JPH05275290A - チップ状固体電解コンデンサ - Google Patents

チップ状固体電解コンデンサ

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JPH05275290A
JPH05275290A JP6618992A JP6618992A JPH05275290A JP H05275290 A JPH05275290 A JP H05275290A JP 6618992 A JP6618992 A JP 6618992A JP 6618992 A JP6618992 A JP 6618992A JP H05275290 A JPH05275290 A JP H05275290A
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Kazumi Naito
一美 内藤
Koji Matsumura
幸治 松村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 漏れ電流値が良好なチップ状固体電解コンデ
ンサを提供する。 【構成】 平板状のアルミニウム箔を陽極基体とし、そ
の表面に半導体層及び導電体層が形成されたコンデンサ
素子が、一対の凸部を有するリードフレームに接続され
ており、コンデンサ素子の陽極部は金属線を介して一方
の凸部に、また導電体層は銀ペーストで他方の凸部に接
続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチップ状固体電解コンデ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチップ状固体電解コンデンサは、
図3及び図4に示すように表面に誘電体酸化皮膜層2を
有するアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属
からなる平板状の陽極基体1の表面に陽極部となる一部
を除いて半導体層3及び導電体層4を順次積層した固体
電解コンデンサ素子5(以下、コンデンサ素子と称す
る)を形成し、次いでこのコンデンサ素子5をリードフ
レーム6に接続するが、リードフレーム6の2ヶ所の凸
部6a、6bを間隔をおいて対向させ、それぞれの凸部
6a、6bに前記コンデンサ素子5の陽極部7と導電体
層形成部8を載置している。
【0003】そして前者は熔接9などで、後者は銀ペー
スト等の導電材10でリードフレーム6の凸部6a、6
bに電気的、かつ機械的に接続した後、外装樹脂11で
封止して、チップ状固体電解コンデンサ12が構成され
ている。そして、この封口した固体電解コンデンサは所
定の容量、tanδ、漏れ電流等の電気性能を満たすも
のを製品としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したコンデンサ素
子の導電体層形成部は、アルミニウム箔等の陽極基体の
表面に半導体層及び導電体層が積層されているため、陽
極部よりも厚みが厚くなっている。このため陽極部とリ
ードフレームの凸部を接続すると極端な時には、陽極基
体が曲がり、漏れ電流を悪化させている。
【0005】このような欠点を防ぐために、陽極部と電
導体層形成部の厚みの差だけリードフレームの凸部にあ
らかじめ段差を設けておき、前記した接続時の陽極基体
の湾曲を緩和することが考えられるが、陽極基体の形状
が変更される毎に高価な金型を製造してリードフレーム
を作製せねばならず生産上かつコスト上の問題があっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した問題
点を解決するためになされたものであって、その要旨は
表面に誘電体酸化皮膜層を有する平板状の弁作用金属か
らなる陽極基体の端部を陽極部とし、この陽極基体の残
部の前記誘電体酸化皮膜層上に半導体層、その上に導電
体層が形成された導電体層形成部を有する固体電解コン
デンサ素子であって、前記陽極部は一対の対向して配置
された凸部を有するリードフレームの一方の凸部に金属
線を介して接続され、他方の凸部には前記導電体層形成
部が接続されており、前記リードフレームの一部を残し
て封口されているチップ状固体電解コンデンサにある。
【0007】以下本発明について詳細に説明する。本発
明において固体電解コンデンサの陽極として用いられる
弁作用を有する陽極基体としては、例えばアルミニウ
ム、タンタル、及びこれらを基質とする合金等、弁作用
を有する金属がいずれも使用できる。そして陽極基体の
形状としては平板状のアルミニウムの箔や板が挙げられ
る。
【0008】陽極基体の表面に設ける誘電体酸化皮膜層
は、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体
の酸化物層であってもよく、或は弁作用金属箔の表面上
に設けられた他の誘電体酸化物の層であってもよいが、
特に弁作用金属自体の酸化物からなる層であることが望
ましい。
【0009】本発明では、表面に誘電体酸化皮膜層が形
成された平板状の陽極基体の端部の一区画に陽極部を設
けており、陽極部とした以外の残りの誘電体酸化皮膜層
上に半導体層を形成させているが、半導体層の種類には
特に制限は無く、従来公知の半導体層が使用できる。
【0010】この中でとりわけ本願出願人の出願による
二酸化鉛又は二酸化鉛と硫酸鉛からなる半導体層(特開
昭62−256423号公報、特開昭63−51621
号公報)が、作製した固体電解コンデンサの高周波性能
が良好なために好ましい。また、テトラチオテトラセン
とクロラニルの錯体を半導体層として形成させる方法
(特開昭62−29123号公報)、タリウムイオン及
び過硫酸イオンを含んだ反応母液から化学的に酸化第2
タリウムを半導体層として析出させる方法(特開昭62
−38715号公報)もその一例である。
【0011】そしてこのような半導体層上には、例えば
カーボンペースト及び/又は銀ペースト等の従来公知の
導電ペーストを積層して導電体層を形成して導電体層形
成部を構成している。また本発明においては、前述した
陽極部と導電体層形成部との界面に絶縁性樹脂によって
はち巻き状に樹脂層部をあらかじめ形成しておくと、半
導体層を形成する時に半導体層の形成面積が一定しバラ
ツキの少ない容量のものが得られる。
【0012】次にこのように導電体層まで形成されたコ
ンデンサ素子を一対の対向して配置されたリードフレー
ムに接続する方法を説明する。図1及び図2は、固体電
解コンデンサ素子5を導電材10及び金属線13で接合
した状態を示す断面図である。
【0013】図1において、陽極基体1の表面に誘電体
酸化皮膜層2が形成されており、その上に半導体層3、
さらにその上に導電体層4が形成された固体電解コンデ
ンサ素子5をリードフレーム6の他方の凸部6bに載置
した後、導電体層形成部8の一部を導電材10で接合さ
れ、また、リードフレーム6の一方の凸部6aと陽極部
7が金属線13で接合されている。図2においては固体
電解コンデンサ素子5の陽極部7の一部がリードフレー
ム6の一方の凸部6aまで伸びていて、陽極部7と一方
の凸部6aは金属線13で接合されている。
【0014】前述した導電材10としては、銀ペースト
等の公知の導電ペースト、クリーム半田等の溶融可能金
属が挙げられる。また金属線13の材質としては鉄、ニ
ッケル、銅、アルミ及びこれらの合金等公知のものが挙
げられ、金属線には半田等のメッキが施されていてもよ
い。金属線の太さは、数ミクロンないし数ミリメートル
のものが適用され、リードフレームとの接続の容易さ、
固体電解コンデンサ素子の形状等によって選定される。
金属線の長さは通常、数ミリメートルであるが後述する
外装形状、固体電解コンデンサの大きさによって決定さ
れる。一般に金属線は、後述する外装時の応力を緩和す
るために、遊びを持たせてリードフレームと陽極部間を
接続することが好ましい。金属線とリードフレーム及び
陽極部とは、熔接、導電ペースト、半田等で接続され
る。
【0015】図1及び図2では、金属線13の本数を各
1本で示したが、接続を強固にするために複数本接続し
てもよい。また、金属線の接続順序として、あらかじめ
リードフレーム6の一方の凸部6aに金属線13が接続
したリードフレームを使用して、固体電解コンデンサ素
子5の載置時に、陽極部7と接続してもよい。或いは、
あらかじめ陽極部7に金属線13を接続しておきリード
フレーム6に固体電解コンデンサ素子5が載置された時
に一方の凸部6aと接続してもよい。後者の場合、陽極
部7に金属線13を接続する時期は、半導体層3の形成
前後又は導電体層4の形成後でもよい。
【0016】このようにしてリードフレームに接続され
た固体電解コンデンサ素子は、リードフレームの一部を
残して、エポキシ樹脂等の外装樹脂11により、トラン
スファー成形機などで封止成形を行った後、リードフレ
ームの凸部をコンデンサ素子の近辺で切断してチップ状
の固体電解コンデンサとしている。
【0017】
【作用】固体電解コンデンサ素子の陽極部とリードフレ
ームの凸部との接続を金属線で行っているので、陽極部
とリードフレームの凸部とに隙間があっても、接続時
に、陽極基体に応力がかからず、陽極基体の湾曲もな
い。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明をさ
らに詳しく説明する。
【0019】実施例1 りん酸とりん酸アンモニウム水溶液中で化成処理して表
面に誘電体酸化皮膜層を形成した45μF/cm2 のア
ルミニウムエッチング箔(以下、化成箔と称する。)の
小片4×3mmを用意した。この化成箔の端から1×3mm
の部分を陽極部とし、残り3×3mmの部分を酢酸鉛三水
和物2.4モル/lの水溶液と過硫酸アンモニウム4.
0モル/l水溶液の混合液に浸漬し、60℃で20分放
置し、二酸化鉛と硫酸鉛からなる半導体層を形成した。
【0020】このような操作を3回行った後、半導体層
上にカーボンペースト及び銀ペーストを順に積層して導
電体層を形成し、コンデンサ素子を作製した。一方、別
に用意したリードフレーム(材質42アロイ、厚み0.
1mm、凸部の寸法:幅3mm、凸部の先端間隙1mm)を用
い、前記したコンデンサ素子を他方の凸部に載置し銀ペ
ーストで接続すると共に、陽極部の先端中央部と一方の
凸部の先端中央部に0.25φ、長さ4mmのアルミ線を
渡し、両端をそれぞれ熔接で接続した。その後、エポキ
シ樹脂を用いてトランスファー成形して外形寸法7×4
×3mmのチップ状固体電解コンデンサを作製した。
【0021】実施例2 実施例1と同様のコンデンサ素子を用い、リードフレー
ムの凸部の先端間隙が0.5mmである以外は実施例1と
同様のリードフレームの他方の凸部にコンデンサ素子の
導電体層形成部3×3mmを載置し、銀ペーストで接続す
ると共に、リードフレームの一方の凸部にはコンデンサ
素子の陽極部の0.5mmの部分がかかるように載置し、
陽極部の幅方向の中央の所の先端から、リードフレーム
の一方の凸部の先端から1.2mmの所で凸部の幅方向の
中央の位置にニッケル線(太さ0.3φ、長さ4mm)を
渡し熔接で接続した。その後、エポキシ樹脂を用いてト
ランスファー成形して外形寸法7×4×3mmのチップ状
固体電解コンデンサを作製した。
【0022】実施例3、4 実施例1、2で半導体層を酢酸鉛三水和物2.0モル/
l水溶液に化成箔を浸漬して、別に用意した白金陰極と
の間で電気化学的に形成した二酸化鉛にした以外は、実
施例1、2と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを
作製した。
【0023】比較例1 陽極部と陽極部側のリードフレームの接続を、金属線を
使用せずに、直接、陽極部とリードフレームの凸部とを
熔接で行った以外は実施例2と同様にしてチップ状固体
電解コンデンサを作製した。なお、陽極部の下面とリー
ドフレームの凸部の隙間は1mmであった。
【0024】以上のようにして作製した直後の固体電解
コンデンサの性能を表1に示した。なお、各実施例又は
比較例は、全数値n=100点の平均値である。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明のチップ状固体電解コンデンサ
は、固体電解コンデンサ素子の陽極部とリードフレーム
との接続を金属線を介して行っているため、漏れ電流値
が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体電解コンデンサ素子をリードフレームに載
置した状態を示す断面図である。
【図2】固体電解コンデンサ素子をリードフレームに載
置した状態を示す他例の断面図である。
【図3】従来のチップ状固体電解コンデンサをリードフ
レームに載置した状態を示す平面図である。
【図4】従来のチップ状固体電解コンデンサをリードフ
レームに載置した状態を示す断面図である。
【符号の説明】 1 陽極基体 2 誘電体酸化皮膜層 3 半導体層 4 導電体層 5 固体電解コンデンサ素子 6a リードフレームの一方の凸部 6b リードフレームの他方の凸部 7 陽極部 8 導電体層形成部 9 熔接 10 導電材 11 外装樹脂 12 チップ状固体電解コンデンサ 13 金属線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に誘電体酸化皮膜層を有する平板状
    の弁作用金属からなる陽極基体の端部を陽極部とし、こ
    の陽極基体の残部の前記誘電体酸化皮膜層上に半導体
    層、その上に導電体層が形成された導電体層形成部を有
    する固体電解コンデンサ素子であって、前記陽極部は一
    対の対向して配置された凸部を有するリードフレームの
    一方の凸部に金属線を介して接続され、他方の凸部には
    前記導電体層形成部が接続されており、前記リードフレ
    ームの一部を残して封口されていることを特徴とするチ
    ップ状固体電解コンデンサ。
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