JPH05272077A - インクジェット捺染用インク、インクジェット捺染方法及びかかるインクを用いた機器 - Google Patents

インクジェット捺染用インク、インクジェット捺染方法及びかかるインクを用いた機器

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JPH05272077A
JPH05272077A JP9744092A JP9744092A JPH05272077A JP H05272077 A JPH05272077 A JP H05272077A JP 9744092 A JP9744092 A JP 9744092A JP 9744092 A JP9744092 A JP 9744092A JP H05272077 A JPH05272077 A JP H05272077A
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ink
head
printing
ink jet
thiodiglycol
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JP9744092A
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Tomoya Yamamoto
智也 山本
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被染色布帛をセルロース繊維を主体に構成さ
れる布帛に限定した上で、染着率が高く鮮明で且つ高濃
度の染色物を得るという従来の一般的な染色上の問題
と、短期或は長期にわたって安定し信頼性の高い印捺を
可能とするインクジェット装置の吐出性能上の問題とを
同時に満足するインクジェット捺染用インク、インクジ
ェット捺染方法及びかかるインクを用いた機器を提供す
ること。 【構成】反応染料がC.I.リアクティブバイオレット
1、2、4、5、6、22、36及び38からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種であり、該反応染料が5〜3
0重量%含有され、且つ、5〜50重量%のチオジグリ
コールが含有されていることを特徴とするインクジェッ
ト捺染用インク、インクジェット捺染方法及びかかるイ
ンクを用いた機器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット捺染用
インク、インクジェット捺染方法及びかかるインクを用
いた機器に関し、特に、反応染料で染色可能な主として
セルロース繊維から構成される木綿等の織布又は不織布
或はこれらの繊維と他の合成繊維からなる混紡織布或は
混紡不織布の捺染に適したインクジェット捺染用イン
ク、これを用いたインクジェット捺染方法及びかかるイ
ンクを用いた機器に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の捺染の主流は、スクリーン捺染や
ローラー捺染である。しかし、これらの方式は、多品種
少量生産には不向きであり、流行への迅速な対応も困難
であることから最近では、無製版の電子捺染システムが
要望されている。この要望に対してインクジェット記録
による捺染方法が数多く提案されており、各方面からの
期待も大きくなっている。インクジェット捺染用インク
としては、(1)十分な濃度に発色すること、(2)ヘ
ッドのインク吐出口やインク通路等のノズルを目詰りを
生じさせないこと、(3)インクが布帛上で速やかに乾
燥すること、(4)布帛上で不規則な滲みが少ないこ
と、(5)保存中に物性の変化や固形分の析出がないこ
と、(6)長期にわたる耐久性においても吐出特性に変
化のないこと、特に、特開昭54−59936号公報に
記載されている熱エネルギーによる体積変化を利用して
インクを吐出させる方式の場合には、熱エネルギーを与
えるヒーター上に異物の沈着がなく、又、消泡時のキャ
ビテーションによるヒーター破壊を起こさないこと、等
の性能が要求される。
【0003】これらの要求性能を満足させる為に、従来
からは以下の様な手段が提案されてきた。先ず、上記
(1)に挙げた問題については、染料の濃度を高くする
ことで十分な濃度を与えるというのが一般的な手段であ
り、特に、200pl以下の小液滴を用いたり、吸収力
の強い布帛に対する場合には必須の技術であった。しか
しながら、こうしたインクはノズル先端からのインク中
の水分の蒸発の為に、インクが増粘したり、固形分であ
る染料が析出して上記(2)の問題を引き起こすに至
る。そこで、上記(2)に挙げた問題に対しては、グリ
セリン等の多価アルコールを添加する等の手段が採られ
てきたが、染料濃度が5%を超える様な場合には特に完
全といえる様な解決策とはならず、染料と溶剤との極め
て特異的な組み合わせ以外は満足な結果は得られない。
上記(3)に挙げた問題については、布帛の撥水度の影
響が大きいが、例えば、セルロース繊維を主体とした布
帛に対して水系インクを用いる場合には特に問題は生じ
ない。上記(4)に挙げた問題については、既に数多く
の提案がされており、例えば、特開昭61−23128
9号公報におけるタンニンの添加、特開昭62−283
174号公報におけるカルボン酸基含有ポリマーのイン
クへの添加が挙げられるが、いずれも(2)の問題は避
けられない。上記(5)及び(6)に挙げた問題につい
ては、染料の構造に起因する場合もあるが、詳しい検討
がなされておらず十分な問題解決には至っていない。以
上の如く従来技術では、個々の性能を単独で満足させる
手段は見出せても、これらの性能を同時に満足させ、上
記した一連の問題を解決する捺染用インク及びインクジ
ェット捺染方法は今迄のところ知られていないのが現状
である。
【0004】
【発明が解決しようとしているする問題点】従って、本
発明の目的は、被染色布帛をセルロース繊維を主体とし
て構成される布帛に限定した上で、上述の如き従来の一
般的な捺染用インク及びインクジェット捺染の問題、即
ち、染着率が高く、鮮明で且つ高濃度の染色物を得ると
いう染色上の問題と、短期或は長期にわたって安定し、
信頼性の高い印捺を可能とするインクジェット装置の吐
出性能上の問題とを同時に満足するインクジェット捺染
用インク、インクジェット捺染方法及びかかるインクを
用いた機器を提供することである。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、反応染料と水性
液媒体とを含むインクジェット捺染用インクにおいて、
反応染料がC.I.リアクティブバイオレット1、2、
4、5、6、22、36及び38からなる群から選ばれ
た少なくとも1種であり、該反応染料が5〜30重量%
含有され、且つ、5〜50重量%のチオジグリコールが
含有されていることを特徴とするインクジェット捺染用
インク、インクジェット捺染方法及びかかるインクを用
いた機器である。
【0006】
【作用】本発明者等は、インクジェット捺染用インクに
おいて、前述の如き種々の要求性能を同時に満足させる
べくインクの改良を行った結果、反応染料として、C.
I.リアクティブバイオレット1、2、4、5、6、2
2、36及び38からなる群から選択した少なくとも1
種の染料を必須成分として含み、且つ、合計で反応染料
を5〜30重量%含有する高濃度水性インクに一定量の
チオジグリコールを含有させることによって、インクの
均染性、染着率等の発色特性を格段に改善することが出
来ることを知見して本発明を完成した。この現象は、分
子レベルでのこれらの染料の反応特性を最大限に発揮さ
せる何らかの効果がチオジグリコールに存在する為と思
われる。又、チオジグリコールを含有させることによっ
て、これらの染料を含む系においては、従来の溶剤では
到底考えられなかった、長期にわたる安定したインクジ
ェットヘッドでの吐出特性が得られることを知見した。
この効果は、熱エネルギーを利用したインクジェットヘ
ッドを使用した場合に特に顕著である。この理由として
は、上記の反応染料とチオジグリコールの相互作用によ
り、熱エネルギーを与えるヒーター上の沈着物の発生が
抑えられること、及び、インクジェットヘッドの吐出口
付近におけるインクの増粘が、高染料濃度と一定量のチ
オジグリコールとの組合わせにおいて、特異的に抑制さ
れる為と考えられる。
【0007】
【好ましい実施態様】本発明のインクジェット捺染用イ
ンクは、特定の反応染料を特定量使用し、且つ、一定量
のチオジグリコールを含有することを特徴としている。
本発明で使用し主として本発明を特徴づける物質はチオ
ジグリコールであり、インク中での含有量は、インクの
全重量に対して5〜50重量%、好ましくは、7〜45
重量%、より好ましくは10〜40重量%の範囲であ
る。チオジグリコールの含有量が5重量%未満の場合
は、発色性の改善効果が不十分であることは勿論、イン
クの保存性の劣化を生じ、インクジェットヘッドの吐出
口付近におけるインクの蒸発に伴う増粘による不吐出を
引き起こす。又、50重量%を超えて含有させると、発
色性の問題以外に、やはり5重量%以下の場合と同様に
インクの保存性の劣化が生ずる。しかも、吐出特性につ
いても周波数に対する応答性が極端に悪くなる。又、イ
ンク初期粘度の増加に伴うインクジェット装置の短期間
の放置状態でのインク不吐出という問題が発生する。
【0008】次に、本発明のインクには、C.I.リア
クティブバイオレット1、2、4、5、6、22、36
及び38からなる群から選ばれた1種以上の染料が用い
られるが、中でもC.I.リアクティブバイオレット
1、2、5、6及び22が好ましく、C.I.リアクテ
ィブバイオレット2、6及び22が更に好ましい。尚、
上記の各番号が付記された市販の染料を使用する場合
は、いずれも不純物が含まれている為、そのまま使用す
ることは難しく、必要に応じて精製するのが好ましい。
本発明のインクをバイオレットインクとして使用する場
合は、上記群から選ばれた染料を主成分として単独ある
いは併用して用いる。又、本発明のインクを他色の反応
染料と混合して所定の色調を得る為に用いる場合には、
上記群の染料が少なくとも0.5重量%以上含まれる構
成とすることが必要である。尚、この際に使用される他
色の反応染料としては、モノクロルトリアジン基、ビニ
ルスルホン基を有するものが好ましく用いられる。これ
らの染料の使用量としてはいずれの場合においても、一
般的にはインク全量に対して合計で5〜30重量%、好
ましくは6〜25重量%、より好ましくは8〜20重量
%の範囲である。即ち、インクジェット捺染の場合には
小液滴を用いる為、所望の発色濃度が、インク中の染料
濃度が低過ぎると得られにくく、一方、濃度が高すぎる
とインクの吐出適性が十分ではなくなる。
【0009】本発明のインクに用いられる水性液媒体
は、水を主体として構成され、インク全量に対して水分
が20〜90重量%、好ましくは30〜87重量%、よ
り好ましくは40〜82重量%の範囲となる様に用いら
れる。又、水性液媒体には、水に加えて一般的な水溶性
有機溶剤も併用することが出来る。例えば、アセトン、
ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプ
ロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコ
ール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6
個の炭素原子を含むアルキレングリコ−ル類;1、2、
6−ヘキサントリオール等のトリオール類;グリセリ
ン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチ
ル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又
はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキ
ルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリド
ン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げ
られる。
【0010】上記の様な水溶性有機溶剤の含有量は、一
般にはインクの全重量に対して重量%で0〜50%、好
ましくは2〜45%の範囲である。尚、最も好ましい水
性液媒体組成は、上記の水溶性有機溶剤が少なくとも1
種の多価アルコールを含有するものである。中でも、ジ
エチレングリコールとトリエチレングリコール、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレン
グリコールジメチルエーレルは特に良好なものである。
【0011】又、本発明のインクに、インクジェットヘ
ッド等における目詰りを生じさせない範囲で、例えば、
0.1〜30ppmのカルシウム及び/又はマグネシウ
ムを含有させることは、インクの均染性、染着率等の発
色特性を更に改善することが出来る為、好ましい。この
現象は、分子レベルでの染料の反応特性を最大限に発揮
させる何らかの効果がこれらの物質に存在する為と思わ
れる。更に、合計で0.1〜30ppmの珪素、鉄、ニ
ッケル及び亜鉛の群から選ばれる物質を含有させること
によって、長期にわたって、更に安定したインクジェッ
トヘッドにおける吐出特性が得られる。従って、これら
を必要に応じて微量添加することも好ましい態様であ
る。この効果は、熱エネルギーを利用したインクジェッ
トヘッドを使用した場合に特に顕著である。
【0012】本発明のインクの主要成分は上記の通りで
あるが、更に、インクジェットヘッド等における目詰り
の生じない範囲で、その他各種の分散剤、界面活性剤、
粘度調整剤、表面張力調整剤及び蛍光増白剤等を、必要
に応じて添加することが出来る。これらの添加剤として
は、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース類、水
溶性樹脂等の粘度調整剤;アニオン、カチオン或はノニ
オン形の各種界面活性剤;ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の表面張力調整剤;緩衝液によるpH
調整剤、防カビ剤等を挙げることが出来る。
【0013】本発明で使用する布帛については、アルカ
リ性物質を少なくとも含有するセルロース繊維を主体と
するものが好ましい。布帛の製造方法については特に規
定はないが、特開昭63−168382号公報及び特公
平3−46589号公報等に記載の布帛を好ましく用い
ることが出来る。又、以上の様にして形成した本発明の
捺染用インクは、上記の様な布帛上に付与されるが、こ
の状態では単に付着しているに過ぎないので、引続き繊
維への染料の反応定着及び未定着の染料の除去工程を施
すのが好ましい。この様な反応定着及び未反応の染料の
除去方法は、従来公知の方法でよく、例えば、スチーミ
ング法、HTスチーミング法、サーモフィクッス法、予
めアルカリ処理した布帛を用いない場合は、アルカリパ
ッドスチーム法、アルカリブロッチスチーム法、アルカ
リショック法、アルカリコールドフィックス法等による
処理の後、洗浄する従来公知の方法に準じて行うことが
出来る。
【0014】本発明のインクジェット捺染方法は、上記
の本発明のインクを使用する方法であり、使用するイン
クジェット記録方式は、従来公知のいずれのインクジェ
ット記録方式でもよいが、例えば、特開昭54−599
36号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作
用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変
化による作用力によって、インクをノズルから吐出させ
る方式が最も有効である。この様な方式において本発明
のインクを使用すると、長時間連続的に記録を行っても
そのヒーター上の異物の沈着や断線が発生せず、安定し
た印捺が可能となる。特に本発明のインクを使用し、特
に効果の高い捺染方法が得られる条件としては、吐出液
滴が20〜200pl、インク打込量が4〜40nl/
mm2 、駆動周波数1.5KHz以上、及びヘッド温度
35〜60℃の条件が好ましい。
【0015】本発明のインクを用いて捺染を行うのに好
適な装置の一例としては、記録ヘッドの室内のインクに
記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギ
ーにより液滴を発生させる装置が挙げられるが、以下こ
れについて説明する。その装置の主要部であるヘッド構
成例を図1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインク
を通す溝14を有するガラス、セラミックス又はプラス
チック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15
(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるも
のではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は
酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム
電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱
抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい
基板20よりなっている。インク21は吐出オリフィス
(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス
23を形成している。今、電極17−1、17−2に電
気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域
が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が
発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク2
1が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、
セルロース繊維を含有する布帛25に向かって飛翔す
る。図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッ
ドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有
するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱
ヘッド28を密着して製作されている。尚、図1は、イ
ンク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図
1のA−B線での切断面である。
【0016】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
る記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して
設けられる吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘ
ッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブ
レード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回
復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によ
ってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0017】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向するセルロース繊維を含有
する布帛にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、6
6は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を
行う為のキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸
67と慴動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモー
タ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)
している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に
沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領
域及びその隣接した領域の移動が可能となる。51はセ
ルロース繊維を含有する布帛を挿入する為の給布部、5
2は不図示のモータにより駆動される布送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へセルロース繊維を含有する布帛が給布され、
記録が進行するにつれて排布ローラ53を配した排布部
へ排布される。
【0018】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。記録ヘッド6
5がホームポジションから記録開始位置へ移動する場
合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピン
グ時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動に
おいても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされ
る。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、
記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記
録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域
に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴っ
て上記ワイピングが行われる。
【0019】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとって好まし
い。本発明で使用されるインクジェット記録装置として
は、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体と
なったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体にな
ったものにも好適に用いられる。
【0020】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが
本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大
気に連通させる為の大気連通口である。この記録ユニッ
ト70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるも
のであって、キャリッジ66に対し着脱自在になってい
る。
【0021】
【実施例】次に実施例、比較例及び使用例を挙げて本発
明を更に具体的に説明する。尚、文中部及び%とあるの
は特に断りのない限り重量基準である。 実施例1 ・反応染料(C.I.Reactive Violet 2) 10部 ・チオジグリコール 20部 ・ジエチレングリコール 10部 ・塩化カルシウム 0.002部 ・水 60部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでp
H7.5に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィ
ルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、本発明のインクジェット捺染用インク(A)を得
た。
【0022】実施例2 ・反応染料(C.I.Reactive Violet 6) 10部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 11部 ・トリエチレングリコール 4部 ・硫酸マグネシウム 0.002部 ・水 60部 上記の全成分を使用し、他は実施例1と同様の方法で、
本発明のインクジェット捺染用インク(B)を得た。
【0023】実施例3 ・反応染料(C.I.Reactive Violet 22) 12部 ・チオジグリコール 25部 ・塩化カルシウム 0.001部 ・塩化マグネシウム 0.001部 ・水 63部 上記の全成分を使用し、他は実施例1と同様の方法で、
本発明のインクジェット捺染用インク(C)を得た。
【0024】実施例4 ・反応染料(C.I.Reactive Violet 2) 8部 ・反応染料(C.I.Reactive Orange 12) 2部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 12部 ・トリエチレングリコールジメチルエーテル 3部 ・硫酸マグネシウム 0.002部 ・水 60部 上記の全成分を使用し、他は実施例1と同様の方法で、
本発明のインクジェット捺染用インク(D)を得た。
【0025】比較例1 ・反応染料(C.I.Reactive Violet 2) 10部 ・ジエチレングリコール 30部 ・トリエチレングリコールモノメチルエーテル 6部 ・塩化カルシウム 0.001部 ・硫酸マグネシウム 0.001部 ・水 54部 上記の全成分を使用し、他は実施例1と同様の方法で比
較例のインクジェット捺染用インク(E)を得た。
【0026】比較例2 ・反応染料(C.I.Reactive Violet 8) 10部 ・チオジグリコール 20部 ・ジエチレングリコール 10部 ・塩化カルシウム 0.002部 ・水 60部 上記の全成分を使用し、他は実施例1と同様の方法にて
比較例のインクジェット捺染用インク(F)を得た。
【0027】比較例3 ・反応染料(C.I.Reactive Violet 2) 10部 ・チオジグリコール 4部 ・ジエチレングリコール 10部 ・塩化カルシウム 0.002部 ・水 76部 上記の全成分を使用し、他は実施例1と同様の方法にて
比較例のインクジェット捺染用インク(G)を得た。
【0028】比較例4 ・反応染料(C.I.Reactive Violet 2) 10部 ・チオジグリコール 51部 ・ジエチレングリコール 10部 ・塩化カルシウム 0.002部 ・水 29部 上記の全成分を使用し、他は実施例1と同様の方法にて
比較例のインクジェット捺染用インク(H)を得た。
【0029】使用例1 実施例1〜4の及び比較例1〜4の各水性インク(A〜
H)を、カラーバブルジェットコピア PIXEL P
RO(商品名、キヤノン製)用ヘッド(ノズル数256
本、飛翔液滴容量20〜40pl)を利用して、10本
のノズルで5×108 パルスの連続印字を行ったとき
の、ノズルの目詰り、吐出液滴量や吐出速度の減少等の
有無を調べた。又、同じヘッドで3分間連続して英数文
字を印字した後印字を停止し、キャップをしない状態で
3分間放置した後、再び英数文字を印字して文字のカス
レ、欠け等の有無を調べた。更に、同じヘッドで3分間
連続して英数文字を印字した後印字を停止し、キャップ
をしない状態で3日間放置し、ノズルの先端付近での固
形物の付着による目詰りを調べた(ヘッドはいずれも4
5〜60℃の範囲に昇温して使用した)。又、各インク
ジェット捺染用インク(A〜H)100ccをガラスビ
ンに入れ、40℃の条件下に3日間保存し、インクの保
存安定性を調べた。以上の結果得られたインクの性質及
び評価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】表1 評価結果
【0031】吐出安定性*1 10本のノズルで 5×108 パルスの連続印字を行っ
たときに、ノズルの目詰り、吐出液滴量や吐出速度の減
少等が生じなかったノズル数を測定し、下記の基準で評
価した。 〇:10本 △:6〜9本 ×:5本以下吐出応答性*2 3分間連続印字後、キャップをしないで3分間放置して
再印字し、下記の基準で評価した。 〇:一文字目から不良箇所なし。 △:一文字目の一部がカスレ又は欠ける。 ×:一文字目から全く印字出来ない。ノズル先端(吐出口)での付着*3 3分間連続印字後、キャップをしないで3日間放置した
時のノズルの先端付近での固形物の付着による目詰りの
状態を、下記の基準で評価した。 〇:目詰り無し。 △:目詰りはあるが吸引により回復。 ×:吸引しても目詰りは回復しない。保存安定性*4 インクを40℃の条件下で3日間保存した後、ガラスビ
ン内に異物が発生するか否かを目視して判定した。 〇:異物無し △:異物発生小 ×:異物発生大
【0032】使用例2 実施例1〜4及び比較例1〜4のインクジェット捺染用
インク(A〜H)をカラーバブルジェットコピア、PI
XEL PRO(商品名 キヤノン製)に搭載し、予め
アルカリ処理した、綿100%のジョーゼット生地にプ
リントを行い、100℃で2分間のスチーミングによる
定着を行い、その後中性洗剤で洗浄して、染色品の鮮明
性及び滲み性について評価した。その結果を表2に示
す。尚、プリントは、2×10cmのベタサンプルを、
インク打込量16nl/mm2 の条件で作成した。
【0033】
【表2】表2 評価結果
【0034】鮮明性*5 肉眼で観察した時の図柄のシャープさで判定した。 ○:良好 △:やや劣る ×:劣る滲み性*6 肉眼で観察し判定した。 ○:良好 △:やや劣る ×:劣る
【0035】
【発明の効果】以上説明した様に本発明のインクによれ
ば、特に被染色布帛をセルロース繊維を主体として構成
される布帛に対して、滲みがなくて鮮明でかつ高濃度の
染色物を得ることが可能になる。又、本発明のインクに
よればインクジェット捺染において、長期間にわたって
ヘッドノズルにおける目詰り等の発生しない、吐出性能
の信頼性の高い印捺を行うことが出来る。特に、熱エネ
ルギーによるインクの発泡現象によってインクを吐出さ
せるタイプの記録においては、格段に良好である。更
に、本発明のインクによれば、発色後の色調等の要求に
対応する為に他の色系の反応染料を含有させた様な場合
においても、発色後の品位や吐出性能の高い印捺を行う
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面
図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面
図。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】インクカートリッジの縦断面図。
【図6】記録ユニットの斜視図。
【符号の説明】
61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 11/00 PSZ 7415−4J PTF 7415−4J D06P 1/651 7306−4H

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応染料と水性液媒体とを含むインクジ
    ェット捺染用インクにおいて、反応染料がC.I.リア
    クティブバイオレット1、2、4、5、6、22、36
    及び38からなる群から選ばれた少なくとも1種であ
    り、該反応染料が5〜30重量%含有され、且つ、5〜
    50重量%のチオジグリコールが含有されていることを
    特徴とするインクジェット捺染用インク。
  2. 【請求項2】 セルロース繊維を含有する布帛に対し、
    捺染用インクをインクジェット方式により付与し、次い
    で染着処理するインクジェット捺染方法において、前記
    捺染用インクが請求項1に記載のインクであることを特
    徴とするインクジェット捺染方法。
  3. 【請求項3】 インクジェット方式が、熱エネルギーを
    利用したインクジェット方式である請求項2に記載のイ
    ンクジェット捺染方法。
  4. 【請求項4】 インクを収容したインク収容部、該イン
    クをインク滴として吐出させる為のヘッド部を備えた記
    録ユニットにおいて、前記インクが請求項1に記載のイ
    ンクであることを特徴とする記録ユニット。
  5. 【請求項5】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作
    用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項4に
    記載の記録ユニット。
  6. 【請求項6】 インクを収容したインク収容部を備えた
    インクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1に
    記載のインクであることを特徴とするインクカートリッ
    ジ。
  7. 【請求項7】 インクを収容したインク収容部と、該イ
    ンクをインク滴として吐出させる為のヘッド部を有する
    記録ユニットを備えたインクジェット記録装置におい
    て、前記インクが請求項1に記載のインクであることを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作
    用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項7に
    記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 インク滴を吐出する為の記録ヘッド、イ
    ンクを収容したインク収容部を有するインクカートリッ
    ジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインクを
    供給する為のインク供給部を備えたインクジェット記録
    装置において、前記インクが請求項1に記載のインクで
    あることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 記録ヘッドが、インクに熱エネルギー
    を作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項
    9に記載のインクジェット記録装置。
JP9744092A 1992-03-25 1992-03-25 インクジェット捺染用インク、インクジェット捺染方法及びかかるインクを用いた機器 Pending JPH05272077A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1010802A2 (en) * 1998-12-17 2000-06-21 Seiko Epson Corporation Ink compositions for ink jet textile printing
US10550277B2 (en) 2016-06-27 2020-02-04 Seiko Epson Corporation Ink composition, ink set, and recording method

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