JP2598976B2 - 粘性流体封入式ブッシュの製作方法 - Google Patents

粘性流体封入式ブッシュの製作方法

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JP2598976B2 JP63216165A JP21616588A JP2598976B2 JP 2598976 B2 JP2598976 B2 JP 2598976B2 JP 63216165 A JP63216165 A JP 63216165A JP 21616588 A JP21616588 A JP 21616588A JP 2598976 B2 JP2598976 B2 JP 2598976B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/06Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/08Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper the plastics spring forming at least a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/14Units of the bushing type, i.e. loaded predominantly radially

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、粘性流体封入式ブッシュの製作方法に係
り、特に内部に封入された高粘性流体の剪断による粘性
抵抗に基づいて優れた防振効果が発揮され得る防振ブッ
シュを、有利に製造することのできる方法に関するもの
である。
(背景技術) 従来から、振動伝達系を構成する軸部材と取付部材と
の間に介装されて、それら両部材を防振連結するインシ
ュレータの一種として、例えば、FF型自動車のストラッ
ト型フロントサスペンションに多く採用されているL型
ロワーアームにおける車両後側のピボットたるコンプレ
ッションロッドの、車体フレーム側に対する取付部に介
装されるブッシュの如く、全体として略有底筒状を呈
し、所定の取付部材に固設されることにより、その内孔
内に挿入される所定の軸部材を、かかる取付部材に対し
て防振連結せしめるようにした防振ブッシュが知られて
いる。
ところが、従来、このような構造の防振ブッシュにあ
っては、その防振効果が、専らゴム単体にて得られる構
造のものが用いられているために、入力振動に対する充
分な減衰効果を得ることが難しく、特に、低周波数域の
入力振動に対して大きな減衰特性を設定することは、極
めて困難であったのである。
そこで、本願出願人は、先に、実願昭62−94986号に
おいて、内部に粘性流体を封入せしめてなる粘性流体封
入式ブッシュを提案した。かかる粘性流体封入式ブッシ
ュにあっては、有底筒状の内筒金具と、該内筒金具の外
径よりも大きな内径を有し、該内筒金具の外表面を所定
距離を隔てて覆うように配された有底筒状の外筒金具と
を、それらの開口部間に介装された筒状ゴム弾性体にて
弾性的に連結せしめて、それら内外筒金具間に所定の高
粘性流体が封入された流体収容室を画成する一方、かか
る流体収容室内における、前記内筒金具側と前記外筒金
具との筒部または底部の対向面間に、ブッシュ周方向ま
たは軸直角方向に拡がる狭窄部をそれぞれ形成せしめて
なる構造とされることとなる。
そして、このようなブッシュにあっては、内外筒金具
間における振動入力に際して、内筒金具と外筒金具とが
相対的に変位(振動)せしめられることに伴い、狭窄部
内に存在する粘性流体によって、剪断に基づく粘性抵抗
が発揮され得るところから、従来のゴム単体による弾性
特性に基づいて防振するようにした構造のものに比し
て、極めて優れた防振特性、なかでも特に良好なる減衰
効果を得ることができるのである。
ところで、このような構造のブッシュの製作時におけ
る流体収容室内への注入及び封止手法としては、通常の
流体封入式防振ブッシュ等に採用されている如く(特開
昭58−170608号公報参照)、内外筒金具の組付けを所定
の流体中にて行なうことによって、或いは内外筒金具の
組付後、外筒金具に穿設された貫通孔を通じて流体を注
入し、その後該貫通孔をリベット等にて閉塞することに
よって、行なうことが考えられる。
しかしながら、かかるブッシュにおける封入流体が、
シリコーンオイル等の高粘性流体であるが、故に、前者
の手法では、かかる高粘性流体が製品表面に付着してし
まい、その除去のために製造工程数の増加及び製造コス
トの上昇が惹起されるといった問題を有していたのであ
り、一方、後者の手法では、流体の注入に時間がかか
り、また注入作業自体も難しく、更に外筒金具に対する
穿孔及び閉塞作業のために製造コストが高くなるといっ
た問題を内在していたのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情の背景とし
て為されたものであって、その解決課題とするところ
は、ブッシュ内に形成される流体収容室内への所定の高
粘性流体の注入及び封止が容易に行なわれ得、以て前述
の如き構造の粘性流体封入式ブッシュを、良好なる製作
性と製造コストとをもって、有利に製造することのでき
る製作方法を提供することにある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決すべく、本発明にあって
は、優底筒状の内筒金具と、該内筒金具の外径よりも大
きな内径を有し、該内筒金具の外表面を所定距離を隔て
て覆うように配された有底筒状の外筒金具とを、それら
の開口部間に介装された筒状ゴム弾性体にて弾性的に連
結せしめて、それら内外筒金具間に所定の高粘性流体が
封入された流体収容室を画成する一方、かかる流体収容
室内における、前記内筒金具と前記外筒金具との筒部ま
たは底部の対向面間に、ブッシュ周方向または軸直角方
向に拡がる狭窄部を形成せしめてなる、粘性流体封入式
ブッシュの製作方法にして、(a)前記内筒金具の開口
側外周面上に、前記筒状ゴム弾性体が一体的に設けら
れ、更に該筒状ゴム弾性体の外周面上に、剛性スリーブ
が固着せしめられてなるブッシュ本体を準備する工程
と、(b)少なくとも開口端側が前記ブッシュ本体を構
成する剛性スリーブの外径よりも大きな内径とされてな
る、前記外筒金具を準備する工程と、(c)かかる外筒
金具を、鉛直上方に開口するように大気中で保持せしめ
た状態で、その内部に開口部を通じて高粘性流体を所定
量注入せしめる工程と、(d)該高粘性流体が注入され
た外筒金具に対して、大気中において、その内部に、前
記ブッシュ本体を挿入し、それらブッシュ本体と外筒金
具とを、それらの間に形成される空間に高粘性流体が充
填された状態下に配置せしめる工程と、(e)かかるブ
ッシュ本体の挿入状態下に、前記外筒金具の開口側部分
を大気中で絞り加工して縮径せしめ、前記ブッシュ本体
における剛性スリーブの外周面に密着させることによ
り、それらの間の流体密性を確保して、前記高粘性流体
が内部に封入されてなる前記流体収容室を完成する工程
とを含むことを、その特徴とするものである。
(実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本
発明の一実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説
明することとする。
先ず、第1図乃至第3図には、本発明手法にて製造さ
れるべき粘性流体封入式ブッシュの一例としての、自動
車のL型ロワーアームにおけるコンプレッションロッド
の車体フレームに対する取付部に介装せしめられる防振
ブッシュ10が示されている。
かかる防振ブッシュ10は、本願出願人が、前記実願昭
62−94986号において提案した粘性流体封入式ブッシュ
に従う構造とされたものであって、有底筒状の内筒金具
12と、該内筒金具12の外表面を所定距離を隔てて覆うよ
うに配された、有底円筒形状の外筒金具14とを有し、且
つそれら内筒金具12と外筒金具14とが、その開口側端部
において、筒状連結ゴム16によって連結、一体化せしめ
られてなる構造とされている。そして、かかる防振ブッ
シュ10は、その内筒金具12の内孔内に、L型ロワーアー
ムのコンプレッションロッドが挿通されて取り付けられ
る一方、そと外筒金具14が、U字型断面の帯状ブラケッ
トによって、車体フレーム側に固設せしめられることに
より使用されるようになっている。
以下、このような構造のブッシュ組立体の製造方法に
ついて説明をする。
すなわち、その製造に際しては、先ず、第4図乃至第
6図に示されている如き、ブッシュ本体18が作製され
る。このブッシュ本体18は、前記内筒金具12と筒状連結
ゴム16とが、一体的に固着、形成されたものである。
より具体的には、かかる内筒金具12の筒壁部24におけ
る開口端側の外周面上に、筒状連結ゴム16が一体的に設
けられており、更に該筒状連結ゴム16の外周面上には、
周方向略半周に亘って延びる外向きのフランジ状部20を
軸方向一端側に備えた金属スリーブ22が、内筒金具12と
同一軸心上において、且つそのフランジ状部20が、内筒
金具12の開口部側に位置する状態で、一体的に固着せし
められている。
また、かかる内筒金具12の筒壁部24における底部側の
外周面上には、略円弧形状の硬質ブロック25、25が径方
向両側から組み付けられて固着されていると共に、それ
らの硬質ブロック25、25の外表面がゴム弾性体にて覆わ
れることによって、径方向外方に所定高さで突出し、且
つ周方向全周に亘って延びる円筒状の第一の弾性作用突
部26が、形成されている。更にまた、かかる内筒金具12
の底壁部28における外側面上には、軸方向外方に所定高
さで突出する円盤状の第二の弾性作用突部30が、ゴム弾
性によって一体的に設けられている。
ところで、このようなブッシュ本体18は、一般に、所
定の成形型内に内筒金具12及び金属スリーブ22を配置せ
しめた状態下において、かかる成形型内に所定のゴム材
料を注入して、筒状連結ゴム16、第一及び第二の弾性作
用突部26及び30を、それぞれ同時に成形せしめることに
より、一体加硫成形品として形成されることとなる。
また、本実施例においては、筒状連結ゴム16と第一及
び第二の弾性作用突部26及び30は、所定のゴム弾性体に
て一体的に形成されており、且つかかるゴム弾性体の成
形材料が、内筒金具12の内周面に導かれることによっ
て、その内周面にも薄肉の内側ゴム層34が形成されてい
る。
なお、このようにして一体加硫成形されたブッシュ本
体18には、必要に応じて、その金属スリーブ22に対する
縮径加工が施されることにより、ゴム弾性体の加硫時の
収縮による応力が解消されると共に、筒状連結ゴム16に
対して適当な予備圧縮が加えられることとなる。
一方、このようなブッシュ本体18の形成工程とは別工
程において、前記外筒金具14が形成されることとなる。
この外筒金具14は、第7図乃至第9図に示されているよ
うに、開口側端部において、周方向の略半周に亘って延
びる外向きのフランジ状部36を備えた、有底円筒形状を
もって形成されている。なお、かかるフランジ状部36の
周方向中央部及び両側端部の外周縁には、それぞれ、カ
シメ部38が設けられている。
また、かかる外筒金具14の筒壁部は、その開口側部分
が所定長さに亘って大径化されることにより、小径部40
と大径部42とからなる段付円筒形状をもって形成されて
いる。そして、その小径部40の外周面は、略全面に亘っ
て所定厚さの取付ゴムスリーブ44にて覆われている。
また一方、外筒金具14の大径部42は、前記ブッシュ本
体18を構成する金属スリーブ22の外径と略同一か或いは
僅かに大きな内径をもって形成されており、且つその内
周面には、全周に亘ってシールゴム46が、固着せしめら
れている。なお、かかるシールゴム46の内周面上には、
周方向に延びる2条のシールリップ48、48が形成されて
いる。また、本実施例において、このシールゴム46は、
取付ゴムスリーブ44と一体的に形成されている。
そして、このように、前記ブッシュ本体18とは別途形
成された外筒金具14は、第10図に示されているように、
鉛直上方に開口するように保持せしめられ、そしてその
内部に対して、開口部を通じて、高粘性流体49が所定量
だけ注入せしめられる。
ここにおいて、かかる高粘性流体49としては、十分な
る粘性抵抗を得る上に、例えば1000センチストークス以
上、好ましくは1万センチストークス以上、より好まし
くは10万〜100万センチストークスの動粘度を有する、
シリコーン・オイルなどの流体が好適に用いられること
となる。
そして、このような高粘性流体49の注入の後、かかる
外筒金具14に対して、第11図に示されているように、該
外筒金具14とは別途形成された前記ブッシュ本体18が、
組み合わされることとなる。
具体的には、かかるブッシュ本体18は、内筒金具12の
底壁部28側から、外筒金具14の開口部を通じて、内筒金
具12のフランジ状部20と外筒金具14のフランジ状部36と
が互いに当接するまで、内部に所定量挿入されることと
なり、以て第12図に示されているように、それら外筒金
具14とブッシュ本体18とが、同心的に配置せしめられて
いるのである。
そして、かかる配置状態下では、外筒金具14とブッシ
ュ本体18との底部側対向面間に、所定容積の空間が形成
されることとなる。また、かかる外筒金具14に対するブ
ッシュ本体18の挿入、組付けによって、該ブッシュ本体
18の外周面上に設けられた、前記第一の弾性作用突部26
及び第二の弾性作用突部30の突出端面が、それぞれ、外
筒金具14の内周面に対して所定間隙を隔てて対向位置せ
しめられることとなり、以て両部材14、18間に形成され
た前記空間内において、それら両部材14、18の筒部間を
周方向全周に亘って所定幅で広がる筒状の第一の狭窄部
50と、それら両部材14、18の底部間を軸直角方向に広が
る円盤状の第二の狭窄部52とが、それぞれ形成されるこ
ととなる。
また、ここにおいて、かかる外筒金具14内には、前述
の如く、高粘性流体49が収容されており、そしてブッシ
ュ本体18の挿入に際して、該ブッシュ本体18の挿入先端
部が、かかる流体内に進入せしめられることとなるとこ
ろから、かかるブッシュ本体18の挿入に伴い、外筒金具
14との間に形成される前記空間内に存在する空気が外部
に排出され、以て第一及び第二の狭窄部50、52を含む該
空間内が、高粘性流体49にて満たされるようになってい
るのである。
なお、このことから明らかなように、前記外筒金具14
内に注入される高粘性流体49の注入量は、ブッシュ本体
18の挿入に際して、それら両部材14、18間に形成される
空間内を満たすに充分な量が必要であり、且つかかるブ
ッシュ本体18の挿入時に外筒金具14の開口部から溢れ出
ることを出来るだけ防ぐために、余り多すぎないように
設定することが必要である。
そして、このようなブッシュ本体18の外筒金具14に対
する挿入、組付けの後、外筒金具14の大径部42に対し
て、八方絞り等の絞り加工が施されて縮径されることに
より、該大径部42が、その内周面に固着されたシールゴ
ム46を介して、ブッシュ本体18の金属スリーブ22に対し
て密着され、それら両部材間のシール性が確保されるの
である。即ち、かかる縮径加工にて、前記外筒金具14と
ブッシュ本体18との間に形成された空間が流体密に閉塞
せしめられて、その内部に高粘性流体49が封入されるこ
とにより、そこに該高粘性流体49が封入されてなる流体
収容空間54が形成せしめられることとなる。
更にまた、かかる外筒金具14は、そのフランジ状部36
に設けられたカシメ部38が、内筒金具12のフランジ状部
20に対して、かしめ固定されることにより、ブッシュ本
体18に対して強固に組み付けられるのであり、そしてそ
れによって、第1図乃至第3図に示されている如き、目
的とする防振ブッシュ10が完成されるのである。
すなわち、このような構造とされた本実施例における
防振ブッシュ10にあっては、ブッシュ軸直角方向の振動
が入力せしめられると、内筒金具12の外筒金具14に対す
る相対的な変位(振動)に基づいて、流体収容空間54内
において、内筒金具10の外面上に設けられた第一及び第
二の弾性作用突部26、30が、それぞれ、外筒金具14の内
周面に対して相対的に移動せしめられることとなるので
あり、そしてそれによって、それら第一及び第二の弾性
作用突部26、30の突出端面と外筒金具14の内周面との間
に形成された第一及び第二の狭窄部50、52内に存在する
粘性流体に対して、それぞれ有効な剪断作用が惹起せし
められ、以てそのような粘性流体の剪断による所定の粘
性抵抗によって、広い周波数域に亘って優れた減衰効果
が発揮され得るのである。
また、かかる構造の防振ブッシュ10にあっては、内外
筒金具12、14間に過大な振動荷重が入力された際、第一
及び第二の弾性作用突部26、30の外筒金具14に対する当
接によって、それら両金具12、14の相対的変位を規制す
る、所謂ストッパ機能をも奏し得るのである。なお、特
に本実施例においては、それら両突部26、30が、ゴム弾
性体にて形成されていることから、外筒金具14に対する
当接時における衝撃が有利に吸収、緩和され得ることと
なる。
そして、上述の如き製作手法に従えば、かかる防振ブ
ッシュ10の製作に際して、粘性流体の注入が、外筒金具
14の開口部を通じての該外筒金具14内への注入操作によ
って行なわれ、またかかる粘性流体が充填された流体収
容空間54が、外筒金具14に対する縮径加工によって密閉
され、完成されることとなるところから、かかる粘性流
体の注入から封止に至る充填操作が、極めて迅速に且つ
容易に為され得ることとなるのである。
すなわち、かかる手法にて防振ブッシュ10を製作する
に際しては、流体中での組付操作が必要とされることが
なく、製品表面への流体の付着が可及的に回避され得る
ところから、粘性流体封入後における防振ブッシュ10の
全面洗浄を行なう必要がないのであり、また流体の注入
が迅速に為され得、その封止に際して、リベット加工等
の特別な工程が必要とされることもないのである。そし
て、それ故、かかる手法に従えば、流体の注入を含むブ
ッシュ製作工程が、一連の連続的な工程にて試され得、
以て製作工程の簡略化及び製造コストの低減が、何れも
有利に図られ得るのである。
なお、本発明は、かかる例示の具体例の他にも、その
趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づい
て種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであり、
本発明が、また、そのような実施形態のものをも、その
範疇に含むものであることが、理解されるべきである。
そして、特に、前記実施例において示されている防振
ブッシュ10によって、本発明が適用されるブッシュの構
造が限定解釈されるべきものではないことは勿論であ
る。
例えば、流体収容空間54内において狭窄部50、52を形
成する第一及び第二の弾性作用突部26、30は、筒状連結
ゴム16と別体にて形成したり、或いは硬質材料にて形成
したりすることも可能である。更には、そのような作用
突部を、外筒金具14の内周面側に設けることも可能であ
り、或いはそれらの作用突部26、30の何れか一方のみを
設けるようにしても良い。
また、流体収容空間54内における狭窄部50、52の形成
は、例示の如き作用突部26、30によることなく、例え
ば、内筒金具12の拡径や外筒金具14の縮径等によって、
それら内外筒金具12、14間の対抗面間距離を調節するこ
とにより、それら両金具12、14間に直接的に形成するこ
とも可能である。
さらに、前記実施例では、主としてブッシュ軸直角方
向の入力振動に対して良好なる防振効果が発揮され得る
ように設定されていたが、第一及び第二の狭窄部50、52
内における流体の粘性抵抗に基づいてブッシュ軸方向の
入力振動に対しても、防振効果が有効に発揮され得るよ
うに設定することも、勿論可能である。
加えて、本発明は、例示の如き、防振ブッシュの他、
振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それらを防
振連結する、各種の防振ブッシュに対して、特に自動車
のサスペンション系を構成する各種ブッシュ等に対し
て、良好に適用され得るものであり、また配設部位や要
求される防振特性等に応じて、適当な設計的変更が、適
宜加えられることは勿論である。
(発明の効果) 上述の説明から明らかなように、本発明に係る製作手
法に従えば、ブッシュの製作に際し、粘性流体の注入
が、外筒金具の開口部を通じての該外筒金具内への注入
操作によって行なわれ、その後かかる外筒金具に対する
ブッシュ本体の内挿、組付けにて、それらの間に粘性流
体が充填された空間(流体収容室)が形成されるのであ
り、更にかかる空間の封止(密閉)が、外筒金具を縮径
加工してブッシュ本体を構成する剛性スリーブに密着さ
せることによって為され得るところから、かかる粘性流
体の注入操作が迅速に為され得ると共に、流体中での組
付操作が必要とされることがなく、ブッシュ表面に付着
した流体の除去のための全面洗浄を行なう必要がないの
であり、該粘性流体の注入から封止に至る充填操作が、
極めて良好に試され得ることとなるのである。
そして、それ故、かかる本発明手法に従えば、内部に
封入された粘性流体の粘性抵抗に基づき、優れた防振性
能が発揮され得る粘性流体封入式ブッシュの製造に際し
ての、製作工程の簡略化及び製造コスト低減が、何れも
有効に達成され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明手法にて製造されるべき粘性流体封入
式ブッシュの一具体例を示す縦断面図であって、第3図
におけるI−I断面に相当する図であり、第2図は、第
1図におけるII−II断面図(第3図におけるII−II断面
図)であり、第3図は、第1図における右側面図であ
る。また、第4図は、第1図に示されている防振ブッシ
ュを構成するブッシュ本体を示す縦断面図であって、第
6図におけるIV−IV断面に相当する図であり、第5図
は、第4図におけるV−V断面図(第6図におけるV−
V断面図)であり、第6図は、第4図における右側面図
である。また、第7図は、第1図に示されている防振ブ
ッシュを構成する外筒金具を示す縦断面図であって、第
9図におけるVII−VII断面に相当する図であり、第8図
は、第7図におけるVIII−VIII断面図(第9図における
VIII−VIII断面図)であり、第9図は、第7図における
右側面図である。更に、第10図乃至第12図は、それぞ
れ、第1図に示されている防振ブッシュの製作工程を説
明するための説明図である。 10:防振ブッシュ、12:内筒金具 14:外筒金具、16:筒状連結ゴム 18:ブッシュ本体、22:金属スリーブ 26:第一の弾性作用突部 30:第二の弾性作用突部 49:高粘性流体、50:第一の狭窄部 52:第二の狭窄部、54:流体収容空間

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有底筒状の内筒金具と、該内筒金具の外径
    よりも大きな内径を有し、該内筒金具の外表面を所定距
    離を隔てて覆うように配された有底筒状の外筒金具と
    を、それらの開口部間に介装された筒状ゴム弾性体にて
    弾性的に連結せしめて、それら内外筒金具間に所定の高
    粘性流体が封入された流体収容室を画成する一方、かか
    る流体収容室内における、前記内筒金具と前記外筒金具
    との筒部または底部の対向面間に、ブッシュ周方向また
    は軸直角方向に拡がる狭窄部を形成せしめてなる、粘性
    流体封入式ブッシュの製作方法にして、 前記内筒金具の開口側外周面上に、前記筒状ゴム弾性体
    が一体的に設けられ、更に該筒状ゴム弾性体の外周面上
    に、剛性スリーブが固着せしめられてなるブッシュ本体
    を準備する工程と、 少なくとも開口端側が前記ブッシュ本体を構成する剛性
    スリーブの外径よりも大きな内径とされてなる、前記外
    筒金具を準備する工程と、 かかる外筒金具を、鉛直上方に開口するように大気中で
    保持せしめた状態で、その内部に開口部を通じて高粘性
    流体を所定量注入せしめる工程と、 該高粘性流体が注入された外筒金具に対して、大気中に
    おいて、その内部に、前記ブッシュ本体を挿入し、それ
    らブッシュ本体と外筒金具とを、それらの間に形成され
    る空間に高粘性流体が充填された状態下に配置せしめる
    工程と、 かかるブッシュ本体の挿入状態下に、前記外筒金具の開
    口側部分を大気中で絞り加工して縮径せしめ、前記ブッ
    シュ本体における剛性スリーブの外周面に密着させるこ
    とにより、それらの間の流体密性を確保して、前記高粘
    性流体が内部に封入されてなる前記流体収容室を完成す
    る工程とを、 含むことを特徴とする粘性流体封入式ブッシュの製作方
    法。
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