JPH052870U - ねじの締付け具 - Google Patents

ねじの締付け具

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JPH052870U
JPH052870U JP5056591U JP5056591U JPH052870U JP H052870 U JPH052870 U JP H052870U JP 5056591 U JP5056591 U JP 5056591U JP 5056591 U JP5056591 U JP 5056591U JP H052870 U JPH052870 U JP H052870U
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板橋幸雄
北原修二
柳下光弘
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イワブチ株式会社
イワブチメカニクス株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ねじを等速、増減速締付け及び弛緩するための
締付け具。 【構成】ハンドルを固定した締付具主体に、順次ギアケ
ーシングと工具軸を回転可能に配設し、工具軸は締付け
体に嵌脱するビットを先端に設け、ギアケーシングはハ
ンドルの回転を工具軸に等速で伝達する等速機構と、増
速して伝達する遊星歯車増速機構と、減速して伝達する
減速機構を内設し、締付具主体はハンドルの締付け弛緩
回転方向を転換すると共に、前記各機構を選択する切換
機構を設けたねじの締付け具。 【効果】切換機構の操作により、締付け弛緩回転方向の
転換のみならず、ビットを変速回転することができるの
で、あらゆる締付け弛緩作業に対処し得る締付け具であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はボルト、ビス等のねじの締付け、弛緩に用いる締付け具に関するもの である。
【0002】
【従来の技術】
従来技術は、実開昭57−18961号公報に記載されたごとく、ハンドルの 中心軸に固設した太陽歯車と、これに噛合う遊星歯車を軸着したドライバー本体 と、遊星歯車に噛合う内歯車を設けた把持筒体から構成され、該把持筒体を手で 握ってハンドルを回転することにより、前記各歯車からなる遊星歯車機構により 、ドライバー本体を減速回転させてねじを締付ける減速ドライバーと、実開昭6 2−29265号公報に記載の前記と逆の構成からなるねじ締結具がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記実開昭57−18961号公報記載の従来技術は、締付けが固い場合の弛 緩作業や、精密調整を必要とするねじ締め作業時に頭部のプラス溝が破損するの を防ぐための減速締付けに限り、実開昭62−29265号公報記載の技術は、 締付け、あるいは弛緩作業時間の効率化を目的とした増速締付けに限るもので、 前者の場合は通常の締付、弛緩作業には無駄な時間が掛かり、また、後者のよう な場合は、締付けが進むにつれて、ハンドルにより大きな負荷がかかることとな るため、確実な締付ができず、また、固い締付の場合の弛緩作業にも適しないも ので、両技術とも長所が短所となるばかりでなく、通常の締付け作業では、他の 締付け具を用いることとなる。
【0004】 本考案は前記従来技術における諸問題に対処し得る締付け具を提供するもので ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するためのねじの締付具は、ハンドルを固定した締付具主体に 、順次ハンドルの回転中心を軸心に回転するギアケーシングと工具軸を直列に配 設し、工具軸は先端に被締付け体に嵌脱するビット等を設け、基端はギアケーシ ング内に位置する従動歯車を固設し、前記ギアケーシングはハンドルの回転を連 結軸を介して等速で従動歯車に伝達する等速機構と、遊星歯車及び内歯、太陽歯 車を介して増速で従動歯車に伝達する遊星歯車増速機構と、太陽歯車及び減速歯 車を介して減速で従動歯車に伝達する減速機構を内設し、前記締付具主体は、前 記各機構の回転軸に軸支した各ラチェット歯車に係離するラチェット爪を配設し 、しかも該各ラチェット爪を係離操作してハンドルの締付け、弛緩回転方向を転 換すると共に前記各機構を選択する切換機構を設けたものである。
【0006】
【作用】
切換機構により各ラチェット歯車に係離するラチェット爪を係離操作して、締 付け弛緩回転方向を転換すると共に、作業目的に応じ等速、増速、減速の各機構 のうち、所望の機構を選択し、工具軸のビットを被締付け体に嵌めてハンドルを 回転し締付け弛緩作業を行なう。
【0007】
【考案の効果】
切換機構の操作により、締付け弛緩回転方向を転換するのみならず、変速回転 をも選択し得る締付け具なので、あらゆる作業に対処でき作業性に富むものであ る。
【0008】
【実施例】
本考案に係るねじの締付け具の実施例を図1乃至図10により説明する。 図中符号Aは締付け具で、上部にハンドル1を嵌合固定した締付具主体2に、 順次ハンドル1の回転中心を軸心に回転するギアケーシング3と工具軸4を直列 に配設し、工具軸4はギアケーシング3内に位置する従動歯車5にビットホルダ ー6を固設してその先端には被締付け体の溝などに嵌脱するビットBを装着し、 ギアケーシング3はハンドル1の締付け回転を工具軸4を固設した従動歯車5に 伝達する等速機構Cと、同減速機構Dと、同遊星歯車増速機構Eを内設し、締付 具主体2に、前記各機構C乃至Eを選択する切換機構Fを配設したものである。
【0009】 前記等速機構Cは、締付具主体2の中心穴7にベアリング8を介して等速ラチ ェット歯車9の軸杆9′を挿入すると共に、ハンドル1の回転中心に従設した連 結軸10を連設し、連結軸10の他方端を工具軸4の従動歯車5に固定する。
【0010】 前記減速機構Dは、筒状軸11の中空部11′に連結軸10を回転可能に嵌挿 して、上端に前記等速ラチェット歯車9の下位に配設した減速ラチェット歯車1 2を固定し、下方外周に太陽歯車13を周設してギアケーシング3内に収容する と共に、ギアケーシング3の中程に固定した支持板14とギアケーシング3の底 部3′に亙り軸杆14′,14′を縦設して一対の段状減速歯車15を軸支し、 該段状減速歯車15の大径歯車部16は太陽歯車13と噛合し、小径歯車部17 は工具軸4の従動歯車5と噛合する。
【0011】 前記遊星歯車増速機構Eは、下端に支承板18を設けた軸筒19の中空部19 ′に前記筒状軸11を嵌挿し、該軸筒19の上端外周に前記減速ラチェット歯車 12の下位に位置する増速ラチェット歯車20を周設し、支承板18はギアケー シング3内に回転可能に嵌装し、軸杆18′,18′を縦設して前記太陽歯車1 3に噛合する複数の遊星歯車21,21を軸支し、各遊星歯車21,21はギア ケーシング3の内壁に周設した内歯22に噛合するもので前記等速ラチェット歯 車9、減速ラチェット歯車12、増速ラチェット歯車20は締付具主体2の凹部 2′内に重なった状態で縦設する。
【0012】 前記切換機構Fは、締付具主体2の凹部2′を塞ぐラチェットカバー23に案 内孔23′を設け操作板24の表面に突設したレバー24′を摺嵌して縁辺に該 レバー24′の移動による操作位置を表示する選択表示25を記し、選択表示2 5は図1のごとく、中心より左方を締付け側26、右方を弛緩側26′としてハ ンドル1の回転方向を示し、各締付け26、弛緩側26′にそれぞれ増速27, 27′、減速28,28′の操作位置を表示する。 更に締付具主体2の凹部2′に重ねた状態で並設した前記各ラチェット歯車9 ,12,20の両側締付具主体2に各々段差面29,29を設け、段差面29は 丘状部29′と谷状部29″及びその境界である段部30からなり、前記選択表 示25の増速27,27′、減速28,28′に基づき各ラチェット歯車9,1 2,20にそれぞれが係離するラチェット爪31,32,33を、前記段部30 を支点に揺動するよう左右各一対宛配設すると共に、各ラチェット爪31,32 ,33を操作板24の背面に止着した板バネ34の押圧点34′で段差面29方 向に押圧する。 前記等速ラチェット歯車9及び増速ラチェット歯車20に係離するラチェット 爪31,33の各段差面29は丘状部29′を短かく、谷状部29″を長く形成 し(図7、図9)、減速ラチェット歯車12に係離するラチェット爪32の段差 面29は、丘状部29′を長く、谷状部29″を短かくすることにより(図8、 図10)、ラチェット爪31,33とラチェット爪32の揺動支点である前記段 部30を互いにずらして形成する。 該実施例では工具軸4がビットBを着脱可能としたビットホルダーからなるい わゆるドイラバータイプであるがボックスタイプでも可能である。
【0013】 該実施例は上述の構成からなるもので、ボルト、ビス等の被締付け体を速く締 付ける場合は、締付具主体2に配設した切換機構Fにおいて、操作板24のレバ ー24′が選択表示25の締付け26側の増速27を指示するよう移動操作する ことにともない、操作板24に止着した板バネ34の押圧点34′,34′が移 行して、増速ラチェット歯車20に係離する一対のラチェット爪33,33の段 差面29,29のうち、増速ラチェット歯車20を締付け方向に回転するラチェ ット爪33側の押圧点34′が段差面29における丘状部29′に位置した状態 でラチェット爪33を押圧するので、該ラチェット爪33が平行姿勢となり増速 ラチェット歯車20に係合し、一方の段差面29においては谷状部29″上に位 置した状態で他方のラチェット爪33を押すので該ラチェット爪33は傾斜姿勢 となり増速ラチェット歯車20から離脱すると共に、等速ラチェット歯車9に係 離するラチェット爪31,31の段差面29,29も前記と同様に形成してあり 、しかも減速ラチェット歯車12に係離するラチェット爪32,32も、段差面 29,29において押圧点34′,34′が一方は丘状部29′を他方は谷状部 29″に位置するため前記と同様の係合状態を呈する(図7、図8)。 しかして、前記レバー24′の移動操作後、ビットBを被締付け体に嵌め、ギ アケーシング3を握持して固定状態とし、ハンドル1を締付け方向に回転すると 、増速ラチェット歯車20はラチェット爪33に押されながらハンドル1と共に 回転し、軸筒19の支承板18に軸支した遊星歯車21,21とギアケーシング 3の把持による停止状態の内歯22及び太陽歯車13からなる遊星歯車増速機構 Eにより該太陽歯車13が増速回転し、段状減速歯車15の大径歯車部16、小 径歯車部17を介して従動歯車5に至り、ビットホルダー6、ビットBすなわち 工具軸4が締付け方向に増速回転する。 この際ラチェット爪31が係合している等速ラチェット歯車9は従動歯車5の 回転により連結軸10を介して回転し、ラチェット爪32が係合している減速ラ チェット歯車12も太陽歯車の回転にともない回転することとなるが、該ラチェ ット歯車9,12が係合状態の各ラチェット爪31,32を離脱方向に押し離し つつ増速回転することとなるので前記増速締付け回転に関与しない。
【0014】 被締付け体を減速して締付ける場合は、レバー24′が締付け側26の減速2 8を指示するよう移動操作することにより、板バネ34の押圧点34′,34′ は増速ラチェット歯車20に係離する一対のラチェット爪33,33の段差面2 9,29において、双方とも谷状部29″上に位置した状態でラチェット爪33 ,33を押圧して傾斜姿勢にすることにより増速ラチェット歯車20から離脱す ると共に、等速ラチェット歯車9に係離するラチェット爪31,31も同様の離 脱状態を呈し(図9)、減速ラチェット歯車12に係離する一対のラチェット爪 32,32の段差面29,29においては、前記のごとく丘状部29′を長く形 成してあるため該減速ラチェット歯車12を締付け方向に回転するラチェット爪 32側の押圧点34′が丘状部29′上に位置した状態で該ラチェット爪32を 押圧して平行姿勢となるため減速ラチェット歯車12に係合し、一方の段差面2 9においては谷状部29″上に位置してラチェット爪32を押圧するので傾斜姿 勢となり減速ラチェット歯車12から離脱する(図10)。 しかしてレバー24′の前記移動操作後、ギアケーシング3を把持した状態で ハンドル1を締付け方向に回転すると、減速ラチェット歯車12がラチェット爪 32に押されながらハンドル1と共に回転し、筒状軸11に周設した太陽歯車1 3より段状減速歯車15の大径歯車部16、小径歯車部17からなる減速機構D を介して従動歯車5に至り、ビットホルダー6、ビットBすなわち工具軸4が締 付け方向に減速回転する。 この際等速度ラチェット歯車9も従動歯車5の回転により連結軸10を介して 回転し、増速ラチェット歯車20も太陽歯車13の回転により遊星歯車21,2 1を介して回転するが、これに係離する各一対のラチェット爪31,32の双方 とも離脱状態であるため前記減速締付け回転に関与しない。
【0015】 被締付け体を等速で締付ける場合、すなわちハンドル1と工具軸4を同回転角 で締付け回転する場合には、前記被締付け体を速く締付ける場合と同様の操作を 行ない(図7、図8)、ギアケーシング3を把持しない状態でハンドル1を締付 け方向に回転するもので、等速ラチェット歯車9はラチェット爪31に押されな がらハンドル1と共に締付け方向に回転し、連結軸10、従動歯車5、工具軸4 からなる等速機構Cにより等速締付け回転を行なう。 この際増速ラチェット歯車20及び減速ラチェット歯車12も係合状態の各ラ チェット爪32,33により押されて回転するが、ギアケーシング3を把持しな い状態でハンドル1を回転するので、遊星歯車増速機構E及び減速機構Dは歯車 伝達が行なわれないこととなるので、前記等速締付け回転に関与しない。
【0016】 被締付け体を弛緩方向に等速、減速もしくは増速回転する場合は、操作板24 のレバー24′が弛緩側26′において前記と同様に増速27′若しくは減速2 8′を指示するよう移動操作した後弛緩回転を行なうものである。
【0017】 該実施例に示す締付け具によれば、操作板のレバーを選択表示にあわせて移動 操作することにより、締付け弛緩回転方向の転換のみならず、工具軸すなわちビ ットを変速回転することができるので、ねじの締付けがかたい場合、締付け初期 のゆるい場合や通常の締付け等あらゆる締付け弛緩作業に対処し得るので、作業 性に富むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るねじの締付け具の一実施例を示す
正面図。
【図2】図1の中央縦断面図。
【図3】図2のS−S断面図。
【図4】図2のX−X断面図。
【図5】切換機構の正面図。
【図6】板バネの斜視図。
【図7】増速締付け回転における図5のY−Y断面図。
【図8】増速締付け回転における図5のZ−Z断面図。
【図9】減速締付け回転における図5のY−Y断面図。
【図10】減速締付け回転における図5のZ−Z断面
図。
【符号の説明】
1 ハンドル 2 締付具主体 3 ギアケーシング 4 工具軸 5 従動歯車 9 等速ラチェット歯車 10 連結軸 12 減速ラチェット歯車 13 太陽歯車 20 増速ラチェット歯車 21 遊星歯車 22 内歯 31,32,33 ラチェット爪 A 締付け具 B ビット C 等速機構 D 減速機構 E 遊星歯車増速機構 F 切換機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 柳下光弘 東京都港区虎ノ門1丁目2番20号イワブチ 株式会社内

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 ハンドルを固定した締付具主体に、順次
    ハンドルの回転中心を軸心に回転するギアケーシングと
    工具軸を直列に配設し、工具軸は先端に被締付け体に嵌
    脱するビット等を設け、基端はギアケーシング内に位置
    する従動歯車を固設し、前記ギアケーシングはハンドル
    の回転を連結軸を介して等速で従動歯車に伝達する等速
    機構と、遊星歯車及び内歯、太陽歯車を介して増速で従
    動歯車に伝達する遊星歯車増速機構と、太陽歯車及び減
    速歯車を介して減速で従動歯車に伝達する減速機構を内
    設し、前記締付具主体は、前記各機構の回転軸に軸支し
    た各ラチェット歯車に係離するラチェット爪を配設し、
    しかも該各ラチェット爪を係離操作してハンドルの締付
    け、弛緩回転方向を転換すると共に前記各機構を選択す
    る切換機構を設けたねじの締付け具。
JP1991050565U 1991-07-01 1991-07-01 ねじの締付け具 Expired - Lifetime JPH0748371Y2 (ja)

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