JPH0528149B2 - - Google Patents
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- JPH0528149B2 JPH0528149B2 JP62326517A JP32651787A JPH0528149B2 JP H0528149 B2 JPH0528149 B2 JP H0528149B2 JP 62326517 A JP62326517 A JP 62326517A JP 32651787 A JP32651787 A JP 32651787A JP H0528149 B2 JPH0528149 B2 JP H0528149B2
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- bone
- amorphous
- calcium phosphate
- substitute
- molded body
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- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Materials For Medical Uses (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明はそれ自身高強度を有し、且つ生体内自
家骨欠損部に対して早期に初期結合すると共に最
終的に強固な結合を形成する代替骨およびその製
造方法に関するものである。 [従来の技術] 事故や疾病あるいは抜歯等により骨損傷を来し
た場合、骨欠損部あるいは空隙部の充填が必要と
なる。 このような場合、別個体由来の生体骨の移植は
免疫の拒否反応を起こすので、患者本人の肋骨や
腰骨から海綿状自家骨を採取して欠損部に充填す
る方法がとられてきた。しかしこの方法では損傷
個所以外の骨組織を切除するので手術個所が増加
し患者の苦痛も大きく、医師側にとつても多大の
労力を必要としていた。しかも採取できる個所や
量に制限があるので、必ずしも欠損部を十分に補
填し得る量を採取できるわけではなく、代替物の
必要が生じていた。 生体の硬組織代替物としてはステンレス鋼
(SUS316等)、Ti及びTi合金、バイタリウム、プ
ラスチツク等各種の金属ならびに有機物が用いら
れているが、これらは生体に対する親和性が良好
でなく、また骨との結合性も全くなく、しかも使
用中溶解や劣化等を伴ない溶解物が毒性を示すも
のなどもあつた。 そこで、生体組織に対して無害であることはい
うまでもなく親和性や結合性にも優れた材料が要
求されるに至り、これらを満足するものとしてセ
ラミツクス系材料が注目されている。中でも燐酸
カルシウム系セラミツクスは、骨と同じ成分系で
あること、骨と高い親和性を示すこと、しかも骨
との間に化学的結合を形成すること等から注目さ
れるようになつてきた。 燐酸カルシウム系セラミツクスとしては、ヒド
ロキシアパタイト[Ca6(PO4)10(OH)2、以下
HAPと記す]、β−TCP[β−Ca3(PO4)2]及び
OCP[Ca8H2(PO4)6・5H2O]が近年特に注目さ
れている。確かにこれらは他の材料に比べて骨親
和性が良好ではあるが、実際の臨床適用において
は多くの問題を有している。 たとえばHAPよりなる成形体を骨欠損部へ充
填した場合、最終的には自家骨との間に強固な結
合を成形し、且つそれ自身強度的にも優れてはい
るが、骨との初期接合性が悪く治療に長期間を要
するという問題がある。これはHAPが難溶性で
あるため表面部に対する骨芽細胞の侵入性が悪
く、またCaを十分に溶出しないため新生骨の生
成に必要なCaの供給が不十分なためと考えられ
る。一方β−TCPやOCPよりなる成形体では初
期接合性は良いが強度的に問題がある。これはβ
−TCPおよびOCPは溶解性が高いので骨芽細胞
の侵入性や、Ca供給が十分で新生骨の生成が促
されるからであるが、この特性は長期間で考える
と不具合であり、やがて大量の溶解が進行して強
度低下をおこしたり消失してしまうからである。 [発明が解決しようとする問題点] 上記状況に鑑み本発明においては、それ自身高
い強度を有し、しかも初期結合性に優れ、且つ最
終的に強固に結合する代替骨およびその製造方法
について検討した。 [問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決することのできた本発明の代
替骨とはヒドロキシアパタイトを主体とする燐酸
カルシウム化合物の成形体からなり、自家骨との
接触側表層部の一部が非晶質燐酸カルシウムで構
成されたものであることを構成要旨とするもので
あり、中でも表層部の非晶質燐酸カルシウムより
なる部分がアンダーカツト溝形状を形成したもの
は特に高い結合性を有する。また本発明代替骨の
製造に当つては、ヒドロキシアパタイトを主体と
する燐酸カルシウム成形体の表層部の一部であつ
て自家骨との接触側に高エネルギー線を照射する
ことによつて照射部に非晶質燐酸カルシウムを生
成する。 [作用] 本発明を第1図および第2図a〜dを参照して
詳述する。尚第1図は本発明の代替骨1を自家骨
2の欠損部に適用する例、第2図a〜dは代替骨
1を自家骨2の欠損部に適用した際、両者の結合
経過状態を示す断面図である。 本発明の代替骨1はHAPを主体とする燐酸カ
ルシウム成形体1′よりなり、成形体1′の強度が
保たれる限度でβ−TCPやOCPを含有させるこ
ともできる。この様にHAPを主体とするので当
然生体内自家骨2の欠損部に充填した際高強度が
保たれる。しかし前述のようにHAPは難溶性で
あるので代替骨がHAPを主体とする成分で形成
されている限り初期における骨芽細胞の侵入性と
新生骨の生成性が悪い。そこでHAPを主体とす
る成形体の表層部であつて自家骨の接触側全面に
非晶質燐酸カルシウムよりなる層を設けた代替骨
を自家骨の欠損部に充填してやると、非晶質部3
は溶解性が高いのでCaの溶出に伴つて骨芽細胞
の侵入と新生骨の生成が促され、初期結合はすみ
やかにおこなわれたが後述する理由により結合完
了に時間がかかつた。これに対し自家骨2との接
触側の一部に非晶質燐酸カルシウムで構成された
部分3(以下非晶質部3と記す)を設けることと
した。こうしておいて第2図aに示すように本発
明の代替骨1を自家骨2の欠損部に充填してやる
と、前記と同様の理由により、非晶質部3は第2
図bの破線に示すように自家骨2との間に早期に
結合を形成した。さらに時間がたつと第2図cに
示すように非晶質部3は新たに生成した骨組織に
次第に置換されていき、また非晶質部3以外の難
溶性であるHAPを主体とする代替骨1の表層部
と自家骨2との境にも次第に新生骨が生成し結合
する。そして最終的には第2図dに示すように非
晶質部は新生骨組織3′に置換され、HAPを主体
とする部分と自家骨とが破線で示す様に完全に結
合する。 さらにたとえば第3図a,bに示すように代替
骨1における非晶質部3の自家骨2との接触側を
狭幅となるようなアンダーカツト溝形を形成して
おけば自家骨2との結合性に優れたものとなる。 また成形体の表層部の一部に非晶質部を生成さ
せる方法としては、Ca化合物とP化合物を50℃
以下の水溶液中で反応させて得た非晶質燐酸カル
シウムを成形体の表層部の一部に設けても良い
が、水溶液反応で得られた非晶質燐酸カルシウム
は生体に対する異物反応が認められ、改善の余地
があるとともに成形体の製造方法としても難があ
る。またHAPを主体とする成形体の表層部であ
つて自家骨接触側全面に、HAPをターゲツト材
として真空中でスパツタにより非晶質燐酸カルシ
ウム層を設けることはできる。この方法によるも
のは生体に対する異物反応が認めらず、初期結合
性も良いが、非晶質部が自家骨接触側全面に渡つ
ているので初期結合部において非晶質部の溶解が
進行し、HAPと自家骨との完全結合に至るまで
長時間を要する。尚この真空中でスパツタにより
得た非晶質燐酸カルシウムは第1表に示す様な組
成であつた。 本発明者が種々検討した結果、HAPに高エネ
ルギー線を照射すると、HAPが局部的に溶融し、
その高熱が直ちに非照射部方向へ伝熱放散されて
急冷効果を受ける結果、該照射部が非晶質化して
非晶質燐酸カルシウムが得られるということが分
かつた。これは第1表に示したものと同様な非晶
質燐酸カルシウムであつた。
家骨欠損部に対して早期に初期結合すると共に最
終的に強固な結合を形成する代替骨およびその製
造方法に関するものである。 [従来の技術] 事故や疾病あるいは抜歯等により骨損傷を来し
た場合、骨欠損部あるいは空隙部の充填が必要と
なる。 このような場合、別個体由来の生体骨の移植は
免疫の拒否反応を起こすので、患者本人の肋骨や
腰骨から海綿状自家骨を採取して欠損部に充填す
る方法がとられてきた。しかしこの方法では損傷
個所以外の骨組織を切除するので手術個所が増加
し患者の苦痛も大きく、医師側にとつても多大の
労力を必要としていた。しかも採取できる個所や
量に制限があるので、必ずしも欠損部を十分に補
填し得る量を採取できるわけではなく、代替物の
必要が生じていた。 生体の硬組織代替物としてはステンレス鋼
(SUS316等)、Ti及びTi合金、バイタリウム、プ
ラスチツク等各種の金属ならびに有機物が用いら
れているが、これらは生体に対する親和性が良好
でなく、また骨との結合性も全くなく、しかも使
用中溶解や劣化等を伴ない溶解物が毒性を示すも
のなどもあつた。 そこで、生体組織に対して無害であることはい
うまでもなく親和性や結合性にも優れた材料が要
求されるに至り、これらを満足するものとしてセ
ラミツクス系材料が注目されている。中でも燐酸
カルシウム系セラミツクスは、骨と同じ成分系で
あること、骨と高い親和性を示すこと、しかも骨
との間に化学的結合を形成すること等から注目さ
れるようになつてきた。 燐酸カルシウム系セラミツクスとしては、ヒド
ロキシアパタイト[Ca6(PO4)10(OH)2、以下
HAPと記す]、β−TCP[β−Ca3(PO4)2]及び
OCP[Ca8H2(PO4)6・5H2O]が近年特に注目さ
れている。確かにこれらは他の材料に比べて骨親
和性が良好ではあるが、実際の臨床適用において
は多くの問題を有している。 たとえばHAPよりなる成形体を骨欠損部へ充
填した場合、最終的には自家骨との間に強固な結
合を成形し、且つそれ自身強度的にも優れてはい
るが、骨との初期接合性が悪く治療に長期間を要
するという問題がある。これはHAPが難溶性で
あるため表面部に対する骨芽細胞の侵入性が悪
く、またCaを十分に溶出しないため新生骨の生
成に必要なCaの供給が不十分なためと考えられ
る。一方β−TCPやOCPよりなる成形体では初
期接合性は良いが強度的に問題がある。これはβ
−TCPおよびOCPは溶解性が高いので骨芽細胞
の侵入性や、Ca供給が十分で新生骨の生成が促
されるからであるが、この特性は長期間で考える
と不具合であり、やがて大量の溶解が進行して強
度低下をおこしたり消失してしまうからである。 [発明が解決しようとする問題点] 上記状況に鑑み本発明においては、それ自身高
い強度を有し、しかも初期結合性に優れ、且つ最
終的に強固に結合する代替骨およびその製造方法
について検討した。 [問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決することのできた本発明の代
替骨とはヒドロキシアパタイトを主体とする燐酸
カルシウム化合物の成形体からなり、自家骨との
接触側表層部の一部が非晶質燐酸カルシウムで構
成されたものであることを構成要旨とするもので
あり、中でも表層部の非晶質燐酸カルシウムより
なる部分がアンダーカツト溝形状を形成したもの
は特に高い結合性を有する。また本発明代替骨の
製造に当つては、ヒドロキシアパタイトを主体と
する燐酸カルシウム成形体の表層部の一部であつ
て自家骨との接触側に高エネルギー線を照射する
ことによつて照射部に非晶質燐酸カルシウムを生
成する。 [作用] 本発明を第1図および第2図a〜dを参照して
詳述する。尚第1図は本発明の代替骨1を自家骨
2の欠損部に適用する例、第2図a〜dは代替骨
1を自家骨2の欠損部に適用した際、両者の結合
経過状態を示す断面図である。 本発明の代替骨1はHAPを主体とする燐酸カ
ルシウム成形体1′よりなり、成形体1′の強度が
保たれる限度でβ−TCPやOCPを含有させるこ
ともできる。この様にHAPを主体とするので当
然生体内自家骨2の欠損部に充填した際高強度が
保たれる。しかし前述のようにHAPは難溶性で
あるので代替骨がHAPを主体とする成分で形成
されている限り初期における骨芽細胞の侵入性と
新生骨の生成性が悪い。そこでHAPを主体とす
る成形体の表層部であつて自家骨の接触側全面に
非晶質燐酸カルシウムよりなる層を設けた代替骨
を自家骨の欠損部に充填してやると、非晶質部3
は溶解性が高いのでCaの溶出に伴つて骨芽細胞
の侵入と新生骨の生成が促され、初期結合はすみ
やかにおこなわれたが後述する理由により結合完
了に時間がかかつた。これに対し自家骨2との接
触側の一部に非晶質燐酸カルシウムで構成された
部分3(以下非晶質部3と記す)を設けることと
した。こうしておいて第2図aに示すように本発
明の代替骨1を自家骨2の欠損部に充填してやる
と、前記と同様の理由により、非晶質部3は第2
図bの破線に示すように自家骨2との間に早期に
結合を形成した。さらに時間がたつと第2図cに
示すように非晶質部3は新たに生成した骨組織に
次第に置換されていき、また非晶質部3以外の難
溶性であるHAPを主体とする代替骨1の表層部
と自家骨2との境にも次第に新生骨が生成し結合
する。そして最終的には第2図dに示すように非
晶質部は新生骨組織3′に置換され、HAPを主体
とする部分と自家骨とが破線で示す様に完全に結
合する。 さらにたとえば第3図a,bに示すように代替
骨1における非晶質部3の自家骨2との接触側を
狭幅となるようなアンダーカツト溝形を形成して
おけば自家骨2との結合性に優れたものとなる。 また成形体の表層部の一部に非晶質部を生成さ
せる方法としては、Ca化合物とP化合物を50℃
以下の水溶液中で反応させて得た非晶質燐酸カル
シウムを成形体の表層部の一部に設けても良い
が、水溶液反応で得られた非晶質燐酸カルシウム
は生体に対する異物反応が認められ、改善の余地
があるとともに成形体の製造方法としても難があ
る。またHAPを主体とする成形体の表層部であ
つて自家骨接触側全面に、HAPをターゲツト材
として真空中でスパツタにより非晶質燐酸カルシ
ウム層を設けることはできる。この方法によるも
のは生体に対する異物反応が認めらず、初期結合
性も良いが、非晶質部が自家骨接触側全面に渡つ
ているので初期結合部において非晶質部の溶解が
進行し、HAPと自家骨との完全結合に至るまで
長時間を要する。尚この真空中でスパツタにより
得た非晶質燐酸カルシウムは第1表に示す様な組
成であつた。 本発明者が種々検討した結果、HAPに高エネ
ルギー線を照射すると、HAPが局部的に溶融し、
その高熱が直ちに非照射部方向へ伝熱放散されて
急冷効果を受ける結果、該照射部が非晶質化して
非晶質燐酸カルシウムが得られるということが分
かつた。これは第1表に示したものと同様な非晶
質燐酸カルシウムであつた。
【表】
そこで本発明においては、HAPを主体とする
成形体の表層部の一部であつて、自家骨との接触
側に高エネルギー線を照射し、当該照射部に非晶
質部を生成させて本発明の代替骨を得ることとし
た。 高エネルギー線としては赤外線、アーク線、X
線および電子線などが非限定的に例示される。 また高エネルギー線の照射方法は特に限定され
ないが第4図に示すように高エネルギー線の進行
路途中に凹面鏡4を設けて、該凹面鏡4を一定角
度で回転してやると、非晶質部断面にアンダーカ
ツト溝形状のものが得られる。この様なアンダー
カツト溝を有するものは自家骨との間に一層強固
な結合を形成することができる。 また成形体の表層部に高エネルギー線を照射し
て形成させる非晶質部の描画パターンとしては第
5図a〜iに示すものが例示され、この他無数に
描くことができ、これらはいずれも本発明に含ま
れる。これらの照射に当つては、凹面鏡、高エネ
ルギー線源あるいは成形体を制御装置および駆動
装置に連結して描画パターンに応じて適宜移動し
て描く。 [実施例] 実施例 1、2 赤外線イメージ炉の光源と凹面鏡またはアーク
灯の光源と凹面鏡を用いHAP成形体の表層部の
一部に高エネルギー光線束を照射し、照射部を瞬
間的に1500℃以上に高めて溶融し、且つ急冷する
と、照射部表面がガラス光沢を有する試験片が得
られた。X線回折によつて表面照射部には非晶質
相が形成されていることが確認できた。 実施例 3 真空中においたHAP成形体の表層部の一部に
レーザー光線を照射し、照射部を瞬間的に1500℃
以上にして溶融し且つ急冷すると、照射部表面が
ガラス光沢を有する試験片が得られた。X線回折
によつて表面照射部には非晶質相が形成されてい
ることが確認できた。 実施例1、2および3で得られた試験片を兎の
骨組織に適用したところ、いずれも1週間で自家
骨接触側非晶質部に新生骨の生成が見られ2週間
で成形体の周囲に渡つて自家骨との結合が見られ
た。また異物反応は全く認められなかつた。 [発明の効果] 本発明の代替骨はHAPを主体とする成形体よ
りなるので高い強度を有するものであり、また自
家骨との接触側表層部の一部に非晶質部を設ける
ので非晶質部において早期に初期結合がなされる
とともに最終的に代替骨と自家骨とが強固に結合
される。また長期間の使用においても溶出その他
の不具合を生じることはない。
成形体の表層部の一部であつて、自家骨との接触
側に高エネルギー線を照射し、当該照射部に非晶
質部を生成させて本発明の代替骨を得ることとし
た。 高エネルギー線としては赤外線、アーク線、X
線および電子線などが非限定的に例示される。 また高エネルギー線の照射方法は特に限定され
ないが第4図に示すように高エネルギー線の進行
路途中に凹面鏡4を設けて、該凹面鏡4を一定角
度で回転してやると、非晶質部断面にアンダーカ
ツト溝形状のものが得られる。この様なアンダー
カツト溝を有するものは自家骨との間に一層強固
な結合を形成することができる。 また成形体の表層部に高エネルギー線を照射し
て形成させる非晶質部の描画パターンとしては第
5図a〜iに示すものが例示され、この他無数に
描くことができ、これらはいずれも本発明に含ま
れる。これらの照射に当つては、凹面鏡、高エネ
ルギー線源あるいは成形体を制御装置および駆動
装置に連結して描画パターンに応じて適宜移動し
て描く。 [実施例] 実施例 1、2 赤外線イメージ炉の光源と凹面鏡またはアーク
灯の光源と凹面鏡を用いHAP成形体の表層部の
一部に高エネルギー光線束を照射し、照射部を瞬
間的に1500℃以上に高めて溶融し、且つ急冷する
と、照射部表面がガラス光沢を有する試験片が得
られた。X線回折によつて表面照射部には非晶質
相が形成されていることが確認できた。 実施例 3 真空中においたHAP成形体の表層部の一部に
レーザー光線を照射し、照射部を瞬間的に1500℃
以上にして溶融し且つ急冷すると、照射部表面が
ガラス光沢を有する試験片が得られた。X線回折
によつて表面照射部には非晶質相が形成されてい
ることが確認できた。 実施例1、2および3で得られた試験片を兎の
骨組織に適用したところ、いずれも1週間で自家
骨接触側非晶質部に新生骨の生成が見られ2週間
で成形体の周囲に渡つて自家骨との結合が見られ
た。また異物反応は全く認められなかつた。 [発明の効果] 本発明の代替骨はHAPを主体とする成形体よ
りなるので高い強度を有するものであり、また自
家骨との接触側表層部の一部に非晶質部を設ける
ので非晶質部において早期に初期結合がなされる
とともに最終的に代替骨と自家骨とが強固に結合
される。また長期間の使用においても溶出その他
の不具合を生じることはない。
第1図は骨欠損部に代替骨を適用する例を示す
図、第2図a〜dは代替骨を骨欠損部に適用した
後両者が結合して行く状態を示す断面図、第3図
a,bは非晶質部アンダーカツト溝形状例を示す
断面図、第4図は非晶質断面アンダーカツト溝形
状を得るための例を示す図、第5図a〜iは成形
体表層部に形成させる非晶質部描画パターン例を
示す図である。 1……代替骨、1′……成形体、2……自家骨、
3……非晶質部、4……凹面鏡、3′……新生骨
組織。
図、第2図a〜dは代替骨を骨欠損部に適用した
後両者が結合して行く状態を示す断面図、第3図
a,bは非晶質部アンダーカツト溝形状例を示す
断面図、第4図は非晶質断面アンダーカツト溝形
状を得るための例を示す図、第5図a〜iは成形
体表層部に形成させる非晶質部描画パターン例を
示す図である。 1……代替骨、1′……成形体、2……自家骨、
3……非晶質部、4……凹面鏡、3′……新生骨
組織。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ヒドロキシアパタイトを主体とする燐酸カル
シウム化合物の成形体からなり、自家骨との接触
側表層部の一部が非晶質燐酸カルシウムで構成さ
れたものであることを特徴とする代替骨。 2 非晶質燐酸カルシウム部がアンダーカツト溝
形状に形成されたものである特許請求の範囲第1
項記載の代替骨。 3 ヒドロキシアパタイトを主体とする燐酸カル
シウム化合物成形体の表層部に高エネルギー線を
照射して非晶質化させ、自家骨との接触側表層部
の一部が非晶質燐酸カルシウムで構成された代替
骨を得ることを特徴とする代替骨の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62326517A JPH01166765A (ja) | 1987-12-23 | 1987-12-23 | 代替骨およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62326517A JPH01166765A (ja) | 1987-12-23 | 1987-12-23 | 代替骨およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01166765A JPH01166765A (ja) | 1989-06-30 |
JPH0528149B2 true JPH0528149B2 (ja) | 1993-04-23 |
Family
ID=18188717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62326517A Granted JPH01166765A (ja) | 1987-12-23 | 1987-12-23 | 代替骨およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01166765A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08331212A (ja) * | 1995-06-01 | 1996-12-13 | Nec Corp | バイブレータ付携帯電話端末 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20070112434A1 (en) * | 2003-04-01 | 2007-05-17 | Olympus Corporation | Material for repairing biological tissues and process for producing the same |
JP2021137577A (ja) | 2020-03-05 | 2021-09-16 | 邦夫 石川 | 医用ハニカム構造体およびその製造方法、医用組織再建袋、成形型 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56143156A (en) * | 1980-04-09 | 1981-11-07 | Mitsubishi Mining & Cement Co | Filler material of bone deficit part and gap part |
JPS59189841A (ja) * | 1983-04-09 | 1984-10-27 | 三菱鉱業セメント株式会社 | 骨髄腔内充てん用密封栓 |
JPS6269823A (ja) * | 1986-09-12 | 1987-03-31 | Mitsubishi Mining & Cement Co Ltd | りん酸カルシウム質フアイバ− |
JPS62268562A (ja) * | 1986-05-15 | 1987-11-21 | 三菱マテリアル株式会社 | 骨粗鬆症治療用充てん材 |
-
1987
- 1987-12-23 JP JP62326517A patent/JPH01166765A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56143156A (en) * | 1980-04-09 | 1981-11-07 | Mitsubishi Mining & Cement Co | Filler material of bone deficit part and gap part |
JPS59189841A (ja) * | 1983-04-09 | 1984-10-27 | 三菱鉱業セメント株式会社 | 骨髄腔内充てん用密封栓 |
JPS62268562A (ja) * | 1986-05-15 | 1987-11-21 | 三菱マテリアル株式会社 | 骨粗鬆症治療用充てん材 |
JPS6269823A (ja) * | 1986-09-12 | 1987-03-31 | Mitsubishi Mining & Cement Co Ltd | りん酸カルシウム質フアイバ− |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08331212A (ja) * | 1995-06-01 | 1996-12-13 | Nec Corp | バイブレータ付携帯電話端末 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01166765A (ja) | 1989-06-30 |
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