JPH05290989A - 蛍光灯の自動段調光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広告及び装飾灯用の蛍光灯に於て、照度を自
動的に反復段調光し、小型で軽量且つ安価に製作できる
自動段調光装置を提供するものである。 【構成】 漏れ変圧器（８）の一次側（Ｌ１）コイルに
限流チョークコイル（７）を直列接続し、この限流チョ
ークコイル（７）と並列に電子スイッチング素子「トラ
イアック」（６）を接続し、交流電源（ＡＣ）投入時よ
り設定時間以内は初期状態設定回路（１）に依りトライ
アック（６）がオン状態を保持し、設定時間以後は発振
回路（２）によってトライアック（６）を反復してオ
ン、オフ制御するようにした蛍光灯の自動段調光装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、蛍光灯の照度を自動
的に且つ反復段調光して変化に富んだものにし、広告及
び装飾灯用として利用するものである。

【０００２】

【従来の技術】ラピッドスタート形始動方式を用いての
点滅制御装置や位相制御に依る３原色調光装置等製品化
されたが、コストや蛍光管の寿命の問題などで現在ほと
んど使用されていない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、蛍光灯が
定格点灯した後は、安定点灯範囲内であれば電流を増減
させ照度制御しても蛍光管の寿命にはさほど影響しない
ことに着目して、小形で軽量且つ安価に製作できる広告
及び装飾灯用としての自動段調光装置を提供するもので
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、漏れ変圧器
（８）とスターター（１０）を用いた蛍光灯（９）の点
灯装置に於て、漏れ変圧器（８）の一次側のコイル（Ｌ
１）に限流チョークコイル（７）を直列接続し、この限
流チョークコイルと並列に電子スイッチング素子「トラ
イアック」（６）が接続されている。初期状態設定回路
（１）と発振回路（２）の各出力はＯＲゲート（３）の
入力に接続し、ＯＲゲート（３）の出力はドライバー
（４）の入力に接続されている。ドライバー（４）の出
力は点弧回路（５）の入力に接続されている。点弧回路
（５）はトライアック（６）を制御するように接続され
ている。上記の初期状態設定回路（１）は、交流電源投
入時より設定時間の間だけトライアック（６）がオン状
態を保持するように回路構成されている。

【０００５】

【作用】交流電源投入初期には、初期状態設定回路
（１）に依りトライアック（６）をオン状態に保持し
て、漏れ変圧器（８）から限流チョークコイル（７）を
切り離した状態にして、蛍光灯（９）は定格点灯をす
る。初期状態設定回路（１）に於て設定した時間を過ぎ
ると、発振回路（２）に依りトライアック（６）を反復
してオン、オフの制御を行う。トライアック（６）がオ
フの状態の時は、漏れ変圧器（８）のコイルに限流チョ
ークコイル（７）が直列に接続されるので管電流が減少
し蛍光灯（９）は減光点灯をする。故に蛍光灯（９）は
交流電源投入に依り定格点灯した後は定格点灯と減光点
灯の切り替えを自動的に且つ反復して行う。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例を図１に就いて説明する。漏
れ変圧器（８）を安定器として用いたもので、漏れ変圧
器（８）の一次側のコイル（Ｌ１）の一方は、トライア
ック「スイッチング素子」（６）と限流チョークコイル
（７）を並列接続した回路を介して交流電源（ＡＣ）
に、他方は直接交流電源（ＡＣ）にそれぞれ接続されて
いる。漏れ変圧器（８）の二次側のコイル（Ｌ１，Ｌ
２）、蛍光灯（９）のフィラメント、スターター（１
０）はループ状に接続されている。初期状態設定回路
（１）は交流電源（ＡＣ）の投入時より設定した時間の
間出力電圧が「Ｈ」レベルに固定され、設定した時間を
過ぎると以後は出力電圧が「Ｌ」レベルに固定されるよ
うに回路構成されている。この初期状態設定回路（１）
に於ける設定時間は、交流電源（ＡＣ）の投入後、漏れ
変圧器（８）とスターター（１０）に依って蛍光灯
（９）を点灯させるのに充分であることが必要である。
発振回路（２）は方形波を出力するように回路構成され
ている。ＯＲゲート（３）の入力は初期状態設定回路
（１）と発振回路（２）の出力にそれぞれ接続し、出力
はドライバー（４）を介して点弧回路（５）に接続され
ている。点弧回路（５）はトライアック（６）を点弧さ
せる回路で、既存のものを用いる。初期状態設定回路
（１），発振回路（２），ＯＲゲート（３），ドライバ
ー（４），点弧回路（５）等の直流電源は、交流電源
（ＡＣ）より得られるよう回路構成されている。本発明
は以上のように回路構成されているから、交流電源（Ａ
Ｃ）が投入されると、初期状態設定回路（１）の出力は
「Ｈ」レベルになるので、ＯＲゲート（３）、ドライバ
ー（４）、点弧回路（５）を介してトライアック（６）
をオン状態に保持し、漏れ変圧器（８）とスターター
（１０）に依る定格の点灯回路で蛍光灯（９）を点灯さ
せる。初期状態設定回路（１）に於て、設定時間を過ぎ
ると出力電圧は「Ｈ」レベルから「Ｌ」レベルに反転し
固定されるので、ＯＲゲート（３）の出力は発振回路
（２）の出力と同一になり、ドライバー（４）、点弧回
路（５）を介してトライアック（６）を反復してオン、
オフ制御する。トライアック（６）がオン状態の時は、
限流チョークコイル（７）が切り離された状態であるか
ら蛍光灯（９）は定格状態で点灯する。トライアック
（６）がオフ状態の時は、限流チョークコイル（７）が
漏れ変圧器（８）の一次側のコイル（Ｌ１）に直列接続
されるので、一次側のコイル（Ｌ１）に流れる励磁電流
が減少して二次コイル（Ｌ２）の誘起電圧を減圧し管電
流を減少させ、蛍光灯（９）は減光状態になる。この限
流チョークコイル（７）のインピーダンスは、定格の点
灯回路で蛍光灯（９）を点灯した状態から減光状態に移
った時に立ち消えの起こらない範囲にしなければならな
い。図２は図１に於ける各部の波形を示したものであ
る。（Ａ）は初期状態設定回路（１）の出力電圧波形
で、時間ｔＳは交流電源（ＡＣ）投入時ｔ０依り設定し
た時間で、この間出力電圧は「Ｈ」レベルに固定され、
設定時間ｔＳ以後は「Ｌ」レベルに固定される。（Ｂ）
は発振回路（２）の出力波形である。（Ｃ）は初期状態
設定回路（１）と発振回路（２）の出力を合成したＯＲ
ゲート（３）の出力波形である。（Ｄ）はトライアック
（６）のオン、オフに依って制御された蛍光灯（９）の
照度状態を示したもので、実線で示す高い部分は蛍光灯
（９）が漏れ変圧器（８）のみの定格状態で点灯した場
合で、低い部分は限流チョークコイル（７）が接続され
た減光状態で点灯した照度状態である。一点鎖線は電源
オフ時のもので、本発明の照度の変化状態を理解し安く
するために描いたものである。実施例では限流チョーク
コイル（７）を、漏れ変圧器（８）の一次側のコイルに
直列接続したものを説明したが、二次側のコイルに直列
接続しても良い。併し一次側に接続した方が、電圧が低
いのでトライアックの選定に当たって優位であること
と、コイルが小形になるので実用的と言える。

【０００７】

【発明の効果】本発明は、上述のごとく回路構成されて
いるから次のような効果を有する。 （１）蛍光灯の段調光を自動的に且つ反復して行うの
で、従来にない斬新で変化に富んだ広告及び装飾灯とし
て実用的である。 （２）点灯後は作動中であってもスターター回路を必要
としないので、蛍光灯のフィラメントに電流が流れない
からフィラメントの劣化を軽減できる。 （３）作動中完全消灯することがなくほぼ半分位の明る
さが残るので、目に対する刺激がソフトであるから、人
目に近い所での使用ができ、社名や店名及び宣伝文字が
読み易い。 （４）回路構成が簡単であるから、小形軽量化が可能で
安価に製作できる等数多くの効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の回路図。

【図２】 図１で示した回路図内の波形図と蛍光灯の照
度状態を表した図。

【符号の説明】

ＡＣ・・交流電源、１・・初期状態設定回路、２・・発
振回路、３・・ＯＲゲート、４・・ドライバー、５・・
点弧回路、６・・トライアック、７・・限流チョークコ
イル、８・・漏れ変圧器、９・・蛍光灯、１０・・スタ
ーター

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 漏れ変圧器を用いた蛍光灯の点灯装置に
   於て、漏れ変圧器の一次側又は二次側のコイルに限流チ
   ョークコイルを直列接続し、この限流チョークコイルと
   並列に電子スイッチング素子（サイリスタ）を接続し、
   交流電源投入時より設定時間以内は初期状態設定回路に
   依りスイッチング素子がオン状態を保持し、設定時間以
   後は発振回路によってスイッチング素子を反復してオ
   ン、オフ制御するようにした手段を設けたことを特徴と
   する蛍光灯の自動段調光装置。