JPH05277283A - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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JPH05277283A
JPH05277283A JP4077671A JP7767192A JPH05277283A JP H05277283 A JPH05277283 A JP H05277283A JP 4077671 A JP4077671 A JP 4077671A JP 7767192 A JP7767192 A JP 7767192A JP H05277283 A JPH05277283 A JP H05277283A
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dehydration
brushless
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和利 谷
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嘉一 初川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 洗濯物の布がらみを適確に検知し、布ほぐし
を行い、洗濯またはすすぎを完全に行い得る洗濯機を提
供する。 【構成】 パルセータを正転および反転させた場合の正
転方向の負荷トルクおよび反転方向の負荷トルクを検知
し、この両負荷トルクとの差を算出し、この差が所定の
値より大きい場合、布がらみがあると判定し、布がらみ
をほぐすほぐし動作を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗濯物の布がらみを検
知して布ほぐし動作を行い得る洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】洗濯物の洗濯またはすすぎ中に、布がら
みが発生し、衣類が団子状に固まったり、からみあった
りすると、洗濯またはすすぎを十分にまたは完全に行う
ことができないとともに、洗濯物を入れた脱水槽の回転
も不均一になり、振動等を発生する場合もあるので、こ
のような布がらみを適確に検出し、布がらみ防止または
布ほぐし処理を行うことが必要である。
【0003】ところで、近年、洗濯機は、洗濯槽内に入
れられた洗濯物の布量や布質を自動的に検知し、この検
知した布量および布質に基づいて洗濯水の水量や水流を
決定し、これにより洗い処理、すすぎ処理、脱水処理を
自動的に行う全自動洗濯機が出現し、これにより衣類の
洗濯がますます簡単かつ便利なものとなり、ユーザは単
に洗濯スタートボタンを押すだけでよくなっている。
【0004】このような発展した全自動洗濯機において
も、洗濯またはすすぎ処理中に発生する布がらみを適確
に検知して、布ほぐしを行う動作を完全に行うものはま
だない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】洗濯またはすすぎ中に
おける衣類の布がらみを適確に検知し、布ほぐしを適確
に行うことができる洗濯機の開発は、洗濯機の全自動化
に伴い重要であり、要望されているが、また適確かつ完
全に布がらみを検知し、布ほぐしを行い得るものはな
い。
【0006】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、洗濯物の布がらみを適確に検
知し、布ほぐしを行い、洗濯またはすすぎを完全に行い
得る洗濯機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の洗濯機は、洗濯中またはすすぎ中において
洗濯物を入れた脱水槽を正転および反転させた場合の正
転方向の負荷トルクおよび反転方向の負荷トルクを検出
する検出手段と、該検出手段で検出した正転方向の負荷
トルクと反転方向の負荷トルクとの差を算出する算出手
段と、該算出手段で算出した前記負荷トルクの差が所定
の値より大きい場合、布がらみがあると判定する布がら
み判定手段と、該布がらみ判定手段により布がらみがあ
ると判定された場合、布がらみをほぐすほぐし動作を行
うほぐし動作実施手段とを有することを要旨とする。
【0008】また、本発明の洗濯機は、洗濯中またはす
すぎ中において洗濯物を入れた脱水槽を一定の回転速度
で回転させた場合の負荷トルクを検出する負荷トルク検
出手段と、該負荷トルク検出手段で検出した負荷トルク
における変動を検出する負荷トルク変動検出手段と、該
負荷トルク変動検出手段が検出した負荷トルクの変動が
所定の変動値より大きい場合、布がらみがあると判定す
る布がらみ判定手段と、該布がらみ判定手段により布が
らみがあると判定された場合、布がらみをほぐすほぐし
動作を行うほぐし動作実施手段とを有することを要旨と
する。
【0009】
【作用】本発明の洗濯機では、脱水槽を正転および反転
させた場合の正転方向の負荷トルクおよび反転方向の負
荷トルクを検出し、この両負荷トルクとの差を算出し、
この差が所定の値より大きい場合、布がらみがあると判
定し、布がらみをほぐすほぐし動作を行う。
【0010】また、本発明の洗濯機では、脱水槽を一定
の回転速度で回転させた場合の負荷トルクを検出し、こ
の検出した負荷トルクにおける変動を検出し、該変動が
所定の変動値より大きい場合、布がらみがあると判定
し、布がらみをほぐすほぐし動作を行う。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0012】図1は、本発明の一実施例に係わる洗濯機
の内部構造を示す部分断面図である。本実施例に示す洗
濯機は、ブラシレスDCモータを使用してダイレクトド
ライブを行うことにより小型ながらも大きな容量の洗濯
槽を有するとともに、ブラシレスDCモータの特性を利
用しながら洗濯物の布量、布質および水位の検知、洗濯
時間および水流の設定、布がらみの検知および布がらみ
のほぐし、布傷みの防止、衣類に応じて設定された脱水
率の達成をすべて自動的に行い得るものであり、例えば
洗濯物を洗濯槽内に入れて、単にスタートボタンを押す
だけで洗濯物に応じた的確な水量、水流で布がらみや布
傷みを防ぎながら洗濯物の洗濯、排水、脱水を自動的に
行うことができる。
【0013】まず、図1を参照して、ブラシレスDCモ
ータを使用したダイレクトドライブ機構について説明す
る。この洗濯機は、上部が開放した外箱1内に収納さ
れ、この外箱1の上部には開閉自在な蓋14が取り付け
られ、これにより該上部を閉成し得るようになってい
る。外箱1の内部には、洗濯槽2が設けられ、この洗濯
槽2の内部には脱水槽3が設けられている。洗濯槽2
は、周囲に適当な間隔で設けられた4本の吊り棒10お
よびサスペンション11で外箱1に支持されている。こ
の洗濯槽2の底部の下側には、該洗濯槽2および脱水槽
3を回転させるための機構部9を介してブラシレスDC
モータ5が取り付けられている。
【0014】また、洗濯槽2の底部には洗濯槽2内の水
を排水するための排水ホース12が取り付けられ、この
排水ホース12は外箱1の外部に引き出され得るように
なっている。なお、図示しないが、排水ホース12を取
り付けた洗濯槽2の底部と排水ホース12との間には排
水弁が設けられ、この排水弁を開閉制御することにより
洗濯槽2内の洗濯水を排水し得るようになっている。更
に、蓋14が取り付けられている洗濯槽2の上部には、
図示しないが、給水弁が適宜設けられ、該給水弁を開閉
制御することにより、洗濯槽2内に給水し得るようにな
っている。
【0015】脱水槽3の底部には、脱水槽3内に入れら
れた水に水流を発生させるための水流発生手段であるパ
ルセータ4が設けられているが、ブラシレスDCモータ
5の駆動軸(図示せず)に連結された第1伝導軸37
は、前記機構部9、洗濯槽2および脱水槽3の底部を貫
通して、脱水槽3の底部に設けられたパルセータ4まで
延出し、該第1伝導軸37の上端部は該パルセータ4の
中央部にスプライン嵌合され、これによりブラシレスD
Cモータ5によってパルセータ4を直接回転駆動し得る
ようになっている。
【0016】ブラシレスDCモータ5と洗濯槽2の底部
の間に設けられた機構部9は、ブラシレスDCモータ5
の回転を脱水槽3に伝達したり、遮断するクラッチ手段
であるクラッチディスク、脱水槽3を強制的に停止させ
るブレーキ等を有している。また、機構部9の側部には
アクチュエータ16が設けられているが、このアクチュ
エータ16は以下に説明するように、機構部9内に設け
られている偏平クラッチディスク57を作動し、これに
よりブラシレスDCモータ5の回転をパルセータ4のみ
でなく、偏平クラッチディスク57を介して脱水槽3に
も伝達して脱水槽3を回転したり、または脱水槽3に制
動を与えて停止させるための切り替え制御用に使用され
るものである。なお、脱水槽3が回転した場合には、そ
の回転が安定的に行われるように脱水槽3の上側周縁部
にバランサ13が設けられている。
【0017】次に、図2を参照して、機構部9の内部構
造を詳細に説明する。図2において、第1伝導軸37の
外周部の一部には、第1伝導軸37に対して相対回転可
能な円筒状の第2伝導軸43が第1伝導軸37の小径部
37aに嵌め込まれている。この第2伝導軸43の上端
は、脱水槽3の下部に装着された図1に示すフランジ4
5を介して取り付けられている。第2伝導軸43の外周
にはその下端47から上方の端部49まで軸方向に所定
長を有する切り欠き面51が形成されている。一方、第
2伝導軸43の下端47が接する第1伝導軸37の大径
部37bの上端の外周部には、矩形部55が形成されて
いる。これら切り欠き面51および矩形部55に係合可
能で、第1伝導軸37からの駆動力を第2伝導軸43に
伝達・遮断する移動体としての偏平クラッチディスク5
7が第2伝導軸43上を数mm程度移動可能に設けられ
ている。
【0018】前記偏平クラッチディスク57は、下部に
位置する円盤部57aと上部に位置する円筒部57bと
を備えており、これらを第2伝導軸43が貫通してい
る。その貫通孔59は第2伝導軸43の切り欠き面51
に整合する第2伝導軸連結部59aと、第1伝導軸37
の矩形部55に整合する第1伝導軸連結部59bとから
構成されている。偏平クラッチディスク57の円盤部5
7aの上面には、上方に向かって複数個の突起61が円
周方向等間隔に設けられている。さらに、偏平クラッチ
ディスク57の円筒部57bの上端の外周には環状溝6
3が設けられている。
【0019】偏平クラッチディスク57の周囲には、回
転状態の脱水槽3に対して制動力を作用させる摺動体と
してのブレーキディスク65が設けられている。このブ
レーキディスク65は、回転盤67と、この回転盤67
の外周側の上下両面に取り付けられたライニング材73
とから構成されている。
【0020】ブレーキディスク65は、ライニング材7
3が上下両面から洗濯槽2の固定部となるブレーキパッ
ド69,71を介して、外周部4か所に設けた付勢バネ
75により加圧された状態で支持されている。
【0021】ブレーキパッド69,71は、図3に示す
ように機構部9のカバー41内に固定されている。第1
伝導軸37と第2伝導軸43は、図示しない別体に設け
られた軸受に対して回転可能となっている。
【0022】回転盤67の内周側には、偏平クラッチデ
ィスク57の突起61と係合可能な凹部83が突起61
と同数形成されている。
【0023】偏平クラッチディスク57の環状溝63
は、先端に突起を有する操作レバー77と係合し、操作
レバー77の後端には図1に示すアクチュエータ16に
より回転する軸81が連結している。操作レバー77の
先端を上方に移動させると、偏平クラッチディスク57
の複数個の突起61は、回転盤67の凹部83と噛み合
う。
【0024】以上のような構成を有する洗濯機の機構部
の動作を図3を参照して説明する。まず、洗濯動作にお
いては、図3の(a)が示すように操作レバー77によ
り偏平クラッチディスク57を上部に位置した状態に設
定すると、偏平クラッチディスク57は第2伝導軸連結
部59aが切り欠き面51に整合して第2伝導軸43の
みに連結された状態となる。これにより、第1伝導軸3
7と第2伝導軸43との連結は遮断されたものとなり、
ブラシレスDCモータ5の回転はパルセータ4と連結し
た第1伝導軸37のみに伝達される。
【0025】次に脱水動作においては、操作レバー77
の先端を下方に移動させ、上記図3の(a)から図3の
(b)を経由して同図(c)の状態とする。これによ
り、偏平クラッチディスク57は第2伝導軸連結部59
aが第2伝導軸43の切り欠き面51に、第1伝導軸連
結部59bが第1伝導軸37の矩形部55にそれぞれ連
結された状態となり、第1伝導軸37と第2伝導軸43
とは偏平クラッチディスク57を介して連結した状態と
なる。この状態でブラシレスDCモータ5を作動させる
と、第2伝導軸43に連結した脱水槽3が回転する。
【0026】さらに、回転している脱水槽31を停止さ
せるには、第1伝導軸37に連結したモータ5の駆動を
停止させ、操作レバー77により偏平クラッチディスク
57を前記図3の(a)と同様な上部に位置した状態に
設定する。これにより、偏平クラッチディスク57は第
2伝導軸43のみに連結されると同時に、突起61がブ
レーキディスク65の凹部83に係合し、第2伝導軸4
3は偏平クラッチディスク57を介してブレーキディス
ク65を回転させる。ブレーキディスク65は、回転す
ることによってブレーキパッド69,71から制動力を
受け、第2伝導軸43に連結した脱水槽3の回転は停止
する。
【0027】このように、偏平クラッチディスク57の
上下方向の僅かな移動により、脱水槽3と連結した第2
伝導軸43の駆動及び制動の切り替えを行うことがで
き、このため、クラッチ機構部とブレーキ機構部の軸方
向長さが短縮され、従来の洗濯機本体の外箱1を大きく
することなく脱水槽3の容積を大きくでき、外箱1の大
きさに対する洗濯容量の比を大きくすることができる。
【0028】図1に示す洗濯機の機構部9は、上述した
ように構成され動作するが、この機構部、ブラシレスD
Cモータ5、給排水部およびその他各部の動作は、図4
に示す回路部によって制御される。
【0029】図4に示す回路部は、例えばマイクロプロ
セッサおよびROM、RAM等のメモリ、インタフェー
スからなり、ブラシレスDCモータ5および全体の動
作、すなわち洗濯物の布量、布質および水位の検知、洗
濯時間および水流の設定、布がらみの検知および布がら
みのほぐし、布傷みの防止、衣類に応じて設定された脱
水率の達成等のすべての動作を制御するマイクロコンピ
ュータ26を有する。このマイクロコンピュータ26
は、駆動回路80を介してブラシレスDCモータ5を制
御し、該ブラシレスDCモータ5の駆動電圧または電流
等の情報をブラシレスDCモータ5からフィルタ30お
よびA/Dコンバータ29を介して受信するとともに、
また以下に説明するようにブラシレスDCモータ5の回
転数情報も受信するようになっている。
【0030】更に、マイクロコンピュータ26は、前述
した偏平クラッチディスク57、アクチュエータ16等
からなるクラッチ機構82、給水弁84および排水弁8
6を制御するようになっている。
【0031】次に、図5を参照して、マイクロコンピュ
ータ26の制御によりブラシレスDCモータ5を駆動す
る駆動回路80について説明する。なお、この駆動回路
80を示す図5は、ブラシレスDCモータ5、マイクロ
コンピュータ26、フィルタ30、A/Dコンバータ2
9も説明のため同時に示されているが、これらの回路要
素を除いた部分が駆動回路80に相当する。
【0032】図5に示すように、ブラシレスDCモータ
5は、3相の電機子U,V,Wを有するものが使用さ
れ、該ブラシレスDCモータ5は3相全波ブリッジ型イ
ンバータ回路17によって駆動されている。このインバ
ータ回路17において、92は整流用のダイオードブリ
ッジ、93は平滑コンデンサであり、商用交流電源91
からの交流電圧がダイオードブリッジ92で整流された
のち、平滑コンデンサ93で平滑されて直流電圧が得ら
れるようになっている。そして、この入力直流電圧が3
相全波ブリッジ部の部分で3相交流に変換されるように
なっている。即ち、3相全波ブリッジ部の部分には、3
相に対応した3対のアームに、スイッチング素子として
の6個のトランジスタU1,U2,V1,V2,W1,
W2が接続されている。以下、説明の便宜上トランジス
タU1,V1,W1が接続された側の3つのアームを上
アーム、他のトランジスタU2,V2,W2が接続され
た他の側の3つのアームを下アームという。6個の各ト
ランジスタU1〜W2には、それぞれフリーホイルダイ
オード94が並列に接続され、上アームと下アームの3
つの接続点が、ブラシレスDCモータ5における3相の
電機子巻線U,V,Wに接続されている。
【0033】ブラシレスDCモータ5には、電機子巻線
U,V,Wの他に、永久磁石で形成された図示省略のロ
ータと、このロータの回転位置を検出するための3個の
ホール素子23a,23b,23cが備えられている。
ホール素子23a,23b,23cのロータ位置検出信
号は、モータ制御回路24に与えられている。
【0034】モータ制御回路24は、マイクロコンピュ
ータ26に接続され、ホール素子23a,23b,23
cからのロータ位置検出信号から回転数信号を作成して
マイクロコンピュータ26に供給するとともに、マイク
ロコンピュータ26からブラシレスDCモータ5のスタ
ート/ストップ信号、正転/反転信号等の制御信号を受
信する。
【0035】また、モータ制御回路24は、上アーム駆
動回路21を介して上アームトランジスタU1,V1,
W1を駆動し、下アーム駆動回路22を介して下アーム
トランジスタU2,V2,W2を駆動するようになって
いる。前記ホール素子23a,23b,23cからのロ
ータ位置検出信号は、モータ制御回路24に供給される
が、モータ制御回路24はこのロータ回転位置検出信号
によりインバータ回路17を構成する上アームトランジ
スタU1,V1,W1および下アームトランジスタU
2,V2,W2のスイッチングタイミングを決定し、こ
のタイミングで各トランジスタをスイッチするように上
アーム駆動回路21および下アーム駆動回路22を制御
する。具体的には、ホール素子23a,23b,23c
からのロータ位置検出信号は、モータ制御回路24にお
いて論理変換され、ブラシレスDCモータ5のロータ位
置に対応して、例えば上アームのトランジスタU1と下
アームのトランジスタV2、同様にトランジスタV1と
W2、トランジスタW1とU2等の各種組み合せのトラ
ンジスタを順次オン制御する駆動信号として出力され
る。そして、このトランジスタのオン切り替えにより直
流電圧が3相交流に変換され、ブラシレスDCモータ5
の電機子巻線U−V,V−W,W−Uに順次電流が流
れ、ブラシレスDCモータ5が一方向に回転する。ブラ
シレスDCモータ5の正転、反転は電機子巻線U,V,
Wに流す電流の順序を逆にすることにより行われ、この
正転、反転の制御がマイクロコンピュータ26からの正
転、反転信号によりモータ制御回路24を介して行われ
る。
【0036】マイクロコンピュータ26は、ホール素子
23a,23b,23cからのロータ位置検出信号に基
づいてモータ制御回路24が作成したブラシレスDCモ
ータ5の回転数信号を供給され、この回転数が設定回転
数になるようなオンデューティ信号を作成して、PWM
発振器25に供給し、PWM発振器25からのPWM信
号のオンデューティを制御する。
【0037】ブラシレスDCモータ5は、印加される直
流電圧を可変制御されることにより回転速度が変化する
が、この回転速度を可変するためにマイクロコンピュー
タ26にはPWM発振器25が接続され、該PWM発振
器25にはマイクロコンピュータ26から回転制御信号
であるPWMオンデューティ設定信号が供給されるよう
になっている。また、PWM発振器25の出力はチョッ
パ回路27を介して上アーム駆動回路21に接続されて
おり、これによりPWM発振器25は、マイクロコンピ
ュータ26からのPWMオンデューティ設定信号により
例えば繰り返し周波数15KHzのオン−オフオンデュ
ーティの可変されたPWM信号を出力し、このPWM信
号はチョッパ回路27でチョップされ、上アーム駆動回
路21を介して上アームトランジスタU1,V1,W1
に供給され、そのオン期間がPWM信号のオンデューテ
ィ比に応じて可変され、これによりブラシレスDCモー
タ5に印加される直流電圧が変化し、ブラシレスDCモ
ータ5の回転速度が可変するようになっている。すなわ
ち、上アームトランジスタU1,V1,W1のオン期間
オンデューティ比が例えば小さくなる程、ブラシレスD
Cモータ5に印加される直流電圧は小さくなって、その
回転速度は遅くなり、オンデューティ比が大きくなる
程、ブラシレスDCモータ5に印加される直流電圧は大
きくなって、その回転速度は速くなる。
【0038】ブラシレスDCモータ5の停止は、マイク
ロコンピュータ26からの停止信号がモータ制御回路2
4に供給され、これによりモータ制御回路24の制御に
よりインバータ回路17の上アームトランジスタU1,
V1,W1および下アームトランジスタU2,V2,W
2のすべてがオフになることにより行われる。
【0039】また、インバータ回路17の平滑コンデン
サ93の一端と下アームトランジスタU2,V2,W2
の共通接続されたエミッタとの間には、抵抗28が接続
され、該抵抗28によりインバータ回路17に流れるイ
ンバータ電流を電圧値として検出するようになってい
る。この検出された電圧値は、インバータ周波数、例え
ば15KHzでオン−オフされたパルス波であるので、
フィルタ30を介して平均化し、A/Dコンバータ29
を介してディジタル信号としてマイクロコンピュータ2
6に供給され、これによりマイクロコンピュータ26は
ブラシレスDCモータ5に印加されている電圧値を識別
するようになっている。
【0040】ここで、ブラシレスDCモータ5に関する
特性を詳細に説明する。ブラシレスDCモータ5が発生
するトルクと回転数nとの関係は、図74に示すよう
に、回転数nが増大すると、トルクは低減するというよ
うに反比例の関係にあり、この関係はブラシレスDCモ
ータ5に印加される電圧Vdcによって図示のように変化
し、同一の回転数では電圧Vdcが大きい程、ブラシレス
DCモータ5が発生するトルクは増大する。従って、回
転数nが一定の場合には、ブラシレスDCモータ5にか
かる負荷トルクと電圧Vdcの関係は図75のように比例
関係にある。この関係から、洗濯物であるブラシレスD
Cモータ5の負荷はブラシレスDCモータ5の最終回転
数時の電圧Vdcから求めることができる。
【0041】また、ブラシレスDCモータ5への供給電
圧Vdcを一定とした場合、すなわちブラシレスDCモー
タ5の能力を一定とした場合、ブラシレスDCモータ5
の回転数が所定の目標回転数に到達するまでに必要なエ
ネルギは負荷トルクに依存しているので、目標回転数に
到達するまでの時間は、図76に示すように洗濯物であ
る負荷トルクとほぼ比例関係にある。従って、洗濯物で
ある負荷は目標回転数に到達するまでの時間から得るこ
ともできる。なお、この図76の特性は、到達時間が非
常に長い場合には、負荷トルクは飽和する傾向にあるこ
とは勿論のことである。
【0042】更に、図40は、ブラシレスDCモータ5
を断続的に正転反転させた場合のブラシレスDCモータ
5にかかるトルクおよび回転速度を示す図である。ブラ
シレスDCモータ5が正転または反転開始しようとする
場合には、回転速度は徐々に上昇しながら最終的には時
間tn で一定の目標回転速度ni に達するが、この時間
tn は上述したように洗濯物である負荷によって変化す
る。また、回転開始時からある所定の時間までの回転速
度の変化dn は洗濯物である負荷によって変化する。ブ
ラシレスDCモータ5にかかるトルクは、回転開始時に
増大し、回転速度が一定になると、ブラシレスDCモー
タ5にかかる電圧Vdcは一定になる。時間tr は正転お
よび反転の時間であり、時間ts は正転および反転の間
の時間である。
【0043】なお、ブラシレスDCモータ5に印加され
る電圧Vdcは、ブラシレスDCモータ5に流れるインバ
ータ電流Idcに比例するので、電圧Vdcの代わりにイン
バータ電流を使用することもできるし、また該電圧Vdc
およびインバータ電流Idcはマイクロコンピュータ26
の制御のもとにPWM発振器25から出力されるPWM
信号のオンデューティ比δによって制御されるので、電
圧およびインバータ電流の代わりにオンデューティ比δ
を使用することもできる。
【0044】図77は、図74においてトルクと回転数
の軸を逆にしたブラシレスDCモータ5のトルクと回転
速度の関係を電圧のパラメータに対して図74と同様に
示すとともに、横軸のトルクの変化に対するインバータ
電流Iの変化を示している。インバータ電流はこのよう
にトルクにほぼ比例して変化する。
【0045】次に、図6に示すフローチャートを参照し
て、本洗濯機の全体の流れを概略的に説明する。
【0046】図6に示すように、本洗濯機は、前処理1
10、洗い処理121、第1脱水処理130、第1すす
ぎ処理140、第2脱水処理150、第2すすぎ処理1
60、最終脱水処理170を有する。
【0047】「前処理110」では、洗濯物を洗濯機の
脱水槽3内に投入した後、スタートボタンを押してスタ
ートさせると(ステップ101,105)、まず最初に
投入された洗濯物の布量が検知され(ステップ11
1)、この検知された布量に応じた洗剤量が表示される
(ステップ112)。この表示に従ってユーザが洗剤を
投入したり、または自動洗剤投入機が取り付けられてい
る場合には自動的に洗剤が投入される(ステップ11
3)。
【0048】それから、ステップ111で検知された布
量に応じた基準水位である布量対応洗い水位が決定され
(ステップ114)、低水位までの給水が水位検知を行
いながら実施され(ステップ115)、この低水位で布
質が検知される(ステップ116)。そして、この布質
に応じて水位調整量が決定され(ステップ117)、こ
の水位調整量によって前記基準水位が補正され、最終洗
い水位が決定されるとともに、この最終洗い水位および
布量布質に応じた水流、洗い運転時間、、目標脱水率等
が決定される(ステップ118)。それから、この決定
された最終洗い水位までの給水が水位検知を行いながら
実施され(ステップ119)、最終洗い水位までの給水
が完了すると、次の洗い処理120に進む。
【0049】「洗い処理、すなわち洗い運転120」で
は、前記偏平クラッチディスク57の作用でブラシレス
DCモータ5の回転を脱水槽3に伝達させず、パルセー
タ4のみを回転させて、パルセータ4によって洗濯槽2
内に水流を発生し、布がらみ検知、この検知された布が
らみに対する布ほぐし制御、布傷み検知、布傷み防止制
御を適宜行いながら、所定の運転時間洗い動作が行われ
る(ステップ121)。そして、洗い動作を完了する
と、洗濯機の脱水槽3内の水は排水され(ステップ12
3)、次の第1脱水処理130に進む。
【0050】「第1脱水処理130」では、偏平クラッ
チディスク57の作用によりブラシレスDCモータ5の
回転を脱水槽3およびパルセータ4に伝達して、両者を
一体的に回転させて、脱水率を検知しながらステップ1
18で設定された目標脱水率まで脱水を行い、目標脱水
率まで脱水が完了すると、次の第1すすぎ処理140に
進む。
【0051】「第1すすぎ処理140」では、ステップ
118で決定された最終洗い水位までの給水が水位検知
を行いながら実施される(ステップ141)。最終洗い
水位まで給水されると、偏平クラッチディスク57の作
用によりパルセータ4のみを回転させ、洗い処理と同じ
ように布がらみ検知、布ほぐし制御、布傷み防止制御、
布傷み検知を適宜行いながら、所定の時間すすぎ動作が
行われる(ステップ143)。所定時間のすすぎ動作が
完了すると、排水が行われ(ステップ145)、次の第
2脱水処理150に進む。
【0052】「第2脱水処理150」では、第1脱水処
理と同様に、脱水槽3およびパルセータ4を一体的に回
転させて、脱水率を検知しながらステップ118で設定
された目標脱水率まで脱水を行い、目標脱水率まで脱水
が完了すると、次の第2すすぎ処理160に進む。
【0053】「第2すすぎ処理160」では、第1すす
ぎ処理と同様に、最終洗い水位までの給水が水位検知を
行いながら実施され(ステップ161)、最終洗い水位
まで給水されると、パルセータ4のみを回転させ、布が
らみ検知、布ほぐし制御、布傷み防止制御、布傷み検知
を適宜行いながら、所定の時間すすぎ動作が行われる
(ステップ163)。すすぎ動作が完了すると、排水が
行われ(ステップ165)、次の最終脱水処理171に
進む。
【0054】「最終脱水処理170」では、第1,2脱
水処理と同様に脱水槽3およびパルセータ4を一体的に
回転させて、脱水率を検知しながら目標脱水率まで脱水
を行い(ステップ171)、全工程を終了する(ステッ
プ172)。
【0055】次に示す表1は、本洗濯機の全工程におけ
る給水弁84、ブラシレスDCモータ5、排水弁86、
クラッチ機構82等の各構成要素の動作を示す表であ
る。この表において、太線は各構成要素が動作する状態
を示している。また、ブラシレスDCモータ5は正転お
よび反転にわけて表されている。なお、クラッチ機構8
2が太線で示すように動作する場合には、ブラシレスD
Cモータ5の回転は該クラッチ機構82を介して脱水槽
3にも伝達され、脱水槽3も回転することになる。
【0056】
【表1】 次に、図7〜図10に示すフローチャートに従って本洗
濯機の全体の動作を更に詳細に説明しながら、図11以
降を参照して各処理を詳細に説明する。なお、図7〜図
10は全体で本洗濯機の連続した動作を示しているもの
であり、各図は飛び越し記号A,B,Cで連続している
ものである。
【0057】まず、図7に示すように、洗濯物が洗濯機
の脱水槽3内に入れられ、電源が投入され、スタートボ
タン等を押して本洗濯機が動作開始すると(ステップ2
10,220)、マイクロコンピュータ26は、投入さ
れた洗濯物の布量検知を行う(ステップ230)。
【0058】マイクロコンピュータ26は、布量検知を
行うために、クラッチ機構82を介して機構部9内の偏
平クラッチディスク57を制御して、ブラシレスDCモ
ータ5の回転を脱水槽3にも伝達し得るように第1伝導
軸37と第2伝導軸43とを連結するとともに、ブラシ
レスDCモータ5を回転させ、これにより脱水槽3とパ
ルセータ4とを一体的に回転させる。なお、この布量検
知動作は脱水槽3内に水を入れることなく行われる。
【0059】この布量検知は、洗濯物の重量に換算して
行われるが、脱水槽3の回転開始時または回転中におけ
るブラシレスDCモータ5のトルクの変化情報、または
回転している脱水槽3をブラシレスDCモータ5のブレ
ーキで制止させる時にブラシレスDCモータ5に発生す
る起電力等から脱水槽3と洗濯物の負荷トルク(Tj)
を検知し、この負荷トルクから洗濯物の重量を布量とし
て求めたり、またはブラシレスDCモータ5によって洗
濯物の入った脱水槽3を一定速度で回転させた後にブラ
シレスDCモータ5に電気ブレーキをかけ、該電気ブレ
ーキが消費する電力から洗濯物の布量を検知したり、ま
たは洗濯物の入った脱水槽3を一定速度回転させてか
ら、モータトルクをゼロとしてブラシレスDCモータ5
をフリーランさせ、脱水槽3の慣性モーメントの大きさ
で布量を検知するという方法で行われる。
【0060】次に、布量検知の具体的方法を詳細に説明
する。
【0061】この第1の布量検知方法は、ブラシレスD
Cモータ5が一定の回転速度になった後にモータに対す
る駆動電圧を0として慣性モーメントのみでフリーラン
させた場合のモータの回転速度の減少率から布量を検知
する方法である。
【0062】更に詳しくは、この第1の布量検知方法
は、洗濯物を入れた脱水槽3を回転させる場合に、ブラ
シレスDCモータ5にかかるトルクが一定となるよう
に、すなわちブラシレスDCモータ5が一定の回転速度
np で回転するようにPWM発振器25からPWM信号
のオンデューティδを変化させ、ブラシレスDCモータ
5にかかる電圧Vdcを制御する。そして、ブラシレスD
Cモータ5の回転速度が一定になった後のある時点にお
いてブラシレスDCモータ5を駆動している上アームト
ランジスタU1,V1,W1および下アームトランジス
タU2,V2,W2をすべてオフ状態にし、洗濯物の入
った脱水槽3を慣性のみで回転させ、回転速度が徐々に
低下している状態を監視する。
【0063】この場合の回転速度の低下は、脱水槽3内
の洗濯物である布量に依存することになり、慣性モーメ
ントによって布量が多い程、回転速度の低下は遅く、布
量が少ない程、回転速度の低下は早いことになる。従っ
て、上アームトランジスタU1,V1,W1および下ア
ームトランジスタU2,V2,W2のすべてをオフにし
た時点を起点として、回転速度nが所定の回転速度n1
まで低下するまでの時間をマイクロコンピュータ26で
計数し、この計数時間T1を予め設定したデータと比較
することにより、布量を検知することができる。
【0064】図11は、この第1の布量検知方法におけ
る時間と回転速度との関係を示すグラフであるが、ブラ
シレスDCモータ5が一定の回転速度np で回転してい
る状態のある時刻t01においてブラシレスDCモータ5
の回転を停止させて、フリーランさせると、ブラシレス
DCモータ5は脱水槽3内の洗濯物の布量に依存して、
低下しながら回転し続ける。この場合、布量が小の場合
には、曲線11aに示すように回転速度は早く低下し、
布量が中量の場合には、曲線11bで示すように回転速
度は中程度に低下し、布量が多い場合には、曲線11c
に示すように回転速度は遅く低下するので、回転速度n
が所定の回転速度n1 に低下するまでの時間t1 ,t2
,t3 を計数することにより布量を識別することがで
きる。
【0065】図12は、上述した第1の布量検知方法の
手順を詳細に示すフローチャートである。同図におい
て、上述したように洗濯機のスタートスイッチが押され
ると(ステップ220)、偏平クラッチディスク57が
接続され(ステップ1210)、脱水槽3はブラシレス
DCモータ5によってパルセータ4とともに回転する
(ステップ1220)。ブラシレスDCモータ5の回転
速度、すなわち角速度ωが所定の角速度ωp になったか
否かをチェックし(ステップ1230)、該所定の角速
度ωp になると、インバータ回路17の上アームトラン
ジスタU1,V1,W1および下アームトランジスタU
2,V2,W2をすべてオフ状態にして、ブラシレスD
Cモータ5に対する駆動電圧の供給を停止し、ブラシレ
スDCモータ5を慣性で回転させると同時に、マイクロ
コンピュータ26内のソフトタイマをリセットし、計時
させる(ステップ1240)。
【0066】そして、慣性モーメントで回転し続けるブ
ラシレスDCモータ5の角速度ωが所定の角速度ω1 に
なったか否かをチェックし(ステップ1250)、該所
定の角速度ω1 になると、マイクロコンピュータ26内
のソフトタイマで計時した時間T1を取り込み、この計
数時間T1の大きさに基づいて布量の大きさをマイクロ
コンピュータ26のメモリ内に予め設定されているデー
タテーブルから決定する(ステップ1260)。
【0067】計数時間T1に対する布量は、図12のス
テップ1260のテーブルに示すように、計数時間T1
の大、中、小に比例して、多、中、小であるように決定
される。
【0068】次に、布量検知の第2の方法について説明
する。
【0069】第2の布量検知方法は、ブラシレスDCモ
ータ5が一定の回転速度になった後にブラシレスDCモ
ータ5を慣性モーメントのみでフリーランさせた場合に
慣性のみで回転するブラシレスDCモータ5の巻線に誘
起される逆起電力によって流れる電流を測定し、モータ
のフリーランからこの電流がなくなる時点までの時間に
より布量を検知する方法である。
【0070】第2の布量検知方法を実施するために、図
13の回路に示すように、図5の回路において下アーム
トランジスタV2とW2のエミッタの間に電流測定用の
抵抗28aを挿入するとともに、図5の回路におけるフ
ィルタ30およびA/Dコンバータ29とは別に前記電
流測定用抵抗28aの両端の電圧をマイクロコンピュー
タ26に供給するフィルタ30aおよびA/Dコンバー
タ29aを新たに設けている。
【0071】このような構成の回路においては、ブラシ
レスDCモータ5をフリーランさせた場合に、慣性によ
るブラシレスDCモータ5の回転により巻線に誘起させ
る逆起電力によって前記電流測定用抵抗28aには図1
4において矢印で示すように電流が流れる。そして、こ
の電流は図15に示すように時間とともに、すなわちブ
ラシレスDCモータ5の回転の低下とともに減少し、最
終的にはゼロになるので、この電流がゼロとなる時まで
の時間t1 ,t2 ,t3 をマイクロコンピュータ26の
ソフトタイマで計測することにより、布量を検知するこ
とができる。
【0072】図15において、点線で示す曲線は脈動す
る電流のピーク値をプロットしたものであるが、曲線1
5aで示す布量が少ない場合には時間は短く、曲線15
bで示す布量が中位の場合には時間も中位であり、また
曲線15cで示すように布量が多い場合には、時間は長
くなる。
【0073】図16は、上述した第2の布量検知方法の
手順を詳細に示すフローチャートである。同図におい
て、ステップ220〜1230までの処理は図12に示
した第1の布量検知方法の処理と同じである。すなわ
ち、洗濯機をスタートさせ、偏平クラッチディスク57
を接続して、洗濯物を入れた脱水槽3を回転させてか
ら、ブラシレスDCモータ5の角速度ωが所定の角速度
ωp になったことを判定する(ステップ220〜123
0)。
【0074】そして、ブラシレスDCモータ5の角速度
ωが所定の角速度ωp になった後、インバータ回路17
の上アームトランジスタU1,V1,W1をすべてオフ
状態にし、下アームトランジスタU2,V2,W2をす
べてオン状態にして、ブラシレスDCモータ5、引いて
は脱水槽3を慣性で回転させると同時に、マイクロコン
ピュータ26内のソフトタイマをリセットし、計時させ
る(ステップ1640)。
【0075】そして、慣性モーメントで回転し続けるブ
ラシレスDCモータ5の回転によってモータの巻線に誘
起させる逆起電力によって前記インバータ電流検知用抵
抗28aの両端に発生する電圧をA/Dコンバータ29
およびA/Dコンバータ29aのそれぞれの出力電圧V
0 ,V1 からマイクロコンピュータ26で読み取り、こ
の両電圧の差からインバータ電流検知用抵抗28aに流
れる電流Ia を算出する(ステップ1650)。
【0076】そして、この電流Ia がゼロとなったか否
かを、すなわち該電流パルスが消えたか否かをマイクロ
コンピュータ26で判定し(ステップ1660)、ブラ
シレスDCモータ5がフリーラン状態になった時から該
電流パルスが消えた時までの時間T1をマイクロコンピ
ュータ26内のソフトタイマで計数し、この計数時間T
1の大きさに基づいて布量の大きさをマイクロコンピュ
ータ26のメモリ内に予め設定されているデータテーブ
ルから決定する(ステップ1670)。
【0077】ステップ1670に示す計数時間T1に対
する布量のテーブルは、図12のステップ1260に示
すものと同じであり、計数時間T1の大、中、小に比例
して、布量が多、中、小であるように決定される。
【0078】次に、布量検知の第3の方法について説明
する。
【0079】第3の布量検知方法は、ブラシレスDCモ
ータ5を例えば右回転の第1の方向に回転させて、一定
の回転速度になった後に、急激にブラシレスDCモータ
5を逆方向に同じ回転速度で回転するように電圧制御す
ると、ブラシレスDCモータ5は慣性により第1の方向
に回転し続けようとするので、これにより生ずる逆起電
力による電流と逆回転用の制御電流との両方向に加算さ
れた合成電流を測定し、ブラシレスDCモータ5を逆回
転させた時点から合成電流が定状電流に戻るまでの時間
を計測して布量を検知する方法である。
【0080】図17は、第3の布量検知方法において時
刻t01でブラシレスDCモータ5を逆方向に回転させた
場合のブラシレスDCモータ5に流れる電流を時間に対
して示したグラフである。時刻t01で逆方向にブラシレ
スDCモータ5を回転させると、上述したように逆起電
力による電流と逆回転用の制御電流との増大した合成電
流が初期電流io として流れるが、この合成電流io の
うち、逆起電力による電流はブラシレスDCモータ5の
慣性に依存する成分であるので、徐々に減少し、最終的
にはゼロとなり、合成電流は逆回転用の制御電流のみの
定状電流となる。従って、この定状電流になった時点を
計測することにより、上述したように布量が検知される
のである。
【0081】なお、ブラシレスDCモータ5の逆回転
は、ブラシレスDCモータ5の3相の巻線に流れる電流
の方向を図18に示すように「1→2→3→4→5→
6」の順であったとして、3の電流を供給していた場合
に、これと逆方向に流せば、逆の力が加わるので、4の
電流を流すように制御し、以下「4→3→2→1→6→
5→4」の順に電流を流すことにより達成される。
【0082】図19は、上述した第3の布量検知方法の
手順を詳細に示すフローチャートである。同図におい
て、ステップ220〜1230までの処理は第1および
第2の布量検知方法の処理と同じである。すなわち、洗
濯機をスタートさせ、偏平クラッチディスク57を接続
して、洗濯物を入れた脱水槽3を回転させてから、ブラ
シレスDCモータ5の角速度ωが所定の角速度ωp にな
ったことを判定する(ステップ220〜1230)。
【0083】ブラシレスDCモータ5の角速度ωが所定
の角速度ωp になった後、図5の回路のインバータ電流
検知用抵抗28の両端の電圧をフィルタ30およびA/
Dコンバータ29を介してマイクロコンピュータ26に
取り込み、ブラシレスDCモータ5に流れるインバータ
電流のピーク値をA/Dコンバータ29の電圧値V0と
して保存しておく(ステップ1940)。この電圧値V
0 は、上述した定状電流に相当するものであり、前記合
成電流がこの定状電流まで低下する時点を見極めるのに
使用するために保存しておくものである。
【0084】ピーク値V0 を保存すると、ブラシレスD
Cモータ5、引いては脱水槽3を逆方向に同じ回転速度
となるようにインバータ回路17を介してブラシレスD
Cモータ5を電圧制御すると同時に、マイクロコンピュ
ータ26のソフトタイマをリセットし、計時動作を開始
する(ステップ1950)。
【0085】ブラシレスDCモータ5を逆方向に回転さ
せると、上述した合成電流が発生するので、この合成電
流に相当する電圧をフィルタ30およびA/Dコンバー
タ29を介してマイクロコンピュータ26に取り込み、
そのピーク値V1 を検出する(ステップ1960)。そ
して、このピーク値V1 を前記定状電流に相当する保存
したピーク値V0 と比較し(ステップ1970)、両者
が等しくなるまでの時間T1をマイクロコンピュータ2
6のソフトタイマで計数し、この計数時間T1の大きさ
に基づいて布量をマイクロコンピュータ26のメモリ内
に予め設定されているデータテーブルから決定する(ス
テップ1980)。
【0086】ステップ1980に示す計数時間T1に対
する布量のテーブルは、図12のステップ1260に示
すものと同じであり、計数時間の大、中、小に比例し
て、布量が多、中、小であるように決定される。
【0087】以上のようにして、布量検知動作が完了す
ると、この布量検知ステップ230(図7)において、
この検知された布量に対応する布量対応洗い水位LWs
がマイクロコンピュータ26のメモリに予め記憶された
データテーブルから決定される。次に示す表2は、上述
した計数時間T1または負荷トルクTjに対応する布量
および布量対応洗い水位LWsの関係を示す表である。
【0088】
【表2】 図7の布量検知ステップ230において、検知された布
量に対応する布量対応洗い水位LWsが決まると、次に
洗剤投入機が洗濯機に例えばオプションとして設けられ
ているか否かをマイクロコンピュータ26は判定し(ス
テップ240)、洗剤投入機が設けられている場合に
は、布量および布量対応洗い水位LWsに対応した量の
洗剤が脱水槽3内に自動的に投入され(ステップ25
0)、また洗剤投入機が設けられていない場合には、布
量および布量対応洗い水位LWsに対応した洗剤投入量
が表示される(ステップ260)。この場合には、ユー
ザが表示された洗剤量の洗剤を投入する。
【0089】洗剤投入量が表示されるかまたは洗剤が投
入されると、マイクロコンピュータ26は給水弁84
(図4)を開放し、給水処理を開始する(ステップ27
0)。この給水中においても、脱水槽3はブラシレスD
Cモータ5により連続的または断続的に低速で回転し続
け、給水開始からのモータのトルクを監視しながらマイ
クロコンピュータ26のソフトタイマで給水時間を計数
する。水は脱水槽3の下方の洗濯槽2の底から溜り始
め、この水が脱水槽3の底に達するまでには時間がある
が、この時間の間はブラシレスDCモータ5にかかわる
負荷、すなわちトルクは比較的小さいが、洗濯槽2に溜
った水の水位が脱水槽3の底面に到達すると、ブラシレ
スDCモータ5に作用するトルクは急に大きくなるの
で、上述したようにこのトルクを監視することにより、
水位が脱水槽3の底面に到達したことを検知することが
できる(ステップ280)。
【0090】なお、このように水位が脱水槽3の底面に
達したことの検知をトルクの急激な増大変化によって行
う代わりに、マイクロコンピュータ26の制御によりP
WM発振器25から出力されるPWM信号のオンデュー
ティ比δの急激な増大変化で行っても同じである。すな
わち、水位が脱水槽3の底面に達した場合に負荷が増大
し、ブラシレスDCモータ5にかかるトルクが大きくな
るが、マイクロコンピュータ26はブラシレスDCモー
タ5の回転速度nを一定に維持するように作用するた
め、マイクロコンピュータ26はブラシレスDCモータ
5に印加される電圧を変化させることになる。この電圧
の変化はPWM信号のオンデューティ比δを変化させる
ことにより達成されるので、PWM信号のオンデューテ
ィ比δが急激に変化する時点を検出すれば、水位が脱水
槽3の底面に達した時として検出することができる。
【0091】図34は、上述したPWM信号のオンデュ
ーティ比δの変化を示す図であるが、時間tb において
水位が脱水槽3の底面に到達することにより、該オンデ
ューティδが急激に変化していることを示している。
【0092】この水位が脱水槽3の底面に到達した時点
までの計数時間をマイクロコンピュータ26のソフトタ
イマによる計数値tb から入手する。ところで、洗濯槽
2内の脱水槽3の底面までの水位の水量Wbは洗濯機の
設計データから予めわかっているので、この水量Wbと
前記計数時間tb との関係から、次式に示すように給水
速度Swを算出することができる。
【0093】Sw=Wb/tb 水位が脱水槽3の底面に到達したことを検知すると、脱
水槽3の回転を停止し、布質検知を行うための低水位L
W1までの給水を行う。これは、この低水位LW1と現
在の脱水槽3の底面までの水位との水量差dWを求め、
次式に示すように、この水量差dWを前記給水速度Sw
で割ることにより、低水位LW1までの残りの給水時間
Trを算出することができる。
【0094】Tr=dW/Sw 従って、この給水時間Tr給水を更に行い、布質検知用
の低水位LW1まで給水する(ステップ280,29
0)。
【0095】一般に、布質検知を行う水位では、布はあ
る程度または完全に水に浸された状態となっていればよ
いが、本実施例では、洗濯を行う低水位LW1としてい
る。
【0096】低水位LW1までの給水が完了すると、給
水弁を閉じて、布質検知動作が開始される(ステップ3
00)。
【0097】布質検知は、低水位まで給水された脱水槽
3内に洗濯物を入れた状態で脱水槽3は回転させずに、
パルセータ4のみを回転させて、その時のブラシレスD
Cモータ5に作用する負荷トルクまたはブラシレスDC
モータ5の回転数から求めた負荷トルクであるトルク情
報とステップ230で求めた布量との関係に基づいて布
質を判定することにより行われる。
【0098】このトルク情報は正転または反転するとき
の起動トルク、正反転中のある時点でのトルク、または
正反転中のある期間の平均トルクであり、回転数情報は
ブラシレスDCモータ5に供給する電圧を一定にしたと
きに回転開始から設定された時間後のモータ回転数また
は最終到達回転数であり、いずれも洗濯槽2内の負荷ト
ルクTq を測定する手段である。そして、前記布量検知
処理で求めた布量とこの布質検知で求めた負荷トルクT
q から、次の表3に示すような組み合せで布質を判定す
る。
【0099】
【表3】 次に、布質検知の具体的方法を詳細に説明する。
【0100】布質検知の第1の方法について説明する。
【0101】この第1の布質検知方法は、低水位まで給
水された脱水槽3内に洗濯物を入れた状態で脱水槽3は
回転させずに、パルセータ4のみをブラシレスDCモー
タ5で回転開始させる場合に必要なブラシレスDCモー
タ5の起動電圧または起動トルクを求め、この起動電圧
または起動トルクと先に求めた布量とから布質を検知す
る方法である。
【0102】なお、布質は、例えば「しなやか」、「標
準」、「ごわごわ」等で表現し得るが、布質が「しなや
か」な場合には、パルセータ4に対する抵抗は小さく、
パルセータ4は回転し易く、これを回転させるのに必要
なブラシレスDCモータ5のトルクは小さくてよいが、
布質が「ごわごわ」している場合には、パルセータ4に
対する抵抗は大きく、パルセータ4は回転しにくく、こ
れを回転させるのに必要なブラシレスDCモータ5のト
ルクは大きなものとなる。
【0103】図20は、このような布質と、パルセータ
4に加わる抵抗およびブラシレスDCモータ5のトルク
との関係を示している。なお、この場合の抵抗は、布、
パルセータ4、脱水槽3の摩擦等も含み、布質が「ごわ
ごわ」になるほど、パルセータ4が受ける抵抗は大きく
なり、これを回転させようとするブラシレスDCモータ
5のトルクも大きなものが必要となる。そして、この抵
抗は、静止状態から動き出す瞬間に最大値を示す。従っ
て、このような関係を利用し、布質を布の抵抗によって
区別し、この抵抗を受けるブラシレスDCモータ5のト
ルクを検出したり、またはブラシレスDCモータ5の特
性からトルクとともに変化する電流または電圧、回転数
等を検出し、これらの情報を用いて布質を判定すること
ができる。
【0104】第1の布質検知方法の手順を図21に示す
フローチャートを参照して説明する。
【0105】上述したように低水位まで給水された脱水
槽3内に洗濯物を入れた状態で脱水槽3は回転させず
に、パルセータ4のみを回転させるべく、ブラシレスD
Cモータ5に印加される電圧を徐々に上げていき(ステ
ップ2110)、この場合に、いつブラシレスDCモー
タ5が回転するかをモータ回転数から検知する(ステッ
プ2120)。ブラシレスDCモータ5が回転したこと
を検知すると、この時の電圧を測定し、この電圧に対応
する起動トルクを以下に説明するように求め、起動トル
ク、布量および布質の関係を予め設定したデータテーブ
ルから布質を判別することができる(ステップ213
0)。
【0106】図22は、ブラシレスDCモータ5に印加
される電圧と起動トルクとの関係をブラシレスDCモー
タ5の特性から求めたグラフである。このような特性を
利用することにより、上述したように測定された電圧に
対する起動トルクを求めることができる。
【0107】図23は、布量検知で検知された布量、起
動トルクおよび布質の関係を示す図である。同図に示す
ように、布質が「しなやか」な場合には、起動トルクは
小さく、布質が「ごわごわ」の場合には、起動トルクは
大きいが、この関係は更に布量によって変化している。
すなわち、布質が「しなやか」で、起動トルクが小さい
場合でも、布量が少ない場合には、起動トルクは小さ
く、布量が多い場合には、起動トルクは大きくなってい
る傾向がある。また、布質が「ごわごわ」で、起動トル
クが大きい場合でも、布量が少ない場合には、起動トル
クは小さく、布量が多い場合には、起動トルクは更に大
きくなっている。
【0108】図24は、このような布量、起動トルクお
よび布質の関係から作成されたデータテーブルを示す図
である。なお、このデータテーブル中のT00〜T22は起
動トルクである。
【0109】上述した図21のステップ2130におい
て求めた起動トルクおよび先に求めた布量を図24に示
すデータテーブルに適用することにより、布質を識別す
ることができる。例えば、ブラシレスDCモータ5の電
圧を徐々に上昇して、電圧がVaになった時、ブラシレ
スDCモータ5が回転開始したとすると、この電圧Va
に対する起動トルクTaが図22から求められるので、
この起動トルクTaを図24に示すデータテーブルの中
から探し出し、起動トルクT12に近い値であったとし、
また布量が中容量であったとすると、布質は「ごわご
わ」であることがわかる。
【0110】図25は、図24に示す起動トルクの代わ
りにブラシレスDCモータ5の電圧を用いて、図22お
よび図23に基づいて布量、電圧および布質の関係を示
す図24に類似したデータテーブルである。このデータ
テーブルを使用することにより、ブラシレスDCモータ
5が回転開始する時の電圧および先に検知した布量から
布質を判別することができる。例えば、ブラシレスDC
モータ5の電圧を徐々に上昇して、電圧がVaになった
時に、ブラシレスDCモータ5が回転開始したとする
と、この電圧Vaを図25に示すデータテーブルの中か
ら探し出し、電圧V12に近い値であったとし、また布量
が中容量であったとすると、布質は「ごわごわ」である
ことがわかる。
【0111】次に、布質検知の第2の方法について説明
する。
【0112】第2の布質検知方法は、ブラシレスDCモ
ータ5の起動電流を求め、この起動電流と先に求めた布
量とから布質を検知する方法である。
【0113】ブラシレスDCモータ5の起動電流は、モ
ータの特性からモータトルクが最大となるモータ起動時
に最大となる。従って、ブラシレスDCモータ5に印加
される電圧を徐々に上昇していきながら、この時の同様
に増大していくモータ電流を監視し、この電流が減少し
た時点の電流を検知することにより、モータ電流の最大
値であるピーク電流値、すなわち起動電流を求めること
ができる。
【0114】図26は、この起動電流と起動トルクとの
関係を示しているが、この図26を参照することによ
り、上述したように求めた起動電流から起動トルクを求
めることができるので、図24に示した布量、起動トル
クおよび布質の関係のデータテーブルから布質を判別す
ることができる。
【0115】図27は、第2の布質検知方法の手順を示
すフローチャートである。同図において、ブラシレスD
Cモータ5に印加される電圧を徐々に上昇していきなが
ら、この時の増大していくモータ電流を検知し(ステッ
プ2710)、このモータ電流が減少した時点の電流を
モータ電流の最大値であるピーク電流値、すなわち起動
電流として求める(ステップ2720)。そして、この
モータ起動電流に対する起動トルクを図26から求め、
この求めた起動トルクおよび先に求めた布量を図24に
示すデータテーブルに適用して、布質を判別することが
できる(ステップ2730)。
【0116】図28は、図24に示すデータテーブルと
図26に示す起動トルクと起動電流の関係を示す図とか
ら、布量、起動電流Iijおよび布質の関係を示すデータ
テーブルである。このデータテーブルを利用することに
より、ブラシレスDCモータ5の起動電流と布量とから
布質を判別することができる。
【0117】次に、布質検知の第3の方法について説明
する。
【0118】第3の布質検知方法は、ブラシレスDCモ
ータ5に一定電圧を印加した場合の一定時間後のパルセ
ータ4を駆動するブラシレスDCモータ5の回転数が布
質によって異なることを利用し、該回転数または該回転
数に対応するトルクによって布質を判別する方法であ
る。
【0119】第3の布質検知方法の手順を図29に示す
フローチャートを参照して説明する。図29において、
パルセータ4を駆動するブラシレスDCモータ5に一定
の電圧を印加し、ブラシレスDCモータ5の回転数を検
知する(ステップ2910)。そして、一定時間の経過
を監視し(ステップ2920)、この一定時間経過時の
ブラシレスDCモータ5の回転数に対応するトルクを図
30に示すブラシレスDCモータ5のトルクと回転数の
関係を示す特性から求め、このようにして求めたブラシ
レスDCモータ5のトルク、先に検知した布量および図
24に示したようなデータテーブルから布質を判別する
(ステップ2930)。
【0120】例えば、一定時間後のブラシレスDCモー
タ5の回転数がNaであると検知された場合には、この
回転数Naに対応するトルクは、図30の特性からT12
として求まるので、このトルクT12と先に求めた布量、
例えば中容量とから図24に示すデータテーブルを参照
し、布質は「ごわごわ」と判別される。
【0121】次に、布質検知の第4の方法について説明
する。
【0122】第4の布質検知方法は、ブラシレスDCモ
ータ5に一定電圧を印加した場合にパルセータ4を駆動
するブラシレスDCモータ5の回転数が所定の回転数に
達するまでの時間が布質によって異なることを利用し、
この時間に基づいて布質を判別する方法である。
【0123】第4の布質検知方法の手順を図31に示す
フローチャートを参照して説明する。図31において、
パルセータ4を駆動するブラシレスDCモータ5に一定
電圧を印加して、ブラシレスDCモータ5を回転させる
と同時に、マイクロコンピュータ26のソフトタイマで
時間の計測を開始する。そして、ブラシレスDCモータ
5の回転数を監視し、この回転数が所定の回転数に達し
たか否かを識別する(ステップ3110)。
【0124】ブラシレスDCモータ5の回転数が所定の
回転数に達したことを識別すると、この所定の回転数に
達するまでの時間をマイクロコンピュータ26のソフト
タイマから読み取る(ステップ3120)。
【0125】ここで、前記時間、布量および布質の関係
は、図32に示すように、予め実験等により求めてお
き、この関係から図33に示すように前記時間tij、布
量および布質の関係を示すデータテーブルを作成し、マ
イクロコンピュータ26のメモリに記憶しておく。
【0126】そこで、ステップ3120で求めた時間お
よび既に検知されている布量を図33に示すデータテー
ブルに適用し、布質を判別する(ステップ3130)。
【0127】例えば、中容量の布量に対する前記時間が
t12であったとすると、図33のデータテーブルから布
質は「ごわごわ」であると判別される。
【0128】以上のように布質が検知されると、図7に
戻って、ステップ310に進み、布量および布質の組み
合せから洗い時の最適水位が決定されるとともに、洗い
運転時間、水量、洗い終了時およびすすぎ終了時の目標
脱水率が決定される。
【0129】まず、前述したステップ230において布
量に対応する布量対応洗い水位LWsが決定されている
が、この布量対応洗い水位LWsに対して布質から補正
水位LWaまたは補正係数LWcを算出し、これにより
布量対応洗い水位LWsを補正水位LWaまたは補正係
数LWcで補正し、最終洗い水位LWoを決定する。
【0130】布量対応洗い水位LWsおよび補正水位L
Waから最終洗い水位LWoを算出する式は次式で与え
られる。
【0131】LWo=LWs+LWa また、布量対応洗い水位LWsおよび補正係数LWcか
ら最終洗い水位LWoを算出する式は次式で与えられ
る。
【0132】LWo=LWs×LWc 次に示す表4および表5は、それぞれ布量および布質に
対する補正水位LWaの関係および布量および布質に対
する補正係数LWcの関係を示している。
【0133】
【表4】
【表5】 表4(a)は、布量が増大する程、補正水位LWaは大
きくなり、布質が「ごわごわ」から「しなやか」になる
程、補正水位LWaは増大することを示している。
【0134】また、表4(b)は、表4(a)に示す布
量、布質および補正水位LWaの関係から求めた補正水
位LWaによって布量対応洗い水位LWsを補正して得
られた最終洗い水位LWoを布量および布質に対して示
すものである。この表4(b)において、少、低、中、
高は最終洗い水位LWoに対応する最終洗い水量Wo、
すなわち水量の大小を示すが、この表現による水量は少
<低<中<高の関係にあるものである。
【0135】表5は、布量が増大する程、補正係数LW
cは大きくなり、布質が「ごわごわ」から「しなやか」
になる程、補正係数LWcは増大することを示してい
る。
【0136】以上のようにして、最終洗い水位LWoが
決定されると、この最終洗い水位LWoまでの給水を行
うことになる(ステップ320)。この給水処理は、最
終洗い水位LWoまで適確に水を給水するために水位を
検知しながら行われる(ステップ330,340)。
【0137】水位検知の方法は、給水速度と給水量との
関係から求める方法、および水位とともに変化する脱水
槽3の負荷トルクから求める方法がある。そして、この
場合の負荷トルクは、ブラシレスDCモータ5の起動時
のトルク、一定回転数で回転時のトルク、一定トルクで
回転している時のブラシレスDCモータ5の回転数、一
定回転数で回転している状態からブラシレスDCモータ
5をフリーランさせた時においてブラシレスDCモータ
5が所定の回転数に低減するまでの時間または静止する
までの時間として検出することができる。
【0138】水位検知の第1の方法として、給水速度と
給水量との関係から求める方法について説明する。
【0139】前述したステップ290において布質検知
のために脱水槽3内には、既に低水位LW1まで給水が
行われているので、ステップ320〜340の給水検知
処理では、最終洗い水位LWoから低水位LW1を引い
た残りの水量dWr(=最終洗い水量Wo−低水量W
1)を給水すればよい。
【0140】ところで、ステップ290において、布質
検知用の低水位LW1までの給水を行った時の給水速度
Swが算出されているので、この給水速度Swで残りの
水量dWrに対する給水も行われることになるので、こ
の残りの水量dWrを給水速度Swで割ることにより次
式に示すように給水時間troが算出される。
【0141】tro=dWr/Sw 従って、給水時間を監視しながら、給水速度Swで給水
時間tro給水を行うことにより最終洗い水位LWoま
で給水することができる。
【0142】図35は、上述したように給水速度と給水
量との関係を利用して、給水処理および該給水処理に対
する水位検知の手順を示すフローチャートである。
【0143】図35に示すフローチャートは、上述した
布量検知、低水位LW1までの給水、布質検知および最
終洗い水位LWoまでの給水の一連の動作を連続的に示
しているものであり、その内容は上述したものと実質的
に同じである。
【0144】すなわち、図35において、ステップ35
10,3520は布量検知処理であるが、脱水槽3を一
定回転速度で回転した時のブラシレスDCモータ5にか
かるトルクをインバータ電流を検出することにより検出
し、このインバータ電流から布の容量を検出している。
また、ステップ3530〜3620は低水位LW1まで
の給水処理を示しているが、PWM信号のオンデューテ
ィ比δの急激な増大を検出して(図34)、水位が脱水
槽3の底面に達したことを識別し、脱水槽3の回転を停
止している。そして、給水速度Swで時間Tr給水する
ことにより低水位LW1まで給水し、給水弁を閉じてい
る。更に、ステップ3630〜3650は低水位LW1
において布質検知を行っているが、ブラシレスDCモー
タ5の起動時のオンデューティ比δから布質を検知して
いる。ステップ3660〜3700は布量および布質か
ら上述したように最終洗い水位LWoを決定し、この最
終洗い水位LWoまでの給水を前記給水速度Swで給水
時間troを行って、最終洗い水位LWoとし、給水弁
を閉じている。
【0145】次に、水位検知の第2の方法として、脱水
槽3の負荷トルクから水位検知を行う方法について説明
する。
【0146】この方法は、給水中に脱水槽3を連続的に
または断続的に一方向または正反転の両方向に一定回転
数で回転し、給水による水位の上昇に伴う負荷トルクの
変化を検知し、最終洗い水位LWoに対応する所定の負
荷トルクに達した時に給水を停止することにより、最終
洗い水位LWoまでの給水を行うことができる。
【0147】図36は、脱水槽3の水位と負荷トルクの
関係を示すグラフである。同図に示すように、水位が脱
水槽3の底面までの間は負荷トルクは小さい一定の値で
あるが、それ以上は水位の上昇に比例して負荷トルクが
変化することがわかる。
【0148】負荷トルクを検出する代わりに、ブラシレ
スDCモータ5に供給されるPWM信号のオンデューテ
ィ比δまたはインバータ電流を検出してもよい。すなわ
ち、脱水槽3内への給水による水位の上昇によりブラシ
レスDCモータ5にかかる負荷トルクは増大するが、ブ
ラシレスDCモータ5はこのような負荷トルクの増大に
対して常に一定回転を維持しようとするために、ブラシ
レスDCモータ5に印加される電圧を変化させる必要が
ある。マイクロコンピュータ26はこのためにPWM信
号のオンデューティ比δを変化させて対応するので、こ
のオンデューティ比δを検出することにより負荷トルク
の変化を検出することができるのである。なお、PWM
信号のオンデューティ比δによるブラシレスDCモータ
5に印加される電圧が変化すると、インバータ電流も変
化するので、このインバータ電流を検出してもよい。
【0149】図37は、水位の変化に対するオンデュー
ティ比δを示す図である。この図において、途中におけ
るオンデューティ比δの急激な変化は水位が脱水槽3の
底面に到達したことを示している。そして、ここで脱水
槽3の底面に水位が到達した後はオンデューティ比δは
水位の変化にほぼ比例して変化していることがわかる。
【0150】第3の水位検知方法は、給水中において脱
水槽3を起動するのに必要なモータの起動トルクTを一
定時間Δt毎に検出し、この時の起動トルクTの変化か
ら水位を検出するものである。
【0151】起動トルクは、脱水槽3と水との間に生じ
る抵抗により変化するので、水位が高いほど、起動トル
クは大きくなる。この起動トルクは、停止状態のブラシ
レスDCモータ5に印加する電圧を徐々に増大してい
き、ブラシレスDCモータ5が回転した瞬間の電圧を起
動トルクTに対応する電圧として検出し、この電圧に相
当するPWM信号のオンデューティ比δまたはインバー
タ電流から水位を検出することができる。
【0152】第4の水位検知方法は、ブラシレスDCモ
ータ5に常に一定電圧を印加して、脱水槽3を回転させ
ながら給水し、このときのブラシレスDCモータ5の回
転数nの変化から水位を検出するものである。すなわ
ち、水位が上昇するに従ってブラシレスDCモータ5に
かかる負荷トルクは増大するが、ブラシレスDCモータ
5には常に一定電圧しか印加されないので、ブラシレス
DCモータ5の回転数nは小さくなる。従って、この回
転数nを検出することにより水位を検知することができ
る。なお、ブラシレスDCモータ5に印加される電圧を
一定とするには、PWM信号のオンデューティ比δを一
定にするようにマイクロコンピュータ26で制御すれば
よい。
【0153】図38は、水位の変化に対するブラシレス
DCモータ5の回転速度nを示す図である。この図にお
いて、回転速度nが途中で急激に低下しているのは、水
位が脱水槽3の底面に到達した時点を示している。この
時点以降においては、水位と回転速度nはほぼ比例関係
にあることがわかる。
【0154】第5の水位検知方法は、給水中に一定時間
Δt毎に脱水槽3を一定回転速度nで回転させた後、ブ
ラシレスDCモータ5をフリーランさせ、ブラシレスD
Cモータ5の回転速度nが所定回転数まで低下するまで
の時間tw の変化から水位を検知するものである。
【0155】脱水槽3に給水しながら、一定時間Δt毎
に脱水槽3を一定回転速度nで回転させ、その後ブラシ
レスDCモータ5をフリーランさせると、モータにかか
る負荷、すなわち水位が大きければ大きいほど、ブラシ
レスDCモータ5の回転速度nは急速に低減する。従っ
て、このブラシレスDCモータ5の回転速度が所定の回
転数まで低下するまでの時間twは水位によって変化す
るので、この時間twから水位を検出することができ
る。図39はこのような水位と時間twとの関係を示す
図である。
【0156】第6の水位検知方法は、ダイヤフラムを利
用して、水圧を検出し、該水圧から水位を検知する方法
である。
【0157】上述した水位検知方法を利用して、最終洗
い水位LWoまでの給水が完了すると、次に洗い運転時
間を決定する。
【0158】洗い運転時間は、洗い処理全体の時間であ
り、次に示す表6に示すように布量と布質とから決定さ
れる。
【0159】
【表6】 この表に示すように、布量が少なく、布質がしなやかで
ある場合には、洗い運転時間は短く、布量が多く、布質
がごわごわである場合には、洗い運転時間は長く設定さ
れる。
【0160】次に、脱水槽3内に入れられた洗濯物を洗
濯するための水流について説明する。
【0161】水流は、ブラシレスDCモータ5によるパ
ルセータ4の正反転時間trとブラシレスDCモータ5
の回転数nを決めることにより決定されるが、布量と布
質との関係は、次に示す表7のように決定される。
【0162】
【表7】 この表に示すように、布量が少なく、布質がしなやかで
ある場合には、水流は弱く、布量が多く、布質がごわご
わである場合には、水流は強く設定される。
【0163】水流を決定するための、上述したパルセー
タ4の正反転時間trおよびブラシレスDCモータ5の
回転数nは、それぞれ布量および布質によって次に示す
表8および9のように決定される。
【0164】
【表8】
【表9】 そして、水流の強弱は、前記正反転時間trと回転数n
の組み合せによって次に示す表10のような関係にあ
る。
【0165】
【表10】 図40は、上述した正反転時間trおよび回転数nをブ
ラシレスDCモータ5のトルクとともに示す図である。
なお、同図において、tsは正反転時間trの間の休止
時間である。
【0166】また、図7に示すステップ310では、上
述した最終洗い水位LWo、洗い運転時間、水流に加え
て、洗い終了時およびすすぎ終了時に行われる脱水処理
における目標脱水率を設定し得るようになっているが、
これは、洗い処理開始前のこの段階において、洗濯しよ
うとする衣類の種類に応じて所望の脱水率をユーザに設
定することを可能とし、これにより例えば過度に脱水し
て、しわになることを防止したり、または十分に脱水す
るというように任意の脱水を行うことを可能にするもの
である。
【0167】以上のようにして、最終洗い水位LWo、
洗い運転時間、水流、目標脱水率が決定されるととも
に、最終洗い水位LWoまでの給水が完了すると(ステ
ップ310〜340)、これらの条件で洗い処理が開始
する(ステップ350)。
【0168】この洗い工程では、マイクロコンピュータ
26はクラッチ機構82を介して偏平クラッチディスク
57を制御し、ブラシレスDCモータ5の回転を脱水槽
3へ伝達させないように、すなわち脱水槽3を回転させ
ないように制御するとともに、モータ制御回路24、上
アーム駆動回路21、下アーム駆動回路22およびイン
バータ回路17を介してブラシレスDCモータ5を上述
したように決定された回転数nおよび正反転時間trで
回転させ、このブラシレスDCモータ5の回転をパルセ
ータ4のみに伝達して、この回転数nおよび正反転時間
trで決まる水流を脱水槽3内に発生し、これにより脱
水槽3内の洗濯物を洗い運転時間洗濯する。
【0169】この洗濯処理は、図6のステップ121で
示したように布がらみ検知、布ほぐし制御、布傷み検
知、布傷み防止制御を行いながら実施される。なお、こ
れらの布がらみ検知、布ほぐし制御、布傷み検知、布傷
み防止制御は、第1すすぎ処理、第2すすぎ処理でも同
様に行われる。
【0170】図7においては、まず、ステップ360に
示すように、布がらみが検知され、布がらみが検知され
た場合には、布ほぐし処理が行われる(ステップ37
0)。
【0171】布がらみ検知は、ブラシレスDCモータ5
を一定の回転数nで回転させながら、洗濯物の洗いおよ
びすすぎを行うことにより衣類に発生する布がらみ、す
なわちねじれを検知するものである。このように衣類に
布がらみが生じた場合にパルセータ4によって衣類を回
転させるとき、衣類が更にねじれる方向に回転させる場
合と、ほどける方向に回転させる場合とでは、ブラシレ
スDCモータ5にかかる負荷が異なり、ねじれる方向に
回転させる場合の方がほどける方向に回転させる場合よ
りも、大きな負荷がブラシレスDCモータ5にかかるの
で、このようなブラシレスDCモータ5の回転方向で変
化する負荷を検出することにより布がらみ検知を行うこ
とができる。
【0172】マイクロコンピュータ26は、負荷が異な
っていても、ブラシレスDCモータ5を一定の回転数n
で回転させようとするので、ブラシレスDCモータ5に
印加される電圧、すなわちPWM信号のオンデューティ
比を負荷、すなわちトルクに応じて変化させる。従っ
て、ブラシレスDCモータ5が一定の回転数nを維持し
ている時に、正転時と反転時においてブラシレスDCモ
ータ5にかかるトルクの差、すなわち前記電圧、インバ
ータ電流またはオンデューティ比の差を検出することに
より衣類の布がらみの状態および方向を検出することが
できる。
【0173】布がらみ検知の第1の方法について図41
および図42に示すフローチャートを参照して説明す
る。なお、図41および図42は飛び越し記号Aおよび
Bで接続され、両図で一連の布がらみ検知処理を示して
いるものである。
【0174】この第1の布がらみ検知方法は、ブラシレ
スDCモータ5の正転時(CW)および反転時(CC
W)のブラシレスDCモータ5にかかるトルクTの最大
値Tmax (CW)およびTmax (CCW)の差ΔTmax
から布がらみの状態および方向を検知するものである。
このトルク最大値Tmax (CW)およびTmax (CC
W)を検出するため、マイクロコンピュータ26はブラ
シレスDCモータ5の回転速度が一定値nになるような
制御を行った場合のPWM信号のオンデューティ比の正
転時および反転時の最大値δmax (CW)およびδmax
(CCW)を演算する。そして、更に、正転時および反
転時の最大値δmax (CW)の中の最大値δmax (C
W)max および最大値δmax (CCW)の中の最大値δ
max (CCW)max を更新して維持し、これらの最大値
δmax (CW)max およびδmax (CCW)max に基づ
いて布がらみの状態および方向を検知する。
【0175】図41および図42において、ステップ4
110〜4130は既に説明した布量検知、最終洗い水
位LWoまでの給水、決定水流に対する回転数nの決定
を行う処理である。実際には、これら以外に上述したよ
うに、洗い運転時間、水流の正反転時間tr等も決定さ
れているものであるが、ここでは布がらみ検知を説明す
るために省略されている。
【0176】図41のステップ4140において、マイ
クロコンピュータ26は、モータ制御回路24にスター
ト信号、正転制御信号を与えるとともに、ブラシレスD
Cモータ5が一定の回転数nで回転し得るようなオンデ
ューティ比δのPWM信号をPWM発振器25からチョ
ッパ回路27、上アーム駆動回路21、インバータ回路
17を介してブラシレスDCモータ5に供給し、ブラシ
レスDCモータ5を正転開始させる。
【0177】ブラシレスDCモータ5が正転開始する
と、この正転期間が終了したか否かをチェックしてから
(ステップ4150)、ブラシレスDCモータ5の回転
速度Nを検出し(ステップ4160)、該回転速度Nが
一定の回転数nに等しくなったか否かを判定する(ステ
ップ4170)。回転速度が一定の回転数nに等しくな
い場合には、マイクロコンピュータ26のPWM信号の
オンデューティ比δを変更して等しくなるように制御す
る(ステップ4180)。ブラシレスDCモータ5の回
転速度Nが一定の回転数nに等しくなると、Δt時間が
経過したか否かをチェックし(ステップ4190)、経
過していない場合には、ステップ4150に戻るが、経
過している場合には、この時のPWM信号のオンデュー
ティ比δが最大値か否かチェックし(ステップ420
0)、最大値でない場合には、ステップ4150に戻る
が、最大値である場合には、正転期間内であるか否かを
チェックする(ステップ4210)。
【0178】正転期間内である場合には、ステップ42
00で検出したオンデューティ比δを最大値δmax (C
W)として更新し(ステップ4220)、正転期間内で
ない場合には、反転期間内であるので、ステップ420
0で検出したオンデューティ比δを最大値δmax (CC
W)として更新し(ステップ4230)、ステップ41
50に戻り、以上の処理を正転期間の間繰り返し行い、
この正転期間における最大値δmax (CW)を検出す
る。
【0179】なお、上述した説明では、ステップ415
0〜4230の処理は正転期間における最大値δmax
(CW)の検出を行っているが、この同じステップ41
50〜4230は図42に示すステップ4410から戻
ってきた場合には、反転期間における最大値δmax (C
CW)を検出することになる。
【0180】従って、ステップ4150〜4230で
は、正転期間および反転期間の両方の最大値δmax (C
W)およびδmax (CCW)が更新検出されることにな
る。
【0181】そして、正転期間または反転期間が終了す
ると、ステップ4150からステップ4240に進ん
で、ブラシレスDCモータ5を停止し、再度正転期間で
あったか否かチェックする(ステップ4250)。正転
期間の場合には、ステップ4220で更新した最大値δ
max (CW)が最大値であるか否かをチェックし(ステ
ップ4260)、最大値の場合には、該最大値δmax
(CW)を最大値δmax (CW)max とする(ステップ
4270)。また、ステップ4250のチェックにおい
て反転期間の場合には、ステップ4230で更新した最
大値δmax (CCW)が最大値であるか否かをチェック
し(ステップ4280)、最大値の場合には、該最大値
δmax (CCW)を最大値δmax (CCW)max とする
(ステップ4290)。
【0182】以上のようにして、最大値δmax (CW)
max およびδmax (CCW)max が決定されると、両者
の差Δδを次式のように計算する(ステップ430
0)。
【0183】 Δδ=δmax (CW)max −δmax (CCW)max 図45はこの最大値δmax (CW)max およびδmax
(CCW)max とそれらの差Δδの関係を示す正転およ
び反転時のオンデューティ比δの変化を示す図である。
【0184】次に、図42のステップ4310に進ん
で、上式で示す差Δδの絶対値が所定の基準値Δδref
より小さいか否かをチェックする。
【0185】差Δδの絶対値が基準値Δδref よりも小
さい場合は、布がらみがないと判断されるので、ステッ
プ4390に進んで、布がらみ検知処理が終了したか否
かをチェックし、終了していない場合には、前回の回転
が正転か否かをチェックし(ステップ4400)、正転
の場合には、反転を開始して(ステップ4410)、図
41のステップ4150に戻り、上述したと同じ処理を
繰り返し行う。
【0186】また、差Δδの絶対値が基準値Δδref よ
りも小さくない場合、すなわち大きい場合には、布がら
みがあると判断されるので、布がらみの方向を識別する
ために、差Δδが0より大きいか否かを、すなわち差Δ
δの正負をチェックする(ステップ4320)。差Δδ
が大きい場合、すなわち正の場合には、正転方向に布が
らみがあると考えられるので、ブラシレスDCモータ5
の反転期間tccw を正転期間tcwよりも長くして、布が
らみをほぐすように制御する(ステップ4330,43
50)。
【0187】また、ステップ4320のチェックにおい
て、差Δδが0より大きくない場合、すなわち負である
場合には、反転方向に布がらみがあると考えられるの
で、ブラシレスDCモータ5の正転期間tcwを反転期間
tccw よりも長くして、布がらみをほぐすように制御す
る(ステップ4340,4350)。
【0188】ステップ4350の布がらみのほぐし洗い
が終了すると、布がらみ検知処理が終了したか否かをチ
ェックし(ステップ4360)、終了していない場合に
は、差Δδの絶対値が基準値Δδref よりも小さくなる
まで、ステップ4350のほぐし洗いを継続する(ステ
ップ4370)。差Δδの絶対値が基準値Δδref より
も小さくなると、正転または反転周期を標準に戻し(ス
テップ4380)、布がらみ検知処理が終了でない場合
には、前回の回転が正転か否かをチェックし(ステップ
4400)、正転の場合には、反転を開始して(ステッ
プ4410)、また正転でない場合には、正転を開始し
て(ステップ4420)、図41のステップ4150に
戻り、上述したと同じ処理を繰り返し行う。
【0189】次に、布がらみ検知の第2の方法について
説明する。
【0190】この第2の布がらみ検知方法は、上述した
第1の布がらみ検知方法においてPWM信号のオンデュ
ーティ比δを利用した代わりにブラシレスDCモータ5
に流れるインバータ電流を利用するものである。
【0191】図43および図44は、第2の布がらみ検
知方法の手順を示すフローチャートであるが、両図に示
す処理は、図41,42に示した第1の布がらみ検知方
法においてPWM信号のオンデューティ比δの代わりに
インバータ電流Iを使用した点が異なるのみであり、そ
の他の処理はすべて同じであるので、説明を省略する。
なお、図43,44において、インバータ電流の最大値
Imax (CW)およびImax (CCW)は、前記トルク
Tの最大値δmax (CW)およびδmax (CCW)に対
応し、インバータ電流Iの最大値Imax (CW)および
Imax (CCW)の中の最大値Imax (CW)max およ
びImax (CCW)max は、前記トルクTの最大値δma
x (CW)max およびδmax (CCW)max に対応する
ものである。
【0192】図46は最大値Imax (CW)max および
Imax (CCW)max とそれらの差ΔIの関係を示す正
転および反転時のインバータ電流Iの変化を示す図であ
る。
【0193】布がらみ検知の第3の方法は、第1の布が
らみ検知方法におけるPWM信号のオンデューティ比δ
の最大値δmax (CW)およびδmax (CCW)の代わ
りに、1回の正転期間または反転期間中のオンデューテ
ィ比δの平均値δave (CW)およびδave (CCW)
を使用するものであり、その他は第1の方法と同じであ
る。
【0194】布がらみ検知の第4の方法は、第2の布が
らみ検知方法におけるインバータ電流Iの最大値Imax
(CW)およびImax (CCW)の代わりに、1回の正
転期間または反転期間中のインバータ電流Iの平均値I
ave (CW)およびIave (CCW)を使用するもので
あり、その他は第2の方法と同じである。
【0195】なお、上述した第1ないし第4の布がらみ
検知方法では、布がらみ、すなわちねじれをほぐすため
のほぐし洗いを正転または反転時間をねじれる方向に対
して短くすることにより行っているが、これを回転速度
を変えることによっても行うことができる。すなわち、
ねじれている回転方向には、回転速度を小さく設定し、
ねじれていない方向には、大きく設定するように制御す
るものである。また、別の方法として、正反転を繰り返
さずに、ねじれている方向と逆の方向にほぐれるまで回
転させる方法もある。
【0196】布がらみ検知の第5の方法について説明す
る。
【0197】第5の布がらみ検知方法は、ブラシレスD
Cモータ5の1回の正転または反転期間中のトルクTの
時間変動のピーク−ピーク値ΔTp-p をPWM信号のオ
ンデューティ比δの時間変動のピーク−ピーク値Δδp-
p として検出し、該オンデューティ比のピーク−ピーク
値Δδp-p の大きさにより布がらみの状態を検知するも
のである。
【0198】更に詳しくは、ブラシレスDCモータ5は
一定の回転速度nで回転するように制御されるが、この
場合にブラシレスDCモータ5にかかる負荷変動は衣類
の量が一定である場合には、衣類と脱水槽3またはパル
セータ4との間に生じる摩擦によるものである。
【0199】図47(a),(b)は斜線を施して示す
衣類を入れられた脱水槽3を水平方向に輪切りにした場
合の断面を衣類が布がらみしていない場合と布がらみし
ている場合についてそれぞれ示す図であるが、上述した
ように衣類と脱水槽3またはパルセータ4との間に摩擦
が生じる場合において、衣類に布がらみがない場合に
は、脱水槽3に入れられた衣類は図47(a)に示すよ
うに脱水槽3内で均一に広がり、衣類と脱水槽3または
パルセータ4との間に生じる摩擦の時間を変動は小さく
なる。
【0200】これに対して、図47(b)に示すよう
に、脱水槽3内の衣類の布がらみが大きい場合には、脱
水槽3内の衣類は不均一な状態となるので、衣類が脱水
槽3の中心にある場合や、端の方にある場合などのよう
にからまった衣類の脱水槽3内の位置により衣類と脱水
槽3またはパルセータ4との間の摩擦の大きさが異な
る。このため、洗いまたはすすぎ処理の時にブラシレス
DCモータ5にかかる負荷トルクTは変動する。
【0201】この時、マイクロコンピュータ26は、ブ
ラシレスDCモータ5にかかる負荷トルクの変動Tに関
わらずブラシレスDCモータ5の回転数nを一定に維持
しようと制御して、ブラシレスDCモータ5に印加され
る電圧Vdcを負荷トルクTに応じて変化させるべくPW
M信号のオンデューティ比δを変化させる。従って、ブ
ラシレスDCモータ5が一定の回転数nを維持している
時に、ブラシレスDCモータ5にかかる負荷トルクTの
時間変動、すなわちモータ5に印加される電圧Vdcまた
はインバータ電流Idcを検出すれば、衣類の布がらみの
状態を検知することができることになる。
【0202】従って、第5の布がらみ検知方法は、上述
した原理に基づき、図49(a)に示すような1回の正
転または反転期間中の負荷トルク布がらみの時間変動の
ピーク−ピーク値ΔTp-p をPWM信号のオンデューテ
ィ比δの時間変動のピーク−ピーク値Δδp-p として図
49(b)に示すように検出し、該オンデューティ比の
ピーク−ピーク値Δδp-p の大きさにより布がらみの状
態を検知するものである。
【0203】第5の布がらみ検知方法の作用を図48に
示すフローチャートを参照して説明する。
【0204】図48において、ステップ14810〜1
4900に示す処理は上述した図41,42に示した第
1の布がらみ検知方法におけるステップ4110〜42
00の処理と同じである。すなわち、ステップ1489
0のチェックにおいてΔt時間が経過したことを検出し
た場合、この時のPWM信号のオンデューティ比δが最
大値か否かチェックする(ステップ14900)。そし
て、最大値である場合には、該オンデューティ比δを最
大値δmax として更新し、最大値でない場合には、ステ
ップ14920に進んで、最小値であるか否かをチェッ
クし、最小値の場合には、該オンデューティ比δを最小
値δmin として更新し(ステップ14930)、ステッ
プ14850に戻り、以上の処理を正転または反転期間
の間繰り返し、この期間における最大値δmax および最
小値δmin を検出する。
【0205】そして、正転または反転期間が終了する
と、ステップ14850からステップ14940に進
み、上述したように更新したオンデューティ比δの最大
値δmaxから最小値δmin を引いて、その差をΔδp-p
算出する。それから、この差Δδp-p を所定の基準値Δ
δp-prefと比較し(ステップ14950)。差Δδp-p
が基準値Δδp-prefより小さい場合に、布がらみがない
と判断して、ステップ14840に戻り、次の正転また
は反転サイクルを同様に実行する。
【0206】しかしながら、差Δδp-p が基準値Δδp-
prefより大きい場合には、布がらみがあると判断し、該
布がらみをほぐすようにほぐし洗いを行う(ステップ1
4960)。そして、全行程が終了していない場合に
は、ステップ14840に戻り、次の正転または反転サ
イクルを同様に実行する(ステップ14970)。な
お、ステップ14960におけるほぐし洗いは、例えば
パルセータ4を細かく正反転させること等により行うこ
とができる。
【0207】布がらみ検知の第6の方法について説明す
る。
【0208】第6の布がらみ検知方法は、上述した第5
の布がらみ検知方法において布量の差により布がらみが
生じた時の摩擦の時間変化の差を補正し得るように布量
に応じて前記基準値、すなわちオンデューティ比のピー
ク−ピーク値の基準値Δδp-prefを変更するようにした
ものである。具体的には、布量が多い程、布がらみが生
じた時の摩擦の時間変化が大きく、布量が少ない程、小
さいので、布量が多い場合には、前記基準値Δδp-pref
を大きく設定し、布量が少ない場合には、基準値Δδp-
prefを小さく設定するものである。
【0209】図50は、第6の布がらみ検知方法の手順
を示すフローチャートである。同図に示すフローチャー
トは、図48に示した第5の布がらみ検知方法において
ステップ14810と14820との間に上述した基準
値Δδp-prefを洗濯物の布量に応じて設定するステップ
14815を設けた点が異なるのみでその他の点は第5
の布がらみ検知方法と同じである。従って、その説明は
省略する。
【0210】布がらみ検知の第7の方法について説明す
る。
【0211】第7の布がらみ検知方法は、ブラシレスD
Cモータ5の1回の正転または反転期間中のトルクTの
時間変動の極値Text0,Text1,・・・Textiとし、そ
の差ΔTexti=|Texti−Texti-1|に基づいて布がら
み状態を検出するものである。
【0212】この差ΔTextiを検出するために、マイク
ロコンピュータ26はブラシレスDCモータ5の回転速
度を一定値nになるように制御した場合のPWM信号の
オンデューティ比δの時間変動を一定時間Δt毎に検出
し、その極値δext0,δext1,・・・δextiを演算す
る。そして、この差Δδexti=|δexti−δexti-1|を
算出する。この差を所定の基準値Δδextrefと比較し、
差が基準値Δδextrefに対して大きくなる場合の回数m
を計数し、この回数mが所定の基準回数kを越えた時に
布がらみ状態が生じていると判断するものである。
【0213】次に、図51,52に示すフローチャート
および図53を参照して、第7の布がらみ検知方法の手
順を説明する。なお、図51,52は飛び越し記号A,
Bで接続され、両図で一連の布がらみ検知処理を示して
いるものである。
【0214】図51,52において、ステップ1511
0〜15130に示す洗濯物の布量を検知し、所定水位
まで給水してから、ブラシレスDCモータ5の回転数n
を決定するまでの処理は上述した処理と同じであり、次
のステップ15140では、以下の処理で使用する各種
変数i,j,d1,d2,d3,mを0に初期化してい
る。
【0215】そして、変数を0にする初期化処理が終了
すると、ステップ15150において、マイクロコンピ
ュータ26は、モータ制御回路24にスタート信号、正
転または反転制御信号を与えるとともに、ブラシレスD
Cモータ5が一定の回転数nで回転し得るようなオンデ
ューティ比δのPWM信号をPWM発振器25からチョ
ッパ回路27、上アーム駆動回路21、インバータ回路
17を介してブラシレスDCモータ5に供給し、ブラシ
レスDCモータ5を正転または反転開始させる。
【0216】ブラシレスDCモータ5が正転または反転
開始すると、この期間が終了したか否かをチェックして
から(ステップ15170)、ブラシレスDCモータ5
の回転速度Nを検出し(ステップ15170)、該回転
速度Nが一定の回転数nに等しくなったか否かを判定す
る(ステップ15180)。回転速度が一定の回転数n
に等しくない場合には、マイクロコンピュータ26のP
WM信号のオンデューティ比δを変更して等しくなるよ
うに制御する(ステップ15190)。ブラシレスDC
モータ5の回転速度Nが一定の回転数nに等しくなる
と、Δt時間が経過したか否かをチェックし(ステップ
15200)、経過していない場合には、ステップ15
160に戻るが、経過している場合には、この時のPW
M信号のオンデューティ比δをδi として設定し(ステ
ップ15210)、このオンデューティ比δi を前記変
数のうちのd3とするとともに、d2をd1に移行し、
d3をd2に移行するというように1つずつずらす(ス
テップ15220)。
【0217】以上の処理により1回の正転または反転期
間中においてオンデューティ比δを一定時間Δt毎に並
べたδ0 ,δ1 ,・・・δi が変数d1,d2,d3と
して得られる。
【0218】そして、このようにして順次得られた一連
のオンデューティ比δに対して次式に示す計算を行い、
スムーシングされた新たなオンデューティ比列δthi を
得る(ステップ15230)。
【0219】δthi =(δi +δi-1 +δi-2 )/3 それから、この新たなオンデューティ比列δthi の差Δ
δi を次式のように計算する(ステップ15240)。
なお、この関係が図53(a)に示されている。
【0220】Δδi =δthi −δthi-1 この差Δδi を時間とともに連続して算出し、この一連
の差δi の隣接するもの同志の差を比較し(ステップ1
5250)、符号が変化したか否かをチェックする(ス
テップ15260)。そして、この符号が変化した時の
δthi を極値δext とし、時間の経過とともに一連の極
値δext0,δext1,・・・δextjを求める(ステップ1
5270)。図53(b)はこの一連の極値を示してい
る。
【0221】それから、一連の極値間のオンデューティ
比の差Δδextjを次式のように算出する(ステップ15
280)。
【0222】Δδextj=|δextj−δextj-1| そして、このオンデューティ比の差Δδextjが所定の基
準値Δδextrefより大きいか否かチェックし(ステップ
15290)、大きい時には、前記変数mを1増加する
(ステップ15300)。更に、変数iおよびjをそれ
ぞれ1インクリメントし(ステップ15310,153
20)、ステップ15160に戻る。
【0223】以上の動作を1回の正転または反転期間が
終了するまで行い、該期間が終了すると、前記変数mが
所定の基準値kより小さいか否かチェックする(ステッ
プ15330)。変数mが基準値より小さい場合には、
布がらみがないと判断し、ステップ15140に戻り、
次の正転または反転を同じように繰り返すが、変数mが
基準値kより大きい場合には、布がらみがあると判断
し、該布がらみをほぐすようにほぐし洗いを行う(ステ
ップ115340)。そして、全行程が終了していない
場合には、ステップ15140に戻り、次の正転または
反転処理を同様に繰り返す(ステップ15350)。
【0224】第8の布がらみ検知方法は、上述した第7
の布がらみ検知方法において布量の差により布がらみが
生じた時の摩擦の時間変化の差を補正し得るように布量
に応じて前記極値の時間列の差の基準値Δδextrefを変
更するようにしたものである。具体的には、布量が多い
程、布がらみが生じた時のΔδextjの変化が大きく、布
量が少ない程、小さいので、布量が多い場合には、前記
基準値Δδextrefを大きく設定し、布量が少ない場合に
は、基準値Δδextrefを小さく設定するものである。
【0225】上述した第5〜8の布がらみ検知方法は、
ブラシレスDCモータ5にかかる負荷トルクの変動を検
出するのに、ブラシレスDCモータ5に印加される電圧
を変化させるPWM信号のオンデューティ比δを利用し
ているが、このオンデューティ比δの代わりにブラシレ
スDCモータ5に流れるインバータ電流Idcを使用して
も、全く同様に行うことができる。
【0226】この場合、第5および第6の布がらみ検知
方法におけるPWM信号のオンデューティ比δの時間変
動のピーク−ピーク値Δδp-p は、インバータ電流Idc
の時間変動のピーク−ピーク値ΔIp-p となり、第7お
よび第8の布がらみ検知方法のPWM信号のオンデュー
ティ比δの時間変動の極値δextjは、インバータ電流I
dcの極値Iextjとなる。
【0227】布がらみ検知の第9の方法について説明す
る。
【0228】第9の布がらみ検知方法は、洗いまたはす
すぎ処理中の複数回の正転または反転の中において各正
転または反転期間中のトルクTの最大値Tmax の変動に
より布がらみを検知するものである。そして、このトル
クの最大値Tmax を検出するために、ブラシレスDCモ
ータ5の回転数を一定値nになるように制御した場合の
PWM信号のオンデューティ比δの最大値δmax を算出
し、各正転、反転毎の最大値δmax の時間列δmax1,δ
max2,・・・δmaxiを求める。そして、この最大値δma
xiの変動が大きい場合には、トルクの最大値Tmax の変
動も大きくなり、布がらみ状態も大きくなっていると判
断するものである。
【0229】次に、図54に示すフローチャートを参照
して、第9の布がらみ検知方法の手順を説明する。
【0230】図54において、ステップ15410〜1
5500の処理は図41に示した第1の布がらみ検知方
法のステップ4110〜4200と同じである。すなわ
ち、ステップ15490のチェックにおいてΔt時間が
経過したことを検出した場合、この時のPWM信号のオ
ンデューティ比δが最大値か否かをチェックする(ステ
ップ15500)。そして、最大値である場合には、該
オンデューティ比δを最大値δmax として保持し(ステ
ップ15510)、最大値でない場合には、ステップ1
5450に戻る。以上の処理を正転または反転期間の間
繰り返し、この期間におけるオンデューティ比δの最大
値δmax を求める。
【0231】そして、ステップ15450のチェックに
おいて正転または反転期間が終了すると、ブラシレスD
Cモータ5を停止し(ステップ15520)、ステップ
15510で求めた最大値δmax が最大値であるか否か
をチェックし(ステップ15530)、最大値の場合に
は、該最大値δmax を最大値の最大値δmax (MAX)
とする(ステップ15540)。また、ステップ155
30のチェックにおいて、最大値でない場合には、該最
大値δmax が最小値か否かチェックし(ステップ155
50)、最小値の場合には、該最大値δmax を最大値の
最小値δmax (MIN)とする(ステップ1556
0)。
【0232】それから、上述した最大値の最大値δmax
(MAX)および最大値の最小値δmax (MIN)の
差、すなわちδmax の変動の最大値である差Δδmax を
次式のように求める(ステップ15570)。
【0233】 Δδmax =δmax (MAX)−δmax (MIN) なお、図55は、この関係を示しているが、同図に示す
第4番目のオンデューティ比δの測定の結果、δmax
(MAX)=δmax3,δmax (MIN)=δmax4とな
り、その差δmax =δmax (MAX)−δmax (MI
N)となる。
【0234】そして、この差Δδmax を所定の基準値Δ
δmaxrefと比較し(ステップ15580)、差Δδmax
が基準値より大きい場合には、布がらみがあると判断し
て、布ほぐし洗いを行う(ステップ15590)。行程
終了であるか否か判断し(ステップ15600)、終了
でない場合には、前回の回転が正転か否かチェックし
(ステップ15610)、正転の場合には、反転を開始
し(ステップ15620)、また正転でない場合には、
正転を開始し(ステップ15630)、ステップ154
50に戻り、同じ処理を繰り返す。
【0235】第10の布がらみ検知方法は、第9の布が
らみ検知方法においてPWM信号のオンデューティ比δ
の代わりにインバータ電流Idcを使用するものである。
【0236】図56は、この第10の布がらみ検知方法
の作用を示すフローチャートであるが、この作用は、第
9の布がらみ検知方法の作用を示す図54のフローチャ
ートにおいてオンデューティ比δに対してインバータ電
流Idc、オンデューティ比δの最大値δmax に対してイ
ンバータ電流の最大値Imax 、オンデューティ比δの最
大値の最大値δmax (MAX)に対してインバータ電流
の最大値の最大値Imax (MAX)、オンデューティ比
δの最大値の最小値δmax (MIN)に対してインバー
タ電流Imax (MIN)、オンデューティ比δの最大値
の最大値δmax(MAX)および最大値の最小値δmax
(MIN)の差、すなわちδmax の変動の最大値である
差Δδmax に対してインバータ電流の最大値Imax の変
動の最大値である差ΔImax 、該差の基準値Δδmaxref
に対して差の基準値ΔImaxrefを使用している点が異な
るのみで、その他の作用は全く同じであるので説明は省
略する。なお、図57は、インバータ電流の最大値Ima
x を示している。
【0237】布がらみ検知の第11の方法について説明
する。
【0238】第11の布がらみ検知方法は、第9および
10の布がらみ検知方法がトルクの最大値Tmax を検出
するためにオンデューティ比δmax およびインバータ電
流Imax を利用していたのに対して、インバータ回路1
7を構成する上アームトランジスタU1,V1,W1お
よび下アームトランジスタU2,V2,W2が切り替わ
る瞬間に流れる回生電流Ir の最大値を利用するもので
ある。図57はこの回生電流Irmaxを示している。
【0239】具体的には、マイクロコンピュータ26が
ブラシレスDCモータ5を一定の回転数nで回転するよ
うに制御する場合において、各正転および反転毎におけ
る回生電流Ir を検出し、各正転、反転期間毎に回生電
流の最大値Irmaxを保持し、その時間列をIrmax1 ,I
rmax2 ,・・・Irmaxi ,・・・とする。そして、この
Irmaxi の変動が大きい場合には、トルクTmax の変動
も大きくなり、布がらみも大きくなっていると判断する
ものである。
【0240】第11の布がらみ検知方法の作用を図58
に示すフローチャートを参照して説明する。
【0241】図58において、ステップ16010〜1
6090の処理は図41に示した第1の布がらみ検知方
法のステップ4110〜4190と同じである。すなわ
ち、ステップ16090のチェックにおいてΔt時間が
経過したことを検出すると、この時の回生電流Ir が最
大値か否かをチェックする(ステップ16100)。そ
して、最大値である場合には、該回生電流Ir を最大値
Irmaxとして保持し(ステップ16110)、最大値で
ない場合には、ステップ16050に戻る。以上の処理
を正転または反転期間の間繰り返し、この期間における
回生電流Ir の最大値Irmaxを求める。
【0242】そして、ステップ16050のチェックに
おいて正転または反転期間が終了すると、ブラシレスD
Cモータ5を停止し(ステップ16120)、ステップ
16110で求めた最大値Irmaxが最大値であるか否か
をチェックし(ステップ16130)、最大値の場合に
は、該最大値Irmaxを最大値の最大値Irmax(MAX)
とする(ステップ16140)。また、ステップ161
30のチェックにおいて、最大値でない場合には、該最
大値Irmaxが最小値か否かチェックし(ステップ161
50)、最小値の場合には、該最大値Irmaxを最大値の
最小値Irmax(MIN)とする(ステップ1616
0)。
【0243】それから、上述した最大値の最大値Irmax
(MAX)および最大値の最小値Irmax(MIN)の
差、すなわちIrmaxの変動の最大値である差ΔIrmaxを
次式のように求める(ステップ16170)。
【0244】 ΔIrmax=Irmax(MAX)−Irmax(MIN) そして、この差ΔIrmaxを所定の基準値Ir δmaxrefと
比較し(ステップ16180)、差ΔIrmaxが基準値よ
り大きい場合には、布がらみがあると判断して、布ほぐ
し洗いを行う(ステップ16190)。行程終了である
か否か判断し(ステップ16200)、終了でない場合
には、前回の回転が正転か否かチェックし(ステップ1
6210)、正転の場合には、反転を開始し(ステップ
16220)、また正転でない場合には、正転を開始し
(ステップ16230)、ステップ16050に戻り、
同じ処理を繰り返す。
【0245】なお、上述した第9〜11の布がらみ検知
方法は、各基準値Δδmaxref、ΔImaxref、ΔIrmaxre
f を所定の一定値に固定しているが、これらの基準値を
布量に応じて変更し、布量の差により布がらみが生じた
時の摩擦の時間変化の差を補正し得るようにしてもよ
い。具体的には、布量が多い程、布がらみが生じた時の
摩擦の変動は大きく、布量が少ない程、小さいので、布
量が多い場合には、基準値を大きく設定し、布量が少な
い場合には、基準値を小さく設定するものである。
【0246】以上のようにして布がらみ検知処理および
布ほぐし処理(図7のステップ360,370)が完了
すると、次に布傷みが検知され(ステップ380)、布
傷みを低減するように水流が変更される(ステップ39
0)。
【0247】布傷み検知は、例えば布質が「しなやか」
な同じ布量の衣類を洗濯する場合に、弱い水流、すなわ
ち遅い回転数で行えば、衣類は傷まないが、強い水流、
すなわち速い回転数で行えば、衣類は傷むことになるの
で、布質および布量に応じた適切な回転数で洗濯してい
るかを判定することにより行い、適切でない場合には、
回転数を変更して水流を変更することにより制御して、
布傷みを防止している。
【0248】布傷み検知の第1の方法について、図47
に示すフローチャートを参照して説明する。
【0249】図59において、ステップ4710〜48
20までの布量検知、水位検知、布質検知、最終洗い水
位LWoの決定、ブラシレスDCモータ5の回転数nお
よび正反転時間trによる水流決定、最終洗い水位LW
oまでの給水、洗い工程は、上述した説明と同じである
ので省略する。
【0250】洗い工程が上述した各条件で開始されると
(ステップ4820)、一定時間が経過したことをチェ
ックしてから(ステップ4830)、洗濯物の負荷トル
クに対応する電圧Vdcを抵抗28からフィルタ30およ
びA/Dコンバータ29を介してマイクロコンピュータ
26に取り込む(ステップ4840)。
【0251】ところで、次の表11に示すように、布量
および布質の組み合せに対して最も布傷みの少ない洗い
方をした時の電圧Vdcijが予め実験で求められ、マイク
ロコンピュータ26のメモリにテーブルデータとして予
め記憶されている。
【0252】
【表11】 更に詳細には、洗濯物は上述したように決まった水流に
対応する回転数nで定速回転するパルセータ4によって
洗濯されるが、この回転数nで定速回転する場合のブラ
シレスDCモータ5にかかる負荷トルクは、布量が増大
する程、負荷トルクは増大し、布量が少ない程、負荷ト
ルクは低減し、また布質が「しなやか」から「ごわご
わ」になる程、負荷トルクは増大し、反対に布質が「ご
わごわ」から「しなやか」になる程、負荷トルクは低減
するというように洗濯物の布量および布質によって変わ
る。
【0253】従って、布質および布量によって最適な負
荷トルクが存在することになる。そして、この負荷トル
クは、上述したように、電圧、インバータ電流、オンデ
ューティ比等によって表わされ得るものであるので、負
荷トルクを電圧で表現すると、表11に示すように、布
質および布量によって最適な電圧Vdcが存在することに
なる。そこで、上述したステップ4840で示したよう
に、電圧Vdcを検出し、この検出した電圧が表11の予
め設定した最適電圧に対してどのように変化しているか
をチェックしようとするものである。
【0254】すなわち、次にステップ4850は、先に
行った布量検知および布質検知で検知した布量および布
質に対応する最適電圧Vdcijを、マイクロコンピュータ
26のメモリに記憶されている表11のデータテーブル
から読み取り、この読み取った最適電圧Vdcijをステッ
プ4840で取り込んだ電圧Vdcと比較し、次式に示す
ように両電圧の差が所定の差電圧dVより大きいか否か
をチェックする。
【0255】Vdcij−Vdc>dV 両電圧の差がdVよりも大きい場合、すなわち布量およ
び布質検知で求めた布量および布質に対する最適電圧V
dcijが検出電圧Vdcよりも大きすぎるということになる
が、これは、布量布質検知で求めた布量および布質が正
しく検知されていないということになり、例えば布質で
言えば、「ごわごわ」の方にずれていたと判定され得る
ので、ステップ4870に進んで、回転数nを小さくす
るように制御する。
【0256】すなわち、このように「ごわごわ」の方に
ずれていたということは、実際の布質は「ごわごわ」よ
りも「しなやか」寄りの布質であるにも関わらず、「ご
わごわ」に対応する強い水流、すなわち速い回転数で
「しなやか」寄りの衣類を洗濯していたことになるの
で、衣類は傷み易くなる。従って、このような場合に
は、上述したように回転数nを小さくするように制御
し、衣類の傷みを防止しているものである。
【0257】ステップ4850のチェックにおいて、両
電圧の差が所定の差電圧dVより大きくない場合には、
検出電圧Vdcから最適電圧Vdcijを引いた差電圧が所定
の差電圧dVより大きいか否かを次式のようにチェック
する(ステップ4860)。
【0258】Vdc−Vdcij>dV 両電圧の差がdVよりも大きい場合、すなわち布量およ
び布質検知で求めた布量および布質に対する最適電圧V
dcijが検出電圧Vdcよりも小さすぎるということになる
が、これは、布量布質検知で求めた布量および布質が正
しく検知されていないということになり、例えば布質で
言えば、「しなやか」の方にずれていたと判定され得る
ので、ステップ4880に進んで、回転数nを大きくす
るように制御する。
【0259】なお、上述した2つの式は、両電圧の差
(Vdci(i-j)−Vdc)が所定の差電圧dV以内にあるか
否かをチェックし、この差電圧dV以内にない場合に
は、回転数nを制御し、これにより布質に合った最適な
回転数n、すなわち水流で洗濯を行おうとするものであ
る。
【0260】−dV<Vdci(j-1)−Vdc<dV 上述したように回転数nを増減制御した後は(ステップ
4870,4880)、設定された洗い運転時間が経過
したか否かをチェックし(ステップ4890)、経過し
ていない場合には、ステップ4830に戻って、一定時
間後に同様に処理を繰り返し行い、その都度最適な水流
に変更しながら洗濯を行い、洗濯を終了すると、排水を
行って(ステップ4900)、洗い工程を終了する。
【0261】布傷み検知の第2の方法は、第1の布傷み
検知方法における電圧の代わりに、ブラシレスDCモー
タ5が所定の目標回転数nに到達するまでの時間tωを
使用する点が異なるのみである。
【0262】第2の布傷み検知方法に使用される表11
に同様なデータテーブルを次の表12に示し、第2の布
傷み検知方法の手順を図60に示す。この図60の処理
は、図59において電圧Vdc,Vdcij,dVの代わり
に、時間tω,tωij,dtωをそれぞれ使用した点が
異なるものであるので説明は省略する。
【0263】
【表12】 布傷み検知の第3の方法は、第1の布傷み検知方法にお
ける電圧の代わりに、ブラシレスDCモータ5の回転開
始時からある所定の時間までにおける回転数の変化dω
を使用する点が異なるのみである。
【0264】第3の布傷み検知方法に使用される表11
に同様なデータテーブルを次の表13に示し、第3の布
傷み検知方法の手順を図61に示す。この図61の処理
は、図59において電圧Vdc,Vdcij,dVの代わり
に、回転数の変化dω,dωij,ddωをそれぞれ使用
した点が異なるものであるので説明は省略する。
【0265】
【表13】 以上のようにして布傷み検知および布ほぐし処理(図7
のステップ380,390)が完了すると、次にステッ
プ310で設定された洗い運転時間が経過したか否かを
チェックし(ステップ400)、経過している場合に
は、排水処理を行う(ステップ410)。
【0266】排水処理は、脱水槽3および洗濯槽2内の
水が完全になくなることを検知し、それから脱水処理を
行う必要があるので、図7のステップ410から図8の
ステップ420に進んで、排水中の水位検知動作を行
う。そして、この水位検知では、まず、排水の水位が脱
水槽3の底面に到達したか否かがチェックされる(ステ
ップ430)。
【0267】排水の水位が脱水槽3の底面に到達したこ
との判定は、脱水槽3を排水開始から低速で正転または
反転方向に連続または断続的に回転させながら、ブラシ
レスDCモータ5の負荷トルクを検知し、水位が脱水槽
3の底面より下がった時に、ブラシレスDCモータ5の
負荷トルクが大きく変化することを識別することによ
り、水位が脱水槽3の底面に到達したことを検出して行
うことができる。
【0268】なお、この脱水槽3の底面までの排水処理
において、脱水槽3内に給水されている最終洗い水位L
Wo、すなわち最終洗い水量Woおよび脱水槽3の底面
までの水位dWまたは水量Wは前述したようにわかって
いるので、マイクロコンピュータ26の制御により排水
弁86を開放してから、上述したように水位が脱水槽3
の底部に到達するまでの時間th1をマイクロコンピュ
ータ26で計数し、最終洗い水量Woから脱水槽3の底
面までの水量Wを引いた水量(Wo−W)を前記時間t
h1で次式のように割ることにより排水速度Shを求め
ることができる。
【0269】Sh=(Wo−W)/th1 上述したように、排水を行ったが、例えば3分30秒経
過しても、水位が脱水槽3の底面に到達したことを検知
し得ない場合には、例えば排水弁や排水ホースのつまり
等が考えられるので、異常状態を報知する(ステップ4
40,450)。
【0270】排水の水位が脱水槽3の底面まで低下した
ことを検知すると、次に脱水槽3の底面以下に残った水
を排水する(ステップ460)。これは、脱水槽3の底
面以下の残りの水量Wは上述したように洗濯機の設計か
らわかっているので、次式に示すように、この残り水量
Wを上式の排水速度Shで割ることにより、残り水量の
排水時間trhが算出されるので、この排水時間trh
の一定排水処理が行われる。
【0271】trh=(W1/Sh)×Ch ここで、Chは排水時間の補正係数である。
【0272】排水時には、洗濯物には洗濯液が含まれた
状態で排水されるので、給水時に定めた水量よりも排推
量の量が少なくなる。ところが、脱水槽3の底面以下の
水位では、給水時と同量の水量となるので、水位の時間
変化から求めた排水速度Shに基づいて算出した排水水
量では排水が不十分となるため、上式のように排水時間
補正係数Chで補正しているのである。また、排水速度
は水位に依存し、脱水槽3の底面以下の低い水位では排
水速度が小さくなるので、この分の補正も前記補正係数
には含まれている。
【0273】脱水槽3の底面以下に残っていた洗濯槽2
内の水が排水されると、次に第1脱水処理が開始される
(ステップ470)。
【0274】脱水処理では、排水終了時の洗濯物の片寄
り具合いによって振動が生じ、脱水槽3の回転数が上が
らなくなって、脱水ができない状態、所謂アンバランス
状態が発生するので、このアンバランス状態を例えば機
械的なスイッチを用いた検出手段で検出する(ステップ
480)。そして、アンバランス状態がある場合には、
例えば脱水処理を中断して再給水および再排水を行う等
によりアンバランスを修正する(ステップ500)。な
お、このようなアンバランス修正を3回行ってもアンバ
ランスを修正できない場合には、異常状態として報知す
る(ステップ490,510)。
【0275】アンバランスがない場合、またはアンバラ
ンスが修正されてなくなると、次に脱水処理中において
脱水率検知が行われ、ステップ310で設定された目標
脱水率が達成されるまで、脱水処理を行う(ステップ5
20,530)。
【0276】脱水率検知は、脱水に伴って衣類に含有さ
れている水分が低減することによって濡れた衣類の入っ
た脱水槽3の慣性モーメントが低減変化することを利用
して行うものであるが、具体的には慣性モーメントの変
化から目標脱水率に至るまでの脱水時間を布量および布
質の組み合せに対して予め求めておいて、データテーブ
ルとしてマイクロコンピュータ26のメモリに記憶して
おき、脱水処理をこの脱水時間行うことにより目標脱水
率を達成するようになっている。
【0277】なお、慣性モーメントは、これを直接検出
するのでなく、マイクロコンピュータ26によって制御
される次に示す第1〜第4の制御変数を慣性モーメント
の代替として検出している。
【0278】第1の制御変数は、ブラシレスDCモータ
5が一定回転速度を維持するように回転する時のブラシ
レスDCモータ5にかかる電圧、すなわちPWM信号の
オンデューティ比、またはこのオンデューティ比の変化
に伴うインバータ電流である。
【0279】第2の制御変数は、ブラシレスDCモータ
5に一定電圧を印加した時、すなわちPWM信号のオン
デューティ比を一定とした時の回転速度である。
【0280】第3の制御変数は、ブラシレスDCモータ
5に一定電圧を印加した時、すなわちPWM信号のオン
デューティ比を一定にして起動した時に、ブラシレスD
Cモータ5がある一定回転速度に到達するまでの時間で
ある。
【0281】第4の制御変数は、ブラシレスDCモータ
5をある一定回転速度から別の回転速度に遷移させる時
のブラシレスDCモータ5に印加される電圧、すなわち
PWM信号のオンデューティ比である。
【0282】次に、脱水率検知の種々の方法について説
明する。
【0283】脱水率検知の第1の方法は、脱水前に検出
した衣類の布量および布質から、一定の回転数nで回転
しながら脱水している時の慣性モーメントの変化、すな
わち衣類の脱水状態の変化を推定して、脱水時間を決
め、衣類の脱水率を制御するものである。衣類の布量が
同じである条件のもとで脱水処理中の衣類に含有されて
いる水分の減少の仕方を比較すると、化繊等のしなやか
な布質のものが綿等のごわごわな布質のものよりも早い
ことがわかる。
【0284】図62は、布質をパラメータとして変えた
場合の脱水時間に対する慣性モーメントの変化を示すグ
ラフであり、図63は、図62と同様な特性を慣性モー
メントに伴って変化するPWM信号のオンデューティ比
δの変化を脱水時間に対して示すグラフである。
【0285】図64は、同じ布質の場合において布量を
パラメータとして変えた場合の脱水時間に対する慣性モ
ーメントの変化を示すグラフであり、図65は、図64
と同様な特性を慣性モーメントに伴って変化するPWM
信号のオンデューティ比δの変化を脱水時間に対して示
すグラフである。
【0286】図62ないし65のグラフから、慣性モー
メントまたはPWM信号のオンデューティ比δは脱水時
間が長くなるに従って低減することがわかる。従って、
このような慣性モーメントの曲線、具体的にはPWM信
号のオンデューティ比δの曲線を布量および布質の組み
合せに対して予めデータテーブルとしてマイクロコンピ
ュータ26のメモリに記憶しておくことにより、一定時
間後の慣性モーメント、すなわち脱水状態を知ることが
できる。すなわち、脱水前の衣類の布質および布量から
どの程度の時間t脱水すれば、どの程度の脱水率になる
かがわかる。
【0287】次に示す表14は、同じ脱水率になる場合
の布量および布質の組み合せに対する時間の大小を示す
表である。
【0288】
【表14】 この表14から、布量が少なく、布質が化繊等のように
しなやかな場合には、同じ脱水率になるまでの時間は小
さく、布量が多く、布質が綿等のようにごわごわの場合
には、時間が大きいことがわかる。
【0289】次に、図66に示すフローチャートを参照
して、第1の脱水率検知方法の手順を説明する。
【0290】図66において、ステップ5410ないし
5430までの処理である布量検知、布質検知、脱水率
決定は上述した処理と同じである。次のステップ544
0では、布量検知および布質検知で得られた布量および
布質に対応するPWM信号のオンデューティ比の曲線を
図62〜65で示したような曲線の中から選択する。
【0291】このように選択されたオンデューティ比の
曲線から、設定された目標脱水率になるまでの目標時間
tをデータテーブルから決定する(ステップ545
0)。そして、脱水槽3を一定回転数nで回転させて脱
水処理を目標時間t経過するまで行う(ステップ546
0,5470)。脱水時間tが経過すると、脱水槽3内
の衣類は目標脱水率まで脱水されているので、脱水槽3
の回転を停止する(ステップ5480)。
【0292】脱水検知の第2の方法は、衣類の布量およ
び布質に基づいて、脱水開始から計数して前記目標脱水
時間tより短い脱水時間Δtを予め決定し、この脱水時
間Δt後における慣性モーメントを調べて、脱水状態を
判断し、その後の脱水時間を補正するものである。次に
示す表14は、前記短い脱水時間を布量および布質の組
み合せに対して示す表である。なお、慣性モーメント
は、上述した第1の制御変数のように一定回転数nの場
合のPWM信号のオンデューティ比δとして得ることが
できる。
【0293】
【表15】 次に、第2の脱水率検知方法の手順を図67に示すフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0294】図67において、ステップ5510ないし
5530までの処理である布量検知、布質検知、脱水率
決定は上述した処理と同じである。次のステップ554
0では、布量検知および布質検知で得られた布量および
布質に基づいて、PWM信号のオンデューティ比δの曲
線を図62〜65で示したような曲線の中から検出し、
前記短い脱水時間Δtを設定する。
【0295】次に、オンデューティ比曲線から前記短い
脱水時間Δt後におけるオンデューティ比δt を決定す
る(ステップ5550)。そして脱水槽3を一定回転数
nで回転させて脱水処理を前記短い脱水時間Δt経過す
るまで一旦行う(ステップ5560,5570)。この
短い脱水時間Δtの経過後、オンデューティ比δを検出
し(ステップ5580)、このオンデューティ比δとス
テップ5550で決定したオンデューティ比δt との差
Δδを算出する(ステップ5590)。
【0296】それから、この差Δδが基準値δref より
大きいか否かチェックし(ステップ5600)、大きい
場合には、まだ脱水されていない水分が予定よりも多目
に含まれていると判断し得るので、脱水終了時間tを大
きく設定し(ステップ5610)、この脱水終了時間t
の経過後、脱水槽3の回転を停止する(ステップ563
0,5640)。また、ステップ5600のチェックに
おいて、差Δδが基準値δref よりも大きくない場合に
は、脱水終了時間tを短く設定し(ステップ562
0)、この脱水終了時間tの経過後、脱水槽3の回転を
停止する(ステップ5630,5640)。
【0297】脱水率検知の第3の方法は、第2の方法と
同様に短い脱水時間Δt後に、前述した第2の制御変数
として示したように、PWM信号のオンデューティ比δ
を一定時間、一定に制御し、この時のブラシレスDCモ
ータ5の回転数no と予め設定しておいたデータテーブ
ルの回転数nt とから、その後の脱水時間を補正する方
法である。
【0298】図68(a),(b)は、上述した第3の
脱水率検知方法における脱水時間とオンデューティ比δ
および回転数nの関係をそれぞれ示す図である。同図に
示すように、Δt時間経過時にオンデューティ比δを一
定に制御すると、回転数は低減する。そして、この場合
の回転数の低減速度は、図68(b)において点線で示
すように脱水率の低い方が早く低減し、実線のように脱
水率が高い方が遅い。
【0299】脱水率検知の第4の方法は、ブラシレスD
Cモータ5の回転を一旦停止した後に、前述した第3の
制御変数として示したように、PWM信号のオンデュー
ティ比δを一定にして、ブラシレスDCモータ5を再起
動した時に、ブラシレスDCモータ5の回転数が一定の
回転数nになるまでの時間tc を利用するものである。
【0300】図69は、上述した第4の方法における脱
水時間とブラシレスDCモータ5の回転数の関係を示す
図である。同図に示すように、時刻t01でブラシレスD
Cモータ5を一旦停止した後、一定のオンデューティ比
でブラシレスDCモータ5を再起動し、ブラシレスDC
モータ5の回転数が一定の回転数nに達するまでの時間
tc を測定する。この時間tc は同図において点線で示
すように脱水率が低い方が長くなり、実線で示すように
脱水率が高い方が短くなる。
【0301】脱水率検知の第5の方法は、脱水回転中の
ブラシレスDCモータ5の回転数nをある時刻において
回転数nから回転数n+Δnに変化させ、この時のオン
デューティ比の変化Δδを利用する方法である。
【0302】図70(a),(b)は、第5の方法にお
ける脱水時間とブラシレスDCモータ5の回転数および
オンデューティ比をそれぞれ示す図である。同図(a)
に示すように、ブラシレスDCモータ5の回転数nを途
中で回転数n+Δnに変化させると、オンデューティ比
は同図(b)に示すようにΔδに変化するが、この変化
は脱水率によって変わるものであるので、この変化を利
用することにより脱水率を検知することができる。
【0303】脱水率検知の第6の方法は、脱水開始直後
の慣性モーメントをオンデューティ比δo として検出す
るとともに、脱水を行ってから一定時間毎に慣性モーメ
ントをオンデューティ比δt として検出し、両者の比d
を基準値dref を比較し、この比較結果から脱水の終了
を決定するものである。
【0304】第6の脱水率検知方法の手順を図71に示
すフローチャートを参照して説明する。
【0305】図71において、ステップ5910および
5920に示す処理は上述した布量検知および布質検知
処理と同じである。次のステップ5930において、布
量、布質および設定された目標脱水率から前記基準値d
ref を決定する。そして、脱水槽3を一定回転数nで回
転開始し、この直後のオンデューティ比δo を慣性モー
メントとして検出する(ステップ5940,595
0)。
【0306】次に、脱水槽3の回転開始から前記短い脱
水時間Δtの経過後、オンデューティ比δt を検出し、
このオンデューティ比δt と前記回転開始直後のオンデ
ューティ比δo の比dを計算する(ステップ5960〜
5980)。そして、この比dが前記基準値dref より
小さいか否かチェックし(ステップ5990)、小さく
ない場合には、ステップ5960に戻って、同じ処理を
繰り返し、小さくなった場合に、脱水槽3の回転を停止
する(ステップ6000)。
【0307】なお、上記第6の脱水率検知方法は、慣性
モーメントとして前記第1の制御変数を利用している
が、前述した他の制御変数を利用してもよい。
【0308】脱水率検知の第7の方法は、ブラシレスD
Cモータ5を起動して、その回転数が一定の回転数nに
なるようにマイクロコンピュータ26によってPWM信
号のオンデューティ比を制御し、ブラシレスDCモータ
5の回転数が前記一定の回転数nに達した直後のオンデ
ューティ比δo と、一定時間Δt毎のオンデューティ比
δt とを比較し、両者の比から前記第6の脱水率検知方
法と同様に脱水処理を行う方法である。
【0309】図72は、上述した第7の脱水率検知方法
における脱水率時間とオンデューティ比との関係を示す
図である。同図において、時刻t01においてブラシレス
DCモータ5の回転数が一定の回転数nに達した時のオ
ンデューティ比はδo となり、この時刻t01から一定時
間Δt経過した時刻t2 におけるオンデューティ比はδ
t となる。両オンデューティ比の比d=δt /δo を算
出し、この比dが基準値dref より小さくなるまで脱水
を行う。
【0310】この基準値dref は、要求されている脱水
率により異なるように設定することにより、すなわち高
い脱水率を要求する場合には、基準値は小さく設定し、
低い脱水率を要求する場合には、大きく設定することに
より、種々の脱水率での脱水が可能となる。なお、オン
デューティ比δの代わりに、インバータ電流を使用して
もよい。
【0311】脱水率検知の第8の方法は、脱水開始直後
の慣性モーメントをオンデューティ比δo として検出
し、脱水を行ってから一定時間Δt経過した後の慣性モ
ーメントをオンデューティ比δt として検出し、両者の
比dを基準値dref を比較し、この比較結果から脱水の
終了を決定するものである。
【0312】第7の脱水検知方法の手順を図73に示す
フローチャートを参照して説明する。
【0313】図73において、ステップ6110および
6120に示す処理は上述した布量検知および布質検知
処理と同じである。次のステップ6130において、布
量、布質および設定された目標脱水率から前記基準値d
ref を決定する。そして、脱水槽3を一定回転数nで回
転開始し、この直後のオンデューティ比δo を慣性モー
メントとして検出する(ステップ6140,615
0)。
【0314】次に、脱水槽3の回転開始から前記短い脱
水時間Δtの経過後、オンデューティ比δt を検出し、
このオンデューティ比δt を前記回転開始直後のオンデ
ューティ比δo の比dを計算する(ステップ6160〜
6180)。そして、この比dが前記基準値dref 以下
であるか否かチェックし(ステップ6190)、以下で
ない場合には、前記比dおよび基準値dref から残りの
脱水時間tを決定し(ステップ6200)、この時間t
経過後に脱水槽3の回転を停止する(ステップ621
0,6230)。また、ステップ6190のチェックに
おいて、比dが基準値dref 以下である場合には、脱水
槽3の回転を停止する(ステップ6230)。
【0315】前記ステップ6200における残り時間の
設定は、比dが基準値dref に近い場合には、残り時間
tを小さく設定し、そうでない場合には、大きく設定す
る。なお、第6の方法と同様に、基準値dref を要求さ
れている脱水率によって異なるように設定することによ
り、種々の脱水率で脱水を行うことができる。
【0316】また、脱水開始直後の慣性モーメントとΔ
t時間経過後の慣性モーメントを検出するのに、上述し
たオンデューティ比またはインバータ電流の代わりに前
述した第2〜第4の制御変数を利用することができるこ
とは勿論のことである。
【0317】第8の脱水率検知方法は、脱水処理中のブ
ラシレスDCモータ5のトルクの時間変化を検出すると
ともに、布量および布質の組み合せに対して予め設定し
ておいたデータテーブルから前記トルクの変化に対応す
る適正な脱水率を達成するための脱水時間を補正する方
法である。なお、この場合には、目標脱水率に達する脱
水時間をデータテーブルから求める。
【0318】第9の脱水率検知方法は、ブラシレスDC
モータ5を一定のトルク、すなわち一定の電圧または電
流で制御した場合に同じ布量の洗濯物であれば含有水分
が多い程負荷トルクが大きいので、ブラシレスDCモー
タ5の回転数は大きくなり、逆に含有水分が少ない程負
荷トルクが小さいので、ブラシレスDCモータ5の回転
数は小さくなることを利用し、脱水開始直後の回転数と
脱水後の回転数との回転数差Δnから脱水率を検知する
ものである。
【0319】回転数差Δnは、脱水された水分の量にほ
ぼ比例するので、回転数差Δnが大きい程、脱水率は大
きく、回転数差Δnが小さい程、脱水率は小さい。従っ
て、脱水前と脱水後の同一トルク制御した場合の回転数
nの変化から脱水率を推定することができる。脱水率を
検知することにより、十分脱水できるまで脱水処理を行
ったり、過度に脱水すると、しわになる衣類の脱水し過
ぎを防止することができる。
【0320】第10の脱水率検知方法は、洗濯前の布量
と脱水終了後の布量の重さとの比較により脱水率を検知
する方法である。そして、脱水後の布量の重さの測定を
ブラシレスDCモータ5にかかるトルクから行うことが
できるともとに、このトルク測定においては、脱水後に
ブラシレスDCモータ5の回転を停止し、それから一方
向に回転させ、次に逆方向に回転させようとした時のト
ルクから測定することができる。
【0321】第11の脱水率検知方法は、洗濯前の布量
と脱水中または脱水終了後の布量の重さとの比較により
脱水率を検知する方法である。そして、脱水中または脱
水後の布量の重さの測定をブラシレスDCモータ5にか
かるトルクから行うことができるとともに、このトルク
測定においては、脱水中または脱水後にブラシレスDC
モータ5の回転速度を変化させた時に発生するトルク変
動を検知することにより行うものである。
【0322】第12の脱水率検知方法は、ブラシレスD
Cモータ5を一定トルク、すなわち一定電流制御した場
合の慣性モーメントの変化に基づいて脱水率を検知する
方法である。
【0323】更に詳しくは、ブラシレスDCモータ5の
トルクTと角加速度βとの関係は回転させようとするも
ののモーメントをIとすると、T=Iβとなる。従っ
て、トルクTを一定とすると、モーメントIが大きい
と、角加速度βは小さくなり、モーメントIが小さい
と、角加速度βは大きくなる。これは、モーメントIが
大きい程、角加速度βは小さくなり、ある一定角速度ω
に達するまでの時間tが大きくなることを意味する。
【0324】従って、脱水された水分の低減した衣類の
脱水後のモーメントIe は脱水前のモーメントIs より
も小さく、その変化は脱水された水分の量に比例する。
すなわち、Ie-Is が大きいと、脱水された水分の量が
多く、脱水率が大きいということになる。
【0325】従って、ブラシレスDCモータ5を一定ト
ルク、すなわち一定電流で起動した時、予め設定されて
いる回転数に達するまでの時間を脱水前と脱水後で測定
し、その変化から脱水率を推定することができる。
【0326】第13の脱水率検知方法は、脱水前と脱水
後の慣性モーメントの差を利用して脱水率を検知する方
法である。すなわち、脱水後の衣類の慣性モーメントは
脱水後の衣類の慣性モーメントより小さいはずであるの
で、慣性モーメントの変化は衣類に含有されている水分
の変化量、すなわち脱水率の角変化に比例する。また、
ブラシレスDCモータ5の起動トルクはモーメントに比
例するので、脱水前の起動トルクと脱水後の起動トルク
との差からモーメントの変化、すなわち脱水率の変化を
推定する。例えば、ブラシレスDCモータ5の回転数n
が一定の場合の起動時のトルクのピークを比較し、両者
の差が大きい程、脱水率が大きく、また脱水後の起動ト
ルクに対する脱水前の起動トルクの比が大きい程、脱水
率は小さいと判定し得る。
【0327】第14の脱水率検知方法は、ブラシレスD
Cモータ5を一定回転数で回転した場合の脱水前のブラ
シレスDCモータ5にかかるトルクと脱水後のトルクの
変化から脱水率を検知する方法である。ブラシレスDC
モータ5が一定回転数で回転する場合、脱水前のトルク
は脱水後のトルクよりも大きいので、このトルクの変化
は脱水された水分の量が大きい程大きくなる。すなわ
ち、トルクの変化が大きい場合に、脱水率は大きく、ト
ルクの変化が小さい場合には、脱水率は小さい。従っ
て、脱水前と脱水後の同一回転数におけるトルクの変化
から脱水率を推定することができる。
【0328】第15の脱水率検知方法は、ある時間間隔
で慣性モーメントの差dIを求め、この差dIと布量お
よび布質データから残りの脱水時間を決定し、目標脱水
率を達成するものである。
【0329】更に詳細には、前記慣性モーメントの差d
Iを所定の基準値dI1と比較し、この基準値以下の場
合には、予め求められてマイクロコンピュータ26のメ
モリに記憶されている次の表16から布量および布質の
組み合せに対する残り脱水時間taij を決定し、この残
り脱水時間脱水を行う。
【0330】
【表16】 残りの脱水時間は目標脱水率で変わるが、一般に洗い処
理終了時および第1すすぎ処理終了時の目標脱水率は第
2すすぎ処理終了時の目標脱水率よりも低いので、次に
示す表17,18のように複数の表を設けておいて適宜
使用する。
【0331】
【表17】
【表18】 表17は、差dIが基準値dI1とdI2との間にある
場合に使用され、表18は、差dIが基準値dI2以上
の場合に使用される。例えば、布量が少量で、布質が標
準で、差dIが基準値dI1とdI2との間の場合に
は、残り時間tb12 だけ脱水を継続し、これにより目標
脱水率までの脱水を完了する。
【0332】以上のようにして、目標脱水率までの脱水
処理が完了すると、図8のステップ540に進んで、次
の第1すすぎ処理のための給水を開始し、水位検知を行
いながら(ステップ550)、洗い処理と同様に布量と
布質から決定された最終洗い水位LWoまで給水する
(ステップ560)。
【0333】最終洗い水位LWoまで給水すると、第1
すすぎ処理を開始する(ステップ570)。第1すすぎ
処理は、洗い処理と同様に、布がらみ検知、布ほぐし制
御、布傷み検知、布傷み防止制御を行いながら、最適水
流で設定時間行われる(ステップ580〜620)。
【0334】第1すすぎ処理が完了すると、排水処理を
行う(ステップ630)。この排水処理は、ステップ4
10〜460と同様に水位検知等を行いながら、行われ
る(図9のステップ640〜680)。
【0335】第1すすぎ処理が完了すると、第2脱水処
理を開始する(ステップ690)。第2脱水処理も、第
1脱水処理と同様に、アンバランス検知、アンバランス
修正を行いながら、目標脱水率まで行う(ステップ70
0〜750)。
【0336】第1脱水処理において目標脱水率まで脱水
が完了すると、次の第2すすぎ処理のための給水を開始
し(ステップ760)、水位検知を行いながら(ステッ
プ770)、洗い処理と同様に布量と布質から決定され
た最終洗い水位LWoまで給水する(ステップ78
0)。
【0337】最終洗い水位LWoまで給水すると、第2
すすぎ処理を開始する(ステップ790)。第2すすぎ
処理も、洗い処理や第1すすぎ処理と同様に、布がらみ
検知、布ほぐし制御、布傷み検知、布傷み防止制御を行
いながら、最適水流で設定時間行われる(ステップ80
0〜840)。
【0338】第2すすぎ処理が完了すると、排水処理を
行う(ステップ850)。この排水処理は、ステップ4
10〜460と同様に水位検知等を行いながら、行われ
る(図10のステップ860〜900)。
【0339】第2すすぎ処理が完了すると、最終脱水処
理を開始する(ステップ910)。最終脱水処理も、第
1,2脱水処理と同様に、アンバランス検知、アンバラ
ンス修正を行いながら、目標脱水率まで行い、これによ
りすべての処理が終了する(ステップ920〜97
0)。
【0340】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
脱水槽を正転および反転させた場合の正転方向の負荷ト
ルクおよび反転方向の負荷トルクを検出し、この両負荷
トルクとの差を算出し、この差が所定の値より大きい場
合、布がらみがあると判定し、布がらみをほぐすほぐし
動作を行ったり、または脱水槽を一定の回転速度で回転
させた場合の負荷トルクを検出し、この検出した負荷ト
ルクにおける変動を検出し、該変動が所定の変動値より
大きい場合、布がらみがあると判定し、布がらみをほぐ
すほぐし動作を行うので、洗濯物の布がらみを適確に検
知して、布ほぐしを行うことができ、洗濯またはすすぎ
を布がらみなく十分かつ完全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる洗濯機の内部構造を
示す部分断面図である。
【図2】図1に示す洗濯機に使用されている機構部の内
部構造を示す斜視図である。
【図3】図2に示す機構部の作用を示す断面図である。
【図4】図1に示す洗濯機の動作を制御する回路部の構
成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す回路部に使用されている駆動回路の
回路図である。
【図6】図1に示す洗濯機の全体の概略的作用を示すフ
ローチャートである。
【図7】図1に示す洗濯機の全体の動作を更に詳細に示
すフローチャートの最初の一部である。
【図8】図1に示す洗濯機の全体の動作を更に詳細に示
すフローチャートの図7に続く一部である。
【図9】図1に示す洗濯機の全体の動作を更に詳細に示
すフローチャートの図8に続く一部である。
【図10】図1に示す洗濯機の全体の動作を更に詳細に
示すフローチャートの図9に続く最後の一部である。
【図11】第1の布量検知方法における時間と回転速度
との関係を示すグラフである。
【図12】第1の布量検知方法の手順を詳細に示すフロ
ーチャートである。
【図13】第2の布量検知方法を実施するのに使用し得
るように図5に示す駆動回路を一部変形した回路図であ
る。
【図14】第2の布量検知方法においてブラシレスDC
モータの巻線に誘起される起電力によって流れる電流を
矢印で示した図13の回路の一部を示す回路図である。
【図15】第2の布量検知方法における時間と電流の変
化を示すグラフである。
【図16】第2の布量検知方法の手順を詳細に示すフロ
ーチャートである。
【図17】第3の布量検知方法において時刻t01でブラ
シレスDCモータを逆方向に回転させた場合のブラシレ
スDCモータ5に流れる電流を時間に対して示したグラ
フである。
【図18】第3の布量検知方法においてブラシレスDC
モータを逆回転させる場合のブラシレスDCモータの巻
線に流す電流の方向および順序を説明するための図であ
る。
【図19】第3の布量検知方法の手順を詳細に示すフロ
ーチャートである。
【図20】布質、パルセータに加わる抵抗およびブラシ
レスDCモータのトルクの関係を示す図である。
【図21】第1の布質検知方法の手順を示すフローチャ
ートである。
【図22】ブラシレスDCモータに印加される電圧と起
動トルクとの関係を示すグラフである。
【図23】布量検知で検知された布量、起動トルクおよ
び布質の関係を示す図である。
【図24】第1の布質検知方法における布量、起動トル
クおよび布質の関係から作成されたデータテーブルを示
す図である。
【図25】図24に示す起動トルクの代わりにブラシレ
スDCモータの電圧を用いて、図22および図23に基
づいて布量、電圧および布質の関係を示す図24に類似
したデータテーブルである。
【図26】第2の布質検知方法における起動電流と起動
トルクとの関係を示すグラフである。
【図27】第2の布質検知方法の手順を示すフローチャ
ートである。
【図28】図24に示すデータテーブルと図26に示す
起動トルクと起動電流の関係を示す図とから布量、起動
電流および布質の関係を示すデータテーブルである。
【図29】第3の布質検知方法の手順を示すフローチャ
ートである。
【図30】第3の布質検知方法におけるトルクと回転数
との関係を示すグラフである。
【図31】第4の布質検知方法の手順を示すフローチャ
ートである。
【図32】第4の布質検知方法における時間、布量、布
質の関係を示す図である。
【図33】第4の布質検知方法における時間、布量、布
質の関係を示すデータテーブルである。
【図34】水位が脱水槽の底面に達した場合に急激に増
大するオンデューティ比δを示す図である。
【図35】給水速度と給水量との関係を利用して、給水
処理および該給水処理に対する水位検知の手順を示すフ
ローチャートである。
【図36】脱水槽の水位と負荷トルクの関係を示すグラ
フである。
【図37】水位の変化に対するオンデューティ比δを示
す図である。
【図38】水位の変化に対するブラシレスDCモータ5
の回転速度nを示す図である。
【図39】第5の水位検知方法における水位と時間との
関係を示す図である。
【図40】ブラシレスDCモータを正転反転させた場合
のブラシレスDCモータ5にかかるトルク、回転速度、
および正反転時間を示す図である。
【図41】第1の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートの前半の一部である。
【図42】第1の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートの後半の一部である。
【図43】第2の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートの前半の一部である。
【図44】第2の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートの後半の一部である。
【図45】第1の布がらみ検知方法における最大値δma
x (CW)max およびδmax (CCW)max とそれらの
差Δδの関係を示す正転および反転時のオンデューティ
比δの変化を示す図である。
【図46】第2の布がらみ検知方法における最大値Ima
x (CW)max およびImax (CCW)max とそれらの
差ΔIの関係を示す正転および反転時のインバータ電流
Iの変化を示す図である。
【図47】衣類を入れられた脱水槽3を水平方向に輪切
りにした場合の断面を衣類が布がらみしていない場合と
布がらみしている場合について示す図である。
【図48】第5の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートである。
【図49】第5の布がらみ検知方法を説明するためのト
ルクTおよびオンデューティ比δの時間変化を示す図で
ある。
【図50】第6の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートである。
【図51】第7の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートの前半の一部である。
【図52】第7の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートの後半の一部である。
【図53】第7の布がらみ検知方法を説明するためのオ
ンデューティ比δの時間変化を示す図である。
【図54】第9の布がらみ検知方法の手順を示すフロー
チャートである。
【図55】第9の布がらみ検知方法を説明するためのオ
ンデューティ比δの時間変化を示す図である。
【図56】第10の布がらみ検知方法の手順を示すフロ
ーチャートである。
【図57】第10の布がらみ検知方法を説明するための
インバータ電流および後述する第11の布がらみ検知方
法を説明するための回生電流を示す図である。
【図58】第11の布がらみ検知方法の手順を示すフロ
ーチャートである。
【図59】布傷み検知の第1の方法の手順を示すフロー
チャートである。
【図60】布傷み検知の第2の方法の手順を示すフロー
チャートである。
【図61】布傷み検知の第3の方法の手順を示すフロー
チャートである。
【図62】布質をパラメータとして変えた場合の脱水時
間に対する慣性モーメントの変化を示すグラフである。
【図63】図50と同様な特性を慣性モーメントに伴っ
て変化するPWM信号のオンデューティ比δの変化を脱
水時間に対して示すグラフである。
【図64】同じ布質の場合において布量をパラメータと
して変えた場合の脱水時間に対する慣性モーメントの変
化を示すグラフである。
【図65】図52と同様な特性を慣性モーメントに伴っ
て変化するPWM信号のオンデューティ比δの変化を脱
水時間に対して示すグラフである。
【図66】第1の脱水率検知方法の手順を示すフローチ
ャートである。
【図67】第2の脱水率検知方法の手順を示すフローチ
ャートである。
【図68】第3の脱水率検知方法における脱水時間とオ
ンデューティ比δおよび回転数nの関係を示す図であ
る。
【図69】第4の脱水検知方法における脱水時間とブラ
シレスDCモータの回転数の関係を示す図である。
【図70】第5の脱水検知方法における脱水時間とブラ
シレスDCモータ5の回転数およびオンデューティ比を
それぞれ示す図である。
【図71】第6の脱水検知方法の手順を示すフローチャ
ートである。
【図72】第7の脱水率検知方法における脱水率時間と
オンデューティ比との関係を示す図である。
【図73】第7の脱水検知方法の手順を示すフローチャ
ートである。
【図74】ブラシレスDCモータのトルクと回転数との
関係を電圧をパラメータとして示す図である。
【図75】ブラシレスDCモータにかかる負荷トルクと
電圧との関係を示す図である。
【図76】ブラシレスDCモータ5の能力を一定とした
場合、ブラシレスDCモータの目標回転数に到達するま
での時間と負荷トルクとの関係を示す図である。
【図77】ブラシレスDCモータのトルクと回転速度の
関係を電圧のパラメータに対して示すとともに、トルク
の変化に対するインバータ電流の変化を示す図である。
【符号の説明】
2 洗濯槽 3 脱水槽 4 パルセータ 5 ブラシレスDCモータ 9 機構部 17 インバータ回路 21 上アーム駆動回路 22 下アーム駆動回路 24 モータ制御回路 25 PWM発振器 26 マイクロコンピュータ 37 第1伝導軸 43 第2伝導軸 57 偏平クラッチディスク U1,V1,W1 上アームトランジスタ U2,V2,W2 下アームトランジスタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の洗濯機は、洗濯中またはすすぎ中において
水流発生手段を正転および反転させた場合の正転方向の
負荷トルクおよび反転方向の負荷トルクを検出する検出
手段と、該検出手段で検出した正転方向の負荷トルクと
反転方向の負荷トルクとの差を算出する算出手段と、該
算出手段で算出した前記負荷トルクの差が所定の値より
大きい場合、布がらみがあると判定する布がらみ判定手
段と、該布がらみ判定手段により布がらみがあると判定
された場合、布がらみをほぐすほぐし動作を行うほぐし
動作実施手段とを有することを要旨とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、本発明の洗濯機は、洗濯中またはす
すぎ中において水流発生手段を一定の回転速度で回転さ
せた場合の負荷トルクを検出する負荷トルク検出手段
と、該負荷トルク検出手段で検出した負荷トルクにおけ
る変動を検出する負荷トルク変動検出手段と、該負荷ト
ルク変動検出手段が検出した負荷トルクの変動が所定の
変動値より大きい場合、布がらみがあると判定する布が
らみ判定手段と、該布がらみ判定手段により布がらみが
あると判定された場合、布がらみをほぐすほぐし動作を
行うほぐし動作実施手段とを有することを要旨とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【作用】本発明の洗濯機では、水流発生手段(パルセー
タ)を正転および反転させた場合の正転方向の負荷トル
クおよび反転方向の負荷トルクを検出し、この両負荷ト
ルクとの差を算出し、この差が所定の値より大きい場
合、布がらみがあると判定し、布がらみをほぐすほぐし
動作を行う。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、本発明の洗濯機では、水流発生手段
を一定の回転速度で回転させた場合の負荷トルクを検出
し、この検出した負荷トルクにおける変動を検出し、該
変動が所定の変動値より大きい場合、布がらみがあると
判定し、布がらみをほぐすほぐし動作を行う。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯中またはすすぎ中において洗濯物を
    入れた脱水槽を正転および反転させた場合の正転方向の
    負荷トルクおよび反転方向の負荷トルクを検出する検出
    手段と、該検出手段で検出した正転方向の負荷トルクと
    反転方向の負荷トルクとの差を算出する算出手段と、該
    算出手段で算出した前記負荷トルクの差が所定の値より
    大きい場合、布がらみがあると判定する布がらみ判定手
    段と、該布がらみ判定手段により布がらみがあると判定
    された場合、布がらみをほぐすほぐし動作を行うほぐし
    動作実施手段とを有することを特徴とする洗濯機。
  2. 【請求項2】 洗濯中またはすすぎ中において洗濯物を
    入れた脱水槽を一定の回転速度で回転させた場合の負荷
    トルクを検出する負荷トルク検出手段と、該負荷トルク
    検出手段で検出した負荷トルクにおける変動を検出する
    負荷トルク変動検出手段と、該負荷トルク変動検出手段
    が検出した負荷トルクの変動が所定の変動値より大きい
    場合、布がらみがあると判定する布がらみ判定手段と、
    該布がらみ判定手段により布がらみがあると判定された
    場合、布がらみをほぐすほぐし動作を行うほぐし動作実
    施手段とを有することを特徴とする洗濯機。
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