JPS6040298B2 - 骨欠損部及び空隙部充てん材 - Google Patents

骨欠損部及び空隙部充てん材

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JPS6040298B2
JPS6040298B2 JP56110431A JP11043181A JPS6040298B2 JP S6040298 B2 JPS6040298 B2 JP S6040298B2 JP 56110431 A JP56110431 A JP 56110431A JP 11043181 A JP11043181 A JP 11043181A JP S6040298 B2 JPS6040298 B2 JP S6040298B2
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phosphate compound
porous body
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義孝 大久保
啓泰 竹内
恭彬 福田
幹也 尾野
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Mitsubishi Mining and Cement Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は医用材料、特に骨腰場その他によって生ずる骨
欠損部及び空隙部に充てんし、当該個所における新生骨
の形成を促進し、損傷個所の治療後に於て、生体の骨組
織と一体化する無機質材料からなる骨欠損部及び空隙部
充てん材に関する。
交通事故やその他の多岐にわたる事故により発生する高
度な粉砕骨折、および骨種湯の治療のための切除手術、
また歯槽膿漏の悪化などにより骨欠損部あるいは空隙部
が生ずる。その修復を早めるため当該個所の補綴を必要
とする場合に外科、整形外科、歯科などの分野において
いまいざ遭遇する。従来かかる場合においては自家骨ま
たは同種骨および異種骨移植法が行なわれている。これ
らの中では自家骨移植法が最も広く用いられており、他
の方法に比べ骨形成能力に優れ、拒絶反応が少ないなど
の利点が上げられる。しかしながら骨欠損部へ充てんす
る自家骨は患者本人の正常な組織から採取せねばならず
、その苦痛は大きく「また手術に要する労力も多大なも
のが必要とされる。さらに骨欠損部を自家骨だけで補綴
するにはその量に限度があり、該欠損部が広範囲な場合
は充てんするに必要な量が確保できない場合も多い。こ
のような場合には同種骨または異種骨の移植が必要とな
る。同種骨の移植法としては肉親から新鮮骨を採取する
か、冷凍保存骨等を採用する等して充当している。異種
骨移植法ではヒト以外の動物の骨を処理加工して使用す
る方法が試みられており、例えば牛骨の蛋白を除去した
キールボーンと称される材料がある。これら同種骨、異
種骨は移植または鉄槽(ィンプラント)されても患者自
身の拒絶反応により術後の経過は必ずしも良好な結果が
得られていない。このような経緯から上記の欠点のない
材料の開発が望まれているが、生体に埋め込まれる材料
として必然的にその条件が制約される。
そのような条件として入手が容易で「生体に埋め込まれ
た場合に拒絶反応がないなど生体親和性に優れ、且つ周
囲の組織と一体化し、さらには該充てん個所並びにその
周辺部における造骨作用を促進し、骨組織欠損個所の構
造機能の修復及び回復を容易ならしめることが必要とな
る。従来、上記条件に少しでも近づくべく多くの研究が
なされ、数多〈の材料が紹介されてきたが、これら条件
をすべて満足する材料を得るには到っていない。
そのような材料としては各種金属材料、高分子材料など
が用いられているが、金属材料は生体内で化学変化を生
じ金属の渚出や腐蝕およびこれに伴う強度の劣化を招き
、且つ綾出イオンは毒性を示すことが多いなど多くの難
点がある。一方高分子材料は強度的には耐摩耗性が不足
し、未反応モノマ−や不純物の溶出による組織への刺激
や壊死が生じたりする他、発ガン性も指摘されている。
つまりこれら材料は生体用としては親和性に欠けるとい
える。近年、硬組織代替材料として上記の欠点のないセ
ラミックスが注目されている。
一般にセラミックスは生体内の苛酷な条件でも安定であ
り、金属や高分子に比べ非常に生体親和性が良い。生体
用として使われているセラミックスにはアルミナ〔虹2
03〕、カーボン〔C〕、ヒドロキシアパタイト〔Ca
,。(P04)6(OH)2〕、リン酸三カルシウム〔
Ca3(P04)2〕などがあるが、前2者は生体内で
は不活性なため、ィンプラント後も組織学的には単に無
機物質が満たされている状態にすぎずt造骨作用の促進
は望めない他、長期において繰り返し外力が加わると抜
け出ることも考えられる。ヒドロキシアパタィト及びリ
ン酸三カルシウムなどのリン酸カルシウム系化合物は硬
組織内に充てんした場合、骨譲導性をもつため該充てん
物は生体内で新生骨の形成を促進し、且つ周囲の組織と
一体化し「最終的には生体に吸収され新生骨におきかわ
るという生体材料としては理想的な特徴をもつ。またそ
の形状は繊密体より連続気孔を有した多孔体の方が新生
骨の形成が早く、さらには繊密体に比べ患部の形状に適
するように加工しやすい。しかし従来技術ではセラミッ
クスを気孔率の大きな多孔体とすると実用に供する強度
が得られないことから気孔率が大きく、しかも実用上十
分な強度を持つ多孔体の開発が望まれていた。最近、強
度が大きいアルミナの繊密体を芯として、その表面にヒ
ドロキシアパタィトを溶射などによりコ−ティングした
ィンプラント材が考案されているが、非常に高温の処理
となるためヒドロキシアパタィトの分解やリン酸アルミ
ニウムの生成などにより異相の生ずることが考えられ、
またアルミナとヒドロキシアパタィトの熱膨張係数が大
きく異なるため加熱時に剥離することがある。従って、
本発明の一つの目的は生体親和性に優れ、しかも拒絶反
応を伴わず特に短期間に骨組織の形成を促進し、充てん
材自体が生体に吸収置換される骨欠損部及び空隙部充て
ん材を提供することにある。本発明の他の目的は充てん
部における造骨作用を促進し、骨欠損個所の構造及び機
能を特に速やかに修復及び回復せしめる骨欠損部及び空
隙部充てん材を提供することにある。
本発明の更に別の目的は新生骨の形成が特に速やかに行
なわれる骨欠損部及び空隙部充てん材を提供することに
ある。
本発明の別の目的は充てん個所の形状に適した形状に加
工しやすい骨欠損部及び空隙部充てん材を提供すること
にある。
本発明の更に8Uの目的は連続気孔を有した多孔体で実
用上十分な強度を持つ骨欠損部及び空隙部充てん材を提
供することにある。
本発明の上記及びその他の目的は以下の記載からさらに
明らかとなる。
本発明によれば連続気孔を有するリン酸カルシウム系化
合物からなるセラミックス多孔体の骨格にリン酸カルシ
ウム化合物を積層した構造からなり、且つ実質的に三次
元の網状構造を有する骨欠損部及び空隙部充てん材が提
供される。
以下本発明につき詳細に説明する。
本発明者らはリン酸カルシウム系化合物の骨誘導性に着
目し、該化合物を生体中の硬組織に充てんすると、当該
個所に新生骨が形成され、長期にわたっては磯組織と一
体化するという骨誘導性において、ある限られた範囲の
組成を持ち、且つ50000乃至1450℃の温度範囲
の熱処理を加えた場合は新生骨の形成が早く、また該化
合物を充てんする際の形状を連続気孔を有する多孔体と
すると骨誘導性が著しく改善される事実を発見した。
なお、本願明細書に記載のリン酸カルシウム系化合物と
はリン酸及びカルシウムとから構成されるが必要に応じ
他の成分を含み、また結晶質やガラス質など鉱物学的な
構造は限定されない。多孔体の骨格を形成するリン酸カ
ルシウム系化合物の具体的な例としては、リン酸三カル
シウム〔Ca3〔P04)2〕、ヒドロキシアパタイト
〔Ca,。(P04)6(OH)2〕、オキシアパタイ
ト〔Ca,。(P04)60〕、リン酸四カルシウム〔
Ca40(P04)2〕、リン酸カルシウムガラス〔C
a0−P205〕、バイオガラス〔Si02−Ca0−
Cap2−P2Q−B203−Na20−K20−Zn
○〕及び動物の骨の有機物を除去したもの、及びこれら
の混合物等を挙げることができる。また、本願明細書に
記載のリン酸カルシウム化合物とはリン酸とカルシウム
を主成分とする化合物であって結晶水あるいは水酸基を
有する構造のものも含まれる。骨格に積層されるリン酸
カルシウム化合物の具体的な例としてはリン酸三カルシ
ウム〔Ca3(P04)2〕、ヒドロキシアパタイト〔
Ca,。(P04)6(OH)2〕、オキシアパタイト
〔Ca,。(P04)60〕、及び動物の骨の有機物を
除去したもの、もしくはこれらの混合物、またはこれら
とブルツシヤイト〔CaHP04・2日20〕、モネタ
イト〔CaHP04〕、ピロリン酸カルシウム〔Ca2
P207〕、リン酸四カルシウム〔Ca40(P04)
2〕の二種以上の混合物等を挙げることができる。リン
酸カルシウム系化合物は高気孔率を有する多孔体とした
場合、脆い性質となるため、実用に耐えうる強度を得ら
れなかったが、本発明では高温で焼成することにより実
用上十分な強度を持った連続気孔を有するリン酸カルシ
ウム系化合物からなるセラミックスを保持担体とするこ
とが可能であり、その骨格表面にリン酸カルシウム化合
物を積層させ、所定温度で熱処理することにより、いま
まで得られなかった構造と性能を持つ骨誘導性の非常に
良い骨欠損部及び空隙部充てん材を開発するに到った。
保持姪体として用いられるリン酸カルシウム系化合物は
単に保持坦体としての強度を有するだけでなく、骨格表
面に穣層しているリン酸カルシウム化合物が吸収される
骨組織と置換された後にも引続き吸収され骨組織と置換
されるような性質を備えた材料であることが好ましい。
しかし広範囲には保持担体に使用されるリン酸カルシウ
ム系化合物の組成は生体親和性が良く、骨誘導性を備え
ていれば特に限定はされない。本発明においてはリン酸
カルシウム系化合物に積層する構造が1つの大きな特徴
であるため、保持担体は連続気孔を有することが必須の
条件であり、繊密な焼結体や全くの独立気孔を有する多
孔体の場合は内部にリン酸カルシウム化合物を積層させ
る操作が不可能となるばかりか、たとえ生体内に充てん
としても体液の循環や組織の進入ができず新生骨の形成
は充てん材内部においてままならないなど利用価値は少
ない。保持担体としては前記リン酸カルシウム系化合物
からなる多孔体や繊維を組んだものなどが挙げられるが
、リン酸カルシウム系化合物からなり、且つ積層後に実
質的な連続気孔を有し、骨格が三次元の網状構造を保持
していれば特に限定されるものではない。なお、上記実
質的なる語は一部の気孔が閉鎖する部分が必然的に生ず
ることもあるが、全体としては空孔が連鎖し網状の立体
構造が形成されていれば実用上は問題ないことを意味す
る。上記リン酸カルシウム系化合物を連続気孔を有する
保持担体とするには該化合物の微粒子をスラリー化した
後、三次元絹状構造を有する有機質多孔体に付着せしめ
、乾燥し焼成して該有機質多孔体を焼尽する方法がある
。また、ガラス構造を持つ保持担体を得るにはあらかじ
め目的の組成を持つガラスを作製し、該ガラスをポット
ミルなどにて微粉砕してスラリー化した後前記と同様の
方法で達成されるが「焼成温度は競融温度以下でなくて
はならない。上記の方法などにより作られた保持担体の
セラミックス多孔体の骨格表面に骨誘導性の良いリン酸
カルシウム化合物を積層する。
積層されるリン酸カルシウム化合物はカルシウムとリン
のモル比(Ca/P)が1.30以上、1.80を越え
ない組成範囲にあることが好ましい。Ca/Pが1.3
0未満になると熱処理時にピロリン酸カルシウムが大量
に生成し骨形成に好ましくない。またCa/Pが1.8
0を越えると熱処理時にCaOが生成し生体に充てんし
た際に局部的に一時的な悪影響をおよぼすこともある。
これら化合物の積層方法としては微細な粒子を適当な分
散煤に分散して濃度6の重量%以下のスラリーとし、ホ
モジナィザーなどにより十分鱗豚して保持担体中に合浸
し乾燥することにより付着させる。
この際、湿式法で合成したリン酸カルシウム化合物、特
にヒドロキシアパタィトは粒子が極めて微細なため積層
化が容易である。また他の方法としてカルシウムイオン
あるいはリン酸イオンもしくは両者を含む溶液中に保持
担体を浸潰し、上記Ca/Pの範囲内にあるリン酸カル
シウム化合物を析出させ積層することも可能である。本
方法では骨格が核となってリン酸カルシウム化合物の析
出が生じるため積層後の骨格全体が非常に均一な構造と
なり易い。上記により積層されるが方法としてはこれら
に限定されるものではない。上言己の操作により得られ
た連続気孔を有する積層化された多孔体は最も骨形成能
力が発揮されるよう、本発明のもう1つの大きな特徴で
ある熱処理を行なう。この熱処理により特に生体親和性
に優れた骨欠損部及び空隙部充てん材が提供される。2
層以上の積層構造を必要とする場合は前記操作を繰り返
すことにより可能であり、熱処理は最後に行なってもよ
いし、一度穣層して熱処理を行なった後、更にリン酸カ
ルシウム化合物を積層して再び熱処理を行なっても良い
2層以上の積層を行なう場合にはリン酸カルシウム化合
物の付着量を増加させることにより骨誘導性を更に増加
させ、且つ強度の増加をさせることができる。
また、セラミックス多孔体骨格を構成するリン酸力ルシ
ウム系化合物に対し、附着性の良い第1のリン酸カルシ
ウム化合物を横層し、次いでこの第1のリン酸カルシウ
ム化合物に対して附着性がよく且つ骨誘導性の大きい第
2のリン酸カルシウム化合物を積層することもできる。
本発明において最も好ましいリン酸カルシウム系化合物
とリン酸カルシウム化合物との組み合わせはヒドロキシ
アパタィトをli5び○乃至1450ooの高温で十分
焼成して得た珠持担体にヒドロキシアパタイトを積層さ
せた構造の多孔体を50び0乃至1100qoの温度範
囲にて熱処理した充てん材である。
ヒドロキシアパタイトはリン酸カルシウム化合物のなか
で最も骨誘導性の良いものであるが、その中でも500
午0乃至1100q0の温度範囲で熱処理されたヒドロ
キシアパタィトが優れており「生体内に充てんされた場
合すみやかに新生骨の形成を促す。ところが、500℃
乃至1100℃の温度範囲で熱処理されたヒドロキシァ
パタィト多孔体は強度の点で劣るため、1150qo乃
至i450午0の高温で十分焼成した強度の高いものを
保持担体として用い、これにヒドロキシアパタィトを積
層させて500qo乃至1100℃の温度範囲にて熱処
理すれば、強度並びに骨誘導性に優れた充てん材が得ら
れる。なかでも700qo乃至1100ooの温度範囲
で熱処理を行なうと新生骨の形成が特に早く好ましい。
熱処理温度が500q0より低いと生体内に充てんした
場合、該充てん材の骨格は異物巨細胞により取り囲まれ
周囲の新生骨の形成はほとんど望めない。
また1100qCを越える温度で熱処理をした充てん材
の新生骨の形成は遅く、骨格周囲に認められる新生骨梁
は幅が狭く、談充てん個所の修復は長期を要する。しか
し上記漫度範囲で熱処理した場合は異物反応の形跡は全
く認められず、充てん後わずか1週間‐で新生骨が形成
され、その後も周囲に認められる骨芽細砲により活発な
骨形成が進められ該充てん個所の完全修復がなされる。
熱処理後、得られた充てん材の気孔寸度は0.05肋以
上で、3.0物舷を越えない範囲にあることが望ましい
0.05肋より小さいと充てん材内部の新生骨の形成は
非常に遅く好ましくない。
また最大寸度が3。0仇豚を越えると気孔内での新生骨
の形成充満に長時間を要するため適当でない。
上記の方法による充てん材の気孔率は蔭層して熱処理し
た場合、30%乃至98%となるが、しかし気孔率が4
0%以下となると生体に充てん後、骨組織と一体化する
までの期間が長く、逆に97%を越えると強度が弱く取
り扱いにくいため実用的でない。
また充てん材の量が不足するため新生骨の形成が不十分
となり本発明の目的を達成しにくくなるため好ましくな
い。以上のように、本発明の充てん材は連続気孔を持ち
、実質的に三次元の網状構造を持つため該充てん材の全
体に組織が侵入することを容易ならしめ、ひいては新生
骨の形成を促す。
また該充てん材は骨誘導性を持つリン酸カルシウム系化
合物より構成され、その骨格表面には特に骨譲導性に優
れたリン酸カルシウム化合物を積層する。さらに最適の
骨誘導性を付与するため熱処理を行なうことにより、生
体内に充てんした場合、拒絶反応を伴わず充てん個所の
造骨作用を促進し、患部の構造及び機能を特に速やかに
修復及び回復することが可能である。しかも最終的には
充てん材自体は生体に吸収され、自家骨で順次置換され
る硬組織代替材料としては理想的なものである。また本
発明は積層構造を有することにより骨誘導性を改善でき
るだけでなく、保持担特を高温で十分競結させることが
可能となり、連続気孔を持ち三次元の総状構造を持つ多
孔体としては従来になく非常に大きな強度を与えること
ができる。
本発明による充てん材は外科、整形外科においては骨欠
損部または空隙部の充てん材として、また歯科では抜歯
後の顎堤の低下防止や歯槽膿漏の治療で必要とされる充
てん材としても用いられる他、生体全般にわたる硬組織
代替材料として利用可能である。以下、本発明を実施例
によりさらに具体的に説明する。
〔実施例 1〕各々、ヒドロキシアパタィト、IJン酸
三カルシウム、非晶質リン酸カルシウムからなる各原料
粉末に水及び起泡剤としてポリオキシェチレンソルビタ
ンモノラウレートを加えてスラリー化し、有機質多孔体
をこの中に浸し膨張圧縮を繰り返すことによりスラリ−
を発泡させながら談多孔体中に含浸せしめ、乾燥後、焼
成して該有機質多孔体を焼尽する方法により平均気孔寸
度が0.5側であるヒドロキシアパタィトA、リン酸三
カルシウムB、非晶質リン酸カルシウム(Ca/P=1
.00)C、の多孔体を作成した。
また、牛の海綿状骨を仮擁して有機物を除いた多孔体○
を作成した。これら多孔体の気孔率は各々90%A、9
0%B、87%C、81%Dであり、連続気孔を有する
三次元の網状構造を有していた。湿式法により合成した
ヒドロキシアパタィト懸濁液を脱水することにより含水
率8岬t%のスラリ‐を得た。このスラリ‐に分散媒と
してエチルアルコールを加えヒドロキシアパタィト濃度
を1匹重量%とし、ホモジナィザーにて十分鱗豚した。
該スラリーが多孔体内部まで均一になるよう十分に含浸
させ、105qoで乾燥した。しかしCについては付着
量が少なかったので再度積層を行なった。得られた多孔
体を800qoで3時間熱処理し、気孔率と圧縮強さの
測定を行なった。その結果を表に示す。また熱処理後の
多孔体はDにおいて多少の気孔の閉鎖部分があったもの
の、実質的に連続気孔を持つ三次元の網状構造を有して
いた。強度試験結果から実用上十分な強度を持つことが
判断できる。〔実施例 2〕 実施例1と同様の方法で作製し、同機に積層して熱処理
を施した多孔体A,B,C,Dの骨誘導性を観察するた
め動物実験を実施した。
比較としてAの積層前の多孔体Eも用いた。大の大腿骨
に人為的に作製した骨欠損部(4側め×5物L)に上記
多孔体5種類を充てんし、以後の経過を観察した。その
結果、A,B,C,Dは充てんののち僅か1週間で該多
孔体骨格表面に新生骨の形成が認められ、異物反応の形
跡はまったく観察されなかった。
充てん後4週間では新生骨の形成が著しく、多孔体の空
孔内の大部分が新生骨によって埋められていた。また3
ケ月経過後の観察によれば骨欠損部は新生骨により完全
に修復されており、周辺の骨組織と一体化していた。B
では充てん後4週において、Aの1週間における新生骨
の形成より若干多めの新生骨が認められる程度で、3ケ
月経過後においても骨欠損部の完全な修復には到ってい
なかった。この結果より骨譲導性の良いリン酸カルシウ
ム化合物を積層することにより新生骨の形成が速やかに
行なわれ、患部の治癒が早められることは明白である。
〔実施例 3〕 塩化カルシウム〔CaC12〕とリン酸二アンモニウム
〔(NH4)2HP04〕を蒸留水に溶解せしめCa2
十〜50の9/夕とP043‐70雌/夕を含む溶液を
あらかじめ作製しておき「実施例1と同様の方法で作製
したヒドロキシアパタィトの保持担体をこの溶液に浸し
、溶液をゆっくり循環させながら骨格表面にリン酸カル
シウムの析出を行なった。
溶液中のCa2十とP043−は適宜不足分を添加し、
且つPH=7.0に調整しながら7日間析出を行なった
。溶液より取り出し、乾燥した後の気孔率は80%であ
り、保持担体のそれより9%低下していた。多孔体の内
部を走査型電子顕微鏡により観察すると、保持笹体の骨
格表面の全体に厚さ数ミクロンにわたって微粒子が析出
していることが確認された。積層後の多孔体を各々30
0qC、500℃、700℃、90000、1100o
o、1300つ0の各温度で3時間熱処理を行ない、実
施例2と同様の方法で2週後における骨誘導性を実験し
た。500℃、70000、900℃、110000で
熱処理した場合は該多孔体の空孔部の多くは新生骨によ
り満たされ、骨誘導性が優れていると判断される。
しかし、熱処理温度が300℃では該多孔体の骨格表面
の一部に異物巨細胞が認められるとともに新生骨の形成
はは見られず、1300qoにおいては部分的に新生骨
が空孔を満たしているがその量は少なく、これらの熱処
理温度は好ましくないといえる。熱処理後の化合物を確
認するため各温度の多孔体のX線回折を行なったところ
、300午○で熱処理した多孔体のX線折パターンはヒ
ドロキシアパタイトのものであるが、回折ピークは保持
担体のみのそれよりブロードであり析出物は無定形に近
いので結晶性は低いものであることが予想される。50
0℃以上で熱処理した多孔体は純粋なヒドロキシアバタ
ィトのみの回折ピークであった。
〔実施例 4〕 実施例1と同様の方法によりヒドロキシアパタィトをア
ルミナよりなる三次元の網状構造を持つ多孔体を製造し
保持担体とした。
積層するリン酸カルシウムは0.9ho】/その水酸化
カルシウム懸濁液を燈拝しながらリン酸水溶液を滴下し
、PHを調整することによりカルシウムとリンのモル比
がそれぞれ1.10、1.32、1.67、1.791
.98である非晶質リン酸カルシウムを合成して得た。
これらのスラリーーを実施例1と同様の方法で積層して
、各々のスラリーに対応した多孔体F,G,日,1,J
を得た。またCa/P=1.67のスラリーについては
アルミナを保持担体とした多孔体Kを同様な方法で作製
した。積層後1000qoで3時間熱処理したがKにつ
いてはアルミナとリン酸カルシウムとの接触面で剥離が
生じ、積層化は無理であった。F,G,日,1,Jにつ
いては保持担体との接着が良く且つ実質的に連続気孔を
持ち、実用上十分な強度を持つ多孔体であった。また実
施例2と同機な方法で該多孔体を大の大腿骨に充てんし
、4週後の新生骨の形成状態を観察した結果、G,日,
1の充てん材においては拒絶反応は全く見られず、多孔
体の空孔内は新生骨によりほとんど満たされていたが、
FとJについては新生骨の形成は少量しか認められなか
った。F,日,Jの熱処理後の試料につきX線回折を行
なったところFはピロリン酸カルシウムが、JにはCa
○が大量に含まれていた。日についてはヒドロキシアパ
タィトのみの回折パターンであった。〔実施例 5〕底
部付近にノズルを有する耐熱ルッボに熔融したリン酸三
カルシウムを入れ、該ノズル出口に高圧ガスを吹きつけ
ることによりファイバーをつくり、細長化した綿状のリ
ン酸カルシウムファイバーを得た。
前述の実施例4の方法でヒドロキシアパタィトの積層を
行ない、800qoで3時間熱処理して実質的に連続気
孔を有する多孔体様の構造物を得た。大の大腿骨に人為
的に骨欠損部を形成せしめ(4側め×5肋L)、該綿状
のファイバーを充てんし以後の経過を観察した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 連続気孔を有するリン酸カルシウム系化合物からな
    るセラミツクス多孔体の骨格に、リン酸カルシウム化合
    物を積層し熱処理した構造からなり、且つ実質的に三次
    元の網状構造を有する骨欠損部及び空隙部充てん材。 2 前記セラミツクス骨格に積層されるリン酸カルシウ
    ム化合物にカルシウムとリンのモル比が1.30乃至1
    .80の範囲であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の充てん材。 3 前記リン酸カルシウム化合物がヒドロキシアパタイ
    トおよび/またはリン酸三カルシウムからなることを特
    徴とする特許請求の範囲第2項記載の充てん材。 4 連続気孔を有するリン酸カルシウム系化合物からな
    る前記セラミツクス多孔体の骨格に、カルシウムイオン
    および/またはリン酸イオンを含む溶液からヒドロキシ
    アパタイトを析出させて積層したことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の充てん材。 5 前記リン酸カルシウム化合物をヒドロキシアパタイ
    トとし、該充てん材を500℃乃至1100℃の温度範
    囲で熱処理することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の充てん材。 6 前記リン酸カルシウム系化合物からなるセラミツク
    ス多孔体を1150℃乃至1450℃にて焼成すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の充てん材。 7 前記リン酸カルシウム化合物を濃度60重量%以下
    のスラリーとし前記セラミツクス多孔体に該スラリーを
    含浸させて積層したことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の充てん材。 8 該充てん材の気孔率が40%乃至97%の範囲にあ
    る特許請求の範囲第1項記載の充てん材。
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