JPH05279775A - 自動車ボディパネル用アルミニウム合金板 - Google Patents

自動車ボディパネル用アルミニウム合金板

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JPH05279775A
JPH05279775A JP6563991A JP6563991A JPH05279775A JP H05279775 A JPH05279775 A JP H05279775A JP 6563991 A JP6563991 A JP 6563991A JP 6563991 A JP6563991 A JP 6563991A JP H05279775 A JPH05279775 A JP H05279775A
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Kiyoshi Nosetani
精 野世溪
Yoshio Takeshima
義雄 竹島
Akihiro Kiyotani
明弘 清谷
Tatsuya Hikita
達也 疋田
Hideyuki Uto
秀之 宇都
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ラウリン酸、ミリスチン酸、カプリン酸など
低・中鎖脂肪酸のナトリウム塩またはカリウム塩を、表
面塗布量が 150〜2500mg/m2 になるように塗布した自動
車ボディパネル用のアルミニウム合金板。 【効果】 表面に塗布されている低・中鎖脂肪酸のアル
カリ金属塩が独特の潤滑機能を示し、少ない塗布量から
スポット溶接性および脱脂性を損ねることなしにプレス
時の割れや傷の発生を効果的に軽減する効果を発揮す
る。したがって、プレス工程の能率向上、装置をはじめ
作業環境の清浄化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のボディパネル
として使用するためのアルミニウム合金板、特にプレス
成形性に優れる自動車ボディパネル用アルミニウム合金
板に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車用のボディパネルは、鋼板
材料をプレス成形、溶接、脱脂および化成処理したのち
表面塗装する工程を経て製造される。この際、プレス成
形工程では成形を円滑化するために潤滑油が使用されて
おり、通常、後工程における脱脂効率を考慮して防錆油
と呼ばれる低粘度油が多く用いられている。ところが、
自動車ボディパネル用のアルミニウム合金板は従来材質
の冷延鋼板に比べて成形性が劣るため、製品形状によっ
ては前記のような潤滑油を用いてもプレス割れを起こす
ことがある。
【0003】このようなプレス割れを防止するために
は、プレス成形時に材料の金型への流入量を多くするこ
とが有効であり、また試作段階ではプレス油と呼ばれる
高粘度油やポリ塩化ビニル(PVC) のフィルムが用いられ
ることがある。しかし、高粘度のプレス油を使用すると
脱脂工程の処理能力が減退し、他方、ポリ塩化ビニルフ
ィルムを使用すると容易に破損して金型に付着するため
剥離作業が必要となる等、いずれも量産化に対しては有
効な手段とはいえない。
【0004】本発明者らは、低粘度油を用いても良好な
潤滑性が得られ、スポット溶接性や脱脂性などを損ねる
ことなしに円滑にプレス成形できる成分として高級脂肪
酸のアルカリ金属塩が有効であることを解明し、すでに
該成分を表面に塗布した自動車ボディパネル用アルミニ
ウム合金板を提案した(特願平2−303038号) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、引き続き有
効な表面処理剤について研究を重ねた結果、低・中鎖脂
肪酸のアルカリ金属塩を用いると、より少ない塗布量で
も同等の表面潤滑性を付与することができることを実証
して開発に至ったものである。したがって、本発明の目
的は、スポット溶接性、脱脂性などを減退させることな
くプレス成形に好適な表面潤滑性を付与した自動車ボデ
ィパネル用アルミニウム合金板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による自動車ボディパネル用アルミニウム合
金板は、低・中鎖脂肪酸のアルカリ金属塩を表面に塗布
してなることを構成上の特徴とする。
【0007】本発明に有効な低・中鎖脂肪酸としては、
ラウリン酸、ミリスチン酸またはカプリン酸を挙げるこ
とができ、アルカリ金属塩には主にナトリウム塩または
カリウム塩が用いられる。したがって、ラウリン酸、ミ
リスチン酸またはカプリン酸から選択された低・中鎖脂
肪酸のナトリウム塩もしくはカリウム塩が、本発明の目
的に好適な表面処理剤となる。
【0008】これらの表面処理剤は、通常、水溶液の状
態でアルミニウム合金板の表面にバーコータ等を用いて
塗布し、引き続き乾燥処理を施す。本発明においては、
乾燥後の表面塗布量が150mg/m2と少ない量から良好な表
面潤滑性の付与効果が現出する。しかし、この表面塗布
量が150mg/m2未満になると潤滑性が不足し、他方、2500
mg/m2 を越えるとスポット溶接性および脱脂性が減退す
る。したがって、好ましい表面塗布量は 150〜2500mg/m
2 の範囲である。
【0009】本発明による自動車ボディパネル用アルミ
ニウム合金板は、上記の表面処理を施した状態で素材製
品として供給され、プレス成形以後の工程を経てボディ
パネルが形成される。なお、通常、プレス成形の直前に
塗布される潤滑油は、本発明の表面処理剤を塗布・乾燥
したのちに予め塗布しておくこともできる。
【0010】
【作用】本発明の自動車ボディパネル用アルミニウム合
金板面に塗布された低・中鎖脂肪酸のアルカリ金属塩
は、150mg/m2という少ない表面塗布量から優れた潤滑性
能を付与し、プレス成形性を改善するために有効機能す
る。したがって、プレス時に通常の潤滑油を使用するだ
けで材料自体の成形性不足に起因する成形割れ現象は効
果的に減少し、円滑なプレス成形が可能となる。また、
製品形状によっては潤滑油を使用せずにプレス成形をお
こなうことも可能である。
【0011】また、本発明で表面処理剤とする低・中鎖
脂肪酸のアルカリ金属塩は、スポット溶接性および脱脂
性を低下させることはなく、機器類を汚損することもな
い。そのうえ、一般の鉱油に常温で溶解することがない
から、出荷後のハンドリング等で付着する異物を除去す
るための低粘度油による洗浄に際しても潤滑性が損なわ
れることはない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例 板厚1mmの自動車ボディパネル用アルミニウム合金板
(合金組成Al-4.5%Mg-0.3%Cuの焼鈍材) を酸性脱脂剤で
洗浄したのち、その上下面に低・中鎖脂肪酸に属するラ
ウリン酸ナトリウム水溶液(濃度2 〜15%) をNo.7
のバーコータにより塗布量を変えて塗布し、室温で乾燥
した。
【0013】このようにして表面処理を施した各自動車
ボディパネル用アルミニウム合金板を用い、「塗油な
し」および「塗油あり」の両条件における潤滑性、スポ
ット溶接性および脱脂性の調査試験をおこなった。な
お、潤滑油には防錆油〔油研工業(株)製 RP-75N)を使
用し、塗布量を潤滑性の試験時には5000mg/m2 、スポッ
ト溶接性と脱脂性試験時には400mg/m2に設定して塗油し
たものを試験に供した。
【0014】各性能調査は、次の試験ならびに評価方法
によった。 (1) 潤滑性 図1に示す試験装置をダイクッション付クランクプレス
にセットし、ダイス2を押し下げて材料1にダイス2と
板押え3とにより板押え力Hを加える。ついで図2に示
すようにポンチ4によって円弧曲げ加工を施す。この際
のポンチ4に作用する加工力Pおよびダイス2に作用す
る該加工力Pと板押え力Hの和(H+P)をロードセル
で測定して図3に例示するチャートを得、このチャート
から下死点における板押え力Hと加工力Pを読み取る。
ダイクッションのエア圧を変えて同様の試験をおこな
い、板押え力Hと加工力Pの関係を図4のように求め
る。そして、図4における勾配μ(摩擦係数)の大小か
ら潤滑性を評価する。潤滑性の良否評価は、下記の基準
で判定する。 ○ : 勾配μが 0.1以下 □ : 勾配μが 0.1〜0.15 △ : 勾配μが 0.15 〜0.2 × : 勾配μが 0.2以上
【0015】(2) スポット溶接性 溶接電流 23KA 、三相低周波式、溶接加圧力 320kgf 、
フォージ加圧力 920kgf 、クロム銅電極(直径 16mm)の
条件でスポット溶接をおこない、その際の連続溶接可能
回数の度合からスポット溶接性を評価する。連続溶接可
能回数は連続溶接試験における溶接部の引張剪断強さに
より判定し、溶接開始からの引張剪断強さの平均値が25
8kg/点以上で、かつ最小値が 166kgf/点以上である連続
スポット溶接回数により定める。なお、表面処理によっ
ては接触抵抗が大きくなるため電極と材料との接触部分
の発熱量が過大となり、電極の損傷が増大して連続溶接
可能回数が低下することになる。 スポット溶接性の良否は、下記の基準で評価する。 ○ : 連続溶接可能回数が 400回以上 △ : 連続溶接可能回数が 100〜400 回 × : 連続溶接可能回数が 100回未満
【0016】(3) 脱脂性 材料を、アルカリ系脱脂剤〔日本パーカライジング
(株)製 FCL-4460 〕にラウリン酸ナトリウム 2g/l と
防錆油〔油研工業(株)製 RP-75N 〕0.8g/lを添加した
脱脂液に温度43℃、時間2分間の条件で浸漬処理する。
脱脂性の評価は、浸漬処理した試験片両面の水濡れ性を
目視し、その面積率により下記の基準で判定する。 ○ : 水濡れ性が 100% △ : 水濡れ性が80%以上 × : 水濡れ性が80%未満
【0017】上記の各試験結果(実施例)を、塗布した
ラウリン酸ナトリウムの塗布量と対比させて表1に示し
た。比較のために、同一アルミニウム合金板にオレイン
酸ナトリウムを塗布した例、同一アルミニウム合金板に
鋼板潤滑処理に実用されているアクリル酸ポリマーを塗
布した例および無処理の例を比較例として表1に併載し
た。
【0018】
【表1】
【0019】表1から、実施例では「塗油あり」の条件
において塗布量が150mg/m2から実用的な潤滑性能が付与
され、2500mg/m2 の塗布量範囲までスポット溶接性、脱
脂性を含めて比較例よりも優れた結果を示すことが認め
られる。
【0020】なお、実施例のラウリン酸ナトリウムに代
えてミリスチン酸またはカプリン酸のナトリウム塩およ
びカリウム塩を塗布成分とした場合にも同様の結果が得
られた。
【0021】
【発明の効果】以上のとおり、本発明で提供される自動
車ボディパネル用アルミニウム合金板によれば、表面に
塗布されている低・中鎖脂肪酸のアルカリ金属塩が独特
の潤滑機能を示し、少ない塗布量からスポット溶接性お
よび脱脂性を損ねることなしにプレス時の割れや傷の発
生を効果的に軽減する効果を発揮する。そのうえ、製品
形状によっては、潤滑油などを塗油する必要なしにプレ
ス成形することが可能となるから、プレス工程の能率向
上、装置をはじめ作業環境の清浄化が図れる等の産業的
効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】潤滑性試験に用いた装置の説明図である。
【図2】潤滑性試験に用いた装置の説明図である。
【図3】潤滑性試験の荷重チャート例である。
【図4】潤滑性試験の評価グラフを示したものである。
【符号の説明】
1 材料 2 ダイス 3 板押え 4 ポンチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:00 A 8217−4H 40:24 A 8217−4H (72)発明者 疋田 達也 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 宇都 秀之 愛知県名古屋市港区千年3丁目1番12号 住友軽金属工業株式会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低・中鎖脂肪酸のアルカリ金属塩を表面
    に塗布したことを特徴とする自動車ボディパネル用アル
    ミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 低・中鎖脂肪酸のアルカリ金属塩が、ラ
    ウリン酸、ミリスチン酸またはカプリン酸のナトリウム
    塩もしくはカリウム塩である請求項1記載の自動車ボデ
    ィパネル用アルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】 低・中鎖脂肪酸のアルカリ金属塩の表面
    塗布量が、 150〜2500mg/m2 の範囲にある請求項1記載
    の自動車ボディパネル用アルミニウム合金板。
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