JPH05271460A - 多孔質高分子膜の製造方法 - Google Patents

多孔質高分子膜の製造方法

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JPH05271460A
JPH05271460A JP6842192A JP6842192A JPH05271460A JP H05271460 A JPH05271460 A JP H05271460A JP 6842192 A JP6842192 A JP 6842192A JP 6842192 A JP6842192 A JP 6842192A JP H05271460 A JPH05271460 A JP H05271460A
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polyethylene glycol
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一成 酒井
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▲こ▼生 張
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】エネルギー線の照射により重合可能なモノマー
および/またはオリゴマー(A)と、該モノマーおよび
/またはオリゴマー(A)と相溶し、該モノマーおよび
/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射するこ
とにより生成したポリマーと相溶せず、かつエネルギー
線に対して不活性なオリゴマー(B)又はとポリマー
(C)を混合した均一な重合性液体にエネルギー線を照
射した後、該オリゴマー(B)又はポリマー(C)を除
去することを特徴とする多孔質高分子膜の製造方法。 【効果】本発明の製造方法により得られる多孔質高分子
膜は、架橋構造を有する為、強度、耐クリープ性、耐熱
性、耐薬品性に優れるという特徴を有する。また100
cps以上の高粘度の重合性溶液が得られるため、中空
糸状の多孔質膜、不織布、布、紙等の多孔性支持体に裏
打ちされた多孔質膜を容易に製造できるという特徴を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品工業、医薬品工
業、電子工業、排水処理、人工臓器、海水の淡水化等の
種々の分離プロセスにおいてタンパク、コロイド、バク
テリヤ、ウイルス、塩等の濾過分離の目的で使用される
限外濾過膜、逆浸透膜、精密濾過膜、気液接触用隔膜、
脱気膜、給気膜等の多孔質膜およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多孔質膜の製造方法としては、ポリマー
を溶剤に溶かして製膜後、非溶剤と接触させることによ
りポリマーを凝固させる、いわゆる湿式法によるもの、
ポリマーと、ポリマーの非溶剤で抽出可能な物質を混合
し、製膜した後に抽出を行うものなどがあった。
【0003】しかし、これらの方法では、生産速度が遅
いという欠点の他に、ポリマーの溶液を作る必要上、溶
剤に可溶な非架橋性のポリマーを使用する必要があり、
強度、耐クリ−プ性、耐熱性、耐薬品性の点で問題があ
った。
【0004】一方、結晶性ポリマーを溶融押出し製膜
後、延伸により多孔質化する、いわゆる溶融法によるも
のもあるが、材料は熱可塑性高分子である必要があるた
め同様の欠点を有する。
【0005】これらの問題を解決するためには、架橋構
造を有する膜の製造が望まれる。それを可能にする方法
として、特公昭56−34329号公報、特公昭63−
65220号公報に重合可能な単量体および/またはオ
リゴマーを、これら単量体および/またはオリゴマーの
溶剤として作用し、かつこれら単量体から生成する重合
体を膨潤させない非溶剤の存在下で重合させ架橋構造を
有する多孔質膜の作成方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭56−
34329号公報、特公昭63−65220号公報の方
法によれば、生産速度が速く、強度、耐熱性、耐薬品性
に優れた多孔質膜が得られるものの、重合前の重合性溶
液は、100cps以下の低粘度となりその製膜方法に
大きな制約を受ける。特に高粘度の製膜溶液の使用が望
ましい中空糸膜の製膜においてその困難は甚だしい。ま
た、不織布、布、紙、精密濾過膜等の多孔性支持体に重
合性溶液を塗布した状態で重合させ、これらの支持体に
裏打ちされた多孔質膜を製造する際にも、重合性溶液が
100cps以下の低粘度であると多孔質支持体への浸
透が甚だしく、好ましくない。
【0007】即ち、得られた重合体から非溶剤を除去す
ることによって多孔質構造を形成させる原理から予想さ
れるように、高い空孔容積を有する多孔質膜を得る為に
は、重合前の溶液中に占める非溶剤の容積分率が15%
以上好ましくは30%以上必要である。この際、上記特
許に推奨されているようなアルキルエステル、ヘプタ
ン、イソオクタン、アジピン酸エステル、ブタノール等
を非溶剤に用いれば重合性溶液の粘度は、100cps
以下の低粘度となる。
【0008】特公昭56−34329号公報には、低粘
度の重合性溶液に微粉砕シリカ、ベントナイト等の増粘
剤を添加することによって粘度調整が可能であるとの記
載があるが、これらの増粘剤は、溶液中に分散すること
によってその増粘効果を発揮するものであり、また、そ
れらの粒径が数μm〜数百μmであることから、得られ
る多孔質膜の孔の分布は甚だ均質性に欠けるものとな
る。また、これらの増粘効果は、いわゆるチキソトロピ
ー性を有するものであり、中空糸製膜のような製膜溶液
に大きなせん断力の作用する製膜法では、その増粘作用
は効果的でない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。
【0010】即ち、本発明は、エネルギー線の照射によ
り重合可能なモノマーおよび/またはオリゴマー(A)
と、該モノマーおよび/またはオリゴマー(A)と相溶
し、該モノマーおよび/またはオリゴマー(A)にエネ
ルギー線を照射することにより生成したポリマーと相溶
せず、かつエネルギー線に対して不活性なオリゴマー
(B)とを混合した均一な重合性液体にエネルギー線を
照射した後、該オリゴマー(B)を除去することを特徴
とする多孔質高分子膜の製造方法、およびエネルギー線
の照射により重合可能なモノマーおよび/またはオリゴ
マー(A)と、該モノマーおよび/またはオリゴマー
(A)、又は該モノマーおよび/またはオリゴマー
(A)と溶剤との均一溶液に溶解し、該モノマーおよび
/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射するこ
とにより生成したポリマとは相溶せず、かつエネルギー
線に対して不活性なポリマー(C)とを混合した均一な
重合性液体にエネルギー線を照射した後、該ポリマ
(C)を除去することを特徴とする多孔質高分子膜の製
造方法を提供するものである。
【0011】本発明により得られる多孔質高分子膜は、
平均孔径0.02μm以上10μm以下の多数の連通孔
を有する。連通孔を有する多孔質膜とは、膜中の個々の
微小な空隙が互いに連絡しており、液体が膜の一方の側
から他の側へ透過できるものをいう。孔径は膜内で均一
であってもかまわないし、孔径分布があってもよい。例
えば、膜の厚み方向に孔径分布を有しても良い。膜の厚
み方向に孔径分布を有するとは、膜の厚み方向に連続的
もしくは非連続的に孔の孔径が変化することを言う。例
えば、膜の片方の面から他方の面に向かって連続的に孔
の孔径が増加もしくは減少する場合、膜の片方の表面か
ら他方の表面に向かって非連続的に増加もしくは減少す
る場合、膜の両方の表面に孔径の最も小さな孔の層があ
り、膜の両方の表面から膜の内部に向かって孔径が連続
的もしくは非連続的に増加する場合、膜の内意部に孔径
の最も小さな層があり、この層の両面から膜の両方の表
面に向かって孔径が連続的もしくは非連続的に増加する
場合等がある。
【0012】本発明の膜における連通孔は、エネルギー
線の照射により重合可能なモノマーおよび/またはオリ
ゴマー(A)が、エネルギ−線の照射により重合すると
実質上同時に形成されるものであって、従来の湿式法そ
の他の製膜法に見られるように、ポリマーを成形するも
のではない。連通孔は、互いに接着している粒子状に析
出したポリマーの間隙として与えられる場合もあるし、
3次元の網状に析出したポリマーの間隙として与えられ
る場合もあるし、繊維方向に長い長円またはスリット状
の形状をもっている場合などがあり得るが、湿式法で製
造された膜に見られるような、直径が10μm以上あり
膜の厚み方向に長い、所謂マクロボイドは存在しない。
これらの孔の形状は膜断面や膜表面の電子顕微鏡観察で
判定できる。また膜に存在する連通孔の孔径と空隙率
は、水銀圧入法で測定することができる。
【0013】本発明で云う平均孔径とは、水銀圧入法で
測定した孔径分布のピークをいう。平均孔径は膜の用途
目的により任意に設計できる。本発明により得られる多
孔質高分子膜は、モノマーおよび/またはオリゴマーの
選択により、そのポリマーは、非架橋型、架橋型の任意
のものとなし得るし、架橋密度も任意にコントロールし
得る。本発明により得られる多孔質膜は架橋型であるこ
とが、耐圧密化、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などの点
で好ましいが、特に未反応モノマーやオリゴマーの残留
量を少なくする必要のある場合や、膜中の残留二重結合
を少なくする必要のある場合には、単官能モノマーおよ
び/またはオリゴマーを用いて、非架橋型の膜とするこ
とも可能である。非架橋型の膜は耐熱性やクリープ特性
に劣りがちであるし、架橋度が過大のものは柔軟性に欠
け、強度が低くなると同時に、未反応モノマーやオリゴ
マーの残留量が多くなる。膜が架橋型か非架橋型かは、
膜を溶解することのできる溶剤の有無で判定できる。架
橋型の場合には、ゲル状に膨潤することはあっても溶解
することはない。
【0014】ここで云う膨潤とは、架橋ポリマーについ
て定義された概念であり、同一化学構造の非架橋ポリマ
ーを溶解させる溶剤に架橋ポリマーを浸漬した場合に生
じる現象のことをいう。このような膨潤においては、一
般に、ポリマー中にポリマー重量の50%以上の溶剤を
含有することができる。
【0015】本発明に用いられるモノマーおよび/また
はオリゴマー(A)は有機、無機を問わず、エネルギー
線の照射により重合し、ポリマーとなる物質であればよ
く、ラジカル重合性、アニオン重合性、カチオン重合性
など任意のものであってよい。例えば、ビニル基、ビニ
リデン基、アクリル基、メタクリル基、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステルなどを含有するものである
が、エネルギー線の照射による重合速度が速いものが好
ましい。例えば、本発明に用いられるモノマーとして
は、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノ
キシエチル(メタ)アクリレート、n−ビニルピロリド
ン、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシ
エチル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−
(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニ
ル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロ
イルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン等
の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート等の3官能モノマー、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート等の4官能モノマージペ
ンタエリスリト−ルヘキサアクリレート等の6官能モノ
マー等が挙げられる。これらのモノマーを混合して用い
ることも勿論可能である。
【0016】本発明に用いられるオリゴマー(A)とし
ては、例えば、エネルギー線照射で重合可能で、重量平
均分子量が500〜50000のものであり、具体的に
は、例えばエポキシ樹脂のアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂のアクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステル、ポリブタジエン樹
脂のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、
分子末端にアクリル基またはメタクリル基を有するポリ
ウレタン樹脂等を挙げることができる。もちろんこれら
のオリゴマ−同士を混合して用いることもできるし、モ
ノマーと混合して用いることもできる。
【0017】本発明に用いられるオリゴマー(B)とし
ては、上記モノマーおよび/またはオリゴマー(A)と
相溶し、該モノマーおよび/またはオリゴマー(A)に
エネルギー線を照射することにより生成したポリマーと
相溶せず、かつエネルギー線に対して不活性なものであ
ればいかなるものでもよく、重量平均分子量が、200
以上10000以下である。例えば、本発明に用いられ
るオリゴマー(B)としては、液状ポリエチレングリコ
−ル、ポリエチレングリコ−ルのモノエステル、ポリエ
チレングリコールのモノエーテル、ポリエチレングリコ
ールソルビタンモノエステル、ポリエチレングリコール
ソルビタンジエステル、ポリエチレングリコールソルビ
タントリエステル、ポリエステルポリオール類、ポリエ
チレングリコ−ルアミン等が挙げられる。オリゴマー
(B)は単一組成であってもよいし、共重合体や混合物
であってもよい。
【0018】オリゴマー(B)は、膜の製造方法の違
い、モノマーおよび/またはオリゴマー(A)の種類、
必要とされる重合性溶液の粘度、ポリマーその他の添加
剤の溶解性、膜に必要とされる孔径や細孔の形状などに
より適宜選択することができる。
【0019】また、重合性液体にエネルギー線を照射し
た後、該オリゴマー(B)を除去する際に、安全衛生面
で利点のある水を用いることができるということからオ
リゴマー(B)は、水溶性であることが好ましい。
【0020】本発明に用いられるポリマー(C)として
は、上記モノマーおよび/またはオリゴマー(A)、又
は該モノマーおよび/またはオリゴマー(A)と溶剤と
の均一溶液に溶解し、該モノマーおよび/またはオリゴ
マー(A)にエネルギー線を照射することにより生成し
たポリマとは相溶せず、かつエネルギー線に対して不活
性なものであればいかなるものでもよい。例えば、酢酸
セルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、キトサン、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリカ−ボネ−ト、ポリスルホン、ポ
リエ−テルスルホン、ポリウレタン、ポリアクリロニト
リル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸、ポリ
メチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエチ
レングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメ
チルエーテル、ポリビニルアルコールおよびこれらの共
重合体等を挙げることができ、なかでも、キトサン、ポ
リアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール
が好ましい。
【0021】本発明に用いられるポリマー(C)は、
単一組成であってもよいし、共重合体や混合物であって
もよい。ポリマー(C)は、膜の製造方法の違い、モノ
マーおよび/またはオリゴマー(A)の種類、必要とさ
れる重合性溶液の粘度、ポリマーその他の添加剤の溶解
性、膜に必要とされる孔径や細孔の形状などにより適宜
選択することができる。また、重合性液体にエネルギー
線を照射した後、該ポリマー(C)を除去する際に、安
全衛生面で利点のある水を用いることができるというこ
とからポリマー(C)は、水溶性であることが好まし
い。
【0022】本発明に用いられる溶剤とは、モノマーお
よび/またはオリゴマー(A)、ポリマー(C)を均一
に溶解することができ、かつこれらのモノマーおよび/
またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射すること
により生成したポリマーを膨潤または溶解できるもので
あればいかなるものでもよい。例えば、オリゴマー
(A)として分子末端にアクリル基を有するポリウレタ
ン樹脂を用いる場合、アセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリ
ドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等
を好適に用いることができる。
【0023】オリゴマー(B)およびポリマー(C)
の、モノマーおよび/またはオリゴマ−に対する比率に
ついては、モノマーおよび/またはオリゴマ−1重量部
に対して0.1〜4.0重量部の範囲が望ましい。0.
1以下では、膜の空隙率が低くなり充分な透過量が得ら
れず、4.0以上では膜の強度が不充分となる。
【0024】モノマーおよび/またはオリゴマ−(A)
の選択については、重合性溶液の粘度、オリゴマー
(B)、ポリマー(C)や溶剤の種類と組み合わせ、生
成する多孔質高分子膜の強度、柔軟性、耐熱性、耐膨潤
性、細孔径、親水性の程度等により決定される。例え
ば、耐熱性に優れた多孔質高分子膜を得る為には、多官
能のモノマーおよび/またはオリゴマ−のみの系または
多官能のモノマーおよび/またはオリゴマ−を多く含有
する系を選択する。逆に、耐熱性を必要としない場合に
は、単官能のモノマーおよび/またはオリゴマ−のみの
系または単官能のモノマーおよび/またはオリゴマ−を
多く含有する系を選択しても良い。膜の空隙率を大きく
するためにオリゴマー(B)またはポリマー(C)の含
有量を増す場合には、膜強度を保つために高分子量のオ
リゴマー(A)を選択することが望ましい。また、用途
目的に応じて、親水性または撥水性の膜を得るため、水
酸基やカルボキシル基やスルホン酸基、アンモニウム
塩、またはフッ素やシリル基を含有するモノマーやオリ
ゴマーを選択し得るし、またこれらモノマーやオリゴマ
ーを混合することができる。
【0025】重合性溶液、即ちモノマーおよび/または
オリゴマ−(A)とオリゴマー(B)との混合液、モノ
マーおよび/またはオリゴマー(A)とポリマー(C)
の混合溶液、モノマーおよび/またはオリゴマー
(A)、溶剤、およびポリマー(C)の混合溶液に必要
に応じ、重合開始剤、増感剤、増粘剤、ポリマーなどを
添加することも可能である。重合性溶液の粘度は特に制
約を設ける必要はなく、任意に調節し得るが25℃にお
いて100cps以上1000000cps以下である
ことが好ましい。重合性溶液の粘度は、細孔の形状に影
響し、一般的にいって、重合性溶液が低粘度であると、
細孔の形状が、互いに接着した粒状ポリマーの間隙とし
て与えられることが多く、逆に高粘度であると網状に析
出したポリマーの間隙として与えられることが多い。ま
た、高粘度であるほど孔径が小さくなり、低粘度である
ほど孔径が大きくなる傾向が有る。孔径はまた、モノマ
ーおよび/またはオリゴマ−(A)とオリゴマー(B)
またはポリマー(C)との混合比の影響も大きく、モノ
マーおよび/またはオリゴマ−(A)の比率が、ある程
度以上高くなると孔径が小さくなる傾向がある。勿論こ
れらの挙動はモノマーおよび/またはオリゴマー(A)
やオリゴマー(B)およびポリマー(C)の種類により
変わり得るものであり、これらの材質の組み合わせや膜
の目的性能により適宜決定することができる。
【0026】本発明に用いられるエネルギー線として
は、電子線、γ線、X線、紫外線、可視光線等を用いる
ことが出来る。なかでも装置および取扱いの簡便さから
紫外線を用いることが望ましい。照射する紫外線の強度
は、10〜500mW/cm2が望ましく、照射時間
は、一般に0.1〜100秒程度である。また、フラッ
シュ光の使用も可能である。エネルギ−線として紫外線
や可視光線を用いる場合には、重合速度を速める目的
で、重合性溶液に光重合開始剤を含有させることも可能
である。また、紫外線の照射を不活性ガス雰囲気下で行
うことによって、さらに重合速度を速めることが可能で
ある。
【0027】電子線もまた本発明に用いることのできる
好ましいエネルギー線である。電子線を用いると、溶
剤、非溶剤、その他の添加剤などの柴外線吸収の影響を
受けないため、これらの選択の幅が広がると共に、製膜
速度も向上する。
【0028】本発明の重合性溶液に混合可能な紫外線重
合開始剤としては、p−tert−ブチルトリクロロア
セトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン
−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、
4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−ク
ロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−
エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン等のケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;ベンジルジ
メチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン等のベンジルケタール類等を挙げることができる。
【0029】本発明において重合性溶液にエネルギー線
を照射する方法としては、支持体上に、ディップ法、ロ
−ルコ−ティング法、ドクタ−ブレ−ド法、スピンコ−
ティング法、スプレ−法等により塗布することにより薄
膜状に形成した状態で照射する方法、ノズルより中空糸
状または、カーテン状に押しだし空中を落下する状態で
照射する方法を用いることができる。支持体としては、
金属、セラミックス、ガラス、プラスティック、布、不
織布、紙、精密濾過膜、多孔質中空糸等を用いることが
できる。支持体としてベルト状のものもしくは多孔質中
空糸を用いる場合には、連続して薄膜を形成することが
できる。膜は最終的には支持体から剥離しても良いし、
支持体が多孔質である場合には一体化されたままで用に
供することもできる。
【0030】得られた多孔質高分子膜は、洗浄により細
孔内に充填されたオリゴマー(B)、ポリマー(C)、
未反応のモノマーおよび/またはオリゴマー(A)、紫
外線重合開始剤、その他の添加剤などを除去する。ま
た、得られた多孔質高分子膜は、必要に応じ熱処理を行
い、細孔径の調節や、耐熱性や寸法安定性の増加を計る
ことも可能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲がこれにより限定されるもの
ではない。
【0032】[実施例1] (重合性溶液の調製)分子量800で1分子内に平均し
て3個のアクリル基を有するウレタンアクリレートオリ
ゴマー60部、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト40部、イルガキュア−184(1ーヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、紫外線重合開始剤、チバガ
イギ−社製)2部、ポリエチレングリコールモノラウレ
ート160部を混合し、23℃における粘度500cp
sの重合性溶液1を得た。 (多孔質高分子膜の作製)フィルムアプリケ−タ−によ
りガラス板上に重合性溶液1を、厚みが200μmと成
るように塗布した。メタルハライドランプにより360
nmの強度が100mW/cm2の紫外線を10秒間照
射した。照射前には透明であった塗膜が照射後には、乳
白色に変化していることが観察された。得られた乳白色
の膜をガラス板より剥離し、30分間水洗することによ
りポリエチレングリコールモノラウレートを洗い出し
た。洗浄後の膜を減圧下充分に乾燥させることにより多
孔質高分子膜を得た。電子顕微鏡によれば、互いに接着
したポリマー粒子と、その間隙として与えられる細孔と
が観察された。細孔径および細孔形状は多孔質高分子膜
の表面、および膜断面におけるどの位置においてもほぼ
同じであった。1cm角に切断した多孔質高分子膜を水
銀ポロシメーター(カルロエルバ社製)にて測定したと
ころ、孔径分布のピークは0.8μm、体積空隙率は5
1.5%であった。
【0033】(濾過性能の評価)ザルトリウス社製限外
濾過装置SM−165−26を用いて、全濾過法で、2
5℃の水を透過させたところ、フラックスは14000
l/m2・hr(圧力3Kg/cm2)であった。圧力3
Kg/cm2での 濾過試験を室温にて24時間継続した
ところ、フラックスの低下率は2%と殆ど低下しなかっ
た。また、この多孔質高分子膜を80℃水中にて1時間
熱処理した後の、70℃の水のフラックスは19000
l/m2・hrであり、圧力3Kg/cm2、70℃での
濾過試験を24時間継続したときのフラックスの低下率
は3%であった。一方、この多孔質高分子膜をアクリル
系ポリマーの溶剤であるジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどに浸漬した
ところ、膨潤し透明になったが溶解することはなかっ
た。
【0034】[実施例2] (中空糸膜の作成)直径6mm、スリット幅0.4m
m、芯剤注入孔径2mmの円環ノズルを使用し、芯剤と
して水を注入しつつ、重合性溶液1を80ml/分(吐
出線速度19cm/秒)で空気中に押し出し、ノズル下
30〜60cmの範囲を、6KWメタルハライドランプ
により波長360nmの紫外線を集光ミラーを用いて照
射した。硬化した中空糸は、ノズル下150cmの位置
にある台上に落下させた。得られた湿潤中空糸は外径
0.8mm、内径0.4mmであり、乳白色を呈してい
た。中空糸の生成速度は350cm/秒であり、ドラフ
ト比は18と計算される。この中空糸を水及びエタノー
ルにて洗浄し、減圧下に十分乾燥させて、表面に光沢を
有しない白色の中空糸膜を得た。
【0035】(中空糸膜の特性)この中空糸膜は、外径
0.75mm、内径0.4mmであり、電子顕微鏡によ
れば、互いに接着したポリマー粒子と、その間隙として
与えられる細孔とが観察された。細孔径および細孔形状
は中空糸膜の内表面、外表面、および膜断面におけるど
の位置においてもほぼ同じであった。長さ1cmに切断
した中空糸膜0.3gを水銀ポロシメーター(カルロエ
ルバ社製)にて測定したところ、孔径分布のピークは
0.8μm、体積空隙率は50.4%であった。
【0036】[実施例3] (多孔性支持体に裏打ちされた多孔質膜の作成)バーコ
ーターにて、ガラス板上に設置した日本バイリーン
(株)製ポリエステル不織布MF−180上に、重合製
溶液1を塗布し、メタルハライドランプにより360n
mの強度が100mW/cm2 の紫外線を10秒間照射
した。得られた乳白色の膜を水及びエタノールにて充分
洗浄することにより不織布に裏打ちされた多孔質膜を得
た。塗布された重合性溶液の不織布への浸透量は適切で
あり、不織布裏側への重合性溶液のしみだしは、僅かで
あった。得られた多孔質膜は、不織布と充分に一体化さ
れており両者を剥離することは不可能であった。
【0037】得られた高分子膜の重合性溶液が塗布され
た側の表面の電子顕微鏡観察によれば、互いに接着した
ポリマー粒子と、その間隙として与えられる細孔とが観
察された。1cm角に切断した多孔質高分子膜を水銀ポ
ロシメーター(カルロエルバ社製)にて測定したとこ
ろ、孔径分布のピークは0.8μm、体積空隙率は5
1.8%であった。
【0038】[実施例4] (重合性溶液の調製)重量平均分子量1000で1分子
内に平均して2個のアクリル基を有するエポキシアクリ
レートオリゴマー80部、フェノキシエチルアクリレー
ト20部、イルガキュアー184を4部、ポオエチレン
グリコールソルビタンモノラウレート200部を混合
し、23℃における粘度2000cpsの重合性溶液2
を得た。
【0039】(中空糸膜の作製)直径2mm、スリット
幅0.2mm、芯剤注入孔径0.8mmの円環ノズルを
使用し、芯剤として窒素ガスを注入しつつ、重合性溶液
2を68ml/分(吐出線速度100cm/秒)で窒素
雰囲気中に押し出し、ノズル下10〜80cmの範囲
を、6KWメタルハライドランプにより波長360nm
の紫外線を集光ミラーを用いて照射した。硬化した中空
糸は、ノズル下250cmの位置にある台上に落下させ
た。得られた湿潤中空糸は外径1.4mm、内径1.0
mmであった。この時、中空糸の生成速度は144cm
/秒であり、このことからドラフト比は1.44と計算
される。この中空糸を水及びエタノールにて洗浄し、減
圧下に十分乾燥させて、表面に光沢を有しない白色の中
空糸膜を得た。
【0040】この中空糸膜は外径1.3mm、内径1.
0mmであり、電子顕微鏡観察によれば、互いに接着し
たポリマー粒子と、その間隙として与えられる細孔とが
観察された。細孔径および細孔形状は中空糸膜の内表
面、外表面、および膜断面におけるどの位置においても
ほぼ同じであった。実施例1と同様にして測定した孔径
分布のピークは0.6μm、体積空隙率は49.4%で
あった。
【0041】[実施例5] (多孔性支持体に裏打ちされた多孔質膜の作成)バーコ
ーターにてガラス板上に設置した東洋濾紙(株)製定性
濾紙No.2上に、重合製溶液2を塗布し、メタルハラ
イドランプにより360nmの強度が100mW/cm
2 の紫外線を10秒間照射した。得られた乳白色の膜を
水及びエタノールにて充分洗浄することにより濾紙に裏
打ちされた多孔質膜を得た。塗布された重合性溶液の濾
紙への浸透量は適切であり、濾紙裏側への重合性溶液の
しみだしは、僅かであった。得られた多孔質膜は、濾紙
と充分に一体化されており両者を剥離することは不可能
であった。
【0042】得られた高分子膜の重合性溶液が塗布され
た側の表面の電子顕微鏡観察によれば、互いに接着した
ポリマー粒子と、その間隙として与えられる細孔とが観
察された。1cm角に切断した多孔質高分子膜を水銀ポ
ロシメーター(カルロエルバ社製)にて測定したとこ
ろ、孔径分布のピークは0.6μm、体積空隙率は5
2.5%であった。
【0043】[実施例6] (重合性溶液の調製)重量平均分子量3000で1分子
内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンアクリ
レートオリゴマー80部、ネオペンチルグリコールジア
クリレート20部、イルガキュアー651(ベンジルジ
メチルケタール、柴外線重合開始剤、チバガイギー社
製)を4部、クラポールP−510〔クラレ(株)製ポ
リエステルオリゴマー〕160部、アセトン20部を混
合し、23℃における粘度2000cpsの重合性溶液
3を得た。
【0044】(多孔質高分子膜の作製)フィルムアプリ
ケ−タ−によりガラス板上に重合性溶液3を、厚みが2
00μmと成るように塗布した。そのガラス板を、窒素
気流下に2分間放置することによってアセトンの一部を
揮発させた後、メタルハライドランプにより360nm
の強度が100mW/cm2 の紫外線を10秒間照射し
た。照射前には透明であった塗膜が照射後には、乳白色
に変化していることが観察された。得られた乳白色の膜
をガラス板より剥離し、アセトンで洗浄することにより
クラポールP−510を洗い出した。洗浄後の膜を減圧
下充分に乾燥させることにより多孔質高分子膜を得た。
電子顕微鏡によれば、互いに接着したポリマー粒子と、
その間隙として与えられる細孔とが観察された。細孔径
は多孔質高分子膜の表面では0.02μm程度、ガラス
板側では1μm程度であった。1cm角に切断した多孔
質高分子膜を水銀ポロシメーター(カルロエルバ社製)
にて測定したところ、孔径分布のピークは0.8μm、
体積空隙率は45.2%であった。
【0045】(濾過性能の評価)ザルトリウス社製限外
濾過装置SM−165−26を用いて、分子量5万のポ
リエチレングリコ−ルの0.3%水溶液の濾過実験を行
った。濾過温度が25℃、濾過圧力が3Kg/cm2
おけるポリエチレングリコ−ル水溶液のFLUXは12
0l/m2・hr、ポリエチレングリコ−ルの阻止率
は、80%であった。
【0046】[実施例7] (重合性溶液の調製)分子量800で1分子内に平均し
て3個のアクリル基を有するウレタンアクリレートオリ
ゴマー60部、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト40部、イルガキュアー184を2部、重量平均分子
量10000のポリビニルピロリドン100部、n−メ
チルピロリドン150部を混合し、23℃における粘度
3000cpsの重合性溶液4を得た。
【0047】(多孔質高分子膜の作製)フィルムアプリ
ケ−タ−によりガラス板上に重合性溶液4を、厚みが2
00μmと成るように塗布した。メタルハライドランプ
により360nmの強度が100mW/cm2 の紫外線
を10秒間照射した。照射前には透明であった塗膜が照
射後には、乳白色に変化していることが観察された。得
られた乳白色の膜をガラス板より剥離し、30分間水洗
することによりポリビニルピロリドンおよびn−メチル
ピロリドンを洗い出した。洗浄後の膜を減圧下充分に乾
燥させることにより多孔質高分子膜を得た。電子顕微鏡
によれば、3次元の網状に析出したポリマーの間隙とし
て与えられる細孔が観察された。細孔径および細孔形状
は多孔質高分子膜の表面、および膜断面におけるどの位
置においてもほぼ同じであった。1cm角に切断した多
孔質高分子膜を水銀ポロシメーター(カルロエルバ社
製)にて測定したところ、孔径分布のピークは0.4μ
m、体積空隙率は49.5%であった。
【0048】(濾過性能の評価)ザルトリウス社製限外
濾過装置SM−165−26を用いて、全濾過法で、2
5℃の水を透過させたところ、フラックスは6000l
/m2・hr(圧力3Kg/cm2)であった。圧力3K
g/cm2での 濾過試験を室温にて24時間継続したと
ころ、フラックスの低下率は2%と殆ど低下しなかっ
た。また、この多孔質高分子膜を80℃水中にて1時間
熱処理した後の、70℃の水のフラックスは12000
l/m2・hrであり、圧力3Kg/cm2、70℃での
濾過試験を24時間継続したときのフラックスの低下率
は3%であった。一方、この多孔質高分子膜をアクリル
系ポリマーの溶剤であるジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホオキシドなどに浸漬し
たところ、膨潤し透明になったが溶解することはなかっ
た。
【0049】[実施例8] (中空糸膜の作製)重合性溶液4を用いたこと、芯剤と
して窒素ガスを用いた以外は実施例2と同様にして中空
糸を紡糸した。得られた湿潤中空糸は外径0.8mm、
内径0.4mmであり、乳白色を呈していた。中空糸の
生成速度は350cm/秒であり、ドラフト比は18と
計算される。この中空糸を水及びエタノールにて洗浄
し、減圧下に十分乾燥させて、表面に光沢を有しない白
色の中空糸膜を得た。
【0050】(中空糸膜の特性)この中空糸膜は、外径
0.74mm、内径0.4mmであり、電子顕微鏡によ
れば、3次元の網状に析出したポリマーの間隙として与
えられる細孔が観察された。細孔径および細孔形状は中
空糸膜の内表面、外表面、および膜断面におけるどの位
置においてもほぼ同じであった。長さ1cmに切断した
中空糸膜0.3gを水銀ポロシメーター(カルロエルバ
社製)にて測定したところ、孔径分布のピークは0.6
μm、体積空隙率は49.4%であった。
【0051】[実施例9] (重合性溶液の調整)重量平均分子量1000で1分子
内に平均して2個のアクリル基を有するエポキシアクリ
レートオリゴマー80部、フェノキシエチルアクリレー
ト20部、イルガキュア184を2部、酢酸セルロース
50部、ジメチルアセトアミド150部を混合し、23
℃における粘度4000cpsの重合性溶液5を得た。
【0052】(多孔性支持体に裏打ちされた多孔質膜の
作成)バーコーターにて東洋濾紙(株)製定性濾紙N
o.2上に、重合製溶液5を塗布し、メタルハライドラ
ンプにより360nmの強度が100mW/cm2 の紫
外線を10秒間照射した。得られた乳白色の膜をアセト
ン及びエタノールにて充分洗浄することにより濾紙に裏
打ちされた多孔質膜を得た。塗布された重合性溶液の濾
紙への浸透量は適切であり、濾紙裏側への重合性溶液の
しみだしは、僅かであった。得られた多孔質膜は、濾紙
と充分に一体化されており両者を剥離することは不可能
であった。
【0053】得られた高分子膜の重合性溶液が塗布され
た側の表面の電子顕微鏡観察によれば、3次元の網状に
析出したポリマーの間隙として与えられる細孔が観察さ
れた。1cm角に切断した多孔質高分子膜を水銀ポロシ
メーター(カルロエルバ社製)にて測定したところ、孔
径分布のピークは0.15μm、体積空隙率は32.0
%であった。
【0054】[実施例10] (重合性溶液の調整)2,2’−ビス(4−アクリロイ
ルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン50
部、ネオペンチルグリコールジアクリレート20部、n
−ビニルピロリドン30部、イルガキュア184を2
部、ポリアクリルアミド100部を混合し、23℃にお
ける粘度4000cpsの重合性溶液6を得た。
【0055】(多孔性支持体に裏打ちされた多孔質膜の
作成)バーコーターにて東洋濾紙(株)製定性濾紙N
o.2上に、重合製溶液6を塗布し、メタルハライドラ
ンプにより360nmの強度が100mW/cm2の紫
外線を10秒間照射した。得られた乳白色の膜をアセト
ン及びエタノールにて充分洗浄することにより濾紙に裏
打ちされた多孔質膜を得た。塗布された重合性溶液の濾
紙への浸透量は適切であり、濾紙裏側への重合性溶液の
しみだしは、僅かであった。得られた多孔質膜は、濾紙
と充分に一体化されており両者を剥離することは不可能
であった。
【0056】得られた高分子膜の重合性溶液が塗布され
た側の表面の電子顕微鏡観察によれば、3次元の網状に
析出したポリマーの間隙として与えられる細孔が観察さ
れた。1cm角に切断した多孔質高分子膜を水銀ポロシ
メーター(カルロエルバ社製)にて測定したところ、孔
径分布のピークは0.10μm、体積空隙率は36.5
%であった。
【0057】[比較例1]本比較例では、湿式法により
作製された多孔質膜は、耐クリープ性や耐熱性に劣るこ
とを示す。
【0058】(中空糸膜の作製)ポリスルホン(アモコ
製、P−1800NT)30部をn−メチルピロリドン
70部に溶解させたド−プを、直径2mm、スリット幅
0.2mm、芯剤注入孔径0.8mmの円環ノズルを使
用し、芯剤として水を注入しつつ、0.75ml/分
(吐出線速度1.1cm/秒)で水中に押し出し、ロー
ラーにて1.25cm/秒(ドラフト比1.15)で引
き取りつつ水中に約10分間滞留させた後、取り出し、
水洗、乾燥して、外径1.8mm、内径1.45mmの
中空糸膜を得た。
【0059】(中空糸膜の特性)この中空糸膜を電子顕
微鏡観察したところ、網目状のポリマーと、断面が円に
近い細孔とが観察された。細孔の形状および直径は中空
糸膜の内表面、外表面、および膜断面におけるどの位置
においてもほぼ等しかった。実施例1と同様にして測定
した孔径分布のピークは2.5μm、体積空隙率は4
9.1%であった。
【0060】実施例1と同様にして測定したフラックス
は100000l/時・m2であり、この濾過試験を2
4時間継続した時のフラックスの低下率は33%であっ
た。また、この中空糸膜を80℃水中にて1時間熱処理
した膜の、70℃の水のフラックスは70000l/分
・m2であり、さらに70℃での濾過試験を24時間継
続したときのフラックスの低下率は5%であった。
【0061】実施例1と同じ方法による中空糸膜の耐圧
強度は10.1Kg/cm2であった。この膜を、ジメ
チルホルムアミド、塩化メチレン、アセトンなどに浸漬
したところ、完全に溶解した。
【0062】[比較例2]本比較例では、特公昭56−
34329号公報、特公昭63−65220号公報に推
奨されているような非溶剤を用いれば、中空糸膜の製造
が困難であることを示す。
【0063】(重合性溶液の調整)分子量800で1分
子内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンアク
リレートオリゴマー60部、トリプロピレングリコール
ジアクリレート40部、イルガキュア−184(1ーヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、紫外線重合開
始剤、チバガイギ−社製)2部、カプリン酸メチル16
0部を混合し、23℃における粘度20cpsの重合性
溶液6を得た。
【0064】(中空糸膜の作成)重合性溶液6を用いた
こと以外は実施例2と同様にして中空糸を紡糸しようと
したが、糸径分布が甚だしく数珠状となった。
【0065】[比較例3]本比較例では、特公昭56−
34329号公報、特公昭63−65220号公報に推
奨されているような非溶剤を用いれば、多孔性支持体に
裏打ちされた多孔質膜の作成が困難であることを示す。
【0066】(重合性溶液の調整)分子量1000で1
分子内に平均して2個のアクリル基を有するエポキシア
クリレートオリゴマー60部、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート40部、イルガキュア−184(1ー
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、紫外線重合
開始剤、チバガイギ−社製)2部、ブタノール160部
を混合し、23℃における粘度19cpsの重合性溶液
7を得た。
【0067】(多孔性支持体に裏打ちされた多孔質膜の
作成)バーコーターにてガラス板上に設置した日本バイ
リーン(株)製ポリエステル不織布MF−180上に、
重合製溶液7を塗布したところほぼ全量がガラス板上に
流れてしまい不職布に裏打ちされた多孔質膜の作成が不
可能であった。
【0068】[比較例4]本比較例では、オリゴマー
(B)もしくはポリマー(C)を重合性溶液に加えなけ
れば多孔質高分子膜が得られないことを示す。
【0069】(重合性溶液の調製)分子量800で1分
子内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンアク
リレートオリゴマー60部、トリプロピレングリコール
ジアクリレート40部、イルガキュア184(1ーヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、紫外線重合開始
剤、チバガイギー社製)2部を混合し、23℃における
粘度1200cpsの重合製溶液8を得た。
【0070】(高分子膜の作成)フィルムアプリケータ
ーによりガラス板上に重合性溶液8を、厚みが200μ
mとなるように塗布した。メタルハライドランプにより
360nmの強度が100mW/cm2の紫外線を10
秒間照射した。得られた無色透明の膜をガラス板より剥
離することにより高分子膜を得た。電子顕微鏡によれ
ば、高分子膜の表面及び膜断面には細孔が観察されなか
った。
【0071】[比較例5]本比較例では、ポリマー
(C)を重合性溶液にエネルギー線を照射した後に除去
しなければ多孔質高分子膜が得られないことを示す。
【0072】(高分子膜の作成)フィルムアプリケータ
ーによりガラス板上に実施例7の重合性溶液4を、厚み
が200μmとなるように塗布した。メタルハライドラ
ンプにより360nmの強度が100mW/cm2の紫
外線を10秒間照射した。得られた半透明の膜をガラス
板より剥離することにより高分子膜を得た。電子顕微鏡
によれば、高分子膜の表面及び膜断面には細孔が観察さ
れなかった。
【0073】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られる多孔質
高分子膜は、架橋構造を有する為、強度、耐クリープ
性、耐熱性、耐薬品性に優れるという特徴を有する。ま
た、100cps以上の高粘度の重合性溶液が得られる
ため、中空糸状の多孔質膜、不織布、布、紙、精密濾過
膜等の多孔性支持体に裏打ちされた多孔質膜を容易に製
造できるという特徴を有する。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エネルギー線の照射により重合可能なモノ
    マーおよび/またはオリゴマー(A)と、該モノマーお
    よび/またはオリゴマー(A)と相溶し、該モノマーお
    よび/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射す
    ることにより生成したポリマーと相溶せず、かつエネル
    ギー線に対して不活性なオリゴマー(B)とを混合した
    均一な重合性液体にエネルギー線を照射した後、該オリ
    ゴマー(B)を除去することを特徴とする多孔質高分子
    膜の製造方法。
  2. 【請求項2】重合性液体の粘度が、25℃において10
    0cps以上1000000cps以下である請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】オリゴマー(B)の重量平均分子量が、2
    00以上10000以下である請求項1記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】オリゴマー(B)が、水溶性である請求項
    1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】オリゴマー(B)が、液状ポリエチレング
    リコ−ル、ポリエチレングリコ−ルのモノエステル、ポ
    リエチレングリコールのモノエーテル、ポリエチレング
    リコールソルビタンモノエステル、ポリエチレングリコ
    ールソルビタンジエステル、ポリエチレングリコールソ
    ルビタントリエステル、ポリエステルポリオール類、ポ
    リエチレングリコ−ルアミン、からなる群から選ばれた
    1種以上の液体である請求項1、2又は3記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】エネルギー線の照射により重合可能なモノ
    マーおよび/またはオリゴマー(A)と、該モノマーお
    よび/またはオリゴマー(A)、又は該モノマーおよび
    /またはオリゴマー(A)と溶剤との均一溶液に溶解
    し、該モノマーおよび/またはオリゴマー(A)にエネ
    ルギー線を照射することにより生成したポリマとは相溶
    せず、かつエネルギー線に対して不活性なポリマー
    (C)とを混合した均一な重合性液体にエネルギー線を
    照射した後、該ポリマ(C)を除去することを特徴とす
    る多孔質高分子膜の製造方法。
  7. 【請求項7】重合性液体の粘度が、25℃において10
    0cps以上1000000cps以下である請求項6
    記載の製造方法。
  8. 【請求項8】ポリマー(C)が、酢酸セルロース、エチ
    ルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシメチルセ
    ルロース、キトサン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
    ポリカ−ボネ−ト、ポリスルホン、ポリエ−テルスルホ
    ン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリ
    ル酸エステル、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレ
    ート、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、
    ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテルおよ
    びポリビニルアルコールからなる群から選ばれた1種以
    上のポリマーである請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】ポリマー(C)が、水溶性である請求項6
    又は7記載の製造方法。
  10. 【請求項10】ポリマー(C)が、キトサン、ポリアク
    リル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコー
    ル、ポリビニルピロリドン、およびポリビニルアルコー
    ルからなる群から選ばれた1種以上のポリマーである請
    求項6又は7記載の製造方法。
  11. 【請求項11】エネルギー線に紫外線または電子線を用
    いる請求項1又は6記載の製造方法。
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