JPH05293565A - タレットパンチプレスにおける給油方法および給油装置 - Google Patents

タレットパンチプレスにおける給油方法および給油装置

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JPH05293565A
JPH05293565A JP4122618A JP12261892A JPH05293565A JP H05293565 A JPH05293565 A JP H05293565A JP 4122618 A JP4122618 A JP 4122618A JP 12261892 A JP12261892 A JP 12261892A JP H05293565 A JPH05293565 A JP H05293565A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タレットパンチプレスにおける定置した下刃
部材に対して、嵌咬合すべく上下方向への反復動をする
上刃部材の各摺接部には潤滑油を、また、従来とかくそ
の給油作業が困難とされた上下両切断刃へは切削油と、
それぞれの注油個所に適した異種油の適確なる分別給油
に向けられたものである。 【構成】 タレットパンチプレス(1)における下刃
(7)部材に対して、上下動を繰り返す上刃(3)部材
の各摺接部(イ)(ロ)には、手さし方式その他公知手
段による潤滑油の給油を、また下刃(7)部材を構成す
る筒状ダイ(11)の上方部は、載置された材料(A)
をもって閉塞し、該筒状ダイ(11)の内部に噴霧状切
削油を定期的に給油することにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は工作機械における給油
装置に関し、特にタレットパンチプレスにおける工作
油、特に切削油の給油方法およびその給油装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のタレットパンチプレスにおける給
油装置は、その一例を図3をもって示すように、タレッ
トパンチプレス(1)は回転するタレットのうち上部タ
レット(2)には、下端に金型部を構成する上刃(3)
を設けたパンチボディ(4)を上下方向に摺動可能に抱
持したスリーブ(5)が、同じく上下方向に摺動可能に
装備されている。一方、下部タレット(6)には金型部
を構成する下刃(7)を設けた筒状ダイ(8)が固着さ
れている。上下両タレット(2)(6)間に、より詳し
くは上下両刃(3)(7)間には下刃(7)上に材料を
載置する形態にて材料(A)が配され、前記スリーブ
(5)の、上部タレットに対する降下限度を規制する上
端フランシ(8)とパンチボディ(4)の上端フランジ
(9)間にはスプリング(10)が介装され、このスプ
リング(10)にて押し上げられたパンチボディ(4)
に対しては、パンチボディ(4)の上方に設置されたハ
ンマー(11)の殴打作用による、パンチボディ(4)
の降下動に呼応して、下刃(7)内への上刃(3)の嵌
咬合にて、材料(A)に対して所望の穿孔作業が実施さ
れる。
【0003】以上の構成からなるタレットパンチプレス
(1)あって、スリーブ(5)とパンチボディ(4)お
よび上部タレット(2)とスリーブ(5)との各摺接部
への潤滑油の給油作業は専ら定期的に人手によって実行
され、また、上下一対の切断刃(3)(7)を主体とす
る金型部分への切削油の給油は、その給油が困難である
ため、材料(A)面に切削油を塗布し、金型部の焼付け
防止を図るという極めて消極的なものであった。
【0004】その後、給油作業の効率化を意図して、図
3に示すように加圧エアー源(13)および加圧オイル
源(14)を端部にそれぞれ配した給油パイプ(15)
を前記ハンマー(11)部に接続せしめ、ハンマー(1
1)部には第一給油路(16)を、パンチボディ(4)
部に第二給油路(17)を、さらにスリーブ(5)部に
第三給油路(18)をそれぞれ各給油路を連通状態に穿
設せしめ、第二給油路(17)を介してパンチボディ
(4)とスリーブ(5)の摺接部および金型部の上刃
(3)部に、また第三給油路(18)を介してスリーブ
(5)と上部タレット(2)の摺接部にそれぞれの潤滑
油の給油が実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】人手による定期的給油
はコスト的には出費はないが、給油の失念の危惧は常に
存在し、また給油のための手数も決して無視できない。
これに対し、各種構成部材の摺接部に連通する給油路を
設けての自動的給油は、確かに、給油面での作業能率を
向上せしめ得るも金型部への改造のためにかなりの出費
が必要となり、また自動給油の場合、単一作業油による
金型の刃先部、また各摺接部への給油となるので、作業
目的に合った適確な油の供給、具体的には部材の摺接部
には潤滑油の供給が、切断刃部には切削油の供給という
各種油の性能毎の木目細い給油が困難であった。また油
の粘度が高すぎるとスライド部材の動きを低下せしめる
結果ともなり、作業目的に合致した給油作業には種々の
問題点も残されている。さらに、加圧された作業油の目
的個所への供給は、作業油の一部の周辺への飛散となっ
て現われ、製品,機械器具類の汚損さらに作業現場の環
境を悪化せしめる原因ともなる。また作業油の供給時期
をCAMデーターをもって制御した場合、油の流量,流
出時期の設定が難しく、給油の円滑,適確性などの保守
面で十分満足を得ることができなかった。
【0006】従来のタレットパンチプレスにあっては、
構成部材の各摺接部への給油は手動手段であれ、自動供
給手段であれ、一応比較的容易に実施されているが、こ
の供給油は潤滑油が中心で、金型中、一対の切断刃部分
への給油には幾多の困難を伴うため、前記潤滑油の給油
にて、その場を凌いでいる状態で、切断刃への望まれる
切削油の供給には十分満足する装置は存在せず、前述の
とおり、材料面に切削油を塗布し、材料切断の折、付着
油のごく一部を切断刃部に供給し、その焼付を防止する
というごく消極的なものであった。
【0007】各種工業油はそれぞれの目的に合致したも
のを、その目的個所に十分供給することが、作業能率を
向上せしめ、機械の耐久性を持続せしめ、かつ満足する
製品を得る上からも最も望ましいものであることは十分
理解できるところである。この発明は構成部材中、摺接
部には潤滑油を、また材料の切断個所には十分の切削油
を、作業現場の良好な環境を持続せしめつつ、効果的
に、かつ円滑に供給せしめ得る給油方法および給油装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
めに、この発明に係るタレットパンチプレスにおける給
油方法は、下部タレットに定置した下刃部材に対して、
嵌咬合するように、下刃部材の上方部にて上下動を反復
する上部タレットに支承された上刃部の各摺接部には適
宜の手段により潤滑油が供給される。一方筒状の下刃部
材には下刃上に板状材料を載置することにより閉塞され
た筒状下刃部材内に下方より噴霧状と化した切削油を供
給することを特徴とする。
【0009】また、この発明に係るタレットパンチプレ
スにおける給油装置は、下部タレットには下刃を上端に
設けた筒状ダイからなる下刃部材を固着し、一方上部タ
レットに、前記下刃に嵌咬合する上刃を有し、上下方向
に摺動可能な上刃部材を装備したタレットパンチプレス
において、該上刃部材とこれを支承する支持部材との摺
接部に潤滑油供給手段を配すると共に、前記下刃部材を
構成する筒状ダイに対して、筒状ダイ内部に向け稼動す
る噴霧状切削油供給装置を設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】上部タレット上にて上下方向の摺動を繰り返え
す上刃部材と、この上刃部材を支承する支持部材との摺
接部には、該摺接部に好適たる潤滑油が給油される。一
方、下部タレットに固着された筒状下刃部材の上部には
板状材料を載置し、これにて筒状下刃部材の上面部分は
閉塞される。この閉塞状態を持続しつつ、筒状下刃部材
の下方より同部材内に、この切断刃部に好適たる切削油
が霧状に噴出供給される。この供給された切削油は下刃
部材外部へ飛散することを抑制され、またこの給油作業
は下刃に嵌咬合する上刃が、下刃より離反するまで継続
し、下刃へ嵌咬合した上刃へも十分量の切削油が供給さ
れる。
【0011】
【実施例】つぎにこの発明に係るタレットパンチプレス
における給油方法および給油装置の具体的実施例を図面
を用いて説明する。図1はこの発明を実施したタレット
パンチプレスの縦断面図で、タレットパンチプレスの具
体的構造は、前述の従来の技術の欄中にてその基本構成
を図3を用いて説明したところである。尚、便宜上、こ
の発明装置にあっても、同一部材については図3の構成
説明に用いたと同一符号をもって説明を進めることとす
る。すなわち、タレットパンチプレス(1)を構成する
回転する上部タレット(2)には上下方向に摺動可能に
スリーブ(5)が装備され、このスリーブ(5)は、下
端に金型部を構成する上刃(3)を設けたパンチボディ
(4)をして上下方向に同じく摺動可能に抱持してい
る。
【0012】一方、同じく回転する下部タレット(6)
には金型部を構成する下刃(7)を上面に設けた筒状ダ
イ(11)が固着されている。上部タレットの前記スリ
ーブ(5)の、上部タレットに対する降下限度を規制す
る上端フランジ(8)とパンチボディ(4)の上端フラ
ンジ(9)間にはスプリング(10)が介装され、この
スプリング(10)の押圧力にて押し上げられたパンチ
ボディ(4)に対しては、パンチボディ(4)の上方に
設置されたハンマー(11)の殴打作用による、パンチ
ボディ(4)の降下動に呼応して、下刃(7)に上刃
(3)は嵌咬合する。上下両タレット(2)(6)間
に、より詳しくは上下両刃(3)(7)間には下刃
(7)上に載置する形態にて、板状材料(A)が配さ
れ、これにより筒状ダイ(11)の上面部分は閉塞さ
れ、板状材料(A)上に降下した上刃(3)による下刃
(7)との嵌咬合により、板状材料(A)には所望の穿
孔作業が実行される。
【0013】以上の基本構成からなるタレットパンチプ
レス(1)において、スリーブ(5)とパンチボディ
(4)の摺接部(イ)および上部タレット(2)とスリ
ーブ(5)との摺接部(ロ)へは、該摺接部に好適な潤
滑油が定期的に人手により、あるいは適宜の加圧手段を
もって助勢された装置をもって、従来通り給油が行われ
る。一方、上方部に板状材料(A)を載置することによ
り、上面を閉塞せしめた下刃(7)を有する筒状ダイ
(11)の内部に向け、筒状ダイ(11)の下側より給
油パイプ(21)を臨ませ、該パイプ(21)の分岐外
端部のそれぞれには加圧用エアー源(22)と切削油源
(23)を装備せしめている。
【0014】上面を閉塞状態にある筒状ダイ(11)内
に、切削油内にエアーを圧混合することにより噴霧状と
なって噴出した切削油は、筒状ダイの先端部に形成した
下刃(7)に付着する。この状況下にて、上刃(3)が
材料(A)上に降下し、材料(A)の所望個所には穿孔
が形成され、下刃(7)内に上刃(3)が降下嵌咬合状
態を保っている間、噴霧状の切削油は依然として供給さ
れ、上刃(3)面にも十分の切削油が付着し、上刃
(3)の下刃(7)よりの離反と同時に給油作業は停止
する(図2参照)。以上のとおり、切断刃に対して最も
望ましい切削油の給油は所定の上下両刃の嵌咬合タイミ
ングを保って定期的に実施される。この切削油の切断刃
部分への適確な給油により、従来とかく、その加工が困
難とされたアルミ製の板厚3mmのO材に対しても有効
な穿孔作業が可能となった。しかもこの給油作業は上部
を閉塞状態にある筒状ダイ内に噴出されるので、油の外
部周辺への漏出を抑止される。
【0015】
【発明の効果】上下方向の摺動を繰り返えす上刃部材
と、この上刃部材を支承する支持部材の摺接部への給
油、しかも該摺接部に望ましい潤滑油の十分の給油は比
較的容易に従来より実施されている。これに対し、その
給油の困難な下刃部材への、しかも該切断刃部にとって
望ましい切削油の十分の給油をこの発明にあっては、潤
滑油の給油ルートとは全く別個のルート、即ち、下刃部
材を構成する筒状ダイの内部に噴霧状化した切削油を供
給することにより、タレットパンチプレスの各摺接部お
よび切断刃部分それぞれに性能の異る異種油を十分に供
給することができる。
【0016】また、下刃部材の切削油の供給は、材料穿
孔前には板状材料をもって筒状ダイの上面を閉塞し、穿
孔後は下刃内に嵌咬合状態にある上刃への十分の給油と
共に、この折にても上刃の存在により、依然筒状ダイの
上面は閉塞状態にあり、これにて切削油の漏出を抑止す
ることにより切削油の周辺部への飛散を効果的に阻止で
き、結果的に製品,機具類への汚損を回避でき、さらに
工場内の作業環境を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るタレットパンチプレスの縦断面
図である。
【図2】材料への穿孔作業直後におけるこの発明に係る
タレットパンチプレスの縦断面図である。
【図3】従来のタレットパンチプレスの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 タレットパンチプレス 2 上部タレット 3 上刃 4 パンチボディ 5 スリーブ 6 下部タレット 7 下刃 11 筒状ダイ 12 ハンマー 21 給油パイプ 22 加圧用エアー源 23 切削油源 (イ) 摺接部 (ロ) 摺接部 (A) 板状材料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定置した下刃部に対し嵌咬合すべく、そ
    の上方部にて上下動を繰り返えす上刃部を支承する支持
    部材との摺接部に潤滑油を給油し、一方下刃部に対して
    は、下刃上に材料を載置することにより閉塞された筒状
    下刃部材内に下方より切削油を噴霧状にて供給すること
    を特徴とするタレットパンチプレスにおける給油方法。
  2. 【請求項2】 前記切削油の噴霧状の供給作業は、上下
    両刃の嵌咬合状態の解放時まで継続している請求項1の
    タレットパンチプレスにおける給油方法。
  3. 【請求項3】 下部タレットに、下刃を上端に設けた筒
    状ダイからなる下刃部材を固着し、また上部タレット
    に、前記下刃に嵌咬合する上刃を有し、上下方向に摺動
    可能な上刃部材を装備したタレットパンチプレスにおい
    て、該上刃部材を支承する支持部材との摺接部には潤滑
    油供給手段を配すると共に、前記下刃部材を構成する筒
    状ダイに対しては、筒状ダイ内部に向けられる噴霧状切
    削油供給装置を設けたことを特徴とするタレットパンチ
    プレスにおける給油装置。
JP4122618A 1992-04-15 1992-04-15 タレットパンチプレスにおける給油方法および給油装置 Expired - Fee Related JPH0716728B2 (ja)

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