JPH05271609A - コーティング用樹脂組成物 - Google Patents

コーティング用樹脂組成物

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JPH05271609A
JPH05271609A JP6593692A JP6593692A JPH05271609A JP H05271609 A JPH05271609 A JP H05271609A JP 6593692 A JP6593692 A JP 6593692A JP 6593692 A JP6593692 A JP 6593692A JP H05271609 A JPH05271609 A JP H05271609A
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JP
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group
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resin composition
coating
fluorine
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Application number
JP6593692A
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English (en)
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Mikio Shin
幹雄 新
Tadayoshi Matsunaga
忠與 松永
Takashi Taniguchi
孝 谷口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (1) 含フッ素重合性単量体と、側鎖および/または末端
に、水酸基、ハイドロジエン基、カルボキシル基、クロ
ロアルキル基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基、
アルコキシ基、アシロキシ基およびビニル基から選ばれ
る少なくとも1つの置換基を有するオルガノシロキサン
0.01〜5重量%とを重合した共重合体を主成分とす
ることを特徴とするコーティング用樹脂組成物。 (2) 含フッ素重合体100重量%と、平均粒子径が1μ
m以下の疎水性微粒子1〜70重量%とを含有すること
を特徴とするコーティング用樹脂組成物。 【効果】本発明のコーティング樹脂組成物は、安定な低
エネルギー表面を形成することができ、優れた耐久性を
有する防汚性を種々の基材に付与することができる。特
に印刷インキの汚れを長期に亘って防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防汚性に優れたコーテ
ィング用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、印刷機のローラとしては、FRP、
プラスチック、金属などを基材としたロールが使用され
ており(特開昭62−196189号)、これらは、一
般に、その表面がゴムにより被覆されている(実開平1
−11770号)。また印刷用ブランケットなどでは汚
れ防止対策として市販の撥油剤などが用いられている
(特開平2−116597)。また、含フッ素重合性単
量体と加水分解性シリル基を有する重合性単量体からな
る共重合体にシリコーン化合物を添加して用いる技術が
開示されている(特開昭2−116597号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、その防汚性が不充分であった。
【0004】本発明は、優れた耐久防汚性を有するコー
ティング用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の本発
明により達成される。
【0006】「(1) 含フッ素重合性単量体と、側鎖およ
び/または末端に、水酸基、ハイドロジエン基、カルボ
キシル基、クロロアルキル基、メルカプト基、エポキシ
基、アミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基およびビニ
ル基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有するオル
ガノシロキサン0.01〜5重量%とを重合した共重合
体を含有してなるコーティング用樹脂組成物。
【0007】(2) 含フッ素重合体と、平均粒子径が1μ
m以下の疎水性微粒子1〜70重量%とを含有すること
を特徴とするコーティング用樹脂組成物。」 本発明においては、含フッ素重合性単量体と、上記置換
基を有するオルガノシロキサンとを用いることにより、
あるいは、含フッ素重合体と疎水性微粒子とを用いるこ
とにより、優れた撥水・撥油性を有する、低エネルギー
域の表面を作ることができ、耐久性を有する防汚性を発
現することができるのである。
【0008】本発明で使用される含フッ素重合性単量体
としては、特に限定されるものではなく、例えば、アク
リル系の単量体としては、一般式Rf(CH2 n OC
OCR=CH2 などで表わされるフロロ(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体(Rfはフッ素原子数が6以上のフ
ロロアルキル基またはパーフロロアルキル基、nは0〜
2の整数、Rは水素またはメチル基を示す)などが好ま
しく用いられる。
【0009】また、含フッ素重合体としては、特に限定
されるものではなく、“ルミフロン”(旭硝子社製)な
どのオレフィン系重合体、また、エステル系重合体、
“フォンブリン”(ミンテゲソン(株)製)などのエー
テル系重合体など、市販のものや合成した種々の樹脂系
のものが使用できる。また、本発明において含フッ素重
合体には、共重合体も含まれる。
【0010】本発明の含フッ素重合体あるいは共重合体
においては、そのフッ素の導入位置や形により防汚の機
能性が異なり、フッ素を側鎖に有することが好ましい。
オレフィンやポリエステル系など主鎖にフッ素を導入し
た樹脂系を使用する場合はポリマ中のフッ素量が10重
量%以上であることが好ましい。また、防汚性、撥油性
などのために、フッ素含有重合体あるいは共重合体中、
フッ素量は、70重量%以下であることが好ましい。ま
た、アクリル系樹脂中のフッ素量としては、1重量%以
上、好ましくは3重量%以上であることが、撥油性の点
で好ましい。
【0011】さらに、基材の種類や使用目的によって硬
化剤を適宜選択して使用することにより、塗膜の耐久性
が向上し、かかる硬化剤に応じて、前記フッ素重合体
が、そのポリマ中に官能基(水酸基、カルボキシル基、
エポキシ基、アミノ基、メルカプト基の一種以上)を持
つことが好ましい。硬化剤の代表的なものは、例えば通
常アミノ樹脂と称されるものが挙げられ、それには尿
素、チオ尿素、エチレン尿素、メラミン、ベンゾグアナ
ミンなどとホルムアルデヒドとの共縮合物やそれらの低
級アルコール処理物、脂肪族、脂環族ジイソシアネート
類やこれらのビューレットタイプ、アダクト体それにト
リマ体などのポリイソシアネート類、例えば、“パーノ
ックD−750”、“パーノックDN−950”、“パ
ーノックDN−970”または“パーノックD−80
0”(以上大日本インキ社製)、“タケネートB−82
0NS”、“タケネートD−110N”、“タケネート
D−123N”または“タケネートD−140N”(以
上武田薬品社製)、“コロネートL”、“コロネートE
H”、“コロネート2031”または“ブロックイソシ
アネートの2507”(以上日本ポリウレタン社製)
“デスモジュールL、“デスモジュールN”または“デ
スモジュールHL”(以上バイエル社製)などが好適に
使用される。また(ポリ)アミン類、酸無水物類、エポ
キシ樹脂類、熱反応性フェノール樹脂などが挙げられ
る。被膜硬化反応には、一般的な触媒、例えばジブチル
チンジラウレートなどの反応促進剤も併用できる。架橋
剤の配合量としては、共重合体の全重量に対して、0.
1〜50重量%であることが好ましい。0.1重量%未
満である場合は、硬化が十分に進んだ被膜が得られにく
く、50重量%を越えると、硬化被膜中のフッ素濃度の
低下や、残存する架橋剤によって被膜が可塑化するなど
といった傾向がある。そしてこれら架橋剤のうち、ポリ
イソシアネートを使用する場合は、前記共重合体との配
合比としてOH/NCO=1/0.2〜1/1.5(当
量比)となる範囲で使用するか、あるいは、共重合体に
対し、0.1〜40重量%の範囲が好ましく用いられ、
硬化条件も常温から加熱まで任意の条件を選ぶことがで
きる。
【0012】一方、本発明において、含フッ素重合性単
量体と共重合するオルガノシロキサンにおいては、側鎖
および/または末端に、水酸基、ハイドロジエン基、カ
ルボキシル基、クロロアルキル基、メルカプト基、エポ
キシ基、アミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基および
ビニール基から選ばれる少なくとも1つの置換基を有す
ることが必要である。すなわち、アミノ変性シリコー
ン、エポキシ変性シリコーン、エポキシポリエーテル変
性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト
変性シリコーン、クロロアルキル変性シリコーン、アル
コール変性シリコーンなど固体又は液状のものを用いる
ことができる。これらオルガノシロキサンの含フッ素単
量体に対する使用量は0.01〜5重量%の範囲で、
0.01重量%未満では防汚性の発現やインキ汚れに対
する耐久性が不足しており地汚れが発生しやすい。一
方、5重量%を越えるとシリコーンの界面へのブリード
アウトなどにより密着性低下やベタつきなどが発生し使
用できなくなる。前記、置換基を有するオルガノシロキ
サンとしては、Si−O結合と有機基とを有し、式(R
2SiO)n (ここで、Rは、炭素数1〜24の直鎖、
分岐または環状構造を有するアルキル基、アラルキル
基、アルコキシ基、アセトキシ基、アシロキシ基、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素、アミノ基、メルカプト基、ハ
イドロジエン基、クロロアルキル基、ヒドロキシ基、カ
ルボキシ基、ビニール基、エポキシ基などから選ばれ
る)で示される化合物などが用いられ、具体的には、メ
ルカプト変性シリコーンBY16−838A、BY16
−838(東レシリコーン・ダウコーニング(株)製)
などが挙げられる。
【0013】また、本発明においては、含フッ素重合性
単量体とオルガノシロキサンとの共重合体が固形分量中
0.5重量%以上、さらには、3重量%以上含有されて
いることが好ましい。
【0014】本発明において、含フッ素重合性単量体
と、オルガノシロキサンとの重合方法としては、特に限
定されるものではなく、溶液重合、乳化重合などの一般
的な方法を用いることができる。
【0015】また、本発明の含フッ素重合体中には、前
述の必須単量体以外にも、重合性単量体を共重合成分と
して用いることができ、例えば、スチレン、ビニルトル
エン、もしくはα−メチルスチレンの如き芳香族系ビニ
ル化合物、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンの
如きビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、
2エチルヘキシルアクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、n(イソまたはt)−ブチル(メタ)アクリレ
ート、t−プロピル(メタ)アクリレート、の如き(メ
タ)アクリル酸類;マレイン酸、フマール酸、もしくは
イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類とC1 〜C10
る一価のアルコールとのジエステル類;(メタ)アクリ
ルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドもしくはN
−アルコキシメチル化(メタ)アクリルアミドの如き
(メタ)アクリルアミド類;ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートの如きN、N−ジアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレート類;βアシッドホスホキシ
(メタ)アクリレートの如き燐酸基含有(メタ)アクリ
レート類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール
酸もしくはイタコン酸あるいは水酸基含有ビニル単量体
と飽和ポリカルボン酸との等モル付加反応生成物の如き
不飽和カルボン酸類;グリシジル(メタ)アクリレー
ト、メチルグリシジル(メタ)アクリレートもしくは
(メタ)アリルグリシジルエーテルあるいは(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの
不飽和カルボン酸と「エピコート1001もしくは10
04」(シェル社製 エポキシ樹脂)、「エピクロン2
00、400、441、850もしくは1050」大日
本インキ社製 エポキシ樹脂)、「アラルダイト607
1」(チパガイギー社製 エポキシ樹脂)、または「チ
ッソノックス 221」(チッソ社製 エポキシ樹脂)
の如き1分子中少なくとも2個のエポキシ基を有するポ
リエポキシ化合物とを等モルで付加反応させて得られる
エポキシ基含有重合性付加物;重合性不飽和結合および
エポキシ基を有する低分子量のポリエステル樹脂(例え
ばシェル社の「ペオパ」)、および2−t−ブチル−6
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレートなどが挙げられ
る。
【0016】これら成分の本発明塗料用組成物中の含有
量としては、70〜97重量%である。
【0017】これら使用可能なビニル単量体の一部とし
て下記の単量体を用いると撥水の耐久性や耐候性が向上
する。
【0018】シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル
シクロヘキシル、2,2,5−トリメチルシクロヘキシ
ル、n−ボルニル、iso−ボルニル、ノルボルニル、
ノルボルニルメチル、l−メンチル、l−フェンチル、
1−アダマンチル、2−アダマンチル、3,5−ジメチ
ル−1−アダマンチル、p−メンタン、2−メチルカン
ファン、l−メンチール、シクロドデシル、トリシクロ
[5,2,1,02, ]デカ−8−イル、トリシクロ
[5,2,1,02,6]デカ−4−メチル、3−メチ
ル−1−アダマンチル、8−エチルアダマンチル、8−
メチル−5−エチル−1−アダマンチル、3,5,8−
トリエチル−1−アダマンチル、3,5−ジメチル−8
−エチル−1−アダマンチル、ノルボルネン、オクタヒ
ドロ−4,7−メンタノインデニル、オクタヒドロ−
4,7−メンタノインデン−1−イルメチル、p−メン
チル−8、p−メンチル−2、8−ヒドロキシ−2,
6,6−トリメチル−ビシクロ[8,1,1]ヘプタ
ン、8,7,7−シリメチル−4−ヒドロキシ−ビシク
ロ[4,1,0]ヘプタン−4−イル、1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−メタクリロイルオキシ−ピ
ペリジン、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−アクリロイルオキシピペリジン、1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−アクリロイルオキシピペリ
ジン、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−
メタクリロイルオキシ−ピペリジン、1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−アクリルアミド−ピペリジン、
1−n−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−
アクリロイルオキシ−ピペリジン、2,2,6,6−テ
トラメチル−4−(N−n−ブチル)−アクリルアミド
−ピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−メタクリルアミド−ピペリジン、1−メタクリロイル
オキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリ
ジン、1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチル−
4−アクリロイルオキシ−ピペリジン、2,2,6,6
−テトラメチル−4−アクリロイルオキシ−ピペリジ
ン、1−アリル−2,2,6,6−テトラメチル−4−
アクリロイルオキシ−ピペリジン、2,5,6−トリメ
チル−2,6−ジエチル−4−アクリロイルオキシ−ピ
ペリジン、1,2,5,6−テトラメチル−2,6−ジ
エチル−4−メタクリロイルオキシ−ピペリジン、1−
アクリロイルオキシエチル−2,2,6,6−テトラメ
チル−ピペリジン、1−[2´−アクリロイルオキシ−
ブチル]−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジ
ン、1,3,8−トリアザ−2,4−ジオキソ−3−ア
クリロイルオキシエチル−7,7,8,9,9−ペンタ
メチル−スピロ−[4,5´]−デカン、1,3,8−
トリアザ−2,4−ジオキソ−3−n−ブチル−7,
7,9,9−テトラメチル−8−アクリロイルオキシエ
チル−スピロ[4,5]−デカン、1,3,8−トリア
ザ−2,4−ジオキソ−3−n−オクチル−7,7,
9,9−テトラメチル−8−アクリロイルオキシエチル
−スピロ[4,5]−デカン、1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−(N−n−プロピル)−アクリルアミ
ド−ピペリジン、1−ベンジル−2,2,6,6−テト
ラメチル−4−(N−n−ブチル)−アクリルアミド−
ピペリジン、2,5,6−トリメチル−2,6−ジエチ
ル−4−(N−メチル)−アクリルアミド−ピペリジ
ン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−マレイミ
ド−ピペリジンなどである。
【0019】また不飽和二重結合を有するベンゾフェノ
ン系の紫外線吸収剤も好ましく用いられ、例えば、下記
の構造を有するものが挙げられる。
【0020】
【化1】 1 、R2 、R3 、R4 のうち、少なくとも1つは不飽
和二重結合
【化2】 を有する有機基であり、その他の官能基は水素またはア
ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アラルコキシ基、アリロキシ基、ヒドロ
キシ基、ハロゲン基、スルホン酸(エステル)基、カル
ボン酸(エステル)基、リン酸(エステル)基など特に
限定されるものではなく、同種であっても異種であって
もよい。
【0021】また、不飽和二重結合を有するベンゾトリ
アゾール系の紫外線吸収剤も好ましく用いられ、例え
ば、下記の構造を有するものが挙げられる。
【0022】
【化3】 ここでR5 、R6 、R7 のうち、少なくとも1つは不飽
和二重結合を有する有機基であり、その他の官能基は水
素またはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アラルコキシ基、ヒドロキシ
基、ハロゲン基、スルホン酸(エステル)基、カルボン
酸(エステル)基、リン酸(エステル)基など特に限定
されるものではなく、同種であっても異種であってもよ
い。
【0023】また、不飽和二重結合を有するフェニルベ
ンゾエート系紫外線吸収剤も好ましく用いられ、例え
ば、下記の構造を有するものが挙げられる。
【0024】
【化4】 ここでR8 〜R13のうち、少なくとも1つは、不飽和二
重結合を有する有機基であり、その他の官能基は、水素
またはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アリロキシ
基、ヒドロキシ基、ハロゲン基、スルホン酸(エステ
ル)基、カルボン酸(エステル)基、リン酸(エステ
ル)基など特に限定されるものではなく、同種であって
も、異種であってもよい。
【0025】上記紫外線吸収剤が含有するところの不飽
和二重結合の例としては、ビニル基、アリル基、ビニレ
ン基、(メタ)アクリロイル基、等が挙げられ、特に限
定されるものではないが、反応のしやすさから(メタ)
アクリロイル基が好ましい。これらの成分は、優れた光
安定機能を有しており、被膜に入ってくる紫外線を吸収
する。その成分を共重合によって重合体中に導入するた
め、被膜の耐候性を著しく向上させることができ、好ま
しい。
【0026】また、平均粒径が1μm以下の疎水性微粒
子としては、例えば、金属酸化物などが挙げられ、ジル
コニア、チタニア、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化チタン、テフロンポリエチレンなどの
微粒子、粉末状シリコーンや疎水性シリカ微粒子、窒化
ホウ素などが使用でき、さらに具体的には、“トレフィ
ルR−925”(東レ・シリコーン・ダウコーニング
(株)製)、“アエロジルR−972”、“アエロジル
R−202”、“アエロジルR−805”、“アエロジ
ルR−812”、“アエロジルR−974”、“アエロ
ジル0X50”、“アエロジルT−600”、“アエロ
ジルMOX−80”、“アエロジルMOX−170”、
“アエロジルCOK−84”などを挙げることができ
る。粒径が1μmを越えて大きいと、塗膜表面の平滑性
が失なわれる。また、微粒子の疎水化度とは次の方法に
よって定義される。すなわち、水/メタノールの割合を
変化させて作った混合液に微粒子を入れ、均一に分散す
るときの、メタノールの割合が30体積%以上である微
粒子を疎水性微粒子とした。
【0027】微粒子の添加の方法は一般的な方法でよ
く、ボールミルなどを用いてマスターペーストを作り添
加する方法やホモミキサーなどによる分散の方法があ
る。添加量は粉末や微粒子の性質にもよるが1〜70重
量%、好ましくは5〜50重量%である。1重量%未満
では、添加の効果がなく、70重量%を越えると、光沢
低下や塗膜がもろくなり耐久性が低下する。
【0028】本発明のコーティング用樹脂組成物には、
顔料を混ぜてエナメル塗料として使用することもでき
る。また、必要に応じて各種の添加剤などを使用するこ
ともできる。このような添加剤としては、例えばペンタ
エリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕や
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)などのヒンダードフェノール系酸化防止剤、2−
(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾールや2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノンな
どのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバテー
トや4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジンなどのヒンダードアミン系光安定剤、更
に金属不活性剤、加工安定剤、ホスファイト系化合物、
過酸化物分解性化合物、塩基性補助安定剤、核形成剤ま
たはその他の添加剤、例えば可塑剤、滑剤、乳化剤、充
填剤、カーボンブラック、タルク、ガラス繊維、顔料、
光学的明色化剤、耐難燃化剤、帯電防止剤などがある。
【0029】本発明樹脂組成物をコーティングする基材
としては、例えば、プラスチック、ゴム、金属、セラミ
ック、カーボン、ガラス、布、木などが好ましく用いら
れる。また、中でも、印刷機用ロール基材に塗布するこ
とが好ましく、塗装は基材の洗浄やサンディングなどの
下地処理を行った後、エポキシ系、アクリル系、ポリエ
ステル系などのプライマを用いることにより、密着不良
などのトラブルの発生をおさえることができ好ましい。
【0030】これら塗料の基材への塗布方法は特に限定
されるものではなく、通常の塗装方法が用いられ、エア
ーおよびエアレススプレー、静電スプレー、ハケ塗り、
ローラ塗り、浸漬法などの方法が好ましく用いられる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。まず、評価項目と評価方法を次に説明する。
【0032】1.非粘着性 幅23.4mmのテープ(住友3M社610、塗料剥離
用)を用いた。評価方法として、上記テープを表面処理
皮膜へ均一に貼りつけ、これを手動および引張試験機で
30mm/分の速度で90度方向の粘着力を測定した。
表1中、その粘着力が10g/cm未満の場合を○、10g/
cm以上、20g/cm未満を△、20g/cm以上を×とした。
【0033】2.インキ密着力の測定 印刷インク(大日本インキ(株)製“ニューズゼットG
C”、紅色)をトルエンで1:1(重量比)に希釈し
た。
【0034】(2)表面処理被膜上に約10cm角以上
になるように希釈インクを塗布し、60℃で8時間乾燥
機で乾燥させた。これにカッターナイフで20mm角の
切り込みを入れ非粘着性と同様の条件でインクの剥離試
験を行なった。インキが被膜上に残らないのを最良とし
評価を行なった。表1中、インキの剥離性は、20mm角
中インキの残存面積が50%以上を×、50未満〜20
%以上を△、20%未満を○とした。
【0035】3.実機による試験 KOMORI スプリント2色機 J−01型を用い
た。
【0036】赤紅色インク、“ニューゼットGC”(大
日本インキ社製)を用いて、ガイドローラに塗装し実機
による防汚性の確認テストを行なった。汚れ性、クリー
ニング性および耐久性を評価した。
【0037】汚れ性のテストは、B4サイズのアート紙
3000枚を印刷した後のローラの汚れを目視で観察し
て、○、△、×とした。
【0038】クリーニング性は、ローラーに印刷インク
(大日本インキ社“ニューゼットGC”紅色)を塗布
し、120℃で30分乾燥させた後、アイソパーE(エ
ッソ社製)を含ませた布で拭き取る。拭き取りやすさ
を、○、△、×とした。
【0039】耐久性は、印刷機の可動が実質500時
間、1000時間後の汚れの状態を目視で観察して、
○、△、×とした。
【0040】実施例1 撹拌機、コンデンサ、滴下ロート、温度計および窒素ガ
ス吹込み管を備えた2lのガラス製四ツ口フラスコに重
合溶媒として酢酸n−ブチル250重量部、メチルイソ
ブチルケトン250重量部を仕込み窒素ガスで系内を置
換した後、90±3℃に昇温した。同温度で撹拌を続け
ながら1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフロロデシ
ルメタクリレート50重量部、メチルメタクリレート2
00重量部、ブチルアクリレート129重量部、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート116重量部、アクリル
酸5重量部、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシ
シラン15重量部と重合開始剤としてアゾビスイソブチ
ロニトリル5重量部からなる混合物を3時間に亘って滴
下重合を行なった。滴下終了後、さらに1時間撹拌を続
け、その後アゾビスイソブチロニトリル1重量部を30
分毎に5回添加した。その後1時間撹拌を続けて重合を
終了し、不揮発分50重量%、ガードナ粘度X12.9
ポイズ、数平均分子量(以下、Mnと略す)=1200
0、重量平均分子量(以下、Mwと略す)/Mn=2.
2のフッ素共重合体溶液を得た。
【0041】プライマとして、大日本塗料社の“DNT
シーラ”を乾燥膜厚50μmになるよう,軟鋼板上にス
プレ塗装し、1時間室温で放置した。上記で得られた含
フッ素共重合体100重量部に対し“コロネートHX”
(日本ポリウレタン(株)製)20重量部を添加し、フ
ォードカップNO−4で20秒になるように調整し、同
様に乾燥膜厚が70±10μmになるように塗装した。
硬化は赤外線ランプで表面温度60℃の条件で1時間硬
化させた後、10日間室温(25℃)保持した後評価し
た。
【0042】実施例2 含フッ素共重合体溶液を得るに際し、実施例1と同一の
モノマ組成にメルカプト変性シリコーン3重量部(“B
Y16−838A”東レシリコーン社製)とメチルイソ
ブチルケトン253重量部を用いる以外は実施例1と同
様にして不揮発分50重量%、ガードナー粘度U(6.
27ポイズ)Mn=10,000、Mw/Mn=2.3
の含フッ素共重合体を得た。得られた含フッ素共重合体
を用いる以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を有
する基板を得た。
【0043】実施例3 含フッ素共重合体溶液を得るに際し、実施例1のモノマ
のアクリル酸の代わりにγ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン5重量部を用いる他は実施例1と同様にし
て不揮発分50重量%、ガードナー粘度V(8.84ポ
イズ)、Mn=9500、Mw/Mn=2.15の含フ
ッ素共重合体を得た。得られた含フッ素共重合体を用い
る以外は、実施例1と同様にして、硬化被膜を有する基
板を得た。
【0044】実施例4 市販のフロロオレフィン系含フッ素樹脂“ルミフロン”
LF−200[旭硝子社製、固形分=60%、水酸基価
=32、ガードナ粘度X〜Z2 (12.9〜34ポイ
ズ)]100重量部に対し、硬化剤として“コロネート
HX”11重量部、“BY16−838A”3重量部を
添加した組成物を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、硬化被膜を有する基板を得た。
【0045】実施例5 実施例1で得た含フッ素共重合体10重量部に対し、酸
化チタン“CR−95”(石原産業社製)16.7重量
部、メチルイソブチルケトン15重量部と2mmφのガ
ラスビーズ100重量部をガラスサンプルビンに入れペ
イントシェーカで60分間粉砕混合した。その後同じワ
ニスを40重量部、メチルイソブチルケトンを10重量
部添加しさらにペイントシェーカーで15分間混合し白
色のエナメル塗料を得た。
【0046】比較例1 実施例1のモノマ組成の内、1H、1H、2H、2H−
ヘプタデカフロロデシルメタクリレートの代わりにスチ
レンを50重量部用いる他は実施例1と同様にして、不
揮発分50重量%、ガードナ粘度X(12.9ポイ
ズ)、Mn=12,000、Mw/Mn=2.2の共重
合体溶液を得た。
【0047】これにシリコーンを添加し塗膜を作成した
が表1に示したようにインキの剥離性および耐久性が低
かった。
【0048】比較例2 比較例1の樹脂を用いて、シリコーンを全く添加しない
系では全ての評価項目において特性が発現できず本発明
の塗膜とは全く異なるものであった。
【0049】比較例3 実施例1の樹脂を用いてシリコーンを添加しない系で評
価した。表1に示すように本発明とはあきらかに異なる
塗膜であった。
【0050】比較例4 比較例3の樹脂の代わりに“ルミフロン”を用いて同様
のテストを行なった。表1に示すように本発明とはあき
らかに異なる塗膜であった。
【0051】比較例5 実施例1と同じ樹脂を用いて、添加して使用するシリコ
ーンを官能基のないジメチルポリシロキサン“SH−2
00”(東レ・シリコーン社製、粘度1万cp)に変更
した他は同様にして塗膜を作成して評価した。結果は表
1に示したが初期の特性は発現できるが耐久性が低くあ
きらかに本発明とは異なる性能であった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明のコーティング樹脂組成物は、安
定な低エネルギー表面を形成することができ、優れた耐
久性を有する防汚性を種々の基材に付与することができ
る。特に印刷インキの汚れを長期に亘って防止すること
ができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含フッ素重合性単量体と、側鎖および/ま
    たは末端に、水酸基、ハイドロジエン基、カルボキシル
    基、クロロアルキル基、メルカプト基、エポキシ基、ア
    ミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基およびビニル基か
    ら選ばれる少なくとも1つの置換基を有するオルガノシ
    ロキサン0.01〜5重量%とを重合した共重合体を含
    有してなるコーティング用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】含フッ素重合体と、平均粒子径が1μm以
    下の疎水性微粒子1〜70重量%とを含有することを特
    徴とするコーティング用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】該共重合体が、平均粒子径が1μm以下の
    疎水性微粒子を1〜70重量%含有することを特徴とす
    る請求項1記載のコーティング用組成物。
  4. 【請求項4】含フッ素重合性単量体が、アクリル系、オ
    レフィン系、エステル系、エーテル系およびエポキシ系
    から選ばれることを特徴とする請求項1記載のコーティ
    ング用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】該共重合体が、固形分量中、0.5重量%
    以上含まれることを特徴とする請求項1記載のコーティ
    ング用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】該共重合体が、固形分量中、3重量%以上
    含まれることを特徴とする請求項1記載のコーティング
    用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】プラスチック、ゴム、金属、セラミック、
    カーボン、ガラス、布および木の少なくとも一種からな
    る基材にコーティングすることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のコーティング用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】印刷用機械のローラにコーティングするこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のコーティング用
    樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0838269A1 (en) * 1995-10-04 1998-04-29 Stowe Woodward Int. Rolls having release coatings, a method for applying a release coating to a roll, and a method of transporting a viscid web
WO2003104342A1 (ja) * 2002-06-11 2003-12-18 有限会社セラミック・クラフト 塗料組成物
JP2006241475A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Central Res Inst Of Electric Power Ind ロール装置

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