JPH0527148U - 擁壁ブロツクの基礎構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連結用鋼材を適正位置に固定することができ
るので、上端螺子部の煩雑な折り曲げ修正が一切不要で
あり、連結用鋼材の接合と擁壁ブロックの積み上げを能
率良く行える擁壁ブロックの基礎構造を提供する。 【構成】 鉄筋組立体１に固着した座板２の受孔３に連
結用鋼材４の下端螺子部５を挿入し、下端螺子部５に螺
合したナット６，７間に座板２を締め付けて連結用鋼材
４を座板２に固着し、連結用鋼材４に緩く嵌め合わせた
シース管８を座板２の上面に起立させ、シース管８を鉄
筋組立体１または型枠に固定支持して基礎コンクリート
９を打設し、位置調節後に連結用鋼材４をグラウト１０
でシース管８に定着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、工場生産された擁壁ブロックを積み上げるときの基礎構造に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

実願平２−１２５４７５号で提案された擁壁ブロックの接合構造では、上下の 擁壁ブロックの各縦孔に連結用鋼材を貫通して挿入し、中央孔にて連結用鋼材に 嵌合した位置決め盤を上側の擁壁ブロックの縦孔の上端拡大部に嵌め入れ、鋼材 の上端螺子部に螺合したカプラーを位置決め盤の上面に当接させて、上下の擁壁 ブロックを締め付け連結し、上下の各縦孔にグラウトを注入して連結用鋼材を上 下の擁壁ブロックに定着し、カプラーに次段側の連結用鋼材の下端螺子部を螺合 し、カプラーを次段の擁壁ブロックの縦孔の下端拡大部に収容する。

【０００３】 このような接合構造においては、鉄筋コンクリート製の基礎構造に埋設された 最下方の連結用鋼材が適正な位置に設定されていないと、最下段の擁壁ブロック の縦孔に連結用鋼材の上端螺子部を挿入してカプラーを螺合することができない か、無理に挿入したときには擁壁ブロックが適正位置に積み上げられないことに なる。

【０００４】 このような連結用鋼材の位置の狂いは、基礎構造の打設用型枠または鉄筋組立 体に対する連結用鋼材の固定支持が不充分であるとき、基礎コンクリートの打設 時や締固め時に発生し、また、連結用鋼材の固定支持が充分であっても、その位 置に施工誤差が当初から存在する場合に発生する。

【０００５】 基礎コンクリートの硬化後の段階で連結用鋼材の位置の狂いが発見されたとき には、連結用鋼材を打撃や押引きによって所要角度だけ折り曲げ、上端螺子部の 突出方向を修正する必要があるが、このような修正作業は煩雑であるだけでなく 、上端螺子部を損傷してカプラーの螺合に支障を生じることがある。また、狂い が大きいときには、当該部分の基礎コンクリートを破壊して、連結用鋼材を深い 所から位置修正する必要があり、これは工期の相当な遅延を招いた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従って本考案の目的は、連結用鋼材を適正位置に固定することができるため、 上端螺子部の煩雑な折り曲げ修正が一切不要であり、カプラーの螺合支障の恐れ なく連結用鋼材の接合と擁壁ブロックの積み上げ作業を能率良く進めることがで きる、擁壁ブロックの基礎構造を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

以下、添付図面中の参照符号を用いて説明すると、本考案の基礎構造では、鉄 筋組立体１に固着した座板２の受孔３に連結用鋼材４の下端螺子部５を挿入し、 下端螺子部５に螺合した上下のナット６，７間に座板２を締め付けて連結用鋼材 ４を座板２に固着し、連結用鋼材４に緩く嵌め合わせたシース管８の下端開口部 に上側のナット６を嵌め入れ、座板２の上面に起立させたシース管８を鉄筋組立 体１または型枠に固定支持して基礎コンクリート９を打設し、シース管８の上端 開口部より注入したグラウト１０で連結用鋼材４をシース管８に定着する。

【０００８】

【作用】

基礎コンクリート９の硬化によってシース管８の位置が最終的に確定した後、 シース管８の上端開口部に突出している連結用鋼材４の上端螺子部１１を手掛か りにして、連結用鋼材４の全体を座板２に固定支持された下端螺子部５を中心に シース管８内において所要方向に所要角度だけ傾斜回動させて、上端螺子部１１ を適正位置に設定する。連結用鋼材４を適当なスペーサーや補助部材によって該 設定位置に保持して、グラウト１０をシース管８に注入し、グラウト１０の硬化 によって連結用鋼材４をシース管８に定着する。

【０００９】

【実施例】 図示の実施例では、座板２は２本の補助鉄筋２１，２２の上面側に溶接され、 受孔３は中央部に設けてある。補助鉄筋２１，２２は基礎構造１２の鉄筋組立体 １に溶接されている。図面の簡略化の便宜のため、鉄筋組立体１は補助鉄筋２１ 、２２と交差した横方向鉄筋のみを示してある。

【００１０】 基礎構造に埋設した連結用鋼材４の上端螺子部１１に座金１３を介して最下段 のカプラー１４を螺合し、該カプラー１４には最下段の擁壁ブロック１５の接合 用縦孔１６に嵌挿される連結用鋼材１７の下端螺子部１８を螺合し、接合用縦孔 １６に注入したグラウト１０によって上段側の連結用鋼材１７を擁壁ブロック１ ５に定着している。この連結用鋼材１７の上端螺子部１９には次段のカプラー２ ０が螺合され、基礎構造１２の上面に積み上げた擁壁ブロック１５が順次接合固 定される。

【００１１】 擁壁ブロック１５の接合用縦孔１６の上端拡大部と下端拡大部は、内底面に向 かう程直径が減少したテーパー状凹部に形成されている。連結用鋼材４，１７と しては、グラウト１０との付着性をよくするために、外周面に凹凸が形成された 異形のＰＣ鋼棒を使用している。グラウト材１０としては、水セメント比が小さ くて流動性の良いセメントペーストが使用されている。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案の基礎構造では、鉄筋組立体１に固着した座板２の受孔３ に連結用鋼材４の下端螺子部５を挿入し、下端螺子部５に螺合したナット６，７ 間に座板２を締め付け、連結用鋼材４に緩く嵌め合わせたシース管８を座板２の 上面に起立させ、シース管８を鉄筋組立体１または型枠に固定支持して基礎コン クリート９を打設し、シース管８の上端開口部より注入したグラウト１０で連結 用鋼材４をシース管８に定着したものであり、グラウト１０の注入に先行して連 結用鋼材４の全体を下端螺子部５を中心に傾斜回動させることによって、連結用 鋼材４を適正位置に埋設固定することができるため、上端螺子部１１の煩雑な折 り曲げ修正が一切不要となり、カプラーの螺合支障の恐れなしに連結用鋼材４， １７の接合と擁壁ブロック１５の積み上げ作業を能率良く進めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る擁壁ブロックの基礎構
造を用いた擁壁の右側面図である。

【図２】該基礎構造の要部拡大断面図である。

【図３】該基礎構造に用いた座板とシース管および連結
用鋼材の斜視図である。

【符号の説明】

１ 鉄筋組立体 ２ 座板 ３ 受孔 ４ 連通用鋼材 ５ 下端螺子部 ６ ナット ７ ナット ８ シース管 ９ 基礎コンクリート １０ グラウト １１ 上端螺子部 １２ 基礎構造 １３ 座金 １４ カプラー １５ 擁壁ブロック １６ 接合用縦孔 １７ 連結用鋼材 １８ 下端螺子部 １９ 上端螺子部 ２０ カプラー ２１ 補助鉄筋 ２２ 補助鉄筋

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄筋組立体１に固着した座板２の受孔３
   に連結用鋼材４の下端螺子部５を挿入し、下端螺子部５
   に螺合した上下のナット６，７間に座板２を締め付けて
   連結用鋼材４を座板２に固着し、連結用鋼材４に緩く嵌
   め合わせたシース管８の下端開口部に上側のナット６を
   嵌め入れ、座板２の上面に起立させたシース管８を鉄筋
   組立体１または型枠に固定支持して基礎コンクリート９
   を打設し、シース管８の上端開口部より注入したグラウ
   ト１０で連結用鋼材４をシース管８に定着した擁壁ブロ
   ックの基礎構造。