JPH05271829A - 常温延性に優れたTiAl基合金 - Google Patents

常温延性に優れたTiAl基合金

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JPH05271829A
JPH05271829A JP10043192A JP10043192A JPH05271829A JP H05271829 A JPH05271829 A JP H05271829A JP 10043192 A JP10043192 A JP 10043192A JP 10043192 A JP10043192 A JP 10043192A JP H05271829 A JPH05271829 A JP H05271829A
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JP
Japan
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ductility
based alloy
tial
room temperature
added
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Withdrawn
Application number
JP10043192A
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English (en)
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Yoshio Henmi
義男 逸見
Mutsumi Abe
睦 安倍
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い耐熱強度を有し、かつ軽量化を図りなが
ら、常温における延性を向上して用途を拡大できるTi
Al基合金を提供することを目的としている。 【構成】 重量%で、Al:21.0〜41.0%,Sc:0.05
〜6.0 %を含み、残部が実質的にTiからなる常温延性
に優れたTiAl基合金を構成する。また、この場合に
上記Scとともに、Cr,V,Mnを0.2 〜10.0%添加
する。さらにまた、上記Scの一部又は全部をYで置換
することによって常温延性に優れたTiAl基合金を構
成する。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で耐熱性の高い構
造用金属間化合物としてのTiAl基合金に関し、特に
常温における延性を向上して用途を拡大できるようにし
た新規な組成からなる合金に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属間化合物のTiAl基合金
は、耐熱強度に優れており、しかも軽量であることから
比強度の観点に立つと耐熱鋼や超耐熱合金に比べて優れ
た性能を有している。このようなTiAl基合金は、例
えばタービンブレード,タービンディスク,あるいは宇
宙航空飛翔体の機体材料として、その用途が期待されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のT
iAl基合金では、単純なTi−Alの2元素合金で構
成するのが一般的であることから、常温における延性が
低く、その結果、上述の機体材料等としての実用化を困
難にしている。
【0004】本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされ
たもので、耐熱強度を有し、かつ軽量化を図りながら常
温における延性を向上できるTiAl基合金を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは、上述の
目的を達成するために、種々の添加元素について鋭意検
討したところ、Scを添加することにより常温延性に優
れた特性を発現することを見出した。また、Scととも
にCr,V,Mn,Yを添加した場合は、常温延性をさ
らに向上できる点を見出し、本発明を成したものであ
る。
【0006】そこで請求項1の発明は、Al:21.0〜4
1.0wt%,Sc:0.05〜6.0 wt%を含み、残部が実質的
にTiからなることを特徴とする常温延性に優れたTi
Al基合金である。また、請求項2の発明は、Al:2
1.0〜41.0wt%,Sc:0.05〜6.0 wt%を含み、かつC
r,V,Mnの一種又は一種以上の添加量を0.2 〜10.0
wt%とし、残部が実質的にTiからなることを特徴とし
ている。さらに、請求項3の発明は、上記Scの一部又
は全部をYで置換したことを特徴としている。
【0007】以下、本発明の構成について詳細に説明す
る。 まず、Al量を21.0〜41.0wt%とした理由 Alは母金属のTiと結合してTiAl相を生成し、耐
熱強度に寄与することが知られている。この効果を発揮
させるには、少なくとも21.0%以上のAl量を必要とす
る。一方、Al量が41.0%を越えると逆に延性は低下す
ることから、21.0〜41.0%の範囲内が望ましい。ここ
で、Al量を21.0〜37.4%の範囲内とした場合は延性の
改善において特に有効である。即ち、上記範囲内にする
ことによりTiAl相の中にTi3 Al相が生成し、こ
のTi3 Al相とTiAl相との界面において1/2 〔11
0 〕タイプの普通転位の易動度が上昇することから、延
性の改善にTi3 Al相の生成は有効である。
【0008】Sc量を0.05〜6.0wt %とした理由 Scは双晶界面エネルギーを低下させる作用があり、こ
の双晶界面エネルギーが低下すると双晶応力が低下す
る。即ち、Scを添加すると、(111)〔1 1 -2〕系の双
晶変形が活発化し、常温延性が発現する。この効果を発
揮させるためには、0.05%以上のSc量を必要とする
が、6%を越えて添加すると有害な化合物を生成し、延
性にかえって悪影響を及ぼす。このことからSc量は0.
05〜6.0 %の範囲内が望ましい。また、Scを添加する
ことにより、Ti3 Al相の生成を助長し、このTi3
Al相とTiAl相との界面での1/2 〔110 〕の普通転
位の易動度も活発化させる効果が得られ、この点からも
延性の改善に寄与する。
【0009】Cr,V,Mnを合計で0.2 〜10.0wt%添
加した理由 これらの元素は、双晶界面エネルギーを低下させて(11
1)〔1 1 -2〕系の双晶変形を活発化させる。またTi3
Al相の生成を促進させ、このTi3 Al相とTiAl
相との界面での1/2 〔110 〕タイプの普通転位の易動度
を上昇させることから、常温延性の改善効果をさらに向
上できる。また、上記各元素の合計添加量が0.2 %未満
ではその効果は小さく、10%を越えると高温強度が低下
することから、0.2 〜10%の範囲内とするのが望まし
い。
【0010】YをScの代わりに添加した理由 Yを添加することにより上述のScと略同様の効果が得
られる。また、Yを添加した場合は、Scに比べて耐酸
化性の改善効果も得られる。一方、このYは比重が重い
ことから単独で使用する場合、製造上の制約が生じる。
このためYを添加する場合はScと複合添加し、この添
加量を製造条件によって適宜選定することとなる。
【0011】
【作用】請求項1の発明に係る常温延性に優れたTiA
l基合金によれば、TiAlをベースとし、これに所定
量のScを添加したので、上述のメカニズムで説明した
ように高い耐熱強度を有し、かつ軽量化を図りながら、
常温における延性を向上できる。この結果、タービンブ
レード,タービンディスク,あるいは宇宙航空飛翔体の
機体材料として採用が可能となる。また、請求項2の発
明は、ScとともにCr,V,Mnを所定量複合添加し
たので、常温延性をさらに向上できる。さらに、請求項
3では、ScをYで置換したので、常温延性を向上でき
るとともに、耐酸化性を向上できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本実施例
では、本発明のTiAl基合金の効果を確認するために
行った実験について説明する。
【0013】
【表1】
【0014】この実験は、表1に示すように、Scを0.
05〜2.0 wt%,Yを0.05〜0.5 wt%, Cr,V,Mnを
0.2 〜1.5 wt%添加したTiAl合金を、Arアーク溶
解法により溶製し、この溶製後、真空中にて1100℃で48
時間昇温加熱して均質化のための焼鈍処理を施し、試験
用材料を製造した。この材料を機械加工して4×8×25
mmの寸法からなるCIS 型の抗折試験片を作製し、これに
より本発明試料NO.12〜NO.21を形成した。そし
て、この各試料の曲げ試験による歪(%)を測定し、常
温延性を評価した。また、比較するために、Sc,Y,
及びCr,V,Mnの添加量を本発明の範囲外とした場
合の比較試料NO. 4〜NO. 11を作製し、同様の測定を
行った。さらに、AlとTiの2元素だけからなる従来
試料NO. 1〜NO. 3も作製し、これについても同様の測
定を行った。
【0015】表1からも明らかなように、単純な2元素
系の従来試料NO. 1〜NO. 3の場合は、曲げひずみが0.
4 〜1.0 %であり、延性が低い。また、比較試料NO. 4
〜NO. 6の場合は、Sc添加量が0.04%,ScとYとの
合計量が0.04%,Y添加量が0.04%とそれぞれ少ないこ
とから、各試料ともひずみは1.2 ,1.1 %と低い。さら
に、比較試料NO. 7及びNO. 8の場合は、Sc及びYの
添加量が6.5 %と過剰となっていることから、この両試
料ともひずみは1.2 ,1.1 %と低くなっている。さらに
また、比較試料NO. 9〜11の場合は、Sc等の各添加
量は本発明範囲内であるものの、Al量が41.5%と過剰
となっていることから、ひずみは0.5 〜0.7 %とかえっ
て低くなっている。
【0016】これに対して、本発明試料NO. 12〜NO.
21の場合は、いずれもひずみが2.0 〜3.8 %と高く、
常温延性が向上していることがわかる。なかでもSc,
YとともにCr,V,Mnを添加してなる本発明試料N
O. 18〜21の場合は、常温延性がさらに向上してい
ることがわかる。
【0017】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係るTi
Al基合金によれば、TiAlに0.05〜6.0 wt%のSc
を添加したので、高い耐熱強度有し、かつ軽量化を図り
ながら、常温における延性を向上でき、上述のタービン
ブレード,タービンディスク,あるいは宇宙航空飛翔体
の機体材料として採用でき、用途を拡大できる効果があ
る。また、請求項2の発明では、ScとともにCr,
V,Mnを0.2 〜10.0wt%複合添加したので、常温延性
をさらに向上できる効果があり、さらにまた、請求項3
では、ScをYに置換したので、常温延性を向上できる
とともに、耐酸化性を向上できる効果がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Al:21.0〜41.0%,Sc:
    0.05〜6.0 %を含み、残部が実質的にTiからなること
    を特徴とする常温延性に優れたTiAl基合金。
  2. 【請求項2】 重量%で、Al:21.0〜41.0%,Sc:
    0.05〜6.0 %を含み、かつCr,V,Mnの一種又は一
    種以上の添加量を0.2 〜10.0%とし、残部が実質的にT
    iからなることを特徴とする常温延性に優れたTiAl
    基合金。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、Scの一部又
    は全部をYで置換したことを特徴とする常温延性に優れ
    たTiAl基合金。
JP10043192A 1992-03-25 1992-03-25 常温延性に優れたTiAl基合金 Withdrawn JPH05271829A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT411535B (de) * 2002-02-05 2004-02-25 Vacumet Ag Legierung für bauteile mit amorpher struktur und verfahren zur herstellung der legierung
CN104278172A (zh) * 2014-09-17 2015-01-14 湖南稀土金属材料研究院 钛合金及其制备方法

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Effective date: 19990608