JPH052885B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、スターリングエンジン等に用いられ
る加熱装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、ガスを燃料とする加熱装置は、拡散燃焼
方式と予混合燃焼方式に大別できるが、拡散燃焼
方式において、その下流域に熱交換器を設ける構
成のものは、第１図に示すように、燃料であるガ
スをガス供給パイプ１、ガス制御弁２、ガスノズ
ル３を通過させ燃焼室４に送り、一方、燃焼用空
気を、空気供給パイプ５、空気噴出器６を経て燃
焼室４に送り、両者を燃焼室４で混合及び燃焼さ
せ、その燃焼ガスを下流側に設けられたフイン７
を設けた熱交換パイプ８を通過させることによ
り、熱交換を行なつていた。

ところがこのような形式では、熱交換パイプ８
を通過した燃焼ガスの排熱は回収されることなく
捨てられるため熱効率も低く、また、燃焼部に関
してもガスと空気の混合特性が悪いため、燃焼が
不均一となり、燃焼安定性も悪く、温度分布に
も、むらがあつた。特に、拡散燃焼方式において
は、予混合燃焼方式のように燃焼反応が速くない
ため、拡散律則となり、混合特性の悪さは、
TDR及び高負荷燃焼性能の低下をも意味する。
さらに、燃焼時の火炎は、細長くなりやすく、熱
交換器を均一に加熱しにくく、熱交換器の位置を
下げようとすると火炎が付着してしまい、排ガス
特性が、劣悪になるという欠点を有していた。故
に、燃焼温度を高めようとして、空気比を下げる
と火炎長が、著しく増大するので、高効率化の点
でも問題となつていた。

発明の目的 本発明は、従来の問題点に鑑み、高負荷燃焼特
性を有し、かつ、高効率化を達成する加熱装置を
提供するものである。

発明の構成 本発明は、円周方向に燃料用ガスを旋回させな
がら噴出させる複数のガス噴出孔を有するガスデ
イストリビユータと、そのガス噴出孔から噴出す
るガスに対し、燃焼用空気を直交及び対向噴出さ
せるような複数の空気孔を有する空気噴出器とで
燃焼室を形成し、下流側の燃焼室径を上流側の燃
焼室径に比して大きい多段構成とし、さらに燃焼
室の下流に熱交換器を設け、この熱交換器の下流
に多孔性固体を設置する構成とした加熱装置であ
り、排熱を燃焼用空気の予熱に利用するように多
孔性固体の下流に熱交換器を設けたもの、及びガ
スデイストリビユータと空気噴出器の少なくとも
一方を、セラミツク等の断熱性材料で形成したも
のも対象とする。

実施例の説明 以下、図面を用いて具体的説明を行なう。

第２図は、本発明の一実施例を示す構成図であ
る。第２図において、ガス系統はガス供給パイプ
９、ガス制御弁１０、ガスデイストリビユータ１
１、ガス噴出孔１２から成り、空気系統は空気供
給通路１３、空気流入孔１４、空気噴出器１５、
空気孔１６から形成されており、ガスデイストリ
ビユータ１１と空気噴出器１５で燃焼室１７を構
成する。燃焼室１７の下流側には、着火のための
点火プラグ１８が取り付けられており、熱交換器
としてスターリングエンジンの加熱器１９が設け
られ、これに再生器２０、冷却器２１、デイスプ
レーサ２２が備えられている。そして、加熱器１
９を取り囲むようにして、多孔性固体２３が設置
されており、その下流には、排気通路２４と、排
熱回収用熱交換器２５が設けられ、燃焼用空気を
予熱するようになつている。また、燃焼室１７の
下流壁、及び排気通路２４と空気供給通路１３の
外壁には、各々放熱を防ぐために断熱材２６が装
着されている。

燃料用ガスは、ガス供給パイプ９、ガス制御弁
１０を通り、ガスデイストリビユータ１１に設け
られたガス噴出孔１２から、水平方向に旋回しな
がら燃焼室１７に流入し、これに対し燃焼用空気
は空気供給通路１３、空気流入孔１４を通り、空
気噴出器１５に設けられた空気孔１６から、燃焼
室１７に流れこむ。この際、燃焼用空気は空気孔
１６から、鉛直及び水平方向に噴出し、燃料用ガ
スに対し直交及び対向噴出する形態となり、混合
を効果的に促進する。特に、燃焼室１７の上流域
は燃焼空間も小さいため、ガスと空気の衝突速度
も大きく、しかも、うずを発生し、拡散の均一化
を達成するようになる。そして、始動時のみ、点
火プラグ１８により着火され燃焼するが、ここで
空気孔１６から鉛直方向に噴出する空気流は、火
炎の安定化に貢献するものであり、TDRの拡張
にも関連を持つ。燃焼ガスは、その後、スターリ
ングエンジンの加熱器１９に熱を与え、多孔性固
体２３を通過することにより、多孔性固体２３を
加熱し輻射による効果が加えられ、加熱器１９を
より有効に、しかも、均一に加熱する。元来、気
体よりも固体による輻射効果の方が優れているた
め、燃焼空間内に多孔性固体２３を設置する効果
は大きい。多孔性固体２３としては、排ガス特性
を悪化させない程度の空隙率があれば良く、材質
としてはステンレスやセラミツクが好ましい。そ
して、多孔性固体２３を通過した後、燃焼ガス
は、排熱回収用熱交換器２５を通り、排気通路２
４から、排出されるが、その際、排熱回収用熱交
換器２５により、空気供給通路１３を通過する燃
焼用空気に熱を与え、排気損失を低減している。
一方、均一に加熱器１９に熱を与えられたスター
リングエンジンは、デイスプレーサ２２の動きと
ともに良好な作動を行なう。

本実施例の加熱装置は既述したように混合特性
が優れているだけでなく、段差状の燃焼室１７で
ほぼ燃焼を完了し、短炎化を達成できるため、加
熱器１９の位置を下げることが可能となり高効率
化にも貢献でき、また、高負荷燃焼特性の向上に
もつながる。さらに、燃焼用空気を予熱すると、
燃焼室１７内の温度も上昇するので、耐熱性の優
れたセラミツクを、ガスデイストリビユータ１１
と空気噴出器１５の少なくとも一方に適用すれば
長寿命化を図ることができる。

発明の効果 以上、説明したように、本発明の加熱装置によ
れば、高負荷燃焼特性を達成できるだけでなく、
多孔性固体の輻射による効果が加えられ、より高
効率、かつ、均一に加熱することが可能となる。
従つて、スターリングエンジンの加熱器としても
小型化を図れるし、局部過熱の恐れもないため、
作動流体の封入圧力を高め、高効率化を実現でき
る。また、広いTDRを示すため、スターリング
エンジンの運転変化に対しても十分に対応できる
特性を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の加熱装置を示す構成図、第２図
は本発明の加熱装置の一実施例を示す構成図であ
る。 １１……ガスデイストリビユータ、１５……空
気噴出器、１７……燃焼室、２２……デイスプレ
ーサ、２３……多孔性固体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円周方向に燃料用ガスを旋回させながら噴出
   させる複数のガス噴出孔を有するガスデイストリ
   ビユータと、前記ガス噴出孔から噴出するガスに
   対し、燃焼用空気を直交及び対向噴出させるよう
   な複数の空気孔を有する空気噴出器とで、燃焼室
   を形成し、前記燃焼室は多段構成とし、下流側の
   前記燃焼室径を上流側の前記燃焼室径に比して大
   きくし、さらに、前記燃焼室の下流に熱交換器を
   設け、前記熱交換器の下流に多孔性固体を設置し
   たことを特徴とする加熱装置。 ２ 多孔性固体の下流に、熱交換器をさらに設
   け、燃焼用空気の予熱に利用することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の加熱装置。 ３ ガスデイストリビユータと、空気噴出器の少
   なくとも一方を、セラミツク等の断熱性材料で形
   成したことを特徴とする特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載の加熱装置。