JPH05279482A - ポリアリレート・ポリスチレン系共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアリレート・ポリスチレン系共重合体の製造方法

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JPH05279482A
JPH05279482A JP4108365A JP10836592A JPH05279482A JP H05279482 A JPH05279482 A JP H05279482A JP 4108365 A JP4108365 A JP 4108365A JP 10836592 A JP10836592 A JP 10836592A JP H05279482 A JPH05279482 A JP H05279482A
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JP
Japan
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polyarylate
acid anhydride
copolymer
styrene
weight
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Withdrawn
Application number
JP4108365A
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English (en)
Inventor
Soichiro Kishimoto
聡一郎 岸本
Takamasa Owaki
隆正 大脇
Akio Motoyama
秋男 本山
Masao Kimura
正生 木村
Koichi Fujishiro
光一 藤城
Hiroshi Oishi
浩 大石
Shinji Inaba
真司 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Unitika Ltd
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Unitika Ltd
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 酸無水物結合と反応し得る官能基を有するス
チレン系ポリマー(A)と主鎖に酸無水物結合を有する
特定のポリアリレート(B)とを、有機溶媒中A:Bが
重量比20:80〜80:20となる割合で反応させる
ポリアリレート・ポリスチレン系共重合体の製造方法で
ある。 【効果】 従来の重合法に比較して、共重合化していな
いスチレン系重合体の含有量が低く、しかも、透明性に
優れ、着色がなく複屈折が低いポリアリレート・ポリス
チレン系共重合体を低温で容易に製造することができ、
良好な光学機器素材として使用可能であり、また、ポリ
アリレートとスチレン系ポリマーのブレンド物中に添加
してこのブレンド物の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率
を強化する相溶化剤として使用することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリレート・ポリ
スチレン系共重合体の製造方法に係り、さらに詳しく
は、光ディスク、光ファイバ−,レンズ等の光学部品の
製造に有用な複屈折の低いポリアリレート・ポリスチレ
ン系共重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、透明性に優れ、光学機器用素材
に適しているポリアリレート系樹脂は、耐熱性や機械的
強度にも優れた性質を有しているが、溶融粘度が高くて
加工し難いという問題がある。加えて、射出成形等の熱
成形加工の際に、応力歪みが発生し、得られた製品は複
屈折を生じ易いという問題もある。このため、最終製品
が光ディスクや光ガード保護膜等の場合には、複屈折が
読み取りエラーやノイズの原因となり、また、最終製品
が光ファイバーの場合には、複屈折が伝送損失を大きく
する原因になる等の問題点がある。
【0003】この様な問題点を解決する手段としてポリ
アリレート系樹脂(以下、PArと略称することがあ
る)と正負逆方向の複屈折を有するポリスチレン系樹脂
(以下、PSと略称することがある)とを化学的に結合
させてポリアリレート・ポリスチレン系共重合体とする
ことにより複屈折を低減させる方法や、PSとPArを
ブレンドし、さらに相溶化剤として上記ポリアリレート
・ポリスチレン系共重合体を添加して複屈折を低減させ
る方法が知られている。そして、このようなポリアリレ
ート・ポリスチレン系共重合体の製造法として、特開昭
58−157,844号公報あるいは特開昭58−22
5,113号公報には,ポリアリレートの末端に不飽和
基を導入し、これをスチレン系モノマーとラジカル共重
合することによる製造方法が例示されている。しかしな
がら、この方法では末端の不飽和基とスチレン系モノマ
ーとのラジカル共重合反応と同時に、スチレン系モノマ
ーの重合反応が起こるため、共重合化していないポリス
チレン系重合物の含有率が多くなり、生成ポリマーの機
械的物性が低下するという問題がある。このため、極端
な場合には、機械的物性を維持するために生成ポリマー
中に残留した共重合化していないスチレン系重合体を除
去する工程が必要になり、工業的生産としてこの様な方
法を適用することは困難であった。また、特開平1−1
29,011号公報には、スチレン系モノマーとアリル
アミンとをラジカル共重合して得られるアリルアミン変
性スチレン系重合体とポリアリレート系化合物とを高温
(260〜340℃)で溶融混合siteポリアリレー
ト・ポリスチレン系共重合体の製造方法が開示されてい
る。しかしながら、この方法では、高温での溶融混合を
必要となり、得られたポリマーが着色するという問題が
ある。
【0004】そこで、本発明者らは、光学的機器用の成
形材料に適したポリアリレート・ポリスチレン系共重合
体における上記の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結
果、酸無水物結合と反応し得る官能基を有するスチレン
系化合物と主鎖に酸無水物結合を有するポリアリレート
とを所定の割合で有機溶媒中で反応させることにより、
着色のないポリアリレート・ポリスチレン系共重合体を
低温で容易に製造し得ることを見出し、本発明を完成し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、透明性に優れていると共に光学的歪みが特に小さ
く、また、透明性に優れているだけではなく、着色がな
く、しかも、機械的強度に優れたポリアリレート・ポリ
スチレン系共重合体を製造するための方法を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、このように優れ
た特性を有するポリアリレート・ポリスチレン系共重合
体を、低い温度で、しかも容易に製造することができる
ポリアリレート・ポリスチレン系共重合体の製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、酸
無水物基と反応しうる官能基を有するスチレン系ポリマ
ー(A)と主鎖に酸無水物結合を有するポリアリレート
(B)とを、有機溶媒中A:Bが重量比20:80〜8
0:20となる割合で反応させることを特徴とするポリ
アリレート・ポリスチレン系共重合体の製造方法であ
る。
【0007】本発明で用いられるスチレン系ポリマー
(A)は、末端に1個又は2個あるいは中間に1個又は
2個以上の酸無水物結合と反応し得る官能基を有してい
ればよいが、好ましくは片末端若しくは両末端に前記官
能基を有しているものであり、より好ましくは反応性を
向上させるために両末端に酸無水物結合と反応し得る官
能基を有しているものが用いられる。このスチレン系ポ
リマーのゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと
略記する)で測定した数平均分子量Mnは、1,000
以上であって200,000以下であることが好まし
い。Mnが1,000より小さいとポリマーとしての物
性が不十分となるために好ましくなく、Mnが200,
000を超えると共重合体の重合反応率が低下する傾向
があるので好ましくない。また、Mnと重量平均分子量
Mwとの比(Mw/Mn)が4.0以下であるスチレン
系重合体(A)を使用することが好ましい。Mw/Mn
が4.0を超えるスチレン系ポリマーを使用して共重合
体を合成した場合は、得られた共重合体の分子量の分布
が広くなり、物性が低下する場合がある。
【0008】このスチレン系ポリマー(A)の製造する
ためのスチレン系モノマーとしては、スチレンの他に例
えば、o−,m−,p−メチルスチレン、o−,m−,
p−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等
のアルキル置換スチレン化合物類や、o−,m−,p−
クロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロモスチレ
ン、ジブロモスチレン,モノフルオロスチレン,ジフル
オロスチレン等のハロゲン置換スチレン化合物類、α−
メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα位アルキル
置換スチレン化合物類及びこれらを適宜混合した混合物
が挙げられる。もちろん、使用可能なスチレン系モノマ
ーはここに挙げられたものに限定されるわけではない。
また、このスチレン系重合体は物性を改善するために0
〜50重量%の他のビニル系モノマー、例えば、メタク
リル酸エステル類、アクリル酸エステル類、酢酸ビニ
ル、ブタジエン、アクリロニトリル等を共重合せしめた
ものであってもかまわない。
【0009】また、このスチレン系ポリマー(A)が有
する酸無水物結合と反応し得る官能基としては、具体的
にはアミノ基や水酸基を挙げることができる。
【0010】そして、このようなスチレン系ポリマー
(A)の製造する方法としては公知の方法を利用するこ
とができる。例えば、カルボキシル基を有するラジカル
重合開始剤を使用してスチレン系モノマーをラジカル重
合して末端にカルボキシル基を有するスチレン系重合体
を調製した後、これをジアミン化合物とアミド化反応さ
せ、こてによって末端に酸無水物結合と反応し得る官能
基としてのアミノ基を導入する方法が挙げられる。もち
ろん,酸無水物結合と反応し得る官能基を導入する方法
については、この方法に限定されるものではなく、他の
公知の方法も適用することができる。
【0011】本発明で用いる主鎖に酸無水物結合を有す
るポリアリレート(B)としては、芳香族二塩基酸と芳
香族ジオールから合成されたものであって、非晶性のも
のであればいかなるものであってもよい。結晶性のもの
は、後述する反応溶媒に溶解し難かったり、生成する共
重合体の透明性を損なうことがあるので好ましくない。
特に好ましいポリアリレート(B)を例示すれば、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフ
ェノールA〕とテレフタル酸残基及び/又はイソフタル
酸残基とからなる非晶性ポリアリレートや、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン〔ビスフェノールF〕ある
いはビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン
〔ビスフェノールAP〕とテレフタル酸残基及び/又は
イソフタル酸残基とからなる非晶性ポリアリレート等を
挙げることができる。
【0012】また、本発明で用いるポリアリレート
(B)は下記関係式(1) Mw1 /Mw2 =1.03〜5.0 (1) [但し、式中Mw1 はポリアリレートのスチレン換算の
重量平均分子量を示し、Mw2 は酢酸ナトリウムを0.
01モル/リットルの割合で含むテトラクロロエタン/
フェノール=40/60(重量比)混合溶媒にポリアリ
レートを溶解し、40℃で2時間処理して酸無水物結合
を切断した後の重量平均分子量を示す。]を満足するも
のであることが好ましい。ここでいうMw1 /Mw
2 は、ポリアリレート中の酸無水物結合の量を示す。M
1 /Mw2 が1.03より小さいとポリアリレート中
の酸無水物結合量が少なくなるため、後述する反応過程
でポリスチレンとの共重合物が生成しない場合があるの
で好ましくない。一方、Mw1 /Mw2 が5.0を超え
ると酸無水物結合の量が多すぎて、生成する共重合体中
のポリアリレート単位が短くなって物性が低下したり、
共重合体中に酸無水物結合が残存し熱的な安定性が損な
われることがあるので好ましくない。
【0013】さらにまた、本発明で用いる非晶性ポリア
リレート(B)は、GPCによって測定されたスチレン
換算の重量平均分子量が10,000〜100,000
の範囲にあることが好ましい。好ましい範囲は,反応後
のポリアリレートブロック鎖長を勘案して決定する必要
があり,10,000未満であると生成する共重合体中
のポリアリレートブロックの分子量が低すぎて機械的な
強度が損なわれる場合があり、一方、100,000を
超えると反応溶媒に溶解し難くなり好ましくない。さら
に,本発明で用いるポリアリレート(B)は、溶液重合
法、溶融重合法、界面重合法等公の知の方法を利用して
製造することができる。中でも、着色のないポリアリレ
ートが製造するためのは溶液重合法や界面重合法が好ま
しく、例えば、特公平2−46,606号公報に記載の
方法を利用して製造することができる。
【0014】本発明方法において、スチレン系ポリマー
(A)とポリアリレート(B)とを反応させる際の使用
割合は、好適な光学および機械特性を得るためには、こ
れらA:Bの重量比が20:80〜80:20となる範
囲である。スチレン系重合体が重量比20より少ないと
得られる共重合体の複屈折が高くなる傾向があり、反対
に80より多くなると得られる共重合体の機械的特性が
低下する。さらにまた、得られる共重合体中に酸無水物
結合が残らないように、スチレン系重合体中の酸無水物
結合と反応し得る官能基が充分となるように使用するこ
とが好ましい。
【0015】本発明において上記スチレン系ポリマー
(A)とポリアリレート(B)とを反応させる方法は、
スチレン系ポリマー(A)とポリアリレート(B)とを
有機溶媒中に溶解し、攪拌して混合することによって行
われる。攪拌は、反応が完結するまで1〜数時間行う必
要がある。反応温度は、室温から有機溶媒の沸点までの
温度で適宜選択することができる。もちろん必ずしも加
熱する必要はないが、加熱すれば反応が完結するまでの
時間を短縮することができる。また、スチレン系ポリマ
ー(A)としてヒドロキシル基のような反応性の低い官
能基を有するものを使用する場合には、加熱することが
好ましく、さらに、反応を促進するために、触媒等を少
量共存させても良い。
【0016】本発明で使用する有機溶媒としては、スチ
レン系ポリマー(A)、ポリアリレート(B)及び生成
する共重合体に対して0溶媒であればいかなるものでも
よい。例示すれば、ジクロロメタン、クロロホルム、
1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンのようなハロゲン化炭化水素類や、クロロベン
ゼン,o−,m−,p−ジクロロベンゼン等の芳香族ハ
ロゲン化合物類や、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメチルスルフォキシド及びこ
れらを適宜混合した混合物等を挙げることができる。ホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド等のアミン化合物を
不純物として含む溶媒は、ポリアリレート中の酸無水物
結合を切断して共重合体の生成を阻害する場合があるの
で好ましくない。
【0017】反応終了後の共重合体の単離、精製には公
知の種々の方法を採用することができる。例えば、重合
終了後、静置するかあるいは遠心分離機等を用いて機械
的に無機塩を含む水相と共重合体を含む有機相に分離
し、この共重合体を含む有機相に必要に応じて濾過又は
抽出等の洗浄操作を施した後、この有機相をアセトン、
メタノール等の溶媒中に加えて共重合体を析出させ、濾
過、乾燥させて目的とする共重合体を単離する方法が挙
げられる。なお、生成ポリマー中の共重合していないス
チレン系ポリマーを除去する必要がある場合は、シクロ
ヘキサン等のスチレン系ポリマーだけを溶解する溶媒を
使用し、このスチレン系ポリマーだけを選択的に溶解し
て除去してもよい。
【0018】本発明方法により製造した共重合体のスチ
レン換算の重量平均分子量Mw3 は、GPCの測定値で
5,000〜500,000が好ましい。Mw3 が5,
000より小さいと機械的な物性が不十分になる傾向が
あり、また、Mw3 が500,000を超えると生成ポ
リマーがゲル状となって重合溶媒の除去が困難となり、
また、共重合体の溶融粘度が上昇するために成形加工性
が著しく低下する。
【0019】さらに、本発明の方法により製造した共重
合体は、下式関係式(2) Mw3 /Mw4 ≦1.05 (2) [但し、式中Mw3 はポリアリレートのスチレン換算の
重量平均分子量を示し、Mw4 は酢酸ナトリウムを0.
01モル/リットルの割合で含むテトラクロロエタン/
フェノール=40/60(重量比)混合溶媒にポリアリ
レートを溶解し、40℃で2時間処理して酸無水物結合
を切断した後の重量平均分子量を表す。]を満足するこ
とが好ましい。
【0020】ここで、Mw3 /Mw4 は、共重合体中の
酸無水物結合の残留量を表し、1.05を超えると共重
合体の中の酸無水物結合の量が多くなり、成形時の熱安
定性が悪くなって、分子量の低下が起こったり、成形体
が着色したりすることがあるので好ましくない。もちろ
ん、共重合体中に残留する酸無水物結合量の測定は、こ
の方法に限定されるわけではなく、中和滴定法(電位差
滴定法)、赤外分光光度法などによっても行うことがで
きる。
【0021】本発明で製造したポリアリレート・ポリス
チレン系共重合体は、良好な流動性を有し、透明性が高
く、かつ複屈折の低い光学機器用素材として単体でも好
適に用いられるが、ポリアリレートとスチレン系重合体
のブレンド物に添加して相溶性を増加させ、ブレンド物
の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率等を強化するために
も使用することができる。
【0021】
【実施例】2 以下、参考例、実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説
明する。 参考例1〜3 〔スチレン系ポリマー(A’)の製造例〕4,4’−ア
ゾビス−4−シアノバレリックアシッド(ACVA)を
重合開始剤として使用し、スチレン100重量部を90
℃でラジカル重合した。ACVAは1,4−ジオキサン
に溶解し、重合開始初期の他に重合中にも連続的に添加
した。初期に添加するACVA及び連続的に添加するA
CVAの濃度を変化させ、表1に示すスチレン系ポリマ
ー(A’)を得た。なお、分子量の測定は東洋曹達株式
会社製GPC測定装置HLC−802Aを使用した。ま
た、ポリマー1分子が有するカルボキシル基の平均数は
三菱化成工業株式会社製自動滴定装置GT−05型を使
用してポリマー溶液を水酸化ナトリウム溶液で中和滴定
することにより測定した。
【0023】参考例4〜6 〔スチレン系ポリマー(A’)からアミノ基を末端に有
するスチレン系ポリマー(A)の製造〕参考例1〜3で
合成したスチレン系ポリマー(A’)100重量部をジ
クロロメタンに溶解し、これに3〜7重量部のp−キシ
レンジアミンを加え、室温・窒素気流下で7〜15重量
部のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加
して約4時間かけてアミド化し、末端アミノ基を有する
スチレン系ポリマー(A)を合成した。末端のアミノ基
量は未反応のカルボキシル基を参考例1〜3と同じ方法
で定量することにより決定した。結果を表2に示す。
【0024】参考例7〜9 [酸無水物結合を含むポリアリレートの製造]特公平2
−46,606号公報記載の方法を参考にして行った。
攪拌装置付セパラブルフラスコに2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン100重量部、パラターシ
ャリーブチルフェノール1.6重量部、水酸化ナトリウ
ム34.6重量部および触媒としてトリメチルベンジル
アンモニウムクロライド0.8重量部を仕込み、水2,
400重量部中に溶解した。ここに、含水率を変化させ
たジクロロメタン1200重量部中に、テレフタル酸ジ
クロライド及びイソフタル酸ジクロライドとの重量比
1:1の混合物80.8重量部を溶解したものを約10
分かけて滴下し、滴下終了後、そのまま攪拌を2時間続
け、その後に酢酸を50重量部を添加して重合反応を停
止させた。次に、有機相を中性となるまで水洗した後、
この有機相を大量のメタノール中に投入してポリマーを
析出させた。単離したポリマーを80度の熱水で洗浄
し、次いで減圧乾燥して主鎖に酸無水物結合を有するポ
リアリレートを得た。得られたポリマーの重量平均分子
量(Mw1 )を測定した。さらに、酢酸ナトリウムを
0.01モル/リットルの割合で含むテトラクロロエタ
ン/フェノール=40/60(重量比)混合溶媒20m
l中に上記ポリマー1重量部を溶解し、40℃で2時間
振とう攪拌した後メタノール中に投入、濾過して酸無水
物結合が切断されたポリアリレートを得た。得られたポ
リマーの重量平均分子量(Mw2 )を測定した。Mw1
及びMw2 の測定結果は表3に示す。
【0025】参考例10 [酸無水物結合を含まないポリアリレートの製造例]無
水の塩化メチレンを用いる以外は参考例7〜9と同様に
行いポリアリレートを得た。この結果を表3に示した。
【0026】参考例11 〔アミン化合物との反応〕参考例7で得られた主鎖に酸
無水物結合を含むポリアリレート1重量部とn−ヘキシ
ルアミン0.008重量部とを塩化メチレン30重量部
に溶解して室温で攪拌し、1時間反応させた。その後、
塩化メチレンを留去して析出した固体を一定量メタクレ
ゾールに溶解しパラトルエンスルホン酸水溶液で電位差
滴定を行って残アミン量を測定した。電位差滴定は、京
都電子工業株式会社製電位差自動滴定装置AT−310
Jを用いて行った。この残アミン量測定の結果、アミン
化合物の88%が反応で消費されていたことが判明し
た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】実施例1〜3 〔共重合体の合成〕参考例4〜6で製造した末端にアミ
ノ基を有するポリスチレン5重量部と参考例7〜9で得
られた主鎖に酸無水物結合を有するポリアリレート5重
量部を塩化メチレン30重量部中に溶解し、室温で2時
間攪拌して共重合体を合成した。このときの反応の条件
を表4に示す。未反応のポリスチレンの割合は、ポリマ
ー1重量部に対し50重量部のシクロヘキサンを使用し
て26時間のソックスレー抽出を行い、シクロヘキサン
に対する不溶分と可溶分との重量比(不溶分:可溶分)
を求めるとともに、シクロヘキサン不溶分の組成を 1
−NMR(日本電子株式会社製JNM−EX40)で測
定することにより求めた。このソックスレー抽出におい
ては共重合化されなかったポリスチレンだけがシクロヘ
キサン中に溶解される。さらに、参考例7〜9と同様
に、共重合体の重量平均分子量(Mw3 )と、残留する
酸無水物結合を切断した共重合体の重量平均分子量(M
4 )を測定した。結果を表4に示す。実施例1〜3で
重合したポリマーを塩化メチレンに溶解して20重量%
溶液とし、安田精機株式会社製のAutomatic
film applicator No542−AB−
Sを使用して100μm厚のフィルムをガラス板上に作
成した。フィルムは、12時間室温で放置し、更に10
0℃の真空乾燥器内で12時間乾燥して溶媒を除去し
た。このようにして得られたフィルムを佐竹化学機械工
業株式会社製熱風循環式一軸延伸装置を使用して215
〜220℃で10〜50%延伸し、フィルムの複屈折を
ニコン株式会社製:optical−pol偏光顕微鏡
(波長546nm)で測定した。結果を表5に示す。
【0031】比較例1 参考例4で得られたポリスチレンと参考例10で得られ
たポリアリレートを用いる以外は実施例1〜3と同様に
行った。生成したポリマーを実施例1〜3と同様にして
回収し、共重合体の分子量、組成、及び共重合化してい
ないポリスチレンの含有量を測定した。結果を表4に示
す。実施例1〜3と同じようにフィルムを作成したが、
フィルムは強く白濁していた。
【0032】比較例2 市販されているポリアリレート〔Uポリマー“U−10
0”、ユニチカ株式会社製〕100gを使用して実施例
1〜3と同様の方法で複屈折を測定した。結果を表5に
示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】上記参考例、実施例及び比較例の結果か
ら、以下の事項が判明した。 参考例11の結果から、酸無水物結合を有するポリ
アリレートはアミン化合物との反応性を有している。 実施例1〜3の結果と比較例1との比較から、本発
明の製造法によりポリアリレート・ポリスチレン系共重
合体を製造することができる。 実施例1〜3と比較例2との比較から、本発明によ
り製造されたポリアリレート・ポリスチレン系共重合体
は延伸下でも複屈折を低下できる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、従来の重合法に比較し
て、共重合化していないスチレン系重合体の含有量が低
く、かつ、複屈折が低いポリアリレート・ポリスチレン
系共重合体を製造することができる。従って、本発明に
より製造したポリアリレート・ポリスチレン系共重合体
は、良好な光学機器素材として使用可能であり、また、
ポリアリレートとスチレン系重合体のブレンド物中に添
加してこのブレンド物の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性
率を強化する相溶化剤として使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大脇 隆正 京都府宇治市宇治小桜23番地、ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 本山 秋男 京都府宇治市宇治小桜23番地、ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 木村 正生 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 藤城 光一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 大石 浩 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 稲葉 真司 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸無水物基と反応しうる官能基を有する
    スチレン系ポリマー(A)と主鎖に酸無水物結合を有す
    るポリアリレート(B)とを、有機溶媒中A:Bが重量
    比20:80〜80:20となる割合で反応させること
    を特徴とするポリアリレート・ポリスチレン系共重合体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸無水物結合と反応し得る官能基がアミ
    ノ基である請求項1記載のポリアリレート・ポリスチレ
    ン系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸無水物結合と反応し得る官能基が水酸
    基である請求項1記載のポリアリレート・ポリスチレン
    系共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 主鎖に酸無水物結合を含むポリアリレー
    トが下記関係式(1) Mw1 /Mw2 =1.03〜5.0 (1) [但し、式中Mw1 はポリアリレートのスチレン換算の
    重量平均分子量を示し、Mw2 は酢酸ナトリウムを0.
    01モル/リットルの割合で含むテトラクロロエタン/
    フェノール=40/60(重量比)混合溶媒にポリアリ
    レートを溶解し、40℃で2時間処理して酸無水物結合
    を切断した後の重量平均分子量を示す。]を満足するポ
    リアリレートである請求項1に記載のポリアリレート・
    ポリスチレン系共重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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