JPH05292719A - 直流リラクタンスモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、直流リラクタンスモータに関し、
特に、回転子における回転子コイルを不要とすることに
より高速時の滑らかな回転を得ることを特徴とする。 【構成】 本発明による直流リラクタンスモータは、固
定電磁石(1)の各磁極(1a,1b)間に回転軸(6)を介して回
転自在に設けられた非円形回転子(4)と、この回転軸(6)
に設けられた整流子(7,8)に接触する複数のブラシ(9,9
a,10,10a)とを備え、回転子(4)は固定電磁石(1)の吸引
力のみで回転し、回転子コイルを有しない構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、直流リラクタンスモー
タに関し、特に、回転子における回転子コイルを不要と
することにより高速時の滑らかな回転を得るための新規
な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、用いられていたこの種の直流リラ
クタンスモータとしては、一般に、図２に示す構成を挙
げることができる。すなわち、図２において符号１で示
されるものは全体形状がほぼＣ字形をなす固定電磁石で
あり、この固定電磁石１には励磁用のコイル２が設けら
れていると共に、互いに離間した状態でＮ極及びＳ極か
らなる一対の磁極１ａ，１ｂが形成されている。

【０００３】前記各磁極１ａ，１ｂ間には、回転子コイ
ル５を有する矩形状の非円形回転子４が回転軸６を介し
て回転自在に設けられ、この非円形回転子４に設けられ
た回転子コイル５の両端はこの回転軸６に設けられた一
対の整流子７，８に接続されている。

【０００４】前記各整流子７，８には、一対のブラシ
９，１０が摺接するように設けられており、この一方の
ブラシ１０と前記コイル２の一端２ｂ間には電池等から
なる直流電源１１が接続されている。

【０００５】従って、前述の構成において、直流電源１
１から各ブラシ９，１０と各整流子７，８を経由して各
コイル２，７に電流を供給すると、互いの斥力によって
回転子４が回転する。すなわち、回転子４が１８０度回
転すると、整流子７，８の作用で回転子４の磁極の極性
が逆転し、再びごく近くの磁極１ａ，１ｂより斥力を受
けて回転子４の回転を続けることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の直流リラクタン
スモータは、以上のように構成されているため、次のよ
うな課題が存在していた。すなわち、前述の従来構成で
は、回転子も回転子コイルを有する電磁石で構成されて
いたため、回転子コイルの重量配分に高精度を要するた
め、巻線工程の管理が難しく、滑らかな回転を得ること
が極めて困難であった。

【０００７】本発明は以上のような課題を解決するため
になされたもので、特に、回転子における回転子コイル
を不要とすることにより高速時の滑らかな回転を得るよ
うにした直流リラクタンスモータを提供することを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による直流リラク
タンスモータは、固定電磁石の各磁極に対し回転軸を介
して回転自在に設けられた非円形回転子と、前記回転軸
に設けられた複数の整流子と、前記各整流子に接触する
複数のブラシと、前記各ブラシを介して前記固定磁石の
コイルに接続された直流電源とを備えた構成である。

【０００９】

【作用】本発明による直流リラクタンスモータにおいて
は、固定電磁石と回転子との吸引力のみで回転子が回転
するため、回転子の回転子コイルは不要となり、回転子
の重量分配精度が容易に向上し、滑らかな高速回転を得
ることができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面と共に本発明による直流リラクタ
ンスモータの好適な実施例について詳細に説明する。な
お、従来例と同一又は同等部分については同一符号を用
いて説明する。図１は本発明による直流リラクタンスモ
ータを示す構成図である。

【００１１】図１において符号１で示されるものは全体
形状がほぼＣ字形をなす固定電磁石であり、この固定電
磁石１には励磁用のコイル２が設けられていると共に、
互いに離間した状態でＮ極及びＳ極からなる一対の磁極
１ａ，１ｂが形成されている。

【００１２】前記各磁極１ａ，１ｂ間には、従来の回転
子コイル５を全く備えていない電磁軟鋼製の矩形状より
なる非円形回転子４が回転軸６を介して回転自在に設け
られ、この回転軸６には、一対の整流子７，８からなる
電流分配機Ａが設けられている。

【００１３】前記各整流子７，８には、軸方向に延びる
金属片７ａ，８ｂが一体に延設されており、各整流子
７，８は前記回転軸６上で角度間隔１８０度として配設
されていると共に、前記各電極１ａ，１ｂと非円形回転
子４の距離が最短となった位相状態で固定電磁石１への
電流を切り、回転子４の慣性によって回転できるように
構成されている。

【００１４】前記第１整流子７には、一対のブラシ９，
９ａが摺接自在に設けられ、第２整流子８には一対のブ
ラシ１０，１０ａが摺接自在に設けられていると共に、
前記ブラシ９ａ，１０ａは前記各整流子７，８の各金属
片７ａ，８ａに摺接できるように配設されている。従っ
て、固定電磁石１の各磁極１ａ，１ｂと非円形回転子４
との間の距離が最短となった位相で固定電磁石１への通
電が切れるように各整流子７，８の形状が形成されてい
る。

【００１５】従って、前述の構成において、まず、固定
電磁石１のコイル２に連通すると、回転子４は固定電磁
石５の磁気ポテンシャル極小の角度（各磁極１ａ，１ｂ
と非円形回転子４との間の距離が最短となった位相状
態）までトルクを受け、この状態でコイル２への通電が
切れると、非円形回転子４は慣性により回転する。

【００１６】従って、この回転子４が回転角度に応じて
整流子７，８を介してコイル２への電流を点滅すること
により、固定電磁石１の各磁極１ａ，１ｂの吸引力のみ
によって一定方向のトルクを与えることができる。

【００１７】なお、前述の実施例においては、回転子４
の形状が矩形、固定電磁石１が２極の場合について述べ
たが、回転子４は矩形に限ることなく、十字形等とし、
固定電磁石１の磁極の数を多くすることにより、より円
滑な回転を得ることができるものである。

【００１８】

【発明の効果】本発明による直流リラクタンスモータ
は、以上のように構成されているため、次のような効果
を得ることができる。すなわち、回転子のコイルを不要
としたことにより、コイルに要した金属量を節約できる
のみならず、回転子の重量分配精度が容易に向上し、高
速時に滑らかな回転を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による直流リラクタンスモータを示す構
成図である。

【図２】従来の直流リラクタンスモータを示す構成図で
ある。

【符号の説明】

１ 固定電磁石 1a,1b 磁極 ４ 回転子 ６ 回転軸 7,8 整流子 9,9a,10,10a ブラシ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定電磁石(1)の各磁極(1a,1b)に対し回
   転軸(6)を介して回転自在に設けられた非円形回転子(4)
   と、前記回転軸(6)に設けられた複数の整流子(7,8)と、
   前記各整流子(7,8)に接触する複数のブラシ(9,9a,10,10
   a)と、前記各ブラシ(9,9a,10,10a)を介して前記固定磁
   石(1)のコイル(2)に接続された直流電源(11)とを備え、
   前記非円形回転子(4)は前記固定電磁石(1)の吸引力のみ
   で回転し、回転子コイルを有しない構成よりなることを
   特徴とする直流リラクタンスモータ。