JPH0527735B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、建物の外壁材として使用される建築
用ブロツクに関する。

従来の技術 近年、ブロツク造や鉄筋コンクリート造等の建
物における外壁部分の断熱構造に関しては、外壁
の室内側に断熱層を設けるという従来からの内断
熱工法に代わつて、外壁の室外側に断熱層を設け
るという外断熱工法が採用される傾向にある。と
いうのは、外壁の室外側に断熱層を設けた方が、
室内側に設けた場合よりも、 結露を効果的に防止する、 室温の変動が少なくなる、 外壁の本体部分を構成する壁体自体を保護す
る、 冷暖費を節約して、省エネルギー化を図れ
る、 等の秀れた利点があるからである。

第４図は、この種の外断熱工法を鉄筋コンクリ
ート造に採用した外壁構造を例示している。図に
おいて、１は、コンクリートを主体に予め構築さ
れた壁体を示している。壁体１の室外側の外壁面
２にはブラケツト部材３が取り付けられ、該ブラ
ケツト部材３を介して保持部材４が支持されると
ともに、サイデイング５が上記保持部材４によつ
て固定されている。そして、このサイデイング５
と前記壁体１との間に内装された断熱材６，６…
によつて外断熱層が形成されている。

また、型枠コンクリートブロツク造建築におい
ては、コンクリートなどを充填する空洞部の外側
に別の空洞部を設けて、この空洞部の空気層によ
つて断熱効果を持たせるようにしたものがある
（例えば、実開昭54−112316号公報参照）。

発明が解決しようとする問題点 従来技術では、予め構築された壁体に、断熱材
を取り付け、更にその外側に該断熱材を保護する
ためのサイデイングを取り付けなければならず、
作業工程が多くなるという欠点がある。しかも、
技術面においても、サイデイングを断熱材を挟ん
で壁体に取り付けなければならず、取付構造が複
雑になるという問題点がある。

他方、外側の空洞層によつて外断熱を持たせた
従来のコンクリートブロツクでは、その断熱効果
を空気層に頼つているため、必ずしも断熱効果が
高くない不都合がある。

本発明は、以上の問題点にかんがみて、壁体構
築時の作業工程を簡素化するとともに、断熱効果
の高い断熱層を容易に、かつ、確実に形成するこ
とができる外断熱工法に適した建築用ブロツクを
提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本発明は、上記の目的を達成するため、外側壁
部及び内側壁部並びにこれら内・外側壁部間を連
結する連結部を有するブロツク本体において、前
記外側壁部の内側面に予め断熱材を取り付けてあ
ることを特徴とする。

作 用 ブロツク本体１０の内側に断熱材１６ａ，１６
ｂが取り付けられた状態で１つのユニツトとして
ブロツク１１が構成され、このようなユニツト化
されたブロツク１１，１１…を、断熱材１６ａ，
１６ｂが取り付けられている外側壁部１２が室外
側に配置されるように組み積んでいくことによ
り、組積工事と断熱工事とが同時に行なえ、か
つ、壁体２１の室外側に外断熱層が形成される。

実施例 本発明の構成を図示の１実施例に基づいて更に
詳述する。

第１図において、１０は、本発明ブロツク１１
を構成しているブロツク本体を示す。このブロツ
ク本体１０は、並行配置された外側壁部１２及び
内側壁部１３並びにこれら外側壁部１２と内側壁
部１３とを連結する連結部１４，１４によつて基
本的に構成されている。

そして、一方の外側壁部１２の内側面１５側に
断熱材１６ａ，１６ｂ…が接着されてブロツク本
体１０と一体化されるようになつている。その
際、前記連結部１４，１４の間には、横幅の大き
い方の断熱材１６ａを挿入配置するとともに、両
連結部１４，１４の両翼には、上記断熱材１６の
略半分の大きさの断熱材１６ｂ，１６ｂを各々配
置する。

断熱材１６ａ，１６ｂとしては、ロツクウール
やグラスウール等の繊維系素材、発泡スチロール
や発泡ウレタン等の気泡系素材、或いはその他断
熱機能を有するものが使用される。ただし、吸水
性は低いほうが望ましい。

また、前記外側壁部１２の内側面１５には、通
気溝１７，１７…が上下方向に設けられており、
断熱材１６ａ，１６ｂを接着した後においても、
残存するようになつている。

そして、１８，１８…は、前記外側壁部１２の
外側面１９に上下方向に並設された化粧目地であ
る。

なお、断熱材１６ａ，１６ｂは、例えば外側壁
部１２の内側面１５に凹欠部分を設けて、該凹欠
部分に嵌め込むようにしてもよく、ブロツク本体
１０に確実に保持できれば、他の手段によつて取
り付けるようにしてもよい。

第２図は、本発明ブロツク１１を使用して構築
した外壁構造を示しており、前記のような構造を
したブロツク１１，１１…を組み積んだ後、グラ
ウトコンクリート２０を充填することにより、壁
体２１が構成されるのである。その際、外側壁部
１２の前記内側面１５側には、断熱材１６ａ，１
６ｂが予め取り付けられているから、ブロツク１
１，１１…の組積工事と同時に断熱工事が行なわ
れることになり、作業工程が簡素化されるととも
に、工期も従来よりもはるかに短縮されることに
なる。

なお、第２図においては、壁体２１の下方が室
外側を示しており、前記外側壁部１２に取り付け
られた断熱材１６ａ，１６ｂ…が壁体２１の室外
側に配置され、外断熱層が形成されるとともに、
化粧目地１８，１８…が外部に露出している。し
たがつて、従来のようにサイデイングを特に設け
る必要がない。

また、ブロツク１１，１１…の組積時に、前記
通気溝１７，１７…を、第３図に示すように壁体
２１の上下方向に貫通するように配置しておくこ
とにより、外部から浸入した雨水や内部結露水
が、通気溝１７，１７…を伝つて外部に排出され
ることになる。

発明の効果 以上のように、本発明では、ブロツク本体の外
側壁部の内側面側に断熱材を予め取り付けた構造
としてあるから、ブロツクを組み積むだけで、組
積工事の断熱工事とが同時に行なえ、作業工程が
簡素化するとともに、工期も従来より大幅に短縮
できたものである。しかも、断熱材がブロツクや
コンクリートによつて覆われるため、接着剤や金
物で後付けする従来の構造と異なつて脱落する虞
れがなく、強固な外壁構造を得ることができると
いう優れた利点がある。

更に、その外断熱層は、従来のコンクリートブ
ロツクのような単なる空気層ではなく、外側壁部
の内側面に特別の断熱材を予め取付けるものであ
るから、そのような従来のものよりも遥かに断熱
性能に優れたものが得られる。

なお、実施例のように、断熱材を取り付けた外
側壁部の内側面に通気溝を形成しておくことによ
り、浸入した雨水や内部結露水等の水分が放出さ
れるので、結露や白華等の不具合を有効に防止す
ることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明ブロツクの１実施例の分解斜
視図、第２図は、同じくブロツクを組み積んで構
築した外壁構造を示す横断面図、第３図は、第２
図のＡ−Ａ線断面図、第４図は、従来例の外壁構
造の横断面図である。 １０……ブロツク本体、１２……外側壁部、１
３……内側壁部、１４……連結部、１６ａ，１６
ｂ……断熱材、２１……壁体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外側壁部及び内側壁部並びにこれら内・外側
   壁部間を連結する連結部を有するブロツク本体に
   おいて、前記外側壁部の内側面に予め断熱材を取
   り付けてあることを特徴とする建築用ブロツク。