JPH05278597A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

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JPH05278597A
JPH05278597A JP8388392A JP8388392A JPH05278597A JP H05278597 A JPH05278597 A JP H05278597A JP 8388392 A JP8388392 A JP 8388392A JP 8388392 A JP8388392 A JP 8388392A JP H05278597 A JPH05278597 A JP H05278597A
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JP
Japan
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vehicle
brake
pressure
state
stopped
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Withdrawn
Application number
JP8388392A
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English (en)
Inventor
Kenji Takeda
武田  憲司
Hiroshi Ogawa
博史 小川
Ikuo Hayashi
育生 林
Hideki Hisama
英樹 久間
Mitsuo Inagaki
稲垣  光夫
Akihide Tachibana
彰英 橘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキ圧力の減圧により車両停止時に発生
する車体の前後方向振動を適切に低減し、車体のゆれ戻
りを少なくするとともに、いかなる走行状態において
も、確実に車両を停止させることができ、かつマスタシ
リンダとホイールシリンダを再び連通したときのことを
考慮した車両用ブレーキ装置を提供すること。 【構成】 坂路勾配θ、レンジ位置、駆動力Fに基づい
て算出した必要残圧量P 0 までホイールシリンダの圧力
W を滑らかに減圧し、ブレーキOFF状態となってか
ら、減圧調整弁をΔT間ON状態としてから三位置電磁
弁をaの状態とすることで、ホイールシリンダの圧力P
W を必要残圧量P0 から滑らかに減圧する構成となって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用ブレーキ装置に関
するものであり、特に、車体をゆれ戻り少なく停止する
ことができる車両用ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両は、一般に制動により停止すると、
停止時に、車体特有のゆれ戻り現象が発生し、乗員に不
快感を与えることがある。この現象は、車体のピッチン
グ振動と、数Hzの周期をもつ車体の前後方向振動が合
成されておこるものである。
【0003】このうち、ピッチング振動については、サ
スペンションリングとショックアブソーバの特性が関与
するため、車両制動時に、ショックアブソーバの減衰力
を高めることにより、このピッチング振動の発生を低減
することができる。
【0004】前後方向振動については、特開昭64−1
22764号公報に開示される如く、車体速度、車両減
速度等に基づいて減圧時間ΔTを算出し、車両の停止直
前のある時期にホイールシリンダとマスタシリンダ間を
遮断してホイールシリンダのブレーキ圧力の減圧を開始
し、この減圧時間ΔT間、ブレーキ圧を減圧する減圧制
御を行うことにより、車体の前後方向振動を低減する装
置が考案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置においては、一旦減圧を開始するとΔT間減圧
が継続してしまうため、減圧制御中の走行状態によって
減圧終了直後の制動力が大幅に変動してしまう。そこ
で、発明者らは上記問題に鑑み、車両の走行状態から車
両の停止状態を維持するのに必要なブレーキ圧力残圧値
を算出し、このブレーキ圧力残圧値までブレーキ圧力を
減圧することで確実に停止することができる装置を発明
し、これを出願した(特願平3−118641号)。し
かしながらこの装置では、ブレーキ圧力を減圧して停止
した後のホイールシリンダとマスタシリンダを再び連通
する際において何ら考慮がされていない。
【0006】例えば、マスタシリンダからホイールシリ
ンダへのブレーキ圧力の伝達を遮断した状態から伝達を
可能な状態に切り換える切り換え手段をバイパスする液
路を設け、該液路にマスタシリンダからホイールシリン
ダへのブレーキ圧力の伝達は阻止し、逆の伝達は許容す
る逆止弁が備えられたブレーキシステムに特願平3−1
18641号に記載の如くの車両用ブレーキ装置を適用
し、マスタシリンダからホイールシリンダへのブレーキ
圧力の伝達を可能な状態に切り換えるのは、ブレーキス
イッチがOFFとなった時、即ちブレーキペダルの踏込
みが解除された時とされているものを考える。このよう
な車両用ブレーキ装置にあっては、減圧制御終了後にブ
レーキペダルを徐々に戻していくと、ブレーキペダルを
戻し切らない内に、マスタシリンダのブレーキ圧力がホ
イールシリンダのブレーキ圧力より低くなり、ホイール
シリンダのブレーキ圧力が逆止弁を介してマスタシリン
ダへと伝達されてしまう。このことにより、ホイールシ
リンダが減圧されて車両が動きだすのであるが、ブレー
キペダルの踏込みは完全に解除されておらず、従ってマ
スタシリンダからホイールシリンダへのブレーキ圧力の
伝達は遮断されたままとなっているので、この状態から
ブレーキペダルを踏み込んでもホイールシリンダは増圧
されず、制御力が充分でないという問題を生ずるのであ
る。
【0007】又、前述のような切り換え手段をバイパス
する液路が設けられていないブレーキシステムに特願平
3−118641号に記載の如くの車両用ブレーキ装置
が適用された場合であっても、車両停止直後にホイール
シリンダとマスタシリンダが再び連通される場合には、
ホイールシリンダがマスタシリンダより低圧になってい
るため、マスタシリンダのブレーキ圧力がホイールシリ
ンダに伝達されてペダルストロークが急増し、運転者が
不快感を感じるという問題を生ずるのである。
【0008】そこで本発明は、ブレーキ圧力の減圧によ
り車両停止時に発生する車体の前後方向振動を適切に低
減し、車体のゆれ戻りを少なくするとともに、いかなる
走行状態においても、確実に車両を停止させることがで
き、かつマスタシリンダとホイールシリンダを再び連通
したときのことを考慮した車両用ブレーキ装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の車両用ブレーキ装置は、車両の走行速度を検
出する速度検出手段と、ブレーキ圧力を減圧する減圧手
段とを備え、マスタシリンダからホイールシリンダへブ
レーキ圧力を伝達することによって車両の走行速度が低
下して車両が停止状態に移行する時に、マスタシリンダ
からホイールシリンダへのブレーキ圧力の伝達を遮断し
てホイールシリンダのブレーキ圧力を減圧することによ
り、車両停止時のゆれ戻りを抑制する車両用ブレーキ装
置において、少なくとも車両停止状態の情報を含む車両
の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記走行状
態検出手段によって検出された車両の走行状態から車両
の停止手段を維持するのに必要なブレーキ圧力残圧値を
算出する残圧値算出手段と、前記残圧値算出手段によっ
て算出されたブレーキ圧力残圧値まで前記ブレーキ圧力
を減圧すべく前記減圧手段を制御する制御手段と、前記
制御手段による前記減圧手段への制御によって前記ブレ
ーキ圧力残圧値まで前記ブレーキ圧力が減圧された後、
前記車両停止状態の情報に基づいてマスタシリンダから
ホイールシリンダへのブレーキ圧力の伝達を遮断した状
態から伝達を可能な状態に切り換える切り換え手段とを
備えることを特徴とする。
【0010】ここで、前記切り換え手段は、マスタシリ
ンダからホイールシリンダへのブレーキ圧力の伝達を遮
断した状態から伝達を可能な状態に漸次切り換えるよう
にしてもよい。
【0011】又、前記走行状態検出手段はブレーキペダ
ルの踏み込み状態を検出するブレーキ信号検出センサを
備え、該ブレーキ信号検出センサにて車両停止状態の情
報を検出するようにしてもよい。
【0012】更に、前記走行状態検出手段は、ブレーキ
ペダルの踏み込み状態を検出するブレーキ信号検出セン
サと、該ブレーキ信号検出センサがブレーキペダルの踏
み込まれている状態を検出したときに車両が一旦停止し
たか否かを判定する停止判定手段と、前記停止判定手段
によって車両が一旦停止したと判定されたときに、車両
が一旦停止した後に移動したか否かを判定する移動判定
手段とを備え、前記ブレーキ信号検出センサ、停止判定
手段、および移動判定手段にて車両停止状態の情報を検
出するとともに、前記移動判定手段によって車両が一旦
停止した後に移動したと判定されたときに、前記切り換
え手段はマスタシリンダからホイールシリンダへのブレ
ーキ圧力の伝達を遮断した状態から伝達を可能な状態に
切り換えるようにしてもよい。
【0013】又、前記停止判定手段は車両減速機に基づ
いて判定してもよい。
【0014】
【作用】上記構成を有する本発明によれば、走行状態検
出手段によって車両の走行状態が検出され、残圧値算出
手段によって車両の停止状態を維持するのに必要なブレ
ーキ圧力残圧値が算出され、減圧手段によってホイール
シリンダのブレーキ圧力が減圧されるとき、このブレー
キ圧力は、残圧値算出手段によって算出された残圧値ま
で減圧されるように、制御手段によって減圧手段は制御
される。そして、ブレーキ圧力残圧値までブレーキ圧力
が減圧がされた後に、切り換え手段は、車両停止状態の
情報に基づいてマスタシリンダからホイールシリンダへ
のブレーキ圧力の伝達を遮断した状態から伝達を可能な
状態に切り換える。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例を用いて詳細
に説明する。図1に本実施例の装置構成図を示す。マス
タシリンダ100と各ホイールシリンダ201〜204
との間には、アンチロックブレーキシステム(以下、
「ABS」と言う。)制御装置部300があり、その構
成要素は、三位置電磁弁311〜314、リザーバ32
1,322、モータ330、このモータ330により駆
動されるポンプ341,342、および逆止弁351〜
354である。
【0016】三位置電磁弁311〜314は、それぞれ
各ホイールシリンダ201〜204に接続され、各三位
置電磁弁311〜314は同様に構成されている。この
うち例えば、三位置電磁弁311はホイールシリンダ2
01に接続され、aの位置ではマスタシリンダ100と
ホイールシリンダ201間を連通、ホイールシリンダ2
01とリザーバ321間を遮断し、bの位置ではホイー
ルシリンダ201とマスタシリンダ100、およびリザ
ーバ321とのそれぞれ間を遮断し、cの位置ではマス
タシリンダ100とホイールシリンダ201間を遮断、
ホイールシリンダ201とリザーバ321間を連通す
る。各三位置電磁弁311〜314と各ホイールシリン
ダ201〜204間には、後述する減圧調整弁401〜
404が設けられており、さらに各減圧調整弁401〜
404と並列に逆止弁411〜414が設けられてい
る。
【0017】減圧調整弁401〜404は、後述する振
動低減ブレーキ圧力制御の作動において、デューティー
駆動することによって、減圧初期のホイールシリンダの
圧力波形を図2(c)の如く滑らかにするとともに、車
両停止時において車両が確実に停止できうる圧力(残
圧)までホイールシリンダのブレーキ圧力を減圧する。
【0018】なお、減圧調整弁401〜404は全て同
じ構成であるため、ここでは減圧調整弁401について
図3〜図5を用いて説明する。図3の断面図、および図
4の斜視図に示すスプール1は、シリンダ2内に慴動自
在に挿入され、内部に連通穴1aが形成された円筒形状
を有している。この連通穴1a内には、中央に小径穴3
aが形成されたバルブプレート3が配されており、この
バルブプレート3はスプリング4にて図3中上方に付勢
されている。また、このスプール1の下端部には、スプ
リング4を保持するためのキャップ5がねじ止めにより
固定されている。
【0019】さらに、シリンダ2内には、スプール1と
同様に慴動可能に挿入されたニードル支持体6が設けら
れ、その内部には先端が円錐形状となったニードル7が
圧入固定されている。このニードル支持体6には、連通
穴6aおよびスリット6bが形成されている。またニー
ドル支持体6の上部には、中央に穴部をもち、三方向に
放射状に延びるギャッププレート8が配設されている。
このギャッププレート8の上部にはスプリング9が設け
られており、ギャッププレート8を介してニードル支持
体6、およびスプール1を図3中下方に付勢している。
【0020】シリンダ2は3つの部分、第一シリンダ部
2a,第二シリンダ部2b,および第三シリンダ部2c
から構成され、それぞれろう付けで一体となっている。
また、シリンダ2の底部には、シリンダ2内に挿入され
たストッパ13が配設され、シリンダ2内からの作動油
の洩れを防止するために、ストッパの外周部にOリング
15および16が設けられている。シリンダ2の外周側
にはボビン10とボビン10に巻線を施したコイル11
が設けられている。これらのシリンダ2、ボビン、およ
びコイル11はケース12に収納され、ケース12の上
部にはカバー14がケース12と螺合されている。カバ
ー14には、シリンダ2の上部室17とホイルシリンダ
201を連通する制御穴14aと、上部室17と三位置
電磁弁311側を連通する連通穴14bが設けられてい
る。
【0021】尚、この減圧調整弁401は、コイル11
に連電することで、図5の如く磁気回路が形成されるよ
う材質が決められている。すなわち、スプール1、ニー
ドル支持体6、第一シリンダ部2a、ケース12、第三
シリンダ部2cは磁性体である鉄系の材質である。一
方、第二シリンダ部2b、ニードル7、カバー14、お
よびスプリング9は非磁性体のステンレス系、ストッパ
13はアルミ系、ボビン10は樹脂系の材質となってい
る。
【0022】車輪速センサ801〜804は、電磁ピッ
クアップ形式の車輪速センサであり、各車輪の車輪速度
Vを検出する。ここで、車輪速度センサ801〜804
によって検出される車輪速度Vは、瞬時値をとっていた
のでは、走行中の路面の変動などにより変動幅が大きく
実用的ではないので、ある一定期間の平均したデータを
車輪速度Vとしている。また駆動力検出センサ900は
エンジンの駆動力を、レンジ位置検出センサ800はシ
フトレバーの位置を、ブレーキ信号検出センサ950は
ブレーキペダルが踏み込まれているか否かを検出するも
のである。
【0023】ECU600には、車輪速センサ801〜
804、車体に対しほぼ水平方向に設置され、車体加速
度の前後方向成分AG を検出する前後方向加速度センサ
(以下、「Gセンサ」と言う。)700、シフトレバー
のレンジ位置(D,2,L等)を検出するレンジ位置検
出センサ800、エンジンの駆動力Fを検出する駆動力
検出センサ900、およびブレーキ信号950からの出
力信号がそれぞれ入力される。ECU600は、これら
入力信号を基に前記三位置電磁弁311〜314、モー
タ330、および減圧調整弁401〜404を駆動制御
する。
【0024】以上のように構成された車両用ブレーキ装
置において、ECU600により実行される制御を図
6,図7に示すフローチャートに基づいて説明する。制
動開始前においては、三位置電磁弁311〜314はa
の位置にあり、マスタシリンダ100とホイールシリン
ダ201〜204間は連通している。従って、運転者の
踏み込み操作によってブレーキペダルに与えられた踏力
は、マスタシリンダ100、三位置電磁弁311〜31
4、および減圧調整弁401〜404、逆止弁411〜
414を経てホイールシリンダ201〜204に油圧力
として伝えられ、この油圧力により運転者の踏力に応じ
た車輪制動力を発生する。これによって車体速度は、図
2(a)に示すように時間と共に減少する。
【0025】この時、ステップS1000では、車輪速
センサ801〜804、Gセンサ700、駆動力検出セ
ンサ900、レンジ位置検出センサ800、ブレーキ信
号発生装置950によって検出された車輪速度V、Gセ
ンサの検出加速度AG 、エンジン駆動力F、レンジ位
置、ブレーキ信号の読み込みが行なわれている。
【0026】次にこれらの信号の情報を基に、アンチロ
ックブレーキシステム(以下、「ABS」と言う。)制
御が必要かどうかをステップS2000にて判断する。
ABS制御が必要と判断すればステップS3000へと
進みABS制御を行う。このステップS3000で行わ
れるABS制御は、図1のABS制御装置300を作動
させて各ホイールシリンダ201〜204の圧力を適当
な圧力でコントロールするものであるが、公知の制御を
用いており、ここでは説明を省略する。またステップS
2000でABS制御が不必要と判断した場合にのみ、
ステップS4000へと進み、車両停車時における振動
低減ブレーキ圧力制御を行うルーチンを実行する。つま
りABSの制御を優先させ、ABS制御中は、前後振動
低減ブレーキ圧力制御は行わないようになっている。
【0027】以下、ステップS4000にて実行される
振動低減ブレーキ圧力制御を図7に示すフローチャート
を用いて詳細に説明する。なお、ステップS4000に
て実行される制御は全車輪とも全て同じであるため、こ
こでは右後輪(RR車輪)について説明する。
【0028】まず、ステップS4010において、ステ
ップS1000にて検出され、読み込まれた車輪速度V
を基に車両の前後方向加速度AV を算出する。ここで、
車輪速度センサ801によって検出された車輪速度V
は、前述したように、ある一定期間の平均したデータを
車輪速度として検出している。従って、車両の前後方向
加速度AV はある一定期間の平均した平均的加速度とな
る。
【0029】Gセンサの検出加速度AG と前後方向加速
度AV の関係は、車両が平坦路を走行しているときは、
一致する。しかし、車両が坂路を走行している時には、
図2(b)、図8に示す如くg・sinθ分だけオフセ
ットするため、この関係を利用し、ステップS4010
において算出された車両の前後方向加速度AV およびG
センサ700によって検出された検出加速度AG を用い
て、ステップS4020において坂路勾配θを算出す
る。
【0030】
【数1】θ=sin-1(AV −AG )/g この坂路勾配θは、瞬時的な情報として算出すべきであ
るので、ある一定期間の平均した平均的加速度である前
後方向加速度AV を用いずに算出した方が良いが、坂路
というのはあまり変化しない為、平均的加速度から坂路
勾配θを算出しても影響は少ない。
【0031】数1において、θがπ/18rad(10
度)以下ならば、ほぼθ=sinθなので
【0032】
【数2】θ=(AV −AG )/g となる。
【0033】そして、ステップS4010、ステップS
4020において算出した坂路勾配θ、Gセンサの検出
加速度AG を基にステップS4030において車両減速
度A B を算出する。車両減速度AB は瞬時的な情報とし
て算出されるべきであるので、ある期間の平均的加速度
である車両の前後方向加速度AV を用いず、瞬時的なデ
ータであるGセンサの検出加速度AG と、瞬時的ではな
いが、瞬時的である必要のない坂路勾配θ、および重力
加速度gを用いて、算出する。
【0034】
【数3】AB =−(AG +g・θ) 次に、ホイールシリンダ圧力の減圧開始を判定すべく、
ステップS4040において、図9に示すようなマップ
を参照し、制御開始速度VS を算出する。このマップ
は、ある車両減速度AB をもって車両が減速してきたと
き(例えばxのとき)、マップの制御開始速度VS のと
ころで(yの速度で)後述する三位置電磁弁311、減
圧調整弁401を駆動する制御を開始すれば、丁度図2
(c)に示すようにホイールシリンダ圧力がある残圧値
に達したあたりで車両が停止するようになっている。
【0035】制御開始速度VS を算出した後、ステップ
S4050において車輪速度Vと制御開始速度VS を比
較し、V≦VS ならば、制御開始と判断し、ステップS
4060以下の処理を行う。V>VS ならば、制御開始
には適さないと判断し、以下の制御を行わず、本ルーチ
ンを終了する。
【0036】ステップS4060〜S4080では、ス
テップS4020にて算出した坂路勾配θから図10に
示すマップを基に坂路分残圧P1 を、ステップS100
0にて検出したレンジ位置からレンジ定数KR を、ステ
ップS1000にて検出した駆動力Fから図11に示す
マップを基に駆動力分残圧P2 をそれぞれ算出する。レ
ンジ定数KR は、レンジ位置がニュートラルの位置のと
きKR =0,ニュートラルの位置以外のときKR =1と
する。
【0037】さて、車両停車時に発生する前後方向の振
動を低減するためにブレーキ圧力を減圧していった場
合、最終的に、車両停車時において車両が確実に停止で
きうるホイールシリンダ圧力を残しておかなければなら
ない。そこで、ステップS4060〜S4080におい
て算出されたそれぞれのデータに基き、車両停止時にお
いて車両が確実に停止できうる圧力である必要残圧量P
0 をステップS4090において算出する。
【0038】
【数4】 P0 =P1 −P2 ・KR ・Sign(θ)+PCONST 数4において、Sign(θ)は勾配の符号を見るもの
であり、上りではプラス、下りではマイナスをとる。従
ってKR =1では上り勾配の時必要残圧量P0は駆動力
に関するP2 分少なくなり、下り勾配の時にはP2 分多
くなる。尚KR=0の時に駆動力は関係しない。またP
CONST は、各種の検出誤差、算出誤差等を考慮にいれな
ければならないため付加するオフセット値である。
【0039】必要残圧量P0 を算出した後、車両停止時
にホイールシリンダ圧が必要残圧量P0 となるようにす
るため、減圧調整弁401を駆動するための駆動デュー
ティー比を決定する処理をステップS4100にて行
う。このステップS4100の処理においては、図12
に示すようなマップを参照する。このマップは、必要残
圧量P0 とデューティー比Tt で決められる関数上にお
いて、ある必要残圧量P 0 のとき(例えばPX のと
き)、PX に対応するデューティー比Ty で所定時間T
の間、減圧調整弁401をデューティー駆動すれば、ホ
イールシリンダ圧が、必要残圧量PX に収束するように
定められている。
【0040】駆動デューティー比Ty を決定した後、以
下のステップにて図13に示すような三位置電磁弁31
1、減圧調整弁401を駆動する制御処理を行う。ま
ず、ステップS4110にて、まず減圧を開始する準備
状態として、所定時間ΔTの間、減圧調整弁401のコ
イル11に通電(以下、「ON状態」と言う。)する。
その結果、電磁力の発生によりスプール1およびニード
ル支持体6は図3中上方へ移動し、制御穴14aをニー
ドル7にて閉塞させる。すると、マスタシリンダ100
から圧送されるブレーキオイルの油圧が全てバルブプレ
ート3に作用し、スプリング4の付勢力と反対の方向、
すなわち図3中下方向の力が発生し、バルブプレート3
は、キャップ5に接触するまで押し下げられる。この
時、ブレーキオイルの動きは、図14に示すように上部
室17→連通穴6a→スリット6b→スプール内連通穴
1a→バルブプレート3の外周部→下部室18となり、
流通抵抗少なく上部室17から下部室18へと流れる。
【0041】そして、ステップS4120にて、ホイー
ルシリンダ201の圧力の減圧を行うべくステップS4
100にて決定した駆動デューティー比Ty を基に、減
圧調整弁401を駆動し、かつ三位置電磁弁311をc
位置にする。
【0042】つまりステップS4120では、ホイール
シリンダ201の圧力を減圧すべく、まず三位置電磁弁
311を、aの位置からcの位置(図1参照)に切換え
る。すると、ホイルシリンダ201側とリザーバ321
側が連通する状態となる。その時、同時に減圧調整弁4
01をステップS4110で決定されたデューティー比
y に従ってデューティー駆動する。すると、コイル1
1にはデューティ比T y に比例した平均電流が流れ、電
磁力(図5でスプール1およびニードル支持体6が上向
きに移動しようとする力)を発生する。なお減圧調整弁
401においては、このデューティ比Ty に対して、電
磁力はほぼ線形である。
【0043】三位置電磁弁310がcの位置となると上
部室17はリザーバ321と連通することとなり、上部
室17は低圧となる。このとき、ホイールシリンダ20
1内の圧力をPW 、リザーバ321内の圧力をPR 、ス
プリング9の付勢力をFS 、電磁力をFM 、制御穴14
aの断面積をSとすれば、図3中でスプール1およびニ
ードル支持体が受ける上向きの力FUPは、
【0044】
【数5】FUP=FM 下向きの力FDOWN
【0045】
【数6】FDOWN=FS +(PW −PR )・S で表される。
【0046】FDOWN>FUPの時には、スプール1および
ニードル支持体6は下方へ移動し、制御穴14aを閉塞
していたニードル7は制御穴14aから引き抜かれる。
すると、下部室18に蓄積されていたブレーキオイルの
油圧がバルブプレート3に作用し、バルブプレート3
は、スプール1に接触するまで押し上げられる。この時
ブレーキオイルの流れは、図15に示すように下部室1
8→バルブプレート3内の小径部3a→スプール内連通
穴1a→スリット6b→連通穴6a→上部室17とな
る。
【0047】このブレーキオイルの流れは、スプール1
およびニードル支持体6が上方へと移動する時とはバル
ブプレート3部で異なり、小径部3aが絞り穴として作
用するたる。このため、スプール1およびニードル支持
体6の下方移動はゆっくりと行われることとなる。また
図4に示すように、ニードル7の側面は、先端部分が傾
斜しているので、下方移動に伴い徐々に開口面積が増加
する。この結果、ホイルシリンダ201とリザーバ32
1との連通開度はゼロから徐々に増加していくこととな
り、図2(c)の如く減圧初期の滑らかな減圧特性が達
成される。
【0048】さらにホイールシリンダ圧力PW が減圧し
ていくに従いFDOWNが減少し、ついにはFUP=FDOWN
なる。これ以上のホイールシリンダの圧力PW の低下
は、F UP>FDOWNとなり、FUPの方が大きくなって、ニ
ードル7は再び制御穴14aを閉塞する。つまり、ステ
ップS4090にて算出した必要残圧量P0 のホイール
シリンダ圧でホイールシリンダ201とリザーバ321
との連通開度をゼロとすることができる。
【0049】また、このときの制御開始からホイールシ
リンダ圧力PW が必要残圧量P0 に達するあたりまでの
時間TD (図2参照)は制御開始前のホイールシリンダ
圧力PW や必要残圧量P0 にかかわらず、ほぼ一定とな
る。この現象は減圧調整弁401の特徴の一つであり、
時間TD は図4に示したバルブプレート3に形成された
小径穴3aで変更することができるが、時間TD は0.
2〜1.0秒位が望ましい。
【0050】その後、減圧調整弁401を所定時間Tの
間、デューティー比Ty でデューティー駆動した時間
後、ステップS4130において、減圧調整弁401の
デューティー駆動を中止すべく減圧調整弁401のコイ
ル11への通電を中止(以下、「OFF状態」と言
う。)する。
【0051】その後、ホイルシリンダ圧力PW が確実に
保持するよう、ステップS4140にて三位置電磁弁3
11をb位置にする。以上の作動までで車両な確実に停
止を維持し、しかも車体前後方向振動を大幅に低減する
ことができる。
【0052】次に検討すべきは、いつ三位置電磁弁31
1を通常の状態であるaの状態にするか、つまりいつマ
スタシリンダ100からホイールシリンダへブレーキオ
イルを供給可能な状態(以下、「解除状態」と言う。)
にするかである。
【0053】例えば図13でのA時点で三位置電磁弁3
11をa状態にするとマスタシリンダ圧力PW >ホイル
シリンダ圧力PW なのでブレーキペダルは踏み方向に移
動、逆にB時点のPM <PW だとペダルは戻り方向とな
り、共にペダルフィーリングが悪化してしまう。
【0054】その為、ブレーキ信号検出センサ950か
らの情報をもとに、ブレーキペダルが踏み込まれていな
い状態(以下、「ブレーキOFF状態」と言う。)時に
aの状態にするのが好ましい。ただし、この三位電磁弁
311をaの状態にすることでホイルシリンダのブレー
キオイルを急激にマスタシリンダ側に戻すことは、急激
に制動力が減少することから好ましくない。
【0055】従って、ステップS4150でブレーキO
FF状態になったら、ステップS4160で一旦減圧調
整弁401をΔT時間だけON状態にし、その後ステッ
プS4170で三位置電磁弁311をa位置に戻す(即
ち解除状態にする)のである。このようにすると前述し
たように減圧調整弁401の作動から減圧が滑らかに行
われ、急激な加速感は発生しないのである。又、ブレー
キOFF状態となった時点で解除状態となる為、ペダル
フィーリングも悪化しない。
【0056】なお、リザーバ321、322に溜まった
ブレーキオイルは次回の制御、あるいはABS制御のた
めに直ちに空にしておく必要があるのでステップS41
80にてモータ330をΔTM 間駆動させてリザーバ内
オイルを排出するようにする。
【0057】以上の作動が終了すると本ルーチンは終了
する。以上述べたように上記実施例においては、坂路勾
配θ、レンジ位置、駆動力Fに基づいて算出した必要残
圧量P0 までホイールシリンダの圧力PW を滑らかに減
圧し、ブレーキOFF状態となってから減圧調整弁をΔ
T間ON状態として、ホイールシリンダの圧力PW を必
要残圧量P0 から滑らかに減圧する作動を行なうので効
果的に車体前後方向振動を大幅に低減し、しかもペダル
フィーリングを損なうことなく、かつホイールシリンダ
圧力PW の急激な減圧を抑え車両停止後に解除状態とす
ることができる。
【0058】次に第2実施例を説明する。第2実施例に
おいては、構成は第1実施例と同じであり、図7に示し
たECU600により実行される制御の一部が異なる。
即ちステップS4160にて一旦減圧調整弁401をΔ
Tの間ON状態とするのではなく、三位置電磁弁311
を用いて、a状態,b状態を微少時ごと繰り返すことで
ホイールシリンダ圧力を減圧させようとするものであ
る。ここでは、ECUにより実行される制御において、
第1実施例と異なる部分であるステップS4150以下
を図16のフローチャート図17のタイムチャートを用
いて説明する。
【0059】ステップS4150でブレーキOFF状態
となった時点で、S4151に進む。ステップS415
1では三位置電磁弁311を微少時間a状態とし続いて
又微少時間b状態,a状態,b状態・・・と繰返し、時
間ΔTB 間このa状態とb状態を繰り返し行う。その結
果、図17のホイルシリンダの圧力PW を見ると階段状
に漸次減圧していく。
【0060】このとき、同時にモータ330をΔTM
間駆動して前述の如くリザーバ321,322のオイル
を空にする。以上の作動が終了すると本ルーチンは終了
する。
【0061】以上述べたように本実施例でも、三位置電
磁弁を微少時間ごとにa状態とb状態に切り換えること
によって、ホイールシリンダ圧力PW の急激な減圧が抑
えられるとともに、ペダルフィーリングを損なうことな
く軸停止後に解除状態にすることができる。
【0062】次に、第3実施例について説明する。この
実施例では構成図も若干違うため、まずそれから説明す
る。図18にその構成図を示す。(簡単のため後輪側の
み示す)。異なる点だけ説明すると、ABS装置300
内に新たに逆止弁361,362が設けられた点で、マ
スタシリンダ100側とホイルシリンダ201,202
の間で、しかも三位置電磁弁311,312と並列に位
置するところに設置されている。
【0063】この逆止弁361,362は、一部のAB
S装置設置されているもので、その目的は、ABS制御
中にはホイールシリンダ圧力をマスタシリンダ圧力より
も大きくさせない為である。
【0064】このような構成で、先の第1実施例あるい
は第2実施例で述べた制御方法を用いると、不都合が発
生する。この点を以下図19を用いて説明する。車両が
停止後、ブレーキペダルを戻していくとマスタシリンダ
圧力PW が減圧し、マスタシリンダ圧力PM とホイール
シリンダ圧力PW が同じ圧力になった時点(c点)か
ら、先に示したタイムチャート図(図13,17)とは
違いホイールシリンダ圧力PW も同じように減圧してい
く。これは前述の逆止弁361,362の為で、三位置
電磁弁はb位置であり、マスタシリンダ,ホイールシリ
ンダ間は遮断されているにも拘らず、この逆止弁36
1,362を通り、ブレーキオイルがホイルシリンダか
らマスタシリンダ側へ流れるからである。
【0065】この結果、車両の制動力は小さくなり、制
動力より推進力の方が大きくなったときには、ブレーキ
OFF状態にならなくても車両は再び動き始める事とな
る(D点)。このことは、下り坂で車両が止まり、その
後ブレーキを緩めていくと、ブレーキペダルを完全に戻
さなくても車両が動き出すことを考えれば、容易に理解
できよう。
【0066】この状態のまま、再び車両を停止させよう
とブレーキペダルを踏み込んでも(E点)三位置電磁弁
はBの状態であるためホイルシリンダの圧力PW は上昇
できず、非常に弱い制動力しか発生しない。
【0067】つまり、図18のような構成の装置では、
減圧後に解除状態にする場合、ブレーキ信号の判定だけ
では十分でない。このため、車両が一旦停止した後に、
再び車両が動き出した時点で解除状態にする必要があ
る。
【0068】この考えをとり入れた制御方法を以下図2
0のフローチャートを用いて説明する。ステップS41
40までは第1実施例(図7)と同じあるためそれ以後
を説明する。
【0069】まず、ステップS4150でブレーキOF
F状態かどうかを判定しYESならば、第1実施例と同
じくステップS4160,S4170,S4180を実
行して終了する。しかし先述の如く、ブレーキON状態
のままであっても、車両が動き出せば制御を解除する必
要がある。ところが、ここで言う「車両の動き出し」と
は車両が停止した後、車両が動いた状態であり、まず最
初に車両が停止したかどうか判定を行う必要がある。そ
こでステップS4152にて車両が停止したかを判定
し、NOなら再びステップS4150に、YESの場合
にはステップS4153に進み、車両が動いたかどうか
を判定し、NOなら再びステップS4150に戻り、Y
ESなら前述のブレーキ信号OFF時と同じくステップ
S4160で減圧調整弁をΔT時間ONとし、ステップ
S4170で三位置電磁弁を位置に戻し、同時にステッ
プS4180によりモータをΔTM 時間ONさせ、制御
を解除させる。
【0070】次に、ステップS4152の車両停止判定
及びステップS4153の車両動き判定の具体的な方法
について説明する。最も、簡単な方法としては、超音波
やレーザーを利用した車体速度センサの信号を基に行う
ものであるが、現在の段階ではまだ高価であると伴に、
精度自体に多少問題がある。そのため、他の方法を以下
図21,22を用いて説明する。本方法は車輪速度セン
サの信号(パルス信号)を基に前記判定を行うものであ
る。
【0071】しかし実際には、車輪速度センサの信号を
用いたのでは、理論上停止を判定することが不可能であ
る。即ち、図22に示したτが無限大な時間をとること
が停止を意味するからである。その為、停止の判定では
なく、停止の見なし判定を行う。つまり図22に示した
C なる時間(制御が開始してからTC 後)には停止し
ているはずだと見なせる。その理由はステップS404
0の作動の説明のところで記述したように、本実施例で
はホイールシリンダ圧力PW がある残圧PO に達したあ
たりで車両が停止するよう決められているから、それよ
りも多少時間が経過した時点(これがTC 時)では車両
が停止しているからである(このTC の値はTD
(0.1〜1.0)の値である。)。
【0072】つまり、具体的なフローチャートでは図2
1に示すようにステップS4152Aで、制御を開始し
てからの時間(減圧調整弁をON状態としてからの時
間)Tが前記TC 以上か否かを判定する。そして、NO
ならばステップS4150へ、YESならば次のステッ
プS4153Aを進む。ステップS4153Aでは、車
両が動いているかどうかを車輪速度信号があったかどう
かで判定している。そして、NOならステップS415
0へ、YESなら車両が動いていると判断し、以下のス
テップへ進む。その結果、図22に示したように、車両
の動き出しで解除状態となり、その後は再びブレーキペ
ダルを踏めばホイルシリンダ圧力PW も上昇させる事が
出来る訳である。
【0073】このような制御方法をとることにより、以
下に述べる様な付随効果をもたらす事ができる。何らか
の理由で残圧制御が失敗し、確実に停止できるだけの残
圧が実現出来なかった場合あるいは、制御開始速度VS
が誤って高い車速で制御が開始された場合にはTC 後に
は車輪速度センサの信号が発生しているが、このような
ときは、自動的に解除状態となり、車両の空走を防止で
きる。つまり、フェールセーフ機能として動くことにな
る訳である。次に、第4,第5実施例について説明す
る。この第4,第5実施例は車両の停止を車両減速度A
B で判定し、且つ上記の付随効果であるフェールセーフ
機能をもたらそうというものである。
【0074】まず、何らかの理由で必要残圧量品が低く
なった場合と、制御開始速度VS が高かった場合、車両
減速度AB がどのような波形となるかを図23を用いて
説明する。
【0075】実線が示したものが正しい制御を行ったと
きの波形,破線で示したものが必要残圧量が低く設定さ
れて制御されたときの波形、一点鎖線で示したものが高
い制御開始速度VS から制御されたときの波形である。
【0076】図23(a)の車速を見てもわかるよう
に、正常時に比べどちらの場合も停止までの時間が増加
してしまう。また、車両が停止するということは、車両
減速度AB が零となることに等しいことから、制御開始
から車両減速度AB が0となる時間も大きい(TD <T
1 ,TD <T2 )こととなる。これを第1の現象と呼
ぶ。
【0077】また、図24に示すように、制御後に車両
減速度AB が変化しない時間も長くなってしまう。(T
0 ′<T1 ′,T0 ′<T2 ′)これを第2の現象と呼
ぶ。本実施例はこれら第1,第2の現象を利用して解除
状態にするものである。
【0078】この制御を換言すれば、ある一定時間内に
車両が停止しなかった場合には、異常であるとみなし直
ちに解除状態とするというもので、図25に示すフロー
チャートとなる。図20のフローチャートと比較すれば
わかるようにステップS4152のところが、S415
4に変わり、このステップが異常判定を行っていること
になる。
【0079】ステップS4154の具体例として図26
のフローチャートに示したステップS4154Aが第1
の現象を利用したもの(第4の実施例)、図27のフロ
ーチャートに示したステップS4154Bが第2の現象
を利用したもの(第5の実施例)で以下詳細に説明す
る。
【0080】第4の実施例では、ステップS4150で
ブレーキ信号がOFFかどうかを判定しYESなら、直
ちにステップS4160以下を実行する。NOならば次
のステップS4154Aに移り、制御開始からの時間T
がTC になるまでに車両停止を示すAB <0があったか
どうかを判定する。この時間TC は、図21のフローチ
ャートで示したものと同じであり、TC =TD +(0.
1〜1.0)である。この条件が成立しないとき(NO
とき)は、直ちに制御異常だと判断して解除状態にすべ
くステップS4160の以後を実施する。T<TC 内で
B <0があったときは制御は正常と判断し、ステップ
S4153Aによる車両の動き出し、あるいはステップ
S4150によるブレーキOFFによって制御を解除す
べくステップS4160以降を実施する。
【0081】第5の実施例は、前述の第2の現象を利用
したもので、車両減速度AB の変化 て直ちに解除状態にすべくステップS4160以降を実
施する。このときαの値は(TC −TD )と同じ値、即
ちα=0.1〜1.0である。
【0082】 施例と同様となる。
【0083】尚、本発明の車両用ブレーキ装置は上記実
施例に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない
限り種々変形可能である。 振動低減ブレーキ圧力制御の制御範囲を平坦路で且つ
レンジは例えばDレンジだけ、駆動力も通常駆動力だと
すると、ステップS4060〜S4100まで省略して
もよい。
【0084】本実施例では、前後輪共、ブレーキ圧力
制御を行っているが、これに限るものではなく、例えば
前輪側だけや、後輪側だけでも充分効果がある。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
レーキ圧力残圧値までブレーキ圧力が減圧がされた後
に、車両停止状態の情報に基づいてマスタシリンダから
ホイールシリンダへのブレーキ圧力の伝達を遮断した状
態から伝達を可能な状態に切り換えられるので、車両停
止後のホイールシリンダの減圧による制動力不足や、切
り換えによるペダルストロークの急増といった不安感や
不快感を運転者に与えることがないといった効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、2実施例の構成を示す構成図で
ある。
【図2】本発明における車体速度、加速度、ホイールシ
リンダ圧力の時間変化を示したタイムチャートである。
【図3】減圧調整弁の構成を示す断面図である。
【図4】減圧調整弁の構成を示す斜視図である。
【図5】減圧調整弁をオン状態とした時の磁気回路を説
明する説明図である。
【図6】ECU600による制御を示したフローチャー
トである。
【図7】ECU600による制御のステップS4000
内を示したフローチャートである。
【図8】車体の前後方向加速度とGセンサの検出加速度
の関係を説明する説明図である。
【図9】制御開始速度を算出するためのマップである。
【図10】坂路分残圧を算出するためのマップである。
【図11】駆動力分残圧を算出するためのマップであ
る。
【図12】駆動デューティー比を決定するためのマップ
である。
【図13】第1実施例におけるモータ、ブレーキ信号、
三位置電磁弁、減圧調整弁、車速、圧力の関係を示した
タイムチャートである。
【図14】減圧調整弁におけるブレーキ油の流れを示し
た説明図である。
【図15】減圧調整弁におけるブレーキ油の流れを示し
た説明図である。
【図16】第2実施例におけるECU600による制御
を示したフローチャートである。
【図17】第2実施例におけるモータ、ブレーキ信号、
三位置電磁弁、減圧調整弁、車速、圧力の関係を示した
タイムチャートである。
【図18】本発明の第3実施例の構成を示す構成図であ
る。
【図19】図18に構成において、第1実施例の制御を
行ったときのモータ、ブレーキ信号、三位置電磁弁、減
圧調整弁、車速、圧力の関係を示したタイムチャートで
ある。
【図20】第3実施例におけるECU600による制御
を示したフローチャートである。
【図21】第3実施例におけるECU600による制御
の要部を示したフローチャートである。
【図22】第3実施例におけるモータ、ブレーキ信号、
三位置電磁弁、減圧調整弁、車速、圧力の関係を示した
タイムチャートである。
【図23】第4,5実施例を説明するための車速、ホイ
ールシリンダ圧力、車両減速度のタイムチャートであ
る。
【図24】第4,5実施例を説明するための車速、ホイ
ールシリンダ圧力、車両減速度のタイムチャートであ
る。
【図25】第4,5実施例におけるECU600による
制御を示したフローチャートである。
【図26】第4実施例におけるECU600による制御
の要部を示したフローチャートである。
【図27】第5実施例におけるECU600による制御
の要部を示したフローチャートである。
【図28】クレームに対応した構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
311 三位置電磁弁 401 減圧調整弁 600 ECU 700 Gセンサ 801 車輪速センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 育生 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 久間 英樹 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 稲垣 光夫 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 橘 彰英 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行速度を検出する速度検出手段
    と、ブレーキ圧力を減圧する減圧手段とを備え、マスタ
    シリンダからホイールシリンダへブレーキ圧力を伝達す
    ることによって車両の走行速度が低下して車両が停止状
    態に移行する時に、マスタシリンダからホイールシリン
    ダへのブレーキ圧力の伝達を遮断してホイールシリンダ
    のブレーキ圧力を減圧することにより、車両停止時のゆ
    れ戻りを抑制する車両用ブレーキ装置において、 少なくとも車両停止状態の情報を含む車両の走行状態を
    検出する走行状態検出手段と、 前記走行状態検出手段によって検出された車両の走行状
    態から、車両の停止状態を維持するのに必要なブレーキ
    圧力残圧値を算出する残圧値算出手段と、 前記残圧値算出手段によって算出されたブレーキ圧力残
    圧値まで前記ブレーキ圧力を減圧すべく前記減圧手段を
    制御する制御手段と、 前記制御手段による前記減圧手段への制御によって前記
    ブレーキ圧力残圧値まで前記ブレーキ圧力が減圧がされ
    た後、前記車両停止状態の情報に基づいてマスタシリン
    ダからホイールシリンダへのブレーキ圧力の伝達を遮断
    した状態から伝達を可能な状態に切り換える切り換え手
    段と、 を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記切り換え手段は、マスタシリンダか
    らホイールシリンダへのブレーキ圧力の伝達を遮断した
    状態から伝達を可能な状態に漸次切り換えることを特徴
    とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記走行状態検出手段はブレーキペダル
    の踏み込み状態を検出するブレーキ信号検出センサを備
    え、該ブレーキ信号検出センサにて車両停止状態の情報
    を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブ
    レーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記走行状態検出手段は、ブレーキペダ
    ルの踏み込み状態を検出するブレーキ信号検出センサ
    と、該ブレーキ信号検出センサがブレーキペダルの踏み
    込まれている状態を検出したときに車両が一旦停止した
    か否かを判定する停止判定手段と、前記停止判定手段に
    よって車両が一旦停止したと判定されたときに、車両が
    一旦停止した後に移動したか否かを判定する移動判定手
    段とを備え、前記ブレーキ信号検出センサ、停止判定手
    段、および移動判定手段にて車両停止状態の情報を検出
    するとともに、前記移動判定手段によって車両が一旦停
    止した後に移動したと判定されたときに、前記切り換え
    手段はマスタシリンダからホイールシリンダへのブレー
    キ圧力の伝達を遮断した状態から伝達を可能な状態に切
    り換えることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレ
    ーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記停止判定手段は車両減速度に基づい
    て判定することを特徴とする請求項4に記載の車両用ブ
    レーキ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997026166A1 (fr) * 1996-01-16 1997-07-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Dispositif d'asservissement hydraulique pour freins de vehicules
US8282530B2 (en) 2007-02-23 2012-10-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Shift control system and method

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WO1997026166A1 (fr) * 1996-01-16 1997-07-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Dispositif d'asservissement hydraulique pour freins de vehicules
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