JP3622322B2 - バルブ駆動装置及びエンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン及びバルブ駆動装置に関し、特にバルブタイミングやバルブリフトを自由に調整できる可変機構に好適である。
【0002】
【従来の技術】
バルブタイミングやバルブリフトを可変とするためカムを用い、直接バルブを駆動する例としては、特開平5−1517号公報に記載のものが知られている。この例では、一つの弁を駆動するために、形状の異なるを2種類用意し、エンジンの作動条件に応じて、適切なカムを選択して、カムで直接バルブを駆動することにより、バルブタイミングやバルブリフトを段階的に調整している。
【0003】
流体圧を用い、バルブを駆動するものとしては、例えば特開平5−202712号公報記載のものが挙げられる。この例では、斜板を用いた可変容量型流体圧ポンプによって流体圧を発生し、高圧側アキュムレータに蓄える。そして、蓄えられた流体圧は、高圧側制御弁を開くことにより、バルブ駆動用のシリンダへ送られ、吸気または排気バルブを開くことになる。バルブリフト量は、高圧側制御弁を開く時間を調節することにより可変としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
2種類のカムを用い直接バルブを駆動する例では、バルブタイミングとバルブリフトとを互いに独立に変化させること、および連続的に変化させるには十分対応できない。
【0005】
流体圧を用いバルブを駆動するものでは、以下のような問題点がある。◆
(1)高圧側アキュムレータ、低圧側アキュムレータ、高圧側制御弁、低圧側制御弁などが必要であるため、流体圧回路が複雑でありコストが高くなる。◆
(2)バルブリフト量を制御するため、高圧側制御弁を開いている時間を演算することが必要となる。◆
(3)高圧側制御弁の開いている時間によって、バルブリフト量を制御するため、吸気または排気バルブの摺動摩擦力の変動や、供給圧力の変動によって、バルブリフト量の制御精度を確保することが困難である。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、バルブタイミングやバルブリフトを連続的に変化させることが可能であり、バルブリフト量の制御精度が高く、低コスト化に有利なバルブ駆動装置及びエンジンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のバルブ駆動装置は、エンジンの駆動力により回転し、回転軸方向に凸形状をしたカムが設けられた板状部材と、ケーシング内に設けられ板状部材の回転運動に伴ってカムによって往復直線運動されるプランジャが内包されたポンプシリンダが複数設けられたシリンダブロックと、ポンプシリンダとバルブシリンダに連結された配管とを備えている。
【0008】
カムによって流体圧を利用してポンプシリンダを駆動できるので、バルブリフト量、作用角及びバルブタイミングを互いに独立して最適な値に設定できる。◆
さらに、上記のものにおいてカムの高さを可変とする可動機構を備えている。
【0009】
また、上記のものにおいてカムの円周方向の幅を可変とする可動機構を備えている。◆
さらに、上記のものにおいてシリンダブロックを前記板状部材の回転方向に前記ケーシング内を回転する可動機構を備えている。◆
さらに、上記のものにおいて板状部材は回転軸の垂直面に対して傾斜を可変とする可動機構を備えている。
【0010】
上記において、可動機構とは一般的なアクチェータを意味し、作動流体を用いてその流体圧を利用した流体式アクチェータ、あるいはコイルと磁性材料を用いた電磁力を利用した電磁式アクチェータなどがによって構成される。◆
これにより、バルブリフト量、作用角及びバルブタイミングを互いに独立して連続的に変化させることができ、制御装置も簡単となり低価格化できる。
【0013】
さらに、吸排気バルブに設けられたバルブピストンとバルブピストンを内包するバルブシリンダを有するエンジンにおいて、エンジンの駆動力により回転し、回転軸方向に凸形状をしたカムが設けられた板状部材と、ケーシング内に設けられ板状部材の回転運動に伴ってカムにより摺動して往復直線運動されるプランジャが内包されたポンプシリンダが複数設けられたシリンダブロックと、ポンプシリンダとバルブシリンダに連結された配管とを備え吸排気バルブのバルブリフト量及びバルブタイミングを独立して連続的に可変としている。◆
これにより、バルブリフト量、作用角及びバルブタイミングを互いに独立して最適な値に設定でき、高出力化など高性能化が図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
自動車のエンジンは、吸気バルブ、排気バルブ、バルブ駆動装置、ピストン、シリンダ、点火プラグ、スロットルバルブ等から構成され、回転力は吸入、圧縮、燃焼、排気の各行程を繰り返すことにより発生される。◆
吸入行程では、バルブ駆動装置により、排気バルブが閉じ、吸気バルブが開いている状態となり、このときピストンは上死点から下死点まで運動する。以上によりシリンダ内の圧力が低くなり、ガソリンと空気の混合気がシリンダ内に充たされる。
【0015】
圧縮行程では、バルブ駆動装置により、排気バルブと吸気バルブとが閉じた状態となり、ピストンは下死点付近から上死点に向かって運動し、混合気を圧縮する。◆
燃焼行程では、バルブ駆動装置により、排気バルブと吸気バルブとが閉じた状態となり、圧縮された混合気は点火プラグにより点火される。ピストンは、混合気が燃焼して高圧となったガスの圧力によって上死点付近から下死点に向かって運動し、回転力となる。
【0016】
排気行程では、バルブ駆動装置により、吸気バルブは閉じ、排気バルブが開いた状態となり、ピストンは下死点付近から上死点に向かって運動し、シリンダ内の燃焼膨張したガスは排出される。◆
バルブ駆動装置による吸気バルブや排気バルブの開閉は、ピストンがちょうど上死点の位置または下死点の位置にあるときに行われるわけではなく、微妙にずれた位置にあるときに行われることが望ましい。
【0017】
例えば、吸入行程で開かれている吸気バルブは、ピストンが下死点を通過して圧縮行程にはいっても、まだ開いていることが望ましい場合がある。これは、圧縮によってシリンダ内の混合気が排出されようとする力よりも、混合気がそれ自身の慣性力によりシリンダ内に吸入されようとする力の方が大きい条件下では、吸気バルブを開けていた方がより多くの混合気を吸入できるので、エンジンの高出力化や低燃費化を図ることができるからである。◆
エンジンの回転数や負荷の大きさによって、上記のような条件が成立する場合と成立しない場合とがあるため、バルブ駆動装置が吸気バルブや排気バルブを開閉するタイミング(以下ではバルブタイミングと記す。)は可変であることが良い。
【0018】
また、通常エンジンの出力を制御するには、吸気バルブの上流に設けられたスロットルバルブにより、シリンダへの吸入空気流量を調節している。よって、吸気バルブのリフトを可変とすることができれば、スロットルバルブを用いることなく、シリンダへの吸入空気量を調節することが可能となる。これにより、スロットルバルブが不要となるため、吸気系の構造が簡略となり、エンジンの低コスト化を図ることができる。以上より、吸気バルブや排気バルブのリフト(以下ではバルブリフトと記す。)も可変とすることが望ましい。
【0019】
つぎに、本発明の一実施の形態を図1〜図11を用いて説明する。◆
図1は本発明の一実施の形態を示す全体構成を示す模式図、図2は本発明の一実施の形態である流体圧ポンプの分解された構成を示す斜視図、図3は同じく流体圧ポンプの板状部材を示す正面および側面図、図4は流体圧ポンプのプランジャと板状部材の運動の関係を示す正面図、図5は流体圧ポンプの動作原理を説明する模式図、図6はバルブ駆動装置によるバルブの動作を示すグラフ、図7は流体圧ポンプの板状部材の詳細構造を示す正面図、図8は図7のA−A断面を示す部分断面図、図9は板状部材の詳細構造を示す部分正面図、図10は板状部材の詳細構造を示す正面図、図11は流体圧ポンプの詳細構造を示す断面図である。
【0020】
まず図1を用いて、エンジンの基本動作原理を説明する。◆
エンジンは、排気バルブ1a〜1d、吸気バルブ2a〜2d、排気ポート3a〜3d、吸気ポート4a〜4d、点火プラグ5a〜5d、シリンダ6a〜6d、ピストン7a〜7d等から構成され、吸入、圧縮、燃焼、排気の各工程を順次繰り返すことにより回転力を発生する。◆
吸入行程について、図1中で第三気筒である8cを用いて説明する。排気バルブ1cが閉じ、吸気バルブ2cが開いた状態で、ピストン7cが、最も上にある状態すなわち上死点付近から、最も下にある状態すなわち下死点に向かって、運動する。これによりシリンダ6c内の圧力が低くなり、図示しないガソリンと空気の混合気が、吸気ポート4cからシリンダ6c内に流れ込む。
【0021】
圧縮行程について、図1中で第四気筒8dを用いて説明する。排気バルブ1d及び吸気バルブ2dが閉じた状態で、ピストン7dが下死点付近から上死点付近に向かって運動する。これによりシリンダ6d内に充たされていた混合気が、圧縮される。
【0022】
燃焼行程について、同図中第二気筒8bを用いて説明する。排気バルブ1b及び吸気バルブ2bが閉じた状態で、シリンダ6bないで圧縮された混合気が、点火プラブ5bによって点火される。混合気が燃焼して高圧となったガスの圧力によってピストン7bが、上死点付近から下死点付近に向かって、運動し動力が発生する。
【0023】
排気行程について、第一気筒8aを用いて説明する。排気バルブ1aが開き、吸気バルブ2aが閉じた状態で、ピストン7aが下死点付近から上死点付近に向かって運動することにより、シリンダ6a内の燃焼膨張したガスが、排気ポート3aから排出される。
【0024】
本発明は、上記の各エンジン動作中に必要な、バルブの開閉動作を行う機構すなわちバルブ駆動装置に関するものである。◆
次に本発明のバルブ駆動装置の基本構成と基本動作の説明をする。◆
図2を用いて、排気側流体圧ポンプ9の基本構成を説明する。吸気側流体圧ポンプ10の構成は排気側流体圧ポンプ9の構成と同様であるから、排気側流体圧ポンプ9のみについて説明する。
【0025】
ケーシング105は図示はしていないが車両に固定される。ケーシング105には排気側配管11a〜11dが設けられ、その内部には、シリンダブロック103が設けられる。シリンダブロック103には、シリンダ104a〜104dがそれぞれ設けられる。
【0026】
シリンダ104a〜104dは、円周方向にほぼ等間隔、およそ90度ずつの間隔となっている。シリンダ104a〜104d内には、プランジャ102a〜102dがX軸方向に摺動可能とされている。板上部材101は、ブランジャ102a〜102dの先端部に接触するように、かつ回転可能になっている。
【0027】
図3を用いて、排気側流体圧ポンプ9の構成部品である板状部材101の基本構成を説明する。なお吸気側流体圧ポンプ10の構成部品である図示しない板状部材は板状部材101と同様の構成であるから、板状部材101のみについて説明する。
【0028】
板状部材101は入力軸203、板部202、突起部201を有し、入力軸203には、エンジン(図示せず)から、動力が伝達される。これにより、板状部材101全体が、エンジンのクランクシャフト(図示せず)の半分の回転数で回転する。板状部材101の端面204は、プランジャ102a〜102dの先端に接触している。
【0029】
図1に示すように、排気側流体圧ポンプ9に接続された排気側配管11a〜11dは、それぞれ排気側シリンダ13a〜13dに直接接続される。同様に、吸気側流体圧ポンプ10に接続された吸気側配管12a〜12dは、それぞれ吸気側シリンダ14a〜14dに直接接続される。◆
排気側シリンダ13a〜13d内部には、排気バルブ1a〜1dとそれぞれ一体となって運動する排気側ピストン15a〜15dが設けられる。排気側シリンダ13a〜13d内部には、排気バルブ1a〜1dを閉める方向の力を発生するように排気側バネ17a〜17dが設けられる。
【0030】
同様に吸気側シリンダ14a〜14d内部には、吸気バルブ2a〜2dとそれぞれ一体となって運動する吸気側ピストン16a〜16dが設けられ、吸気側シリンダ14a〜14d内部には、吸気バルブ2a〜2dを閉めるように吸気側バネ18a〜18dが設けられる。
【0031】
つぎに、全てのバルブについて、その動作原理は同様であるから、排気バルブ1aの駆動原理を説明する。図4は板状部材101の回転にともなうプランジャ102aの動きを(a)〜(e)の順番に示している。◆
図4中(a)の状態から(b)、(c)の状態へと、板状部材101が回転する。すると、図5に示すように、プランジャ102aに対し、強制力F1が働き、プランジャ102aがポンプポンプシリンダ104a内を矢印方向に摺動する。これにより、作動流体(図示せず)、排気側シリンダ13a内に送り込まれ、排気側ピストン15aが押し下げられ、排気バルブ1aが開く。
【0032】
図4中(c)の状態から(e)の状態へ移る際には、図5における排気側バネ17aによる戻り力F2が働き、排気側ピストン15aが押し上げられ、排気バルブ1aが閉じる。同時に、作動流体がポンプシリンダ104a内に送り込まれ、プランジャ102aがポンプシリンダ104aから押し出される方向に摺動する。全てのバルブについて、上記の動作が順番に行われ、エンジンのクランクシャフト回転角に対し、各バルブの動作は、図6の太線a1〜a4、b1〜b4のようになる。
【0033】
次に、バルブリフトや、バルブが開いている時間に相当するクランクシャフト回転角(以下では作用角と記す。)及びバルブタイミングを変化させる動作、すなわち応用動作を説明する。◆
図6及び図7、図8、図9を用いて、バルブリフトや作用角を変化させる応用動作について説明する。◆
図7及び図8において、突起部301a、301bは二分割構造となっており、それぞれ、Xピストン302a、302b、Yピストン303a、303b、スライド部材304a、304b、Yバネ305a、305bにより支持されている。なお、突起部301a、301bは、Xピストン302a、302bに対して、Y方向に摺動可能となっている。
【0034】
さらに、突起部301a、301bは、Yピストン303a、303bに対して、X方向に摺動可能となっている。同様に、突起部301a、301bは、スライド部材304a、304bに対しても摺動可能となっている。また、突起部301a、301bは、Yバネ305a、305bに対してもX方向に摺動可能となっている。◆
Xピストン302a、302bは、Xシリンダ306a、306b内に、X方向に摺動可能に設けられる。Yピストン303a、303bは、Yシリンダ307内にY方向に摺動可能となっている。
【0035】
スライド部材304a、304bは、第一カバー308a、308bと第二カバー309a、309bとの間に、Y方向に摺動可能に設けられ、スライド部材304a、304bは、スライドバネ310a、310bのバネ力によって、突起部301a、301bに押しつけられている。
【0036】
Yバネ305a、305bは、第一カバー308a、308bと、突起部301a、301bとの間に設けられる。Yバネ305a、305bは、突起部301aと突起部301bとが接近する方向の力を発生する。
【0037】
Xシリンダ306a、306b内の流体圧を高くすると、Xピストン302A、302Bが、突起部301a、301bをX軸の正方向に押し上げようとする力を発生する。一方、スライドバネ310a、310bのバネ力が、スライド部材304a、304bを介して伝えられ、突起部301a、301bを押し下げようとする力も発生する。押し上げようとする力と、押し下げようとする力とが釣り合うところまで、突起部301a、301bはX軸正の方向に動いて停止する。
【0038】
逆に、Xシリンダ306a、306b内の流体圧を低くすると、突起部301a、301bを押し下げようとする力の方が大きくなり、突起部301a、301bはX軸負の方向に動き、突起部301a、301bを押し上げようとする力と、押し下げようとする力とが釣り合ったところで停止する。◆
以上のように、突起部301a、301bのX軸方向の高さを変化させると、プランジャの往復運動のストロークが変化する。そして、その結果バルブリフトを変化させることができる。
【0039】
図6のd1〜d4は、吸気バルブのバルブリフトを、c1〜c4に対して、それぞれLだけ大きくした場合の例を示している。バルブリフトの変化のさせ方は図6に示すものに限られるわけではなく、エンジンの動作条件によってはバルブリフトを小さくしてもよい。また、排気バルブのバルブリフトを変化させてもよいことはいうまでもない。
【0040】
Yシリンダ307内の流体圧を高くすると、Yピストン303A、303Bによって、突起部301aと突起部301bとのY方向の間隔が押し広げられる。押し広げようとする力と、スライドバネ310a、310bや、Yバネ305a、305bによる反力とが釣り合うところまで、突起部301aと突起部301bとのY方向の間隔が押し広げられる。◆
逆にYシリンダ307内の流体圧を低くすると、スライドバネ310a、310bや、Yバネ305a、305bによる反力の方が大きくなるため、突起部301aと突起部301bとのY方向の間隔が狭められ、間隔を押し広げようとする力と、バネによる反力とが釣り合う。
【0041】
突起部301a、301bを、X軸正の方向からみると、図9のようになっている。これにより、突起部301aと突起部301bとのY方向の間隔が広がった場合でも、プランジャの先端部102は、突起部301a、301bの上を滑らかに通過することができる。なお、突起部301a、301bをX軸正の方向からみた形状は、図10に示すような形状であってもよい。
【0042】
突起部301aと突起部301bとのY方向の間隔を変化させると、プランジャが突起部301a、301bに接触している時間が変化するため、バルブの作用角を変化させることができる。
【0043】
図6のd1〜d4は、吸気バルブの作用角を、c1〜c4に対して、それぞれαだけ大きくした場合の例を示している。作用角の変化のさせ方は図6に示すものに限るわけではなく、エンジンの動作条件によっては、作用角を小さくしてもよい。また、排気バルブの作用角を変化させてもよいことはいうまでもない。
【0044】
図6及び図11を用いて、バルブタイミングを変化させる応用動作について説明する。まず、排気側流体圧ポンプ9の詳細構造を説明する。吸気側流体圧ポンプについてもその詳細構造は全く同一である。
【0045】
図11における排気側流体圧ポンプは、突起部201を持つ回転可能な板状部材101と、前記板状部材の形状に沿って往復運動するプランジャ102a〜102dと、前記プランジャを前記板状部材101に押圧する弾性部材106a〜106dと、前記プランジャを収納するシリンダブロック103と、前記シリンダブロックを回転可能に支持し、自身は車両の構造(図示せず)に固定されるケーシング105と、シリンダブロック103を支持する軸受け109と、シリンダブロック103と一体になって回転運動するベーン107a、107bと、ベーン107a、107bの回転範囲を規制するストッパ108a〜108dとを含んで構成される。
【0046】
板状部材101は通常エンジンのクランクシャフトの回転に同期して回転し、プランジャ102a〜102dを、ポンプシリンダ104a〜104d内で、往復運動させる。ポンプシリンダ104a〜104dは、排気側配管11a〜11dを介して、それぞれ、図1における排気側シリンダ13a〜13dに直結されているため、排気側ピストン15a〜15dも往復運動し、排気バルブ1a〜1dが開閉する。
【0047】
クランクシャフトの回転、板状部材101の回転、プランジャ102a〜102dの往復運動、排気バルブ1a〜1dの開閉運動の全てが同期している。このためクランクシャフトの回転角と板状部材101の回転角間の位相を変えるか、もしくは板状部材101の回転角とプランジャ102a〜102dの往復動間の位相の関係を変えてやればクランクシャフトの回転角に対する排気バルブ1a〜1dの開閉時期、すなわちバルブタイミングを変えることができる。
【0048】
本例では後者のものを採用し、シリンダブロック103をケーシング105に対し角度θだけ回転させることにより、排気バルブ1a〜1dの開閉タイミングを任意に変化可能としている。◆
このため、図11A−A断面に示すようにシリンダブロック103aに2枚のベーン107a、107bを取り付け、ケーシング105とで流体圧ロータリーアクチュエータを形成する。この結果、ポートPA、PBに流入出する流体の量を制御することでシリンダブロック103をケーシング105に対して任意の回転角θに制御することができる。
【0049】
ケーシング側ポート110a〜110dは長穴形状とし、シリンダブロック103がケーシング105に対して回転しても、ポンプシリンダ104a〜104d内の流体と配管11a〜11d内の流体とが連通した状態を保てるようにしている。ストッパ908a〜908dは、シリンダブロック103の回転角を制限している。以上のように、シリンダブロック103をケーシング105に対して回転させることにより、クランクシャフトの回転角に対して、排気バルブ1a〜1dのバルブタイミングを変化させることができる。
【0050】
図6のc1〜c4は、吸気バルブのバルブタイミングを、b1〜b4に対して、それぞれθだけ速くした場合の例を示している。バルブタイミングの変化のさせ方は図6に示すものに限るものでなく、エンジンの動作条件によっては、バルブタイミングを遅くしてもよい。また、排気バルブのバルブタイミングを変化させてもよいことはいうまでもない。◆
以上の例では、図6におけるバルブリフト変化量Lや作用角変化量α、バルブタイミング変化量θは、互いに独立に最適な値を設定できる。また、連続的に変化させることができる。
【0051】
排気側流体圧ポンプ9に接続された排気側配管11a〜11dは、それぞれ排気側シリンダ13a〜13dに直接接続される。また、吸気側流体圧ポンプ10に接続された吸気側配管12a〜12dは、それぞれ吸気側シリンダ14a〜14dに直接接続される。したがって、作動流体を蓄えるためのアキュムレータや、作動流体の流量を制御するための制御弁が不要となる。よって、バルブ駆動装置の構成が簡単となり、コストの安いバルブ駆動装置を得ることができる。
【0052】
バルブリフト量は、板状部材101の突起部201の形状により決まる。よって、演算装置等を用いることなく、単純な構成でバルブリフト量の制御精度の高いバルブ駆動装置を得ることができる。
【0053】
次に他の実施の形態を説明する。図12は、排気側流体圧ポンプ9の他の実施の形態を示す断面図である。◆
シリンダブロック103の回転手段としてステッピングモータ等の電磁アクチュエータを利用した場合の例で、バルブの開閉時期を変化させるのは図11で説明した場合と同様である。◆
シリンダブロック103の回転手段として、シリンダブロック103に取り付けられた磁石111、及びロータコア112と、ケーシング105に取り付けられたステータコア113と、コイル114とによって構成されるステッピングモータとしたものである。
【0054】
本実施の形態は外部からコイル114に電流を通電することにより任意の回転角にシリンダブロック103を制御できるので、容易にバルブの開閉時期を変化させることができる。吸気側流体圧ポンプ10の構造も図10と同様で良い。
【0055】
図13は、本発明のバルブ駆動装置の排気側流体圧ポンプ9の他の実施の形態を示す。本例は6気筒エンジン用の排気側流体圧ポンプ9で、シリンダブロック103の回転手段に流体圧ロータリーアクチュエータを用いた例である。
【0056】
動作は図11で示した4気筒エンジン用の場合と全く同一であるが、バルブタイミングの調整範囲が4気筒用よりも減少し、最大でプラスマイナス30°になる。従って、さらに多気筒のエンジンに対応するには、ポンプを2つに分けるか、直列に2つ重ねて二連ポンプとする等の方法が有効である。◆
流体圧ポンプは、作動流体には潤滑性や取り扱いの容易さ等の点から例えば油圧作動油やエンジンオイル等の油が好適とされる。油は圧縮性流体であるため、プランジャとバルブは完全に剛に結合されているわけではなく、また摺動部からの油のもれもあるためプランジャのストロークが一定であってもバルブのリフト量がばらつくことが懸念される。
【0057】
図14は他の実施の形態を示すバルブ駆動装置の模式図であり、排気バルブ1aが最大リフト量に至る必要量以上の油をプランジャ102aからシリンダ13aに送り込むようにし、ピストン15aをストッパ115aに当てて強制的にバルブを位置決めするようにした例である。
【0058】
プランジャはピストンがストッパに当たった後も油を送り続けるので、そのままでは配管内が異常に高圧になり危険なため、余分な油は安全弁116aにより油溜め118に排出させる。
【0059】
次に、プランジャ102aが閉弁方向に変位すると配管内の油が不足するためプランジャ102aが元の位置まで戻り切らなくなる。このため、逆止弁117aにより逆に油溜め23から油を補給するようにさせる。◆
以上のような構成によりバルブ1aのリフト量を常に安定に与えることができる。なお、ピストン15aがストッパ115aに接触するときの衝撃を緩和するために、ストッパ115aには汎用の油圧シリンダに用いられるようなオリフィスを用いたクッション機構の付いたものが望ましい。
【0060】
上記のようなストッパ機構とそれに付随する安全弁、逆止弁を用いない場合、すなわちプランジャからシリンダまでが分岐等なく配管で直結されている場合、作動流体は密閉状態となる。作動流体に油を用いた場合、この状態で使用を続けると油が劣化して潤滑性が低下したり、磨耗した金属粉等が混入してピストンのシール部を痛めたりする可能性がある。また、密閉状態とはいえプランジャとポンプシリンダとのすき間などから油が微少に漏れていくため、バルブのリフト量が徐々に減少し、やがては動かなくなる可能性もある。
【0061】
このため図15に示す実施の形態では、プランジャ102a〜102dの側面にポンプシリンダ104a〜104d内部と連通する吸い込み穴119a〜119dを設け、吸い込み穴の周囲は作動流体120で満たすようにしたものである。
【0062】
吸い込み穴119a〜119dはプランジャ102a〜102dが排気バルブ1a〜1dの開弁方向に変位を始めるとすぐにシリンダブッロク103によってふさがる位置に設ける。これにより配管内は密閉状態でなくなり、プランジャの往復動の度に丁度息継ぎ動作のようにポンプシリンダ104a〜104d内部と外部が連通するので、常に一定量の作動流体を過不足なく供給でき、また作動流体の入れ替えも同時に行われる。さらに、ポンプシリンダ104a〜104d内に発生する空気泡を除去することもできる。◆
図16に示すように吸い込み穴121a〜121dをシリンダブッロク103側に設けても同一の効果が得られる。
【0063】
以上のようにして作動流体の入れ替えが可能となり、作動流体の劣化等の問題はある程度緩和できるが、自動車のように長期間使用する機械においてはまだ充分ではない。また、エンジンのシリンダヘッド部は非常に高温になるため、作動流体の冷却を行わないと短時間で作動流体の性能が低下する。
【0064】
図17に示す実施の形態では、流体圧ポンプの周囲を満たした作動流体120をエンジンオイルとし、かつエンジンオイルの循環ラインをそのまま利用することで、作動流体の性能の長期安定化を図るものである。◆
オイルパン122に溜まったエンジンオイルをオイルポンプ123により吸い上げ、オイルフィルター124、オイルクーラー125を介して混入物の除去と冷却を行わせる。清浄化されたオイルはメインオイルギャラリー126を介して各部に供給され、排気側流体圧ポンプ9にも冷却された清浄なエンジンオイルが供給される。
【0065】
オイルクーラーは空冷式、水冷式のどちらでもよく、フィルターは充分に目を細かくし、プランジャ102a〜102dとポンプシリンダ104a〜104dのすきまに異物を詰まらせない配慮をしている。◆
さらに積極的に作動流体の冷却を行うには、エンジン冷却水のラインを流体圧ポンプの周囲に回したり、あるいは冷却フィンをポンプ周囲につけることが良い。
【0066】
ポンプ自体はシリンダヘッドに置く必要はなく、自由に配置が可能なので冷却風がよく当たる位置に配置している。◆
図18は、図8で説明した板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。◆
図18において、突起部301a、301bは二分割構造となっており、それぞれ、Xピストン302a、302b、スライド部材304a、304bにより支持されている。突起部301aと突起部301bとは、Yバネ401により、連結されている。突起部301a、301bは磁性材料よりなる。突起部301a、301bは、Xピストン302a、302bに対して、Y方向に摺動可能となっている。突起部301a、301bは、スライド部材304a、304bに対しても摺動可能となっている。Xピストン302a、302bは、Xシリンダ306a、306b内に、X方向に摺動可能に設けられる。
【0067】
スライド部材304a、304bは、第一カバー308a、308bと第二カバー309a、309bとの間に、Y方向に摺動可能に設けられる。スライド部材304a、304bは、スライドバネ310a、310bのバネ力によって、突起部301a、301bに押しつけられる。第一カバー308a、308b内には、磁性材料部402a、402bとコイル403a、403bとを設けている。
【0068】
Xシリンダ306a、306b内の流体圧を高くすると、Xピストン302a、302bが、突起部301a、301bをX軸の正の方向に押し上げようとする力を発生する。一方、スライドバネ310a、310bのバネ力が、スライド部材304a、304bを介して伝えられ、突起部301a、301bを押し下げようとする力も発生する。押し上げようとする力と、押し下げようとする力とが釣り合うところまで、突起部301a、301bはX軸正の方向に動く。◆
逆に、Xシリンダ306a、306b内の流体圧を低くすると、突起部301a、301bを押し下げようとする力の方が大きくなり、突起部301a、301bはX軸負の方向に動き、突起部301a、301bを押し上げようとする力と、押し下げようとする力とが釣り合ったところで停止する。
【0069】
コイル403a、403bに電流を流すと、磁性材料部402a、402bと磁性材料からなる突起部301a、301bとが磁気回路を構成しているので、磁性材料部402aと突起部301aとが互いに引き合う。磁性材料部402bと突起部301bとも互いに引き合い、突起部301aと突起部301bとのY方向の間隔が押し広げられる。◆
押し広げようとする力と、スライドバネ310a、310bや、Yバネ305a、305bによる反力とが釣り合うとこで、突起部301aと突起部301bとのY方向の間隔が押し広げられる。
【0070】
逆にコイル403a、403bに流れる電流を小さくしていくと、スライドバネ310a、310bや、Yバネ305a、305bによる反力の方が大きくなるため、突起部301aと突起部301bとのY方向の間隔が狭められる。
【0071】
図19は、図8で説明した板状部材の他の実施の形態である。図20は図19の板状部材をX軸の正の方向よりみた平面図である。図19は図20におけるA−A断面である。
【0072】
本例の板状部材は、バルブリフトのみを変化させる機能を持っている。◆
図19において、突起部501は、Xシリンダ502内に設けられ、Xバネ503a、503b、スライド部材504a、504bにより支持されている。突起部501は、Xシリンダに対して、X方向に摺動可能となっている。突起部501は、スライド部材504a、504bに対しても摺動可能となっている。
【0073】
スライド部材504a、504bは、カバー505a、505bの内側に、Y方向に摺動可能に設けられる。スライド部材504a、504bは、スライドバネ506a、506bのバネ力によって、突起部501に押しつけられている。
【0074】
Xシリンダ502内の流体圧を高くすると、突起部501は、X軸の正の方向に押し上げられようとする力を受ける。スライドバネ506a、506bやXバネ503a、503bのバネ力により、突起部501を押し下げようとする力も発生する。よって、押し上げようとする力と押し下げようとする力とが釣り合うところまで突起部501はX軸正の方向に動いて停止する。
【0075】
Xシリンダ502内の流体圧を低くすると、突起部501を押し下げようとする力の方が大きくなり、突起部501はX軸負の方向に動き、突起部501を押し上げようとする力と押し下げようとする力とが釣り合ったところで停止する。
【0076】
図21は、図19で説明した板状部材の他の実施の形態である。
【0077】
図21において、突起部501は、突起部箱507内に設けられ、Xバネ503a、503b、スライド部材504a、504bにより支持されている。突起部501の下端部は変位拡大シリンダ508内に設けられる。変位拡大シリンダ508内にはピエゾ素子509、ピエゾカバー510、ピエゾバネ511a、511bが設けられる。突起部501は、突起部箱507に対して、X方向に摺動可能となっている。突起部501は、スライド部材504a、504bに対しても摺動可能となっている。◆
スライド部材504a、504bは、カバー505a、505bの内側に、Y方向に摺動可能に設けられる。スライド部材504a、504bは、スライドバネ506a、506bのバネ力によって、突起部501に押しつけられている。
【0078】
ピエゾ素子509に電圧がかけられると、ピエゾカバー510が変位拡大シリンダ508内をX軸方向に摺動し、突起部501の下端部に流体圧がかかり、突起部501もX軸方向に摺動する。
【0079】
図22は、図8で説明した板状部材の他の実施の形態である。◆
図22において、突起部501は、突起部箱507内に設けられ、スライド部材504a、504b、Xバネ503a、503bにより支持されている。突起部501には、磁性材料板512が固定されている。突起部箱507内には磁性材料部513a、513b及びコイル514a、514bを設けている。突起部501は、突起部箱507に対して、X方向に摺動可能となっている。突起部501は、スライド部材504a、504bに対しても摺動可能となっている。
【0080】
スライド部材504a、504bは、カバー505a、505bの内側に、Y方向に摺動可能に設けている。スライド部材504a、504bは、スライドバネ506a、506bのバネ力によって、突起部501に押しつけられている。
【0081】
コイル514a、514bに電圧がかけられると、コイル514a、514b、磁性材料部513a、513b、磁性材料板512により磁気回路が構成され、磁性材料板512が磁性材料部513a、513bに引きつけられる。これにより、突起部501はX軸方向に移動する。
【0082】
図23は、図22で説明した板状部材の他の実施の形態である。◆
図22で示したものに、磁性材料部515a、515bとコイル516a、516b及びXバネ517a、517bを追加して設けている。動作原理は図22で示したものと同様である。◆
図24は、図8で説明した板状部材の他の実施の形態である。図8で説明したものにおいて、XシリンダやXピストンを省略したものである。作用角のみを変化させればよい場合に都合が良い。
【0083】
図25は、図8で説明した板状部材の他の実施の形態である。図25において、突起部601a、601bは二分割構造となっており、ベース602とカバー603a、603bとの間に、Y軸方向に摺動可能に設けられる。カバー603aと突起部601aとの間と、カバー603bと突起部601bとの間とにはYバネ604a、604bが設けられる。突起部601aと突起部601bの下方には、くさび部材605が設けられる。くさび部材605には磁性材料板606が固定されている。ベース602には、磁性材料部607a、607bと、コイル608a、608bが固定されている。
【0084】
コイル608a、608bに電流を流すことにより、磁性材料部607a、607bと磁性材料板606とが引き合う力を発生させる。これにより、くさび部材605をX軸方向に上下させ、突起部601aと突起部601bとの間隔を調整する。この方法によって作用角を変化させることができる。◆
図26は、図25で説明した板状部材の他の実施の形態である。、図25で説明したものに、磁性材料部610a、610b、コイル611a、611b、Xバネ609a、609bを追加したもので、動作原理は図25で示したものと同様である。
【0085】
図27は、バルブリフトを可変とするための機構の他の実施の形態である。
【0086】
板状部材に傾斜可能な傾斜部701を設ける。傾斜部駆動プランジャ702、傾斜部駆動シリンダ703を設け、傾斜部シリンダ703内の流体圧を変化させることにより、傾斜部701の傾斜角を制御しバルブリフトを可変できる。
【0087】
図28は、バルブリフトを可変とするための機構の他の実施の形態である。板状部材に傾斜可能な傾斜部801を設けている。
【0088】
傾斜部駆動用磁性材料板803、傾斜部駆動用コイル804a、804b、傾斜部駆動用磁性材料部805a、805bとを設ける。そして、傾斜部駆動用コイル804a、804bにかける電圧を調整することにより、傾斜部駆動軸802を運動させ、傾斜部801の傾斜角を制御しバルブリフトを可変とできる。
【0089】
図29は、バルブタイミングを可変とするための機構の他の実施の形態である。
【0090】
二つのヘリカルスプライン901、902の軸方向の相対位置関係により、クランクシャフトの回転角と、板状部材の回転角との位相を可変にする機構である。
【0091】
このヘリカルスプライン901、902を用いて、バルブタイミングを可変とする機構は、これまでに説明した他の板状部材に応用することができる。◆
以上説明した実施の形態では流体圧ポンプのポンプ構造を、いわゆる軸方向に可動するアキシャル式に限定して説明したが、図27に示すようなラジアル式の流体圧ポンプを用いても同様の効果を得ることができる。
【0092】
図30は他の実施の形態を示すラジアル式流体圧ポンプの断面図である。図30における流体圧ポンプは、エンジンと同期して回転する偏心カム1001と、偏心カムの円周方向に偏心カムを中心として放射状に配置され、偏心カムの形状に沿って移動するプランジャ1002a〜1002dと、プランジャを偏心カム1001に押圧する弾性部材1006a〜1006dと、プランジャを収納するシリンダブロック1003と、シリンダブロックを収納し、自身は図示しない車両の構造に固定されるケーシング1005と、偏心カムを支持する軸受け1008a、1008bと、プランジャの流路を排気側シリンダまたは吸気側シリンダと接続する配管1011a〜1011dとを有している。
【0093】
以上のプランジャ、シリンダブロック、ケーシング、配管等の働きは前述の例えば図2におけるアキシャル式ポンプのそれと全く同一である。大きな違いはプランジャの移動方向が軸方向から半径方向になったことと、これに伴ってプランジャを駆動する部材が板状部材901から偏心カム1001にしたことである。
【0094】
偏心カムのカム形状を前述の板状部材の場合と同様な方法により可変とすれば、バルブのリフト量と作用角を可変にすることができる。
【0095】
図は4気筒エンジン用の流体ポンプを示しているが、4個のバルブのリフト量・作用角を1個のカムのカム形状を変えるだけで全て変えられる利点がある。◆
また、シリンダブロック1003を揺動回転させればバルブタイミングを変えることも可能である。
【0096】
ラジアル式はアキシャル式に比べて半径方向に大きくなる反面、軸方向がコンパクトにできる長所がある。このため図31に示すように軸方向に2つのポンプを重ね合わせ吸気用と排気用をコンパクトに一体化する事が良い。また、より多気筒のエンジンにも容易に対応することができる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、バルブリフト量、作用角及びバルブタイミングを連続的に変化させることが可能であり、制御精度が高く、低コスト化に有利なバルブ駆動装置及びエンジンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態である流体圧ポンプの分解された構成を示す斜視図である。
【図3】流体圧ポンプの板状部材を示す正面および側面図である。
【図4】流体圧ポンプのプランジャと板状部材の運動の関係を示す正面図である。
【図5】流体圧ポンプの動作原理を説明する模式図である。
【図6】バルブ駆動装置によるバルブの動作を示すグラフである。
【図7】流体圧ポンプの板状部材の詳細構造を示す正面図である。
【図8】図7のA−A断面を示す部分断面図である。
【図9】板状部材の詳細構造を示す部分正面図である。
【図10】板状部材の詳細構造を示す正面図である。
【図11】流体圧ポンプの詳細構造を示す断面図である。
【図12】排気側流体圧ポンプ9の他の実施の形態を示す断面図である。
【図13】他の実施の形態である流体圧ポンプの詳細構造を示す断面図である。
【図14】他の実施の形態を示すバルブ駆動装置を示す模式図である。
【図15】他の実施の形態を示すバルブ駆動装置を示す模式図である。
【図16】他の実施の形態を示すバルブ駆動装置を示す模式図である。
【図17】他の実施の形態を示すバルブ駆動装置を示す模式図である。
【図18】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図19】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図20】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図21】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図22】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図23】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図24】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図25】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図26】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図27】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図28】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図29】板状部材の他の実施の形態の詳細構造を示す部分断面図である。
【図30】他の実施の形態を示すラジアル式流体圧ポンプの断面図である。
【図31】軸方向に2つのポンプを重ね合わせ吸気用と排気用をコンパクトに一体化した他の実施の形態を示すラジアル式流体圧ポンプの断面図である。
【符号の説明】
1a〜1d…排気バルブ、2a〜2d…吸気バルブ、3a〜3d…排気ポート、4a〜4d…吸気ポート、5a〜5d…点火プラグ、6a〜6d…エンジンシリンダ、7a〜7d…ピストン、8a…第一気筒、8b…第二気筒、8c…第三気筒、8d…第四気筒、9…排気側流体圧ポンプ、101…板状部材、102a〜102d…プランジャ、103…シリンダブロック、104a〜104d…ポンプシリンダ、105…ケーシング、106a〜106d…弾性部材、107a、107b…ベーン、108a、108b…ストッパ、201…突起部、202…板部、203…入力軸、204…端面、10…吸気側流体圧ポンプ、11a〜11d…排気側配管、12a〜12d…吸気側配管、13a〜13d…排気側シリンダ、14a〜14d…吸気側シリンダ、15a〜15d…排気側ピストン、16a〜16d…吸気側ピストン、17a〜17d…排気側バネ、18a〜18d…吸気側バネ、301a、301b…突起部、302a、302b…Xピストン、303a、303b…Yピスト、304a、304b…スライド部材、305a、305b…Yバネ、306a、306b…Xシリンダ、307…Yシリンダ、308a、308b…第一カバー、309a、309b…第二カバー、310a、310b…スライドバネ

Claims (6)

  1. エンジンの吸排気バルブに設けられたバルブピストンと該バルブピストンを内包するバルブシリンダを有するエンジンのバルブ駆動装置において、
    前記エンジンの駆動力により回転し、回転軸方向に凸形状をしたカムが設けられた板状部材と、
    ケーシング内に設けられ前記板状部材の回転運動に伴って前記カムにより往復直線運動されるプランジャが内包されたポンプシリンダが複数設けられたシリンダブロックと、
    前記ポンプシリンダと前記バルブシリンダに連結された配管と、
    を備えたことを特徴とするバルブ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のバルブ駆動装置において、前記カムの高さを可変とする可動機構を備えたことを特徴とするバルブ駆動装置。
  3. 請求項1に記載のバルブ駆動装置において、前記カムの円周方向の幅を可変とする可動機構を備えたことを特徴とするバルブ駆動装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバルブ駆動装置において、前記シリンダブロックを前記板状部材の回転方向に前記ケーシング内を回転する可動機構を備えたことを特徴とするバルブ駆動装置。
  5. 請求項1に記載のバルブ駆動装置において、前記板状部材は回転軸の垂直面に対して傾斜を可変とする可動機構を備えたことを特徴とするバルブ駆動装置。
  6. 吸排気バルブに設けられたバルブピストンと該バルブピストンを内包するバルブシリンダを有するエンジンにおいて、
    前記エンジンの駆動力により回転し、回転軸方向に凸形状をしたカムが設けられた板状部材と、
    ケーシング内に設けられ前記板状部材の回転運動に伴って前記カムにより摺動して往復直線運動されるプランジャが内包されたポンプシリンダが複数設けられたシリンダブロックと、
    前記ポンプシリンダと前記バルブシリンダに連結された配管と、
    を備え前記吸排気バルブのバルブリフト量及びバルブタイミングを独立して連続的に可変としたことを特徴とするエンジン。
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