JPH05280383A - 内燃機関の圧縮比制御装置 - Google Patents

内燃機関の圧縮比制御装置

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Publication number
JPH05280383A
JPH05280383A JP7672892A JP7672892A JPH05280383A JP H05280383 A JPH05280383 A JP H05280383A JP 7672892 A JP7672892 A JP 7672892A JP 7672892 A JP7672892 A JP 7672892A JP H05280383 A JPH05280383 A JP H05280383A
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JP
Japan
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eccentric sleeve
compression ratio
oil
pin
connecting rod
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7672892A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Matsuda
雅彦 松田
Takashi Dougahara
隆 堂ケ原
Yayoi Kurokawa
やよい 黒川
Takaaki Hirano
孝明 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp, Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP7672892A priority Critical patent/JPH05280383A/ja
Publication of JPH05280383A publication Critical patent/JPH05280383A/ja
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮比の切換操作時に発生するストッパピン
と偏心スリーブの係止凹部との衝撃エネルギを簡単な構
造にて緩和し得る内燃機関の圧縮比制御装置を提供す
る。 【構成】 クランクピン12と連接棒13の大端部との
間に回転自在に嵌合された偏心スリーブ16と、連接棒
13に組み込まれ且つ偏心スリーブ16に相隔てて形成
された一対の係合部16a,16bの何れかに係合して連接棒
13と偏心スリーブ16との相対回転位置を切り換える
ストッパピン17と、このストッパピン17を少なくと
も一方の係合部側に付勢する圧油を供給するための油圧
供給手段とを具えた内燃機関の圧縮比制御装置におい
て、連接棒13の大端部と偏心スリーブ16との摺接部
分の何れか一方にこれらの相対回転方向に沿った緩衝用
油溝47を形成すると共に他方にこの緩衝用油溝47に
係合するピン48を突設したことを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧油を介して圧縮比を
切り換えるようにした内燃機関(以下、機関と略称す
る)の圧縮比制御装置に関し、特に圧縮比の切換操作に
伴って発生する衝撃を簡単な構造にて緩和し得るように
したものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧縮比を高めに設定した機関
は、この機関の圧縮比を低めに設定したものと比較する
と、熱効率の上昇に伴う燃費等の改善が可能となる反
面、機関の高回転領域や高負荷領域にてノッキングが発
生し易くなる欠点がある。そこで、機関の運転中にその
圧縮比を切り換えることができるようにしたものが、例
えば実開平3−127052号公報等で提案されてお
り、機関の高回転領域や高負荷領域ではノッキングが発
生しないように機関の圧縮比を下げる一方、ノッキング
が発生し難いその他の運転領域では機関の圧縮比を上
げ、熱効率の上昇に伴う燃費等の改善を行うようにして
いる。
【0003】このような従来の圧縮比制御装置の一例に
おける低圧縮比の状態の断面構造を表す図6、そのVII
−VII矢視断面形状を表す図7、図6におけるストッパ
ピンの部分を拡大抽出した図8に示すように、図示しな
い機関のクランク軸101に形成されたクランクピン102と
連接棒103の大端部との間には、クランクピン102に対し
て外周面を偏心状態に形成した偏心スリーブ104が回転
可能に設けられている。
【0004】機関の運転中には、偏心スリーブ104の自
由回転を拘束すると共にこの偏心スリーブ104を所定の
回転位置に固定する必要があるため、偏心スリーブ104
に相隔てて形成された二つの係止凹部104a,104bに係合
し得るストッパピン105がクランク軸101の軸心と平行な
方向(図6中、左右方向)に往復動自在に設けられてい
る。
【0005】中間部分にフランジ状をなすピストン105a
が一体的に形成されたストッパピン105は、クランク軸1
01の軸心と平行に連接棒103の大端部に形成された貫通
穴に対して摺動自在に嵌合されている。このストッパピ
ン105のピストン105aは、貫通穴を2つの油室106,107に
仕切るものであり、これら油室106,107には偏心スリー
ブ104の外周面に臨む油通路108,109がそれぞれ連通して
いる。又、これら油通路108,109が穿設された連接棒103
の貫通穴の油室106側には、ストッパピン105の外径と対
応する貫通穴を形成したばね受けキャップ110が嵌着さ
れ、図示しないボルト等を介して連接棒103の大端部に
固定されている。そして、このばね受けキャップ110と
ピストン105aとの間には、ピストン105aを油室107側に
付勢する圧縮コイルばね111が介装されている。
【0006】前記偏心スリーブ104の両端部には、連接
棒103の大端部を挾む一対のフランジ部が形成されてお
り、図示例では連接棒103の大端部が大偏心位置を採る
ような一方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹部
104aが形成され、連接棒103の大端部が小偏心位置を採
るような他方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹
部104bが形成されている。
【0007】つまり、ストッパピン105が図8に示す状
態から左側へ移動し、ストッパピン105と係止凹部104a
とが係合することにより、大偏心位置にて連接棒103の
大端部と偏心スリーブ104とが固定される。一方、スト
ッパピン105が右側へ移動して図示の如くストッパピン1
05と係止凹部104bとが係合することにより、小偏心位置
にて連接棒103の大端部と偏心スリーブ104とが固定され
る。
【0008】前記連接棒103の大端部に形成されて油室1
06,107にそれぞれ連通する油通路108,109には、偏心ス
リーブ104,クランクピン102,クランクアーム112及びク
ランク軸101のクランクジャーナル113に形成された低圧
油路114及び高圧油路115が接続し、クランクジャーナル
113側から油室106,107へそれぞれ圧油が供給される。
【0009】なお、クランクピン102及び連接棒103の大
端部に対して偏心スリーブ104が相対回転するため、偏
心スリーブ104の内周面にはクランクピン102に形成され
た低圧油路114及び高圧油路115に常に連通し得る一対の
環状溝116,117が全周に亙って近接状態で形成されてお
り、同様に偏心スリーブ104の外周面が摺接する連接棒1
03の大端部の内周面にも、偏心スリーブ104に形成され
た低圧油路114及び高圧油路115に常に連通し得る一対の
環状溝118,119が全周に亙って相互に近接状態で形成さ
れている。
【0010】従って、図示しない油ポンプからの高圧油
が油通路109を介して油室107に供給されると、油室106
内には油通路108を介して図示しない油ポンプからの低
圧油が供給されているため、圧縮コイルばね111のばね
力に抗してストッパピン105のピストン105aが図示の如
く右方へ移動する。この結果、ストッパピン105と係止
凹部104bとが係合し、連接棒103の大端部が小偏心位置
に保持されるため、機関は低圧縮比状態となる。
【0011】逆に、図示しない油ポンプからの低圧油が
油通路109を介して油室107に供給されると、油室106内
には油通路108を介して図示しない油ポンプからの低圧
油が同時に供給されているため、圧縮コイルばね111の
ばね力によりストッパピン105のピストン105aが図8に
示す状態から左方へ移動する。この結果、ストッパピン
105と係止凹部104aとが係合し、連接棒103の大端部が大
偏心位置に保持されるため、機関は高圧縮比状態とな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図6〜図8に示した従
来の機関の圧縮比制御装置では、機関の高回転低負荷運
転時や低回転高負荷時に圧縮比の切換操作が行われる
と、偏心スリーブ104が非常に大きなエネルギを伴って
回転するため、この偏心スリーブ104の係止凹部104a,10
4bの何れかにストッパピン105が係合する際、ストッパ
ピン105に非常に大きな剪断力が作用し、ストッパピン1
05が破損してしまう虞がある。
【0013】このため、ストッパピン105と偏心スリー
ブ104の係止凹部104a,104bとが係合する際の衝突エネル
ギを吸収するようにしたものが特開平4−22716号
公報等にて提案されており、それなりの効果を得ている
ものの、機関の慣性質量の増大につながる上に構造が複
雑であるため、信頼性やコストの点で何かと問題があ
る。
【0014】
【発明の目的】本発明は、圧縮比の切換操作時に発生す
るストッパピンと偏心スリーブの係止凹部との衝撃エネ
ルギを簡単な構造にて緩和し得る機関の圧縮比制御装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による機関の圧縮
比制御装置は、クランクピンと連接棒の大端部との間に
回転自在に嵌合された偏心スリーブと、前記連接棒に組
み込まれ且つ前記偏心スリーブに相隔てて形成された一
対の係合部の何れかに係合して当該連接棒と前記偏心ス
リーブとの相対回転位置を切り換えるストッパピンと、
このストッパピンを少なくとも一方の前記係合部側に付
勢する圧油を供給するための油圧供給手段とを具えた内
燃機関の圧縮比制御装置において、前記連接棒の大端部
と前記偏心スリーブとの摺接部分の何れか一方にこれら
の相対回転方向に沿った緩衝用油溝を形成すると共に他
方にこの緩衝用油溝に係合するピンを突設し、前記緩衝
用油溝に圧油を供給する手段を設けたことを特徴とする
ものである。
【0016】なお、ストッパピンと偏心スリーブの係合
部とが係合する位置に対応して緩衝用油溝とピンとの隙
間を変えるようにしても良い。
【0017】
【作用】連接棒に設けられたストッパピンと偏心スリー
ブに形成された一方の係合部との係合が解除されると、
連接棒に対して偏心スリーブが相対回転を始め、他方の
係合部にストッパピンが係合して所定の圧縮比に切り換
えられる。この時、連接棒に対する偏心スリーブの相対
回転に伴ってピンが緩衝用油溝内を移動するため、これ
らの間に介在する油の剪断抵抗により、連接棒に対する
偏心スリーブの相対的な運動エネルギが吸収され、スト
ッパピンと偏心スリーブの係合部との係合動作が緩やか
に行われる。
【0018】この場合、ストッパピンと偏心スリーブの
係合部との相対位置が近づくにつれて、緩衝用油溝とピ
ンとの隙間が漸次狭くなるようにしておくと、これらの
間に介在する油の剪断抵抗により、連接棒に対する偏心
スリーブの相対的な運動エネルギが吸収され、ストッパ
ピンと偏心スリーブの係合部との係合動作がより一層緩
やかに行われる。
【0019】
【実施例】本発明による機関の圧縮比制御装置の一実施
例における高圧縮比の状態の断面構造を表す図1、その
II−II矢視断面形状を表す図2、図1におけるストッパ
ピンの部分を拡大抽出した図3に示すように、図示しな
い機関のクランク軸11に形成されたクランクピン12
には、連接棒13の大端部が回転自在に嵌着され、この
連接棒13の小端部には機関の図示しない気筒内を往復
動し得るピストン14がピストンピン15を介して枢着
されている。又、前記クランクピン12と連接棒13の
大端部との間には、クランクピン12に対して外周面が
偏心した偏心スリーブ16が回転可能に設けられている
【0020】機関の運転中には、偏心スリーブ16の自
由回転を拘束すると共にこの偏心スリーブ16を所定の
回転位置に固定する必要があるため、偏心スリーブ16
に相隔てて形成された二つの係止凹部16a,16bに係合し
得るストッパピン17がクランク軸11の軸心と平行な
方向(図1中、左右方向)に往復動自在に設けられてい
る。中間部分にフランジ状をなすピストン17aが一体的
に形成されたストッパピン17は、連接棒13の大端部
に対してクランク軸11の軸心と平行な方向に摺動自在
に嵌合されている。
【0021】前記ストッパピン17のピストン17aは、
連接棒13の大端部に形成される2つの油室18,19
を仕切るものであり、これら油室18,19には連接棒
の大端部に穿設されて偏心スリーブ16の外周面に臨む
潤滑油用通路20と切換用油通路21がそれぞれ連通し
ている。又、連接棒13の大端部の油室18側には、ス
トッパピン17の外径と対応する環状のばね受けキャッ
プ22が嵌着され、図示しないボルト等を介して連接棒
13の大端部に固定されている。そして、このばね受け
キャップ22とピストン17aとの間には、ピストン17aを
油室19側に付勢する圧縮コイルばね23が介装されて
いる。
【0022】前記偏心スリーブ16の両端部には、連接
棒13の大端部を挾む一対のフランジ部が形成されてお
り、本実施例では連接棒13の大端部が大偏心位置を採
るような一方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止凹
部16aが形成され、連接棒13の大端部が小偏心位置を
採るような他方のフランジ部に切欠き状をなす前記係止
凹部16bが形成されている。つまり、ストッパピン17
が図1及び図3に示す状態から右方へ移動してストッパ
ピン17と係止凹部16bとが係合することにより、小偏
心位置にて連接棒13の大端部と偏心スリーブ16とが
固定される。一方、ストッパピン17が図1及び図3に
示す如く左方へ移動して係止凹部16aに係合することに
より、大偏心位置にて連接棒13の大端部と偏心スリー
ブ16とが固定される。
【0023】ここで、連接棒13の大端部が大偏心位置
にあると、クランクピン12とピストンピン15との間
隔が見掛け上、伸びた状態となって高圧縮比状態が実現
される。又、連接棒13の大端部が小偏心位置にある
と、クランクピン12とピストンピン15との間隔が見
掛け上、縮んだ状態になって低圧縮比状態が実現され
る。
【0024】前記偏心スリーブ16が嵌合する連接棒1
3の大端部の内周面には、前記潤滑用油通路20に接続
する潤滑用環状溝24と、前記切換用油通路21に接続
する切換用環状溝25とが形成されている。同様に、前
記偏心スリーブ16の内周面には、クランクピン12の
外周面に両端が開口する潤滑油供給路26に対して常に
連通し得る環状溝27と、クランクピン12の外周面に
両端が開口する切換用油供給路28に対して常に連通し
得る環状溝29とがそれぞれ刻設されている。
【0025】又、前記潤滑用油通路20と前記潤滑油供
給路26とが常に連通し得るように、偏心スリーブ16
には一方の環状溝27に接続する潤滑用溝連通路30が
放射状に複数本形成されている。同様に、前記切換用油
通路21と前記切換用油供給路28とが常に連通し得る
ように、偏心スリーブ16には他方の環状溝29に接続
する切換用溝連通路31が放射状に複数本形成されてい
る。
【0026】前記クランクピン12に形成された潤滑油
供給路26には、クランクアーム32、クランクジャー
ナル33に形成された潤滑油路34が接続し、高圧縮比
を選択した場合にクランクジャーナル33側から図示し
ない圧油が油室18へ供給されるようになっている。
【0027】又、前記クランクピン12に形成された切
換用油供給路28には、クランクアーム32、クランク
ジャーナル35に形成された制御油路36が接続し、低
圧縮比を選択した場合にこのクランクジャーナル35側
から図示しない圧油が油室19に供給されるようになっ
ている。
【0028】本実施例における油圧制御回路を表す図4
に示すように、前記クランクジャーナル33に形成され
た潤滑油路34は、クランク軸11外にて主ギャラリ3
7に臨んでいる。又、前記クランクジャーナル35に形
成された制御油路36は、クランク軸11外にて後述す
る油圧切換弁38に接続している。
【0029】油溜め39からの圧油は、潤滑用リリーフ
弁40が付設された潤滑用油ポンプ41により予め設定
した潤滑用に調圧され、油フィルタ42を介して主ギャ
ラリ37へ供給される。そして、この主ギャラリ37か
ら潤滑油路34を通じ、潤滑用の圧油が潤滑油供給路2
6から環状溝27,潤滑用溝連通路30,潤滑用油通路2
0を介して油室18側に常に供給される他、機関の各部
に分配供給される。
【0030】前記主ギャラリ37と前記油圧切換弁38
との間には、この油圧切換弁38側に高圧の圧油を供給
する切換用油ポンプ43が介装されており、前記制御油
路36は油圧切換弁38を介して主ギャラリ37側か或
いは切換用油ポンプ43側に連通状態を切り換えられる
ようになっている。又、油圧切換弁38には機関の運転
状態に基づいて通電状態が切り換えられる電磁制御弁4
4が付設されており、この電磁制御弁44に対する通電
状態を制御ユニット45にて制御することにより、当該
油圧切換弁38に対して主ギャラリ37側からのパイロ
ット圧の給排が切り換えられ、油圧切換弁38が駆動さ
れる。
【0031】つまり、車両の運転状態に基づいて制御ユ
ニット45により電磁制御弁44が図示する非通電状態
に保持されている場合には、制御油路36が油圧切換弁
38を介して主ギャラリ37に連通状態となり、低圧油
が制御油路36から切換用油供給路28,環状溝29,切
換用溝連通路31,切換用油通路21を介して油室19
側に供給される結果、圧縮コイルばね22のばね力によ
りストッパピン17は高圧縮比状態を実現する偏心スリ
ーブ16の係止凹部16aに係合する。逆に、車両の運転
状態に基づいて制御ユニット45により電磁制御弁44
が通電状態に保持されると、主ギャラリ37からのパイ
ロット圧が油圧切換弁38に付勢され、切換用油ポンプ
43からの高圧油が制御油路32を介して油室19に供
給される結果、ストッパピン17は低圧縮比状態を実現
する偏心スリーブ16の係止凹部16bに係合する。
【0032】なお、圧縮比の切り換えは、車両の運転状
態により予め設定されたマップに基づいて行われる。
又、本実施例では制御油路36の途中に切換用リリーフ
弁46を付設し、切換用油ポンプ43から制御油路36
側に供給される圧油の油圧を、圧縮コイルばね23のば
ね力に抗してストッパピン17が図3中、右側に変位す
るに足る切換用に調圧するようにしており、これら潤滑
用油ポンプ41及び切換用油ポンプ43は共に機関によ
って駆動される。
【0033】図2及びそのV−V矢視断面構造を表す図
5に示すように、偏心スリーブ16のフランジ部と対向
する連接棒13の大端部の両端面には、クランクピン1
2と同心に円弧状をなす緩衝用油溝47が本実施例では
ほぼ半周に亙って刻設されており、これら緩衝用油溝4
7にそれぞれ係合する丸棒状をなす緩衝用ピン48が偏
心スリーブ16のフランジ部の内側に一体的に突設され
ている。緩衝用油溝47には、前記潤滑用油ポンプ41
から潤滑用環状溝24,切換用環状溝25に供給される
圧油が偏心スリーブ16と連接棒13との嵌合隙間から
常に供給されるようになっているが、予め連接棒13か
或いは偏心スリーブ16にこれら潤滑用環状溝24,切
換用環状溝25と緩衝用油溝47とを連通する油路を形
成することも可能である。
【0034】従って、制御ユニット45からの指令に基
づき、ストッパピン17と二つの係合凹部16a,16bのう
ちの何れか一方との係合が解除されると、連接棒13に
対して偏心スリーブ16が相対回転を始め、二つの係合
凹部16a,16bのうちの他方にストッパピン17が係合し
て所定の圧縮比に切り換えられる。この時、連接棒13
に対する偏心スリーブ16の相対回転に伴って緩衝用ピ
ン48が緩衝用油溝47内を移動するため、これらの間
に介在する油の剪断抵抗により、連接棒13に対する偏
心スリーブ16の相対的な運動エネルギが吸収され、ス
トッパピン17の係合動作が緩やかに行われる。
【0035】なお、本実施例では緩衝用油溝47の幅や
深さをその長手方向に沿って一定に形成してあるが、ス
トッパピン17と偏心スリーブ16の係合凹部16a,16b
との相対位置が近づくにつれて、緩衝用油溝47と緩衝
用ピン48との隙間が漸次狭くなるように、緩衝用油溝
47の幅や深さをその長手方向に沿って連続的或いは段
階的に変えるようにしても良い。この場合には、ストッ
パピン17と偏心スリーブ16の係合凹部16a,16bとの
相対位置が近づくにつれて、これらの間に介在する油の
剪断抵抗が増大するため、連接棒に対する偏心スリーブ
の相対的な運動エネルギが急激に吸収され、ストッパピ
ンと偏心スリーブの係合部との係合動作をより一層緩や
かに行うことができる。又、これら緩衝用油溝47や緩
衝用ピン48の形成位置は、偏心スリーブ16と連接棒
13の大端部との摺接部分であれば、本実施例以外の箇
所に設定することも当然可能であり、緩衝用油溝47を
偏心スリーブ16側に形成すると共に緩衝用ピン48を
連接棒13側に突設するようにしても良い。
【0036】
【発明の効果】本発明の機関の圧縮比制御装置による
と、連接棒の大端部と偏心スリーブとの摺接部分の何れ
か一方にこれらの相対回転方向に沿った緩衝用油溝を形
成すると共に他方にこの緩衝用油溝に係合するピンを突
設し、緩衝用油溝に圧油を供給するようにしたので、連
接棒に対する偏心スリーブの相対回転に伴ってピンが緩
衝用油溝内を移動する際の油の剪断抵抗により、連接棒
に対する偏心スリーブの相対的な運動エネルギが吸収さ
れる結果、ストッパピンと偏心スリーブの係合部との係
合動作を緩やかに行うことができる。
【0037】又、緩衝用油溝とこの緩衝用油溝に係合す
るピンのみで、ストッパピンと偏心スリーブの係合部と
の係合の際の衝撃を緩和することができるため、機関の
慣性質量を増大させることなく、従来のものよりも極め
て簡単な構造にすることができ、製造コストの上昇をほ
とんど招かずに信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による機関の圧縮比制御装置の一実施例
における高圧縮比を選択した状態の主要部の断面図であ
る。
【図2】そのII−II矢視断面図である。
【図3】図1におけるストッパピンの部分の抽出拡大断
面図である。
【図4】本実施例における油圧制御回路図である。
【図5】図2におけるV−V矢視断面図である。
【図6】従来の内燃機関の圧縮比制御装置の一例におけ
る低圧縮比の状態を表す主要部の断面図である。
【図7】そのVII−VII矢視断面図である。
【図8】図6におけるストッパピンの部分を拡大状態で
抽出した断面図である。
【符号の説明】
11はクランク軸、12はクランクピン、13は連接
棒、14はピストン、15はピストンピン、16は偏心
スリーブ、16a,16bは係止凹部、17はストッパピン、1
7aはピストン、18は油室、19は油室、20は潤滑油
用通路、21は切換用油通路、22はばね受けキャッ
プ、23は圧縮コイルばね、24は潤滑用環状溝、25
は切換用環状溝、26は潤滑油供給路、27は環状溝、
28は切換用油供給路、29は環状溝、30は潤滑用溝
連通路、31は切換用溝連通路、32はクランクアー
ム、33はクランクジャーナル、34は潤滑油路、35
はクランクジャーナル、36は制御油路、37は主ギャ
ラリ、38は油圧切換弁、39は油溜め、40は潤滑用
リリーフ弁、41は潤滑用油ポンプ、42は油フィル
タ、43は切換用油ポンプ、44は電磁制御弁、45は
制御ユニット、46は切換用リリーフ弁、47は緩衝用
油溝、48は緩衝用ピンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 やよい 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 平野 孝明 京都府京都市右京区太秦巽町1番地 三菱 自動車エンジニアリング株式会社京都事業 所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクピンと連接棒の大端部との間に
    回転自在に嵌合された偏心スリーブと、前記連接棒に組
    み込まれ且つ前記偏心スリーブに相隔てて形成された一
    対の係合部の何れかに係合して当該連接棒と前記偏心ス
    リーブとの相対回転位置を切り換えるストッパピンと、
    このストッパピンを少なくとも一方の前記係合部側に付
    勢する圧油を供給するための油圧供給手段とを具えた内
    燃機関の圧縮比制御装置において、前記連接棒の大端部
    と前記偏心スリーブとの摺接部分の何れか一方にこれら
    の相対回転方向に沿った緩衝用油溝を形成すると共に他
    方にこの緩衝用油溝に係合するピンを突設し、前記緩衝
    用油溝に圧油を供給する手段を設けたことを特徴とする
    内燃機関の圧縮比制御装置。
  2. 【請求項2】 ストッパピンと偏心スリーブの係合部と
    が係合する位置に対応して緩衝用油溝とピンとの隙間を
    変えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載した
    内燃機関の圧縮比制御装置。
JP7672892A 1992-03-31 1992-03-31 内燃機関の圧縮比制御装置 Withdrawn JPH05280383A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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