JP3440179B2 - 低NOx 燃焼装置 - Google Patents
低NOx 燃焼装置Info
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Description
Ox燃焼装置に関するものである。
気物の低減化には、種々の提案がなされてきたが、近年
では、環境汚染等の問題から有害燃焼排気物の中でも特
にNOxの低減に注意が向けられている。そのため、燃
料自体に窒素分の少ない気体燃料を用い、その燃焼過程
においてサーマルNOx(thermal NOx)の低減化を
図ったガス燃料燃焼装置は数多く提案されている。しか
し、灯油,A重油等の液体燃料を使用した燃焼装置にお
いては、このレベルまでNOxを低減したものは未だな
かった。特に、小型,簡易クラスのボイラのように、比
較的小容積の燃焼空間で用いられ、大出力化を要求され
る燃焼装置においては、NOxの低減が難しい。
とする課題は、液体燃料においても、ガス燃料を用いた
燃焼装置と同等,あるいはそれ以上の低NOx化を達成
した液体燃料の低NOx燃焼装置を提供することであ
る。
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、燃焼用一次空気の供給を受ける第一筒部材と、前記
第一筒部材の先端部内側に、この第一筒部材内周壁との
間に所定の隙間を介在させて配置した保炎板と、前記第
一筒部材内における保炎板の上流側に配置した液体燃料
を供給する燃料供給手段と、前記第一筒部材の外周に配
置することにより、第一筒部材との間に燃焼用二次空気
の供給を受ける環状流路を形成する第二筒部材と、前記
環状流路の先端側において前記環状流路を周方向へ所定
個数に分割する遮蔽板とを備え、前記第一,第二筒部材
の先端部を略面一に形成し、前記第一筒部材へ供給する
燃焼用一次空気の流量を低NOx燃焼装置へ供給する全
燃焼用空気の流量の0.1〜0.25倍の範囲とし、前
記燃焼用二次空気流が失速する際に生じる循環流によっ
て、火炎を前記第一,第二筒部材から離れて後流側で保
炎することを特徴としている。
孔を穿孔したことを特徴としている。
二筒部材の先端を第一筒部材の先端へ向けて先細り形状
としたことを特徴としている。
ついて説明する。この発明の実施の基本的な形態は、第
一筒部材の先端部内側に、この第一筒部材の内周壁との
間に所定の隙間を介在させて保炎板を配置し、この保炎
板の上流側に燃料供給手段を配置し、前記第一筒部材の
外周に略同軸状に第二筒部材を配置することにより環状
流路を形成し、この環状流路の先端側に遮蔽板を設け
て、この環状流路を周方向へ所定個数に分割したもので
ある。そして、前記第一筒部材の内部へは、燃料供給手
段からの燃料と燃焼用一次空気を供給し、前記第一筒部
材と前記第二筒部材との間に形成される前記環状流路内
へは、燃焼用二次空気を供給する。また、前記第一筒部
材へ供給する燃焼用一次空気の供給量(流量)を低NO
x燃焼装置へ供給する全燃焼用空気量の0.1〜0.2
5倍に設定することにより、燃焼用一次空気出口近傍で
の着火を抑え、さらに高速な燃焼用二次空気を吹き付け
ることによって火炎を前記第一,第二筒部材よりも後流
側で保炎する。この構成により、前記第一筒部材内で燃
焼を開始した燃料は、前記第一筒部材の出口において、
前記環状流路から燃焼用空気が追加供給され、所定の空
燃比で燃焼する。
用空気量の供給量(流量)の0.1倍より少ないと、未
燃分が生じてCOの生成量が増大し、0.25倍より多
いと、前記第一筒部材の先端において、火炎が前記保炎
板に張り付いた状態となって燃料過剰の状態で燃焼し、
NOxの生成量が多くなるため、この範囲が好ましい。
また、燃焼用一次空気の噴出速度と燃焼用二次空気の噴
出速度は、それぞれ平均流速としてある。
部材の先端へ向けて先細り形状とすることにより、燃焼
用二次空気の流速を高めることができ、高速の燃焼用二
次空気は、前記保炎板の下流領域において形成される循
環流,あるいは燃焼用二次空気の高速流が失速する際に
生じる循環流によって、火炎を前記第一,第二筒部材よ
りも後流側で確実に保炎することができる。
によって燃焼用二次空気を分割させて噴射させることに
より、前記第一,第二筒部材の後流側に形成される燃焼
反応領域は、いわゆる濃淡燃焼となって、サーマルNO
xの発生量が増大する空燃比領域以外の領域で燃焼する
ため、NOxの発生を抑制することができる。ここで、
前記環状流路を周方向へ分割する前記遮蔽板は、その周
方向の幅が広いほど通過する燃焼用二次空気の圧力損失
が多くなり、狭いほど火炎の分割の効果を発揮し得ない
ため、これらを勘案してその幅と個数を決定する。
により、前記遮蔽板の下流側における空気量(空気の比
率)が増加するため、この下流側において燃焼用二次空
気と混合する際の混合性が向上し、排ガス中の未燃物の
生成を抑制することができる。
形態に加えて、前記第二筒部材の先端側の外周に第三筒
部材を略同軸状に設けた構成とすることもできる。この
実施の形態によれば、前記第一,第二筒部材から噴出さ
れる燃焼用一次空気,燃焼用二次空気および燃焼ガスの
流体エネルギーによって、燃焼ガスが前記第三筒部材の
根元部から吸引され、前記第二筒部材と前記第三筒部材
との間の空間を通して、前記第二筒部材の外周先端側へ
循環する。したがって、前記第二筒部材と前記第三筒部
材との間の空間は、排ガス再循環装置として機能するほ
か、燃焼用二次空気の予熱を行う。そして、前記のよう
に前記第二筒部材の先端を前記第一筒部材の先端へ向け
て先細り形状とすることにより、前記第三筒部材と併せ
てエゼクタとして機能するため、排ガスの再循環を効率
良く行うことができる。
は、液体燃料の燃焼装置として、ガス燃料燃焼装置に匹
敵する低NOx化を達成するものであるが、ガス燃料を
使用して一層の低NOx化を図ることができ、また液体
燃料の燃料供給装置とガス燃料の燃料供給装置との両方
の燃料供給機構を併せて設けることにより、いわゆる混
焼式の燃焼装置を提供することができる。
いて詳細に説明する。まず、この発明に係る低NOx燃
焼装置の第一実施例について、図1および図2を参照し
ながら説明する。ここで、図1は、この発明に係る低N
Ox燃焼装置の第一実施例を示す断面図であり、図2
は、図1の正面図である。
は、燃料供給手段1と、燃焼用空気の供給流路2と、燃
焼用一次空気と燃料の供給を受ける第一筒部材10と、
この第一筒部材10の外周に配置することにより、前記
第一筒部材10との間に燃焼用二次空気の供給を受ける
環状流路13を形成する第二筒部材11と、前記環状流
路13の先端側において、前記環状流路13を周方向へ
所定個数に分割する遮蔽板14とを備えている。
は、液体燃料を供給するものであるため、オイル配管3
と燃料噴霧用のノズルチップ4とで構成される。前記燃
焼用空気の供給流路(以下、「空気供給流路」と云
う。)2は、上流側に送風機(図示省略)を備えるもの
で、通常、この送風機から圧送された燃焼用空気を整流
するウィンドボックスを備えている。ここで、図1にお
いては、ウィンドボックスの全体構成は、周知の技術で
あるため省略し、ウィンドボックスの隔壁5のみを図示
している。また、前記ノズルチップ4は、前記第一筒部
材10の先端寄りの位置に前記第一筒部材10と略同軸
をなすように配置されており、さらに前記第一筒部材1
0内における前記ノズルチップ4よりも下流側には、保
炎板6を設けてある。この保炎板6は、その中心に燃料
と燃焼用一次空気が通過する孔6aを有し、その周囲に
は放射状に複数のスリット6bを設けてある。このスリ
ット6bは、前記第一筒部材10からの燃焼用一次空気
に旋回流を生じさせるためのものである。前記保炎板6
の外周と前記第一筒部材10の内周壁との間には、僅か
な隙間を有しており、このような隙間を設けることによ
り、後述するように前記第一筒部材10の内周側におい
て火炎が生じるのを防止している。
上流側にその基端側を若干突出させて配置してある。そ
して、前記第一筒部材10は、この第一実施例において
は、後端端面を閉塞し、後端側の周面に燃焼用一次空気
導入用の小孔7を複数穿設してある。この小孔7は、そ
の個数,内径を調整することにより、燃焼用一次空気量
を調節するものであり、またこのように前記第一筒部材
10における燃焼用空気の流れ方向に対して、直角方向
へ燃焼用空気の流入口である前記小孔7を設けることに
より、燃焼用一次空気の流れを整流し、偏流を防止する
ことができる。
0の外周側に略同軸状に配置してある。前記第一筒部材
10と前記第二筒部材11との間には、円周方向の適当
箇所(図示する実施例では4箇所)に半径方向へ延びる
支持板15を設けることにより、両者を所定の間隔を保
持した状態で固定してある。前記第二筒部材11は、そ
の基端部分を基盤部材8に固定されており、この基盤部
材8を前記隔壁5に固定することにより、前記第一筒部
材10も前記隔壁5に固定される。この状態で、前記第
一筒部材10および前記第二筒部材11の基端側は、前
記隔壁5に開口し、それ以外の箇所は閉鎖されている。
そして、前記第二筒部材11は、その先端部を前記第一
筒部材10の先端周面へ向けて縮径する先細り形状に成
形してある。
の先端部において、両者は略面一状態となっており、こ
の先端間に遮蔽板14を設けてある。この遮蔽板14
は、前記環状流路13の流路断面をその周方向へ所定個
数(図示する実施例では4個)に分割するように固定し
てある。ここで、前記遮蔽板14は、その周方向の幅が
広いほど通過する燃焼用二次空気の圧力損失が大きくな
り、狭いほど火炎の分割の効果を発揮することができな
いため、これらを勘案してその幅と個数を決定する。た
とえば、前記遮蔽板14の周方向の幅を前記第一筒部材
10の中心からの角度で20°〜60°とし、その個数
は、3〜9個の間で選択する。
空気の供給量(流量)を、この低NOx燃焼装置へ供給
する全燃焼用空気量の0.1〜0.25倍となるよう
に、前記第一筒部材10および前記第二筒部材11の寸
法や,燃焼用一次空気導入用の前記小孔7の個数や内径
を設定する。すなわち、前記第一筒部材10から供給さ
れる燃焼用一次空気の流量が、前記環状流路13によっ
て供給される燃焼用二次空気の流量の1/9〜1/3の
範囲とする。これは、燃焼用一次空気の流量が全燃焼用
空気量の供給量(流量)の0.1倍より少ないと、未燃
分が生じてCOの生成量が増大し、0.25倍より多い
と、前記第一筒部材10の先端において、火炎が前記保
炎板6に張り付いた状態となって燃料過剰の状態で燃焼
し、NOxの生成量が多くなるため、この範囲が好まし
い。ここで、この燃焼用一次空気と燃焼用二次空気との
総量は、燃料を燃焼させるのに充分な量である。
焼用一次空気の流速を前記環状流路13から噴出する燃
焼用二次空気の流速の0.1〜0.9倍の範囲となるよ
うに設定する。これは、前記環状流路13からの燃焼用
二次空気の噴出速度を前記第一筒部材10からの燃焼用
一次空気の噴出速度より速めることにより、燃焼用一次
空気出口近傍での着火を抑えるとともに、燃焼用一次空
気と燃料の混合物へさらに高速な燃焼用二次空気を吹き
付けることによって、前記第一,第二筒部材10,11
よりも後流側で保炎するためである。ここで、燃焼用一
次空気と燃焼用二次空気の噴出速度は、ともに平均流速
としてある。
用について説明する。まず、前記空気供給流路2から燃
焼用空気を供給するが、この際の前記第一筒部材10へ
の供給量は、前記のように、前記環状流路13への供給
量の1/9〜1/3の範囲である。この状態で、前記燃
料供給手段1を作動させ、前記第一筒部材10内へ前記
ノズルチップ4から液体燃料を噴霧し、着火手段(図示
省略)によって着火すると、前記第一筒部材10の内部
で燃焼が始まる。この燃焼状態は、燃料と燃焼用一次空
気とによるもので、過剰燃料での燃焼である。この際に
生じる燃焼反応ガス(ここでいう燃焼反応ガスは、反応
中の燃料および空気全体を指す。本書では、特に目視可
能な火炎を指す場合にのみ燃焼火炎と云う。)は、温度
を高めながら、前記第一筒部材10の先端部分へ向けて
移動し、先端部から燃焼空間内へ向けて噴出する。
空気の流量は、前記のように、前記環状流路13を流れ
る燃焼用二次空気の流量のおおよそ1/9〜1/3の範
囲としてあるため、未燃分が生じてCOの生成量が増大
するのを抑制することができるとともに、火炎が前記保
炎板6に張り付いた状態で、燃料過剰の状態で燃焼する
のを防止して、NOxの生成を抑制することができる。
空気の流速の0.1〜0.9倍の範囲となるように設定
してあるため、第二筒部材11からは、高速の燃焼用二
次空気が噴出する。したがって、燃焼用一次空気の外周
側に高速の燃焼用二次空気が噴出することになり、燃焼
用一次空気と燃料との燃焼反応領域の外周に燃焼用二次
空気が高速で突入することにより、この領域での撹拌混
合が促進され、燃料の液滴分がさらに微粒化する。同時
に、前記環状流路13からの燃焼用二次空気の高速流に
より、さらにその外側の燃焼ガスに循環するような流れ
が生じ、この燃焼ガスの燃料への接触によって気化が促
進され、燃料の液滴分が加熱されることにより燃焼性が
改善される。
て、前記保炎板6における前記スリット6aを通過した
燃焼用一次空気は、前記スリット6aによって旋回を与
えられ、前記保炎板6の中心の前記小孔6bから噴出す
る燃料および燃焼用一次空気の外周を取り巻くように流
れる。前記保炎板6の中心部からの燃焼用一次空気およ
び燃料は、旋回する燃焼用一次空気によって攪拌され、
その外周部は、前記第二筒部材11と前記保炎板6との
間の隙間からの高速の燃焼用一次空気によって取り囲ま
れる。したがって、燃料は、旋回作用を受けながら、前
記保炎板6より下流側へ押しやられ、ここで前記環状流
路13からの燃焼用二次空気の供給を受けて火炎として
燃焼する。
は、前記遮蔽板14によって周方向へ所定個数に分割さ
れた状態で噴出し、この高速の燃焼用二次空気は、前記
第一筒部材10の先端部近傍における燃焼反応ガスに対
して、その周囲から部分的に合流する。したがって、前
記第一筒部材10から噴出する燃焼反応ガスの周方向へ
は、所定の空燃比に対して燃料過剰の箇所と空気過剰の
箇所が交互に生じることになる。そのため、前記環状流
路13における前記遮蔽板14のない箇所では、高速の
燃焼用二次空気が噴出するため、前記第一筒部材10か
らの燃焼反応ガスに含まれる燃料をさらに微粒化しなが
ら、その下流域において青炎状態で燃焼する。一方、前
記遮蔽板14の下流領域においては、前記遮蔽板14の
ない箇所よりも流速が遅く、この箇所ほど微粒化されな
い燃料液滴が燃料過剰の状態で燃焼するため、大部分が
輝炎を伴って燃焼する。
ては、燃焼用二次空気を供給した後も燃料過剰の燃焼反
応箇所と空気過剰の燃焼反応箇所が存在し、いわゆる濃
淡燃焼が行われるため、それぞれの箇所において、燃焼
温度は理論燃焼温度より低下する。したがって、各領域
の燃焼温度は、サーマルNOxの生成が最大となる空燃
比領域を外れるため、サーマルNOxの生成が抑制され
る。この際の燃焼形態において、前記第一,第二筒部材
10,11の下流側に形成される燃焼火炎について注目
すると、前記遮蔽板14の配設箇所の下流側において
は、比較的赤い燃焼火炎(輝炎)が生じており、その他
の箇所は、比較的青い燃焼火炎(青炎)が生じている。
ここで、前記第二筒部材11の先端側を前記第一筒部材
10へ向けて先細り形状としたことにより、前記環状流
路13から噴出する燃焼用二次空気の流速を高めて、前
記第一筒部材10からの燃焼反応ガスと燃焼用二次空気
との混合性を高めることができるため、この点におい
て、燃焼性が向上し、未燃物の生成を抑制することがで
きる。
遮蔽板14のそれぞれに、表裏を貫通する小孔16を所
定個数ずつ(図示する実施例では、2個ずつ)穿孔して
あり、前記小孔16によって前記遮蔽板14の後流側に
おける空気量(空気の比率)を増加しておくことによ
り、この下流側において、燃焼用二次空気と混合する際
の混合性がさらに向上し、排ガス中の未燃物の生成を抑
制することができる。
た場合のNOx,COの生成量を従来の一般的な液体燃
料燃焼装置と比較すると、図3のような特性図が得られ
た。この際の燃焼条件は、灯油を毎時22.1リットル
供給し、燃焼用空気量を変化させたもので、横軸は、排
ガス中に含まれるO2濃度をとった。この第一実施例に
おけるNOx排出量は、図3に示すように、O20%換
算で略30ppm前後の値であり、この値は、既存の灯油
を燃料とした同程度の燃焼量の燃焼装置の約1/4〜1
/2の値である。この値は、ガス燃料を用いた同燃焼量
の燃焼装置と同等以下のNOx排出レベルであり、従来
液体燃料では不可能とされていた低NOx燃焼装置を提
供することが可能となる。また、図3には、COの生成
量も示しているが、この値は、通常使用される空気過剰
率3〜5%の範囲内で大幅に低減されている。
Oの生成量を従来の一般的な液体燃料燃焼装置と比較す
ると、図4のような特性図が得られた。この際の燃焼条
件は、A重油を毎時21.4リットル供給している。す
なわち、単位時間当たりに供給される燃料の発熱量を前
記の図3に示す灯油の場合と実質的に同一に調整してあ
る。一般的に、A重油は、灯油に比べて燃料自体に若干
量(おおよそ0.5%)の窒素分が含まれており、この
窒素分が燃焼反応中に酸化してNOx(フューエルNO
x:fuel NOx)を生じるため、窒素分が実質上含ま
れない灯油を燃料に用いたものに比べて低NOx化が難
しいとされている。しかし、この発明に係る低NOx燃
焼装置によれば、図4に示すように、O20%換算で4
5ppm程度となっており、この値は、A重油を燃料とし
た同程度の燃焼量の既存の燃焼装置の約1/4〜1/2
の値である。
装置においては、液体燃料,特にA重油では不可能とさ
れていた低NOxを実現することが可能となる。また、
図4には、COの生成量も示しているが、この値は、通
常使用される空気過剰率3〜5%の範囲内で大幅に低減
されている。また、A重油の場合には、一般的に燃焼時
に若干の煤が生じるため、燃焼性の1つの指標としてス
モーク度が採用される。このスモーク度は、バカラック
社製のスモークテスタを用いるもので、ボイラの排気ガ
ス中の煤の量を判定するのに一般的に使用されているも
ので、排気ガスをろ紙を介して吸引し、このろ紙に付着
する煤の濃さによって段階的に評価するものである。こ
のスモーク度の比較では、図示するように最大1/4の
低減効果があり、未燃焼分の排出も大幅に改善されてい
る。すなわち、この発明に係る燃焼装置によれば、NO
x等の目に見えない有害物のみならず、煤塵や煤等の目
に見える排気物においてもその低減効果は著しい。
る燃焼反応ガスへさらに燃焼用二次空気を追加供給して
濃淡燃焼させる形式のものであるが、この発明では、以
上の構成に加えて、燃焼ガスを再循環させ、それによっ
て燃焼反応ガスの温度を制御し低NOx化を達成するこ
とも可能である。この場合の第二実施例について、図5
および図6を参照しながら説明する。図5は、この発明
に係る低NOx燃焼装置の第二実施例を示す断面図であ
り、図6は、図5の正面図であり、図1および図2に示
す前記第一実施例との共通部分には、同一参照番号を付
し、その詳細説明を省略する。
第二筒部材11の先端側の外周に、前記第二筒部材11
と略同軸状に第三筒部材17を設けたものである。この
構成によれば、前記第一筒部材10から噴出される燃焼
反応ガスや、前記第二筒部材11から噴出される燃焼用
二次空気の流体エネルギーによって、燃焼ガスを前記第
三筒部材17の根元部から吸引し、前記第二筒部材11
と前記第三筒部材17との間の環状通路19を通して、
前記第二筒部材11の外周先端側へ循環させることによ
り、排ガス再循環式燃焼装置としても機能し、また前記
第二筒部材11の内周側を流れる燃焼用二次空気の予熱
も行うことができる。この際、前記第二筒部材11の先
端を前記第一筒部材10の先端へ向けて先細り形状とす
ることにより、前記第三筒部材17とともにエゼクタと
して機能するため、排ガスの再循環を効率良く行うこと
ができる。
筒部材11から供給される燃焼用二次空気へ混入して燃
焼用空気として供給すると、燃焼用空気中に不活性ガス
が増えるため、燃焼が緩慢になり、燃焼ガスの熱容量が
増えることによって火炎温度が低下し、サーマルNOx
(thermal NOx)の発生が抑制される。
は、前記のように、液体燃料の燃焼装置として、ガス燃
料燃焼装置に匹敵する低NOx化を達成するものである
が、元来燃料中に窒素分がほとんど含まれないガス燃料
を使用することにより、一層の低NOx化を図ることが
でき、また液体燃料の燃料供給装置とガス燃料の燃料供
給装置との両方の燃料供給機構を併せて設けることによ
り、いわゆる混焼式の燃焼装置を提供することができ
る。
NOx燃焼装置は、第一筒部材内で燃焼用一次空気によ
って液体燃料を燃焼させ、第一筒部材の出口において、
環状流路から供給される燃焼用二次空気を遮蔽板によっ
て周方向へ分割させて噴射させることにより、第一,第
二筒部材の後流側で、サーマルNOxの発生量の少ない
空燃比領域で燃焼するため、NOxの発生を抑制するこ
とができる。また、燃焼用一次空気の供給量を全燃焼用
空気量の0.1〜0.25倍の範囲とすることにより、
未燃分が生じてCOの生成量が増大するのを抑制するこ
とができるとともに、火炎が保炎板に張り付いた状態で
燃料過剰の状態で燃焼するのを防止して、NOxの生成
を抑制することができる。また、前記の燃焼用二次空気
流により、第二筒部材の外側において燃焼ガスが循環す
る流れを生じ、この燃焼ガスの流れによっても気化が促
進され、燃焼性を改善することができる。
る小孔を所定個数ずつ穿孔することにより、遮蔽板の下
流側における空気量(空気の比率)が増加するため、こ
の下流側において、燃焼用二次空気と混合する際の混合
性が向上し、排ガス中の未燃物の生成を抑制することが
できる。
することにより、燃焼用二次空気の流速を高めることが
でき、この高速の燃焼用二次空気は、保炎板の下流領域
において形成される循環流,あるいは燃焼用二次燃焼用
空気の高速流が失速する際に生じる循環流によって、第
一,第二筒部材よりも後流側で確実に保炎することがで
きるため、燃焼の安定性に優れる。
の燃焼装置の約1/4〜1/2の値にまで低減すること
ができ、ガス燃料を用いた同燃焼量の燃焼装置と同等以
下のNOx排出レベルとすることができるため、従来液
体燃料では不可能とされていた低NOxを実現すること
ができる。
を示す断面図である。
油を使用した場合のNOx,COの生成量を従来の一般
的な液体燃料燃焼装置と比較して説明する特性図であ
る。
重油を使用した場合のNOx,COの生成量を従来の一
般的な液体燃料燃焼装置と比較して説明する特性図であ
る。
を示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 燃焼用一次空気の供給を受ける第一筒部
材10と、前記第一筒部材10の先端部内側に、この第
一筒部材10内周壁との間に所定の隙間を介在させて配
置した保炎板6と、前記第一筒部材10内における保炎
板6の上流側に配置した液体燃料を供給する燃料供給手
段1と、前記第一筒部材10の外周に配置することによ
り、第一筒部材10との間に燃焼用二次空気の供給を受
ける環状流路13を形成する第二筒部材11と、前記環
状流路13の先端側において前記環状流路13を周方向
へ所定個数に分割する遮蔽板14とを備え、前記第一,
第二筒部材10,11の先端部を略面一に形成し、前記
第一筒部材10へ供給する燃焼用一次空気の流量を低N
Ox燃焼装置へ供給する全燃焼用空気の流量の0.1〜
0.25倍の範囲とし、前記燃焼用二次空気流が失速す
る際に生じる循環流によって、火炎を前記第一,第二筒
部材10,11から離れて後流側で保炎することを特徴
とする低NOx燃焼装置。 - 【請求項2】 前記遮蔽板14に小孔16を穿孔したこ
とを特徴とする請求項1に記載の低NOx燃焼装置。 - 【請求項3】 前記第二筒部材11の先端を第一筒部材
10の先端へ向けて先細り形状としたことを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の低NOx燃焼装置。
Priority Applications (1)
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