JPH05279676A - エマルジョン燃料の燃焼法およびその装置 - Google Patents

エマルジョン燃料の燃焼法およびその装置

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JPH05279676A
JPH05279676A JP8498891A JP8498891A JPH05279676A JP H05279676 A JPH05279676 A JP H05279676A JP 8498891 A JP8498891 A JP 8498891A JP 8498891 A JP8498891 A JP 8498891A JP H05279676 A JPH05279676 A JP H05279676A
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oil
emulsion
steam
emulsion fuel
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Yoshitaka Takahashi
芳孝 高橋
Masumi Tanigawa
真清 谷川
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高粘性残渣油などの高流動点重質油を、低い温
度でハンドリングが可能な低粘性の水中油滴分散形エマ
ルジョン燃料となし、低NOx、低ばいじん燃焼をはか
る。 【構成】エマルジョン燃料をバーナ部に供給し、炉内に
噴霧して燃焼させるエマルジョン燃料の燃焼方法におい
て、高粘性の燃料を蒸気と共に噴出させて微粒化する混
合部と、微粒化した燃料に水中油滴分散形の乳化剤(界
面活性剤など)または必要に応じて燃焼触媒、腐食防止
剤を導入する混合部を有する混合器を設けて、直接的に
低粘性の水中油滴分散型のエマルジョン燃料を形成させ
て噴霧燃焼させる方法およびその装置。 【効果】高流動点重質油をバーナで噴霧させるための加
熱設備および加熱エネルギが不要となり、また低い温度
でハンドリングできるので管路の設計温度が低くなり配
管材料および断熱材など設備費およびランニング費用の
低減がはかられる。そのうえ、低NOx、低ばいじん燃
焼が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高流動点重質油などのエ
マルジョン燃料の燃焼法およびその装置に係り、特に重
質油を容易にハンドリングし、かつ低NOx、低ばいじ
ん燃焼が可能な水中油滴分散形エマルジョン燃料の燃焼
方法およびそれを実施する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の化石燃料の利用は、その埋蔵量が
有限なことから年々多様化を極め、石油や石炭、天然ガ
ス等の中でも個々の性状が広範囲に及ぶようになってき
た。例えば、石油においては、環境問題等を考慮して硫
黄分や窒素分の少ない原油を選択して輸入することが可
能であったが、近年および将来において、原油の価格や
資源保全等の点からユーザの自由な選択の幅が小さくな
りつつある。特に、油の場合においては、精製過程にお
いて発生する残渣分の利用拡大や高流動点油等の有効な
利用が将来においても大きな課題の一つとしてあげられ
ている。これらの油は、いずれも常温では流動性がほと
んど無く、加熱しなければ液状に扱うことが困難な性質
を持っていることからハンドリング上敬遠されがちな原
因となっている。さらに、ボイラ等で燃焼させるために
は、噴霧微粒化する必要があるが、その粘性が高いため
に十分な微粒化が得られず、200℃程度のかなり高温
に燃料を予熱しなければならないという問題があった。
従来の燃料の予熱を必要とする油燃料の燃焼系の一例
を、図3に示す。図において、油タンク2内の油1は、
油タンク2内のボトムヒータ3で加熱されて流動性が与
えられ、ポンプ4により、油供給管7に接続し設置され
ている油流量計8、蒸気ヒータ26、油流量調節弁1
1、油遮断弁12等を通って、油バーナ13へ供給され
噴霧燃焼される。一方、蒸気ヒータ26へは、蒸気17
が加熱蒸気流量計18、温度調節弁16等を通って供給
され、油1がチューブ式の蒸気非接触の状態で加熱され
る。さらに、蒸気17は、分岐されて噴霧蒸気流量計1
9、噴霧蒸気流量調節弁20等を通って、油1の噴霧微
粒化媒体として油バーナ13へ供給される。ここで油1
の温度は、噴霧微粒化に適切な温度となるように、蒸気
ヒータ26の下流側の油配管に設けられた温度コントロ
ーラ14により油温度をセットし、セットされた油温度
となるように温度調節弁16の開度が調整されて加熱用
の蒸気量が調節される。油温度は通常、噴霧用蒸気によ
る2流体噴霧方式では微粒化に必要な粘度にまで加熱さ
れる。一般的には20〜30センチストークス(cs
t)にする必要があり、C重油では概略100℃前後に
まで加熱されることになる。しかしながら、上述の劣質
の残渣油や高流動点の油では150℃以上、時には20
0℃程度迄加熱しなければ上記の粘度まで下がらないも
のがある。このため、加熱用の上記として250℃以上
の高温蒸気が必要となる。また加熱された油も、油バー
ナ13まで油温度が下がらないように配管外表面に十分
な断熱材を施行する必要がある。さらに、バルブやバー
ナ入口のフレキシブルホース等の耐熱性も上げる必要が
ある。
【0003】上記従来技術における問題点を改善するた
めに、油中水滴分散形のエマルジョン燃料が提案されて
いる。これは、加熱された油と蒸気とを混合し、油中に
水滴を分散させてエマルジョン化したものである。これ
は、燃焼時に水滴が急速に加熱されて蒸発膨張による微
粒化を促進させたり、反応させて燃焼の向上をはかるも
のであるが、燃料の流動性を決定する因子は、あくまで
油の性状であるため、油単体の場合と同様に、噴霧微粒
化のためには、加熱による粘性低下が必要となる。すな
わち、油単体の場合と同程度の燃料エマルジョンの加熱
が必須条件となって、その加熱設備や加熱用の燃料を多
く必要とするなどの欠点がある(例えば、特開昭52−
109505号公報、同54−146068号公報な
ど)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したごとく、従来
技術においては油中水滴形のエマルジョン燃料などを加
熱して、粘性を低下させて噴霧微粒化しなければならな
いことから、多量の加熱用燃料を必要としたり、また油
・蒸気配管には断熱、保温材等を多くし、かつ耐熱性の
ある機器や材料を用いる必要があるなど極めて不経済で
あるばかりでなく、保守の面でも費用が嵩むという問題
があった。本発明の目的は、上記従来技術における問題
点を解消するものであって、低い温度でハンドリングが
可能な水中油滴分散形エマルジョン燃料による低NO
x、低ばいじん燃焼法およびそれを実施するための装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、本発明のエマルジョン燃料の燃焼装置にお
いては、高粘度の重質燃料油などの供給系に、例えばベ
ンチュリノズル形状の上記重質燃料油と蒸気とを混合し
て燃料を微粒化させる混合器を設け、さらに上記混合器
によって形成される油と蒸気の混合流に、水中で油滴分
散を可能とする乳化剤として界面活性剤等の薬剤、必要
に応じて燃焼触媒、高温腐食防止剤などの薬剤を添加す
る薬剤注入ノズルを設けることにより、低温で流動する
低粘性の水中油滴分散形のエマルジョン燃料を形成させ
ることができ、かつ低NOx、低ばいじん燃焼を実現さ
せることが可能となる。
【0006】本発明は、高粘性の燃料に、蒸気と水中油
滴分散形のエマルジョンを生成させる乳化剤とを混合し
て水中油滴分散形のエマルジョン燃料を形成し、これを
バーナに供給して噴霧し燃焼させるエマルジョン燃料の
燃焼法である。そして、乳化剤としては、水中に油滴を
安定に分散させたエマルジョンを形成する界面活性剤を
用いることが好ましい。また、乳化剤の他に、必要に応
じて燃焼を促進させる燃焼触媒や燃焼装置の腐食を抑制
する腐食防止剤などを添加することもできる。
【0007】さらに本発明は、エマルジョン燃料をバー
ナ部に供給し、炉内に噴霧して燃焼させるエマルジョン
燃料の燃焼装置において、高粘性の燃料を蒸気と共に噴
出させて微粒化する混合部と、微粒化した燃料に水中油
滴分散形の乳化剤を導入してエマルジョン化する混合
部、もしくは上記混合部の他に、エマルジョン化した燃
料に燃焼用触媒または腐食防止剤を導入し混合する混合
部を有する混合器を設けたエマルジョン燃料の燃焼装置
である。そして、上記の混合器はベンチュリノズル形状
の混合器とすることが好ましく、燃料と蒸気さらに必要
に応じて燃焼触媒、高温腐食防止剤などを、上記ベンチ
ュリノズル部で、同時に合流混合できる構造とすること
が望ましい。また、ベンチュリノズル形状の混合器は、
燃料と蒸気の合流混合部の直下に、乳化剤である界面活
性剤の導入ノズルを多段に設けた構造とすることが好ま
しい。さらに、上記ベンチュリノズル形状の混合器の下
流側に、固定式もしくは撹拌式のラインミキサを併設し
て、燃料のエマルジョン化を促進させることもできる。
【0008】
【作用】混合器である、例えばベンチュリノズル部を通
過する高速の蒸気流に、高粘度の重質油が混合されるこ
とで、蒸気の熱および速度エネルギによって、重質油が
微粒化され油滴となる。同時に、界面活性剤などの乳化
剤が油滴表面に吸着されて、凝縮した水と親和して水中
に油滴が安定に分散したエマルジョン状態を形成する。
この結果、水の低粘性により油エマルジョンの粘性は重
質油そのものに比べて大きく低くなる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、図面を用いて
さらに詳細に説明する。図1は、本実施例において例示
するエマルジョン燃料の燃焼装置の系統図で、図2はエ
マルジョン燃料を形成させる混合器の構造の一例を示す
模式図である。図において、油タンク2内の油1は、液
体搬送が可能となる最低温度にまで、ボトムヒータ3で
加熱される。次に、ポンプ4にて油供給管7を通り、油
流量計8、ブレンダ(混合器)9、ラインミキサ10、
油流量調節弁11、油遮断弁12を通り油バーナ13へ
エマルジョン燃料が供給される。図3に示す従来の燃焼
装置と異なる点は、蒸気ヒータ26の代わりにブレンダ
9およびラインミキサ10を設置している点である。一
方、蒸気17は2系統に分岐されて、一方は噴霧蒸気流
量計19、噴霧蒸気流量調節弁20を通って、油バーナ
13へ噴霧化媒体として供給される。他方は、加熱蒸気
流量計18、温度調節弁16を通ってブレンダ9へ供給
される。さらに、ブレンダ9へは薬剤タンク27から、
薬剤ポンプ28によって薬剤31が薬剤配管29を通っ
て供給される。図2は、ブレンダ9の構造の一例を示す
拡大断面図である。ブレンダ9の全体の構成はベンチュ
リノズル形状となっており、蒸気17が直進する管路中
央に油ノズル22が設けられている。さらに、蒸気と油
との混合部の管路内周壁に、薬剤注入ノズル30が設け
られていて、蒸気17と油1と薬剤31の3流体が混合
されてエマルジョン燃料25となってベンチュリ状の管
から排出される。そして、ブレンダ9の油ノズル22の
先端部において、高速の蒸気17と油1とが乱流拡散さ
れ、油1は蒸気17の噴流によって微粒化され、表面張
力によって球状となる。同時に、蒸気17は油1によっ
て急激に冷却され凝縮されて水滴となる。さらに、この
部分に、水中油滴分散形の乳化剤である界面活性剤など
の薬剤を、薬剤注入ノズル30から噴出させて油と水の
界面に吸着させ、水中に油滴が安定して分散されたエマ
ルジョン状態を形成させる。この時、界面活性剤などの
乳化剤は、油粒子表面に吸着され、油粒子外面が親水基
となって水中に油粒子が分散される。ここで重要なの
は、油と蒸気との合流部あるいはその直ぐ下流側におい
て界面活性剤をほぼ同時に供給する点にある。蒸気の噴
流により油は粉砕(微粒化)され球状となる。この時、
時間が経過すると水と油とが再び分離し、油同志が再凝
集してしまう。そこで油を微粒化すると同時に、界面活
性剤が微粒化した油表面を覆うことが望ましく、この界
面活性剤の吸着によって、微粒化された油の表面は親水
化され凝縮した水中に分散されて再凝集するのを防止す
ることができる。さらに、微粒化した油を分散させるた
めの乳化剤(界面活性剤)の吸着をより十分に行わしめ
るために、ブレンダ9の下流側に設けられているライン
ミキサ10にて微粒化した油と水(蒸気)の混合流に高
速せん断を与えることが効果的である。特に、撹拌羽根
等による高速せん断は、油粒子表面への界面活性剤の吸
着をさらに促進し、短時間でより十分に安定した吸着を
達成することができる。
【0010】ブレンダ9への蒸気と油との混合割合は、
油バーナ13での噴霧微粒化に最適な粘度を目標とす
る。通常の場合、上述したごとく20〜30センチスト
ークス程度であるが、微粒化するためには低粘性である
ほど良いため、粘度は上記の数値以下とすることが好ま
しい。一方、蒸気の混入量は、凝縮した水が燃焼した際
の潜熱によりボイラ火炉では、いわゆる燃焼排ガスが大
気へ放出する水分損失となってボイラ効率を低下させる
ため、蒸気混入量はできるだけ少量に抑えることが好ま
しい。両者を兼ね合わせた量として、水の燃焼性への悪
影響も考慮して、油に対する水分混入割合は重量比で3
0〜35%以下とすることが好ましい。蒸気の混合量
は、油と蒸気混合後のエマルジョンの粘度を計測し、粘
度の設定目標に対して蒸気量を加減する方法が好まし
い。しかしながら、粘度の連続計測には技術的な難しさ
やコスト面での短所もあるため、簡便的な方法としてエ
マルジョンの温度測定による方式が考えられる。すなわ
ち、図1に示す温度コントローラ14により、あらかじ
めエマルジョンの温度を設定し、この設定した温度とな
るように温度調節弁16の開度を自動調整できるように
する。温度の設定は、生成されるエマルジョンの温度と
粘度特性をあらかじめ確認把握しておき、バーナからの
噴霧に最適な粘度、すなわちエマルジョンの温度目標値
を定めることにより、粘度計と同等の機能を働かせるこ
とができる。そして、上述のごとく粘度を制御した水混
合油エマルジョン燃料の燃焼に必要な流量を、油流量調
節弁11によって制御し、流量の変動に伴って温度を一
定とする温度コントローラ14の働きで蒸気量も温度調
節弁16によって制御される。また、この時のエマルジ
ョンの温度は、例えば10kg/cm2の飽和蒸気と混
合した場合には、混合量10%で約70℃、20%で約
140℃の温度上昇となり、油単独の時の所要加熱温度
200℃よりもはるかに低温で済む。このように、高流
動点の重質油であっても、油全体を高温にすることなく
エマルジョン状態に蒸気のエネルギのみで混合形成する
ことができ、蒸気が凝縮した水の粘性(約1センチスト
ークス)で、水混合油エマルジョン全体の粘性を支配す
ることができ、油自身の粘性よりも大幅に低粘性化する
ことができる。すなわち、エマルジョンの粘性は、ベー
スとなる水分量によって決定され、燃料油の高粘性の影
響を受けることがないので、燃焼時に低粘性化して微粒
化するための加熱が不要となる。このため、燃焼用バー
ナまでの燃料供給管路内の圧力損失の低減および管路の
設計温度の低減等がはかられる。さらに、実際の燃焼に
際しては、油中に水が混合されている点からサーマルN
Oxの低減をはかることができ、あるいはばいじん
(煤)の生成量の低減等に対しても有効である。
【0011】本実施例においては、ブレンダ9の形状
を、図2に示すごとくエゼクタ方式としたが、蒸気と油
の混合方式として撹拌などの機械的混合方式としてもよ
く、特にブレンド方式を限定するものではない。さら
に、燃料と水と添加する薬剤との合流混合部をベンチュ
リノズル構造として、出口円すい管部、すなわち合流下
流側の部分に多段の邪魔板を設けて流体を衝突させる構
造にしてもよい。この場合には、上述のラインミキサ1
0あるいはスタティックミキサと同様に、高速混合部に
おける流体の衝突エネルギを利用して撹拌効果を上げる
ことができ、より微粒化した燃料エマルジョンを効率的
に生成させることが可能となる。また、ブレンダ9への
薬剤の注入は、図2においては、断面流れ方向に対して
1箇所であるが、これを多段とすることも有効である。
これは、油が流れ方向に沿って微粒化される場合に1段
では初期にほとんどの薬剤の吸着が行われて下流側で生
成した微粒子には添加した薬剤が十分に吸着されない。
これに対し、薬剤を段階的に投入する場合は、油の微粒
化が進んだ新たな油粒子表面の周囲に、常に添加した薬
剤が存在できるため、下流側で生成した油微粒子にも添
加剤が均等に吸着されてエマルジョンを効率的に形成さ
せることができる。また、界面活性剤の同時混合方式
も、水と油の混合と同時に注入混合されることが好まし
いが、界面活性剤の吸着による微粒子分散の効果を損な
わない範囲で下流側の管路に注入することも可能であ
る。この一例として、例えばラインミキサ10の直前に
界面活性剤を投入する方式が考えられる。さらに、界面
活性剤をブレンダ9の上流側の油、あるいは蒸気の配管
中にあらかじめ混合する方式も考えられる。この場合に
は、均一に予混合し、かつ蒸気系に注入する場合は、蒸
気の高温に対しても耐熱性の高い薬剤を選定することが
重要である。使用する薬剤としては、本実施例で例示し
たエマルジョン粒子の安定分散作用のある界面活性剤の
他に、劣質残渣油などでは、特にNaやV、S等のボイ
ラ伝熱管などに対し高温腐食作用のある成分を多く含ん
でいることが多いため、これらの作用を抑制する効果の
ある高温腐食防止剤や、燃焼促進剤等の薬剤添加を同時
に、あるいは管路において分割投入することも可能であ
る。また、燃料として本実施例では油について説明した
が、同一効果が期待できる炭化水素系の燃料に対しても
適用可能であることは言うまでもない。
【0012】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明のエ
マルジョン燃料燃焼装置によれば、高粘度の燃料油の噴
霧化のための非接触加熱の代わりに、高温の蒸気を直接
混合して油を粉砕微粒化しながら水中油滴分散形の乳化
剤(界面活性剤など)、燃焼触媒、腐食防止剤等の薬剤
を同時に添加することにより、低粘性の燃料エマルジョ
ンを形成させることができるので、従来の燃料油の非接
触加熱設備および加熱エネルギが不要となり、高効率で
噴霧燃焼を達成することができる。そして、低粘性の水
中油滴分散形エマルジョン燃料の形成が可能であるた
め、噴霧燃焼時にエマルジョン燃料の加熱(50℃以
上)が不要となり、エマルジョン燃料供給系管路の設計
温度が低くなり、断熱材、その他の配管使用材料および
保守の低コスト化がはかられる。また、エマルジョン燃
料中には適量の水分などを含むことからサーマルNOx
の低減が可能となり、かつ低ばいじん燃焼を達成するこ
とができる。さらに、従来の高流動点・重質油などの高
粘性の燃料のハンドリングが容易となるため、化石燃料
を含む重質の残渣油などの資源の有効利用が可能とな
り、また各種の薬剤を同時に添加できるので、その添加
の目的に応じて、ボイラ伝熱管の腐食防止、燃焼効率の
向上などがはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において例示したエマルジョン
燃料燃焼装置の系統図。
【図2】図1に示したエマルジョン燃料燃焼装置のブレ
ンダ(混合器)の構造の一例を示す断面図。
【図3】従来の重質油燃料の噴霧燃焼装置の系統図。
【符号の説明】
1…油 2…油タンク 3…ボトムヒータ 4…ポンプ 5…圧力調節弁 6…戻り管 7…油供給管 8…油流量計 9…ブレンダ(混合器) 10…ラインミキサ 11…油流量調節弁 12…油遮断弁 13…油バーナ 14…温度コントロー
ラ 15…制御空気管 16…温度調節弁 17…蒸気 18…加熱蒸気流量計 19…噴霧蒸気流量計 20…噴霧蒸気流量調
節弁 21…噴霧蒸気圧力調節弁 22…油ノズル 23…蒸気管 24…エマルジョン燃
料管 25…エマルジョン燃料 26…蒸気ヒータ 27…薬剤タンク 28…薬剤ポンプ 29…薬剤配管 30…薬剤注入ノズル 31…薬剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高粘性の燃料に、蒸気と水中油滴分散形の
    エマルジョンを生成させる乳化剤とを混合して水中油滴
    分散形のエマルジョン燃料を形成し、これをバーナに供
    給して噴霧し燃焼させることを特徴とするエマルジョン
    燃料の燃焼法。
  2. 【請求項2】請求項1において、乳化剤が水中油滴分散
    形のエマルジョンを生成させる界面活性剤であることを
    特徴とするエマルジョン燃料の燃焼法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、乳化剤
    の他に、燃焼を促進させる燃焼触媒もしくは燃焼装置の
    腐食を抑制する腐食防止剤を添加することを特徴とする
    エマルジョン燃料の燃焼法。
  4. 【請求項4】エマルジョン燃料をバーナ部に供給し、炉
    内に噴霧して燃焼させるエマルジョン燃料の燃焼装置に
    おいて、高粘性の燃料を蒸気と共に噴出させて微粒化す
    る混合部と、微粒化した燃料に水中油滴分散形の乳化剤
    を導入してエマルジョン化する混合部、もしくは上記混
    合部の他に、エマルジョン化した燃料に燃焼用触媒また
    は腐食防止剤を導入し混合する混合部を有する混合器を
    設けたことを特徴とするエマルジョン燃料の燃焼装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、混合器はベンチュリノ
    ズル形状の混合器となし、少なくとも燃料、蒸気、乳化
    剤を上記ベンチュリノズル部で、同時に合流混合できる
    構造としたことを特徴とするエマルジョン燃料の燃焼装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5において、ベンチュリノズル形状
    の混合器は、燃料と蒸気の合流混合部の直下に、乳化剤
    である界面活性剤の導入ノズルを多段に設けた構造とす
    ることを特徴とするエマルジョン燃料の燃焼装置。
  7. 【請求項7】請求項4記載のベンチュリノズル形状の混
    合器の下流側に、固定式もしくは撹拌式のラインミキサ
    を併設したことを特徴とするエマルジョン燃料の燃焼装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008084776A1 (ja) * 2007-01-09 2008-07-17 Aura Tec Co., Ltd. 微細流体混入液体燃料の製造装置
WO2017126530A1 (ja) * 2016-01-19 2017-07-27 水素パワー株式会社 燃料改質装置

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