JPH05272365A - 内燃機関の圧縮比制御装置 - Google Patents
内燃機関の圧縮比制御装置Info
- Publication number
- JPH05272365A JPH05272365A JP6705892A JP6705892A JPH05272365A JP H05272365 A JPH05272365 A JP H05272365A JP 6705892 A JP6705892 A JP 6705892A JP 6705892 A JP6705892 A JP 6705892A JP H05272365 A JPH05272365 A JP H05272365A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- connecting rod
- eccentric sleeve
- stopper pin
- compression ratio
- Prior art date
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- Granted
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- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 連接棒に一本の油通路のみ形成し、連接棒の
耐久性を確保しつつ吐出能力の小さな油圧ポンプでもス
トッパピンを駆動することが可能な機関の圧縮比制御装
置を提供する。 【構成】 クランクピン12に回転自在に嵌合される偏
心スリーブ16と、この偏心スリーブ16に対して相対
回転自在に嵌合された連接棒13に組み込まれ且つ当該
偏心スリーブ16に相隔てて形成された一対の係合部16
a,16bの何れかに係合して連接棒13と偏心スリーブ1
6との相対回転位置を切り換えるストッパピン19と、
このストッパピン19を一方の係合部側に付勢するばね
材25と、このばね材25のばね力に抗してストッパピ
ン19を他方の係合部側に付勢する圧油を供給する油圧
供給手段23,29と、偏心スリーブ16とクランクピ
ン12との隙間に潤滑油を供給する潤滑油供給手段32
とを具えたものである。
耐久性を確保しつつ吐出能力の小さな油圧ポンプでもス
トッパピンを駆動することが可能な機関の圧縮比制御装
置を提供する。 【構成】 クランクピン12に回転自在に嵌合される偏
心スリーブ16と、この偏心スリーブ16に対して相対
回転自在に嵌合された連接棒13に組み込まれ且つ当該
偏心スリーブ16に相隔てて形成された一対の係合部16
a,16bの何れかに係合して連接棒13と偏心スリーブ1
6との相対回転位置を切り換えるストッパピン19と、
このストッパピン19を一方の係合部側に付勢するばね
材25と、このばね材25のばね力に抗してストッパピ
ン19を他方の係合部側に付勢する圧油を供給する油圧
供給手段23,29と、偏心スリーブ16とクランクピ
ン12との隙間に潤滑油を供給する潤滑油供給手段32
とを具えたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧油を介して圧縮比を
切り換えるようにした内燃機関(以下、機関と略称す
る)の圧縮比制御装置に関し、特に油圧ポンプの小型化
を企図したものである。
切り換えるようにした内燃機関(以下、機関と略称す
る)の圧縮比制御装置に関し、特に油圧ポンプの小型化
を企図したものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧縮比を高めに設定した機関
は、この機関の圧縮比を低めに設定したものと比較する
と、熱効率の上昇に伴う燃費等の改善が可能となる反
面、機関の高回転領域や高負荷領域にてノッキングが発
生し易くなる欠点がある。そこで、機関の運転中にその
圧縮比を切り換えることができるようにしたものが、例
えば実開平3−127052号公報等で提案されてお
り、機関の高回転領域や高負荷領域ではノッキングが発
生しないように機関の圧縮比を下げる一方、ノッキング
が発生し難いその他の運転領域では機関の圧縮比を上
げ、熱効率の上昇に伴う燃費等の改善を行うようにして
いる。
は、この機関の圧縮比を低めに設定したものと比較する
と、熱効率の上昇に伴う燃費等の改善が可能となる反
面、機関の高回転領域や高負荷領域にてノッキングが発
生し易くなる欠点がある。そこで、機関の運転中にその
圧縮比を切り換えることができるようにしたものが、例
えば実開平3−127052号公報等で提案されてお
り、機関の高回転領域や高負荷領域ではノッキングが発
生しないように機関の圧縮比を下げる一方、ノッキング
が発生し難いその他の運転領域では機関の圧縮比を上
げ、熱効率の上昇に伴う燃費等の改善を行うようにして
いる。
【0003】このような従来の圧縮比制御装置の一例に
おける低圧縮比の状態の断面構造を表す図8、そのIX−
IX矢視断面形状を表す図9、図8におけるストッパピン
の部分を拡大抽出した図10に示すように、図示しない
機関のクランク軸101に形成されたクランクピン102と連
接棒103の大端部との間には、クランクピン102に対して
外周面を偏心状態に形成した偏心スリーブ104が回転可
能に設けられている。
おける低圧縮比の状態の断面構造を表す図8、そのIX−
IX矢視断面形状を表す図9、図8におけるストッパピン
の部分を拡大抽出した図10に示すように、図示しない
機関のクランク軸101に形成されたクランクピン102と連
接棒103の大端部との間には、クランクピン102に対して
外周面を偏心状態に形成した偏心スリーブ104が回転可
能に設けられている。
【0004】機関の運転中には、偏心スリーブ104の自
由回転を拘束すると共にこの偏心スリーブ104を所定の
回転位置に固定する必要があるため、偏心スリーブ104
に相隔てて形成された二つの係止凹部104a,104bに係合
し得るストッパピン105がクランク軸101の軸心と平行な
方向(図8中、左右方向)に往復動自在に設けられてい
る。
由回転を拘束すると共にこの偏心スリーブ104を所定の
回転位置に固定する必要があるため、偏心スリーブ104
に相隔てて形成された二つの係止凹部104a,104bに係合
し得るストッパピン105がクランク軸101の軸心と平行な
方向(図8中、左右方向)に往復動自在に設けられてい
る。
【0005】中間部分にフランジ状をなすピストン105a
が一体的に形成されたストッパピン105は、クランク軸1
01の軸心と平行に連接棒103の大端部に形成された貫通
穴に対して摺動自在に嵌合されている。このストッパピ
ン105のピストン105aは、貫通穴を2つの油室106,107に
仕切るものであり、これら油室106,107には偏心スリー
ブ104の外周面に臨む油通路108,109がそれぞれ連通して
いる。又、これら油通路108,109が穿設された連接棒103
の貫通穴の油室106側には、ストッパピン105の外径と対
応する貫通穴を形成したばね受けキャップ110が嵌着さ
れ、図示しないボルト等を介して連接棒103の大端部に
固定されている。そして、このばね受けキャップ110と
ピストン105aとの間には、ピストン105aを油室107側に
付勢する圧縮コイルばね111が介装されている。
が一体的に形成されたストッパピン105は、クランク軸1
01の軸心と平行に連接棒103の大端部に形成された貫通
穴に対して摺動自在に嵌合されている。このストッパピ
ン105のピストン105aは、貫通穴を2つの油室106,107に
仕切るものであり、これら油室106,107には偏心スリー
ブ104の外周面に臨む油通路108,109がそれぞれ連通して
いる。又、これら油通路108,109が穿設された連接棒103
の貫通穴の油室106側には、ストッパピン105の外径と対
応する貫通穴を形成したばね受けキャップ110が嵌着さ
れ、図示しないボルト等を介して連接棒103の大端部に
固定されている。そして、このばね受けキャップ110と
ピストン105aとの間には、ピストン105aを油室107側に
付勢する圧縮コイルばね111が介装されている。
【0006】従って、油室106,107に供給される圧油及
び圧縮コイルばね111のばね力によってストッパピン105
が駆動され、偏心スリーブ104の係止凹部104a,104bの何
れか一方にストッパピン105が係合し、この偏心スリー
ブ104の回転位置を大偏心位置と小偏心位置との二つに
固定し得るようになっている。
び圧縮コイルばね111のばね力によってストッパピン105
が駆動され、偏心スリーブ104の係止凹部104a,104bの何
れか一方にストッパピン105が係合し、この偏心スリー
ブ104の回転位置を大偏心位置と小偏心位置との二つに
固定し得るようになっている。
【0007】前記偏心スリーブ104の両端部には、連接
棒103の大端部を挾む一対のフランジ部が形成されてお
り、図示例では連接棒103の大端部が大偏心位置を採る
ような一方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹部
104aが形成され、連接棒103の大端部が小偏心位置を採
るような他方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹
部104bが形成されている。つまり、ストッパピン105が
図10に示す状態から左側へ移動し、ストッパピン105
と係止凹部104aとが係合することにより、大偏心位置に
て連接棒103の大端部と偏心スリーブ104とが固定され
る。一方、ストッパピン105が右側へ移動して図示の如
くストッパピン105と係止凹部104bとが係合することに
より、小偏心位置にて連接棒103の大端部と偏心スリー
ブ104とが固定される。
棒103の大端部を挾む一対のフランジ部が形成されてお
り、図示例では連接棒103の大端部が大偏心位置を採る
ような一方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹部
104aが形成され、連接棒103の大端部が小偏心位置を採
るような他方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹
部104bが形成されている。つまり、ストッパピン105が
図10に示す状態から左側へ移動し、ストッパピン105
と係止凹部104aとが係合することにより、大偏心位置に
て連接棒103の大端部と偏心スリーブ104とが固定され
る。一方、ストッパピン105が右側へ移動して図示の如
くストッパピン105と係止凹部104bとが係合することに
より、小偏心位置にて連接棒103の大端部と偏心スリー
ブ104とが固定される。
【0008】前記連接棒103の大端部に形成されて油室1
06,107にそれぞれ連通する油通路108,109には、偏心ス
リーブ104,クランクピン102,クランクアーム112及びク
ランク軸101のクランクジャーナル113に形成された低圧
油路114及び高圧油路115が接続し、クランクジャーナル
113側から油室106,107へそれぞれ圧油が供給される。
06,107にそれぞれ連通する油通路108,109には、偏心ス
リーブ104,クランクピン102,クランクアーム112及びク
ランク軸101のクランクジャーナル113に形成された低圧
油路114及び高圧油路115が接続し、クランクジャーナル
113側から油室106,107へそれぞれ圧油が供給される。
【0009】この圧縮比制御装置における油圧制御回路
を表す図11に示すように、クランクジャーナル113に
形成された前記低圧油路114は、クランク軸101外にて主
ギャラリ116に臨んでおり、クランクジャーナル113に形
成された前記高圧油路115は、クランク軸101外にて切換
用油ポンプ117或いは主ギャラリ116に接続する。油溜め
118からの圧油は、リリーフ弁119が付設された油ポンプ
120により予め設定した基準油圧に調圧され、油フィル
タ121を介して主ギャラリ116へ供給される。そして、こ
の主ギャラリ116から前記低圧油路114を介し、基準油圧
の圧油が油通路108や機関の各部に分配供給される。
を表す図11に示すように、クランクジャーナル113に
形成された前記低圧油路114は、クランク軸101外にて主
ギャラリ116に臨んでおり、クランクジャーナル113に形
成された前記高圧油路115は、クランク軸101外にて切換
用油ポンプ117或いは主ギャラリ116に接続する。油溜め
118からの圧油は、リリーフ弁119が付設された油ポンプ
120により予め設定した基準油圧に調圧され、油フィル
タ121を介して主ギャラリ116へ供給される。そして、こ
の主ギャラリ116から前記低圧油路114を介し、基準油圧
の圧油が油通路108や機関の各部に分配供給される。
【0010】この主ギャラリ116からの圧油の一部は切
換用油ポンプ117に供給され、基準油圧よりも高い高圧
油として吐出されるが、この切換用油ポンプ117からの
圧油は油圧切換弁122を介して主ギャラリ116からの油圧
と選択的に高圧油路115から油通路109へ供給されるよう
になっている。即ち、図11に示すように油圧切換弁12
2のaポートを接続すると、油通路109には主ギャラリ11
6からの基準油圧の圧油が供給され、油圧切換弁122のb
ポートを接続すると、油通路109には切換用油ポンプ117
からの高圧油が供給される。
換用油ポンプ117に供給され、基準油圧よりも高い高圧
油として吐出されるが、この切換用油ポンプ117からの
圧油は油圧切換弁122を介して主ギャラリ116からの油圧
と選択的に高圧油路115から油通路109へ供給されるよう
になっている。即ち、図11に示すように油圧切換弁12
2のaポートを接続すると、油通路109には主ギャラリ11
6からの基準油圧の圧油が供給され、油圧切換弁122のb
ポートを接続すると、油通路109には切換用油ポンプ117
からの高圧油が供給される。
【0011】従って、油圧切換弁122のbポートを接続
すると、油通路109には切換用油ポンプ117からの高圧油
が油通路109を介して油室107に供給される。この時、油
室106内には油通路108を介して主ギャラリ116からの基
準油圧の圧油が供給されているため、圧縮コイルばね11
1のばね力に抗してストッパピン105のピストン105aが図
示の如く右方へ移動する。この結果、ストッパピン105
と係止凹部104bとが係合し、連接棒103の大端部が偏心
スリーブ104が小偏心位置に保持されるため、機関は低
圧縮比状態となる。
すると、油通路109には切換用油ポンプ117からの高圧油
が油通路109を介して油室107に供給される。この時、油
室106内には油通路108を介して主ギャラリ116からの基
準油圧の圧油が供給されているため、圧縮コイルばね11
1のばね力に抗してストッパピン105のピストン105aが図
示の如く右方へ移動する。この結果、ストッパピン105
と係止凹部104bとが係合し、連接棒103の大端部が偏心
スリーブ104が小偏心位置に保持されるため、機関は低
圧縮比状態となる。
【0012】逆に、油圧切換弁122のaポートを接続す
ると、主ギャラリ116からの基準油圧の圧油が油通路109
を介して油室107に供給されることになる。この時、油
室106内には油通路108を介して主ギャラリ116からの標
準油圧の圧油が供給されているため、圧縮コイルばね11
1のばね力によりストッパピン105のピストン105aが図1
0に示す状態から左方へ移動する。この結果、ストッパ
ピン105と係止凹部104aとが係合し、連接棒103の大端部
が大偏心位置に保持されるため、機関は高圧縮比状態と
なる。
ると、主ギャラリ116からの基準油圧の圧油が油通路109
を介して油室107に供給されることになる。この時、油
室106内には油通路108を介して主ギャラリ116からの標
準油圧の圧油が供給されているため、圧縮コイルばね11
1のばね力によりストッパピン105のピストン105aが図1
0に示す状態から左方へ移動する。この結果、ストッパ
ピン105と係止凹部104aとが係合し、連接棒103の大端部
が大偏心位置に保持されるため、機関は高圧縮比状態と
なる。
【0013】なお、図中の符号で123は油圧切換弁122の
切換動作のためのパイロット圧の給排を制御する電磁制
御弁であり、機関の運転状態に応じて制御ユニット124
により通電状態が切り換えられるようになっている。
切換動作のためのパイロット圧の給排を制御する電磁制
御弁であり、機関の運転状態に応じて制御ユニット124
により通電状態が切り換えられるようになっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図8〜図11に示した
従来の機関の圧縮比制御装置では、低圧油路114を介し
て油通路108から油室106に供給される基準油圧の圧油が
クランクピン102と偏心スリーブ104との間及び連接棒10
3の大端部と偏心スリーブ104との間の潤滑を併せて行っ
ている。
従来の機関の圧縮比制御装置では、低圧油路114を介し
て油通路108から油室106に供給される基準油圧の圧油が
クランクピン102と偏心スリーブ104との間及び連接棒10
3の大端部と偏心スリーブ104との間の潤滑を併せて行っ
ている。
【0015】このため、油室106側に面するストッパピ
ン105のピストン105aには、圧縮コイルばね111のばね力
の他にこの基準油圧の圧油が常時付勢されており、この
状態から油室107に圧油を供給してストッパピン105を偏
心スリーブ104の係止凹部104bに係合させ、低圧縮比状
態に移行させようとすると、油圧107には圧縮コイルば
ね111のばね力と基準油圧との和よりも大きな圧力の圧
油を供給しなければならず、吐出能力の高い切換用油ポ
ンプ117を用いる必要があった。
ン105のピストン105aには、圧縮コイルばね111のばね力
の他にこの基準油圧の圧油が常時付勢されており、この
状態から油室107に圧油を供給してストッパピン105を偏
心スリーブ104の係止凹部104bに係合させ、低圧縮比状
態に移行させようとすると、油圧107には圧縮コイルば
ね111のばね力と基準油圧との和よりも大きな圧力の圧
油を供給しなければならず、吐出能力の高い切換用油ポ
ンプ117を用いる必要があった。
【0016】一方、連接棒103の大端部と偏心スリーブ1
04との間の潤滑を考慮した場合、大きな力を受ける連接
棒103の大端部に複数の油通路108,109を形成することは
余り望ましいことではない。
04との間の潤滑を考慮した場合、大きな力を受ける連接
棒103の大端部に複数の油通路108,109を形成することは
余り望ましいことではない。
【0017】
【発明の目的】本発明は、連接棒の大端部に形成される
油通路を一本のみ形成し、連接棒の耐久性を確保しつつ
吐出能力の小さな油圧ポンプでもストッパピンを駆動す
ることが可能な機関の圧縮比制御装置を提供することを
目的とする。
油通路を一本のみ形成し、連接棒の耐久性を確保しつつ
吐出能力の小さな油圧ポンプでもストッパピンを駆動す
ることが可能な機関の圧縮比制御装置を提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明による機関の圧縮
比制御装置は、クランクピンと連接棒の大端部との間に
回転自在に嵌合された偏心スリーブと、前記連接棒に組
み込まれ且つ前記偏心スリーブに相隔てて形成された一
対の係合部の何れかに係合して当該連接棒と前記偏心ス
リーブとの相対回転位置を切り換えるストッパピンと、
このストッパピンと前記連接棒との間に介装されて当該
ストッパピンを一方の前記係合部側に付勢するばね材
と、このばね材のばね力に抗して前記ストッパピンを他
方の前記係合部側に付勢する圧油を供給するための油圧
供給手段と、前記偏心スリーブと前記クランクピンとの
隙間に潤滑油を供給するための潤滑油供給手段とを具え
たものである。
比制御装置は、クランクピンと連接棒の大端部との間に
回転自在に嵌合された偏心スリーブと、前記連接棒に組
み込まれ且つ前記偏心スリーブに相隔てて形成された一
対の係合部の何れかに係合して当該連接棒と前記偏心ス
リーブとの相対回転位置を切り換えるストッパピンと、
このストッパピンと前記連接棒との間に介装されて当該
ストッパピンを一方の前記係合部側に付勢するばね材
と、このばね材のばね力に抗して前記ストッパピンを他
方の前記係合部側に付勢する圧油を供給するための油圧
供給手段と、前記偏心スリーブと前記クランクピンとの
隙間に潤滑油を供給するための潤滑油供給手段とを具え
たものである。
【0019】
【作用】油圧供給手段から圧油を供給しない状態では、
ばね材のばね力によりストッパピンは偏心スリーブに形
成された一方の係合部に係合し、一方の圧縮比が選択さ
れた状態となる。この場合、偏心スリーブとクランクピ
ンとの隙間には、潤滑油供給手段によって潤滑油が供給
され、これらの相対回転が円滑になされる。
ばね材のばね力によりストッパピンは偏心スリーブに形
成された一方の係合部に係合し、一方の圧縮比が選択さ
れた状態となる。この場合、偏心スリーブとクランクピ
ンとの隙間には、潤滑油供給手段によって潤滑油が供給
され、これらの相対回転が円滑になされる。
【0020】ここで、油圧供給手段からストッパピン側
に圧油を供給すると、ばね材のばね力に抗してストッパ
ピン偏心スリーブに形成された他方の係合部に係合し、
他方の圧縮比が選択された状態となる。この場合も同様
に、偏心スリーブとクランクピンとの隙間には、潤滑油
供給手段によって潤滑油が供給され、これらの相対回転
が円滑になされる。
に圧油を供給すると、ばね材のばね力に抗してストッパ
ピン偏心スリーブに形成された他方の係合部に係合し、
他方の圧縮比が選択された状態となる。この場合も同様
に、偏心スリーブとクランクピンとの隙間には、潤滑油
供給手段によって潤滑油が供給され、これらの相対回転
が円滑になされる。
【0021】
【実施例】本発明による機関の圧縮比制御装置の一実施
例における高圧縮比の状態の断面構造を表す図1、その
II−II矢視断面形状を表す図2、図1におけるストッパ
ピンの部分を拡大抽出した図3に示すように、図示しな
い機関のクランク軸11に形成されたクランクピン12
には、連接棒13の大端部が回転自在に嵌着され、この
連接棒13の小端部には機関の図示しない気筒内を往復
動し得るピストン14がピストンピン15を介して枢着
されている。
例における高圧縮比の状態の断面構造を表す図1、その
II−II矢視断面形状を表す図2、図1におけるストッパ
ピンの部分を拡大抽出した図3に示すように、図示しな
い機関のクランク軸11に形成されたクランクピン12
には、連接棒13の大端部が回転自在に嵌着され、この
連接棒13の小端部には機関の図示しない気筒内を往復
動し得るピストン14がピストンピン15を介して枢着
されている。
【0022】前記クランクピン12と連接棒13の大端
部との間には、クランクピン12に対して外周面が偏心
した偏心スリーブ16が回転可能に設けられているが、
本実施例ではクランクピン12と偏心スリーブ16との
間にメタル軸受17を介装する一方、連接棒13と偏心
スリーブ16との間にもメタル軸受18を介装すること
により、クランクピン12及び連接棒13に対して偏心
スリーブ16が円滑に回転できるように配慮している。
部との間には、クランクピン12に対して外周面が偏心
した偏心スリーブ16が回転可能に設けられているが、
本実施例ではクランクピン12と偏心スリーブ16との
間にメタル軸受17を介装する一方、連接棒13と偏心
スリーブ16との間にもメタル軸受18を介装すること
により、クランクピン12及び連接棒13に対して偏心
スリーブ16が円滑に回転できるように配慮している。
【0023】機関の運転中には、偏心スリーブ16の自
由回転を拘束すると共にこの偏心スリーブ16を所定の
回転位置に固定する必要があるため、偏心スリーブ16
に相隔てて形成された二つの係止凹部16a,16bに係合し
得るストッパピン19がクランク軸11の軸心と平行な
方向(図1中、左右方向)に往復動自在に設けられてい
る。中間部分にフランジ状をなすピストン19aが一体的
に形成されたストッパピン19は、クランク軸11の軸
心と平行に連接棒13の大端部に形成された貫通穴20
に対して摺動自在に嵌合されている。
由回転を拘束すると共にこの偏心スリーブ16を所定の
回転位置に固定する必要があるため、偏心スリーブ16
に相隔てて形成された二つの係止凹部16a,16bに係合し
得るストッパピン19がクランク軸11の軸心と平行な
方向(図1中、左右方向)に往復動自在に設けられてい
る。中間部分にフランジ状をなすピストン19aが一体的
に形成されたストッパピン19は、クランク軸11の軸
心と平行に連接棒13の大端部に形成された貫通穴20
に対して摺動自在に嵌合されている。
【0024】このストッパピン19のピストン19aは、
貫通穴20を仕切るものであり、これによって形成され
る油室21にはメタル軸受18に形成された油路22を
介して偏心スリーブ16の外周面に臨む油通路23が連
通している。又、この油通路23が穿設された連接棒1
3の貫通穴20の油室21と反対側には、ストッパピン
19の外径と対応する貫通穴を形成したばね受けキャッ
プ24が嵌着され、図示しないボルト等を介して連接棒
13の大端部に固定されている。そして、このばね受け
キャップ24とピストン19aとの間には、ピストン19aを
油室21側に付勢する圧縮コイルばね25が介装されて
いる。
貫通穴20を仕切るものであり、これによって形成され
る油室21にはメタル軸受18に形成された油路22を
介して偏心スリーブ16の外周面に臨む油通路23が連
通している。又、この油通路23が穿設された連接棒1
3の貫通穴20の油室21と反対側には、ストッパピン
19の外径と対応する貫通穴を形成したばね受けキャッ
プ24が嵌着され、図示しないボルト等を介して連接棒
13の大端部に固定されている。そして、このばね受け
キャップ24とピストン19aとの間には、ピストン19aを
油室21側に付勢する圧縮コイルばね25が介装されて
いる。
【0025】前記偏心スリーブ16の両端部には、連接
棒13の大端部を挾む一対のフランジ部が形成されてお
り、本実施例では連接棒13の大端部が大偏心位置を採
るような一方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹
部16aが形成され、連接棒13の大端部が小偏心位置を
採るような他方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止
凹部16bが形成されている。つまり、ストッパピン19
が図1及び図3に示す状態から右方へ移動してストッパ
ピン19と係止凹部16bとが係合することにより、小偏
心位置にて連接棒13の大端部と偏心スリーブ16とが
固定される。一方、ストッパピン19が左方へ移動して
図1〜図3に示す如くストッパピン19と係止凹部16a
とが係合することにより、大偏心位置にて連接棒13の
大端部と偏心スリーブ16とが固定される。
棒13の大端部を挾む一対のフランジ部が形成されてお
り、本実施例では連接棒13の大端部が大偏心位置を採
るような一方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹
部16aが形成され、連接棒13の大端部が小偏心位置を
採るような他方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止
凹部16bが形成されている。つまり、ストッパピン19
が図1及び図3に示す状態から右方へ移動してストッパ
ピン19と係止凹部16bとが係合することにより、小偏
心位置にて連接棒13の大端部と偏心スリーブ16とが
固定される。一方、ストッパピン19が左方へ移動して
図1〜図3に示す如くストッパピン19と係止凹部16a
とが係合することにより、大偏心位置にて連接棒13の
大端部と偏心スリーブ16とが固定される。
【0026】ここで、連接棒13の大端部が大偏心位置
にあると、クランクピン12とピストンピン15との間
隔が見掛け上、最も伸びた状態になって高圧縮比状態が
実現される。又、連接棒13の大端部が小偏心位置にあ
ると、クランクピン12とピストンピン15との間隔が
見掛け上、最も縮んだ状態になって低圧縮比状態が実現
される。
にあると、クランクピン12とピストンピン15との間
隔が見掛け上、最も伸びた状態になって高圧縮比状態が
実現される。又、連接棒13の大端部が小偏心位置にあ
ると、クランクピン12とピストンピン15との間隔が
見掛け上、最も縮んだ状態になって低圧縮比状態が実現
される。
【0027】図1中のIV−IV矢視断面構造,V−V矢視
断面構造,VI−VI矢視断面構造をそれぞれ表す図4,図
5,図6及び本実施例における油圧制御回路を表す図7
に示すように、前記油室21に連通する油通路23は、
メタル軸受18の油路22を介して偏心スリーブ16、
メタル軸受17、クランクピン12、クランクアーム2
6、2番クランクジャーナル(以下、これを2番ジャー
ナルと呼称する)27、4番クランクジャーナル(以
下、これを4番ジャーナルと呼称する)28にそれぞれ
形成された制御油路29が接続し、低圧縮比を選択した
場合に2番ジャーナル27及び4番ジャーナル28側か
ら図示しない圧油が油室21に供給されるようになって
いる。
断面構造,VI−VI矢視断面構造をそれぞれ表す図4,図
5,図6及び本実施例における油圧制御回路を表す図7
に示すように、前記油室21に連通する油通路23は、
メタル軸受18の油路22を介して偏心スリーブ16、
メタル軸受17、クランクピン12、クランクアーム2
6、2番クランクジャーナル(以下、これを2番ジャー
ナルと呼称する)27、4番クランクジャーナル(以
下、これを4番ジャーナルと呼称する)28にそれぞれ
形成された制御油路29が接続し、低圧縮比を選択した
場合に2番ジャーナル27及び4番ジャーナル28側か
ら図示しない圧油が油室21に供給されるようになって
いる。
【0028】なお、メタル軸受17とクランクピン12
及びメタル軸受18と偏心スリーブ16とはそれぞれ相
対回転するため、メタル軸受17の内周面には、偏心ス
リーブ16に形成された制御油路29に常時連通し得る
環状溝30が形成されており、同様にメタル軸受18の
内周面には、クランクピン12に形成された制御油路2
9に常時連通し得る環状溝31が形成されている。
及びメタル軸受18と偏心スリーブ16とはそれぞれ相
対回転するため、メタル軸受17の内周面には、偏心ス
リーブ16に形成された制御油路29に常時連通し得る
環状溝30が形成されており、同様にメタル軸受18の
内周面には、クランクピン12に形成された制御油路2
9に常時連通し得る環状溝31が形成されている。
【0029】又、クランクピン12には、このクランク
ピン12に形成された前記制御油路29を挾んでこの制
御油路29と交差する方向に相互に平行な一対の潤滑油
供給油路32が形成され、両端部がそれぞれクランクピ
ン12の外周面に開口するこれら潤滑油供給油路32
は、クランクピン12、クランクアーム26、1番クラ
ンクジャーナル(以下、これを1番ジャーナルと呼称す
る)33、3番クランクジャーナル(以下、これを3番
ジャーナルと呼称する)34、5番クランクジャーナル
(以下、これを5番ジャーナルと呼称する)35にそれ
ぞれ形成された潤滑油路36が接続し、常時これら1番
ジャーナル33,3番ジャーナル34,5番ジャーナル3
5側から図示しない潤滑油がクランクピン12とメタル
軸受17との間に供給されるようになっている。
ピン12に形成された前記制御油路29を挾んでこの制
御油路29と交差する方向に相互に平行な一対の潤滑油
供給油路32が形成され、両端部がそれぞれクランクピ
ン12の外周面に開口するこれら潤滑油供給油路32
は、クランクピン12、クランクアーム26、1番クラ
ンクジャーナル(以下、これを1番ジャーナルと呼称す
る)33、3番クランクジャーナル(以下、これを3番
ジャーナルと呼称する)34、5番クランクジャーナル
(以下、これを5番ジャーナルと呼称する)35にそれ
ぞれ形成された潤滑油路36が接続し、常時これら1番
ジャーナル33,3番ジャーナル34,5番ジャーナル3
5側から図示しない潤滑油がクランクピン12とメタル
軸受17との間に供給されるようになっている。
【0030】本実施例では、クランク軸11の中央に位
置する3番ジャーナル34とクランク軸11の両端部に
位置する1番ジャーナル33,5番ジャーナルと35と
の間に位置する2番ジャーナル27及び4番ジャーナル
28から油室21への圧油を供給する一方、クランク軸
11の両端に位置する1番ジャーナル33,5番ジャー
ナル35と、クランク軸11の中央に位置する3番ジャ
ーナル34とから潤滑油をクランクピン12とメタル軸
受17との間に供給するようにしているが、このような
油路構造に限定されるわけではない。
置する3番ジャーナル34とクランク軸11の両端部に
位置する1番ジャーナル33,5番ジャーナルと35と
の間に位置する2番ジャーナル27及び4番ジャーナル
28から油室21への圧油を供給する一方、クランク軸
11の両端に位置する1番ジャーナル33,5番ジャー
ナル35と、クランク軸11の中央に位置する3番ジャ
ーナル34とから潤滑油をクランクピン12とメタル軸
受17との間に供給するようにしているが、このような
油路構造に限定されるわけではない。
【0031】1番ジャーナル33,3番ジャーナル34,
5番ジャーナル35にそれぞれ形成された潤滑油路36
は、クランク軸11外にて主ギャラリ37に臨んでい
る。又、2番ジャーナル27及び4番ジャーナル28に
それぞれ形成された制御油路29は、クランク軸11外
にて後述する油圧切換弁38に接続している。
5番ジャーナル35にそれぞれ形成された潤滑油路36
は、クランク軸11外にて主ギャラリ37に臨んでい
る。又、2番ジャーナル27及び4番ジャーナル28に
それぞれ形成された制御油路29は、クランク軸11外
にて後述する油圧切換弁38に接続している。
【0032】油溜め39からの圧油は、潤滑用リリーフ
弁40が付設された潤滑用油ポンプ41により予め設定
した潤滑用に調圧され、油フィルタ42を介して主ギャ
ラリ37へ供給される。そして、この主ギャラリ37か
ら潤滑油路36を通じ、潤滑用の圧油が潤滑油供給油路
32から各クランクピン12と偏心スリーブ16との間
に供給される他、機関の各部に分配供給される。
弁40が付設された潤滑用油ポンプ41により予め設定
した潤滑用に調圧され、油フィルタ42を介して主ギャ
ラリ37へ供給される。そして、この主ギャラリ37か
ら潤滑油路36を通じ、潤滑用の圧油が潤滑油供給油路
32から各クランクピン12と偏心スリーブ16との間
に供給される他、機関の各部に分配供給される。
【0033】前記主ギャラリ37と前記油圧切換弁38
との間には、油圧切換弁38側に高圧の圧油を供給する
切換用油ポンプ43が介装されており、前記副ギャラリ
39は油圧切換弁38を介して油溜め39側か或いは切
換用油ポンプ43側に連通状態を切り換えられるように
なっている。又、油圧切換弁38には機関の運転状態に
基づいて通電状態が切り換えられる電磁制御弁44が付
設されており、この電磁制御弁44に対する通電状態を
制御ユニット45にて制御することにより、当該油圧切
換弁38に対して主ギャラリ37側からのパイロット圧
の給排が切り換えられ、油圧切換弁38が駆動される。
との間には、油圧切換弁38側に高圧の圧油を供給する
切換用油ポンプ43が介装されており、前記副ギャラリ
39は油圧切換弁38を介して油溜め39側か或いは切
換用油ポンプ43側に連通状態を切り換えられるように
なっている。又、油圧切換弁38には機関の運転状態に
基づいて通電状態が切り換えられる電磁制御弁44が付
設されており、この電磁制御弁44に対する通電状態を
制御ユニット45にて制御することにより、当該油圧切
換弁38に対して主ギャラリ37側からのパイロット圧
の給排が切り換えられ、油圧切換弁38が駆動される。
【0034】つまり、車両の運転状態に基づいて制御ユ
ニット45により電磁制御弁44が図示する非通電状態
に保持されている場合には、副ギャラリ39が油圧切換
弁38を介して油溜め39に連通状態となって油室21
内の圧油が排油される結果、圧縮コイルばね25のばね
力によりストッパピン19は高圧縮比状態を実現する偏
心スリーブ16の係止凹部16aに係合する。逆に、車両
の運転状態に基づいて制御ユニット45により電磁制御
弁44が通電状態に保持されると、主ギャラリ37から
のパイロット圧が油圧切換弁38に付勢され、切換用油
ポンプ43からの圧油が副ギャラリ39から制御油路2
9を介して油室21に供給される結果、ストッパピン1
9は低圧縮比状態を実現する偏心スリーブ16の係止凹
部16bに係合する。
ニット45により電磁制御弁44が図示する非通電状態
に保持されている場合には、副ギャラリ39が油圧切換
弁38を介して油溜め39に連通状態となって油室21
内の圧油が排油される結果、圧縮コイルばね25のばね
力によりストッパピン19は高圧縮比状態を実現する偏
心スリーブ16の係止凹部16aに係合する。逆に、車両
の運転状態に基づいて制御ユニット45により電磁制御
弁44が通電状態に保持されると、主ギャラリ37から
のパイロット圧が油圧切換弁38に付勢され、切換用油
ポンプ43からの圧油が副ギャラリ39から制御油路2
9を介して油室21に供給される結果、ストッパピン1
9は低圧縮比状態を実現する偏心スリーブ16の係止凹
部16bに係合する。
【0035】なお、機関の圧縮比の選択は、車両の運転
状態により予め設定したマップに基づいて行われる。
又、本実施例では副ギャラリ39に切換用リリーフ弁4
6を付設し、切換用油ポンプ43から制御油路29側に
供給される圧油の油圧を、圧縮コイルばね25のばね力
に抗してストッパピン19が図3中、左側に変位するに
足る切換用に調圧するようにしており、これら潤滑用油
ポンプ41及び切換用油ポンプ43は共に機関によって
駆動される。
状態により予め設定したマップに基づいて行われる。
又、本実施例では副ギャラリ39に切換用リリーフ弁4
6を付設し、切換用油ポンプ43から制御油路29側に
供給される圧油の油圧を、圧縮コイルばね25のばね力
に抗してストッパピン19が図3中、左側に変位するに
足る切換用に調圧するようにしており、これら潤滑用油
ポンプ41及び切換用油ポンプ43は共に機関によって
駆動される。
【0036】このように、本実施例では連接棒13の大
端部に一本の油通路23のみ形成すると共に偏心スリー
ブ16に一本の制御油路19しか形成していないため、
従来のものよりも偏心スリーブ16の内外周での軸受耐
久性が向上する。又、油室21に制御油路19側から圧
油が供給されない状態では、ストッパピン19のピスト
ン19aには、圧縮コイルばね25のばね力のみ付勢され
ているため、油室21に圧油を供給してストッパピン1
9を変位させる場合、この油室21に供給する圧油の圧
力を圧縮コイルばね25のばね力よりも多少大きめの圧
力で充分なため、従来のものよりも吐出能力の小さな切
換用油ポンプ38を採用することができる。
端部に一本の油通路23のみ形成すると共に偏心スリー
ブ16に一本の制御油路19しか形成していないため、
従来のものよりも偏心スリーブ16の内外周での軸受耐
久性が向上する。又、油室21に制御油路19側から圧
油が供給されない状態では、ストッパピン19のピスト
ン19aには、圧縮コイルばね25のばね力のみ付勢され
ているため、油室21に圧油を供給してストッパピン1
9を変位させる場合、この油室21に供給する圧油の圧
力を圧縮コイルばね25のばね力よりも多少大きめの圧
力で充分なため、従来のものよりも吐出能力の小さな切
換用油ポンプ38を採用することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明の機関の圧縮比制御装置による
と、連接棒の大端部にストッパピンの位置を切り換える
ための一本の油通路のみ形成したので、従来のものより
も連接棒の耐久性を向上させることができる。
と、連接棒の大端部にストッパピンの位置を切り換える
ための一本の油通路のみ形成したので、従来のものより
も連接棒の耐久性を向上させることができる。
【0038】又、ばね材によるばね力のみでストッパピ
ンを一方の係合部材側に付勢するようにしたので、この
ストッパピンを他方の係合部材側に付勢する場合には、
ばね材のばね力よりも多少大きめの圧油を供給するだけ
で良く、従来のものよりも小さな吐出能力の切換用油ポ
ンプを用いることができる。
ンを一方の係合部材側に付勢するようにしたので、この
ストッパピンを他方の係合部材側に付勢する場合には、
ばね材のばね力よりも多少大きめの圧油を供給するだけ
で良く、従来のものよりも小さな吐出能力の切換用油ポ
ンプを用いることができる。
【図1】本発明による機関の圧縮比制御装置の一実施例
における高圧縮比を選択した状態の主要部の断面図であ
る。
における高圧縮比を選択した状態の主要部の断面図であ
る。
【図2】そのII−II矢視断面図である。
【図3】図1におけるストッパピンの部分の抽出拡大断
面図である。
面図である。
【図4】図1におけるIV−IV矢視断面図である。
【図5】図1におけるV−V矢視断面図である。
【図6】図1におけるVI−VI矢視断面図である。
【図7】本実施例における油圧制御回路図である。
【図8】従来の内燃機関の圧縮比制御装置の一例におけ
る低圧縮比の状態を表す主要部の断面図である。
る低圧縮比の状態を表す主要部の断面図である。
【図9】そのIX−IX矢視断面図である。
【図10】図8におけるストッパピンの部分を拡大状態
で抽出した断面図である。
で抽出した断面図である。
【図11】その油圧制御回路図である。
11はクランク軸、12はクランクピン、13は連接
棒、14はピストン、15はピストンピン、16は偏心
スリーブ、16a,16bは係止凹部、17はメタル軸受、1
8もメタル軸受、19はストッパピン、19aはピスト
ン、20は貫通穴、21は油室、22は油路、23は油
通路、24はばね受けキャップ、25は圧縮コイルば
ね、26はクランクアーム、27は2番ジャーナル、2
8は4番ジャーナル、29は制御油路、30は環状溝、
31も環状溝、32は潤滑油供給油路、33は1番ジャ
ーナル、34は3番ジャーナル、35は5番ジャーナ
ル、36は潤滑油路、37は主ギャラリ、38は油圧切
換弁、39は油溜め、40は潤滑用リリーフ弁、41は
潤滑用油ポンプ、42は油フィルタ、43は切換用油ポ
ンプ、44は電磁制御弁、45は制御ユニット、46は
切換用リリーフ弁である。
棒、14はピストン、15はピストンピン、16は偏心
スリーブ、16a,16bは係止凹部、17はメタル軸受、1
8もメタル軸受、19はストッパピン、19aはピスト
ン、20は貫通穴、21は油室、22は油路、23は油
通路、24はばね受けキャップ、25は圧縮コイルば
ね、26はクランクアーム、27は2番ジャーナル、2
8は4番ジャーナル、29は制御油路、30は環状溝、
31も環状溝、32は潤滑油供給油路、33は1番ジャ
ーナル、34は3番ジャーナル、35は5番ジャーナ
ル、36は潤滑油路、37は主ギャラリ、38は油圧切
換弁、39は油溜め、40は潤滑用リリーフ弁、41は
潤滑用油ポンプ、42は油フィルタ、43は切換用油ポ
ンプ、44は電磁制御弁、45は制御ユニット、46は
切換用リリーフ弁である。
Claims (1)
- 【請求項1】 クランクピンと連接棒の大端部との間に
回転自在に嵌合された偏心スリーブと、前記連接棒に組
み込まれ且つ前記偏心スリーブに相隔てて形成された一
対の係合部の何れかに係合して当該連接棒と前記偏心ス
リーブとの相対回転位置を切り換えるストッパピンと、
このストッパピンと前記連接棒との間に介装されて当該
ストッパピンを一方の前記係合部側に付勢するばね材
と、このばね材のばね力に抗して前記ストッパピンを他
方の前記係合部側に付勢する圧油を供給するための油圧
供給手段と、前記偏心スリーブと前記クランクピンとの
隙間に潤滑油を供給するための潤滑油供給手段とを具え
た内燃機関の圧縮比制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4067058A JP2688728B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 内燃機関の圧縮比制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4067058A JP2688728B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 内燃機関の圧縮比制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05272365A true JPH05272365A (ja) | 1993-10-19 |
JP2688728B2 JP2688728B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=13333864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4067058A Expired - Lifetime JP2688728B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 内燃機関の圧縮比制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2688728B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104533636A (zh) * | 2014-11-05 | 2015-04-22 | 张素英 | 发动机可变压缩比系统及其控制方法 |
DE102016106264A1 (de) | 2015-05-15 | 2016-11-17 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Verbrennungskraftmaschine |
-
1992
- 1992-03-25 JP JP4067058A patent/JP2688728B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104533636A (zh) * | 2014-11-05 | 2015-04-22 | 张素英 | 发动机可变压缩比系统及其控制方法 |
DE102016106264A1 (de) | 2015-05-15 | 2016-11-17 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Verbrennungskraftmaschine |
US10393012B2 (en) | 2015-05-15 | 2019-08-27 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Internal combustion engine |
DE102016106264B4 (de) | 2015-05-15 | 2021-10-21 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Verbrennungskraftmaschine mit hydraulisch längenverstellbarer Pleuelstange |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2688728B2 (ja) | 1997-12-10 |
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