JPH05286588A - 印刷版枚葉装置 - Google Patents

印刷版枚葉装置

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JPH05286588A
JPH05286588A JP9310692A JP9310692A JPH05286588A JP H05286588 A JPH05286588 A JP H05286588A JP 9310692 A JP9310692 A JP 9310692A JP 9310692 A JP9310692 A JP 9310692A JP H05286588 A JPH05286588 A JP H05286588A
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suction
plate
suction cup
photosensitive lithographic
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Koichi Okutsu
浩一 奥津
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層された感光性平版印刷版を最上層から1
枚づつ確実に分離させて持ち上げる。 【構成】 枚葉装置102の支持フレーム110には、
積層された印刷版20の長手方向の中間部に接触する吸
盤112と印刷版の端部を吸着する吸盤140が設けら
れている。吸盤140は、吸盤112より吸着面積が狭
くされ、エアーシリンダ134によって吸盤112に対
して上方へ相対移動される。吸盤140の外方のエアー
シリンダ142は、駆動軸142Aが吸盤140の下方
へ突出可能とされている。吸盤112と吸盤140とで
印刷版を吸着したのち、吸盤140を上方へ移動させる
と共に、駆動軸142Aの先端で印刷版の周縁部を押圧
することにより、印刷版の端部が湾曲されて次の印刷版
との間に隙間が生じて、吸盤112、140によって吸
着した印刷版のみが分離される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層された感光性平版
印刷版を吸着して最上層から取り出す印刷版枚葉装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】新聞用オフセット輪転機に使用される感
光性平版印刷版(以下「印刷版」という)には、アルミ
ニウム板等の導電性の支持体に有機光半導体が塗布され
光導電性感光層が形成されたOPC(Organic Photocon
ductor)感材と呼ばれるものを用いた直接製版記録シス
テムがある。このような直接製版記録システムでは、露
光の際支持体を帯電させるため、露光後金属等の導電性
部材と接触すると、露光によって形成された静電画像が
乱れるため取扱に注意しなければならない。
【0003】一般に、印刷版は多数枚が載置台に積層さ
れて保管、あるいは運搬されるようになっている。印刷
版を露光装置に供給する場合、この露光装置に隣接して
設けられた給版装置に載置台ごと装填する。載置台に積
層された印刷版は、最上層から順に1枚づつ取り出さ
れ、露光装置へ供給されて画像が記録される。
【0004】載置台に積層された印刷版を取り出す場
合、最上層の印刷版を吸盤によって吸着する枚葉装置が
ある。しかし、単に吸盤によって最上層の印刷版を吸着
して持ち上げただけでは、最上層の印刷版に次の印刷版
が密着した状態となっていることがあり、このため、一
度に複数枚の印刷版を載置台から持ち上げてしまう。特
にOPC感材は、積層した場合、互いに密着してしまい
吸盤によって1枚づつ正確に分離して持ち上げるのは困
難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮してなされたものであり、載置台から最上層の感光性
平版印刷版を1枚づつ確実に分離させて持ち上げること
ができる印刷版枚葉装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の請求項1に係る印刷版枚葉装置は、積層され
た感光性平版印刷版の最上層を少なくとも1つの吸盤で
吸着する第1の吸着手段と、前記第1の吸着手段の吸着
位置よりも前記感光性平版印刷版の周縁部側を吸盤で吸
着する第2の吸着手段とを備え、前記第1の吸着手段と
前記第2の吸着手段が共に前記感光性平版印刷版を吸着
した状態で前記第2の吸着手段を持ち上げて感光性平版
印刷版の周縁部を捲り上げたのちに、前記第1の吸着手
段の吸盤を前記第2の吸着手段の吸盤の高さに略等しい
高さまで持ち上げて前記感光性平版印刷版を持ち上げる
印刷版枚葉装置であって、前記第2の吸着手段の吸盤の
吸着面積を前記第1の吸着手段の吸盤の吸着面積よりも
狭めたことを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2に係る印刷版枚葉装置
は、積層された感光性平版印刷版の最上層を少なくとも
1つの吸盤で吸着する第1の吸着手段と、前記第1の吸
着手段の吸着位置よりも前記感光性平版印刷版の周縁部
側を吸盤で吸着する第2の吸着手段とを備え、前記第1
の吸着手段と前記第2の吸着手段が共に前記感光性平版
印刷版を吸着した状態で前記第2の吸着手段を持ち上げ
て感光性平版印刷版の周縁部を捲り上げたのちに、前記
第1の吸着手段の吸盤を前記第2の吸着手段の吸盤の高
さに略等しい高さまで持ち上げて前記感光性平版印刷版
を持ち上げる印刷版枚葉装置であって、前記第2の吸着
手段へ供給する負圧を前記第1の吸着手段へ供給する負
圧より抑えたことを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3に係る印刷版枚葉装置
は、積層された感光性平版印刷版の最上層を少なくとも
1つの吸盤で吸着する第1の吸着手段と、前記第1の吸
着手段の吸着位置よりも前記感光性平版印刷版の周縁部
側を吸盤で吸着する第2の吸着手段とを備え、前記第1
の吸着手段と前記第2の吸着手段が共に前記感光性平版
印刷版を吸着した状態で前記第2の吸着手段を持ち上げ
て感光性平版印刷版の周縁部を捲り上げたのちに、前記
第1の吸着手段の吸盤を前記第2の吸着手段の吸盤の高
さに略等しい高さまで持ち上げて前記感光性平版印刷版
を持ち上げる印刷版枚葉装置であって、前記第2の吸着
手段の吸盤の吸着部が前記第1の吸着手段の吸盤の吸着
部より柔軟性を有することを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4に係る印刷版枚葉装置
は、請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項の印
刷版枚葉装置であって、前記第2の吸着手段の吸着位置
よりもさらに前記感光性平版印刷版の周縁側を下方へ押
し下げる押圧手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成の本発明の請求項1に記載の印刷版枚
葉装置は、積層された感光性平版印刷版の最上層を第1
の吸着手段の吸盤と第2の吸着手段の吸盤とによって吸
着して持ち上げる。また、第1の吸着手段によって感光
性平版印刷版を持ち上げる前に第2の吸着手段によって
感光性平版印刷版の周縁部を持ち上げて、感光性平版印
刷版の周縁部を捲り上げる。この後、第1の吸着手段に
よって吸着している部分を持ち上げる。
【0011】第2の吸着手段の吸盤は、吸着面積が狭め
られている。このため、感光性平版印刷版の周縁部を第
2の吸着手段の吸盤によって捲り上げるとき、第2の吸
着手段の吸盤の近傍では、最上層の感光性平版印刷版が
曲率半径を小さくなって湾曲する。次の感光性平版印刷
版がその剛性のために、最上層の感光性平版印刷版の湾
曲に追従することができず、最上層の感光性平版印刷版
と次の感光性平板印刷版との間に隙間が生じ、この隙間
から最上層の感光性平版印刷版と次の感光性平版印刷版
との間に空気が侵入して密着状態が解除され、第1の吸
着手段によって持ち上げたとき、最上層の感光性平版印
刷版と次の感光性平版印刷版が分離され、最上層の感光
性平版印刷版のみを確実に持ち上げることができる。
【0012】また、第2の吸着手段の吸盤の吸着面積を
狭くすることによって、最上層の感光性平版印刷版の3
次的な変形を与え難くし、最上層の感光性平版印刷版の
3次変形による次の感光性平版印刷版が最上層の感光性
平版印刷版と共に変形して密着する現象を防止すること
ができる。
【0013】本発明の請求項2に記載の印刷版枚葉装置
は、第2の吸着手段の吸着力が第1の吸着手段の吸盤の
吸着力より弱められている。第2の吸着手段の吸盤の吸
着力が弱まっているため、第2の吸着手段が吸着してい
る感光性平版印刷版の周縁部を捲り上げるとき、第2の
吸着手段の吸盤が吸着している感光性平版印刷版の周縁
部の湾曲を阻むことがない。
【0014】第2の吸着手段の吸着力を弱くしている時
間としては、最上層の感光性平版印刷版と次の感光性平
版印刷版とを分離する間だけでよく、其以外の場合は、
同じ吸着力となるようにしてもよい。第2の吸着手段へ
供給する負圧は、真空ポンプ、エジェクタ等によって個
々に発生させて供給してもよく、また、同一の負圧供給
装置から、第2の吸着手段へ減圧弁等を介して圧力を変
えて供給するようにしてもよい。
【0015】本発明の請求項3に記載の印刷版枚葉装置
は、第2の吸着手段の吸盤が第1の吸着手段の吸盤より
柔軟性を有している。第2の吸着手段によって感光性平
版印刷版の周縁部を捲り上げるとき、第2の吸着手段の
吸盤が柔軟となっているため、第2の吸着手段の吸盤と
第1の吸着手段の吸盤との間の湾曲を阻むことがなく特
に第2の吸着手段の吸盤近傍が滑らかに湾曲する。これ
によって、第2の吸着手段の吸盤の近傍で感光性平版印
刷版を小さな曲率半径で湾曲させることができる。
【0016】第2の吸着手段の吸盤の吸着部の柔軟性を
得るためには、吸盤、特に周縁部を柔らかい材質のもの
で形成することもでき、また、吸盤の吸着部の肉厚を薄
くすることもできる。
【0017】本発明の請求項4に記載の印刷版枚葉装置
には、第2の吸着手段の吸盤より感光性平版印刷版の周
縁側に押圧手段を備えている。この押圧手段は、第2の
吸着手段の吸盤によって感光性平版印刷版の周縁部を捲
り上げたとき、第2の吸着手段の吸盤より周縁側の感光
性平版印刷版を下方へ押し下げる。これによって、感光
性平版印刷版の周縁部近傍では、第2の吸着手段の吸盤
から中央部側が第1の吸着手段の吸盤によって下方に向
けられ、第2の吸着手段の吸盤より周縁側が押圧手段に
よって下方へ向けられた略山形に湾曲される。
【0018】これによって、感光性平版印刷版の周縁部
が小さい曲率で湾曲されることになり、最上層の感光性
平版印刷版から次の感光性平版印刷版を確実に分離する
ことができる。
【0019】なお、最上層の感光性平版印刷版と次の感
光性平版印刷版の間に生じた隙間から最上層の感光性平
版印刷版と次の感光性平版印刷版との間に空気を強制的
に送り込んでもよい。空気を強制的に送り込むことによ
り最上層の感光性平版印刷版と次の感光性平版印刷版と
の分離時間を短縮することができる。
【0020】また、本発明では、初期段階で感光性平版
印刷版の周縁部を第2の吸着手段の吸盤によって捲り上
げると共に押圧手段によって湾曲させているが、これに
限らず、最上層の感光性平版印刷版を持ち上げるとき、
第1及び第2の吸着手段の吸盤によって吸着して所定の
位置まで持ち上げて、この後、第2の吸着手段の吸盤を
移動させる。これによって、第1の吸着手段の吸盤、第
2の吸着手段の吸盤及び押圧手段との間で感光性平版印
刷版に所定の湾曲を与えて、最上層の感光性平版印刷版
と次の感光性平版印刷版とを分離させることもできる。
【0021】
【実施例】図面を参照して、本実施例に係るダイレクト
刷版作成装置10について説明する。本実施例に用いら
れる印刷版20は、矩形状のOPCダイレクト印刷版で
あり、導電性支持体として厚さ約0.3mmのアルミニウ
ム板と、このアルミニウム板の一方の面を感光面とする
ための陽極酸化層と、陽極酸化層の表面をコーティング
する厚さ数ミクロンのOPCアルカリ可溶性のポリマー
を主成分とするOPC層とで形成されている。この印刷
版20の寸法、すなわち、導電性支持体の寸法は、新聞
印刷用の印刷版として398mm×1120mm(新聞紙2
頁分サイズ)があり、398mm×560mm(新聞紙1頁
分サイズ)のものがある。なお、印刷版20の寸法は、
これら以外のものであってもよい。
【0022】また、以下に説明する各図中の矢印A方向
は印刷版20の幅方向に対応し、矢印B方向は印刷版2
0の長手方向に対応しており、本実施例に係るダイレク
ト刷版作成装置10では、印刷版20が順次隣接する処
理部へ搬送される場合、印刷版20の長手方向あるいは
幅方向に沿って平行移動されて搬送される。
【0023】図1乃至図4に示されるように、ダイレク
ト刷版作成装置10は、印刷版20へ所定の露光を与え
る描画部18を備えており、この描画部18に隣接して
描画部18へ印刷版20を供給する給版部12と描画部
18から露光済の印刷版20が排出される排版部14と
で構成される給排版部16を備えている。また、図1及
び図2に示されるように、給排版部16の下流側には、
露光済の印刷版20にトナーを付着させて、印刷版20
に形成された静電潜像を顕像化する現像処理部24と印
刷版20に付着したトナーをランプ等によって加熱硬化
させて定着させる定着処理部26とを備えた現像定着部
22、トナー画像が定着された印刷版20の非画像領域
(トナーの付着していない領域)のOPC層を溶出し、
ガム液を塗布して版面保護を行う溶出部28が配置され
ている。
【0024】図1に示されるように、溶出部28の下流
側には、溶出処理された印刷版20を乾燥処理する乾燥
部30が配置されており、印刷版20は現像定着部22
から乾燥部30の間を長手方向(矢印B方向)に沿って
搬送される。
【0025】乾燥部30の下流側には、乾燥処理された
印刷版20が排出される待機部32が配置されている。
この待機部32では、乾燥部30からの印刷版20を一
端停止させて、下流側のパンチ部34及び版曲げ部34
へ向けて送り出すための搬送路に対して仮位置決めを行
うと共に、印刷版20の搬送方向を矢印A方向へ変えて
いる。パンチ部34では、印刷版20を輪転機の版胴へ
巻き掛ける際の位置決め用とされるパンチ孔を穿設し、
版曲げ部36では、印刷版20を輪転機へ巻き掛ける際
に版胴へ引っ掛けるための版曲げを行うようになってい
る。版曲げ部36から送り出された印刷版20は、図示
しないストッカー等にストックされた後、印刷工程へ運
ばれる。
【0026】以下に本発明が適用されている給排版部1
6及び描画部18について図面を参照して詳細に説明す
る。
【0027】図2乃至図4に示されるように、給排版部
16は、ケーシング16Aによって外方と遮光され、さ
らに内部が隔壁17A、17B(図3及び図4に示す)
により遮光されて上下3段に分割され、下段に給版部1
2、中段に排版部14、上段に制御部40が設けられて
いる。この制御部40は、給排版部16内の各制御を行
うと共に、現像定着部22、溶出部28、乾燥部30、
待機部32、パンチ部34、版曲げ部36及び描画部1
8とを電気的に接続している。
【0028】図2に示されるように、給排版部16のケ
ーシング16Aには、上下に分割可能な蓋部42、44
が配設されており、これらの蓋部42、44の内方に
は、シャッター46が配設されている。シャッター46
は、給版部12に設けられた開口48を覆うパネル50
を備え、パネル50の両側には、ガイドレール52が取
り付けられている。また、ガイドレール52の一方に
は、上下方向に沿って配設されたロッドレスシリンダ5
4の駆動ブロック56が連結され、ガイドレール52の
他方には、上下方向に沿って配設されたロッドレスシリ
ンダ58の駆動ブロック58Aに連結されて支持されて
いる。また、開口48の両側上方には、前記ガイドレー
ル52の各々が摺動可能に係合されたスライドレール6
0が取り付けられており、ロッドレスシリンダ54、5
8の駆動によって、パネル50がスライドレール60に
沿って上下方向(図2の紙面上下方向)に移動してシャ
ッター46が開閉される。
【0029】通常、このシャッター46が閉止して給版
部12内部が遮光状態とされており、このシャッター4
6が開かれると、給版部12内に印刷版載置台(以下
「スキッド」と言う)38が出し入れが可能となる。こ
のシャッター46は、蓋部42、44を閉止した状態で
開閉される。
【0030】なお、本実施例に使用されるスキッド38
には、多数枚(例えば約500枚)の印刷版20が各々
の感光面を下側に向けられて積層されており、このスキ
ッド38に積層された印刷版20の幅方向(矢印A方
向)が描画部18へ向くように位置決めされて給版部1
2に装填される。また、本実施例では、新聞紙2頁分の
大きさの大版サイズの印刷版20A、及び新聞紙1頁分
の大きさの小版サイズの印刷版20Bを装填することが
できる(以下、大版サイズと小版サイズを一括して言う
場合に「印刷版」と言う)。小版サイズの印刷版20B
を装填する場合、図4に示されるように、現像部22側
の端部の位置を揃えて装填するようにしている。この印
刷版20A、20Bの位置決めはこれに限定するもので
はない。
【0031】図2に示されるように、給排版部16のケ
ーシング16Aの上部には、パネルスイッチ62が設け
られている。このパネルスイッチ62には、給版部12
に装填されたスキッド38が印刷版20Aであるか印刷
版20Bであるかを設定する印刷版選択スイッチ64及
び、シャッター46を開閉するためのシャッタースイッ
チ66が設けられている。なお、印刷版選択スイッチ6
4の近傍には、図示しない表示灯(例えばLED)によ
って、印刷版20Aに設定されているか又は印刷版20
Bに設定されているかが表示される。
【0032】また、図2及び図3に示されるように、給
版部12には、通常、閉止状態とされたシャッター61
8が描画部18との間に設けられている。給版部12と
描画部18とは、このシャッター618によって互いに
遮光され、また、図示しないエアーシリンダを駆動させ
てシャッター618を開くことにより、給版部12から
描画部18へ印刷版20を供給可能となる。
【0033】描画部18の下流側で、給版部12の上方
に配置された排版部14には、描画部18との間にシャ
ッター636が配置されている。通常、このシャッター
636も閉止されて、描画部18と排版部14とが互い
に遮光状態とされており、エアーシリンダ642の駆動
によってシャッター636を開放することによって、描
画部18と排版部14とが連通され、描画部18から排
版部14へ印刷版20の排出が可能となる。
【0034】図3及び図4に示されるように、給版部1
2内部には、スキッド38上を上下動する枚葉装置10
2、枚葉装置102と描画部18との間に配置され上下
動するリフト台300と、枚葉装置102とリフト台3
00との間を水平移動する反転移動装置104及びリフ
ト台300の上方からシャッター618による開口を通
過して描画部18との間を移動する水平搬送装置106
が備えられ給版装置100が構成されている。
【0035】図5及び図6に示されるように、枚葉装置
102は、スキッド38の上方に印刷版20と平行に配
置された略矩形状の支持フレーム110を備えている。
支持フレーム110には、スキッド38側の面にブロッ
ク144、複数の吸盤112、140が配設されてい
る。図8に示されるように、これらの吸盤112は印刷
版20Aの中央部及び幅方向で反転移動装置104と反
対側の端部に対応されており、吸盤140は、印刷版2
0Aの長手方向の端部に対応されており、図示しない負
圧供給手段から供給される負圧によって接触した印刷版
20を吸着するようになっている。
【0036】図5及び図6に示されるように、吸盤14
0は、支持フレーム110の長手方向の端部に配設され
た捲り部130に配置されている。この捲り部130
は、略矩形上のベースプレート132にエアーシリンダ
134及びスライド軸受138に摺動可能に挿通された
一対のガイドロッド136を備えている。エアーシリン
ダ134及び一対のガイドロッド136は上下方向に沿
って配設され、エアーシリンダ134の駆動軸及びガイ
ドロッド136の先端が支持フレーム110に連結され
ている。エアーシリンダ134は、図示しないエアー供
給手段からエアーが供給されるとベースプレート132
を支持フレーム110に対して上方に平行移動させる。
【0037】また、ベースプレート132には、吸盤1
40の近傍にエアーシリンダ142が配設されている。
エアーシリンダ142の駆動軸142Aは、ベースプレ
ート132を貫通して下方へ向けられており、エアーシ
リンダ142の駆動によって吸盤140の先端より下方
に突出される。
【0038】図7(A)、図7(B)及び図7(C)に
示されるように、吸盤112、140には、印刷版20
に対向する吸着部112A、140Aの吸着面側に多数
の突起112Bが中心部に放射状に形成されている。吸
盤112、140が印刷版20に接触した状態で負圧が
供給されると、これらの突起112Bが印刷版20と接
触して印刷版20と吸着部112A、140Aとの間に
真空状態を形成して印刷版20を吸着するようになって
いる。
【0039】また、図7(B)及び図7(C)に示され
るように、吸盤112の吸着部112Aの肉厚より吸盤
140の吸着部140Aの肉厚が薄くされている。この
ため、吸盤140が印刷版20を吸着する際、吸着部1
40Aが印刷版20に密着状態となり、印刷版20との
真空状態の面積が狭くなっている。これに対して吸盤1
12の吸着部112Aの肉厚が厚いため、突起より外周
部側にも印刷版20との間に真空状態が形成される。す
なわち、吸盤112の吸着面積が吸盤140の吸着面積
より広くされている。
【0040】これらの吸盤112、140が印刷版20
の表面に吸着した状態で、支持フレーム110を上昇さ
せることにより、印刷版20が持ち上げられる。
【0041】図5に示されるように、ブロック144
は、スキッド38の最上層の印刷版20の表面で中央部
近傍に対向されており、吸盤112を最適な状態で印刷
版20に接触させるために支持フレーム110と最上層
の印刷版20との間隔を保持するようになっている。
【0042】また、支持フレーム110の中央部には、
印刷版20の表面に対向されて版検出センサ146が取
り付けられている。この版検出センサ146は、下方へ
向けて複数の電極ピン(図示省略)が突設され、これら
の電極ピンに印刷版20の裏面(感光面と反対側の面)
への接触による電極ピン相互間の通電状態の変化を検出
して印刷版20の有無が検知される。なお、この版検出
センサ146は、スキッド38上の印刷版20が印刷版
20Aであったも接触する位置に配置されている。
【0043】支持フレーム110の矢印B方向の両側に
は、一対のガイドロッド118が各々の上下方向に沿っ
て配設されている。各々のガイドロッド118の上部及
び下部の近傍には、スプロケット122が配設され、チ
ェーン124が巻き掛けられている。また、上部のスプ
ロケット122はシャフト120によって連結され、片
側チェーン124は、ロッドレスシリンダ126の駆動
ブロック126Aと連結されている。したがって、ロッ
ドレスシリンダ126の駆動により、双方のチェーン1
24を同時に移動させるようになっている。
【0044】各々のガイドロッド118には、摺動可能
にブロック128が挿通配置されており、これらのブロ
ック128がチェーン124と連結されている。支持フ
レーム110は、ブロック128上に自重で載置されて
いる。このため、ロッドレスシリンダ126の駆動によ
り、支持フレーム110が平行状態で上下動するように
なっている。
【0045】枚葉装置102は、フレーム108の上端
に移動した位置が待機位置とされ、、この位置では捲り
部130のエアーシリンダ134が駆動軸134Aを収
容状態であり、吸盤140は支持フレーム110に設け
られた吸盤112と略同一高さとなっている。また、エ
アーシリンダ142の駆動軸142Aの先端は吸盤14
0の上方に位置されている。
【0046】図9(A)に示されるように、支持フレー
ム110の吸盤112、140及びブロック144が最
上層の印刷版20に接触して印刷版20を吸着すると、
次に、図9(B)に示されるように、捲り部130のエ
アーシリンダ134が駆動される、印刷版20の端部が
吸盤140によって捲り上げられ、エアーシリンダ14
2の駆動によって吸盤140によって捲り上げられた印
刷版20の端部近傍が下方へ向けて押し下げられる。こ
れによって、吸盤112、140が吸着した最上層の印
刷版20とその下面に密着した印刷版20とが分離され
て隙間が生じる。この隙間から空気が最上層の印刷版2
0と次の印刷版20との間に入り込み、これらの印刷版
20の間の密着状態が解除される。この後、支持フレー
ム110を上昇させることにより、最上層の印刷版20
が吸盤112、140によって持ち上げられる(図9
(C)に示す)。なお、最上層の印刷版20とその下の
印刷版20とを分離させる場合、エアーノズル等によっ
て吸盤140に捲り上げられた端部からエアーを供給し
てもよい。
【0047】印刷版20を吸着保持した支持フレーム1
10は、待機位置へ移動される。この位置が、次工程へ
の受け渡し位置となっている。
【0048】図5及び図10に示されるように、支持フ
レーム110の受け渡し位置には、反転移動装置104
が隣接されている。反転移動装置104には、長手方向
が印刷版20の長手方向(矢印B方向)に沿って配設さ
れた長尺の支持部材208の両端に対で側板部材210
が突設されている。側板部材210の間には、支持シャ
フト212が掛け渡されて回転可能に支持されている。
また、一方の側板部材210には、図示しないエアー供
給手段から供給されるエアーによって駆動され、支持シ
ャフト212を回転(180°回転)させる回転シリン
ダ214が配設されている。
【0049】支持部材208の上方には、枚葉装置10
2側からリフト台300の上方へ向けられてロッドレス
シリンダ206が配設されている。このロッドレスシリ
ンダ206の両側には、一対のガイド200がロッドレ
スシリンダ206と互いに平行に配設されている。支持
部材208は、長手方向の中間部がロッドレスシリンダ
206の駆動ブロック206Aに連結され、側板部材2
10が図示しないスライダーを介してガイド200に摺
動可能に係合されている。このため、ロッドレスシリン
ダ206の駆動によって支持シャフト212が枚葉装置
102側の待機位置からリフト台300の上方の受け渡
し位置へ向けて水平移動される。
【0050】支持シャフト212には、軸方向に沿って
複数の吸盤222が配設されており、これらの吸盤22
2には図示しない負圧供給手段から負圧が供給されるよ
うになっている。
【0051】支持シャフト212の吸盤222は待機位
置で下方に向けられており、前記吸盤122、140に
吸着保持されて上昇された印刷版20の幅方向の一端部
に沿って対向されている(図8に示す)。吸盤222に
は、供給される負圧によって印刷版20の幅方向の一端
部を吸着するようになっており、吸着状態で吸盤12
2、140への負圧の供給が解除されると、印刷版20
が吸盤222に片持ち状態で保持され、支持シャフト2
12の移動によって、リフト台300側の受け渡し位置
へ移動される。この受け渡し位置で、回転シリンダ21
4の駆動によって、印刷版20は、矢印C方向へ180
°回転されて反転し感光面が上方へ向けられる。
【0052】図11に示されるように、制御部40に
は、吸盤112に負圧を供給するエジェクター150、
吸盤140に負圧を供給するエジェクター152、吸盤
222に負圧を供給するエジェクター154が設けられ
ている。また、各々の吸盤の一部には、電磁弁156、
158、160を介して負圧が供給される。電磁弁15
6、158、160を介して負圧が供給される吸盤11
2、140、222が印刷版20Aの一部で、印刷版2
0Bから外れた部分に対応されている。
【0053】これらの電磁弁156、158、160
は、制御部40のコントローラ162に接続されてい
る。このコントローラ162には、前記版サイズ選択ス
イッチ64が接続されている。コントローラ162は、
版サイズ選択スイッチ64によって印刷版20Aが選択
された場合、電磁弁150、152、154を開いて、
各々の吸盤112、140、222に負圧を供給可能な
状態とするようになっている。なお、各々の配管系統に
は図示しない真空スイッチが設けられており、配管の真
空状態によって枚葉装置102、移動反転装置104が
各々印刷版20を吸着しているか否かを検出するように
なっている。このため、印刷版20Bであった場合、印
刷版20Bと接触しない吸盤112、140、222に
は、負圧が供給されず、印刷版20の吸着状態が正確に
検知される。
【0054】図12乃至図14に示されるように、リフ
ト台300は、略長尺矩形状の平板とされ、長手方向
が、印刷版20の長手方向に沿って配設されており、上
面に印刷版20が載置される。図12及び図13に示さ
れるように、リフト台300の長手方向に沿った外方に
は、上下方向に沿って一対のガイドロッド304が配設
されている。ガイドロッド304には、リフト台300
の長手方向の端部に取り付けられたスライド軸受306
が摺動可能に挿通されている。一方のガイドロッド30
4の近傍には、上方及び下方に対でスプロケット31
8、320が回転可能に配設され、チェーン322が巻
き掛けられている。チェーン322の中間部はリフト台
300に連結されており、チェーン322の移動に伴っ
てリフト台300が上下動するようになっている。
【0055】下方のスプロケット318の回転軸308
には、プーリー310が配設されモータ312の駆動に
よって回転するプーリー314との間にタイミングベル
ト316が巻き掛けられ、モータ312の駆動によって
チェーン322が回転移動される。
【0056】リフト台300は、ガイドロッド304の
下端部の待機位置から、反転移動装置104の支持シャ
フト212による印刷版20の反転動作に合わせて上昇
され、反転移動装置104の受け渡し位置に対応した位
置で、反転された印刷版20の裏面(感光面と反対側の
面)へ当接するようになっている。この状態で、支持シ
ャフト212の吸盤222への負圧の供給が解除される
と、印刷版20がリフト台300に載置され、さらに、
リフト台300の上昇に伴ってガイドロッド304の上
部近傍の位置決め位置へ移動される。
【0057】図12及び図14に示されるように、リフ
ト台300の位置決め位置近傍には、プッシャー380
が設けられている。このプッシャー380は、リフト台
300の幅方向に沿った一端に対向して配置されてお
り、リフト台300の長手方向に沿って2個の押圧ロー
ラ352を備えている。各々のローラ352は、エアー
シリンダ350の駆動軸350Aに取り付けられてお
り、各々のエアーシリンダ350の駆動によってリフト
台300の幅方向に沿って移動される。
【0058】図14に示されるように、リフト台300
には、プッシャー380に対応してプッシャー380と
反対側の端部に長手方向に沿って複数個の位置決めロー
ラ332が配設されている。また、リフト台300に
は、長手方向の一端部の略中央に位置決めローラ334
が突設されている。このローラ334には、プッシャー
382、384が対応される。
【0059】プッシャー382は、印刷版20A用とさ
れ、リフト台300の長手方向の他端部に形成された長
円336から突出された押圧ローラ340を備えてい
る。押圧ローラ340は、エアーシリンダ342の駆動
軸342Aに連結されており、エアーシリンダ342の
駆動によって、位置決めローラ334へ向けて印刷版2
0Aを押圧するようになっており、これによって、リフ
ト台300上に印刷版20Aが位置決めされる。
【0060】プッシャー384は、印刷版20B用とさ
れ、リフト台300の略中央部に長手方向に沿って形成
された長孔338から出没可能とされた押圧ローラ34
4を備えている。押圧ローラ344は、エアーシリンダ
346の駆動軸346Aの先端に配置されており、エア
ーシリンダ346は、リフト台300の下面に取り付け
られたエアーシリンダ348の駆動軸348Aの先端に
取り付けられている。押圧ローラ344はエアーシリン
ダ346の駆動によって長孔338から突出(図14の
紙面手前側に突出)され、エアーシリンダ348の駆動
によって長孔338内を位置決めローラ334へ向けて
移動され、印刷版20Bを位置決めローラ334へ当接
させるようになっている。なお、プッシャー382を作
動させるか、プッシャー384を作動させるかは、前記
制御部40のコントローラ162が、版サイズ選択スイ
ッチ64に応じて切り換えるようになっている。
【0061】リフト台300の上方には、水平搬送装置
106が配設されている。この水平搬送装置106に
は、印刷版20の仮位置決めが終了したリフト台300
が、ガイドロッド304の略上端まで移動して対向する
ようになっており、この位置が受け渡し位置とされる。
なお、リフト台300の近傍には、上下方向に沿って近
接センサ386、388、390、392が配置されて
おり、近接センサ386は待機位置にあるリフト台30
0を検出し、近接センサ388は、反転移動装置104
からの印刷版20の受け渡しのタイミングを検出するよ
うになっている。また、近接センサ390、392は各
々のリフト台300の位置決め位置及び水平搬送装置1
06への受け渡し位置を検出するようになっている。
【0062】図13に示されるように、水平搬送装置1
06は、略矩形状に組まれた移動フレーム354とこの
移動フレーム354に設けられた複数対のチャック35
6とによって構成されている。
【0063】チャック356は、エアーシリンダ370
とその駆動軸370Aの先端に取り付けられた爪部37
2、及びエアーシリンダ374とその駆動軸374Aの
先端に取り付けられた規制ピン376とを備えている。
爪部372及び規制ピン376は、移動フレーム354
から印刷版20の幅方向に沿って突出されている。な
お、移動フレーム354は印刷版20の幅方向に沿った
長さが、印刷版20より長くされており、チャック35
6が描画部18側及び略中央部とに組付けられている。
【0064】爪部372は中間部が下方へ向けられ先端
部が印刷版20の幅方向の内方へ向けられており、エア
ーシリンダ370の駆動によって、リフト台300上の
印刷版20の幅方向の端部下側へ挿入される。規制ピン
376は、エアーシリンダ374の駆動によって、印刷
版20の幅方向の端面に外方から接近される。この状態
でリフト台300が待機位置へ下降すると、印刷版20
が爪部372に支持され、リフト台300から取り出さ
れることになる。なお、移動フレーム354に印刷版2
0の表面に対向して、例えば近接センサ(図示省略)を
設け、リフト台300が下降した状態で印刷版20を検
出して、移動フレーム354に印刷版20が受け渡され
たことを確認している。
【0065】また、爪部372をエアーシリンダ370
の駆動によって、印刷版20の幅方向の外方へ移動させ
ると、規制ピン376が印刷版20の幅方向の端部に接
近して印刷版20の移動を抑えて、爪部372を印刷版
20の下側から退避させるようになっており、これによ
って、印刷版20の爪部372による支持が解除され、
印刷版20が所定の位置に落下するようになっている。
【0066】なお、リフト台300の幅方向の端部に
は、移動フレーム354の爪部372、ピン376に対
応する複数の切欠324、326、328、330が形
成されており、リフト台300と爪部372、規制ピン
376とが互いに干渉することなく印刷版20の受け渡
しが行われる。
【0067】移動フレーム354の上方には、印刷版2
0の幅方向に沿って配置されたロッドレスシリンダ36
4が配設されている。このロッドレスシリンダ364の
駆動ブロック364Aは、移動フレーム354の描画部
18と反対側の端部に連結されている。また、ロッドレ
スシリンダ364の両側には、ガイドロッド366が配
設されており、このガイドロッド366に摺動可能に挿
通されたスライド軸受368が、移動フレーム354の
描画部18と反対側の端部に連結されている。
【0068】移動フレーム354は、ロッドレスシリン
ダ364とガイドロッド366とによって支持され、ロ
ッドレスシリンダ364の駆動によって、描画部18側
へ移動される。この際、給版部12と描画部18との間
のシャッター618(図13では図示せず)が開かれ
て、移動フレーム354に支持された印刷版20が描画
部18の内部へ挿入されて描画部18の定盤408上に
位置される。この状態で、チャック356による印刷版
20の保持を解除して、印刷版20を定盤408上の略
所定の位置に載せ換えるようになっている。
【0069】図15には描画部18の概略が示されてい
る。描画部18は、枠台400上に印刷版20が載置さ
れる版台402、印刷版20を帯電する帯電装置404
及び帯電された印刷版20の感光面に静電潜像を形成す
る描画装置406とで構成され、これらが図示しないケ
ーシングによって遮光されて収容されている。
【0070】版台402は矩形平板状でその上面に印刷
版20が載置される定盤408と、この定盤408が固
定支持された移動台410とを備えている。この移動台
410は、枠台400上の一対のレール412によって
案内されて描画装置406方向へ移動可能とされてい
る。
【0071】版台402には、定盤408上に載置され
た印刷版20を定盤408に対して位置決めする位置決
めする位置決め装置及び定盤408上に位置決めされた
印刷版20を吸着保持する吸着装置とが備えられてい
る。位置決め装置は、定盤408上に突出可能に設けら
れた複数のピン414、416とピン414に対応して
設けられたプッシャー418及びピン416に対応して
設けられたプッシャー420とを備えている。
【0072】プッシャー418は、印刷版20の幅方向
の端部をピン414へ向けて押圧して印刷版20の幅方
向の位置決めを行う。また、プッシャー420は、印刷
版20A長手方向の端部をピン416へ向けて押圧して
印刷版20Aの長手方向の位置決めを行うようになって
いる。
【0073】尚、定盤408の略中央部には、印刷版2
0Bであった場合の位置決めを行うための図示しないピ
ンが出没可能に配設されており、このピンを定盤408
上に突出させ、印刷版20の長手方向の端部をピン41
6へ向けて押圧して位置決めを行うようになっている。
【0074】また、定盤408の上面には、図示しない
複数の溝が形成されており、図示しない負圧供給手段に
よって負圧が供給された場合に、定盤408上に位置決
めされた印刷版20を吸着保持するようになっている。
なお、この溝も印刷版20A、20Bとで共用する部分
と、印刷版20Aであった場合に共用する部分から突出
した部分を吸着する溝とに分割して負圧が供給される。
【0075】また、定盤408には、印刷版の幅方向の
端部近傍に達する複数の切欠422が形成されており、
印刷版20を定盤408上から排出する際の、取出装置
450の爪部の挿入用とされている。
【0076】枠台400には、一対のレール412に沿
って版台402を移動させる移動装置424が配設され
ている。この移動装置424は、一端にモータ426の
駆動軸が連結されレール412と平行に枠台400に回
転可能に支持された送りネジ428、送りネジ428に
螺合されて版台402に連結されたナット430とで構
成されている。したがって。モータ426の駆動によっ
て回転された送りネジ428がナット430と共に版台
402を移動させるようになっている。
【0077】定盤408上に位置決めされて保持された
印刷版20は、移動装置424によって帯電装置404
の下方を通過して描画装置406へ送られる。この際、
印刷版20は、帯電装置404からのコロナ放電によっ
てプラスに帯電される。描画装置406の下方に移動さ
れた印刷版20は、描画装置406によって、例えば、
波長が780nmの半導体レーザを画像に応じて露光さ
れ、感光面に静電潜像が形成される。静電潜像が形成さ
れた印刷版20は、移動装置424によって元の位置、
即ち、定盤408上に位置決めされた位置に戻される。
【0078】図16及び図17に示されるように、定盤
408の上方で描画部18の上部には、取出装置450
が配設されている。取出装置450は、略矩形平板状の
移動ベース452の下方にベースプレート454が取り
付けられている。
【0079】移動ベース452の中央部には、エアーシ
リンダ456が取付られており、周縁部には、スライド
軸受460が配設されている。エアーシリンダ456の
駆動軸456A及びスライド軸受460に摺動可能に挿
通されたガイドロッド458の先端は、ベースプレート
454に連結されている。これによって、エアーシリン
ダ456にベースプレート454が支持されると共に、
エアーシリンダ456の駆動によってベースプレート4
54が定盤408の上方の待機位置と、定盤408に接
近した印刷版20の受け取り位置との間を水平状態で上
下移動する。
【0080】ベースプレート454は、略印刷版20A
と同じ大きさとされ、幅方向及び長手方向が印刷版20
のそれらに合わせて配置されている。ベースプレート4
54の幅方向の両端部には、長手方向に沿って複数のチ
ャック462が配設されている。チャック462は、エ
アーシリンダ464を備えており、エアーシリンダ46
4の駆動軸464Aの先端には、略L字上で先端が印刷
版20の幅方向の内方へ向けられた爪部466が配設さ
れている。
【0081】ベースプレート454を受け取り位置と
し、エアーシリンダ464の駆動軸464Aを収容する
と、爪部466の先端が印刷版20の端部下側へ挿入さ
れる。この状態で、ベースプレート454を上昇する
と、爪部466の先端が印刷版20の下面に当接して印
刷版20を支持するようになっている。これによって、
印刷版20が定盤408から持ち上げられる。なお、図
15に示されるように、定盤408には、爪部466に
対応する位置に複数の切欠422が形成されており、印
刷版20を定盤408上から持ち出す際に爪部466と
定盤408とが干渉しないようになっている。
【0082】このベースプレート454には、チャック
462の間に複数の規制ピン468が配設されている。
図18にも示されるように、規制ピン468は、ベース
プレート454の上面に配設された長尺矩形状のブロッ
ク470の先端部に上下動可能に取り付けられており、
先端が下方に向けられると共に、コイルスプリング47
2よって下方へ向けて付勢され、先端が爪部466の下
方へ突出されている。この規制ピン468はコイルスプ
リング472の付勢力に抗して収縮可能とされており、
ベースプレート454の下降によって、定盤408に当
接すると縮むようになっている。これらの規制ピン46
8の印刷版20の幅方向に沿った間隔の長さは、印刷版
20の幅方向に沿った長さと略一致されており、これら
の規制ピン468は、印刷版20の幅方向の両端面に対
向して、印刷版20の幅方向に沿った相対移動を規制す
るようになっている。ブロック470には、長手方向に
沿った長孔480が形成されており、この長孔480に
挿入されたネジ482がベースプレート454に螺合さ
れて固定されており、ネジ482の長孔480内の相対
位置を変えることによって、規制ピン468の突出量、
即ち、印刷版20の幅方向に沿った間隔を変えることが
できるようになっている。
【0083】ベースプレート454には、印刷版20の
長手方向の両端部に対向する位置に長尺矩形状の支持バ
ー484が配設されている。支持バー484は長手方向
が印刷版20の幅方向に沿って配置されており、支持バ
ー484の長手方向に沿った長さが、印刷版20の幅方
向に沿った長さと略同じとされている。
【0084】支持バー484の上方には、ベースプレー
ト454を挟んで、支持ブロック486が配置されてお
り、この支持ブロック486は、ベースプレート454
に螺合されたネジ488によって固定されている。ま
た、支持バー484には、長手方向の中間部にスライド
ピン490の一端がが取り付けられており、スライドピ
ン490の他端部は、ベースプレート454、支持ブロ
ック486を貫通して上方へ突出されており、先端にセ
ットカラー492が取り付けられて、支持バー484が
支持ブロック486に取り付けられている。
【0085】スライドピン490の中間部には、支持ブ
ロック486と支持バー484との間にコイルスプリン
グ494が配置されており、これらのコイルスプリング
494によって、支持バー484が下方へ付勢されてい
る。
【0086】支持バー484の長手方向の両端部の下面
には、略矩形形状の抑え部材496が配設されている。
この抑え部材496は、樹脂等によって形成されてお
り、非導電性とされている。これらの抑え部材496
は、印刷版20の長手方向の両端部でかつ幅方向の両端
部、すなわち、印刷版20の隅に接触するように配置さ
れており、この抑え部材496が接触する位置は、印刷
版20の画像領域を外されている。なお、抑え部材49
6が印刷版20に接触する位置を、版曲げ部36で印刷
版20の版曲げされる領域とすれば、抑え部材の496
の材質として導電性の部材の適用も可能である。
【0087】支持バー484は、爪部466が定盤40
8上の印刷版20の下方に位置した状態で印刷版20の
隅に当接され、コイルスプリング494の付勢力によっ
て印刷版20を押圧するようになっている。この状態で
爪部466を上方へ移動させることによって、印刷版2
0は、幅方向の端部が爪部466に支持され、支持バー
484の抑え部材496と接触している部分がコイルス
プリング494の付勢力によって押圧されるようになっ
ている。
【0088】図16及び図17に示されるように、移動
ベース452の上方には、ロッドレスシリンダ478及
びガイドレール474が配設されている。これらは、印
刷版20の幅方向に沿って定盤408の上方と排版部1
4側のシャッター636近傍の間に掛け渡されている。
移動ベース452は、ブラケット498を介してロッド
レスシリンダ478の駆動ブロック478Aに連結され
ており、長手方向の両端部がガイドレール474に摺動
可能に係合されたスライダー476を介して支持されて
いる。また、ロッドレスシリンダ478の駆動によっ
て、移動ベース452が待機位置からシャッター636
側へ向けて移動される。この際、シャッター636が開
放されることによって、移動ベース452の一部が排版
部14へ挿入され、この挿入された位置が、排版部14
への印刷版20の受け渡し位置とされている。
【0089】図19に示されるように、排版部14に
は、描画部18側に搬送装置500が備えられ、排版部
14の下流側の現像定着部22側に挿入ステージ532
が配設されている。
【0090】搬送装置500は、略矩形状の搬送ステー
ジ502を備えている。この搬送ステージ502の上面
には、長尺で略矩形状の樹脂板504が印刷版20の幅
方向に沿って複数固着されており、これらの樹脂板50
4に掛け渡されるようにして印刷版20が載置される。
なお、樹脂板504の描画部18側の端部は上方に突出
されており、搬送ステージ502の移動による印刷版2
0の脱落防止がなされている。
【0091】搬送ステージ502の印刷版20の長手方
向に沿った一端側には、印刷版20の幅方向に沿ってロ
ッドレスシリンダ506、このロッドレスシリンダ50
6の両側に対で配設されたガイドロッド508とによっ
て構成された駆動部510を備えている。これらのガイ
ドロッド508には、ロッドレスシリンダ506の駆動
ブロック516が摺動可能に挿通されており、この駆動
ブロック516が搬送ステージ502に連結されてい
る。また、搬送ステージ502の駆動部510と反対側
の端部には、印刷版20の長手方向に沿ってガイドレー
ル520が配設されており、ガイドレール520に摺動
可能に係合されたスライダー522が搬送ステージ50
2に連結されている。
【0092】搬送ステージ502は、駆動部510の駆
動ブロック516及びスライダー522を介して支持さ
れており、駆動部510の駆動により、描画部18内に
挿入された受け取り位置、下流側に設けられた挿入ステ
ージ532上の受け渡し位置及びこれらの間の待機位置
とへ移動される。
【0093】搬送ステージ502は、受け取り位置で取
出装置450から落とされた印刷版20を樹脂板504
上に載置するようになっている。また、搬送ステージ5
02は駆動部510の駆動によって挿入ステージ532
上へ移動される。この移動途中の上方には、挿入ステー
ジ532の近傍に移載装置534が設けられている。
【0094】移載装置534は、支持ベース538にエ
アーシリンダ540、ガイドロッド542が設けられ、
支持ベース538の下方にアーム544が配置され、ガ
イドロッド544の一端及びエアーシリンダ540の駆
動軸540Aの先端が取り付けられて支持されている。
アーム544には、搬送ステージ502の樹脂板504
の間に対向する略矩形上の爪548が取り付けられてい
る。
【0095】移載装置534は、エアーシリンダ540
の駆動によって、アーム544を下降させて爪548を
搬送ステージ502の樹脂板504の間に配置する。こ
の状態で、搬送ステージ502を挿入ステージ532上
から待機位置へ移動させることにより、爪548が印刷
版20の幅方向の端部に当接し、印刷版20の移動を阻
止する。これによって、印刷版20は搬送ステージ50
2から掻き出されるようにして挿入ステージ532上に
載せ換えられる。なお、爪548は、少なくとも表面が
非導電性部材(例えば樹脂、セラミックなど)で形成さ
れており、印刷版20の端部と接触しても、印刷版20
に記録されている画像に影響を与えないようにされてい
る。
【0096】図4に示されるように、挿入装置530
は、搬送ステージ502から挿入ステージ532に載せ
換えられた印刷版20を排版部14の下流に配置された
現像定着部22へ送り出すようになっている。
【0097】図20に示されるように、挿入装置530
は、現像定着部22へ向けて傾斜された一対の側板55
0の上方に長尺矩形上の挿入ステージ532が配設され
ている。側板550の間には、中間部にスプロケット5
64が配置されたシャフト552、556が回転可能に
支持されている。スプロケット564には、押圧ブロッ
ク572が取り付けられたチェーン568が巻き掛けら
れている。また、シャフト552の下方には、モータ5
76が配置されており、モータ576の回転軸576A
のスプロケット578とシャフト552の一端に配置さ
れたスプロケット574との間にチェーン580が巻き
掛けられており、モータ576の駆動によって、押圧ブ
ロック572が挿入ステージ532の間を現像定着部2
2方向へ向けて移動するようになっている。
【0098】搬送ステージ532の現像定着部22と反
対側の端部は、軸受554を介してシャフト552に回
動可能に支持され、搬送ステージ532の中間部には、
図示しないエアーシリンダの駆動軸が連結されており、
このエアーシリンダの駆動によって、挿入ステージ53
2がシャフト552を中心に水平状態と現像定着部22
側に傾斜した状態との間を回動される。
【0099】挿入ステージ532は、水平状態で印刷版
20を搬送ステージ502から受け取って載置するよう
になっており、載置した印刷版20を現像定着部22へ
送り込む際に傾斜するようになっている。前記押圧ブロ
ック572は、挿入ステージ532が現像定着部22側
に傾斜した状態で、挿入ステージ532の上面に突出す
るようになっており、この状態で、モータ576の駆動
によって移動する際、印刷版20の現像定着部22と反
対側の端部を押圧するようになっており、これによっ
て、印刷版20が現像定着部22の上流部である現像処
理部24内へ送り込まれる。
【0100】なお、搬送ステージ532の傾斜状態での
挿入ステージ532の延長線上で現像定着部22側に
は、固定ガイド562が設けられている。挿入ステージ
532及び固定ガイド562の水平方向に対する傾斜角
度は、現像定着部22の挿入口近傍の搬送路の傾斜角度
と等しくされている。また、チェーン568には、スプ
ロケット564の間で押圧ブロック572を案内するガ
イド570が備えられている。
【0101】押圧ブロック572は、側板550の間に
設けられた図示しないマイクロスイッチにより検出され
て、モータ576が停止することによって移動が止ま
る。
【0102】一対の側板550の一方の外方には、ブラ
ケット582が設けられている。このブラケット582
には、傾斜状態での挿入ステージ532に沿って複数の
ローラ588が回転可能に支持されている。
【0103】また、一対の側板550の他方の外方に
は、ブラケット582に対向されるブラケット586が
配設されている。ブラケット586にも傾斜状態での挿
入ステージ532に沿ってローラ584が回転可能に支
持されている。また、ブラケット586は、側板550
に設けられたエアーシリンダ590の駆動軸590A及
び一対のガイドロッド592の先端が連結されて支持さ
れている。
【0104】したがって、ブラケット586はエアーシ
リンダ590の駆動によってローラ588を前記ブラケ
ット582に設けられたローラ584へ接近させるよう
に移動し、この移動によって、挿入ステージ502に載
置された印刷版20がローラ584へ当接され、現像定
着部22へ挿入される際の位置決めがなされる。なお、
ローラ588は、印刷版20を完全にローラ584に押
し付ける必要はなく、エアーシリンダ590が動作した
際に、現像定着部22挿入時の印刷版20の曲がり、位
置ずれがゆるされる範囲でローラ584の手前で止めて
もよい。
【0105】なお、これらのローラ584、588の外
周面には、例えばセラミックコーティング等が施され、
印刷版20の幅方向の端部を傷めることなく、印刷版2
0に直接導電性の部材が当接することがない。また、ガ
イドレール570近傍の挿入ステージ532には、マイ
クロスイッチ598が設けられ、挿入ステージ532上
に印刷版20が載った際、挿入ステージ532上の印刷
版20によってオンされる。これは、トラブル等で機械
を停止させた後、再度復帰をかけた時に、その位置に印
刷版20があることを知らせる役目をする。
【0106】次に本実施例の作用を説明する。ダイレク
ト刷版作成装置10の給版部12には、画像記録面が下
方へ向けられてスキッド38に積層された印刷版20が
装填される。印刷版20を装填する際パネルスイッチ6
2によって、版サイズを選択する。これによって、制御
部40のコントローラ162が、新聞紙2頁サイズの印
刷版20Aを処理するか、新聞紙1頁サイズの印刷版2
0Bを処理するかを判断する。
【0107】これによって、枚葉装置102及び反転移
動装置104の吸盤112、140、222への負圧の
供給する部分を決定し、電磁弁156、158、160
を作動させるか否かを決定する。印刷版20Aであった
場合、電磁弁156、158、160を開いてエジェク
ター150、152、154が作動した場合に、全部の
吸盤112、140、222に負圧が供給可能な状態と
なる。また、印刷版20Bであった場合、電磁弁15
0、152、154を閉じて、印刷版20Bの表面に対
向する吸盤112、140、222へのみ負圧が供給可
能な状態となる。
【0108】給版部12では、枚葉装置102によって
最上層から取り出す。枚葉装置102は、ロッドレスシ
リンダ126を駆動して、支持フレーム110を下降さ
せて、吸盤112、140を最上層の印刷版20に接近
させて、吸盤112、140で印刷版20を吸着する
(図9(A)に示す)。この際、印刷版20の版サイズ
に応じて負圧が供給されるため、吸盤112、140が
スキッド38に吸着したりして、枚葉装置102が誤作
動を起こしたり、作動不良を起こすことがない。
【0109】次に、捲り部130によって最上層の印刷
版20と次の印刷版20との密着状態を解除する。エア
ーシリンダ134を駆動して、印刷版20の端部を持ち
上げ、この後、エアーシリンダ142を駆動して、印刷
版20の周縁部を押し下げる。これによって、図9
(B)に示すように、最上層の印刷版20の端部が山形
形状に湾曲される。最上層の印刷版20の次の印刷版2
0は、剛性によってこの湾曲状態に応じて密着状態を維
持することができず、最上層の印刷版20と次の印刷版
20との間に隙間が生じる。この隙間から侵入する空気
が印刷版20の中央部まで広がる。これにより、最上層
の印刷版20と次の印刷版20との密着状態が解除さ
れ、支持フレーム110を上昇させることによって、最
上層の印刷版20のみが持ち上げられる(図9(C)に
示す)。
【0110】捲り部130の吸盤140の吸着面積を狭
めることにより、エアーシリンダ142の駆動軸142
Aの先端で印刷版20の周縁部を押し下げたとき、印刷
版20の曲率半径を小さくして湾曲させることができ
る。
【0111】この最上層の印刷版20を湾曲させる場
合、吸盤140の吸着部140Aの肉厚を薄くして吸着
面積を狭めたが、吸盤140そのものの吸着部140A
を小さくして吸着面積を狭めてもよい。
【0112】また、吸盤140の吸着部140Aを柔ら
かい材質で形成し、印刷版20の湾曲に追従して吸着部
140Aが湾曲するものであってもよい。また、図11
に示されるエジェクタ152が発生する負圧の圧力をエ
ジェクタ150の発生する負圧の圧力より弱くするよう
にしてもよい。吸盤140に供給される負圧が弱くなる
ことにより、吸盤140が印刷版20吸着する吸着力が
弱まり、印刷版20がエアーシリンダ142の駆動によ
って湾曲するとき、吸盤140の吸着力が弱いため、印
刷版20の湾曲を阻むことがない。このようにして、印
刷版20を捲り部130によって曲率半径の小さい湾曲
状態とすることにより、最上層の印刷版20と次の印刷
版20を確実に分離することができる。なお、吸盤14
0の吸着力が弱いものであっても、吸盤112の吸着力
によって印刷版20を確実に吸着することができ、枚葉
装置102によって印刷版20を確実に吸着して持ち上
げることができる。
【0113】吸盤112、140で印刷版20を吸着保
持すると、支持フレーム110を受け渡し位置に移動さ
せる。受け渡し位置では、反転移動装置104の吸盤2
22が、印刷版20の幅方向の一端部を吸着して片持ち
状態で保持して移動し、リフト台300の近傍で印刷版
20を反転させる。これによって、印刷版20は、画像
記録面が上方へ向けられた状態で、リフト台300に載
置される。
【0114】印刷版20を載置したリフト台300は、
位置決め位置へ上昇する。位置決め位置では、印刷版2
0を位置決めローラ332、334へ押圧して当接させ
る。この際、版サイズ選択スイッチ64によって、印刷
版20Aが選択されていた場合、プッシャー380とプ
ッシャー382によって押圧し、プッシャー384の押
圧ローラ344は、長孔338内に収容されている。ま
た、印刷版20Bであった場合、プッシャー380とプ
ッシャー384とによって位置決めを行うことができ
る。
【0115】リフト台300上で印刷版20の位置決め
が終了すると、リフト台300はさらに上昇して、リフ
ト台300が水平搬送装置106に対向する。水平搬送
装置106は、チャック356の爪部372の先端を印
刷版20の端部下方へ挿入して、リフト台300を待機
位置へ下げる。これによって、印刷版20は、水平搬送
装置106へ受け渡される。水平搬送装置106は、印
刷版20を受け取ると、描画部18へ、印刷版20を水
平搬送して、定盤408上に載置する。
【0116】印刷版20Aと印刷版20Bとは、幅方向
の長さが略同じで、長手方向に沿った長さが、印刷版2
0Aが印刷版20Bの略2枚分となっている。これに合
わせて、枚葉装置102及び反転移動装置104の吸盤
112、140、222への負圧の供給を変えればよ
い。また、リフト台300上で印刷版20Bの位置決め
を行うためのプッシャー384を設け、印刷版20Bの
長手方向の位置決めを行えばよい。
【0117】描画部18の定盤408上に載置された印
刷版20は、描画装置406によって帯電露光されて静
電潜像が形成される。この定盤408からは、取出装置
450によって印刷版20を取り出す。取出装置450
は、エアーシリンダ456によってベースプレート45
4を下降させ、チャック462のエアーシリンダ464
によって爪部466を印刷版20の幅方向の端部の下方
へ挿入する。このとき、規制ピン468は、先端が定盤
408に当接状態で印刷版20の幅方向の端面に対向し
ている。また、支持バー484に設けられた抑え部材4
96は、印刷版20の幅方向の端部でかつ長手方向の端
部に当接している。
【0118】この状態から、ベースプレート454を上
昇させると、印刷版20はチャック462の爪部466
の先端に支持された状態で持ち上げられる。支持バー4
84の抑え部材は、印刷版20の幅方向の先端で且つ長
手方向の先端に接触し、コイルスプリング494の付勢
力によって印刷版20を押し下げている。このため、印
刷版20は、爪部466を支点にして中央部が持ち上げ
られた状態となり、チャック462に安定した状態で支
持され、上下胴又は水平移動いよって挙動が不安定とな
ることがない。
【0119】抑え部材496を設けていない場合、チャ
ック462に支持されている印刷版20は、幅方向の端
部に爪部466が接触し、幅方向の先端が持ち上げられ
た状態で、且つ、中央部が下方に垂れ下がった撓んだ状
態となり、ベースプレート454を移動させるとき挙動
が不安定となる。抑え部材496が印刷版20の幅方向
の先端を下方へ押し下げることによって、印刷版20
が、爪部466と抑え部材496とによって挟持された
形となると共に、中央部が持ち上げられて安定した状態
で支持される。
【0120】取出装置450によって定盤408上から
持ち上げられた印刷版20は、排版部14の搬送ステー
ジ502に載置される。搬送ステージ502に印刷版2
0を載置する際、チャック462の爪部466を印刷版
20の幅方向の外方へ移動させて印刷版20の下方から
退避させる。これによって、印刷版20が搬送ステージ
502上に落下する。
【0121】規制ピン468は、印刷版20の幅方向の
両側に配置されることによって、印刷版20の幅方向の
移動を規制しており、爪部466を印刷版20の下方か
ら退避させる際、規制ピン468が印刷版20の幅方向
の移動を規制する。これによって、印刷版20は搬送ス
テージ502の所定の位置に落下する。
【0122】規制ピン468は、ブロック470の先端
に取り付けられており、ブロック470は、長孔480
内のネジ482の位置を変えることによって、規制ピン
468を印刷版20の幅方向い沿って移動させることが
でき、印刷版20の幅方向に対する位置決めが容易であ
る。
【0123】この取出装置450では、印刷版20と接
触する部分が非導電性部材によって構成されているた
め、印刷版20の画像記録面に形成された静電潜像が乱
れることがない。また、印刷版20の画像記録面に接触
する抑え部材496は、幅方向の端部で且つ長手方向の
端部である。この部分は、余白となっており、版曲げ部
36で版曲げされる領域で画像が記録されておらず、印
刷版20の仕上がり、すなわち、印刷版20による印刷
物の仕上がりに影響を及ぼすことがない。
【0124】印刷版20は、搬送ステージ502から挿
入ステージ532へ載せ変えられ、挿入ステージ532
を現像処理部22内の搬送路に沿わせるように傾斜させ
て、印刷版20を現像定着部22へ送り込む。
【0125】この後、印刷版20は現像定着部22で現
像、定着処理されてトナー画像が形成され、溶出部28
で画像に応じてOPC層がエッチング処理されて版面保
護がなされて乾燥される。乾燥処理された印刷版20
は、輪転機の版胴へ版掛けするためのパンチ孔の穿設及
び版曲げがなされてストックされる。
【0126】ここで、本実施例に適用したダイレクト刷
版作成装置10では、給排版16を3層構造とし給版部
12、排版部14及び制御部40を上下に配置してい
る。これによって、給排版部16の設置面積を狭めるこ
とができている。また、印刷版20の搬送路を上下に重
ね合わせているため、単に給版部12、描画部18、排
版部14、現像定着部22以降を連続して配置するのに
比較して、ダイレクト刷版作成装置10の設置面積を格
段に狭めることができる。
【0127】なお、本実施例においては、大版サイズの
印刷版20Aと小版サイズの印刷版20Bとが共に枚葉
処理可能な装置について説明したが、これらの印刷版2
0を個別に取り扱う装置としてもよいのは勿論である。
【0128】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る印刷版
枚葉装置は、第2の吸着手段の吸盤によって最上層の感
光性平版印刷版の周縁部を捲り上げて、最上層の感光性
平版印刷版と次の感光性平版印刷版との間に隙間を形成
する。このとき、感光性平版印刷版の周縁部が第2の吸
着手段の吸盤に阻まれることなく湾曲することにより、
次の感光性平版印刷版との間に隙間が生じ、最上層の感
光性平版印刷版のみを確実に持ち上げることができる優
れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るダイレクト刷版作成装置を示す
概略構成図である。
【図2】本実施例に係るダイレクト刷版作成装置を示す
要部斜視図である。
【図3】本実施例に係る給排版部を示す概略側面図であ
る。
【図4】本実施例に係る給排版部を示す概略正面図であ
る。
【図5】本実施例に係る枚葉装置を示す要部斜視図であ
る。
【図6】本実施例に係る枚葉装置を示す要部正面図であ
る。
【図7】(A)は本実施例に適用された吸盤を示す概略
平面図、(B)は印刷版を支持する吸盤を示す概略断面
図、(C)は捲り部の吸盤を示す概略断面図である。
【図8】吸盤の吸着位置を示す印刷版の概略平面図であ
る。
【図9】(A)乃至(C)は各々枚葉装置の吸着状態を
示す概略正面図であり、(A)は積層された印刷版に吸
着した状態を示し、(B)は印刷版の端部を捲り上げた
状態を示し、(C)は最上層の印刷版を分離して持ち上
げた状態を示す。
【図10】本実施例に係る反転移動装置を示す要部側面
図である。
【図11】制御部の構成の一部を示す概略ブロック図で
ある。
【図12】リフト台を示す要部側面図である。
【図13】水平搬送装置を示す要部斜視図である。
【図14】リフト台を示す概略平面図である。
【図15】描画部の内部を示す要部斜視図である。
【図16】取出装置を示す要部斜視図である。
【図17】取出装置を示す概略側面図である。
【図18】取出装置を示す要部側面図である。
【図19】排版部の搬送装置を示す概略斜視図である。
【図20】挿入ステージを示す要部斜視図である。
【符号の説明】
10 ダイレクト刷版作成装置 12 給版部 14 排版部 16 給排版部 18 描画部 20 印刷版(感光性平版印刷版) 102 枚葉装置 112 吸盤(第1の吸着手段) 130 捲り部 134 エアーシリンダ 140 吸盤(第2の吸着手段) 142 エアーシリンダ(押圧手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された感光性平版印刷版の最上層を
    少なくとも1つの吸盤で吸着する第1の吸着手段と、前
    記第1の吸着手段の吸着位置よりも前記感光性平版印刷
    版の周縁部側を吸盤で吸着する第2の吸着手段とを備
    え、前記第1の吸着手段と前記第2の吸着手段が共に前
    記感光性平版印刷版を吸着した状態で前記第2の吸着手
    段を持ち上げて感光性平版印刷版の周縁部を捲り上げた
    のちに、前記第1の吸着手段の吸盤を前記第2の吸着手
    段の吸盤の高さに略等しい高さまで持ち上げて前記感光
    性平版印刷版を持ち上げる印刷版枚葉装置であって、前
    記第2の吸着手段の吸盤の吸着面積を前記第1の吸着手
    段の吸盤の吸着面積よりも狭めたことを特徴とする印刷
    版枚葉装置。
  2. 【請求項2】 積層された感光性平版印刷版の最上層を
    少なくとも1つの吸盤で吸着する第1の吸着手段と、前
    記第1の吸着手段の吸着位置よりも前記感光性平版印刷
    版の周縁部側を吸盤で吸着する第2の吸着手段とを備
    え、前記第1の吸着手段と前記第2の吸着手段が共に前
    記感光性平版印刷版を吸着した状態で前記第2の吸着手
    段を持ち上げて感光性平版印刷版の周縁部を捲り上げた
    のちに、前記第1の吸着手段の吸盤を前記第2の吸着手
    段の吸盤の高さに略等しい高さまで持ち上げて前記感光
    性平版印刷版を持ち上げる印刷版枚葉装置であって、前
    記第2の吸着手段へ供給する負圧を前記第1の吸着手段
    へ供給する負圧より抑えたことを特徴とする印刷版枚葉
    装置。
  3. 【請求項3】 積層された感光性平版印刷版の最上層を
    少なくとも1つの吸盤で吸着する第1の吸着手段と、前
    記第1の吸着手段の吸着位置よりも前記感光性平版印刷
    版の周縁部側を吸盤で吸着する第2の吸着手段とを備
    え、前記第1の吸着手段と前記第2の吸着手段が共に前
    記感光性平版印刷版を吸着した状態で前記第2の吸着手
    段を持ち上げて感光性平版印刷版の周縁部を捲り上げた
    のちに、前記第1の吸着手段の吸盤を前記第2の吸着手
    段の吸盤の高さに略等しい高さまで持ち上げて前記感光
    性平版印刷版を持ち上げる印刷版枚葉装置であって、前
    記第2の吸着手段の吸盤の吸着部が前記第1の吸着手段
    の吸盤の吸着部より柔軟性を有することを特徴とする印
    刷版枚葉装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の吸着手段の吸着位置よりもさ
    らに前記感光性平版印刷版の周縁側を下方へ押し下げる
    押圧手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のうちのいずれか1項の印刷版枚葉装置。
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JP2010030711A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Ihi Corp シート材分離機能付き把持ハンドとこれを用いたシート材分離把持方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010030711A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Ihi Corp シート材分離機能付き把持ハンドとこれを用いたシート材分離把持方法

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