が不安定であり、反応の過程で反応媒質により洗
い流されてしまうという問題点がある。したがって、こ
の改質された樹脂を使用するビスフェノールの製造方法
は、連続反応による長時間の運転には適していない。
れ自体が不安定であり、反応の過程で反応媒質により洗
い流されてしまうという問題点がある。したがって、こ
の改質された樹脂を使用するビスフェノールの製造方法
は、連続反応による長時間の運転には適していない。
【0004】他方、米国特許第2,775,620号明
細書には、例えば塩化水素などの強鉱酸からなる酸触媒
と助触媒であるメチルメルカプタンとの存在下に、フェ
ノールとジメチルケトンとを反応させることにより、
2,2−ジ−(ヒドロキシフェニル)プロパンを製造す
る方法が開示されている。米国特許第2,468,98
2号明細書には、酸性縮合剤例えば硫酸、塩化水素、塩
化アルミニウム等とメルカプト基を置換したカルボン酸
例えばメルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸などの
触媒との存在下に、フェノールとケトンとを反応させ
て、ビスフェノールを製造する方法が開示されている。
米国特許第2,623,908号明細書には、酸性縮合
剤例えば塩化水素、塩化水素酸、臭化水素等の存在下
に、フェノールとアセトンとを反応させて4,4’−イ
ソプロピリデンフェノールを製造する方法が開示され、
前記酸性縮合剤と共に揮発性硫黄含有触媒例えばメルカ
プトカルボン酸を共存させると、フェノールとアセトン
との縮合速度が増大することが記載されている。
細書には、例えば塩化水素などの強鉱酸からなる酸触媒
と助触媒であるメチルメルカプタンとの存在下に、フェ
ノールとジメチルケトンとを反応させることにより、
2,2−ジ−(ヒドロキシフェニル)プロパンを製造す
る方法が開示されている。米国特許第2,468,98
2号明細書には、酸性縮合剤例えば硫酸、塩化水素、塩
化アルミニウム等とメルカプト基を置換したカルボン酸
例えばメルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸などの
触媒との存在下に、フェノールとケトンとを反応させ
て、ビスフェノールを製造する方法が開示されている。
米国特許第2,623,908号明細書には、酸性縮合
剤例えば塩化水素、塩化水素酸、臭化水素等の存在下
に、フェノールとアセトンとを反応させて4,4’−イ
ソプロピリデンフェノールを製造する方法が開示され、
前記酸性縮合剤と共に揮発性硫黄含有触媒例えばメルカ
プトカルボン酸を共存させると、フェノールとアセトン
との縮合速度が増大することが記載されている。
【0005】しかしながら、これらのいずれの方法にお
いても、触媒の回収が容易ではなく、生成物が硫黄化合
物で汚染され、また副生成物が多いという問題点があ
る。
いても、触媒の回収が容易ではなく、生成物が硫黄化合
物で汚染され、また副生成物が多いという問題点があ
る。
【0006】ビスフェノールの製造方法として、特公昭
37−981号公報に記載された技術もある。この公報
に記載されたビスフェノールの製造方法は、「フェノー
ルとアセトンとを実質的に無水条件の下で、実質的に不
溶性の陽イオン交換樹脂の存在において30〜125℃
の温度で反応帯域中で接触させ、反応帯域からの流出物
を、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
−フェノール付加物、反応副生物及びフェノールを含有
する流れと、アセトン、水及びフェノールを含有する流
れとの二つの流れに分離し、最初の流れから反応副生物
を除去し、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンを回収し、反応副生物、フェノール及びアセトン
を反応帯域に再循環させることからなる、アセトンと化
学量論的量よりも過剰に存在するフェノールとを触媒と
して実質的に不溶性の陽イオン交換樹脂を存在させて反
応させることを特徴」とする。そして、この方法におけ
る陽イオン交換樹脂として、陽イオン交換基をメルカプ
トアルコールで部分的にエステル化した陽イオン交換樹
脂を使用することができ、このように部分的にエステル
化した陽イオン交換樹脂を使用すると、生成物を汚染し
ないで反応を促進する利点のあることが開示されてい
る。
37−981号公報に記載された技術もある。この公報
に記載されたビスフェノールの製造方法は、「フェノー
ルとアセトンとを実質的に無水条件の下で、実質的に不
溶性の陽イオン交換樹脂の存在において30〜125℃
の温度で反応帯域中で接触させ、反応帯域からの流出物
を、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
−フェノール付加物、反応副生物及びフェノールを含有
する流れと、アセトン、水及びフェノールを含有する流
れとの二つの流れに分離し、最初の流れから反応副生物
を除去し、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンを回収し、反応副生物、フェノール及びアセトン
を反応帯域に再循環させることからなる、アセトンと化
学量論的量よりも過剰に存在するフェノールとを触媒と
して実質的に不溶性の陽イオン交換樹脂を存在させて反
応させることを特徴」とする。そして、この方法におけ
る陽イオン交換樹脂として、陽イオン交換基をメルカプ
トアルコールで部分的にエステル化した陽イオン交換樹
脂を使用することができ、このように部分的にエステル
化した陽イオン交換樹脂を使用すると、生成物を汚染し
ないで反応を促進する利点のあることが開示されてい
る。
【0007】しかしながら、陽イオン交換基をメルカプ
トアルコールで部分的にエステル化した陽イオン交換樹
脂を使用しても、反応成績および触媒寿命の点で満足す
るべき結果が得られていない。
トアルコールで部分的にエステル化した陽イオン交換樹
脂を使用しても、反応成績および触媒寿命の点で満足す
るべき結果が得られていない。
【0008】特公昭45−10337号公報に記載のビ
スフェノール類の製造法は、「フェノールに可溶なメル
カプタンおよび懸吊せるスルホン酸基を有する固体状の
不溶性イオン交換樹脂の存在下にフェノールとケトンと
を反応させることによりなるビスフェノール類の製造方
法にして、前記のメルカプタンの量がフェノールとケト
ンとの総重量を基準にして約0.05〜約1重量%であ
り、かつ前記のイオン交換樹脂の量がアセトン1モル当
たり約0.1〜約1等量であることを特徴」とする。こ
の製造法においては、イオン交換樹脂を触媒として用
い、エチルメルカプタンを含むメルカプタン類を助触媒
として用いている。
スフェノール類の製造法は、「フェノールに可溶なメル
カプタンおよび懸吊せるスルホン酸基を有する固体状の
不溶性イオン交換樹脂の存在下にフェノールとケトンと
を反応させることによりなるビスフェノール類の製造方
法にして、前記のメルカプタンの量がフェノールとケト
ンとの総重量を基準にして約0.05〜約1重量%であ
り、かつ前記のイオン交換樹脂の量がアセトン1モル当
たり約0.1〜約1等量であることを特徴」とする。こ
の製造法においては、イオン交換樹脂を触媒として用
い、エチルメルカプタンを含むメルカプタン類を助触媒
として用いている。
【0009】しかしながら、これらメルカプタン類を単
独で用いた場合、反応成績はある程度満足することので
きる結果が得られるものの、触媒寿命は工業的に満足す
ることのできるものではない。
独で用いた場合、反応成績はある程度満足することので
きる結果が得られるものの、触媒寿命は工業的に満足す
ることのできるものではない。
【0010】本発明は前記事情に基づきなされたもので
ある。
ある。
【0011】本発明の目的は、触媒寿命が長く、しかも
使用する触媒としてのイオン交換樹脂が反応媒質により
容易に洗い出されずに安定して使用することができる、
工業的に有利なビスフェノ−ル類の製造方法を提供する
ことにある。
使用する触媒としてのイオン交換樹脂が反応媒質により
容易に洗い出されずに安定して使用することができる、
工業的に有利なビスフェノ−ル類の製造方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、スルホン酸系陽イオン交換
樹脂および3−メルカプトプロピオン酸の存在下に、ケ
トン類とフェノ−ル類との脱水縮合反応を行うことを特
徴とするビスフェノ−ル類の製造方法であり、請求項2
に記載の発明は、前記ケトン類がアセトンである前記請
求項1に記載のビスフェノ−ル類の製造方法である。
の請求項1に記載の発明は、スルホン酸系陽イオン交換
樹脂および3−メルカプトプロピオン酸の存在下に、ケ
トン類とフェノ−ル類との脱水縮合反応を行うことを特
徴とするビスフェノ−ル類の製造方法であり、請求項2
に記載の発明は、前記ケトン類がアセトンである前記請
求項1に記載のビスフェノ−ル類の製造方法である。
【0013】以下に、本発明の方法について詳細に説明
する。本発明の方法においては、フェノール類とケトン
類とを反応させる。前記フェノ−ル類は、化1で表わす
ことができる。
する。本発明の方法においては、フェノール類とケトン
類とを反応させる。前記フェノ−ル類は、化1で表わす
ことができる。
【0014】
【化1】
【0015】(ただし、式中、R1 〜R4 は互いに同一
であっても相違していても良く、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、またはハロゲン原子を表わす。)好ま
しい前記フェノ−ル類としては、フェノール、オルソク
レゾール、メタクレゾール、2,6−ジメチルフェノー
ル、テトラメチルフェノール、2,6−ジターシャリー
ブチルフェノール等のアルキルフェノールや、オルソク
ロロフェノール、メタクロロフェノール、2,6−ジク
ロロフェノール等のハロゲン化されたフェノール等を挙
げることができる。これらの中でも好ましいのはフェノ
ールである。
であっても相違していても良く、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、またはハロゲン原子を表わす。)好ま
しい前記フェノ−ル類としては、フェノール、オルソク
レゾール、メタクレゾール、2,6−ジメチルフェノー
ル、テトラメチルフェノール、2,6−ジターシャリー
ブチルフェノール等のアルキルフェノールや、オルソク
ロロフェノール、メタクロロフェノール、2,6−ジク
ロロフェノール等のハロゲン化されたフェノール等を挙
げることができる。これらの中でも好ましいのはフェノ
ールである。
【0016】前記ケトン類は、R5 COR6 で表すこと
ができる。式中、R5 およびR6 は互いに同一であって
も相違していても良く、水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基、炭素数6
〜14のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、
炭素数7〜20のアルキルアリール基を表わす。
ができる。式中、R5 およびR6 は互いに同一であって
も相違していても良く、水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基、炭素数6
〜14のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、
炭素数7〜20のアルキルアリール基を表わす。
【0017】好ましい前記ケトン類としては、ジメチル
ケトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケ
トン、およびメチルイソブチルケトン等の炭素原子数1
2以下、好ましくは6以下のアルキル基を有する飽和脂
肪酸ケトン、フェニルメチルケトン等の芳香族ケトン、
メシチルオキシドのような不飽和ケトン、ならびにシク
ロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等の脂環
式ケトン等を挙げることができる。これらの中でも特に
好ましいのはアセトンである。
ケトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケ
トン、およびメチルイソブチルケトン等の炭素原子数1
2以下、好ましくは6以下のアルキル基を有する飽和脂
肪酸ケトン、フェニルメチルケトン等の芳香族ケトン、
メシチルオキシドのような不飽和ケトン、ならびにシク
ロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等の脂環
式ケトン等を挙げることができる。これらの中でも特に
好ましいのはアセトンである。
【0018】本発明の方法においては、前記フェノール
類と前記ケトン類とを、スルホン酸系陽イオン交換樹脂
および3−メチルプロピオン酸の存在下に反応させる。
類と前記ケトン類とを、スルホン酸系陽イオン交換樹脂
および3−メチルプロピオン酸の存在下に反応させる。
【0019】前記スルホン酸系陽イオン交換樹脂として
は、スルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂であ
ればよく、その具体例としては、スルホン化スチレン・
ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレン
ポリマー、フェノールホルムアルデヒド−スルホン酸樹
脂およびベンゼンホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂等
を挙げることができる。これらはその一種を単独で使用
することもできるし、また、その二種以上を併用するこ
ともできる。
は、スルホン酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂であ
ればよく、その具体例としては、スルホン化スチレン・
ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレン
ポリマー、フェノールホルムアルデヒド−スルホン酸樹
脂およびベンゼンホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂等
を挙げることができる。これらはその一種を単独で使用
することもできるし、また、その二種以上を併用するこ
ともできる。
【0020】前記3−メチルプロピオン酸としては特に
制限がない。本発明は、前記フェノール類と前記ケトン
類とを、前記スルホン酸系陽イオン交換樹脂および3−
メチルプロピオン酸の存在下に反応させ、ビスフェノー
ルを製造する。この反応は化2で表わされる。
制限がない。本発明は、前記フェノール類と前記ケトン
類とを、前記スルホン酸系陽イオン交換樹脂および3−
メチルプロピオン酸の存在下に反応させ、ビスフェノー
ルを製造する。この反応は化2で表わされる。
【0021】
【化2】
【0022】この反応における反応方法は、特に制限さ
れないが、固定床連続反応や回分反応が望ましい。例え
ば、固定床連続反応で行なう場合、LHSVは通常、
0.2〜30/Hr-1、好ましくは0.5〜6Hr-1で
ある。
れないが、固定床連続反応や回分反応が望ましい。例え
ば、固定床連続反応で行なう場合、LHSVは通常、
0.2〜30/Hr-1、好ましくは0.5〜6Hr-1で
ある。
【0023】この反応における反応条件として、フェノ
ール類とケトン類とのモル比は、通常、フェノール:ケ
トンが3:1〜30:1であり、好ましくは5:1〜1
5:1である。
ール類とケトン類とのモル比は、通常、フェノール:ケ
トンが3:1〜30:1であり、好ましくは5:1〜1
5:1である。
【0024】反応温度は、通常、40〜150℃、好ま
しくは60〜110℃である。反応温度が40℃より低
いとフェノール相が固化することがあり、また、反応温
度が150℃より高いと気相反応となり、反応系の制御
が困難になる。また、150℃より高い温度で長時間の
反応を行うと、触媒であるイオン交換樹脂が分解するこ
ともある。
しくは60〜110℃である。反応温度が40℃より低
いとフェノール相が固化することがあり、また、反応温
度が150℃より高いと気相反応となり、反応系の制御
が困難になる。また、150℃より高い温度で長時間の
反応を行うと、触媒であるイオン交換樹脂が分解するこ
ともある。
【0025】反応系中には水が存在しないのが好ましい
が、許容することのできる水分含有量は、通常1%以下
であり、好ましくは0.2%以下である。
が、許容することのできる水分含有量は、通常1%以下
であり、好ましくは0.2%以下である。
【0026】3−メチルプロピオン酸とアセトンとのモ
ル比は通常、3−メチルプロピオン酸:アセトンが0.
1:100〜20:100であり、好ましくは1:10
0〜10:100である。
ル比は通常、3−メチルプロピオン酸:アセトンが0.
1:100〜20:100であり、好ましくは1:10
0〜10:100である。
【0027】本発明の方法によると、触媒の劣化を抑制
してビスフェノールが好適に製造される。
してビスフェノールが好適に製造される。
【0028】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示し、本
発明についてさらに具体的に説明する。
発明についてさらに具体的に説明する。
【0029】(実施例1)予めフェノールで膨潤させた
イオン交換樹脂{スルホン化スチレン・ジビニルベンゼ
ンコポリマー、三菱化成(株)製、商品名;ダイヤイオ
ンSK−104H}を充填した固定床(1.3cmφ×
64cm)に、常圧下に75℃で、フェノール4.68
モル/時間とアセトン0.468モル/時間とアセトン
に溶解した3−メチルプロピオン酸0.023モル/時
間とを混合して通油し、連続反応を行なった。
イオン交換樹脂{スルホン化スチレン・ジビニルベンゼ
ンコポリマー、三菱化成(株)製、商品名;ダイヤイオ
ンSK−104H}を充填した固定床(1.3cmφ×
64cm)に、常圧下に75℃で、フェノール4.68
モル/時間とアセトン0.468モル/時間とアセトン
に溶解した3−メチルプロピオン酸0.023モル/時
間とを混合して通油し、連続反応を行なった。
【0030】反応混合物を経時的に分析し、フェノール
転化率を計算したところ、反応開始時に12.0%であ
ったものが500時間通油後には11.0%になった。
このときの触媒の劣化率は8%(={12.0−11.
0}/12.0×100})であった。
転化率を計算したところ、反応開始時に12.0%であ
ったものが500時間通油後には11.0%になった。
このときの触媒の劣化率は8%(={12.0−11.
0}/12.0×100})であった。
【0031】(実施例2)3−メチルプロピオン酸0.
023モル/時間の代わりに3−メチルプロピオン酸
0.026モル/時間にした外は前記実施例1と同様に
して連続反応を行った。
023モル/時間の代わりに3−メチルプロピオン酸
0.026モル/時間にした外は前記実施例1と同様に
して連続反応を行った。
【0032】前記実施例1と同様にして反応混合物を経
時的に分析し、フェノール転化率を計算したところ、反
応開始時に7.9%であったものが500時間通油後に
は7.0%になった。このときの触媒の劣化率は11%
であった。
時的に分析し、フェノール転化率を計算したところ、反
応開始時に7.9%であったものが500時間通油後に
は7.0%になった。このときの触媒の劣化率は11%
であった。
【0033】(比較例1)実施例1において、助触媒と
して3−メルカプトプロピオン酸に代えてエチルメルカ
プタンを用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
して3−メルカプトプロピオン酸に代えてエチルメルカ
プタンを用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
【0034】反応混合物を経時的に分析し、フェノール
転化率を計算したところ、反応開始時に11.7%であ
ったものが500時間通油後には9.4%になった。こ
のときの触媒の劣化率は20%であった。
転化率を計算したところ、反応開始時に11.7%であ
ったものが500時間通油後には9.4%になった。こ
のときの触媒の劣化率は20%であった。
【0035】(比較例2)実施例1において、助触媒と
して3−メルカプトプロピオン酸に代えてn−ブチルメ
ルカプタンを用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。
して3−メルカプトプロピオン酸に代えてn−ブチルメ
ルカプタンを用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。
【0036】反応混合物を経時的に分析し、フェノール
転化率を計算したところ、反応開始時に11.0%であ
ったものが500時間通油後には9.0%になった。こ
のときの触媒の劣化率は18%であった。
転化率を計算したところ、反応開始時に11.0%であ
ったものが500時間通油後には9.0%になった。こ
のときの触媒の劣化率は18%であった。
【0037】(比較例3)実施例1において、助触媒と
して3−メルカプトプロピオン酸に代えて2−メルカプ
トプロピオン酸を用いた以外は、実施例1と同様に行な
った。
して3−メルカプトプロピオン酸に代えて2−メルカプ
トプロピオン酸を用いた以外は、実施例1と同様に行な
った。
【0038】反応混合物を経時的に分析し、フェノール
転化率を計算したところ、反応開始時に7.0%であっ
たものが500時間通油後には6.0%になった。この
ときの触媒の劣化率は14%であった。
転化率を計算したところ、反応開始時に7.0%であっ
たものが500時間通油後には6.0%になった。この
ときの触媒の劣化率は14%であった。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法によると、助触媒として3
−メルカプトプロピオン酸を用いることにより、触媒活
性が大きく、しかも、触媒寿命が長いので連続運転に適
したフェノールの製造方法を提供することができる。
−メルカプトプロピオン酸を用いることにより、触媒活
性が大きく、しかも、触媒寿命が長いので連続運転に適
したフェノールの製造方法を提供することができる。
【0040】また、本発明には、スルホン酸系陽イオン
交換樹脂が安定であり、長時間の連続反応においても反
応媒質により洗い出されることがない、という優れた利
点もある。
交換樹脂が安定であり、長時間の連続反応においても反
応媒質により洗い出されることがない、という優れた利
点もある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【化2】
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】(実施例2)3−メチルプロピオン酸0.
023モル/時間の代わりに3−メチルプロピオン酸
0.0026モル/時間にした外は前記実施例1と同様
にして連続反応を行った。
023モル/時間の代わりに3−メチルプロピオン酸
0.0026モル/時間にした外は前記実施例1と同様
にして連続反応を行った。
Claims (2)
- 【請求項1】 スルホン酸系陽イオン交換樹脂および3
−メルカプトプロピオン酸の存在下に、ケトン類とフェ
ノ−ル類との脱水縮合反応を行うことを特徴とするビス
フェノ−ル類の製造方法。 - 【請求項2】 前記ケトン類がアセトンである前記請求
項1に記載のビスフェノ−ル類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4096302A JPH05294868A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | ビスフェノール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4096302A JPH05294868A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | ビスフェノール類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05294868A true JPH05294868A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14161241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4096302A Pending JPH05294868A (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | ビスフェノール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05294868A (ja) |
-
1992
- 1992-04-16 JP JP4096302A patent/JPH05294868A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020719 |