JP3348361B2 - プレス成形性の優れたチタン板及びその表面処理方法 - Google Patents
プレス成形性の優れたチタン板及びその表面処理方法Info
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Description
皮膜を生成させることにより高深絞りプレス成形を可能
とするチタン板及びその表面処理方法に関するものであ
る。
しては全く腐食しない特性であることから、海水熱交換
器等に使用されており、中でも板材はプレート式熱交換
器に多く使用されている。このプレート式熱交換器は、
伝熱効率を向上させるため、表面を凹凸形状にするため
のプレス成形を行う。近年、より一層の伝熱効率向上の
ため、板厚の薄肉化、また表面凹凸の複雑化等のニーズ
により、局部的なくびれ或いは割れ防止の観点から、よ
り成形性の優れたものが要求されるようになってきた。
充分に行う必要がある。この点について、例えば特開昭
63−174749号公報が開示されているが、該方法
では潤滑剤キャリアの鉄、亜鉛合金層を形成させ、その
後燐酸亜鉛処理して潤滑剤塗布といった多数の工程が必
要である。また、チタン板の材質面からは、割れの原因
のひとつに、チタンが六方晶であるが故の異方性があ
る。そのため、例えば、特開昭60−82227号公報
には、通常の圧延方向と直角に圧延して、異方性を低減
する方法がある。しかし、この方法では、コイル状に圧
延した素材板を切断して、再度圧延するという極めて不
効率な方法を取らざるを得ない。
方法として、大気加熱による酸化皮膜が工具との焼き付
け防止に効果があるとの報告(塑性加工学会・第13回
春季講演大会講演集の第143頁)がある。該報告は板
及び線材を冷間加工で製造する上での途中工程における
技術であり、その表面が最終製品表面とは必ずしも一致
しない。そのため、表面の不均一性等には特に言及され
ていない。つまり、大気のような気体雰囲気中での表面
処理方法は表面の不均一性が問題となり、また、その制
御は極めて困難である。従って、本発明のように均一に
表面処理した表面がそのまま最終製品の表面になる場合
には適用できない。さらに、該報告では、表面酸化皮膜
の厚さとプレス成形性との関係には何ら言及されていな
い。
で製造したチタン板に簡便な処理を施して、表面に酸化
皮膜を生成させることによって、高深絞りプレス成形性
を向上させることを目的とするものである。
のプレス成形性を向上させるために種々の検討を行った
結果、以下の知見を見出した。 (1)プレス成形時にくびれ、割れが発生するのは、チ
タン板とプレス金型との潤滑不良により、変形が局部的
に集中するためである。従って、材質的に成形性を向上
させても割れ防止には限界がある。 (2)アルカリ溶液を用いれば、素材表面の汚れ、油脂
等の除去を同時に行い、且つ電流を加えることによっ
て、均一にムラなく表面酸化皮膜を形成することが可能
であり、プレス成形性の優れたチタン板が得られる。 (3)比較的高濃度のアルカリ溶液を用いて、且つ高い
電流密度を加えることによって、短時間に所定の表面酸
化皮膜を形成することが可能である。 (4)表面酸化皮膜の厚さが25nmから著しくプレス性
が向上して、60nmになるとその効果が飽和する傾向で
ある。
り、その要旨とするところは以下の通りである。 (1)チタン板の製造において、該チタン板をアルカリ
溶質が重量%にて1%以上のアルカリ溶液中に浸漬し、
且つ該チタン板に40mA/cm2 以上の電流を付加するこ
とによって板の表面に厚さ25〜60nmの酸化皮膜を生
成させることを特徴とするプレス成形性の優れたチタン
板の表面処理方法。 (2)チタン板の製造において、該チタン板をアルカリ
溶質が重量%にて10%以上のアルカリ溶液中に浸漬
し、且つ該チタン板に100mA/cm2 以上の電流を30
秒以下付加することによって、板の表面に厚さ25〜6
0nmの酸化皮膜を生成させることを特徴とするプレス成
形性の優れたチタン板の表面処理方法。 (3)表面に25〜60nmの厚さの酸化皮膜を有するこ
とを特徴とするプレス成形性の優れたチタン板。 なお、ここで言う酸化皮膜の厚さとは、表面の酸素富化
層の内、酸素濃度が原子%にて2%以上含有する層の厚
さと定めた。
タン板は、工業用純チタンJIS1〜3種相当の材料、
またそれらにPdを添加した材料、或いはTi−3Al
−2.5V,Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al等
の加工性の優れたチタン合金等、プレス成形に供される
あらゆる種類の材料である。また、製造履歴については
特に限定されないが、従来の方法で製造された板に本発
明を適用すればよい。
流密度の条件については、所定の酸化皮膜厚さが得られ
る条件であればよい。ただし、アルカリ溶質について
は、水酸化ナトリウム等を用いればよく、その濃度は高
い方が酸化皮膜が厚くなり、1%以上あれば25nmの酸
化皮膜の付与が可能であり、プレス成形性が著しく向上
する。溶液の温度は、常温でも60℃等の温度域でもそ
の効果は同じで、特に限定されない。また電流密度に関
しては、40mA/cm2 未満では目的とする厚さの酸化皮
膜を形成するために相当な長時間を要し工業的に問題が
ある。酸化皮膜が厚い程、その潤滑効果は向上するので
あるが、厚すぎると、外見上、またプレス加工表面に光
沢ムラが生じるため、400mA/cm2 以下が望ましい。
保持時間については、少なくとも5秒以上が望ましい。
上するが、工業的観点から、より短時間処理が望まし
い。従って、アルカリ溶液の濃度及び電流密度を検討し
た結果、アルカリ溶液の濃度が10%以上で且つ電流密
度が100mA/cm2 以上であれば、30秒以下の時間で
も所定の酸化皮膜が生成できることがわかった。必要以
上にアルカリ溶液の高濃度化、また高い電流密度は製造
コストの観点から工業的に望ましくなく、そのためアル
カリ溶液の濃度は50%以下及び電流密度は300mA/
cm2 以下が望ましい。
満ではプレス成形性が向上せず、25nmから著しく向上
するので、25nm以上とした。酸化皮膜が厚くなるほど
プレス成形性は向上するのでその上限は特に限定されな
いが、60nmからその効果は飽和する傾向がある。
mmの材料を用いて、水酸化ナトリウム溶液中にて種々の
電流を加えて酸化皮膜を生成させた後、プレス成形性を
エリクセン試験法(JIS B法)によって評価した。
その結果を表1に示す。また、これらの結果から、表面
酸化皮膜とエリクセン値との関係を図1に示す。表1か
ら、表面皮膜厚さが25nm以上になるとエリクセン値が
格段に向上することがわかる。
処理を付与するのみでプレス成形性が格段に向上し、従
来できなかった複雑形状のプレス加工が可能となり、そ
の工業的効果は著しい。
エリクセン試験によるプレス性評価結果の図表である。
Claims (3)
- 【請求項1】 チタン板の製造において、該チタン板を
アルカリ溶質が重量%にて1%以上のアルカリ溶液中に
浸漬し、且つ該チタン板に40mA/cm2 以上の電流を付
加することによって、板の表面に厚さ25〜60nmの酸
化皮膜を生成させることを特徴とするプレス成形性の優
れたチタン板の表面処理方法。 - 【請求項2】 チタン板をアルカリ溶質が重量%にて1
0%以上のアルカリ溶液中に浸漬し、且つ該チタン板に
100mA/cm2 以上の電流を30秒以下付加することに
よって、板の表面に厚さ25〜60nmの酸化皮膜を生成
させることを特徴とする請求項1記載のプレス成形性の
優れたチタン板の表面処理方法。 - 【請求項3】 表面に25〜60nmの厚さの酸化皮膜を
有することを特徴とするプレス成形性の優れたチタン
板。
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JP32824992A JP3348361B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | プレス成形性の優れたチタン板及びその表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32824992A JP3348361B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | プレス成形性の優れたチタン板及びその表面処理方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06173083A JPH06173083A (ja) | 1994-06-21 |
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ID=18208106
Family Applications (1)
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JP32824992A Expired - Fee Related JP3348361B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | プレス成形性の優れたチタン板及びその表面処理方法 |
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-
1992
- 1992-12-08 JP JP32824992A patent/JP3348361B2/ja not_active Expired - Fee Related
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