JPH0527503B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は生砂中子造型方法に関し、更に詳しく
は、中央部と周辺部とで厚みが異なる形状の生砂
中子を造型可能な方法に関する。

（従来技術） 中子は主として強度上及び寸法精度上の理由か
ら、シエルモールド法、コールドボツクス法、
CO₂法などにより造型されるのが通例であるが、
このような方法で作られた中子は高価であると共
に、生砂から成る主型とは性質を異にするため、
注湯後の砂再生処理上問題がある。このため近
時、主型と同じ生砂を用いて中子を造型する方法
が種々試みられており、比較的単純な形状の中子
については、実用に供し得るものが造型されるよ
うになつている。（例えば特開昭55−139143号公
報、特開昭57−195555号公報等）。

しかし複雑な形状の中子について均一な強度と
良好な寸法精度を備えたものを造型することは困
難であつた。

（発明の目的） 本発明は上記のような事情に鑑みてなされたも
のであり、均一な強度と良好な寸法精度を備えた
複雑形状の生砂中子、特に中央部と周辺部とで厚
みが異なる形状の生砂中子を造型可能な方法を提
供せんとするものである。

（発明の構成） 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
ると、第１図及び第２図は本発明の実施装置を示
し、第１図において１は図示しない搬送手段によ
り横行自在にされた金型であり、該金型１の上半
部分における上面側には、所望中子の下半部分の
形状に対応する段付凹部２が形成されていると共
に、該金型１の下半部分内には下端を開口した空
胴部３が形成されている。

該空胴部３内には、その上面に複数個の押出ピ
ン４を植設した押出板５が配設されており、該押
出ピン４は前記金型１の上半部分における底面側
を貫通して前記段付凹部２内へ突出可能にされて
いる。

６は前記金型１の一方の移動端の上方に配設さ
れ、図示しない昇降手段により昇降可能されたブ
ロータンクであり、該ブロータンク６は外形を形
成する側胴７と、底板８と、上端開口を開閉可能
な閉塞板９と、内部を生砂を貯留する内室１１と
それを包囲する外室１２とに隔成する通気性隔壁
１３とから構成されている。

該ブロータンク６の前記側胴７には前記外室１
２内に開口する吹込口１３が配設されており、該
吹込口１３は導管１４及び開閉バルブ１５を介し
て圧縮空気源１６と連通可能にされている。

前記ブロータンク６の底面には、その下面側中
央部に所望中子の上半部分の形状高さよりも深い
凹部１７を形成すると共に、前記金型１の上段凹
部に所定深さまで摺動して嵌入し、以て所定形状
のキヤビテイ１８を画成する砂吹込み型１９が固
着されており、該ブロータンク６の底板８中央部
と砂吹込み型１９の中央部とを貫通して砂吹込み
孔２１が穿設されている。

なお２２は一端を前記砂吹込み型１９の下面周
辺部に開口すると共に、他端を該型１９の側壁に
開口する排気口であり、２３はベントプラグであ
る。前記ブロータンク６の底面外周部にはストツ
パ２４が前記砂吹込み型１９を包囲して固着され
ており、該ストツパ２４の下面は前記金型１の上
面外周部と当接可能にされている。

第２図において２５は前記金型１の他方の移動
端の上方に配設された下向きのシリンダであり、
該シリンダ２５のピストンロツドの先端には、そ
の下面中央部に所望中子の上半部分の形状と同形
状の凹部２６を形成すると共に、該金型１の上段
凹部に所定深さまで摺動して嵌入し、以て所定形
状のキヤビテイ２７を画成する圧縮型２８が取付
部材２９を介して固着されている。前記取付部材
２９の下面外周部にもストツパ３１が前記圧縮型
２８を包囲して固着されており、該ストツパ３１
の下面は前記金型１の上面外周部と当接可能にさ
れている。なお前記圧縮型２８と金型１の段付凹
部２とにより画成されるキヤビテイ２７は製品
（中子）の最終形状を成している。

なお上記実施装置では、金型１は横行可能にさ
れているが、該金型１を昇降のみ可能とすると共
にブロータンク６及び砂吹込み型１９ならびに圧
縮型２８の両方を横行可能にするか、あるいは金
型１と砂吹込み型１９との間に圧縮型２８を出し
入れ可能な構成にしてもよい。

（作 用） 上記のように構成された装置によつて生砂中子
を造型する一連の工程を説明すると、ブロータン
ク６及び砂吹込み型１９を上昇端に位置させると
共に圧縮型２８を上昇端に位置させた状態で、第
１工程として前記ブロータンク６の閉塞板９を開
状態として、そこから１回の中子造型工程に必要
な量だけの生砂を内室１１へ投入して、前記閉塞
板９を再度閉状態にする。第２工程として図示し
ない搬送手段により、金型１を前記ブロータンク
６及び砂吹込み型１９の真下に移動させる。第３
工程として前記ブロータンク６及び砂吹込み型１
９を図示しない昇降手段により下降させると、該
砂吹込み型１９が前記金型１の上段凹部内へ摺動
して嵌入する。該砂吹込み型１９が所定深さまで
嵌入した時、ストツパ２４が該金型１の上面外周
部に当接して前記ブロータンク６及び砂吹込み型
１９の下降が停止する。その結果、金型１の段付
凹部２と砂吹込み型１９の下面とにより所定形状
のキヤビテイ１８が画成される訳であるが、今該
キヤビテイ１８の形状を詳細に説明すると、それ
は第３図に示す如く、段付凹部を上下に対向させ
た形状を成している。そして該キヤビテイ１８の
下半部分の段付凹部は最終製品（中子）の形状を
成している一方、上半部分の段付凹部は最終製品
の形状よりも上下方向の寸法が拡大されており、
しかも該拡大寸法は中央厚肉部と周辺薄肉部とで
異なるように設計されている。すなわち、中央厚
肉部における拡大寸法b′は、周辺薄肉部における
拡大寸法a′よりも大きく、かつ両者の寸法比率は
最終製品における中央厚肉部ｂと周辺薄肉部ａと
の寸法比率に等しくされている。

第４工程として開閉バルブ１５を開いて圧縮空
気源１６より導管１４、吹込口１３等を介して前
記ブロータンク６内へ圧縮空気を導入し、その中
に貯留されている生砂３２に流動性を付与し、こ
れを砂吹込み孔２１を経て前記キヤビテイ１８内
へ吹込み充填する。なおこの時、生砂と共にキヤ
ビテイ１８内へ吹込まれた圧縮空気は排気孔２２
を経て外部大気へと効果的に排出されるため、生
砂３２は空気の流れに乗つてキヤビテイ１８内全
体の隅々にまで万べんなく充填される。

生砂３２の吹込み充填完了後、前記開閉バルブ
１５を閉じ、前記ブロータンク６内の残圧を適宜
の方法で排除した上、第５工程として前記ブロー
タンク６及び砂吹込み型１９を上昇させると、該
砂吹込み型１９と前記金型１とが分離し、その結
果、中子の予備成形体が金型１の段付凹部２に保
持された状態で得られる。

第６工程として前記金型１を図示しない搬送手
段により圧縮型２８の真下まで移動させる。そし
て第７工程としてシリンダ２５を伸長作動させて
圧縮型２８を下降させると、該圧縮型２８は前記
金型１の上段凹部内へ摺動して嵌入し、該金型１
内に保持されている中子の予備成形体を圧縮す
る。該圧縮型２８が所定深さまで嵌入した時、金
型１の上面外周部がストツパ３１に当接して前記
シリンダ２５の伸長ならびに圧縮型２８の下降が
停止する。第８工程として前記シリンダ２５を縮
引作動させて圧縮型２８を引上げると、該圧縮型
２８が金型１から分離し、その結果、所望形状の
中子が金型１の段付凹部２に保持された状態で得
られる。第９工程として適宜の手段により前記金
型１の空胴部３内の押出板５を押上げると、押出
ピン４が該金型１の段付凹部２内へ突出し、これ
により前記中子が該凹部２から押出し分離され
る。

前記中子の取出し後、前記押出ピン４を下降さ
せた上、前記金型１を前記搬送手段により前記ブ
ロータンク６及び砂吹込み型１９の真下位置まで
復帰させる。なおこの間に前記ブロータンク６内
には次の吹込み用の生砂３２が投入されている。

以上の諸工程を１サイクルとして、以後同じサ
イクルがくり返され、これによつて同一形状の生
砂中子が連続して造型されるものである。

なお実施例では、金型１の段付凹部２と砂吹込
み型１９の下面とにより画成されるキヤビテイ１
８における厚肉部の拡大寸法b′と薄肉部のそれ
a′との比率が最終製品における厚肉部ｂと薄肉部
ａとの寸法比率に等しくされているが、単に前者
b′が後者a′よりも大きくされていてもよい。

また実施例では、金型１上面には段付凹部２が
形成されているが、段のない凹部を形成してもよ
く、更に凸部を有する凹部を形成してもよい。ま
た砂吹込型１９及び圧縮型２８の下面にはそれぞ
れ凹部１７，２６形成されているが、凸部を有す
る凹部あるいは単なる凸部を形成してもよい。

（発明の効果） 以上の説明から明らかなように、本発明は中央
部と周辺部とで厚みが異なる形状の生砂中子を造
型するに当つて、第１段階として製品の最終形状
よりも上下方向の寸法が大きいキヤビテイを画定
し、ここに生砂を吹込み充填して予備成形体を造
型し、第２段階として該予備成形体を最終製品
（中子）に圧縮成形するものであるが、本発明の
ユニークな点は、前記予備成形体における厚肉部
の拡大寸法が薄肉部の拡大寸法よりも大きくされ
ていることである。このような予備成形体を最終
製品の形状に圧縮することにより、厚肉部と薄肉
部の強度がほぼ均一な中子を得ることができる。
また予備成形体における厚肉部の生砂がよく締ま
るため、この部分の転写性が向上し、寸法精度の
良好な中子が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図及び第
２図はそれぞれの作動態様を示した部分断面正面
図、第３は中子の予備成形体用キヤビテイと最終
製品用キヤビテイとの寸法比較図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ その上面側に所望中子の下半部分の形状に対
   応する型部２を形成した金型１と、その下面側に
   所望中子の上半部分の形状よりも上下方向の寸法
   が拡大され、かつその拡大寸法は厚肉部の拡大寸
   法b′が薄肉部の拡大寸法a′よりも大きくされた型
   部１７を形成した砂吹込み型１９とを両者の型部
   ２，１７を対向させて型合せし、以てキヤビテイ
   １８を画成する工程と、前記キヤビテイ１８内へ
   生砂３２を圧縮空気と共に吹込み充填し、以て中
   子の予備成形体を造型する工程と、前記中子の予
   備成形体を前記金型１の型部２に保持した状態で
   前記砂吹込み型１９を該金型１から分離する工程
   と、その下面側に所望中子の上半部分の形状に対
   応する型部２６を形成した圧縮型２８と前記金型
   １とを両者の型部２６，２を対向させて型合せ圧
   縮し、以て前記中子の予備成形体を所望中子の形
   状に圧縮造型する工程と、前記のようにして造型
   された中子を前記金型１の型部２に保持した状態
   で前記圧縮型２８を該金型１から分離する工程
   と、前記中子を前記金型１の型部２から分離する
   工程とから成ることを特徴とする生砂中子の造型
   方法。