JPH05271835A - 強度と延性に優れたアルミニウム合金材とその製造方法 - Google Patents
強度と延性に優れたアルミニウム合金材とその製造方法Info
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- JPH05271835A JPH05271835A JP10245592A JP10245592A JPH05271835A JP H05271835 A JPH05271835 A JP H05271835A JP 10245592 A JP10245592 A JP 10245592A JP 10245592 A JP10245592 A JP 10245592A JP H05271835 A JPH05271835 A JP H05271835A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来のAl−Mg合金材の局部伸びを改善し、
強度と延性とともに局部伸びに優れた成形用アルミニウ
ム合金材とその製造方法を提供する。 【構成】Mg2〜10wt%を含有し、Fe 0.01〜
0.15wt%、Si≦0.15wt%、かつFe(wt%)
/Si(wt%)≦1.4に規制し、残部がその他の不可
避的不純物とAlよりなり、板表面から見た再結晶粒の
平均粒径が20〜120μmであり、局部伸びが5%以
上である強度と延性に優れたアルミニウム合金材。この
アルミニウム合金材の製造は上記組成のアルミニウム合
金鋳塊を450〜600℃の温度で1時間以上均質化処
理した後熱間圧延処理し、その後の最終圧延率が20%
以上となるような冷間圧延を施した後に400〜560
℃の温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施して、板
表面から見た再結晶粒の平均粒径を20〜120μmと
し、局部伸びを5%以上とすることにより行われる。
強度と延性とともに局部伸びに優れた成形用アルミニウ
ム合金材とその製造方法を提供する。 【構成】Mg2〜10wt%を含有し、Fe 0.01〜
0.15wt%、Si≦0.15wt%、かつFe(wt%)
/Si(wt%)≦1.4に規制し、残部がその他の不可
避的不純物とAlよりなり、板表面から見た再結晶粒の
平均粒径が20〜120μmであり、局部伸びが5%以
上である強度と延性に優れたアルミニウム合金材。この
アルミニウム合金材の製造は上記組成のアルミニウム合
金鋳塊を450〜600℃の温度で1時間以上均質化処
理した後熱間圧延処理し、その後の最終圧延率が20%
以上となるような冷間圧延を施した後に400〜560
℃の温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施して、板
表面から見た再結晶粒の平均粒径を20〜120μmと
し、局部伸びを5%以上とすることにより行われる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用のボディパネ
ル、エアクリーナ、オイルタンクなどの如く、強度と成
形性を要求される成形加工品に使用されるアルミニウム
合金材とその製造方法に関する。
ル、エアクリーナ、オイルタンクなどの如く、強度と成
形性を要求される成形加工品に使用されるアルミニウム
合金材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に自動車用ボディパネルなどの
成形用板材としては冷延鋼板が多用されていたが、最近
では自動車の車体を軽量化してその燃費を改善するた
め、アルミニウム合金板を使用する要望が強まってい
る。このような用途に使用されるアルミニウム合金板と
しては、Al−Mg系の5052合金O材や、5182
合金O材、あるいはAl−Cu系の2036合金T4
材、Al−Mg−Si系の6009合金T4材、601
0合金T4材などがある。この内、Al−Mg系の合金
は成形性と強度が共に優れるのできびしい成形をうける
部材にしばしば用いられている。Al−Mg合金板は通
常、鋳造→均質化処理→熱間圧延→冷間圧延→焼鈍とい
う工程で製造される。必要に応じて冷間圧延の途中に中
間焼鈍を施すこともある。なお、板の平坦性が特に要求
される場合は、焼鈍の後にテンションレベラー、ローラ
ーレベラー、スキンパス圧延等の手段により整直矯正が
施されることもある。
成形用板材としては冷延鋼板が多用されていたが、最近
では自動車の車体を軽量化してその燃費を改善するた
め、アルミニウム合金板を使用する要望が強まってい
る。このような用途に使用されるアルミニウム合金板と
しては、Al−Mg系の5052合金O材や、5182
合金O材、あるいはAl−Cu系の2036合金T4
材、Al−Mg−Si系の6009合金T4材、601
0合金T4材などがある。この内、Al−Mg系の合金
は成形性と強度が共に優れるのできびしい成形をうける
部材にしばしば用いられている。Al−Mg合金板は通
常、鋳造→均質化処理→熱間圧延→冷間圧延→焼鈍とい
う工程で製造される。必要に応じて冷間圧延の途中に中
間焼鈍を施すこともある。なお、板の平坦性が特に要求
される場合は、焼鈍の後にテンションレベラー、ローラ
ーレベラー、スキンパス圧延等の手段により整直矯正が
施されることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のAl−Mg
合金板は、アルミニウム合金としては延性、とくに均一
伸びが大きく従って張出し、曲げ、伸びフランジ加工な
どの成形性が優れているが、冷延鋼板に比べた場合その
成形性はまだ不十分であり、とくに局部的な凹凸形状を
有する自動車のインナーパネルなどにプレス成形すると
割れが発生しやすいという欠点がある。これは従来のA
l−Mg合金板は局部伸びが非常に小さいために、成形
時にわずかなくびれ(板厚減少)が発生すると急激に変
形が集中し、破断してしまうためである。なお、均一伸
びとは引張試験における最大荷重点までの伸びを、局部
伸びとは最大荷重点から破断までの伸びを言う。
合金板は、アルミニウム合金としては延性、とくに均一
伸びが大きく従って張出し、曲げ、伸びフランジ加工な
どの成形性が優れているが、冷延鋼板に比べた場合その
成形性はまだ不十分であり、とくに局部的な凹凸形状を
有する自動車のインナーパネルなどにプレス成形すると
割れが発生しやすいという欠点がある。これは従来のA
l−Mg合金板は局部伸びが非常に小さいために、成形
時にわずかなくびれ(板厚減少)が発生すると急激に変
形が集中し、破断してしまうためである。なお、均一伸
びとは引張試験における最大荷重点までの伸びを、局部
伸びとは最大荷重点から破断までの伸びを言う。
【0004】一方、1100合金などの純アルミ板や、
3003合金などのAl−Mn合金板は局部伸びが大き
いために成形性は良好であるが、強度が低いために自動
車車体等には使用できないという欠点がある。
3003合金などのAl−Mn合金板は局部伸びが大き
いために成形性は良好であるが、強度が低いために自動
車車体等には使用できないという欠点がある。
【0005】本発明は上記の事情を鑑みてなされたもの
であって、従来のAl−Mg合金板の局部伸びを改善
し、強度と延性に共に優れた成形用アルミニウム合金材
とその製造方法を提供することを目的とする。
であって、従来のAl−Mg合金板の局部伸びを改善
し、強度と延性に共に優れた成形用アルミニウム合金材
とその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は
(1)Mg2〜10wt%を含有し、Fe 0.01〜
0.15wt%、Si≦0.15wt%、かつFe(wt%)
/Si(wt%)≦1.4に規制し、残部がその他の不可
避的不純物とAlよりなり、板表面から見た再結晶粒の
平均粒径が20〜120μmであり、局部伸びが5%以
上であることを特徴とする強度と延性に優れたアルミニ
ウム合金材、(2)Mg2〜10wt%を含有し、Fe
0.01〜0.15wt%、Si≦0.15wt%、かつF
e(wt%)/Si(wt%)≦1.4に規制し、残部がそ
の他の不可避的不純物とAlよりなるアルミニウム合金
鋳塊を450〜600℃の温度で1時間以上均質化処理
した後熱間圧延処理し、その後の最終圧延率が20%以
上となるような冷間圧延を施した後に400〜560℃
の温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施して、板表
面から見た再結晶粒の平均粒径を20〜120μmと
し、局部伸びが5%以上とすることを特徴とする強度と
延性に優れたアルミニウム合金材の製造方法、によって
達成された。
(1)Mg2〜10wt%を含有し、Fe 0.01〜
0.15wt%、Si≦0.15wt%、かつFe(wt%)
/Si(wt%)≦1.4に規制し、残部がその他の不可
避的不純物とAlよりなり、板表面から見た再結晶粒の
平均粒径が20〜120μmであり、局部伸びが5%以
上であることを特徴とする強度と延性に優れたアルミニ
ウム合金材、(2)Mg2〜10wt%を含有し、Fe
0.01〜0.15wt%、Si≦0.15wt%、かつF
e(wt%)/Si(wt%)≦1.4に規制し、残部がそ
の他の不可避的不純物とAlよりなるアルミニウム合金
鋳塊を450〜600℃の温度で1時間以上均質化処理
した後熱間圧延処理し、その後の最終圧延率が20%以
上となるような冷間圧延を施した後に400〜560℃
の温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施して、板表
面から見た再結晶粒の平均粒径を20〜120μmと
し、局部伸びが5%以上とすることを特徴とする強度と
延性に優れたアルミニウム合金材の製造方法、によって
達成された。
【0007】
【作用】まず、この本発明における合金成分の限定理由
につき説明する。Mgは強度を付与するために添加す
る。Mgが2wt%未満では強度が不足し自動車ボディ用
等として不適当である。一方、10wt%を越えると圧延
性が低下し製造困難となる。
につき説明する。Mgは強度を付与するために添加す
る。Mgが2wt%未満では強度が不足し自動車ボディ用
等として不適当である。一方、10wt%を越えると圧延
性が低下し製造困難となる。
【0008】Feは通常地金に不純物として含有され、
固溶限がきわめて低いためその大部分はAl−Fe系、
ないしAl−Fe−Si系の金属間化合物として晶出、
析出する。これらの金属間化合物は変形をうけるとAl
マトリクスと剥離し、微小な空隙(ボイド)の発生原因
となるため、局部伸びを低下させる。従ってFeの含有
量はなるべく少なく制限する方がよいのであるが、Fe
には同時に粗大再結晶粒の生成を抑制する効果があるた
め、0.01wt%以上含有することが必要である。0.
15wt%を越えると上記金属間化合物の生成量が多くな
り、局部伸びが低下する。
固溶限がきわめて低いためその大部分はAl−Fe系、
ないしAl−Fe−Si系の金属間化合物として晶出、
析出する。これらの金属間化合物は変形をうけるとAl
マトリクスと剥離し、微小な空隙(ボイド)の発生原因
となるため、局部伸びを低下させる。従ってFeの含有
量はなるべく少なく制限する方がよいのであるが、Fe
には同時に粗大再結晶粒の生成を抑制する効果があるた
め、0.01wt%以上含有することが必要である。0.
15wt%を越えると上記金属間化合物の生成量が多くな
り、局部伸びが低下する。
【0009】Siはやはり地金に不純物として含有され
るが、0.15wt%を越えるとMg2 Siを形成してM
g固溶量を低下させ強度が低下するとともに、上記Al
−Fe−Si系金属間化合物の生成量が多くなり局部伸
びが低下する。
るが、0.15wt%を越えるとMg2 Siを形成してM
g固溶量を低下させ強度が低下するとともに、上記Al
−Fe−Si系金属間化合物の生成量が多くなり局部伸
びが低下する。
【0010】FeとSiはFe(wt%)/Si(wt%)
≦1.4になるように規制するが、これは同比率が1.
4を越えるとAl−Fe系、Al−Fe−Si系の金属
間化合物が粗大化する傾向があり、局部伸びを劣化させ
る程度が大であるためである。
≦1.4になるように規制するが、これは同比率が1.
4を越えるとAl−Fe系、Al−Fe−Si系の金属
間化合物が粗大化する傾向があり、局部伸びを劣化させ
る程度が大であるためである。
【0011】本発明合金材において、その他の不可避的
不純物としてCu、Mn、Cr、Zn、Zr、Ti、
B、Beなどがあるが、Mn、Cr、Zn、Zr、Ti
は各々0.1wt%以下、Cuは0.05wt%未満、Bは
500ppm以下、Beは50ppm以下の含有であれ
ば特に問題はない。
不純物としてCu、Mn、Cr、Zn、Zr、Ti、
B、Beなどがあるが、Mn、Cr、Zn、Zr、Ti
は各々0.1wt%以下、Cuは0.05wt%未満、Bは
500ppm以下、Beは50ppm以下の含有であれ
ば特に問題はない。
【0012】次に本発明のアルミニウム合金材の製造条
件の限定理由について説明する。まず、上述のような成
分組成のアルミニウム合金の鋳塊に対して、450〜6
00℃の範囲の温度で1時間以上の均質化処理を行う。
この均質化処理により溶質原子の分布均一化を図り、強
度、延性の向上、及び焼鈍後の組織を均一化することが
できる。その温度が450℃未満、時間が1時間未満で
は効果が不十分であり、600℃を越えるとバーニング
を生じるおそれがある。
件の限定理由について説明する。まず、上述のような成
分組成のアルミニウム合金の鋳塊に対して、450〜6
00℃の範囲の温度で1時間以上の均質化処理を行う。
この均質化処理により溶質原子の分布均一化を図り、強
度、延性の向上、及び焼鈍後の組織を均一化することが
できる。その温度が450℃未満、時間が1時間未満で
は効果が不十分であり、600℃を越えるとバーニング
を生じるおそれがある。
【0013】均質化処理後、常法に従って熱間圧延、冷
間圧延を施し、所要の板厚とする。なお、冷間圧延の途
中に必要に応じて中間焼鈍を施してもよい。ただし、最
終冷間圧延率は20%以上とする必要がある。これは続
く高温短時間焼鈍における再結晶粒の平均粒径を120
μm以下とするためであり、最終冷間圧延率が低いと再
結晶粒が粗大化しやすい。
間圧延を施し、所要の板厚とする。なお、冷間圧延の途
中に必要に応じて中間焼鈍を施してもよい。ただし、最
終冷間圧延率は20%以上とする必要がある。これは続
く高温短時間焼鈍における再結晶粒の平均粒径を120
μm以下とするためであり、最終冷間圧延率が低いと再
結晶粒が粗大化しやすい。
【0014】最後に連続焼鈍炉(CAL)などにより、
400〜560℃の温度で120秒以下の高温短時間焼
鈍を施し、板表面から見た再結晶粒の平均粒径が20〜
120μmとなるように再結晶させる。ここで再結晶粒
径を上記の如く制限した理由を説明する。再結晶粒径が
20μm未満であると本発明組成のようなAl−Mg合
金では変形時にリューダースバンドが発生しやすく変形
が集中しやすいため、局部伸びが低下する。逆に再結晶
粒径が120μmを越えると変形時に肌あれが生じ、や
はり局部伸びが低下すると共に成形品の美観を損なう。
400〜560℃の温度で120秒以下の高温短時間焼
鈍を施し、板表面から見た再結晶粒の平均粒径が20〜
120μmとなるように再結晶させる。ここで再結晶粒
径を上記の如く制限した理由を説明する。再結晶粒径が
20μm未満であると本発明組成のようなAl−Mg合
金では変形時にリューダースバンドが発生しやすく変形
が集中しやすいため、局部伸びが低下する。逆に再結晶
粒径が120μmを越えると変形時に肌あれが生じ、や
はり局部伸びが低下すると共に成形品の美観を損なう。
【0015】このような理由で再結晶粒径は20〜12
0μmの範囲とする必要があり、20%以上の最終冷間
圧延後、連続焼鈍炉(CAL)などにより、400〜5
60℃の温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施す。
加熱温度が400℃未満では再結晶が不十分かあるいは
再結晶しても20μm未満であり、560℃を越えるか
または加熱時間が120秒を越えると、再結晶粒が粗大
化し120μmを越えるので、いずれも不適当である。
0μmの範囲とする必要があり、20%以上の最終冷間
圧延後、連続焼鈍炉(CAL)などにより、400〜5
60℃の温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施す。
加熱温度が400℃未満では再結晶が不十分かあるいは
再結晶しても20μm未満であり、560℃を越えるか
または加熱時間が120秒を越えると、再結晶粒が粗大
化し120μmを越えるので、いずれも不適当である。
【0016】なお、最終焼鈍を従来の定置式のバッチ焼
鈍炉で行うと、通常、上記の高温短時間焼鈍ができず、
仮に再結晶粒径が20〜120μmの範囲であったとし
ても延性の異方性が大きい(とくに圧延方向の伸びが
小)、成形時にひずみ模様が発生しやすい、という問題
点があり、自動車車体用としては不適当である。
鈍炉で行うと、通常、上記の高温短時間焼鈍ができず、
仮に再結晶粒径が20〜120μmの範囲であったとし
ても延性の異方性が大きい(とくに圧延方向の伸びが
小)、成形時にひずみ模様が発生しやすい、という問題
点があり、自動車車体用としては不適当である。
【0017】高温短時間焼鈍を施したのち、必要に応じ
てテンションレベラー、ローラーレベラー等の手段によ
り整直矯正を施しても良い。このようにして得られたア
ルミニウム合金材は強度に優れ、引張試験における局部
伸びが5%以上と優れるため、とくに局部的な凹凸形状
を有する自動車用のインナーパネル材として最適であ
る。
てテンションレベラー、ローラーレベラー等の手段によ
り整直矯正を施しても良い。このようにして得られたア
ルミニウム合金材は強度に優れ、引張試験における局部
伸びが5%以上と優れるため、とくに局部的な凹凸形状
を有する自動車用のインナーパネル材として最適であ
る。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 実施例1 表1に示すNo.1〜No.7の組成のアルミニウム合金を
常法に従いDC鋳造し、520℃で24時間の均質化処
理を施し、次いで板厚5mmまで熱間圧延し、さらに板
厚1mmまで冷間圧延した(冷間圧延率80%)。次い
で連続焼鈍炉により530℃、10秒間加熱して完全に
再結晶させ、その板表面から見た再結晶粒径の光顕観
察、引張試験(JIS5号試験片、標点間距離50m
m、試験方法はJIS Z2241に準拠)を行い、さ
らに実機プレス成形としてリアーホイールハウスを成形
し割れの有無を観察した。なお、引張試験において応力
ひずみ曲線(SSカーブ)を測定し、同曲線にて最大荷
重を示す点までのひずみを均一伸び、最大荷重点から破
断に至るまでのひずみを局部伸び、これらを総和したも
のを全伸びとした。それらの結果を表2に示した。
に説明する。 実施例1 表1に示すNo.1〜No.7の組成のアルミニウム合金を
常法に従いDC鋳造し、520℃で24時間の均質化処
理を施し、次いで板厚5mmまで熱間圧延し、さらに板
厚1mmまで冷間圧延した(冷間圧延率80%)。次い
で連続焼鈍炉により530℃、10秒間加熱して完全に
再結晶させ、その板表面から見た再結晶粒径の光顕観
察、引張試験(JIS5号試験片、標点間距離50m
m、試験方法はJIS Z2241に準拠)を行い、さ
らに実機プレス成形としてリアーホイールハウスを成形
し割れの有無を観察した。なお、引張試験において応力
ひずみ曲線(SSカーブ)を測定し、同曲線にて最大荷
重を示す点までのひずみを均一伸び、最大荷重点から破
断に至るまでのひずみを局部伸び、これらを総和したも
のを全伸びとした。それらの結果を表2に示した。
【0019】表2から明らかなように、本発明組成のア
ルミニウム合金板No.1〜3は局部伸びが5%以上と大
きく、プレス成形性に優れている。これに対しFe(wt
%)が少なく結晶粒径の大きいNo.4、Fe(wt%)が
多いか、Fe(wt%)/Si(wt%)の大きいアルミニ
ウム合金板No.5、6、7は局部伸びが小さく、プレス
成形性も劣ることがわかる。
ルミニウム合金板No.1〜3は局部伸びが5%以上と大
きく、プレス成形性に優れている。これに対しFe(wt
%)が少なく結晶粒径の大きいNo.4、Fe(wt%)が
多いか、Fe(wt%)/Si(wt%)の大きいアルミニ
ウム合金板No.5、6、7は局部伸びが小さく、プレス
成形性も劣ることがわかる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】実施例2 実施例1のNo.3の組成の合金鋳塊を表3に示す条件で
均質化、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延、最終焼鈍を施
し、厚さ1mmの板とした。これらについて実施例1と
同様の測定を行った結果を表4に示す。
均質化、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延、最終焼鈍を施
し、厚さ1mmの板とした。これらについて実施例1と
同様の測定を行った結果を表4に示す。
【0023】表4より明らかなように、本発明の合金板
No.8〜10は局部伸びが5%以上と大きく、プレス成
形性に優れている。これに対し、均質化処理温度、最終
冷間圧延率のはずれるNo.11、12は局部伸びが劣る
か、肌荒れが発生する。最終焼鈍をバッチ炉で行ったN
o.13は伸びが劣り、成形時にひずみ模様が発生した。
No.8〜10は局部伸びが5%以上と大きく、プレス成
形性に優れている。これに対し、均質化処理温度、最終
冷間圧延率のはずれるNo.11、12は局部伸びが劣る
か、肌荒れが発生する。最終焼鈍をバッチ炉で行ったN
o.13は伸びが劣り、成形時にひずみ模様が発生した。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】このように本発明によれば、強度と延
性、特に局部伸びに優れ、プレス成形性に優れた成形用
アルミニウム合金材が得られ、工業上顕著な効果を奏す
るものである。
性、特に局部伸びに優れ、プレス成形性に優れた成形用
アルミニウム合金材が得られ、工業上顕著な効果を奏す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪田 孝弘 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 戸次 洋一郎 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 林 稔 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 Mg2〜10wt%を含有し、Fe 0.
01〜0.15wt%、Si≦0.15wt%、かつFe
(wt%)/Si(wt%)≦1.4に規制し、残部がその
他の不可避的不純物とAlよりなり、板表面から見た再
結晶粒の平均粒径が20〜120μmであり、局部伸び
が5%以上であることを特徴とする強度と延性に優れた
アルミニウム合金材。 - 【請求項2】 Mg2〜10wt%を含有し、Fe 0.
01〜0.15wt%、Si≦0.15wt%、かつFe
(wt%)/Si(wt%)≦1.4に規制し、残部がその
他の不可避的不純物とAlよりなるアルミニウム合金鋳
塊を450〜600℃の温度で1時間以上均質化処理し
た後熱間圧延処理し、その後の最終圧延率が20%以上
となるような冷間圧延を施した後に400〜560℃の
温度で120秒以下の高温短時間焼鈍を施して、板表面
から見た再結晶粒の平均粒径を20〜120μmとし、
局部伸びが5%以上とすることを特徴とする強度と延性
に優れたアルミニウム合金材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10245592A JPH05271835A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 強度と延性に優れたアルミニウム合金材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10245592A JPH05271835A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 強度と延性に優れたアルミニウム合金材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271835A true JPH05271835A (ja) | 1993-10-19 |
Family
ID=14327948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10245592A Pending JPH05271835A (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 強度と延性に優れたアルミニウム合金材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05271835A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016191137A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂被覆缶胴用アルミニウム合金板 |
CN106756671A (zh) * | 2016-11-28 | 2017-05-31 | 广西南南铝加工有限公司 | 罐体用铝合金卷材制备方法 |
JP2018199866A (ja) * | 2018-08-24 | 2018-12-20 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂被覆缶胴用アルミニウム合金板 |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP10245592A patent/JPH05271835A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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