JPH05281719A - 感光性組成物 - Google Patents

感光性組成物

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JPH05281719A
JPH05281719A JP4082426A JP8242692A JPH05281719A JP H05281719 A JPH05281719 A JP H05281719A JP 4082426 A JP4082426 A JP 4082426A JP 8242692 A JP8242692 A JP 8242692A JP H05281719 A JPH05281719 A JP H05281719A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 感光性ジアゾ樹脂、高分子バインダー及びフ
ッ素系界面活性剤を含有する感光性組成物において、該
高分子バインダーが酸性水素原子を持つ置換基を有し、
かつ下記一般式(1)で示されるジオールを構造単位と
して有するポリウレタン樹脂であり、該フッ素系界面活
性剤が(i)3〜20の炭素原子を有しかつ30重量%
以上のフッ素を含有し、末端の少くとも3つの炭素原子
が完全にフッ素化されているフルオロ脂肪族基を含有す
るアクリレートまたはメタクリレートと、(ii) ポリ
(オキシアルキレン)アクリレートまたはポリ(オキシ
アルキレン)メタクリレートとの共重合体であって、フ
ルオロ脂肪族基含有アクリレートまたはメタクリレート
モノマー単位が、該共重合体の重量に基づいて35〜5
0重量%であり該共重合体の分子量が20,000〜100,000
であることを特徴とする感光性組成物。 HO−(CH2CH2O) n −H (1) nは3以上の整数を表わす。 【効果】 疲労現像液に対しても十分な現像性を保持
し、かつ耐刷性に優れ、製版後高温高湿下に保存された
り、曝光されたりしても刷出し時のインキ着肉性が優れ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性組成物に関し、特
に感光性平版印刷版に好適に使用される感光性組成物に
関するものである。更に詳しくは、感光層成分の多量に
溶け込んだいわゆる疲労現像液に対しても十分な現像性
を保持し、かつ耐刷性に優れ、刷出し時のインキ着肉
性、特に製版後高温高湿下に保存されたり曝光されたり
しても優れた刷出し時のインキ着肉性を示す平版印刷版
が得られる感光性組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】活性光線の照射によって露光部が硬化する
いわゆるネガ型PS版の感光層としては、特公昭52−
7364号公報に記載されているような未露光部が水性
アルカリ現像液によって現像除去されるいわゆるアルカ
リ現像型と、特開昭56−94346号公報に記載され
ているような有機溶剤系現像液によって現像除去される
いわゆる溶剤現像型が知られているが、労働安全衛生上
最近ではほとんどアルカリ現像型が主流となっている。
このような感光層の大多数は感光性物質としてのジアゾ
ニウム化合物と高分子のバインダーを組合せたものがほ
とんどであり、アルカリ現像性は主にこのバインダーの
性質によって決まる。一般にバインダーにアルカリ現像
性を持たせようとすると、ポリマーの耐摩耗性が劣化
し、耐刷性が不十分となる問題がある。これを解決する
ために、特開昭62−123452号、特開昭62−1
23453号、特開昭63−287946号、特開平1
−134354号、特開平1−293336号、特開昭
63−136039号等に記載されているようなアルカ
リ可溶化ポリウレタン樹脂が提案され、アルカリ現像性
と耐刷性の両立が可能となった。しかしながら、アルカ
リ現像性としては、感光層成分の溶け込んでいない現像
液、いわゆる新液での現像性のみならず、PS版を多量
に処理した結果未露光部の感光層が多量に溶け込んだい
わゆる疲労現像液に対する現像性も十分である事が要求
されている。また、省資源の観点から、一定量の現像液
でより多くのPS版を処理できること、すなわち現像処
理能力の向上が望まれており、このような点からもより
一層のアルカリ現像性の向上が望まれている。
【0003】一方、PS版のインキ着肉性は現像性、耐
刷性と並ぶ重要な特性であり、特開昭55−527号公
報に記載されているような高分子化合物を添加する方法
等が提案されているが、製版後高温高湿下に保存された
場合や、曝光された場合に着肉性が劣化することがあ
り、より一層の改善が望まれている。また特開昭63−
136039号公報にはアルカリ現像可能で、かつ耐刷
性と着肉性を向上させた感光性組成物としてジアゾ樹
脂、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂及び/又
は酸性水素原子を持つ置換基を導入した変性ポリビニル
アセタール樹脂と特定のフッ素系界面活性剤の組合せが
提案されているが、このような感光性組成物に用いられ
ている高分子バインダーでは、疲労現像液での現像性が
不十分であり、またこのような感光性組成物では製版後
高温高湿下に保存されたり、曝光されたりした部分の着
肉性が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ現
像可能で、感光層成分の多量に溶け込んだいわゆる疲労
現像液に対しても十分な現像性を保持し、処理能力が高
く、かつ耐刷性に優れ、刷出し時のインキ着肉性、特に
製版後高温高湿下に保存されたり、曝光されたりしても
優れた刷出し時のインキ着肉性を示す感光性平版印刷版
をつくるのに適した感光性組成物を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光性ジアゾ
樹脂、特定のアルカリ可溶性ポリウレタン樹脂、及び特
定のフッ素系界面活性剤を併用することにより上記目的
が達成されるとの知見に基いてなされたものである。す
なわち本発明は、感光性ジアゾ樹脂、高分子バインダー
及びフッ素系界面活性剤を含有する感光性組成物におい
て、該高分子バインダーが酸性水素原子を持つ置換基を
有し、かつ下記一般式(1)で示されるジオールを構造
単位として有するポリウレタン樹脂であり、該フッ素系
界面活性剤が(i)3〜20の炭素原子を有しかつ30
重量%以上のフッ素を含有し、末端の少くとも3つの炭
素原子が完全にフッ素化されているフルオロ脂肪族基を
含有するアクリレートまたはメタクリレートと、(ii)
ポリ(オキシアルキレン)アクリレートまたはポリ(オ
キシアルキレン)メタクリレートとの共重合体であっ
て、フルオロ脂肪族基含有アクリレートまたはメタクリ
レートモノマー単位が、該共重合体の重量に基づいて3
5〜50重量%であり該共重合体の分子量が20,000〜10
0,000 であることを特徴とする感光性組成物である。 HO−(CH2CH2O) n −H (1) nは3以上の整数を表わす。
【0006】本発明に使用されるジアゾ樹脂としては、
例えばp−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒド
またはアセトアルデヒドの縮合物と、ヘキサフルオロリ
ン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩との有機溶媒可溶の反
応生成物であるジアゾ樹脂無機塩、また米国特許第3,30
0,309 号明細書に記載されているような、前記縮合物と
スルホン酸類例えばパラトルエンスルホン酸またはその
塩、ホスフィン酸類例えばベンゼンホスフィン酸または
その塩、ヒドロキシル基含有化合物例えば、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−スルホン酸またはその塩等と
の反応生成物さらに特開昭58−209733号公報、
同62−175731号公報、同63−26264号公
報に記載されている長鎖のアルキル基を有するスルホン
酸との反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂、さ
らに特公昭49−48001号公報に記載された芳香族
化合物との共縮合ジアゾ樹脂も好ましい。さらにまた特
願平3−110293号、同3−120380号明細書
に記載されたエポキシ樹脂との開環重合反応及び特開昭
58−187925号公報に記載のオレフィン性不飽和
化合物による反応により合成されたジアジ樹脂も好まし
く用いられる。
【0007】本発明において、好適に用いることができ
る他のジアゾ樹脂は、カルボキシル基、スルホン酸基、
スルフィン酸基、リンの酸素酸基およびヒドロキシル基
のうち少なくとも一つの基(以下酸基と略す)を有する
芳香族化合物と、芳香族ジアゾニウム化合物とを構造単
位として含む共縮合ジアゾ樹脂である。好ましい酸基を
有する芳香族化合物の例は、特開平2−29650号公
報、特願平3−23031号明細書、特開昭2−253
857号公報に記載されており、とりわけ4−メトキシ
安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェノキシ酢酸、
フェニルリン酸である。芳香族ジアゾ化合物としては特
公昭49−48001号公報に記載された芳香族ジアゾ
化合物があげられるが、特に好ましくは、3−メトキシ
−4−アミノ−4−ジフェニルアミン、4−アミノ−ジ
フェニルアミンから誘導されるジアゾ化合物である。上
記共縮合ジアゾ樹脂は、公知の方法、例えば、フォトグ
ラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング
(Photo. Sci., Eng.)第17巻、第33頁(197
3)、米国特許第2,063,631 号、同第2,679,498 号、特
公昭49−45322号公報、同49−45323号公
報各明細書記載の方法を用いて合成することができる。
【0008】酸基を有する芳香族化合物と芳香族ジアゾ
化合物の仕込みモル比は、1:0.1〜0.1:1、好まし
くは1:0.5〜0.2:1、より好ましくは1:1〜0.
2:1である。また、ジアゾ樹脂へ酸基を導入するのに
上記の酸基を有する芳香族化合物との共縮合以外の方法
として、特開平4−18559号公報、特開昭3−16
3551号公報、及び特開昭3−253857号公報に
記載された様に酸基を含有するアルデヒドまたはそのア
セタール化合物で縮合する方法があるがこのジアゾ樹脂
も同様に好ましく用いることができる。上記ジアゾ樹脂
の対アニオンとしては、該ジアゾ樹脂と安定に塩を形成
し、かつ該樹脂を有機溶媒に可溶となすアニオンが好ま
しい。これらは、特開平2−219060号公報、特開
平4−18559号公報、特願平2−299552号明
細書に記載されており、とりわけ好ましいものは、ブチ
ルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン
酸、ヘキサフルオロリン酸、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸である。ジアゾ樹脂は、合成時の反応条件
を種々変えることにより、その分子量は任意の値として
得ることができるが、本発明の目的とする使途に有効に
供するためには分子量が約400乃至100,000のも
の、好ましくは、約800乃至20,000のものが適当
である。なお上記ジアゾ樹脂は単独で用いても良いし2
種類以上の混合物でもよい。
【0009】本発明に使用される高分子バインダーであ
るポリウレタン樹脂は、酸性水素原子を持つ置換基を有
し、かつ前記一般式(1)で示されるジオールを構造単
位として有するポリウレタン樹脂である。一般式(1)
で示されるジオール成分を含有させることにより、耐摩
耗性を劣化させることなく疲労現像液での現像性を向上
させることが可能となった。酸性水素原子を持つ置換基
とは、その水中での酸解離定数(pKa)が7以下のも
のを指し、例えば−COOH、−SO2NHCOO−、−CONHSO
2 −、−CONHSO2NH −、−NHCONHSO2 −などが含まれ
る。特に好適なものは−COOHである。ポリウレタン樹脂
1g当りの酸含量は、0.05〜6ミリ当量が好ましい。
0.05ミリ当量より少ないとアルカリ現像液での現像性
が不十分となり、6ミリ当量より多いと耐摩耗性が劣化
してくる。より好ましくは0.2〜4ミリ当量である。
【0010】上記一般式(1)で示されるジオールの具
体例としては以下のものがある。 HO−(CH2CH2O)3−H HO−(CH2CH2O)4−H HO−(CH2CH2O)5−H HO−(CH2CH2O)6−H HO−(CH2CH2O)7−H HO−(CH2CH2O)8−H HO−(CH2CH2O)10 −H HO−(CH2CH2O)12 −H 特に好ましいのはn=3〜6のものである。これらは単
独で用いても、複数組み合せて用いてもよく、そのポリ
ウレタン樹脂中の含有量は、ジオール成分全体の10〜
80モル%が好ましく、特に好ましくは20〜50モル
%である。10モル%より少ないと疲労現像液での現像
性が劣化し、80%より多いと耐摩耗性が劣化してく
る。
【0011】上記ポリウレタン樹脂は種々の方法で製造
することができる。例えば、酸性水素原子を持つ置換基
としてカルボキシル基を有する好適なポリウレタン樹脂
の場合には、下記一般式(2)で表わされるジイソシア
ネート化合物と、一般式(1)で表わされるジオール化
合物及び、一般式(3)、(4)又は(5)で表わされ
るカルボキシル基を有するジオール化合物との反応生成
物を基本骨格とするポリウレタン樹脂が挙げられる。 OCN−R1−NCO (2)
【0012】
【化1】
【0013】式中、R1 は置換基(例えば、アルキル、
アルケニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロ
ゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂
肪族又は芳香族炭化水素を示す。必要に応じ、R1 中に
イソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエス
テル、ウレタン、アミド、ウレイド基、炭素−炭素不飽
和結合を有していてもよい。R2 は水素原子、置換基
(例えば、アルキル、アリール、アルコキシ、エステ
ル、ウレタン、アミド、ウレイド、ハロゲノの各基が好
ましい。)を有していてもよいアルキル、アルケニル、
アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を
示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル
基もしくは炭素数2〜8個のアルケニル基、炭素数6〜
15個のアリール基を示す。R3 、R4 、R5 はそれぞ
れ同一でも相異していてもよい、単結合、置換基(例え
ば、アルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、ア
ルコキシ及びハロゲノの各基が好ましい。)を有してい
てもよい二価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。好ま
しくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜1
5個のアリーレン基、更に好ましくは炭素数1〜8個の
アルキレン基を示す。また、必要に応じ、R3 、R4
5 中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例
えばエステル基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基、
炭素−炭素不飽和結合を有していてもよい。なお、
2 、R3 、R4 、R5 のうちの2又は3個で環を形成
してもよい。Arは置換基を有していてもよい三価の芳香
族炭化水素を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香
族基を示す。
【0014】一般式(2)で示されるジイソシアネート
化合物として、具体的には以下に示すものが含まれる。
即ち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジ
イソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m
−キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシ
アネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−
ジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート化合
物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、ダイマー酸ジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソ
シアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,
4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)−
ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)
シクロヘキサン等の如き脂肪族ジイソシアネート化合
物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイ
ソシアネート2モルとの付加体等の如きジオールとジイ
ソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物
等が挙げられる。
【0015】一般式(3)、(4)又は(5)で示され
るカルボキシル基を有するジオール化合物としては具体
的には以下に示すものが含まれる。即ち、3,5−ジヒ
ドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)
プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)
プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピ
ル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−
ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロ
ピオンアミド等が挙げられる。また、カルボキシル基以
外の酸性水素原子を持つ置換基を有するポリウレタン樹
脂としては、一般式(2)のジイソシアネート化合物
と、一般式(1)で表わされるジオール化合物、及び下
記一般式(6)、(7)、(8)又は(9)のジオール
化合物との反応生成物で表わささる構造を基本骨格とす
るポリウレタン樹脂が含まれる。
【0016】
【化2】
【0017】式中、R2 、R3 、R4 、R5 及びArは前
記と同義である。R6 は置換基(例えば、アルキル、ア
ルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していて
もよい一価の脂肪族又は芳香族炭化水素を示す。好まし
くは炭素数1〜20個のアルキル基又は炭素数2〜20
個のアルケニル基、炭素数6〜15個のアリール基、炭
素数7〜15個のアラルキル基を示す。更に好ましくは
炭素数1〜8個のアルキル基、又は炭素数2〜8個のア
ルケニル基、炭素数6〜10個のアリール基を示す。Y
はN−スルホニルアミド基(−CO−NH−SO2 −)、N−
スルホニルウレイド基(−NH−CO−NH−SO2 −)、N−
アミノスルホニルアミド基(−CO−NH−SO2−NH−)又
はスルホニルウレタン基(−O−CO−NH−SO2 −)を示
す。
【0018】一般式(6)、(7)、(8)又は(9)
で示されるジオール化合物は、例えば一般式(3)、
(4)、(5)で示されるカルボキシル基を有するジオ
ール化合物のヒドロキシ基を保護した後、塩基存在下、
一般式(10)、(11)、(12)又は(13)の化合物との
反応により合成される。更に、クロロスルホニルイソシ
アネートと反応させた後、一般式(14)のアミン化合物
と反応させることにより合成される。 R6 −SO2 −NCO (10) X−R3−CO−NH−SO2 −R6 (11) X−R3−NH−CO−NH−SO2 −R6 (12) X−R3−CO−NH−SO2 −NH−R6 (13) R6 −NH2 (14) 式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す。スルホニルウ
レタン基の場合、トリヒドロキシ化合物の1つのヒドロ
キシ基を一般式(10)の化合物と反応させることにより
合成できる。
【0019】また、一般式(11)の化合物は、例えば下
記一般式(15)と(16)の化合物の反応、一般式(12)
の化合物は、下記一般式(17)と(16)の化合物の反
応、一般式(13)の化合物は、下記一般式(18)とクロ
ロスルホニルイソシアネートの反応の後、一般式(14)
のアミン化合物との反応により、各々合成される。 X−R3−COCl (15) R6 −SO2 −NH2 (16) X−R3−NCO (17) X−R3−COOH (18) また、更に一般式(9)で示されるジオール化合物は、
例えば、一般式(15)と下記一般式(19)の化合物の反
応、一般式(17)と下記一般式(19) の化合物の反応、
一般式(19)とクロロスルホニルイソシアネートの反応
の後、下記一般式(20) の化合物との反応により、各々
得られた化合物をヒドロキシル化することにより合成さ
れる。 X−R4−SO2 −NH2 (19) X−R4−NH2 (20) 具体的には一般式(6)、(7)、(8)及び(9)で
示されるジオール化合物としては、以下に示すものが含
まれる。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】本発明に用いるポリウレタン樹脂は、一般
式(2)のジイソシアネート化合物と一般式(1)で表
わされるジオール化合物、及び一般式(3)、(4)又
は(5)のジオール化合物との反応生成物であるカルボ
キシル基を有するポリウレタン樹脂に、塩基存在下、一
般式(10)、(11) 、(12) 又は(13) の化合物を反応
させること、更に上記樹脂とクロロスルホニルイソシア
ネートとの反応の後に、一般式(14)のアミン化合物を
反応させることによっても合成できる。更に、カルボキ
シル基を有せず、イソシアネートと反応しない他の置換
基を有してもよいジオール化合物を、アルカリ現像性を
低下させない程度に併用することもできる。
【0027】このようなジオール化合物としては、具体
的には以下に示すものが含まれる。即ち、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4
−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ビス−
β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサ
ンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ
デカンジメタノール、水添ビスフェノールA、2,2−
ジメチロールマロン酸ジエチル、ビス−(2−ヒドロキ
シエチル)スルフィド、水添ビスフェノールF、ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノー
ルAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールF
のエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロ
ピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピ
レンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチ
ルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシ
エチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,
4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス
(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス
(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられ
る。
【0028】本発明のポリウレタン樹脂には、残存の−
OH基と一般式(10)の化合物とを反応させて、酸性水素
原子を有する置換基−SO2NHCOO−を導入することもでき
る。本発明のポリウレタン樹脂は上記ジイソシアネート
化合物及びジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それ
ぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒、例えばジエチ
ルアニリン、2,2,2−ジアザビシクロオクタン、n
−ジブチルチンジラウレートなどを添加し、加熱するこ
とにより合成される。使用するジイソシアネート及びジ
オール化合物のモル比は好ましくは0.8:1〜1.2:1
であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場
合、アルコール類又はアミン類等で処理することによ
り、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成さ
れる。本発明のポリウレタン樹脂の分子量は、好ましく
は重量平均で1000以上であり、更に好ましくは5,0
00〜20万の範囲である。これらのポリウレタン樹脂
は単独で用いても混合して用いてもよい。感光性層中に
含まれる、これらのポリウレタン樹脂の含有量は50重
量%以上、好ましくは50〜95重量%、更に好ましく
は約60〜90重量%である。
【0029】次に本発明に用いられるポリウレタン樹脂
の合成例を示す。 (合成例1)コンデンサー、かくはん機を備えた500
ml の3つ口丸底フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)プロピオン酸14.6g(0.109mole) 、テ
トラエチレングリコール13.3g(0.0686mole)お
よび1,4−ブタンジオール2.05g(0.0228mol
e)を加え、N,N−ジメチルアセトアミド118gに
溶解した。これに、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート30.8g(0.123mole)、ヘキサメチレン
ジイソシアネート13.8g(0.0819mole)および触
媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.1gを添加
し、攪拌下、90℃、7時間加熱した。この反応液に、
N,N−ジメチルアセトアミド100ml、メタノール
50ml および酢酸50ml を加え、攪拌した後に、こ
れを水4リットル中に攪拌しながら投入し、白色のポリ
マーを析出させた。このポリマーを濾別し、水にて洗浄
後、減圧乾燥させることにより、60gのポリマー(ポ
リウレタン樹脂(a) )を得た。ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したとこ
ろ、重量平均(ポリスチレン標準)で70000であっ
た。又滴定によりカルボキシル基含量を測定したところ
1.43meq /gであった。
【0030】(合成例2〜6)〔表1〕に示したジイソ
シアネート、〔表2〕に示したジオール化合物を用い
て、合成例1と同様にしてポリウレタン樹脂(b)〜
(f)を合成した。滴定により測定した酸含量及びGP
Cにより測定した分子量をあわせて〔表2〕に示す。 (比較合成例1〜2)比較のため一般式(1)で表わさ
れるジオール成分を含まないポリウレタン樹脂(g)、
(h)を合成した、使用したジイソシアネートを〔表
3〕に、ジオール化合物、酸含量及び分子量を〔表4〕
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】本発明に使用されるフッ素系界面活性剤の
フルオロ脂肪族基Rf は飽和でかつ一般に1価の脂肪族
基である。これは直鎖、分枝鎖及び十分に大きい場合に
は環式又はこれらの組み合せ(例えばアルキルシクロ脂
肪族基)である。フルオロ脂肪族骨格鎖は炭素原子にの
み結合した連鎖の酸素及び/または3価の窒素ヘテロ原
子を含むことができ、このヘテロ原子はフルオロ炭素基
間の間に安定な結合を与えかつRf 基の不活性特性を妨
害しない。Rf 基は、十分な効果を発揮するためには、
3〜20、好ましくは6〜12の炭素原子を有し、かつ
30重量%以上好ましくは40重量%以上の、炭素原子
に結合したフッ素を有するものである。Rf 基の末端の
少なくとも3つの炭素原子は完全にフッ素化されてい
る。Rf 基の末端は例えば、CF3CF2CF2 −であり、好適
なRf 基は、CnF2n+1 (nは3以上の整数)のように実
質上完全にフッ素化れたアルキル基である。Rf 基フッ
素含有量が30重量%未満では本発明の目的が十分に達
成されない。フッ素原子はRf 基の末端に局在化してい
る方が効果が大きい。Rf 基の炭素原子数が2以下で
も、フッ素含有率を高くすることはできるが、フッ素原
子の総量が不十分となり、効果が弱い。炭素原子数が2
以下の十分にフッ素化されたRf 基含有モノマーの、共
重合体に対する比率を高くすることよって共重合体中の
フッ素含有率を高くしても、フッ素原子が局在化してい
ないため、十分な効果が得られない。一方、Rf 基の炭
素原子数が21以上では、フッ素含有量が高いと得られ
た共重合体の溶剤に対する溶解性が低くなり、またフッ
素含有量が低いと、フッ素原子の局在化が十分でなくな
り、十分な効果が得られない。
【0036】共重合体中の可溶化部分はポリ(オキシア
ルキレン)基(OR′) x であって、R′は2〜4の炭素
原子を有するアルキレン基、例えば−CH2CH2−、−CH2C
H2CH 2 −、−CH(CH3)CH2−、または−CH(CH3)CH(CH3)−
であることが好ましい。前記のポリ(オキシアルキレ
ン)基中のオキシアルキレン単位はポリ(オキシプロピ
レン)におけるように同一であってもよく、または互い
に異なる2種以上のオキシアルキレンが不規則に分布さ
れたものであってもよく、直鎖または分枝鎖のオキシプ
ロピレンおよびオキシエチレン単位であったり、また
は、直鎖または分枝鎖のオキシプロピレン単位のブロッ
クおよびオキシエチレン単位のブロックのように存在す
るものであってもよい。このポリ(オキシアルキレン)
鎖は1つまたはそれ以上の連鎖結合(例えば−CONH−C6
H4−NHCO−、−S−など)で仲介され、またはこれらを
含むことができる。連鎖の結合が3つまたはそれ以上の
原子価を有する場合には、これは分枝鎖のオキシアルキ
レン単位を得るための手段を供する。またこの共重合体
を感光性組成物に添加する場合に、所望の溶解度を得る
ためには、ポリ(オキシアルキレン)基の分子量は25
0〜2,500が適当である、本発明の目的を十分に達成
するためには、ポリ(オキシアルキレン)基の分子量は
600〜2,500が好ましい。ポリ(オキシアルキレ
ン)基の分子量が250〜600では共重合体の溶解は
得られるけれども、ポリ(オキシアルキレン)基含有モ
ノマー単位数が多くなり、共重合体中でRf 基が局在化
していないため効果が不十分となる。逆にポリ(オキシ
アルキレン基)の分子量が大きい程ポリ(オキシアルキ
レン)基含有モノマー単位数が少なくなり、共重合体中
でRf基が局在化するため効果が十分に発揮される。し
かし分子量が2,500以上では溶解度が低下してしま
う。
【0037】本発明に使用される上記共重合体は、例え
ば、フルオロ脂肪族基含有アクリレートまたはフルオロ
脂肪族基含有メタクリレートと、ポリ(オキシアルキレ
ン)アクリレートまたはポリ(オキシアルキレン)メタ
クリレート、例えばモノアクリレートまたはジアクリレ
ートまたはその混合物との遊離基開始共重合によって製
造できる。ポリアクリレートオリゴマーの分子量は、開
始剤の濃度と活性度、単量体の濃度および重合反応温度
を調節することによって、および連鎖移動剤、例えばチ
オール、例えばn−オクチルメルカプタンを添加するこ
とによって調整できる。一例として、フルオロ脂肪族基
含有アクリレート、Rf−R″−O2C −CH=CH2 (ここで
R″は、例えばスルホンアミドアルキレン、カルボンア
ミドアルキレン、またはアルキレンである)、例えば C
8F17SO2N(C4H9)CH2CH2O2CCH =CHをポリ(オキシアルキ
レン)モノアクリレート、 CH2=CHC(O)(OR ′) x OCH3
と共重合させると下記の繰返し単位を有する共重合体が
得られる。
【0038】
【化9】
【0039】上記フルオロ脂肪族基含有アクリレートは
米国特許第2,803,615 号、同第2,642,416 号、同第2,82
6,564 号、同第3,102,103 号、同第3,282,905 号および
同第3,304,278 号に記載されている。上記共重合体の製
造に使用されるポリ(オキシアルキレン)アクリレート
およびこの目的のために有用な他のアクリレートは、市
販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば
商品名“プルロニック”〔Pluronic〕(旭電化工業
(株)製)〕、アデカポリエーテル(旭電化工業(株)
製)、“カルボワックス”〔Carbowax(グリコ・プロダ
クツ)(Glyco Products) Co. 製)〕、“トリトン”
〔Triton(ローム・アンド・ハース(Rohm andHass) C
o.製)〕およびP.E.G.(第一工業製薬(株)製)として
販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタク
リル酸、アクリルクロリドまたは無水アクリル酸と反応
させることによって製造できる。別に、公知の方法で製
造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート、 CH2
=CHCO2(R ′O)x COCH=CH2 、例えば CH2=CHCO2(C2H4
O)10(C3H6O)22(C2H4O)10COCH=CH2 を前記のフルオロ脂
肪族基含有アクリレートと共重合させると、下記の繰返
し単位を有するポリアクリレート共重合体が得られる。
【0040】
【化10】
【0041】本発明に使用される共重合体を製造するの
に適する他のフルオロ脂肪族基含有末端エチレン系不飽
和モノマーは、米国特許第2,592,069 号、同第2,995,54
2 号、同第3,078,245 号、同第3,081,274 号、同第3,29
1,843 号および同第3,325,163 号に記載されており、上
記フルオロ脂肪族基含有末端エチレン系不飽和単量体を
製造するのに適したエチレン系不飽和材料は米国特許第
3,574,791 号に記載されている。本発明に使用される共
重合体はフルオロ脂肪族基含有アクリレートまたはフル
オロ脂肪族基含有メタクリレートとポリ(オキシアルキ
レン)アクリレートまたはポリ(オキシアルキレン)メ
タクリレートとの共重合体であって、フルオロ脂肪族基
含有モノマー単位をオリゴマーの重量に基づいて35〜
50重量%含有し、分子量は20,000〜100,000
のものである。フルオロ脂肪族基含有モノマー単位が3
5重量%より少ないと刷出し時のインキ着肉性が劣化
し、逆に50重量%より多いと感光液を塗布した時のハ
ジキが発生し易くなってしまう。さらに共重合体分子量
が、20,000より小さいと着肉性に対する効果が十分
でなく、100,000より大きいと溶剤に対する溶解性
が低下するので好ましくない。本発明に使用されるフッ
素系界面活性剤の好ましい使用範囲は、感光性組成物
(溶媒を除いた塗布成分)に対して0.01〜10重量%
の範囲であり、更に好ましい使用範囲は0.05〜5重量
%の範囲である。フッ素系界面活性剤の使用量が0.01
重量%未満では効果が不十分であり、また10重量%よ
り多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなった
り、感光材料としての性能(たとえば現像性)に悪影響
をおよぼす。
【0042】本発明の感光性組成物には、さらに色素を
用いることができる。該色素は、露光による可視画像
(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを目的
として使用される。該色素としては、フリーラジカルま
たは酸と反応して色調を変化するものが好ましく使用で
きる。ここに「色調が変化する」とは、無色から有色の
色調への変化、有色から無色あるいは異なる有色の色調
への変化のいずれをも包含する。好ましい色素は酸と塩
を形成して色調を変化するものである。例えば、ビクト
リアピュアブルーBOH〔保土谷化学社製〕及びそのナ
フタレンスルホン酸塩、オイルブルー#603(オリエ
ント化学工業社製)、パテントピュアブルー〔住友三国
化学社製〕、クリスタルバイオレット、ブリリアントグ
リーン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、メ
チルグリーン、エリスロシンB、ベイシックフクシン、
マラカイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾールパ
ープル、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチル
アミノフェニルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチ
ルアミノフェニルアセトアニリド等に代表されるトリフ
ェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、
キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系ま
たはアントラキノン系の色素が有色から無色あるいは異
なる有色の色調へ変化する変色剤の例として挙げられ
る。
【0043】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素及び、例えばトリフェニルアミン、ジ
フェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−ト
リフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p′,
p″−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、
p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミ
ン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェ
ニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニ
ル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−ト
リアミノトリフェニルメタンに代表される第1級または
第2級アリールアミン系色素が挙げられる。特に好まし
くはトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系色素が
有効に用いられ、さらに好ましくはトリフェニルメタン
系色素であり、特にビクトリアピュアブルーBOH及び
そのナフタレンスルホン酸塩である。上記色素は、感光
性組成物中に全固形分に対して通常、好ましくは約0.5
〜約10重量%、より好ましくは約1〜5重量%含有さ
せる。
【0044】本発明の感光性組成物には、更に種々の添
加物を加えることができる。例えば、塗布性を改良する
ためのアルキルエーテル類(例えばエチルセルロース、
メチルセルロース)、本発明のフッ素系界面活性剤以外
のフッ素系界面活性剤類、ノニオン系界面活性剤、塗膜
の柔軟性、耐磨耗性を付与するための可塑剤(例えばブ
チルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリ
ブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル
酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン
酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル
酸のオリゴマー及びポリマー、この中で特にリン酸トリ
クレジルが好ましい)、一般的なジアゾ樹脂の安定化剤
(リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、フェニルホスホン
酸、蓚酸、ホウ酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、2−
メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベンゼンス
ルホン酸、3−スルホフタル酸、4−スルホフタル酸、
2−スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、イ
ソプロピルナフタレンスルホン酸、t−ブチルナフタレ
ンスルホン酸、リンゴ酸、酒石酸、ジピコリン酸、トリ
カルバソル酸、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポリ
ビニルホスホン酸及びその共重合体、ポリビニルスルホ
ン酸及びその共重合体、5−ニトロナフタレン−1−ホ
スホン酸、4−クロロフェノキシメチルホスホン酸、ナ
トリウムフェニル−メチル−ピラゾロンスルホネート、
くえん酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカル
ボン酸、1−ホスホノエタン−1,2,2−トリカルボ
ン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジスルホン酸な
ど)、現像促進剤(例えば高級アルコール、酸無水物、
アニオン界面活性剤等)、画像部の感脂性を向上させる
ための感脂化剤(例えば、特開昭55−527号公報記
載のスチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコールに
よるハーフエステル化物、p−t−ブチルフェノール−
ホルムアルデヒド樹脂などのノボラック樹脂、p−ヒド
ロキシスチレンの脂肪酸エステル等)、等が好ましく用
いられる。これらの添加剤の添加量はその使用対象、目
的によって異なるが、一般には全固形分に対して、0.0
1〜30重量%である。
【0045】このような感光性組成物を、適当な支持体
上に塗設して感光性平版印刷版とする。このような支持
体としては、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)ラミネート
紙、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、
銅などのような金属の板、二酢酸セルロース、三酢酸セ
ルロース、プロピオン酸セルロース、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチッ
クのフィルム、上記の如き金属がラミネートもしくは蒸
着された紙もしくはプラスチックフィルム、アルミニウ
ムもしくはクロームメッキが施された鋼板などがあげら
れ、これらのうち特に、アルミニウム及びアルミニウム
被覆された複合支持体が好ましい。またアルミニウム材
としては1S材が好ましい。また、アルミニウム材の表
面は、保水性を高め、感光層との密着性を向上させる目
的で表面処理されていることが望ましい。
【0046】たとえば、粗面化方法として、一般に公知
のブラシ研摩法、ボール研摩法、電解エッチング、化学
的エッチング、液体ホーニング、サンドブラスト等の方
法及びこれらの組合せがあげられ、好ましくはブラシ研
摩法、電解エッチング、化学的エッチング及び液体ホー
ニングがあげられ、これらのうちで、特に電解エッチン
グの使用を含む粗面化方法が好ましい。さらに、特開昭
54−63902号に記載されているようにブラシ研摩
した後電解エッチングする方法も好ましい。また、電解
エッチングの際に用いられる電解浴としては、酸、アル
カリまたはそれらの塩を含む水溶液あるいは有機溶剤を
含む水性溶液が用いられ、これらのうちで特に塩酸、硝
酸またはそれらの塩を含む電解液が好ましい。さらに、
粗面化処理の施されたアルミニウム板は、必要に応じて
酸またはアルカリの水溶液にてデスマット処理される。
こうして得られたアルミニウム板は、陽極酸化処理され
ることが望ましく、特に好ましくは、硫酸またはリン酸
を含む浴で処理する方法があげられる。
【0047】また、更に必要に応じて米国特許第2,714,
066 号明細書や米国特許第3,181,461 号明細書に記載さ
れている珪酸塩処理(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム)、米国特許第2,946,638 号明細書に記載されている
弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,24
7 号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、
英国特許第1,108,559 号に記載されているアルキルチタ
ネート処理、独国特許第1,091,433 号明細書に記載され
ているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093 号明
細書や英国特許第1,230,447 号明細書に記載されている
ポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公
報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,
951 号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭
58−16893号や特開昭58−18291号の各公
報に記載されている親水性有機高分子化合物と2価の金
属との塩による処理、特開昭59−101651号公報
に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体の
下塗りによって親水化処理を行ったもの、特開昭60−
64352号公報に記載されている酸性染料による着色
を行なったものは特に好ましい。その他の親水化処理方
法としては米国特許第3,658,662 号明細書に記載されて
いるシリケート電着をも挙げることが出来る。また、砂
目立て処理及び陽極酸化後、封孔処理を施したものも好
ましい。かかる封孔処理は熱水及び無機塩又は有機塩を
含む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸気浴などによって行
われる。
【0048】本発明に用いられるのに適した支持体につ
いてさらに詳しく言うと、まず鉄を0.1〜0.5%、ケイ
素を0.03〜0.3%、銅を0.003〜0.03%さらにチ
タンを0.01%〜0.1%含有するISアルミニウム板を
アルカリ好ましくは1〜30%の水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等の水
溶液に、20〜80℃の温度で5秒〜250秒間浸漬し
て、エッチングする。エッチング浴には、アルミニウム
をアルカリの1/5程度加えてもよい。次いで、10〜
30%硝酸又は硫酸水溶液に20〜70℃の温度で5秒
〜250秒間浸漬して、アルカリエッチング後の中和お
よびスマット除去を行なう。このアルミニウム合金板の
表面清浄化後、以下に示す粗面化処理が行われる。粗面
化処理としては、ブラシ研摩又は/および電解エッチン
グ処理が適している。電解液の温度は、通常10〜60
℃である。この際に使用される交流電流は、正負の極性
が交互に交換されたものであれば、矩形波、台形波、正
弦波いずれのものも用いることができ、通常の商用交流
の単相および三相交流電流を用いることができる。また
電流密度は、5〜100A/dm2 で、10〜300秒間
処理することが望ましい。本発明におけるアルミニウム
合金支持体の表面粗さは、電気量によって調整し、0.2
〜0.8μmとする。このように砂目立てされたアルミニ
ウム合金は、10〜50%の熱硫酸(40〜60℃)や
希薄なアルカリ(水酸化ナトリウム等)により表面に付
着したスマットが除去されるのが好ましい。アルカリで
除去した場合は、引続いて洗浄のため酸(硝酸または硫
酸)に浸漬して中和する。
【0049】表面のスマット除去を行なった後、陽極酸
化皮膜が設けられる。陽極酸化法は、従来よりよく知ら
れている方法を用いることができるが、硫酸が最も有用
な電解液として用いられる。それについで、リン酸もま
た有用な電解液である。さらに特開昭55−28400
号公報に開示されている硫酸とリン酸の混酸もまた有用
である。硫酸法は通常直流電流で処理が行なわれるが、
交流を用いることも可能である。硫酸の濃度は5〜30
%で使用され、20〜60℃の温度範囲で5〜250秒
間電解処理されて、表面に1〜10g/m2 の酸化皮膜
が設けられる。この電解液には、アルミニウムイオンが
含まれている方が好ましい。さらにこのときの電流密度
は1〜20A/dm2 が好ましい。リン酸法の場合には、
5〜50%の濃度、30〜60℃の温度で、10〜30
0秒間、1〜15A/dm2 の電流密度で、処理される。
このようにして、処理されたアルミニウム支持体にはさ
らに米国特許第2,714,066号明細書に記載され
たようなシリケート類による表面処理を行うのが望まし
い。また支持体上には特開昭59−101651号に記
載されているような下塗り層が設けられているものも好
ましい。
【0050】上述の感光性組成物を支持体上に設けるに
は、感光性ジアゾ樹脂、本発明の高分子バインダー、本
発明のフッ素系界面活性剤および必要に応じて種々の添
加剤の所定量を適当な溶媒(メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ジメトキシエタン、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコール−ジメチル
エーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、メチルセ
ロソルブアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、
メタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレンジクロライ
ド、ジメチルスルホキシド、水等)中に溶解させ感光性
組成物の塗布液を調製し、これを支持体上に塗布、乾燥
すればよい。用いられる溶媒は単独でもよいが、メチル
セロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、乳酸メ
チルのような高沸点溶媒とメタノール、メチルエチルケ
トンのような低沸点溶媒との混合物とすると更に好まし
い。塗布する際の感光性組成物の固形分濃度は1〜50
重量%の範囲とすることが望ましい。この場合、感光性
組成物の塗布量は、おおむね、0.2〜10g/m2(乾
燥重量)程度とすればよく、さらに好ましくは0.5〜3
g/m2 とするとよい。
【0051】感光層上には相互に独立して設けられた突
起物により構成されるマット層があるのが好ましい。マ
ット層の目的は密着露光におけるネガ画像フィルムと感
光性平版印刷版との真空密着性を改良することにより、
真空引き時間を短縮し、さらに密着不良による露光時の
微小網点のつぶれを防止することである。マット層の塗
布方法としては、特開昭55−12974号に記載され
ているパウダリングされた固体粉末を熱融着する方法、
特開昭58−182636号に記載されているポリマー
含有水をスプレーし乾燥させる方法などがあり、どの方
法でもよいが、マット層自体がアルカリ現像液に溶解す
るか、あるいはこれにより除去可能な物が望ましい。支
持体上に塗布された本発明の感光性組成物は線画像、網
点画像等を有する透明原画を通して露光し、次いで水性
アルカリ現像液で現像することにより、原画に対してネ
ガのレリーフ像を与える。露光に好適な光源としては、
カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハ
ライドランプ、ストロボ、紫外線、レーザー光線などが
挙げられる。
【0052】本発明に係る感光性平版印刷版の現像処理
に用いられる現像液は公知のいずれであってもよいが、
好ましくは以下のものがよい。例えば、現像液は少なく
とも1種のアルカリ剤と、水とを必須成分として含有す
る。現像液中に必須成分として含有されるアルカリ剤と
しては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第二又は第三
リン酸のナトリウム又はアンモニウム塩、メタ珪酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ
剤、モノ、ジ、又はトリメチルアミン、モノ、ジ又はト
リエチルアミン、モノ又はジイソプロピルアミン、n−
ブチルアミン、モノ、ジ又はトリエタノールアミン、モ
ノ、ジ又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミ
ン、エチレンジイミン等の有機アミン化合物等が挙げら
れる。これらのアルカリ剤の現像液中における含有量は
0.05〜10重量%で、好ましくは0.5〜5重量%であ
る。0.05重量%より少ないと現像が不良となり、10
重量%を超えると平版印刷版としての印刷性能に悪影響
を及ぼす。
【0053】本発明に係わる感光性平版印刷版を現像す
る現像液は、必要に応じて、特定の有機溶媒を含有して
いてもよい。このような有機溶媒としては、現像液中に
含有せしめたとき上述の感光性組成物層の非露光部(非
画像部)を溶解または膨潤することができ、しかも常温
(20℃)において水に対する溶解度が10重量%以下
の有機溶媒が適当である。具体例としては、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベン
ジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸
ブチル、レブリン酸ブチルのようなカルボン酸エステ
ル;エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンのようなケトン類;エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエー
テル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベン
ジルアルコール、メチルフェニルカルビノール、n−ア
ミルアルコール、メチルアミルアルコールのようなアル
コール類;キシレンのようなアルキル置換芳香族炭化水
素;メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モ
ノクロルベンゼンのようなハロゲン化炭化水素などがあ
る。これらの有機溶媒は単独で用いても二種以上を組み
合わせて用いてもよい。これら有機溶媒の中では、エチ
レングリコールモノフェニルエーテルとベンジルアルコ
ールが特に有効である。また、これら有機溶媒の現像液
中における含有量は、概ね0〜20重量%であり、特に
2〜10重量%のとき、より好ましい結果を得る。
【0054】また、本発明に係わる感光性平版印刷版を
現像する現像液は、必要に応じて水溶性亜硫酸塩を含有
していてもよい。このような水溶性亜硫酸塩としては、
亜硫酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩が好ましく、
例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチ
ウム、亜硫酸マグネシウムなどがある。これらの亜硫酸
塩の現像液組成物における含有量は0〜4重量%で、好
ましくは0.1〜1重量%である。また、上記水溶性亜硫
酸塩の代わりにアルカリ可溶性ピラゾロン化合物、アル
カリ可溶性チオール化合物、又はメチルレゾルシン等の
ようなヒドロキシ芳香族化合物を含有させてもよい。勿
論、これらの化合物と水溶性亜硫酸塩を併用することも
できる。また、さらに必要に応じ、消泡剤及び硬水軟化
剤のような添加剤を含有させることもできる。硬水軟化
剤としては例えば、ポリ燐酸塩やアミノポリカルボン酸
類を挙げることができる。このような硬水軟化剤は使用
される硬水の硬度およびその使用量に応じて最適量が変
化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液中
に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量
%の範囲で含有させられる。
【0055】また、上述の有機溶媒の水への溶解を助け
るために一定の可溶化剤を含有させることもできる。こ
のような可溶化剤としては、本発明所定の効果を実現す
るため、用いる有機溶媒より水易溶性で、低分子のアル
コール、ケトン類を用いるのがよい。また、アニオン界
面活性剤、両性界面活性剤等も用いる事が出来る。この
ようなアルコール、ケトン類としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノーアル、ブタノール、アセト
ン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
メトキシブタノール、エトキシブタノール、4−メトキ
シ−4−メチルブタノール、N−メチルピロリドンなど
を用いることが好ましい。また、界面活性剤としては例
えばイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、n
−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−メチル
−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルサ
ルフェートナトリウム塩等が好ましい。これらアルコー
ル、ケトン等の可溶化剤の使用量は、一般に現像液全体
に対し約30重量%以下とすることが好ましい。
【0056】本発明の感光性組成物を用いた感光性平版
印刷版は、特開昭54−8002号、同55−1150
45号、特開昭59−58431号の各公報に記載され
ている方法で製版処理してもよいことは言うまでもな
い。即ち、現像処理後、水洗してから不感脂化処理、ま
たはそのまま不感脂化処理、または酸を含む水溶液での
処理、または酸を含む水溶液で処理後不感脂化処理を施
してもよい。さらに、この種の感光性平版印刷版の現像
工程では、処理量に応じてアルカリ水溶液が消費されア
ルカリ濃度が減少したり、あるいは、自動現像液の長時
間運転により空気によってアルカリ濃度が減少するため
処理能力が低下するが、その際、特開昭54−6200
4号に記載のように補充液を用いて処理能力を回復させ
てもよい。この場合、米国特許第4,882,246 号、同第5,
053,796 号に記載されている方法で補充することが好ま
しい。また、上記のような製版処理は、特開昭55−1
40843号、特開平2−7054号、同2−3235
7号に記載されているような自動現像機で行なうことが
好ましい。なお、製版工程の最終工程で所望により塗布
される不感脂化ガムとしては、特公昭62−16834
号、同62−25118号、同63−52600号、特
開昭62−7595号、同62−11693号、同62
−83194号の各公報に記載されているものが好まし
い。
【0057】
【発明の効果】本発明の感光性組成物は、感光層成分の
多量に溶け込んだいわゆる疲労現像液に対しても十分な
現像性を保持し、かつ耐刷性に優れ、製版後高温高湿下
に保存されたり、曝光されたりしても刷出し時のインキ
着肉性が優れている。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明の内容がこれにより限定されるものでは
ない。 (実施例1〜6)99.5%アルミニウムに、銅を0.01
%、チタンを0.03%、鉄を0.3%、ケイ素を0.1%含
有するJISA1050アルミニウム材の厚み0.24mm
圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)
の20重量%水懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6−1
0ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よ
く水で洗浄した。これを15重量%水酸化ナトリウム水
溶液(アルミニウム5重量%含有)に浸漬してアルミニ
ウムの溶解量が5g/m2 になるようにエッチングした
後、流水で水洗した。さらに、1重量%硝酸で中和し、
次に0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウムイオンとして
0.5%含有)中で、陰極時電圧9.3ボルト、陽極時電圧
10.5ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.9
0、特公昭58−5796号公報実施例に記載されてい
る電流波形)を用いて160クーロン/dm2 の陽極時電
気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、40℃の10
重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニ
ウム溶解量が1g/m2 になるようにエッチングした
後、水洗した。次に50℃30%の硫酸水溶液中に浸漬
し、デスマットした後、水洗した。
【0059】さらに、35℃20重量%硫酸水溶液(ア
ルミニウムイオンとして0.8%含有)中で、直流を用い
て多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。すなわち電流
密度13A/dm2 で電解を行い、電解時間を調節して陽
極酸化皮膜重量2.0g/m2の基板を作った。水洗後、
70℃のケイ酸ナトリウムの3%水溶液に30秒間浸漬
処理し、水洗乾燥した。以上のようにして得られたアル
ミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計で測
定した反射濃度は0.28で、中心線平均粗さは0.5μで
あった。上記アルミニウム板に次に示す下塗液−1を塗
布し、80℃で30秒間乾燥した。乾燥重量は2mg/m
2 であった。 下塗液−1 メチルメタクリレート/エチルアクリレート/ 0.02g 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル ホン酸ナトリウム共重合体(60/25/15モル比) メタノール 100g
【0060】次に下記感光液をバーコーターを用いて塗
布し、120℃で30秒間乾燥した。乾燥塗布量は1.5
g/m2であった。 (感光液) 合成例1〜6のポリウレタン樹脂(a)〜(f) 5g 4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドの 1.2g 縮合物のドデシルベンゼンスルホン酸塩 プロパン-1,2,3- トリカルボン酸 0.05g リン酸 0.05g 4−スルホフタル酸 0.05g リン酸トリクレジル 0.25g スチレン−無マレイン酸共重合体のn−ヘキサノール 0.1g によるハーフエステル ビクトリアピュアブルーBOHのナフタレンスルホン酸塩 0.18g [C8F17CH2CH2O]1.7PO[OH]1.3で表わされる化合物 0.015g 〔表5〕に示すフッ素系界面活性剤 0.06g 1−メトキシ−2−プロパノール 20g メタノール 40g メチルエチルケトン 40g イオン交換水 1g
【0061】感光層塗布後表面に下記組成の液を静電ス
プレーにて塗布し、80℃の雰囲気中に5秒間さらして
乾燥させることにより表面にマット加工を施した。 (スプレー液) メチルメタクリレート/エチルアクリレート/2− 0.5g アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 ナトリウム(60/25/15モル比)共重合体 タートラジン 0.01g H2O 100g 各マットの高さは2−6μ、幅は20−150μであ
り、マット全体としては約100個/m2 の数があり、
塗布量0.1g/m2 であった。
【0062】これらの感光性平版印刷版を富士写真フィ
ルム(株)製現像液DN−3Cを水道水で容積率(1:
1)に希釈した液で、希釈液1リットル当り感光性平版
印刷版20m2を現像処理して感光層成分の多量に溶け込
んだ疲労現像液を作成した。この疲労現像液を感光性平
版印刷版の未露光部にスポイトで滴下し、一定時間後に
水洗して何秒で未露光部が完全に溶出するか(現像スピ
ード)を測定した。また、これらの感光性平版印刷版
を、富士写真フィルム(株)製PSライトで1mの距離
から1分間画像露光し、同社製自動現像機スタブロン9
00Nに同社製現像液DN−3C及び同社製フィニッシ
ャーFN−2をそれぞれ水道水で容積比(1:1)に希
釈した液を現像タンク及びフィニッシャータンクに仕込
み、現像液温30℃、現像時間20秒の条件で現像処理
を行った。こうようにして得られた平版印刷版を600
x の蛍光灯下に24時間さらし、更に35℃85%の
高温高湿下に24時間保存した後、ハイデルベルグ社製
印刷機SORにかけて、刷出してから何枚目で画像部に
インキの完全に転写した印刷物が得られたか(刷出し着
肉性)を調べ、続いて完全な印刷物が何万枚得られるか
(耐刷性)を調べた。これらの結果を〔表5〕に示す。
【0063】(比較例1〜3)ポリウレタン樹脂として
一般式(1)のジオール成分を有さない比較合成例1及
び2のポリウレタン樹脂(g)及び(h)を、またフッ
素系界面活性剤としてフルオロ脂肪族基含有アクリレー
トが30重量%、分子量が15,000の共重合体を用い
て、実施例1〜6と全く同様にして感光性平版印刷版を
作成し、テストした結果を〔表5〕に示す。これらの結
果より、本発明の感光性組成物は疲労現像液での現像ス
ピード、刷出し着肉性、耐刷性共に良好であるが、ポリ
ウレタン樹脂が一般式(1)で表わされるジオール成分
を含まない比較例1及び2では現像スピードが不十分と
なり、また一般式(1)で表わされるジオール成分を含
むポリウレタン樹脂(a)を用いても、フルオロ脂肪族
含有アクリレート含量が30重量%で分子量が15,00
0のフッ素系界面活性剤を用いた比較例3では刷出し着
肉性が大きく劣ることがわかる。
【表5】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実 施 例 比 較 例 使用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ モノマー 1 2 3 4 5 6 1 2 3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ フ モノマー比(重量%) ッ界 A 40 45 35 40 40 45 40 40 30 素面 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 系活 B 60 55 60 60 60 性 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 剤 C 65 60 55 70 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 分子量(万) 3.5 4.0 6.0 3.5 4.0 5.5 3.5 3.5 1.5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ポリウレタン樹脂 (a) (b) (c) (d) (e) (f) (g) (h) (a) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 現像スピード〔秒〕 20 20 25 15 25 25 60 50 20 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 刷出し着肉 〔枚〕 15 15 18 15 16 17 18 18 50 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 耐刷 〔万枚〕 20 20 20 20 18 18 20 20 20 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ A:N−プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミド
エチルアクリレート C8F17SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCH=CH2 B:ポリ(オキシアルキレン)アクリレート CH3O(C3H6O)6COCH=CH2 C:ポリ(オキシアルキレン)アクリレート CH3O(C2H4O)20(C3H6O)20COCH=CH2

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性ジアゾ樹脂、高分子バインダー及
    びフッ素系界面活性剤を含有する感光性組成物におい
    て、該高分子バインダーが酸性水素原子を持つ置換基を
    有し、かつ下記一般式(1)で示されるジオールを構造
    単位として有するポリウレタン樹脂であり、該フッ素系
    界面活性剤が(i)3〜20の炭素原子を有しかつ30
    重量%以上のフッ素を含有し、末端の少くとも3つの炭
    素原子が完全にフッ素化されているフルオロ脂肪族基を
    含有するアクリレートまたはメタクリレートと、(ii)
    ポリ(オキシアルキレン)アクリレートまたはポリ(オ
    キシアルキレン)メタクリレートとの共重合体であっ
    て、フルオロ脂肪族基含有アクリレートまたはメタクリ
    レートモノマー単位が、該共重合体の重量に基づいて3
    5〜50重量%であり該共重合体の分子量が20,000〜10
    0,000 であることを特徴とする感光性組成物。 HO−(CH2CH2O) n −H (1) nは3以上の整数を表わす。
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