JPH05272584A - 流体封入式防振ブッシュおよびその製作方法 - Google Patents

流体封入式防振ブッシュおよびその製作方法

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JPH05272584A
JPH05272584A JP9713892A JP9713892A JPH05272584A JP H05272584 A JPH05272584 A JP H05272584A JP 9713892 A JP9713892 A JP 9713892A JP 9713892 A JP9713892 A JP 9713892A JP H05272584 A JPH05272584 A JP H05272584A
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JP
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fluid
fitting
recess
elastic body
fluid chamber
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Application number
JP9713892A
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English (en)
Inventor
Shinji Miyagawa
伸二 宮川
Tsukasa Oshima
司 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体封入式防振ブッシュにおいて、流体の注
入および封止に際してのマウント表面への流体の付着を
防止すること。 【構成】 内筒金具12と外筒金具14とが、第一のゴ
ム弾性体16にて連結されて、それら内外筒金具12,
14間に、軸方向一方の側に向って開口する凹所30が
形成された第一の一体加硫成形品20に対して、かかる
凹所30に所定の流体を注入した後、内側取付筒金具4
0と外側取付筒金具42とが、それらの間に介装された
第二のゴム弾性体18にて連結されて成る第二の一体加
硫成形品38を、前記凹所30の開口部側から組み付け
て、該凹所30の開口を覆蓋することにより、流体室3
6を形成するに際して、かかる第二の一体加硫成形品3
8の組付時には凹所30に連通されて、余剰流体が導か
れる一方、該第二の一体加硫成形品38の組付後には流
体室36と遮断される余剰流体室50を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は自動車用サスペンションブッシュ
等として用いられる流体封入式防振ブッシュおよびその
製作方法に係り、特に所定の非圧縮性流体が封入された
流体室を備えた流体封入式防振ブッシュとその製作方法
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて、それら両部材を防振連結乃至は支持せしめ
る防振装置の一種として、例えば自動車用サスペンショ
ンブッシュの如く、互いに径方向に所定距離を隔てて配
された内筒金具と外筒金具とを、それらの間に介装され
たゴム弾性体にて連結してなる構造の防振ブッシュが知
られている。
【0003】また、近年では、防振特性の向上のため
に、内外筒金具間において、所定の非圧縮性流体が封入
された流体室を形成し、かかる流体の流動作用(ずり剪
断作用や共振作用、或いは流動抵抗等)に基づく防振効
果を利用するようにしたものが、種々提案されている。
【0004】ところで、このような流体封入式の防振ブ
ッシュの製作時における流体室内への流体の注入および
封止は、一般に、特開昭58−170608号公報等に
示されているように、外周面に開口する凹所が形成され
たゴム弾性体を所定の流体中に浸漬して、かかる流体中
で、該ゴム弾性体に外筒金具を外嵌固定せしめて凹所の
開口を覆蓋し、流体室と成すことにより、行なわれてい
る。
【0005】ところが、このような防振ブッシュの製作
手法では、内筒金具の内周面や外筒金具の外周面等のブ
ッシュ表面に流体が付着することが避けられず、そのた
めに、塗装等に際し、洗浄作業や乾燥作業が必要となる
といった不具合を有していたのである。
【0006】また、特にシリコンオイル等の高粘性流体
を封入する場合には、その除去が極めて困難であり、そ
のために、ブッシュの製作作業性およびコスト性の悪化
が問題となっていたのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、流体の注入および封止に際してのマウント
表面への流体の付着を可及的に防止することのできる新
規な流体封入式防振ブッシュおよび流体封入式ブッシュ
の製作方法を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、(a)内筒金具と、(b)
該内筒金具の径方向外方に所定距離を隔てて配された外
筒金具と、(c)前記内筒金具と前記外筒金具との間に
介装されて、それら両金具を連結すると共に、それら両
金具間において軸方向一方の側に向って開口する凹所を
形成する環状の第一のゴム弾性体と、(d)内周面に内
側取付筒金具が、また外周面に外側取付筒金具が、それ
ぞれ固着されており、前記第一のゴム弾性体に対して、
前記凹所の開口側から軸方向に組み合わされて、前記内
側取付筒金具および前記外側取付筒金具が該内筒金具お
よび該外筒金具に固定されることにより、それら内筒金
具と外筒金具とを連結すると共に、前記凹所の開口を覆
蓋して流体室を形成する環状の第二のゴム弾性体と、
(e)かかる流体室に封入された所定の非圧縮性流体
と、(f)前記内筒金具と前記内側取付筒金具との間お
よび前記外筒金具と前記外側取付筒金具との間の少なく
とも何れか一方の側に形成されて、前記第二のゴム弾性
体の前記第一のゴム弾性体に対する組合せ時に前記流体
室に対して連通されると共に、かかる第二のゴム弾性体
の内外筒金具への組付け後に該流体室に対して流体密に
遮断される余剰流体室を設けてなる流体封入式防振ブッ
シュにある。
【0009】また、本発明は、(a)互いに径方向に所
定距離を隔てて配された内筒金具と外筒金具とが、それ
らの間に介装された環状の第一のゴム弾性体にて連結さ
れると共に、それら内外筒金具間に、軸方向一方の側に
向って開口する凹所が形成された第一の一体加硫成形品
を準備する工程と、(b)前記内筒金具に組み付けられ
る内側取付筒金具と、前記外筒金具に組み付けられる外
側取付筒金具が、環状の第二のゴム弾性体の内周面およ
び外周面に対してそれぞれ加硫接着されてなる第二の一
体加硫成形品を準備する工程と、(c)前記第一の一体
加硫成形品を、前記凹所が鉛直上方に開口するように保
持せしめて、該凹所内に所定の封入流体を注入せしめる
工程と、(d)かかる第一の一体加硫成形品における前
記凹所が開口する側から、前記第二の一体加硫成形品を
軸方向に接近させて、前記内筒金具と前記内側取付筒金
具との間および前記外筒金具と前記外側取付筒金具との
間の少なくとも何れか一方の側に形成された、該凹所に
連通された流体の逃げ部に対して、該凹所内の余剰流体
を導きつつ、それら第一の一体加硫成形品と第二の一体
加硫成形品とを組み合わせる工程と、(e)かかる第一
の一体加硫成形品における内筒金具および外筒金具に対
して、前記第二の一体加硫成形品における前記内側取付
筒金具および外側取付筒金具をそれぞれ固定して組み付
けることにより、該第一の一体加硫成形品における前記
凹所の開口を該第二の一体加硫成形品にて覆蓋して所定
の非圧縮性流体が封入された流体室を形成すると共に、
前記余剰流体が導かれた流体の逃げ部と該流体室との間
を遮断せしめて、かかる流体の逃げ部を余剰流体室と成
す工程とを、含む流体封入式防振ブッシュの製作方法を
も、その特徴とするものである。
【0010】
【作用・効果】すなわち、このような本発明に係る流体
封入式防振ブッシュにあっては、凹所内に流体を注入し
た後、かかる凹所の開口を覆蓋することによって、流体
室が形成されることから、ブッシュの表面に対する流体
の付着が、極めて有効に防止され得るのである。
【0011】しかも、本発明によれば、予め凹所内に必
要量以上の流体を注入しておき、余剰の流体を余剰流体
室に導くことにより、流体室内には必要量だけの流体が
封入されることとなるところから、封入流体の不足によ
る流体室への空気の混入や、余剰流体の外部への漏れ等
の問題が惹起されるようなこともないのである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0013】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用サスペンションブッシュ10が示されてい
る。かかる図において、12および14は、内筒金具お
よび外筒金具であって、互いに径方向に所定距離を隔て
て配されていると共に、それらの間に介装された第一の
ゴム弾性体16および第二のゴム弾性体18によって、
互いに連結されている。そして、かかるブッシュ10に
あっては、内筒金具12が、防振連結されるべき一方の
部材に対して取り付けられる一方、外筒金具14が、防
振連結されるべき他方の部材に対して取り付けられるこ
とにより、防振連結部材間に介装されることとなる。
【0014】以下、かかるブッシュ10の構造を、製作
方法を説明しつつ、明らかにすることとする。
【0015】先ず、このようなブッシュ10を製作する
に際しては、所定の成形キャビティ内に、内筒金具12
と外筒金具14とを、互いに径方向に所定距離を隔てて
同心的に配置せしめて、それら内外筒金具12,14間
で第一のゴム弾性体16を成形することにより、図2に
示されている如く、第一のゴム弾性体16の内外周面に
内筒金具12および外筒金具14が、それぞれ加硫接着
されて成る第一の一体加硫成形品20が製作される。
【0016】そこにおいて、内筒金具12は、厚肉の円
筒形状を呈している。また、外筒金具14は、内筒金具
12よりも薄肉の円筒形状を呈しており、その軸方向一
方の端部には、径方向外方に向って広がる接続部24を
介して、大径円筒形状のかしめ部22が、一体的に設け
られている。更に、この外筒金具14における接続部2
4の径方向中間部分には、段差部が設けられており、そ
れによってかかる接続部24が、該段差部を挟んだ径方
向両側に位置する内周側部分26と外周側部分28とか
ら成る二段の階段型断面形状をもって形成されている。
【0017】また、これら内筒金具12と外筒金具14
との間に介装された第一のゴム弾性体16には、その内
部において、内外筒金具12,14間を周方向に連続し
て延び、かしめ部22が位置する方の軸方向側端面上に
開口する環状の凹所30が、設けられている。
【0018】そして、かくの如き第一の一体加硫成形品
20の形成後、かかる第一の一体加硫成形品20の凹所
30に対して、別途形成した円環形状のゴムブロック3
2が挿入される。このゴムブロック32は、凹所30よ
りも一回り小さな断面形状をもって形成されており、凹
所30の内側壁面に対して嵌着されることにより、かか
る凹所30内における軸方向中央部分に固定的に配設さ
れている。
【0019】次いで、このゴムブロック32が凹所30
内に配設された第一の一体加硫成形品20が、図示しな
い適当な支持具等によって支持されることにより、凹所
30が鉛直上方に向って開口するように保持せしめら
れ、以て、そのような保持状態下に、凹所30に対し
て、所定の非圧縮性流体、例えばシリコーンオイル等の
高粘性流体34が、注入される。ここにおいて、かかる
高粘性流体34の注入量は、凹所30によって形成され
る後述の流体室36(図1参照)の容積よりも幾分多く
設定されることとなる。
【0020】そして、高粘性流体34の注入後、図3に
示されているように、かかる第一の一体加硫成形品20
に対して、別途形成された第二の一体加硫成形品38
が、軸方向に組み付けられる。
【0021】この第二の一体加硫成形品は、所定の成形
キャビティ内に、それぞれ円筒形状を呈する内側取付筒
金具40と外側取付筒金具42とを、互いに径方向に所
定距離を隔てて配設せしめて、それら内外取付筒金具4
0,42間で第二のゴム弾性体18を成形することによ
って、形成されたものであって、かかる第二のゴム弾性
体18の内外周面に対して、内側取付筒金具40および
外側取付筒金具42が、それぞれ加硫接着されて成る構
造とされている。
【0022】また、そこにおいて、かかる第二の一体加
硫成形品38を構成する外側取付筒金具42には、軸方
向一方の端部において径方向外方に向って広がる外フラ
ンジ部44が、一体的に設けられている。更に、この外
フランジ部44の内周縁部分には、軸方向外方に所定厚
さで突出する封止ゴム部46が、第二のゴム弾性体18
と一体的に、周方向に連続して形成されている。
【0023】そうして、かくの如き第二の一体加硫成形
品38は、内側取付筒金具40が内筒金具12に対して
圧入されて、外嵌固定される一方、外側取付筒金具42
が外筒金具14のかしめ部22内に挿入されることによ
り、前記第一の一体加硫成形品20に対して、凹所30
の開口側である鉛直上方から組み合わされる。また、そ
の際、かかる第二の一体加硫成形品38は、内側取付筒
金具40が外側取付筒金具42よりも先行して組み合わ
されることにより、先ず、内側取付金具40だけが、内
筒金具12に対する組付位置まで圧入される。
【0024】すなわち、それによって、図3に示されて
いる如く、凹所30の開口部が、第二のゴム弾性体18
(第二の一体加硫成形品38)によって、径方向内側か
ら、漸次、径方向外方に向って覆蓋されて行くこととな
る。また、それに伴って、凹所30と第二のゴム弾性体
18との間に存在する余剰の高粘性流体34と空気が、
漸次、径方向外方に押し出され、以て、外筒金具14と
外側取付筒金具42との間に形成された外周部分の隙間
48を通じて、外筒金具14における接続部24の内周
側部分26上に導かれ、凹所30から排出されることと
なる。なお、このことから明らかなように、本実施例で
は、かかる外筒金具14に設けられた接続部24の内周
側部分26によって、流体の逃げ部が構成されているの
である。
【0025】そして、最終的には、図1に示されている
如く、外側取付筒金具42の外フランジ部44が、外筒
金具14における接続部24の外周側部分28上に重ね
合わされ、該外フランジ部44の外周縁部が、外筒金具
14のかしめ部22によって、外筒金具14に対してか
しめ固定されて、第一の一体加硫成形品20が第二の一
体加硫成形品38に対して、固定的に組み付けられる。
【0026】また、そのように、外側取付筒金具42の
外フランジ部44が、外筒金具14における接続部24
の外周側部分28上に重ね合わされてかしめ固定される
と、それら外側取付筒金具42の外フランジ部44と外
筒金具14における接続部24の内周側部分26との間
で、封止ゴム部46が挟圧されることとなり、以て、隙
間48が閉塞せしめられる。即ち、それによって、凹所
30の開口部が第二のゴム弾性体18にて流体密に覆蓋
せしめられて、高粘性流体34が内部に封入された流体
室36が形成されることとなるのである。
【0027】また一方、余剰流体が導かれた外筒金具1
4における接続部24の内周側部分26は、外筒金具1
4にかしめ固定された外側取付筒金具42にて、その開
口が覆蓋されることにより、密閉された余剰流体室50
とされる。
【0028】従って、上述の如き手法に従えば、組立操
作を流体中で行なうことなく、流体室36への高粘性流
体34の注入と封止を行なうことができるのであり、外
筒金具14の外周面等への流体の付着が、略完全に防止
され得ることとなるのである。そして、それによって、
ブッシュ組立後の洗浄や乾燥等といった工程が不要とな
るのであり、また、流体中での面倒な組立作業も不要と
なることから、ブッシュの製作性が、飛躍的に向上され
得るのである。
【0029】しかも、凹所30には、予め、流体室36
の容積よりも幾分多い量の高粘性流体34が注入されて
おり、かかる凹所30を覆蓋して流体室36を形成する
に際して、その余剰分が、余剰流体室50に導かれて流
体室36から排出されることとなるところから、かかる
流体室50への封入流体が不足して空気等が混入した
り、該流体室50の内圧が異常に高くなってしまうよう
な不具合が惹起されるようなことがなく、製作されるサ
スペンションブッシュ10の性能、品質の安定化が、有
利に図られる得るのである。
【0030】また、ブッシュの組立時に流体室36から
排出された余剰流体は、余剰流体室50に封入されるこ
とから、かかる余剰流体が外部に溢れたり、漏れたりす
ることもない。
【0031】次に、図4には、本発明の別の実施例とし
てのサスペンションブッシュ54が示されており、更
に、図5及び図6には、その製作工程を示す、前記第一
の実施例における図2及び図3に対応した説明図が、そ
れぞれ示されている。なお、本実施例では、前記第一の
実施例と同様な構造とされた部材および部位について
は、図中、前記第一の実施例と同一の符号を付すること
により、その詳細な説明は省略することとする。
【0032】すなわち、本実施例におけるサスペンショ
ンブッシュ54においては、ブッシュ組立時において、
凹所30内に注入された高粘性流体34の余剰分が導か
れて封止される余剰流体室60が、内筒金具12と内側
取付筒金具40との間に形成されている。
【0033】より詳細には、かかるサスペンションブッ
シュ54にあっては、第一の一体加硫成形品20を構成
する内筒金具12の外周面に対して、凹所30の開口部
位に位置し、外周面に開口する凹溝56が、周方向に連
続して形成されている。また一方、第二の一体加硫成形
品38を構成する内側取付筒金具40の内周面には、内
筒金具12に対して圧入される方の軸方向端部から、他
方の軸方向端部近傍に至る長さをもって軸方向に延びる
連通溝58が、形成されている。
【0034】そして、第一の一体加硫成形品20に対し
て第二の一体加硫成形品38を組み合わせる際、図6に
示されているように、かかる第二の一体加硫成形品38
は、先ず、外側取付筒金具42が、内側取付筒金具40
に先立って、外筒金具14のかしめ部22に対して、組
付位置まで挿入された後、内側取付筒金具40が、内筒
金具12に対して圧入されることとなる。
【0035】すなわち、それによって、凹所30の開口
部が、第二のゴム弾性体18(第二の一体加硫成形品3
8)により、径方向外側から、漸次、径方向内方に向っ
て覆蓋されて行くこととなり、また、それに伴って、凹
所30と第二のゴム弾性体18との間に存在する余剰の
高粘性流体34と空気が、漸次、径方向内方に押し出さ
れ、以て、内筒金具12の凹溝56内に導かれて、排出
されることとなる。なお、このことから明らかなよう
に、本実施例では、かかる内筒金具12に設けられた凹
溝56によって、流体の逃げ部が構成されているのであ
る。
【0036】また、かかる内側取付筒金具40の内筒金
具12に対する圧入時には、内筒金具12の凹溝56内
が、内側取付筒金具40の内周面に設けられた連通溝5
8を通じて、外部に連通されており、凹所30および凹
溝56内における圧力上昇が解消されるようになってい
る。
【0037】そして、最終的には、図4に示されている
如く、内側取付筒金具40の軸方向端面が、第一のゴム
弾性体16に対して圧接されることにより、凹溝56と
凹所30との間が流体密に封止されることとなり、以
て、凹所30内に高粘性流体34が封入された流体室3
6が形成されると共に、凹溝56内には、余剰流体が封
止された余剰流体室60が形成されることとなるのであ
る。
【0038】従って、このような手法によっても、組立
操作を流体中で行なうことなく、流体室36への高粘性
流体34の注入と封止を行なうことができるのであり、
前記第一の実施例と同様な効果が、何れも有効に発揮さ
れ得ることとなるのである。
【0039】しかも、本実施例構造のサスペンションブ
ッシュ54にあっては、内筒金具12側に余剰流体室6
0が形成されていることから、サスペンションブッシュ
54の外径寸法を、前記第一の実施例のものよりも、小
さく設定することが可能であるという利点も有している
のである。
【0040】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0041】例えば、前記実施例では、外側取付筒金具
42が外筒金具14に対してかしめ固定されてなる構造
とされていたが、内筒金具側と同様、圧入固定構造とす
ることも可能である。
【0042】また、前記実施例では、内筒金具側および
外筒金具側の何れか一方の側に余剰流体室が形成されて
いたが、第二のゴム弾性体の内側面形状等を適当に設定
すれば、それら内筒金具側と外筒金具側との双方に余剰
流体室を形成することが可能である。
【0043】そして、そのように内筒金具側と外筒金具
側との双方に余剰流体室を形成すれば、内側取付筒金具
と外側取付筒金具とを、内筒金具および外筒金具に対し
て、同時に組み付けるようにすることも、可能となる。
【0044】また、前記実施例では、何れも、高粘性流
体を封入するタイプの防振ブッシュに対して、本発明を
適用したものの具体例を示したが、水等の低粘性流体を
封入するタイプの防振ブッシュに対しても、本発明は、
同様に、適用され得るものである。
【0045】更にまた、前記実施例では、単一の流体室
が形成されてなる防振ブッシュに対して、本発明を適用
したものの具体例を示したが、周方向或いは径方向に分
割された複数の流体室が形成されてなる防振ブッシュに
も、本発明を適用することが可能である。
【0046】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用サスペンションブッシュに対して適用したものの具体
例を示したが、本発明は、その他、各種の流体封入式防
振ブッシュに対して、適用可能である。
【0047】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのサスペンションブッ
シュを示す縦断面図である。
【図2】図1に示されているサスペンションブッシュの
製作工程を示す縦断面説明図である。
【図3】図1に示されているサスペンションブッシュの
製作工程を示す縦断面説明図である。
【図4】本発明の別の実施例としてのサスペンションブ
ッシュを示す縦断面図である。
【図5】図4に示されているサスペンションブッシュの
製作工程を示す縦断面説明図である。
【図6】図4に示されているサスペンションブッシュの
製作工程を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10,54 サスペンションブッシュ 12 内筒金具 14 外筒金具 16 第一のゴム弾性体 18 第二のゴム弾性体 20 第一の一体加硫成形品 22 かしめ部 24 接続部 26 内周側部分 28 外周側部分 30 凹所 34 高粘性流体 36 流体室 38 第二の一体加硫成形品 40 内側取付筒金具 42 外側取付筒金具 46 封止ゴム部 48 隙間 50,60 余剰流体室 56 凹溝 58 連通溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒金具と、 該内筒金具の径方向外方に所定距離を隔てて配された外
    筒金具と、 前記内筒金具と前記外筒金具との間に介装されて、それ
    ら両金具を連結すると共に、それら両金具間において軸
    方向一方の側に向って開口する凹所を形成する環状の第
    一のゴム弾性体と、 内周面に内側取付筒金具が、また外周面に外側取付筒金
    具が、それぞれ固着されており、前記第一のゴム弾性体
    に対して、前記凹所の開口側から軸方向に組み合わされ
    て、前記内側取付筒金具および前記外側取付筒金具が該
    内筒金具および該外筒金具に固定されることにより、そ
    れら内筒金具と外筒金具とを連結すると共に、前記凹所
    の開口を覆蓋して流体室を形成する環状の第二のゴム弾
    性体と、 かかる流体室に封入された所定の非圧縮性流体と、 前記内筒金具と前記内側取付筒金具との間および前記外
    筒金具と前記外側取付筒金具との間の少なくとも何れか
    一方の側に形成されて、前記第二のゴム弾性体の前記第
    一のゴム弾性体に対する組合せ時に前記流体室に対して
    連通されると共に、かかる第二のゴム弾性体の内外筒金
    具への組付け後に該流体室に対して流体密に遮断される
    余剰流体室を設けたことを特徴とする流体封入式防振ブ
    ッシュ。
  2. 【請求項2】 互いに径方向に所定距離を隔てて配され
    た内筒金具と外筒金具とが、それらの間に介装された環
    状の第一のゴム弾性体にて連結されると共に、それら内
    外筒金具間に、軸方向一方の側に向って開口する凹所が
    形成された第一の一体加硫成形品を準備する工程と、 前記内筒金具に組み付けられる内側取付筒金具と、前記
    外筒金具に組み付けられる外側取付筒金具が、環状の第
    二のゴム弾性体の内周面および外周面に対してそれぞれ
    加硫接着されてなる第二の一体加硫成形品を準備する工
    程と、 前記第一の一体加硫成形品を、前記凹所が鉛直上方に開
    口するように保持せしめて、該凹所内に所定の封入流体
    を注入せしめる工程と、 かかる第一の一体加硫成形品における前記凹所が開口す
    る側から、前記第二の一体加硫成形品を軸方向に接近さ
    せて、前記内筒金具と前記内側取付筒金具との間および
    前記外筒金具と前記外側取付筒金具との間の少なくとも
    何れか一方の側に形成された、該凹所に連通された流体
    の逃げ部に対して、該凹所内の余剰流体を導きつつ、そ
    れら第一の一体加硫成形品と第二の一体加硫成形品とを
    組み合わせる工程と、 かかる第一の一体加硫成形品における内筒金具および外
    筒金具に対して、前記第二の一体加硫成形品における前
    記内側取付筒金具および外側取付筒金具をそれぞれ固定
    して組み付けることにより、該第一の一体加硫成形品に
    おける前記凹所の開口を該第二の一体加硫成形品にて覆
    蓋して所定の非圧縮性流体が封入された流体室を形成す
    ると共に、前記余剰流体が導かれた流体の逃げ部と該流
    体室との間を遮断せしめて、かかる流体の逃げ部を余剰
    流体室と成す工程とを、含むことを特徴とする流体封入
    式防振ブッシュの製作方法。
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