JPH05279493A - 二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフイルム

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JPH05279493A
JPH05279493A JP8085792A JP8085792A JPH05279493A JP H05279493 A JPH05279493 A JP H05279493A JP 8085792 A JP8085792 A JP 8085792A JP 8085792 A JP8085792 A JP 8085792A JP H05279493 A JPH05279493 A JP H05279493A
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JP
Japan
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film
particles
formaldehyde resin
particle diameter
biaxially oriented
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JP8085792A
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English (en)
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Makoto Iida
真 飯田
Sumio Kato
純生 加藤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 滑り性、耐削れ性、透明性に優れた二軸配向
ポリエステルフイルムを提供する。 【構成】 フイルム中に平均粒径が0.01〜10μm
であり、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であ
り、相対標準偏差が0.5以下であり、かつ炭化温度が
350℃以上の球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒
子を0.005〜5重量%含有させてなることを特徴と
する二軸配向ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二軸配向ポリエステルフ
イルムに関し、更に詳しくは、球状メラミン―ホルムア
ルデヒド樹脂粒子を含有し、該粒子により形成される微
細突起により滑り性に優れ、かつ耐削れ性、透明性に優
れた二軸配向ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフイルムに
代表されるポリエステルは、その優れた物理的および化
学的特性の故に、磁気テープ用、写真用、コンデンサー
用、包装用などのフイルムとして広く用いられている。
【0003】これらフイルムにおいては、その滑り性お
よび耐削れ性はフイルムの製造工程および各用途におけ
る加工工程の作業性の良否、さらにはその製品品質の良
否を左右する大きな要因となっている。
【0004】一般にフイルムの滑り性および耐削れ性の
改良には、フイルム表面に微細凹凸を付与することによ
りガイドロール等との間の接触面積を減少せしめる方法
が採用されている。
【0005】従来、フイルム表面に微細凹凸を付与する
方法として、フイルム基質であるポリエステルに酸化ケ
イ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレ
イ、焼成カオリン等の無機質微粒子を添加する方法(例
えば、特開昭54―57562号)、又はポリエステル
を製造する重合系内で、カルシウム、リチウムあるいは
リンを含む微粒子を析出せしめる方法(特公昭52―3
2914号)が提案されている。これら微粒子はフイル
ム化した際、フイルム表面に微細突起を生成し、この突
起はフイルムの滑り性を向上する。
【0006】しかしながら、上記無機質微粒子を添加す
る方法からなるポリエステルフイルムでは、通常二軸延
伸によって該微粒子とポリエステルの境界に剥離が生
じ、該微粒子の囲りにボイドが形成されている。このボ
イドは、微粒子が大きいほど、そしてまた未延伸フイル
ムを延伸する際に延伸面積倍率が大きいほど、また低温
で行うほど大きい。
【0007】そして、このボイドが大きくなればなる
程、突起の形状がゆるやかな形となり、摩擦係数が高く
なる。加えて、繰り返し使用時に生じた二軸配向ポリエ
ステルフイルムのボイド上の小さな傷(スクラッチ)に
よって粒子の脱落が起り、耐久性を低下させるとともに
削れ粉発生の原因となっている。この削れ粉は、例えば
磁気テープとして使用するとき磁気記録信号の欠落、即
ちドロップアウトの原因となることが多い。また、大き
なボイドの存在によって光線の散乱が起り、フイルムの
透明性は低下する。
【0008】一方、ポリエステルの重合系内で微粒子を
析出せしめる方法は、該析出微粒子とポリエステルとの
親和性が良いという利点があるものの、粒子の大きさ、
析出量を制御するのが困難であり、そのため得られるフ
イルムの表面凹凸にバラツキが生じやすいという欠点が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、これら不
都合を解消し、不活性微粒子周辺のボイドが小さくかつ
フイルム表面が適度に粗れていることによってフイルム
の滑り性と耐削れ性が向上し、しかも各用途に適した表
面性の二軸配向ポリエステルフイルムを開発すべく鋭意
研究の結果、本発明に至ったものである。
【0010】従って、本発明の目的は、ボイドが小さ
く、フイルム表面の粗れが均一で表面凹凸がそろってお
り、滑り性、耐削れ性、透明性に優れた二軸配向ポリエ
ステルフイルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成からなる。
【0012】フイルム中に平均粒径が0.01〜10μ
mであり、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であ
り、下記式で表される相対標準偏差が0.5以下であ
り、かつ炭化温度が350℃以上の球状メラミン―ホル
ムアルデヒド樹脂粒子を0.005〜5重量%含有させ
てなることを特徴とする二軸配向ポリエステルフイル
ム。
【0013】
【数2】
【0014】本発明におけるポリエステルは、芳香族ジ
カルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。かかる
ポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム形
成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳香
族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオー
ル等を挙げることができる。
【0015】本発明において、ポリエステルとしてはア
ルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレンナフタ
レートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられ
る。
【0016】かかるポリエステルのうちでも、特に、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートをはじめとして、例えば全ジカルボン酸成分
の80モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6―
ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の8
0モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好
ましい。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル
酸および/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の
上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えば
アジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;
シクロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジ
カルボン酸等であることができる。また、全グリコール
成分の20モル%以下はエチレングリコール以外の上記
グリコールであることができ、また例えばハイドロキノ
ン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4―ジヒド
ロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジ
オール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリア
ルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコー
ル)等であることもできる。
【0017】また、本発明におけるポリエステルには例
えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―ヒ
ドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカ
ルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオ
キシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重
合あるいは結合するものも包含される。
【0018】さらに本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポ
リヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエ
リスリトール等を共重合したものも包含される。
【0019】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0020】上記ポリエステルとしては、o―クロロフ
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。
【0021】本発明の二軸配向ポリエステルフイルムは
そのフイルム表面に多数の微細な突起を有している。こ
れらの多数の微細な突起は、本発明によればポリエステ
ル中に分散して含有されている多数の球状メラミン―ホ
ルムアルデヒド樹脂粒子に由来する。
【0022】球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子
は、その平均粒径が0.01〜10μmである必要があ
る。好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.
1〜2μmである。この平均粒径が0.01μmよりも
小さいと、満足な滑り性が得られず、ブロッキングをお
こす。一方、この平均粒径が10μmより大きいと、削
れ粉が発生しやすくなり、例えば磁気テープ用途に用い
た場合ドロップアウトの原因となる。
【0023】球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子
は、最大径(長径)対最小径(短径)の比で定義される
粒径比が1.0〜1.2の範囲にある必要がある。好ま
しい粒径比は1.0〜1.15の範囲にあり、より好ま
しい粒径比は1.0〜1.12の範囲にある。
【0024】また球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂
粒子は粒度分布がシャープであり、分布の急峻度を表わ
す相対標準偏差が0.5以下であることが必要である。
好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.2以下であ
る。
【0025】この相対標準偏差は次式で表わされる。
【0026】
【数3】
【0027】相対標準偏差が0.5以下の球状メラミン
―ホルムアルデヒド樹脂粒子を用いると、該粒子が球状
でかつ粒度分布が極めて急峻であることから、フイルム
表面突起の高さが極めて均一となる。更にフイルム表面
の個々の突起は、滑剤周辺のボイドが小さいために突起
形状が非常にシャープであり、従って同じ突起の数であ
っても滑り性が極めて良好となる。
【0028】球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子
は、その炭化温度が350℃以上である必要がある。好
ましくは380℃以上、より好ましくは400℃以上で
ある。炭化温度が350℃未満の場合、ポリエステルの
重合段階で粒子を添加する際に粒子の炭化が起こり、粒
子自体の崩壊、ポリエステルの劣化を招くなどの悪影響
を与えるようになる。球状メラミン―ホルムアルデヒド
樹脂粒子の硬度は特に限定されないが、10%変形強度
が3〜30kgf /mm2 であると耐摩耗性がさらに良好と
なるので好ましい。
【0029】上記の特性を有する球状メラミン―ホルム
アルデヒド樹脂粒子は公知の製造方法により製造するこ
とができる。例えばメラミン1モルに対してホルムアル
デヒドを1〜3モルの割合で加えて反応生成物が疎水化
するまで反応させ、次いで得られた反応生成物を攪拌し
ている保護コロイド水溶液中に添加して乳化せしめた
後、硬化触媒を加えて乳化状態で重合硬化させ、得られ
た硬化物を洗浄、乾燥する方法で製造することができ
る。その際、メラミンとホルムアルデヒドの仕込み比、
攪拌条件、温度、pH、重合時間、保護コロイドの量な
どを調節することにより、任意の粒径、粒度分布を持っ
た球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子を得ること
ができる。また、洗浄、乾燥後、あるいは重合硬化反応
後の任意の段階で100〜400℃の範囲で加熱するこ
とにより、粒子の硬度を高め、炭化・分解温度を上昇さ
せることも可能である。しかし、上記の条件を満足する
球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子であれば、そ
の製法に限定されない。
【0030】球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子
を分散含有するポリエステルは、通常ポリエステルを形
成するための反応時、例えばエステル交換法による場合
のエステル交換反応中あるいは重縮合反応中の任意の時
期、また直接重合法による場合の任意の時期に、球状メ
ラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子(好ましくはグリコ
ール中のスラリーとして)を反応系中に添加することに
より製造することができる。好ましくは、重縮合反応の
初期例えば固有粘度が約0.3に至るまでの間に、球状
メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子を反応系中に添加
するのが好ましい。
【0031】球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子
の添加量は、ポリエステルに対して0.005〜5重量
%とする必要があり、好ましくは0.01〜2重量%、
更に好ましくは0.05〜1重量%である。添加量が
0.005重量%未満では、滑り性や耐削れ性の向上効
果が不充分となり、一方5重量%を越えると表面平坦性
が低下し、好ましくない。
【0032】本発明における二軸配向ポリエステルフイ
ルムは従来のものに比してボイドが極めて小さいフイル
ムであるが、このボイドが小さい理由は、球状メラミン
―ホルムアルデヒド樹脂粒子のポリエステルへの親和性
の良さと、更に粒子そのものが球に近いことから、延伸
において粒子周辺の応力が均等に伝播し、ポリエステル
と粒子の界面の一部に応力が集中しないことによると推
測される。
【0033】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、例えば、融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃
の温度でポリエステルを溶融して固有粘度0.35〜
0.9dl/gの未延伸フイルムを得、該未延伸フイルム
を一軸方向(縦方向又は横方向)に(Tg−10)〜
(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルの
ガラス転移温度)で2.5〜5.0倍の倍率で延伸し、
次いで上記延伸方向と直角方向(一段目延伸が縦方向の
場合には、二段目延伸は横方向となる)にTg(℃)−
(Tg+70)℃の温度で2.5〜5.0倍の倍率で延
伸することで製造できる。この場合、面積延伸倍率は9
〜22倍、更には12〜22倍にするのが好ましい。延
伸手段は同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでも良
い。
【0034】更に、二軸配向フイルムは、(Tg+7
0)℃〜Tm(℃)の温度で熱固定することができる。
例えばポリエチレンテレフタレートフイルムについては
190〜230℃で熱固定することが好ましい。熱固定
時間は例えば1〜60秒である。
【0035】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、走行時の摩擦係数が小さく、操作性が大変良好であ
る。またこのフイルムを磁気テープのベースとして用い
ると、磁気記録再生装置(ハードウエア)の走行部分と
の接触摩擦によるベースフイルムの削れが極めて少な
く、耐久性が良好である。
【0036】本発明の二軸配向ポリエステルフイルム
は、上述の磁気テープの他に種々の用途に用いることが
できる。例えば、コンデンサー用、包装用、蒸着用等の
用途に有用である。
【0037】なお、本発明における種々の物性値および
特性は以下の如く測定されたものであり、かつ定義され
る。
【0038】(1)粒子の平均粒径 i)球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子の平均粒
径 電顕試料台上に球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粉
体を個々の粒子ができるだけ重ならないように散在せし
め、金スパッター装置によりこの表面に金薄膜蒸着層を
厚み200〜300オングストロームで形成せしめ、走
査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍で観察
し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500に
て、少なくとも100個の粒子の面積円相当径(Di)
を求める。そして、次式で表わされる数平均値をもっ
て、球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子の平均粒
径(DA )を表わす。
【0039】
【数4】
【0040】ii)他の粒子の平均粒径 島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティ
クル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle S
ize Analyser)を用いて測定する。得られた遠心沈降曲
線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲
線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取
り、この値を平均粒径とする(Book「粒度測定技術」日
刊工業新聞社発行、1975年、頁242〜247参
照)。
【0041】(2)粒子の相対標準偏差 i)球状メラミン―ホルムアルデヒド樹脂粒子の相対標
準偏差 上記(1)―i)項で求めた個々の粒子の面積円相当径
(Di)と平均粒径(DA )を用いて下記式により計算
される。
【0042】
【数5】
【0043】ii)他の粒子の相対標準偏差 上記(1)―ii)項の積算曲線より差分粒度分布を求
め、次の相対標準偏差の定義式にもとづいて相対標準偏
差を算出する。
【0044】
【数6】
【0045】(3)粒子の粒径比 粒子含有フイルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形
し、ミクロトームにて約600オングストロームの厚み
の超薄切片(フイルムの流れ方向に平行に切断する)を
作成する。この試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所
製:H―800型)にてフイルム中の粒子の断面形状を
観察し、滑剤の最大径(長径)と最小径(短径)の比で
表わす。
【0046】(4)フイルム表面粗さ(Ra) 中心線平均粗さ(Ra)としてJIS―B0601で定
義される値であり、(株)小坂研究所の触針式表面粗さ
計(SURFCORDER SE―30C)を用いて測定する。測
定条件等は次の通りである。 (a)触針先端半径:2μm (b)測定圧力 :30mg (c)カットオフ :0.25mm (d)測定長 :0.5mm (e)データーのまとめ方 同一試料について5回繰返し測定し、最も大きい値を1
つ除き、残り4つのデーターの平均値の小数点以下4桁
目を四捨五入し、少数点以下3桁目まで表示する。
【0047】(5)ボイド比 試料フイルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定
し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC―
1100型イオンスパッターリング装置)を用いてフイ
ルム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。
条件はベルジャー内に試料を設置し、約10-3Torr
の真空状態まで真空度を上げ、電圧0.25KV、電流
1.25mAにて約10分間イオンエッチングを実施す
る。更に同装置にてフイルム表面に金スパッターを施
し、走査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍で
観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス50
0にて少なくとも50個の微粒子の長径とボイドの長径
を測定し、次式
【0048】
【数7】
【0049】で求めるボイド比の数平均値で表わす。
【0050】(6)フイルムの摩擦係数(μk) 温度20℃、湿度60%の環境で、巾1/2インチに裁
断したフイルムをポリアセタール製の6mmφの固定棒
(表面粗さ0.03μm)に角度θ=(152/18
0)πラジアン(152°)で接触させて毎分200cm
の速さで移動(摩擦)させる。入口テンションT1 が3
5gとなるようにテンションコントローラーを調整した
時の出口テンション(T2 :g)を、フイルムが90m
走行したのちに出口テンション検出機で検出し、次式で
走行摩耗係数μkを算出する。
【0051】
【数8】
【0052】(7)フイルムの走行摩擦係数上昇(Δμ
k) 上記フイルムの走行摩擦係数(μk)を測定する装置を
用いてフイルム移動速度を2m/分として10m長のフ
イルムを50回繰返し走行させる。その時の1回目の摩
擦係数をμk1 、50回目の摩擦係数をμk50として下
記式によりΔμkを算出する。 Δμk=μk50−μk1
【0053】(8)ヘーズ(曇り度) JIS―K674に準じ、日本精密工学社製積分球式H
TRメーターによりフイルムのヘーズを求める。
【0054】(9)炭化温度 セイコー電子工業(株)製SSC1580を用いて昇温
速度20℃/分、窒素中でDSC測定を行い、DSCカ
ーブ上で急激な発熱反応が開始され、粒子が炭化しはじ
める温度を炭化温度とする。
【0055】(10)カレンダー削れ性 ナイロン製の弾性ロールを持つ3段式ミニスーパーカレ
ンダー装置(由利ロール株式会社製)にて加熱ロール温
度80℃、線圧160kg/cm、速度120m/分で15
0mm幅にスリットしたフイルムを5000m処理し、弾
性ロール上の汚れ状況で削れ性を評価する。 <判定> ◎;弾性ロール表面に汚れが認められない ○;弾性ロール表面の光沢度が若干低下するも、削れ粉
の付着は認められない ×;弾性ロール表面に削れ粉の付着が認められる ××;弾性ロール表面に多量の削れ粉の付着が認められ
る。
【0056】(11)粒子硬度 ダイヤモンド圧子を備えた超微小硬度計(島津製作所
製)を用いて、粒子をダイヤモンド圧子で押し込み、粒
径の10%の変位を与えるのに必要な荷重から、10%
変形強度を算出する。
【0057】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0058】
【実施例1〜3、比較例1〜3】ジメチルテレフタレー
トとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として
酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、
安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示す添加
粒子を添加して常法により重合し、固有粘度(オルソク
ロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレンテレ
フタレートを得た。
【0059】このポリエチレンテレフタレートのペレッ
トを170℃で3時間乾燥後押出機ホッパーに供給し、
溶融温度280〜300℃で溶融し、この溶融ポリマー
を1mmのスリット状ダイを通して表面仕上げ0.3s程
度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、20
0μmの未延伸フイルムを得た。
【0060】このようにして得られた未延伸フイルムを
75℃にて予熱し、更に低速、高速のロール間で15mm
上方より900℃の表面温度のIRヒーター1本にて加
熱して3.6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに
供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得
られた二軸配向フイルムを205℃の温度で5秒間熱固
定し、厚み14μmの二軸配向ポリエステルフイルムを
得た。このようにして得られた二軸配向ポリエステルフ
イルムの特性を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1から明らかなように、比較例1、比較
例3のフイルムは走行摩擦係数の上昇が著しく、滑り性
不良である。また比較例2のフイルムは滑り性は良好で
あるが、カレンダー削れ評価において多量の削れ粉が発
生した。さらに比較例2,3のフイルムはヘーズが高
く、満足な透明性が得られていない。これに対して実施
例1〜3のフイルムは滑り性、耐削れ性、透明性のいず
れにも優れたフイルムである。
【0063】
【比較例4】実施例1で用いた滑剤の代りに平均粒径
0.6μm、炭化温度330℃の球状メラミン―ホルム
アルデヒド樹脂微粒子を用いて、実施例1と同様にポリ
エチレンテレフタレートの重合を行なったところ、重合
反応中に異臭が発生し、得られたポリエチレンテレフタ
レートのペレットは黒色であった。
【0064】このペレットを用いて実施例1と同様に二
軸配向ポリエステルフイルムを得たところ、表面粗さR
aは0.005μmとなり、充分な滑り性を得られずフ
イルム同士がブロッキングを起こした。またヘーズも1
5.0%と高かった。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、滑り性、耐削れ性、透
明性に優れているため、磁気記録用、工業材料用、包装
用等に好適な二軸配向ポリエステルフイルムを提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F C08L 61:28) 8215−4J 67:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルム中に平均粒径が0.01〜10
    μmであり、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2で
    あり、下記式で表される相対標準偏差が0.5以下であ
    り、かつ炭化温度が350℃以上の球状メラミン―ホル
    ムアルデヒド樹脂粒子を0.005〜5重量%含有させ
    てなることを特徴とする二軸配向ポリエステルフイル
    ム。 【数1】
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5569532A (en) * 1993-09-14 1996-10-29 Skc Limited Biaxially oriented polyester film and process for the preparation thereof

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US5569532A (en) * 1993-09-14 1996-10-29 Skc Limited Biaxially oriented polyester film and process for the preparation thereof

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