JP3308130B2 - 低NOx燃焼装置及び同燃焼方法 - Google Patents
低NOx燃焼装置及び同燃焼方法Info
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Description
れを用いた低NOx燃焼方法に関する。更に詳しくは、
油圧噴霧式バーナにおいて、噴霧直前のバーナチップ内
部の燃料給送路に水の注入孔を設けたことを特徴とする
低NOx燃焼装置及び、これを用い、界面活性剤無添加
で燃料油と水とを混合し、直ちに燃焼させることによ
り、燃焼時の窒素酸化物の低減を図る、低NOx燃焼方
法に関する。なお、本発明は石油系燃料油、特に灯油、
A重油及びC重油のNOx低減の燃焼方法に利用するこ
とができる。
微粒化して油中水滴型エマルションにしたエマルション
燃料は燃焼排ガス中の窒素酸化物やばいじんを低減する
ことはよく知られている。従来、この種のエマルション
燃料を製造するためには石油系液体燃料油と水と界面活
性剤等の乳化剤との混合液をスクリュウ型の回転子を用
いたミキサーや、高圧により狭い間隙を通すホモジナイ
ザー、または2枚の回転板の間隙を通すコロイドミル等
の攪拌機で攪拌するか、あるいは超音波攪拌機で攪拌す
る等の方法が用いられている。
や消費電力が大きい等の他、価格も高くなり、特に小型
燃焼機への利用にはスペース等の点でも不向きであっ
た。更に、これらの方法はバーナ内部に組み込むことが
難しく、エマルション燃料を調製後、バーナ部に供給す
るため、燃焼するまでにある程度の時間を要する。それ
故、エマルション調製時の粒子径の維持、あるいは防錆
の面から注意が必要であった。
簡易式の乳化装置もあるが、安定性の優れた乳化物を得
るには攪拌能力がやや不足しており、燃料に比して高価
な界面活性剤の添加を必要とする欠点がある。
ョン化技術ではミキサー等の攪拌機構を組み込む必要性
から装置が大型になることやエマルションの安定性が要
求されるため、界面活性剤の添加が必要になる等の問題
があった。
酸化物の低減を目的として、従来のエマルション燃焼技
術が抱えているこれらの問題点を解決すべく、エマルシ
ョン化機能をコンパクト化し、同時に界面活性剤無添加
での使用を可能とする燃料油と水との混合方法を見出
し、且つ耐久性に優れた廉価な方法を発明し、実用化に
即したNOxの低減技術を完成することにある。
上記欠点を解決するため、既存のバーナ機構を変えるこ
となく、また界面活性剤を使用することなく、燃料油と
水のみを混合することにより、NOxを低減する燃焼装
置及び燃焼方法について鋭意研究を重ねた結果、油圧噴
霧式バーナにおいて噴霧直前のバーナチップ内部の燃料
給送路に水の注入孔を設け、潜在する攪拌能力、即ち、
旋回溝で生ずる高速流及び旋回室で生ずる渦流の攪拌力
を利用して燃料油と水とを混合し、直後に燃焼すること
によって、上記課題が解決され、満足すべきNOx低減
効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
ズルディスクの先端側を傘型に形成すると共に、該ノズ
ルディスクの傘型表面に、その軸線がバーナーチップの
噴霧口の軸線に対して傾斜していると共に、バーナーチ
ップの噴霧口の円周方向から軸線に向かう線に対して変
位した状態で複数の旋回溝を設けて燃料給送路となし、
この旋回溝の途中に水の注入孔を設けて前記旋回溝を流
れる燃料に対し混合比10〜25vol%の水を合流さ
せ、該ノズルディスクの先端とバーナーチップの噴霧口
との間に配設されている旋回室において前記旋回溝から
の燃料の高速流によって前記旋回室に生ずる渦流の攪拌
力を利用して燃料油と水とを混合・攪拌し、直後に燃焼
することを特徴とする低NOx燃焼装置。 2、油圧噴霧式バーナにおいて、バーナチップ内部のノ
ズルディスクの先端側を傘型に形成すると共に、該ノズ
ルディスクの傘型表面に、その軸線がバーナーチップの
噴霧口の軸線に対して傾斜していると共に、バーナーチ
ップの噴霧口の円周方向から軸線に向かう線に対して変
位した状態で複数の旋回溝を設けて燃料給送路となし、
該ノズルディスクの中央部に旋回室に通じる水の注入孔
を設け、該旋回室にある燃料に対し混合比10〜25v
ol%の水を合流させ、該ノズルディスクの先端とバー
ナーチップの噴霧口との間に配設されている旋回室にお
いて、前記旋回溝からの燃料の高速流によって前記旋回
室に生ずる燃料油の渦流の攪拌力を利用して燃料油と水
とを混合・攪拌し、直後に燃焼することを特徴とする低
NOx燃焼装置。 3、水の注入孔がバーナチップ先端部より10mm以内
の位置に設けられることを特徴とする上記1又は2に記
載の低NOx燃焼装置。 4、上記1〜3のいずれかに記載の低NOx燃焼装置を
使用して行うことを特徴とする低NOx燃焼方法。
更に詳しく説明する。
実施例を示すもので、燃料給送路の旋回溝に向けて水注
入孔を設けたものの概略図である。噴射ポンプで加圧さ
れた燃料油Fは固定具1の内部をディスクホルダー2に
沿って流れ、燃料油溜り3に入り、旋回溝4に導かれ
る。一方、水Wはディスクホルダー2の中央を通ってノ
ズルディスク5に入り、更に水注入孔6から旋回溝4に
入り、燃料油と合流する。旋回溝4で加速された燃料油
Fは水注入孔6からの水Wと合流し、相互に混じり合い
ながら旋回室7に入る。燃料油Fと水Wは旋回室7で生
ずる渦流により更に拡散される。燃料中に水が均一に分
散された燃料は直ちにバーナチップ8から噴霧され、燃
焼される。
置の他の実施例を示すもので、燃料給送路の旋回室に向
けて水注入孔を設けたものの概略図である。噴射ポンプ
で加圧された燃料油Fは固定具1の内部をディスクホル
ダー2に沿って流れ、燃料油溜り3に入り、旋回溝4で
加速され、旋回室7に入る。一方、水Wはディスクホル
ダー2の中央を通ってノズルディスク5に入り、更に水
注入孔6から旋回室7に入り、燃料油Fと合流する。合
流した燃料油Fと水Wは旋回溝4で加速された燃料油F
の流れで生ずる渦流により、旋回室7で攪拌、混合され
る。燃料中に水が均一に分散された燃料は直ちにバーナ
チップ8から噴霧され、燃焼される。
ーナにおいて、噴霧直前のバーナチップ内部で燃料油と
水を混合し、燃焼させるものである。従来、油圧噴霧式
バーナは圧送されてきた燃料油がバーナチップ部のディ
スクに設けられた数本の旋回溝(燃料油給送路)で流速
を増し旋回室に入り、圧力と旋回力をもった燃料油とし
てバーナチップより噴出して霧化され、燃焼されるが、
本発明ではバーナチップ部のディスクに設けられた数本
の旋回溝、もしくは旋回室に面したディスクの先端部の
中央部に水の注入機構、即ち水注入孔を設けることによ
って、そこに存在する乱流を利用して燃料油と水との混
合物を作るものである。
ディスクに設けられた旋回溝に各々設けるか、各旋回溝
の対角に偶数個設けることが均一な混合物を得るために
望ましい。また、注入孔の径は旋回溝の幅以下で、所定
量の水が注入できればよく、注入孔の数及び燃焼量等の
相互関係で決まるものである。また、旋回溝と注入孔の
角度の関係は特に制限されない。
けて水注入孔を設ける場合も、水の注入孔はバーナチッ
プ先端部のなるべく近くに設ける必要があり、同先端部
より15mm以内、好ましくは10mm以内の位置がよ
い。これ以上距離を隔てると、燃料給送路内の曲線流路
内で遠心力等の力により、密度の異なる燃料油と水との
分離が起こり易くなり、効果が小さくなる傾向がある。
むことなく、潜在する攪拌能力を利用する画期的な方法
である。また、この燃料油と水との混合は噴霧直前のバ
ーナチップ内部、即ちバーナチップ先端部より極めて近
い部分でなされるので、混合後即燃焼に繋がる故、従来
技術で要求されたエマルション燃料の安定性あるいは防
錆性を要求されることがない。それ故、界面活性剤を使
用する必要がない等の利点がある。また、混合後瞬時に
噴霧されるので、燃料油の水に水滴が均一に分散された
状態のまま燃料油液滴が燃焼の場に供給されることにな
り、界面活性剤を使用したエマルション化燃料と同等の
NOx低減効果を生む。
は、燃料油と水との混合部に回転子等の駆動部分がない
ため、耐久性の点でも優れている。
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。 (実施例−1)定格出力0.5t/hのA重油焚き温水
ボイラーの燃焼機において、噴霧直前の油圧噴霧式バー
ナチップ内部の燃料給送路(バーナチップ先端部より6
mmの位置)の旋回溝に向けて直径0.5mmの水の注
入孔を2つ設け、旋回溝でのA重油の高速流及び旋回室
での旋回流による攪拌効果によりA重油と水とを混合
し、直ちに燃焼させてNOx低減の効果を調べた。その
結果、次の表1に示すようなNOx低減効果が得られ
た。
は12%、水20%添加で24%、水25%添加で31
%低下していることが分かる。
重油焚き温水ボイラーの燃焼機において、噴霧直前の油
圧噴霧式バーナチップ内部の燃料給送路(バーナチップ
先端部より6mmの位置)の旋回溝に向けて直径0.5
mmの水の注入孔を2つ設け、旋回溝での灯油の高速流
及び旋回室での旋回流による攪拌効果により灯油と水と
を混合し、直ちに燃焼させてNOx低減の効果を調べ
た。その結果、次の表2に示すようなNOx低減効果が
得られた。
は12%、水20%添加で21%、水25%添加で27
%低下していることが分かる。
重油焚き温水ボイラーの燃焼機において、噴霧直前の油
圧噴霧式バーナチップ内部の燃料給送路(バーナチップ
先端部より4mmの位置)の旋回溝に向けて直径0.5
mmの水の注入孔を設け、旋回溝でのA重油の旋回流に
よる攪拌効果によりA重油と水とを混合し、直ちに燃焼
させてNOx低減の効果を調べた。その結果、次の表3
に示すようなNOx低減効果が得られた。
は13%、水20%添加で25%、水25%添加で33
%低下していることが分かる。
油焚き温水ボイラーの燃焼機において、噴霧直前の油圧
噴霧式バーナチップ内部の燃料給送路(バーナチップ先
端部より4mmの位置)の旋回溝に向けて直径0.5m
mの水の注入孔を設け、旋回室での灯油の旋回流による
攪拌効果により灯油と水とを混合し、直ちに燃焼させて
NOx低減の効果を調べた。その結果、次の表4に示す
ようなNOx低減効果が得られた。
は18%、水20%添加で29%低下していることが分
かる。
スト用C重油焚き炉筒煙管式ボイラーの燃焼機におい
て、噴霧直前の油圧噴霧式バーナチップ内部の燃料給送
路(バーナチップ先端部より8mmの位置)の旋回溝に
向けて直径0.8mmの水の注入孔を4つ設け、旋回溝
でのC重油の高速流及び旋回室での旋回流による攪拌効
果によりC重油と水とを混合し、直ちに燃焼させてNO
x低減の効果を調べた。その結果、次の表5に示すよう
なNOx低減効果が得られた。
は17%、水21%添加で23%低下していることが分
かる。
スト用A重油焚き炉筒煙管式ボイラーの燃焼機におい
て、噴霧直前の油圧噴霧式バーナチップ内部の燃料給送
路(バーナチップ先端部より8mmの位置)の旋回室に
向けて直径1.0mmの水の注入孔を設け、旋回室での
A重油の旋回流による攪拌効果によりA重油と水とを混
合し、直ちに燃焼させてNOx低減の効果を調べた。そ
の結果、次の表6に示すようなNOx低減効果が得られ
た。
は24%、水19%添加で39%低下していることが分
かる。
油焚き温水ボイラーの燃焼機において、噴霧直前の油圧
噴霧式バーナチップ内部の燃料給送路(バーナチップ先
端部より15mmの位置)に向けて直径0.5mmの水
の注入孔を設け、灯油と水とを混合し、直ちに燃焼させ
てNOx低減の効果を調べた。その結果、次の表7に示
すようなNOx低減効果が得られた。
は8%、水20%添加で15%低下していることが分か
る。水注入孔の設置位置がバーナチップ先端部から15
mmとやや離れているため、これが10mm以下である
実施例1〜6の場合と比べるとNOx低減効果が幾分劣
る結果となっている。
拌機を組み込む必要がなく、潜在する攪拌能力を利用す
る画期的な装置である。また、この燃料油と水との混合
は噴霧直前のバーナチップ内部、即ちバーナチップ先端
部から極めて近い部分でなされるので、混合後即燃焼に
繋がる故、従来技術で要求されたエマルション燃料の安
定性あるいは防錆性を要求されることがない。それ故、
界面活性剤を使用する必要がない等の利点がある。ま
た、混合後瞬時に噴霧されるので、燃料油の水に水滴が
均一に分散された状態のまま燃料油液滴が燃焼の場に供
給されることになり、界面活性剤を使用したエマルショ
ン化燃料と同等のNOx低減効果を生む。
は、燃料油と水との混合部に回転子等の駆動部分がない
ため、耐久性の点でも優れている。
すもので、燃料給送路の旋回溝に向けて水注入孔を設け
たものの概略図である。
面図である。
示すもので、燃料給送路の旋回室に向けて水注入孔を設
けたものの概略図である。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】油圧噴霧式バーナにおいて、バーナチップ
内部のノズルディスクの先端側を傘型に形成すると共
に、該ノズルディスクの傘型表面に、その軸線がバーナ
ーチップの噴霧口の軸線に対して傾斜していると共に、
バーナーチップの噴霧口の円周方向から軸線に向かう線
に対して変位した状態で複数の旋回溝を設けて燃料給送
路となし、この旋回溝の途中に水の注入孔を設けて前記
旋回溝を流れる燃料に対し混合比10〜25vol%の
水を合流させ、該ノズルディスクの先端とバーナーチッ
プの噴霧口との間に配設されている旋回室において前記
旋回溝からの燃料の高速流によって前記旋回室に生ずる
渦流の攪拌力を利用して燃料油と水とを混合・攪拌し、
直後に燃焼することを特徴とする低NOx燃焼装置。 - 【請求項2】油圧噴霧式バーナにおいて、バーナチップ
内部のノズルディスクの先端側を傘型に形成すると共
に、該ノズルディスクの傘型表面に、その軸線がバーナ
ーチップの噴霧口の軸線に対して傾斜していると共に、
バーナーチップの噴霧口の円周方向から軸線に向かう線
に対して変位した状態で複数の旋回溝を設けて燃料給送
路となし、該ノズルディスクの中央部に旋回室に通じる
水の注入孔を設け、該旋回室にある燃料に対し混合比1
0〜25vol%の水を合流させ、該ノズルディスクの
先端とバーナーチップの噴霧口との間に配設されている
旋回室において、前記旋回溝からの燃料の高速流によっ
て前記旋回室に生ずる燃料油の渦流の攪拌力を利用して
燃料油と水とを混合・攪拌し、直後に燃焼することを特
徴とする低NOx燃焼装置。 - 【請求項3】水の注入孔がバーナチップ先端部より10
mm以内の位置に設けられることを特徴とする請求項1
又は2に記載の低NOx燃焼装置。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の低NOx
燃焼装置を使用して行うことを特徴とする低NOx燃焼
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09436495A JP3308130B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | 低NOx燃焼装置及び同燃焼方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09436495A JP3308130B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | 低NOx燃焼装置及び同燃焼方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08261411A JPH08261411A (ja) | 1996-10-11 |
JP3308130B2 true JP3308130B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=14108263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09436495A Expired - Lifetime JP3308130B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | 低NOx燃焼装置及び同燃焼方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3308130B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010000494A (ko) * | 2000-10-02 | 2001-01-05 | 김정우 | 오일버너의 물혼합형 분사시스템 |
KR100853569B1 (ko) * | 2007-02-09 | 2008-08-21 | 박진규 | 복합식 혼합물성 분사노즐을 갖는 보일러 |
-
1995
- 1995-03-28 JP JP09436495A patent/JP3308130B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08261411A (ja) | 1996-10-11 |
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