JPH0527816U - トラツク通過信号検出回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２分割光センサから検出される検出信号から
トラック数のカウントに用いるのに良好なトラック通過
信号を得て、光ヘッドの所望データトラックへの高速ア
クセスを精度良く可能にすることを目的とするものであ
る。 【構成】 差分信号に基づいてサンプリング信号発生回
路７によりサンプルホールドのタイミングを得、ホール
ド部８で和信号をホールドして平均化回路９から基準電
位を出力する。そして、比較器10から和信号のレベルに
応じて変化する基準電位と和信号が比較されてトラック
数のカウントに適した質の高いトラック通過信号が出力
される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、光ディスクの所望のデータトラックへの高速アクセスのために、光 ディスクを記録媒体として情報の再生及び／または記録を行う装置に用いられる トラック通過信号検出回路に関し、光ビームが通過するデータトラックの数のカ ウントに用いるトラック通過信号を検出するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

光ディスクを記録媒体として情報の再生及び／または記録を行う情報再生／記 録装置における光ヘッドのデータトラックへのアクセスには、外部スケールによ るものと、光ビームが通過するデータトラック数をカウントすることにより行う ものがある。

【０００３】 データトラックのトラッキングを、レーザ光の反射光を２分割された検出器で 検出し、それらの差分信号（トラッキングエラー信号）によりサーボを掛けるプ ッシュプルトラッキングサーボ方式で行うものでは、差分信号を用いてトラック 通過信号を得、このトラック通過信号によりトラック数のカウントを行って所望 のトラックへの高速アクセスを実現している。

【０００４】 例えば特開平１−105333号公報には、２分割された検出器から出力された２つ の検出信号の差分をとり、その差分信号からトラック通過信号を検出してトラッ ク数のカウントを行い、更にそのカウンタの制御を、２つの検出信号を合わせた 和信号に応じて行う技術が開示されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

プッシュプルトラッキングサーボ方式における２つの検出信号の差である差分 信号は、ディスクの反射率のムラや変形による反射光の歪みに起因するノイズ成 分が差し引かれ、あまりその影響を受けない。

【０００６】 しかしながら、２つの検出信号を合わせた和信号は、差分信号とは異なり、ノ イズ成分の影響を大きく受ける。このため、トラック数のカウントを行うための トラック通過信号の検出に２つの検出信号の和信号を用いると良好なトラック通 過信号を得られなくなる虞があった。

【０００７】 本考案は、斯様な点に鑑みて成されたもので、トラック数のカウントに用いる のに良好なトラック通過信号が検出できるトラック通過信号検出回路を提供し、 光ヘッドの所望データトラックへの高速アクセスを精度良く可能にすることを目 的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、トラック数のカウントのために用いられるトラック通過信号検出回 路で、情報記録媒体面からの反射光を分割して検出する２分割光検出手段と、該 ２分割光検出手段により出力される２つの検出信号の和を取る加算手段と、前記 ２分割光検出手段により出力される２つの検出信号の差を取る減算手段と、該減 算手段から出力される差分信号が所定レベルとなるタイミングでサンプリング信 号を発生するサンプリング信号発生手段と、該サンプリング信号発生手段で発生 されるサンプリング信号により前記加算手段から出力される和信号をサンプルホ ールドするホールド手段と、サンプリング信号によりサンプルホールドする和信 号のレベルとサンプルホールドの直前にホールド手段でホールドしている和信号 のレベルの平均を取る平均化手段と、該平均化手段で平均化された信号レベルと 前記加算手段から出力される和信号とを比較してトラック通過信号を出力する比 較手段とを備えるものである。

【０００９】

【作用】

２分割光検出手段で検出される２つの検出信号の和信号と差分信号が夫々加算 手段と減算手段で取られる。サンプリング信号発生手段で差分信号が所定レベル になるタイミングでサンプリング信号が発生され、このサンプリング信号により ホールド手段で和信号がサンプリングホールドされる。そして、平均化手段によ りサンプリングする和信号のレベルとサンプリングの直前にホールド手段でホー ルドされている和信号のレベルの平均が取られ、この平均化された信号レベルと 前記加算手段から出力される和信号とが比較されて比較手段からトラック通過信 号が出力される。つまり、和信号からトラック通過信号を得るために比較基準と なる信号レベルが和信号のレベルに応じて変化するので、和信号からのトラック 通過信号の検出が良好にされる。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案トラック通過信号検出回路の一実施例の概略構成図である。

【００１１】 １は情報記録媒体としての光ディスクで、情報が記録される或るいはされた情 報トラックと案内溝が形成されている。２は光ディスク１にレーザ光を照射しそ の反射光を検出する光ヘッドで、光源としての半導体レーザ21、レンズやビーム スプリッタ等により構成される光学系22、更に受光面が２分割され夫々検出信号 を出力する２分割光検出手段としての光センサ23a、23bを備えている。この光ヘ ッド２の位置及び光ディスク１に対するレーザ光の照射位置は、図示しない制御 回路によって制御される。

【００１２】 ３、４は光センサ23a、23bで検出出力された検出信号（電流）を夫々電圧の信 号に変換する電流電圧変換回路、５は電圧に変換された２つの検出信号の和を取 って和信号を出力する加算回路、６は電圧に変換された２つの検出信号の差を取 って差分信号を出力する減算回路である。

【００１３】 ７は差分信号を入力して和信号をサンプリングするタイミングであるサンプリ ング信号を発生するサンプリング信号発生回路で、差分信号を所定の基準電位（ ゼロクロス点）でパルス化するゼロクロス電圧比較器71と、ゼロクロス電圧比較 器71から出力されるパルスの立ち上がりでワンショットのパルス（サンプリング 信号）を出力する立ち上がりパルスタイミング発生回路72と、ゼロクロス電圧比 較器71から出力されるパルスの立ち下がりでワンショットのパルス（サンプリン グ信号）を出力する立ち下がりパルスタイミング発生回路73とからなる。

【００１４】 ８はサンプリング信号発生回路７から出力されるサンプリング信号により和信 号をサンプルホールドするホールド部で、立ち上がりパルスタイミング発生回路 72から出力されるタイミング信号で和信号のサンプルホールドを行う第１ホール ド回路81と、立ち下がりパルスタイミング発生回路73から出力されるタイミング 信号で和信号のサンプルホールドを行う第２ホールド回路82からなる。

【００１５】 ９はオペアンプＯＰを主構成要素とし、第１ホールド回路81と第２ホールド回 路82から出力される２つのホールドされた和信号のレベル信号を平均化する平均 化回路、10は該平均化回路９から出力されるホールドされた和信号の平均レベル を基準に加算回路５から出力される和信号をパルス化したトラック通過信号を出 力する比較手段としての比較器である。

【００１６】 斯様な回路において、光センサ23a、23bで検出出力された検出信号は夫々電流 電圧変換回路３、４で電圧の信号に変換され、夫々の検出信号は加算回路５、減 算回路６に入力され、２つの検出信号の和信号が加算回路５から、差分信号が減 算回路６から出力される。これら和信号と差分信号は図示しないトラッキングサ ーボ回路に入力され、プッシュプルトラッキングサーボによりトラッキング制御 がされる。

【００１７】 差分信号はサンプリング信号発生回路７のゼロクロス電圧比較器71に入力され 、基準電位と比較されてパルス化される。例えば、加算回路５から図２Ａのよう な和信号が出力され、減算回路６から図２Ｂのような差分信号が出力されたとす ると、ゼロクロス電圧比較器71からは図２Ｃのようなパルス信号が出力される。 このとき、和信号（図２Ａ）と差分信号（図２Ｂ）とは位相が90度ずれており、 即ち、和信号のゼロクロス点は差分信号の極大あるいは極小のピークと一致して いる。

【００１８】 このゼロクロス電圧比較器71からのパルス信号は立ち上がりパルスタイミング 発生回路72と立ち下がりパルスタイミング発生回路73とに入力され、夫々から入 力されたパルス信号の立ち上がり、立ち下がりでワンショットのパルス信号（図 ２Ｄ、Ｅ）がサンプリング信号として出力される。

【００１９】 そして、第１ホールド回路81では、立ち上がりパルスタイミング発生回路72か ら出力されるサンプリング信号（図２Ｄ）により加算回路５から出力される和信 号がサンプルホールドされ、第２ホールド回路82では、立ち下がりパルスタイミ ング発生回路73から出力されるサンプリング信号（図２Ｅ）により加算回路５か ら出力される和信号がサンプルホールドされる。このサンプリング信号は、和信 号の極大あるいは極小のピーク時に、立ち上がりパルスタイミング発生回路72と 立ち下がりパルスタイミング発生回路73から交互に発生されており、従って、第 １ホールド回路81では和信号における最新の極小のピークの電圧レベルがホール ドされ、第２ホールド回路82では和信号における最新の極大のピークの電圧レベ ルがホールドされる。

【００２０】 これら第１、第２ホールド回路81、82でホールドされたレベル信号は平均化回 路９で平均化され比較器10に基準電位として入力される。

【００２１】 比較器10には加算回路５からの和信号が入力されており、サンプリング信号が 発生する毎に変化する基準電位（平均化されたレベル信号）と比較され（図２Ｆ 参照）その大小に応じてトラック通過信号（図２Ｇ）が出力される。図２Ｆから 分かるように、比較器10では、サンプリングホールドした最新のレベルと、その サンプルホールドの直前にホールドされているレベルの平均が平均化回路９で取 られ、サンプルホールドの度に変化する平均レベルと和信号の比較がされてトラ ック通過信号が得られる。

【００２２】 而して、得られたトラック通過信号は図示しないトラック数カウンタ回路に入 力されてカウントされ、このカウンタ回路にてトラック数がカウントされてその 時の光ヘッド２のアクセス位置が検知される。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は、以上の説明から明らかなように、和信号からトラック通過信号を得 るのに、和信号をパルス化するための基準信号を和信号のレベルに応じて変化さ せており、このレベルを変化させるタイミングを差分信号から得ている。この差 分信号は、ディスクの反射率のムラや変形による反射光の歪みに起因するノイズ 成分の影響を受けないので、的確なタイミングで基準レベルが変化し、質の高い 良好なトラック通過信号を検出することができる。従って、トラック数のカウン トが正確に行え、光ヘッドの所望情報トラックへの高速アクセスが精度良く行う ことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案トラック通過信号検出回路の一実施例の
概略構成図である。

【図２】本考案一実施例に係る説明のための波形図であ
る。

【符号の説明】

１ 光ディスク（情報記録媒体） ２ 光ヘッド 21 半導体レーザ 23a、23b 光センサ（２分割光検出手段） ５ 加算回路（加算手段） ６ 減算回路（減算手段） ７ サンプリング信号発生回路（サンプリング信号発生
手段） 71 ゼロクロス電圧比較器 72 立ち上がりパルスタイミング発生回路 73 立ち下がりパルスタイミング発生回路 ８ ホールド部（ホールド手段） 81 第１ホールド回路 82 第２ホールド回路 ９ 平均化回路（平均化手段） 10 比較器（比較手段）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 情報記録媒体面からの反射光を分割して
   検出する２分割光検出手段と、該２分割光検出手段によ
   り出力される２つの検出信号の和を取る加算手段と、前
   記２分割光検出手段により出力される２つの検出信号の
   差を取る減算手段と、該減算手段から出力される差分信
   号が所定レベルとなるタイミングでサンプリング信号を
   発生するサンプリング信号発生手段と、該サンプリング
   信号発生手段で発生されるサンプリング信号により前記
   加算手段から出力される和信号をサンプルホールドする
   ホールド手段と、サンプリング信号によりサンプルホー
   ルドする和信号のレベルとサンプルホールドの直前にホ
   ールド手段でホールドしている和信号のレベルの平均を
   取る平均化手段と、該平均化手段で平均化された信号レ
   ベルと前記加算手段から出力される和信号とを比較して
   トラック通過信号を出力する比較手段とを備えることを
   特徴とするトラック通過信号検出回路。