JP2590958B2 - 車体停止時のブレーキ制御装置 - Google Patents
車体停止時のブレーキ制御装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車等の車両のブレーキ制御装置、特に車
体停止直前のブレーキ油圧の制御に適した車体停止時の
ブレーキ制御装置に関する。
体停止直前のブレーキ油圧の制御に適した車体停止時の
ブレーキ制御装置に関する。
車両は、一般に制動により停止すると、停止時に、特
有の車体前後方向への振動を発生し、乗員に不快感を与
える場合がある。この振動は、いわゆる揺りもどしと言
われる車体のピッチング振動と、数Hzの周期を持つ車体
の前後方向振動の合成されたものである。このうち、ピ
ッチング振動は、車両のサスペンションスプリングとシ
ョックアブソーバの特性が関与するため、従来では、車
両制動時に、ショックアブソーバの減衰力を高め、ピッ
チング振動の発生を少なくしようとする装置が考案され
ている。
有の車体前後方向への振動を発生し、乗員に不快感を与
える場合がある。この振動は、いわゆる揺りもどしと言
われる車体のピッチング振動と、数Hzの周期を持つ車体
の前後方向振動の合成されたものである。このうち、ピ
ッチング振動は、車両のサスペンションスプリングとシ
ョックアブソーバの特性が関与するため、従来では、車
両制動時に、ショックアブソーバの減衰力を高め、ピッ
チング振動の発生を少なくしようとする装置が考案され
ている。
上記従来装置によれば、車体停止時のピッチング振動
はある程度低減することが可能である。しかし、車体前
後方向振動は低減不可能であるため、乗員はこの振動に
伴う乗心地の悪さを感じる場合がある。
はある程度低減することが可能である。しかし、車体前
後方向振動は低減不可能であるため、乗員はこの振動に
伴う乗心地の悪さを感じる場合がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解決すること、すな
わち車体停止時に発生する車体前後方向振動を適切に低
減することを目的とする。
わち車体停止時に発生する車体前後方向振動を適切に低
減することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、第1図に示す様
に、車輪への制御力を調整するホイールシリンダのブレ
ーキ圧力を、減圧、増圧制御可能なブレーキ圧調節手段
(M1)と、 車体速度を検出する車体速度検出手段(M2)と、 前記車体速度に基づいて、車体停止直前におけるブレ
ーキ圧力の減圧開始時期TDを算出する減圧時期算出手段
(M3)と、 前記車体速度に基づいて、前記減圧開始時期からの減
圧制御すべき減圧時間ΔTZを算出する減圧時間算出手段
(M4)と、 前記減圧開始時期TDに達した時点で前記ブレーキ圧調
節手段へ減圧信号を出力し、前記減圧時間経過後に前記
ブレーキ圧調節手段へ増圧信号を出力する制御手段(M
5)と を備えることを特徴とする。
に、車輪への制御力を調整するホイールシリンダのブレ
ーキ圧力を、減圧、増圧制御可能なブレーキ圧調節手段
(M1)と、 車体速度を検出する車体速度検出手段(M2)と、 前記車体速度に基づいて、車体停止直前におけるブレ
ーキ圧力の減圧開始時期TDを算出する減圧時期算出手段
(M3)と、 前記車体速度に基づいて、前記減圧開始時期からの減
圧制御すべき減圧時間ΔTZを算出する減圧時間算出手段
(M4)と、 前記減圧開始時期TDに達した時点で前記ブレーキ圧調
節手段へ減圧信号を出力し、前記減圧時間経過後に前記
ブレーキ圧調節手段へ増圧信号を出力する制御手段(M
5)と を備えることを特徴とする。
本発明は、制動による車体停止直前の好適なブレーキ
減圧開始時期にブレーキ液圧を一時的に減圧することに
より、車体の前後方向振動を著しく低減できることに着
目してなされたものである。
減圧開始時期にブレーキ液圧を一時的に減圧することに
より、車体の前後方向振動を著しく低減できることに着
目してなされたものである。
次にこの本発明の装置の作用原理について説明する。
車輪は一般に、路面の凹凸を吸収すべく、サスペンシ
ョンスプリング及びアブソーバにより車体に対し上下方
向に変位可能に取付けられている。一方、前後方向の動
きに対しては、高い剛性を有していると考えがちである
が、実際にはサスペンションリンクの回転部に取り付け
られたゴムブッシュあるいはその他のリンク構成要素等
のたわみにより、前後方向への変位も可能である。ま
た、制動時には、車輪自体にも制動力によりたわみ変形
が生ずる。
ョンスプリング及びアブソーバにより車体に対し上下方
向に変位可能に取付けられている。一方、前後方向の動
きに対しては、高い剛性を有していると考えがちである
が、実際にはサスペンションリンクの回転部に取り付け
られたゴムブッシュあるいはその他のリンク構成要素等
のたわみにより、前後方向への変位も可能である。ま
た、制動時には、車輪自体にも制動力によりたわみ変形
が生ずる。
まず、制動停止直後の前後方向振動の発生メカニズム
について述べる。
について述べる。
制動時、車輪と車体との間には制動力に相当する力が
作用する。この力により、車輪と車体には相対的変位が
生ずる。車輪の前後方向剛性のバネ定数をKとすると、
この変位によりサスペンション系には1/2 Kχ2(χ:
変位)の位置エネルギーが蓄積される。次に、車両が停
止に至ると、前記位置エネルギーは、車両の運動エネル
ギーに転換され、ここに車体の前後方向振動が生ずる。
作用する。この力により、車輪と車体には相対的変位が
生ずる。車輪の前後方向剛性のバネ定数をKとすると、
この変位によりサスペンション系には1/2 Kχ2(χ:
変位)の位置エネルギーが蓄積される。次に、車両が停
止に至ると、前記位置エネルギーは、車両の運動エネル
ギーに転換され、ここに車体の前後方向振動が生ずる。
この振動を低減する方法としては、まず、車輪の前後
方向取付け剛性を高くすることが考えられる。しかしな
がら、前後方向剛性は、段差通過時などに車体に伝達さ
れる衝撃と密接な関係があるため、前後方向剛性をむや
みに高めると、車体に伝達する衝撃も著しく増大すると
いう問題を生ずる。
方向取付け剛性を高くすることが考えられる。しかしな
がら、前後方向剛性は、段差通過時などに車体に伝達さ
れる衝撃と密接な関係があるため、前後方向剛性をむや
みに高めると、車体に伝達する衝撃も著しく増大すると
いう問題を生ずる。
本発明は、これらの点を考慮して車体停止直前にブレ
ーキ圧力を瞬時低下させることにより、一瞬車輪を自由
状態として、サスペンション系に蓄積されたエネルギー
を、車輪の振動により消滅させ、車体の前後方向振動の
発生を抑制しようとするものである。すなわち、前記振
動は、車体停止時、車輪の接地点を固定点として、サス
ペンション系のコンプライアンスの存在により、車体が
前後に振動するのである。ところが、停止と同時にブレ
ーキ油圧を減圧すると、車輪は自由な前後運動が可能と
なる。この様な状態にすると、車輪の質量に比べ、車体
の質量は非常に大であるため、車体は振動せず、車輪が
振動し、サスペンション系に蓄積されたエネルギーが放
出され、車体の振動は抑制される。
ーキ圧力を瞬時低下させることにより、一瞬車輪を自由
状態として、サスペンション系に蓄積されたエネルギー
を、車輪の振動により消滅させ、車体の前後方向振動の
発生を抑制しようとするものである。すなわち、前記振
動は、車体停止時、車輪の接地点を固定点として、サス
ペンション系のコンプライアンスの存在により、車体が
前後に振動するのである。ところが、停止と同時にブレ
ーキ油圧を減圧すると、車輪は自由な前後運動が可能と
なる。この様な状態にすると、車輪の質量に比べ、車体
の質量は非常に大であるため、車体は振動せず、車輪が
振動し、サスペンション系に蓄積されたエネルギーが放
出され、車体の振動は抑制される。
次に、上述の制御の基本となるシュミレーションの一
例を参考として説明する。
例を参考として説明する。
第2図に、シュミレーション計算により求めた車体の
停止振動状態を示す。第2図(a)は従来の場合を示
し、一定減速度(減速加速度−0.3G)で停止した場合の
車体位置P0と車体前後方向加速度G0を示す。これより、
停止時刻T後、数周期にわたって前後方向振動が発生し
ていることがわかる。一方、第2図(b)は、本発明を
適用した場合を示す。すなわち、車体停止直前の減圧開
始時期TDでブレーキ圧B1を減圧時間ΔT2減圧し、その後
ブレーキ圧B1を再び増圧したシュミレーション結果の一
例を示す。
停止振動状態を示す。第2図(a)は従来の場合を示
し、一定減速度(減速加速度−0.3G)で停止した場合の
車体位置P0と車体前後方向加速度G0を示す。これより、
停止時刻T後、数周期にわたって前後方向振動が発生し
ていることがわかる。一方、第2図(b)は、本発明を
適用した場合を示す。すなわち、車体停止直前の減圧開
始時期TDでブレーキ圧B1を減圧時間ΔT2減圧し、その後
ブレーキ圧B1を再び増圧したシュミレーション結果の一
例を示す。
これより車体前後方向加速度G1は、速やかにゼロとな
り、振動(P1)が著しく低減していることがわかる。
り、振動(P1)が著しく低減していることがわかる。
また、この車体停止位置P1(第2図(b))を見てみ
ると、最終停止位置はブレーキ圧を制御しない従来の場
合(第2図(a))に比べて、約10mm、車両進行方向へ
移動している。しかし、車体が最も前方に変位する点、
P0M,P1Mは、約2mm程度の差であり、実質的に制動距離が
伸びるということはない。
ると、最終停止位置はブレーキ圧を制御しない従来の場
合(第2図(a))に比べて、約10mm、車両進行方向へ
移動している。しかし、車体が最も前方に変位する点、
P0M,P1Mは、約2mm程度の差であり、実質的に制動距離が
伸びるということはない。
尚、第2図のシュミレーション例では、推定車体速度
停止時刻の約0.7sec直前に減圧を開始している。これ
は、減圧に応答遅れがあるためである。
停止時刻の約0.7sec直前に減圧を開始している。これ
は、減圧に応答遅れがあるためである。
以上述べた様に本発明は、車体停止直前におけるブレ
ーキ圧力の減圧開始時期TDに、ブレーキ圧力を一時に減
圧することにより、車体の前後方向振動、いわゆる揺り
戻しを著しく低減することができる。
ーキ圧力の減圧開始時期TDに、ブレーキ圧力を一時に減
圧することにより、車体の前後方向振動、いわゆる揺り
戻しを著しく低減することができる。
従って本発明は、急制動等による車体停止後に発生す
る車体の前後方向の振動を著しく低減することができ、
制動時のフィーリングを向上することができる。
る車体の前後方向の振動を著しく低減することができ、
制動時のフィーリングを向上することができる。
次に、本発明の実施例について図面に基づいて説明す
る。
る。
第3図は、本発明になるブレーキ装置の第1の実施例
であり、FR,FL,RR,RLは、各々右前輪、左前輪、右後
輪、左後輪の各車輪を示す。符号2〜5は各車輪に設け
られたホイールブレーキシリンダである。6は後輪の油
圧を調整するプロポーショニングバルブ、1はマスタシ
リンダ、7はブレーキペダル、8はストップランプスイ
ッチであり、以上の各要素は、通常の車両に装着されて
いる構成である。
であり、FR,FL,RR,RLは、各々右前輪、左前輪、右後
輪、左後輪の各車輪を示す。符号2〜5は各車輪に設け
られたホイールブレーキシリンダである。6は後輪の油
圧を調整するプロポーショニングバルブ、1はマスタシ
リンダ、7はブレーキペダル、8はストップランプスイ
ッチであり、以上の各要素は、通常の車両に装着されて
いる構成である。
以下は、本発明の構成要素をなすもので、符号100,10
0′は各々前輪、後輪のホイールシリンダの油圧を制御
するための流路切換バルブ、また101,101′はブレーキ
油を一時ためるリザーバ、102,102′はチェックバルブ
である。これらによりブレーキ圧調節手段が構成され
る。また、300は前、後輪の車輪速センサ、200は車輪速
センサ300からの信号に基づいて切換バルブ100,100′を
駆動する電子制御回路(ECU)である。
0′は各々前輪、後輪のホイールシリンダの油圧を制御
するための流路切換バルブ、また101,101′はブレーキ
油を一時ためるリザーバ、102,102′はチェックバルブ
である。これらによりブレーキ圧調節手段が構成され
る。また、300は前、後輪の車輪速センサ、200は車輪速
センサ300からの信号に基づいて切換バルブ100,100′を
駆動する電子制御回路(ECU)である。
上図に基づいて、本実施例の作動を説明する。図示の
状態においては、ブレーキペダル7を踏むことにより発
生するマスタシリンダ1の油圧は、そのまま各ホイール
シリンダ2,3,4,5に加わり、制動が行われる。一方、車
輪速センサ300は時々刻々車輪速に比例した周波数のパ
ルス信号、もしくは電圧をECU200に出力する。
状態においては、ブレーキペダル7を踏むことにより発
生するマスタシリンダ1の油圧は、そのまま各ホイール
シリンダ2,3,4,5に加わり、制動が行われる。一方、車
輪速センサ300は時々刻々車輪速に比例した周波数のパ
ルス信号、もしくは電圧をECU200に出力する。
ECU200は前記信号より、車体速度、減速加速度等を計
算する。ECU200は、得られた車体速度、減速加速度よ
り、推定車体停止時刻を算出する。一方、ECU200内に
は、車体減速度に対し、推定車体停止時刻TSの何msec前
にブレーキ圧の減圧を開始すべきかを示すデータがあら
かじめ収納されている。ECU200は時々刻々これらのデー
タに基づいて、減圧開始時刻及び減圧保持時間を計算
し、その時刻に到達した時点で、切換バルブ100,100′
を駆動する信号を出力する。
算する。ECU200は、得られた車体速度、減速加速度よ
り、推定車体停止時刻を算出する。一方、ECU200内に
は、車体減速度に対し、推定車体停止時刻TSの何msec前
にブレーキ圧の減圧を開始すべきかを示すデータがあら
かじめ収納されている。ECU200は時々刻々これらのデー
タに基づいて、減圧開始時刻及び減圧保持時間を計算
し、その時刻に到達した時点で、切換バルブ100,100′
を駆動する信号を出力する。
この駆動信号により、バルブ100,100′は図示B側の
位置に切換えられ、ホイールシリンダ2,3,4,5内のブレ
ーキ液は、リザーバ101,101′に流入し、シリンダ圧は
減圧される。減圧保持時間が経過すると、バルブ101,10
1′は以前の位置(図示Aの位置)に復帰し、再びマス
タシリンダ1の圧力がホイールシリンダに加わり、ブレ
ーキ圧は増圧される。
位置に切換えられ、ホイールシリンダ2,3,4,5内のブレ
ーキ液は、リザーバ101,101′に流入し、シリンダ圧は
減圧される。減圧保持時間が経過すると、バルブ101,10
1′は以前の位置(図示Aの位置)に復帰し、再びマス
タシリンダ1の圧力がホイールシリンダに加わり、ブレ
ーキ圧は増圧される。
次に、推定車体停止時刻(TS)と減圧開始時刻(TD)
との時間差(減圧前だおし時間)ΔT1及び減圧保持時間
ΔT2の設定方法について述べる。一般に、車体減速加速
度とブレーキ圧は、ほぼ比例関係にあり、車体減速加速
度が小なる時は、ブレーキ圧は低いため、減圧にはそれ
ほどの時間がかからない。逆に、減速加速度が大なる時
はブレーキ油圧は高いため、減圧に時間がかかる。この
ため、上記時間差ΔT1は減速加速度の大小に応じて変更
する必要がある。よって、ECU200は車輪速センサ300の
発するパルス周波数、あるいは電圧より、減速加速度を
算出し、時間差ΔT1を決定する。減圧保持時間ΔT2もほ
ほ同様に、減速加速度が大なる時は長く、減速加速度が
小なる時は短く設定される。ここで上記時間差ΔT1と減
圧保持時間ΔT2の概略の時間について述べると、ΔT1,
ΔT2とも最長でも0.2秒程度であり、大きい減速加速度
の場合にも、これを越えることはないように設定され
る。
との時間差(減圧前だおし時間)ΔT1及び減圧保持時間
ΔT2の設定方法について述べる。一般に、車体減速加速
度とブレーキ圧は、ほぼ比例関係にあり、車体減速加速
度が小なる時は、ブレーキ圧は低いため、減圧にはそれ
ほどの時間がかからない。逆に、減速加速度が大なる時
はブレーキ油圧は高いため、減圧に時間がかかる。この
ため、上記時間差ΔT1は減速加速度の大小に応じて変更
する必要がある。よって、ECU200は車輪速センサ300の
発するパルス周波数、あるいは電圧より、減速加速度を
算出し、時間差ΔT1を決定する。減圧保持時間ΔT2もほ
ほ同様に、減速加速度が大なる時は長く、減速加速度が
小なる時は短く設定される。ここで上記時間差ΔT1と減
圧保持時間ΔT2の概略の時間について述べると、ΔT1,
ΔT2とも最長でも0.2秒程度であり、大きい減速加速度
の場合にも、これを越えることはないように設定され
る。
次に、上述の演算フローチャートを第4図に示す。第
4図はECU200内のマイクロコンピュータが実行する処理
手順のフローチャートである。
4図はECU200内のマイクロコンピュータが実行する処理
手順のフローチャートである。
まず、ステップS1で、ストップランプスイッチ8から
のブレーキ信号を読み込み、ステップS2で車輪速センサ
300からの車輪速信号を読み込む。次に、ステップS3で
は、前輪、後輪の車輪速センサ信号から、公知の手法に
よりスリップ率を算出し、かつこのスリップ率が適切な
範囲より大きいか否かを判定し、スリップ率がこの範囲
より大のときは、ステップS4にてスリップ率制御を行
う。このスリップ率制御は、既知の手法により実行さ
れ、例えば前輪、後輪の車輪速度、車輪減速度を演算
し、近似車体速度を作成し、これらを用いて車両状態、
路面状態を判断し、前、後輪が適切なスリップ率となる
ように、バルブ100,100′に対して制御信号を出力す
る。バルブ100,100′は位置A,Bを切換制御することによ
り、ホイールシリンダのブレーキ圧を増、減圧して適切
に調節する。
のブレーキ信号を読み込み、ステップS2で車輪速センサ
300からの車輪速信号を読み込む。次に、ステップS3で
は、前輪、後輪の車輪速センサ信号から、公知の手法に
よりスリップ率を算出し、かつこのスリップ率が適切な
範囲より大きいか否かを判定し、スリップ率がこの範囲
より大のときは、ステップS4にてスリップ率制御を行
う。このスリップ率制御は、既知の手法により実行さ
れ、例えば前輪、後輪の車輪速度、車輪減速度を演算
し、近似車体速度を作成し、これらを用いて車両状態、
路面状態を判断し、前、後輪が適切なスリップ率となる
ように、バルブ100,100′に対して制御信号を出力す
る。バルブ100,100′は位置A,Bを切換制御することによ
り、ホイールシリンダのブレーキ圧を増、減圧して適切
に調節する。
一方、ステップS3でスリップ率が大きくないと判定さ
れたとき、すなわち車輪がスリップ(ロック)状態でな
いときには、ステップS5以降の制御を実行する。ここ
で、車輪がロック状態でないときは、車輪速度と車体速
度は一対一に対応関係があるため、車輪速度を車体速度
と見なして、以下の演算を実行する。
れたとき、すなわち車輪がスリップ(ロック)状態でな
いときには、ステップS5以降の制御を実行する。ここ
で、車輪がロック状態でないときは、車輪速度と車体速
度は一対一に対応関係があるため、車輪速度を車体速度
と見なして、以下の演算を実行する。
まず、ステップS5では、車輪(体)速度Vの変化率か
ら車体減速度αを算出する。ステップS6では、車体速度
Vと車体減速度αに基づいて、現時点から車体の停止す
る車体推定時刻TSまでの時間ΔTS、及び減圧前だおし時
間ΔT1をあらかでめ設定されたマップまたは計算式より
算出する。次にステップS7で、現時点から減圧開始時刻
TDまでの待ち時間ΔTD(ΔTD=ΔTS−ΔT1)、及び減圧
保持時間ΔT2を算出する。
ら車体減速度αを算出する。ステップS6では、車体速度
Vと車体減速度αに基づいて、現時点から車体の停止す
る車体推定時刻TSまでの時間ΔTS、及び減圧前だおし時
間ΔT1をあらかでめ設定されたマップまたは計算式より
算出する。次にステップS7で、現時点から減圧開始時刻
TDまでの待ち時間ΔTD(ΔTD=ΔTS−ΔT1)、及び減圧
保持時間ΔT2を算出する。
次に、ステップS8で、前記待ち時間ΔTDとECU240の演
算一周期に要する時間の演算サイクルタイムΔTCとの比
較を行い、ΔTD<ΔTCのときは、再びステップS1に戻
り、上記手順を実行する。これは、できるかぎり最新の
データに基づいて制御を行うためである。一方、ΔTD<
TCであれば、ECU200はステップS9でΔTDだけ計時し、Δ
TD時間後に、ステップS10で減圧保持時間ΔT2の減圧を
行うための減圧信号を出力し、ブレーキ油圧を減圧す
る。あらかじめ計算した減圧保持時間ΔT2の減圧信号を
出力した後、ステップS11でΔT3時間制御を停止し、そ
の後、スタートに復帰する。
算一周期に要する時間の演算サイクルタイムΔTCとの比
較を行い、ΔTD<ΔTCのときは、再びステップS1に戻
り、上記手順を実行する。これは、できるかぎり最新の
データに基づいて制御を行うためである。一方、ΔTD<
TCであれば、ECU200はステップS9でΔTDだけ計時し、Δ
TD時間後に、ステップS10で減圧保持時間ΔT2の減圧を
行うための減圧信号を出力し、ブレーキ油圧を減圧す
る。あらかじめ計算した減圧保持時間ΔT2の減圧信号を
出力した後、ステップS11でΔT3時間制御を停止し、そ
の後、スタートに復帰する。
ここで、ΔT3の制御停止期間を設けるのは、制御の安
定性を高めるためである。減圧終了後、すぐにスタート
状態に復帰すると、その時点でわずかでも車速が残って
いた場合には再び減圧を行う場合が生じ、制動距離が伸
びる可能性があるためである。この制御停止時間ΔT3と
しては、0.5〜5secが好ましい。
定性を高めるためである。減圧終了後、すぐにスタート
状態に復帰すると、その時点でわずかでも車速が残って
いた場合には再び減圧を行う場合が生じ、制動距離が伸
びる可能性があるためである。この制御停止時間ΔT3と
しては、0.5〜5secが好ましい。
減圧開始時期の決定方法としては、上述の他に車体減
速度αより、減圧開始車速VDを求め、この車速VDに車体
速度Vが到達した時点で、減圧を開始する処理としても
よい。また、車体減速度αは、車輪速度より求める他
に、加速度計を搭載し、その出力を代用してもよい。
速度αより、減圧開始車速VDを求め、この車速VDに車体
速度Vが到達した時点で、減圧を開始する処理としても
よい。また、車体減速度αは、車輪速度より求める他
に、加速度計を搭載し、その出力を代用してもよい。
次に、流路切換バルブの他の実施例について説明す
る。第5図は、流路切換バルブとして、3ポート3位置
弁を用いた場合の例である。バルブ位置Aでは通常のブ
レーキシステムとなり、マスタシリンダ(M・C)とホ
イールシリンダ(W・C)が連通している。同位置Bで
は、ホイールシリンダ(W・C)の油は、リザーバ101
に流入し、減圧が行われる。また、同位置Cでは、ホイ
ールシリンダ(W・C)、マスタシリンダ(M・C)、
リザーバ101は、各々連通が遮断され、ホイールシリン
ダ(W・C)の圧力は一定に保持される。
る。第5図は、流路切換バルブとして、3ポート3位置
弁を用いた場合の例である。バルブ位置Aでは通常のブ
レーキシステムとなり、マスタシリンダ(M・C)とホ
イールシリンダ(W・C)が連通している。同位置Bで
は、ホイールシリンダ(W・C)の油は、リザーバ101
に流入し、減圧が行われる。また、同位置Cでは、ホイ
ールシリンダ(W・C)、マスタシリンダ(M・C)、
リザーバ101は、各々連通が遮断され、ホイールシリン
ダ(W・C)の圧力は一定に保持される。
また、第6図に示すものは、2ポート2位置弁を2個
使用し、流路切換バルブの作動を可能とするので、バル
ブ100−aはマスタシリンダ(M・C)とホイールシリ
ンダ(W・C)間の流路を開閉する。同バルブ100−b
は、ホイールシリンダ(W・C)とリザーバ101の間に
儲け、この流路を開閉する。ホイールシリンダ圧を減圧
する場合、まずバルブ100−aが位置Bに切り換えら
れ、次にバルブ100−bが位置Bとなり、減圧を行う。
一方、増圧を行う場合には、バルブ100−bを位置Aに
復帰させた後、バルブ100−aを位置Aに復帰させ、マ
スタシリンダ(M・C)とホイールシリンダ(W・C)
とを連通し、ホイールシリンダ(W・C)の増圧が行わ
れる。
使用し、流路切換バルブの作動を可能とするので、バル
ブ100−aはマスタシリンダ(M・C)とホイールシリ
ンダ(W・C)間の流路を開閉する。同バルブ100−b
は、ホイールシリンダ(W・C)とリザーバ101の間に
儲け、この流路を開閉する。ホイールシリンダ圧を減圧
する場合、まずバルブ100−aが位置Bに切り換えら
れ、次にバルブ100−bが位置Bとなり、減圧を行う。
一方、増圧を行う場合には、バルブ100−bを位置Aに
復帰させた後、バルブ100−aを位置Aに復帰させ、マ
スタシリンダ(M・C)とホイールシリンダ(W・C)
とを連通し、ホイールシリンダ(W・C)の増圧が行わ
れる。
以上に示した油圧制御回路においては、ホイールシリ
ンダ圧を減圧後、再増圧する場合、マスタシリンダの圧
力により増圧を行うため、運転者はブレーキペダルを一
段踏み込む必要がある。
ンダ圧を減圧後、再増圧する場合、マスタシリンダの圧
力により増圧を行うため、運転者はブレーキペダルを一
段踏み込む必要がある。
この再増圧を、マスタシリンダ圧によらず、ポンプで
行う場合の実施例を、第7図に示す。第7図において、
103は油圧ポンプであり、リザーバ101と、ホイールシリ
ンダ(W・C)間に設けられており、ホイールシリンダ
(W・C)の減圧後、このポンプ103を作動させること
により、リザーバ101に流入した油をホイールシリンダ
(W・C)に圧送することで、増圧が行われる。なお、
このポンプ103による増圧の場合、バルブ100−aは位置
B、100−bは位置Aに切り換えられることは言うまで
もない。ポンプ103としては、電磁ソレノイド型、圧電
型、モータ式等種々のものが利用できる。
行う場合の実施例を、第7図に示す。第7図において、
103は油圧ポンプであり、リザーバ101と、ホイールシリ
ンダ(W・C)間に設けられており、ホイールシリンダ
(W・C)の減圧後、このポンプ103を作動させること
により、リザーバ101に流入した油をホイールシリンダ
(W・C)に圧送することで、増圧が行われる。なお、
このポンプ103による増圧の場合、バルブ100−aは位置
B、100−bは位置Aに切り換えられることは言うまで
もない。ポンプ103としては、電磁ソレノイド型、圧電
型、モータ式等種々のものが利用できる。
第7図の油圧回路による作動タイムチャートを第9図
に示す。なお、バルブ100−aをモード切換バルブ、100
−bを減圧バルブとして図称することとする。
に示す。なお、バルブ100−aをモード切換バルブ、100
−bを減圧バルブとして図称することとする。
次に、増圧方向の別の例を第8図に示す。この実施例
は、増圧方法として、リザーバのピストン101′にブレ
ーキ系統とは別の油圧を印加することにより、リザーバ
に溜まったブレーキ油を、ホイールシリンダに圧送する
ことで増圧を行うものである。実施例においては、パワ
ーステアリング系の油圧を用いる。図において1000は、
パワーステアリング用油圧ポンプ、1001はパワーステア
リングギアボックス、1004は油溜めである。1002,1003
は本発明の構成要素のなすもので、1002は2位置弁で通
常時は、図中Aで示すバルブ位置を取る。1003はリリー
フバルブである。本実施例によるホイール油圧の増圧
は、次のプロセスで行われる。まず、減圧操作により、
リザーバ101′には、ある量のブレーキオイルが流入す
る。次に、バルブ1002が位置Bを取ることにより、図中
Pで示す油圧系統には、リリーフ弁1003により調圧され
た油圧(約30〜35気圧)が発生する。この油圧はリザー
バ101′の油圧室101′−3に導かれているため、該油圧
により、ピストン101′−2を介してピストン101′−1
はリザーバ内のブレーキ油をホイールシリンダに向けて
圧送し、増圧がなされる。この場合、当然バルブ100−
aは位置B、100−bは同様位置Bを取る。この増圧方
法によれば、増圧時のブレーキペダルの踏み込みが無く
なるため、良好なフィーリングとなる。
は、増圧方法として、リザーバのピストン101′にブレ
ーキ系統とは別の油圧を印加することにより、リザーバ
に溜まったブレーキ油を、ホイールシリンダに圧送する
ことで増圧を行うものである。実施例においては、パワ
ーステアリング系の油圧を用いる。図において1000は、
パワーステアリング用油圧ポンプ、1001はパワーステア
リングギアボックス、1004は油溜めである。1002,1003
は本発明の構成要素のなすもので、1002は2位置弁で通
常時は、図中Aで示すバルブ位置を取る。1003はリリー
フバルブである。本実施例によるホイール油圧の増圧
は、次のプロセスで行われる。まず、減圧操作により、
リザーバ101′には、ある量のブレーキオイルが流入す
る。次に、バルブ1002が位置Bを取ることにより、図中
Pで示す油圧系統には、リリーフ弁1003により調圧され
た油圧(約30〜35気圧)が発生する。この油圧はリザー
バ101′の油圧室101′−3に導かれているため、該油圧
により、ピストン101′−2を介してピストン101′−1
はリザーバ内のブレーキ油をホイールシリンダに向けて
圧送し、増圧がなされる。この場合、当然バルブ100−
aは位置B、100−bは同様位置Bを取る。この増圧方
法によれば、増圧時のブレーキペダルの踏み込みが無く
なるため、良好なフィーリングとなる。
なお、ホイールシリンダの油圧を制御するブレーキ圧
調節手段のバルブ構成としては、本図に示す以外のもの
でも、上述と同様の作動が可能なものであれば、差し支
えないことは言うまでもない。
調節手段のバルブ構成としては、本図に示す以外のもの
でも、上述と同様の作動が可能なものであれば、差し支
えないことは言うまでもない。
尚、第3図に示すものは、主に前、後輪に分かれた2
系統の油圧系統を有する後輪駆動車のブレーキ装置に本
発明を適用したもので、前輪側、後輪側各々の油圧系統
に油圧制御装置が設けてある。このように、前後輪とも
ブレーキ圧を制御することが効果上好ましいが、前輪側
のみ、もしくは後輪側のみのブレーキ系統制御を行って
も、かなりの効果が得られる。
系統の油圧系統を有する後輪駆動車のブレーキ装置に本
発明を適用したもので、前輪側、後輪側各々の油圧系統
に油圧制御装置が設けてある。このように、前後輪とも
ブレーキ圧を制御することが効果上好ましいが、前輪側
のみ、もしくは後輪側のみのブレーキ系統制御を行って
も、かなりの効果が得られる。
次に、前輪駆動車への適用例を第10図に示す。前輪駆
動車の場合は、図示のごとくいわゆるクロス配管ブレー
キ系統とするのが一般的である。この場合、各系統に第
3図、第5図、第6図もしくは第7図に示すブレーキ圧
調節装置50,60を設置する。
動車の場合は、図示のごとくいわゆるクロス配管ブレー
キ系統とするのが一般的である。この場合、各系統に第
3図、第5図、第6図もしくは第7図に示すブレーキ圧
調節装置50,60を設置する。
この場合も、車体停止時の振動低減効果を大にするた
めには、両系統を同時に制御するのが好ましいが、一系
統のみの制御であっても、効果が得られる。この場合に
は、ブレーキ圧調節装置は一つで良いので、低価格にな
るという利点を有する。
めには、両系統を同時に制御するのが好ましいが、一系
統のみの制御であっても、効果が得られる。この場合に
は、ブレーキ圧調節装置は一つで良いので、低価格にな
るという利点を有する。
尚、上述の実施例においては、車体停止直前の適切な
減圧開始時期TDでブレーキ圧を一旦減圧して、車体前後
方向の振動を低減している。振動低減効果を大きくする
ための減圧としては、急速に減圧するのが好適である
が、逆に減圧速度が過大である場合には、サスペンショ
ン系に高周波の振動が発生し、運転車に違和感を与える
場合がある。これは、車輪制動力が急激に変化するため
に生じる違和感である。この振動は、減圧速度を適切に
制御することにより、防止することができる。例えば、
ホイールシリンダとリザーバとの間の管路途中に、適切
な絞り径を有する絞りを設けることにより、減圧速度が
過度になることが防止できる。また、例えば第6図に示
す油圧回路においては、減圧バルブ100−bを適切なデ
ューティ比により間欠的に駆動(パルス減圧)すること
により、減圧速度を任意に調整することができる。第11
図にこのときのバルブ100−bの駆動とブレーキ油圧の
関係を示し、(イ)はパルス減圧時、(ロ)はパルス減
圧なしの場合をそれぞれ示す。
減圧開始時期TDでブレーキ圧を一旦減圧して、車体前後
方向の振動を低減している。振動低減効果を大きくする
ための減圧としては、急速に減圧するのが好適である
が、逆に減圧速度が過大である場合には、サスペンショ
ン系に高周波の振動が発生し、運転車に違和感を与える
場合がある。これは、車輪制動力が急激に変化するため
に生じる違和感である。この振動は、減圧速度を適切に
制御することにより、防止することができる。例えば、
ホイールシリンダとリザーバとの間の管路途中に、適切
な絞り径を有する絞りを設けることにより、減圧速度が
過度になることが防止できる。また、例えば第6図に示
す油圧回路においては、減圧バルブ100−bを適切なデ
ューティ比により間欠的に駆動(パルス減圧)すること
により、減圧速度を任意に調整することができる。第11
図にこのときのバルブ100−bの駆動とブレーキ油圧の
関係を示し、(イ)はパルス減圧時、(ロ)はパルス減
圧なしの場合をそれぞれ示す。
また、減圧をスムーズに行い、前記違和感を防止する
リザーバの別の実施例を第12図に示す。第12図におい
て、2000はリザーバハウジング、3000はリザーバピスト
ン、4000はリターンスプリング、3002はシール用Oリン
グである。5000は油溜め室で、流入口2001より減圧時、
ブレーキ油が、室5000に流入する。3001はニードルで、
一部が流入口2001に嵌合する状態でピストン3000に設置
されている。減圧初期には、ブレーキ油はニードルと流
入口の嵌合スキ間2002を通って油溜め室に流入するた
め、減圧はゆっくり行われる。減圧がある程度進むと、
ピストンの動きにつれニードルが下降するため、減圧速
度は増大する。このため、急減圧は防止され、前記違和
感をなくすことができる。
リザーバの別の実施例を第12図に示す。第12図におい
て、2000はリザーバハウジング、3000はリザーバピスト
ン、4000はリターンスプリング、3002はシール用Oリン
グである。5000は油溜め室で、流入口2001より減圧時、
ブレーキ油が、室5000に流入する。3001はニードルで、
一部が流入口2001に嵌合する状態でピストン3000に設置
されている。減圧初期には、ブレーキ油はニードルと流
入口の嵌合スキ間2002を通って油溜め室に流入するた
め、減圧はゆっくり行われる。減圧がある程度進むと、
ピストンの動きにつれニードルが下降するため、減圧速
度は増大する。このため、急減圧は防止され、前記違和
感をなくすことができる。
また、第13図は、上述実施例によるブレーキ制御を行
った場合(実線ハ)と、行わない場合(点線ニ)の車体
前後方向振動の測定結果を示す。第13図に示す様に、車
体停止直前にブレーキ圧を適切に減圧することにより、
車体に発生する振動を著しく低減できることが分かる。
った場合(実線ハ)と、行わない場合(点線ニ)の車体
前後方向振動の測定結果を示す。第13図に示す様に、車
体停止直前にブレーキ圧を適切に減圧することにより、
車体に発生する振動を著しく低減できることが分かる。
また、上述の実施例では、車輪がロック状態にない場
合、車輪速度と車体速度に対応関係があることから、車
輪速度センサからの車輪速度を車体速度として利用した
が、車体速度を検出するものとしては、超音波センサ等
を路面に発射し、この反射波又は反射光により、実際の
車体速度を検出してもよい。
合、車輪速度と車体速度に対応関係があることから、車
輪速度センサからの車輪速度を車体速度として利用した
が、車体速度を検出するものとしては、超音波センサ等
を路面に発射し、この反射波又は反射光により、実際の
車体速度を検出してもよい。
第1図は本発明の構成を示す構成図、第2図は本発明の
作用を説明するためのシミュレーション例を示す波形
図、第3図は本発明の一実施例を示す油圧及び電気回路
図、第4図は第3図の電子制御回路(ECU200)が実行す
る処理手順を示すフローチャート、第5図、第6図は共
に切換バルブの他の実施例を示す部分油圧回路図、第7
図、第8図は本発明の他の実施例を示す部分油圧回路
図、第9図は第7図の油圧回路の作動説明に供するタイ
ミングチャート、第10図は本発明の他の実施例を示す油
圧及び電気回路図、第11図はパルス減圧の作動説明に供
する波形図、第12図はリザーバの実施例を示す断面図、
第13図は一実施例の効果を示す波形図である。 1……マスタシリンダ,2,3,4,5……ホイールシリンダ,7
……ブレーキペダル,8……ストップランプスイッチ,10
0,100′……切換バルブ(ブレーキ圧調節手段),300…
…車輪速センサ。
作用を説明するためのシミュレーション例を示す波形
図、第3図は本発明の一実施例を示す油圧及び電気回路
図、第4図は第3図の電子制御回路(ECU200)が実行す
る処理手順を示すフローチャート、第5図、第6図は共
に切換バルブの他の実施例を示す部分油圧回路図、第7
図、第8図は本発明の他の実施例を示す部分油圧回路
図、第9図は第7図の油圧回路の作動説明に供するタイ
ミングチャート、第10図は本発明の他の実施例を示す油
圧及び電気回路図、第11図はパルス減圧の作動説明に供
する波形図、第12図はリザーバの実施例を示す断面図、
第13図は一実施例の効果を示す波形図である。 1……マスタシリンダ,2,3,4,5……ホイールシリンダ,7
……ブレーキペダル,8……ストップランプスイッチ,10
0,100′……切換バルブ(ブレーキ圧調節手段),300…
…車輪速センサ。
Claims (10)
- 【請求項1】車輪への制御力を調節するホイールシリン
ダのブレーキ圧力を、減圧、増圧制御可能なブレーキ圧
調節手段と、 車体速度を検出する車体速度検出手段と、 前記車体速度に基づいて、車体停止直前におけるブレー
キ圧力の減圧開始時期TDを算出する減圧時期算出手段
と、 前記車体速度に基づいて、前記減圧開始時期からの減圧
制御すべき減圧時間ΔTZを算出する減圧時間算出手段
と、 前記減圧開始時期TDに達した時点で前記ブレーキ圧調節
手段へ減圧信号を出力し、前記減圧時間経過後に前記ブ
レーキ圧調節手段へ増圧信号を出力する制御手段と を備える車体停止時のブレーキ制御装置。 - 【請求項2】前記制御手段は、車輪のスリップ状況に応
じてブレーキ圧力を制御するスリップ制御手段を含み、
前記スリップ制御手段が非制御時に、前記車体速度検出
手段が車輪速度を前記車体速度として検出することを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の車体停止時のブレ
ーキ制御装置。 - 【請求項3】前記減圧時期算出手段は、前記車体速度、
及びこの車体速度から求められる車体減速度とより推定
車体停止時期TSを算出するとともに、該車体減速度に基
づいて減圧前だおし時間ΔT1を算出し、前記車体停止時
期TSと前記減圧前だおし時間ΔT1とから、前記減圧開始
時期TDを算出(TD=TS−ΔT1)することを特徴とする特
許請求の範囲第1項又は第2項に記載の車体停止時のブ
レーキ制御装置。 - 【請求項4】前記制御手段は、前記車体減速度より減圧
開始時車速VDを決定し、前記車体速度が該減圧開始時車
速VDとなった時点を減圧開始時期TDとし、減圧信号を出
力する制御を行うことを特徴とする特許請求の範囲第1
項乃至第3項のいずれかに記載の車体停止時のブレーキ
制御装置。 - 【請求項5】前記減圧前だおし時間ΔT1及び減圧時間Δ
T2は、前記車体減速度の大小に基づいて補正され、前記
車体減速度が大きくなるに応じて、共に増加するよう補
正されることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の
車体停止時のブレーキ制御装置。 - 【請求項6】前記ブレーキ圧調節手段は、マスタシリン
ダからホイールシリンダへ至る複数のブレーキ系統の少
なくとも1つに設けられていることを特徴とする特許請
求の範囲第1項記載の車体停止時のブレーキ制御装置。 - 【請求項7】前記制御手段は、前記減圧信号を出力した
後は、その後の車体速度、及び車体減速度に無関係に、
所定時間減圧信号を出力することを停止する制御停止期
間が設定されていることを特徴とする特許請求の範囲第
1項記載の車体停止時のブレーキ制御装置。 - 【請求項8】前記ブレーキ圧調節手段は、減圧に関与す
る電磁弁を間欠的に駆動することにより、その減圧速度
を制御することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の車体停止時のブレーキ制御装置。 - 【請求項9】前記ブレーキ圧調節手段は、パワーステア
リング油圧系統のギアボックスとリザーバタンク間に設
置した流路遮断弁および該遮断弁に併設したレギュレー
タバルブにより構成され、前記遮断弁を閉じることによ
り、一定油圧を発生させる油圧発生手段、及び該油圧を
ブレーキ油リザーバピストンの背面に印加することによ
り、減圧後の増圧を行う増圧手段を有することを特徴と
する特許請求の範囲第1項記載の車体停止時のブレーキ
制御装置。 - 【請求項10】前記ブレーキ圧調節手段は、減圧時、ブ
レーキ油を一時貯油するリザーバを有するとともに、こ
のリザーバのリザーバピストンに、ブレーキ油流入口に
適当なクリアランスを保って嵌合するニードルを設け、
減圧開始時、リザーバに流入するブレーキ油量を制限す
ることにより、減圧初期の減圧速度を制御することを特
徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の車体停止時の
ブレーキ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28164487A JP2590958B2 (ja) | 1987-11-07 | 1987-11-07 | 車体停止時のブレーキ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28164487A JP2590958B2 (ja) | 1987-11-07 | 1987-11-07 | 車体停止時のブレーキ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01122764A JPH01122764A (ja) | 1989-05-16 |
JP2590958B2 true JP2590958B2 (ja) | 1997-03-19 |
Family
ID=17641975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28164487A Expired - Lifetime JP2590958B2 (ja) | 1987-11-07 | 1987-11-07 | 車体停止時のブレーキ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2590958B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09193765A (ja) * | 1996-01-16 | 1997-07-29 | Toyota Motor Corp | 車両用ブレーキ液圧制御装置 |
JP3820731B2 (ja) * | 1998-01-27 | 2006-09-13 | トヨタ自動車株式会社 | 車輌の停止制御装置 |
JP2004322729A (ja) * | 2003-04-22 | 2004-11-18 | Toyota Motor Corp | 走行制御装置 |
JP4375414B2 (ja) | 2007-02-23 | 2009-12-02 | トヨタ自動車株式会社 | シフト制御システム |
JP5613597B2 (ja) * | 2011-03-16 | 2014-10-29 | 富士重工業株式会社 | 車両用運転支援装置 |
GB201110515D0 (en) | 2011-06-22 | 2011-08-03 | Meritor Heavy Vehicle Braking | A force transmission device |
-
1987
- 1987-11-07 JP JP28164487A patent/JP2590958B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01122764A (ja) | 1989-05-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |