JPH05277582A

JPH05277582A - 抜き曲げ型

Info

Publication number: JPH05277582A
Application number: JP7401192A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Matsutani; 正旦松谷; Fumio Kumagai; 文夫熊谷
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1992-03-30
Filing date: 1992-03-30
Publication date: 1993-10-26

Abstract

(57)【要約】【目的】パネルのフランジ部の長手方向の剛性を高める
ことにより、曲げ加工時に生じるフランジ部の長手方向
外側から内側へ肉の縮みによるシワを製品部まで伝播さ
せず、製品部の歪み発生を防止することを目的とするも
のである。【構成】先端周縁部の一辺に切り刃部が形成され、この
切り刃部に対向する辺に曲げ刃部が形成された移動可能
な抜き曲げポンチと、この抜き曲げポンチに対応して設
けられたダイとで構成され、断面凹凸形状のパネルに抜
き曲げ加工を行う抜き曲げ型において、前記抜き曲げポ
ンチ先端に抜き加工に先行して前記パネルに先行曲げ加
工を行う突起状の先行曲げ刃部を形成したことを特徴と
する抜き曲げ型。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属板の抜き曲げ加工
に先行させて先行曲げ加工を行う抜き曲げ型に関するも
のである。

【０００２】

【従来技術】従来、自動車の外板パネルであるルーフパ
ネルやフードパネル等は素材に抜き加工を行い、それと
同時にそのフランジ部に曲げ加工を行う抜き曲げ加工よ
り成形される。この加工に用いられる抜き曲げ型は、例
えば、トヨタ技術公開集３６４９号に開示されている。
この抜き曲げ型について、図５に基づいて以下に説明す
る。図５において、１０１は抜き曲げポンチであって、
この抜き曲げポンチ１０１は、移動可能に設けられた図
示しない可動型に設置されており、その先端部は斜めに
形成されている。この抜き曲げポンチ１０１の先端の肩
部が鋭角に形成されている側には、切り刃部１０２が形
成されており、この切り刃部１０２の先端には、エッジ
（刃部）が形成されている。また、先端の肩部が鈍角に
形成されている側には、曲げ刃部１０３が形成されてお
り、この曲げ刃部１０３は、曲面形状に形成されてい
る。また、この抜き曲げポンチ１０１に対向して、図示
しない固定型にダイ１０４が固設されている。このダイ
１０４の上面には、被加工部材であるパネル１０７が載
置されるようになっている。また、このダイ１０４に
は、抜き曲げポンチ１０１の切り刃部１０２及び曲げ刃
部１０３にそれぞれ対応する切りダイ部１０５及び曲げ
ダイ部１０６が形成されており、切り刃部１０２と切り
ダイ部１０５及び曲げ刃部１０３と曲げダイ部１０６と
によって、それぞれ、パネル１０７に抜き加工及び、そ
れによって形成されたパネル１０７のフランジ部１０９
に曲げ加工を施こすようになっている。前記可動型の下
部にはパッド１０８が吊設されており、このパッド１０
８は、可動型の下降により、抜き曲げポンチ１０１に先
行してパネル１０７に当接し、パネル１０７を押圧固定
し、パネル１０７の位置決めを行うように設けられてい
る。

【０００３】この様に構成された抜き曲げ型にて、パネ
ルに抜き曲げ加工を行う際には、ダイ１０４の上面に被
加工部材であるパネル１０７を載置し、次に、図示しな
い可動型を下降させ、それにともないパッド１０８と抜
き曲げポンチ１０１も下降する。この下降により、パッ
ド１０８が先ずパネル１０７に当接し、パネル１０７を
押圧固定し、パネル１０７のダイ１０４上での位置決め
を行う。さらに可動型が下降し、抜き曲げポンチ１０１
の切り刃部１０２がパネル１０７に当接し、先端に形成
されたエッジ部（刃部）と切りダイ部１０５とにより、
パネル１０７を剪断して、抜き加工が施される。そし
て、この抜き加工によって、パネル１０７に形成された
フランジ部１０９を抜き曲げポンチ１０１の先端部で押
圧し、曲げダイ部１０６を支点にフランジ部１０９に曲
げ加工を行い、抜き曲げポンチ１０１の曲げ刃部１０３
にて、フランジ部１０９を略直角に折り曲げる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、図４に示すような自動車のルーフパネルＷは、外周
部に比べ中央部が盛り上がった形状になっており、断面
凸形状となっている。このような断面凸形状のパネル１
０７の一部に抜き曲げ加工を施す際、抜き曲げポンチ１
０１が押圧するパネル１０７の抜き線部の線長Ｌ１と実
際にパネル１０７のフランジ部１０９が折り込まれる線
長Ｌ２とにＬ１＞Ｌ２といった関係が生じる。これによ
り、フランジ部１０９が曲げダイ方向に押圧され、折り
込まれる際、フランジ部１０９の長手方向外側から内側
への肉のよりが発生し、これが縮みとなって、フランジ
部１０９にシワを発生させる原因となる。また、このシ
ワがフランジ部１０９からパネル１０７の製品部１１０
まで伝播してしまい、製品部１１０に歪みを発生させて
しまうことがある。このため、歪みを修正する作業が必
要となり多大な手間がかかり、加工コストが高くなると
いった問題が発生する。そこで本発明は、パネルのフラ
ンジ部の長手方向の剛性を高めることにより、曲げ加工
時に生じるフランジ部の長手方向外側から内側へ肉の縮
みによるシワを製品部まで伝播させず、製品部の歪み発
生を防止することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明における抜き曲げ
型は、先端周縁部の一辺に切り刃部が形成され、この切
り刃部に対向する辺に曲げ刃部が形成された移動可能な
抜き曲げポンチと、この抜き曲げポンチに対応して設け
られたダイとで構成され、断面凹凸形状のパネルに抜き
曲げ加工を行う抜き曲げ型において、前記抜き曲げポン
チ先端に抜き加工に先行して前記パネルに先行曲げ加工
を行う突起状の先行曲げ刃部を形成したものである。

【０００６】

【作用】断面が凹凸形状になっているパネルに抜き曲げ
加工を施す際は、抜き曲げポンチを下降させ、抜き曲げ
ポンチ先端に形成された先行曲げ刃部にてパネルを押圧
する。これにより、抜き加工に先行してパネルに先行曲
げ部を形成することができる。さらに抜き曲げポンチを
下降させ、抜き曲げポンチに形成された切り刃部にてパ
ネルを押圧し、この押圧によりパネルの押圧部位にクラ
ックを発生させ抜き加工を行う。この抜き加工によって
形成されるパネルのフランジ部を、さらに抜き曲げポン
チにて押圧し、フランジ部に曲げ加工を施す際、パネル
の抜き線長と実際にパネルが折り込まれる線長とに生じ
る線長差によって、フランジ部にフランジ部の長手方向
外側から内側へ肉のよりが発生するが、フランジ部に抜
き加工に先行して先行曲げ部が形成されており、先行曲
げ部がフランジ部長手方向の剛性を高める働きをし、フ
ランジ部に発生する肉のよりを先行曲げ部までで食い止
め、製品部まで伝播することがなくなる。そして、さら
に抜き曲げポンチを下降させ、抜き曲げポンチに形成さ
れた曲げ刃部にてフランジ部を押圧し、フランジ部と製
品部が略直角をなすまで曲げ加工を行い、一連の抜き曲
げ加工が終了する。

【０００７】

【実施例】本発明の実施例であるルーフパネルのサンル
ーフ部の抜き曲げ加工について図１ないし図３に基づい
て以下に説明する。図１ないし図３において、１は抜き
曲げポンチであり、この抜き曲げポンチ１はサンルーフ
部の形状にあわせた断面略長方形の筒形状である。ま
た、、この抜き曲げポンチ１は、上下動自在に設けられ
た可動型１３の下部に設置されており、その先端部は斜
めに形成されている。この抜き曲げポンチ１の先端の肩
部が鋭角に形成されている側には切り刃部２が形成され
ており、この切り刃部２の先端にはエッジ部（刃部）が
形成されている。一方、抜き曲げポンチ１の先端の肩部
が鈍角に形成されている側には、曲げ刃部３が形成され
ており、この曲げ刃部は曲面形状に形成されている。そ
して、この抜き曲げポンチ１の先端部には、突起状の先
行曲げ刃部４が形成されており、この先行曲げ刃部４に
て抜き加工に先行してパネル５を押圧することにより、
パネル５に断面略Ｖ字形状の先行曲げ部６が形成される
ようになっている。抜き曲げポンチ１に対応して固定型
１４にダイ７が固設されており、このダイ７の上面に
は、被加工部材であるパネル５が載置されるようになっ
ている。また、このダイ７には抜き曲げポンチ１の切り
刃部２及び曲げ刃部３にそれぞれ対応する切りダイ部８
及び曲げダイ部９が形成されており、切り刃部２と切り
ダイ部８及び曲げ刃部３と曲げダイ部９とによって、そ
れぞれ、パネル５に抜き加工及び、それによって形成さ
れたパネル５のフランジ部１０に曲げ加工を施すように
なっている。前記可動型１３の下部には、パッド１１が
吊設されており、このパッド１１は、可動型１３の下降
により、抜き曲げポンチ１に先行してパネル５に当接
し、パネル５を押圧固定し、パネル５の位置決めを行う
ように設けられている。

【０００８】この様に構成された抜き曲げ型にて、ルー
フパネルの様に断面が凸形状に形成されているパネル５
に抜き曲げ加工を行う際には、ダイ７の上面にパネル５
を載置し、次に、可動型１３を下降させ、それにともな
いパッド１１と抜き曲げ刃１も下降する。この下降によ
り、パッド１１が先ずパネル５に当接し、パネル５を押
圧固定し、それによりパネル５のダイ７上での位置決め
が行われる。さらに抜き曲げポンチ１が下降し、抜き曲
げポンチ１の先行曲げ刃部４がパネルに当接し、パネル
５を押圧し、パネル５に断面略Ｖ字形状の先行曲げ部６
を形成する。次に、抜き曲げポンチ１の切り刃部２がパ
ネル５に当接し、切り刃部２の先端に形成されたエッジ
部（刃部）と切りダイ部８とによってパネル５を剪断
し、抜き加工を行う。そして、この抜き加工によってパ
ネル５に形成されたフランジ部１０を抜き曲げポンチ１
の先端部で押圧し、フランジ部１０の曲げ加工を行う
際、パネル５が断面凸形状であるため、パネル５の抜き
線長Ｌ１と実際にパネルが折り込まれる部位の線長Ｌ２
とに線長差が生じ、フランジ部１０にフランジ部１０長
手方向外側から内側へ肉のよりが発生するが、フランジ
部１０に断面略Ｖ字形状の先行曲げ部６が形成されてい
るため、フランジ部１０の長手方向の剛性が高くなって
おり、フランジ部１０に発生する肉のよりを先行曲げ部
６までで食い止め、製品部１２まで伝播することがなく
なる。そして、さらに抜き曲げポンチ１を下降させ、抜
き曲げポンチ１の先端部にてフランジ部１０を押圧し、
曲げダイ部９を支点にフランジ部１０に曲げ加工を行
い、抜き曲げポンチ１の曲げ刃部３にて、フランジ部１
０を略直角に折り曲げる。

【０００９】以上のように、自動車のルーフパネルの様
な断面凸形状のパネル５においても曲げ線長差により生
じるフランジ部１０のシワを製品部１２まで伝播させず
に抜き曲げ加工ができるようになる。これによって、製
品部１２に発生する歪みを修正するといった後工程が必
要でなくなり、加工コストの低減が図れる。

【００１０】

【発明の効果】断面に凹凸部を有するパネルに抜き曲げ
加工を行う抜き曲げ型において、パネルのフランジ部の
長手方向の剛性を高めることにより、曲げ加工時に生じ
るフランジ部の長手方向外側から内側へ肉の縮みによる
シワを製品部まで伝播させず、製品部の歪み発生を防止
するができる。またそれにより、歪み修正といった後工
程が必要でなくなり、加工コストの低減をはかることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の構成を示す断面図である。

【図２】本発明の主要部構成部の拡大断面図である。

【図３】本発明の抜き曲げポンチの水平方向の断面図で
ある。

【図４】本発明に用いるパネルの一例をしめす斜視図で
ある。

【図５】従来技術の構成を示す断面図である

【符号の説明】１・・・抜き曲げポンチ２・・・切り刃部３・・・曲げ刃部４・・・先行曲げ刃部５・・・パネル６・・・先行曲げ部７・・・ダイ８・・・切りダイ部９・・・曲げダイ部１０・・・フランジ部１１・・・パッド１２・・・製品部１３・・・可動型１４・・・固定型１０１・・・抜き曲げポンチ１０２・・・切り刃部１０３・・・曲げ刃部１０４・・・ダイ１０５・・・切りダイ部１０６・・・曲げダイ部１０７・・・パネル１０８・・・パッド１０９・・・フランジ部１１０・・・製品部Ｌ１・・・パネルの抜き線部の線長Ｌ２・・・パネルのフランジ部が折り込まれる部位の線
長Ｗ・・・ルーフパネル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】先端周縁部の一辺に切り刃部が形成され、
この切り刃部に対向する辺に曲げ刃部が形成された移動
可能な抜き曲げポンチと、この抜き曲げポンチに対応し
て設けられたダイとで構成され、断面凹凸形状のパネル
に抜き曲げ加工を行う抜き曲げ型において、前記抜き曲
げポンチ先端に抜き加工に先行して前記パネルに先行曲
げ加工を行う突起状の先行曲げ刃部を形成したことを特
徴とする抜き曲げ型。