JPH05271027A - 生物付着防止管の製造方法 - Google Patents
生物付着防止管の製造方法Info
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- JPH05271027A JPH05271027A JP4066269A JP6626992A JPH05271027A JP H05271027 A JPH05271027 A JP H05271027A JP 4066269 A JP4066269 A JP 4066269A JP 6626992 A JP6626992 A JP 6626992A JP H05271027 A JPH05271027 A JP H05271027A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 海生物の付着を防止し、耐久性に優れ、メン
テナンスの必要がなく、また毒性のない生物付着防止管
の簡単な製造方法を提供する。 【構成】 芯棒1にベリリウム銅合金の薄板2を螺旋状
に巻き付け、電気絶縁性の樹脂製の管3内に挿入し接着
する。次いで、芯棒1を抜き取る。得られた管体7は、
管3の内周壁面にベリリウム銅合金の薄板2が形成され
る。ベリリウム銅合金は、ベリリウム含有率が0.2〜
2.8重量%であり、Be−Cu合金、Be−Co−C
u合金、Be−Co−Si−Cu合金またはBe−Ni
−Cu合金からの群から選ばれる。この製造方法による
と、とかく形成が困難な管の内周壁に簡便な手段でベリ
リウム銅合金薄板を内張りできる。ベリリウム銅合金
は、防汚機能の発揮効果と、銅イオンの溶出の持続作用
を有する。
テナンスの必要がなく、また毒性のない生物付着防止管
の簡単な製造方法を提供する。 【構成】 芯棒1にベリリウム銅合金の薄板2を螺旋状
に巻き付け、電気絶縁性の樹脂製の管3内に挿入し接着
する。次いで、芯棒1を抜き取る。得られた管体7は、
管3の内周壁面にベリリウム銅合金の薄板2が形成され
る。ベリリウム銅合金は、ベリリウム含有率が0.2〜
2.8重量%であり、Be−Cu合金、Be−Co−C
u合金、Be−Co−Si−Cu合金またはBe−Ni
−Cu合金からの群から選ばれる。この製造方法による
と、とかく形成が困難な管の内周壁に簡便な手段でベリ
リウム銅合金薄板を内張りできる。ベリリウム銅合金
は、防汚機能の発揮効果と、銅イオンの溶出の持続作用
を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ふじつぼ、紫い貝、藻
類のような海生物の付着を防止する機能をもつ防汚構造
体に関するものである。
類のような海生物の付着を防止する機能をもつ防汚構造
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海水に接触している海洋構造体は、常に
海生物の付着による汚損に曝されている。そのため、通
常の海洋構造体は、外観が損なわれるのみならず、機能
的な障害を生ずることとなる。例えば船舶の場合、船体
の底面等への海生物の付着により抵抗が増加して船体の
推進速度が低下する。また火力発電所の場合、海水の取
水ピットに海生物が付着すると、冷却媒体である海水の
流通障害が発生し、発電を停止せざるを得ない事態に至
ることがある。
海生物の付着による汚損に曝されている。そのため、通
常の海洋構造体は、外観が損なわれるのみならず、機能
的な障害を生ずることとなる。例えば船舶の場合、船体
の底面等への海生物の付着により抵抗が増加して船体の
推進速度が低下する。また火力発電所の場合、海水の取
水ピットに海生物が付着すると、冷却媒体である海水の
流通障害が発生し、発電を停止せざるを得ない事態に至
ることがある。
【0003】このため、従来から多くの海生物付着防止
技術が研究されているが、そのうち現在実用化されてい
る海生物付着防止技術の一つは、亜酸化銅あるいは有機
スズを含有する塗料を海洋構造体の海水との接触面に塗
布する方法である。また、特開昭60−209505号
公報には、銅または銅合金からなる板の一面にプライマ
ー層を設け、その上に粘着材層を形成した生物付着防止
用粘着体が開示されている。
技術が研究されているが、そのうち現在実用化されてい
る海生物付着防止技術の一つは、亜酸化銅あるいは有機
スズを含有する塗料を海洋構造体の海水との接触面に塗
布する方法である。また、特開昭60−209505号
公報には、銅または銅合金からなる板の一面にプライマ
ー層を設け、その上に粘着材層を形成した生物付着防止
用粘着体が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の塗料を用いた防汚方法によると、塗料を厚塗りし
たとしても塗料が剥離しやすいため、顕著な防汚効果を
発揮する寿命は1年程度であり、毎年塗布し直す煩雑な
メンテナンス作業が必要となる。また特開昭60−20
9505号公報に示される海生物付着防止体は、銅また
は銅−ニッケル(Cu−Ni)合金であり、耐食性およ
び防汚性能が不十分である。
従来の塗料を用いた防汚方法によると、塗料を厚塗りし
たとしても塗料が剥離しやすいため、顕著な防汚効果を
発揮する寿命は1年程度であり、毎年塗布し直す煩雑な
メンテナンス作業が必要となる。また特開昭60−20
9505号公報に示される海生物付着防止体は、銅また
は銅−ニッケル(Cu−Ni)合金であり、耐食性およ
び防汚性能が不十分である。
【0005】本発明者の長年の実験研究によると、ベリ
リウム銅合金を海洋構造体に使用すると、極めて優れた
防汚効果を得ることができることが判明した。これは、
ベリリウムイオンが銅イオンと相乗的に作用し、海生物
に対して大きな忌避効果を発揮し、また海生物の繁殖を
防止するためと推定される。ベリリウム銅合金は、防汚
機能の発揮効果と銅イオンの溶出の持続作用とを有する
ことが本発明者によって見出された。
リウム銅合金を海洋構造体に使用すると、極めて優れた
防汚効果を得ることができることが判明した。これは、
ベリリウムイオンが銅イオンと相乗的に作用し、海生物
に対して大きな忌避効果を発揮し、また海生物の繁殖を
防止するためと推定される。ベリリウム銅合金は、防汚
機能の発揮効果と銅イオンの溶出の持続作用とを有する
ことが本発明者によって見出された。
【0006】本発明の目的は、海生物の付着を防止し、
耐久性に優れ、メンテナンスの必要がなく、また毒性の
ない管体の簡単な製造方法を提供することである。
耐久性に優れ、メンテナンスの必要がなく、また毒性の
ない管体の簡単な製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明による生物付着防止管の製造方法は、芯棒の外
周にベリリウム銅合金の薄板を螺旋状に巻き、この薄板
の外周に電気絶縁性樹脂を形成し、しかる後、前記芯棒
を抜くことを特徴とする。前記ベリリウム銅合金は、ベ
リリウム含有率が0.2〜2.8重量%であり、Be−
Cu合金、Be−Co−Cu合金、Be−Co−Si−
Cu合金またはBe−Ni−Cu合金からの群から選ば
れるいずれか1種であることを特徴とする。 前記ベリ
リウム銅合金の組成は、例えば Be:0.2〜1.
0重量%、Co:2.4〜2.7重量%、残部Cuおよ
び不可避不純物、Be:0.2〜1.0重量%、N
i:1.4〜2.2重量%、残部Cuおよび不可避不純
物、Be:1.0〜2.0重量%、Co:0.2〜
0.6重量%、残部Cuおよび不可避不純物、Be:
1.6〜2.8重量%、Co:0.4〜1.0重量%、
Si:0.2〜0.35重量%、残部Cuおよび不可避
不純物等である。
の本発明による生物付着防止管の製造方法は、芯棒の外
周にベリリウム銅合金の薄板を螺旋状に巻き、この薄板
の外周に電気絶縁性樹脂を形成し、しかる後、前記芯棒
を抜くことを特徴とする。前記ベリリウム銅合金は、ベ
リリウム含有率が0.2〜2.8重量%であり、Be−
Cu合金、Be−Co−Cu合金、Be−Co−Si−
Cu合金またはBe−Ni−Cu合金からの群から選ば
れるいずれか1種であることを特徴とする。 前記ベリ
リウム銅合金の組成は、例えば Be:0.2〜1.
0重量%、Co:2.4〜2.7重量%、残部Cuおよ
び不可避不純物、Be:0.2〜1.0重量%、N
i:1.4〜2.2重量%、残部Cuおよび不可避不純
物、Be:1.0〜2.0重量%、Co:0.2〜
0.6重量%、残部Cuおよび不可避不純物、Be:
1.6〜2.8重量%、Co:0.4〜1.0重量%、
Si:0.2〜0.35重量%、残部Cuおよび不可避
不純物等である。
【0008】
【作用】本発明による生物付着防止管の製造方法は、芯
棒を利用し、芯棒の外周にベリリウム銅合金の薄板を螺
旋状に巻き、この薄板の外周に電気絶縁性樹脂を形成
し、しかる後、前記芯棒を抜くから、とかく形成が困難
な内周壁に簡便な手段でベリリウム銅合金薄板を内張り
できる。
棒を利用し、芯棒の外周にベリリウム銅合金の薄板を螺
旋状に巻き、この薄板の外周に電気絶縁性樹脂を形成
し、しかる後、前記芯棒を抜くから、とかく形成が困難
な内周壁に簡便な手段でベリリウム銅合金薄板を内張り
できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。海水を流す管の製造方法についての本発明の第1
実施例を図1に示す。図1(A)に示すように、芯棒1
にベリリウム銅合金の薄板2を螺旋状に巻き付ける。こ
れに、図1(B)に示すように、電気絶縁性の樹脂3を
外殻に被覆し薄板2と接着する。次いで、芯棒1を抜き
取る。得られた管体7は、図1(C)に示すように、内
周壁面にベリリウム銅合金の薄板2が形成される。
する。海水を流す管の製造方法についての本発明の第1
実施例を図1に示す。図1(A)に示すように、芯棒1
にベリリウム銅合金の薄板2を螺旋状に巻き付ける。こ
れに、図1(B)に示すように、電気絶縁性の樹脂3を
外殻に被覆し薄板2と接着する。次いで、芯棒1を抜き
取る。得られた管体7は、図1(C)に示すように、内
周壁面にベリリウム銅合金の薄板2が形成される。
【0010】このベリリウム銅合金は、防汚機能の発揮
効果と、銅イオンの溶出の持続作用を有する。この防汚
機能の発揮効果と、銅イオンの溶出の持続作用を詳述す
ると、次のとおりである。 防汚機能の発揮効果 ベリリウム、銅、ニッケルのイオン化傾向は、Be>N
i>Cuであることが文献より知られており、左側の元
素の方が溶出しやすいことを示している。ベリリウム銅
の場合、ベリリウムが先に溶出し局部電池を形成し電流
効果により生物付着防止効果を発揮するとともに、ベリ
リウムイオンは内部酸化という酸化形態を取る。この内
部酸化は、内部にBeO皮膜を形成するが、このBeO
皮膜が多孔質のため、表面にCu2 O+BeOを形成す
べく銅の溶出を許容する。この銅イオンの海水への溶出
により防汚機能が発揮されるものと考えられる。
効果と、銅イオンの溶出の持続作用を有する。この防汚
機能の発揮効果と、銅イオンの溶出の持続作用を詳述す
ると、次のとおりである。 防汚機能の発揮効果 ベリリウム、銅、ニッケルのイオン化傾向は、Be>N
i>Cuであることが文献より知られており、左側の元
素の方が溶出しやすいことを示している。ベリリウム銅
の場合、ベリリウムが先に溶出し局部電池を形成し電流
効果により生物付着防止効果を発揮するとともに、ベリ
リウムイオンは内部酸化という酸化形態を取る。この内
部酸化は、内部にBeO皮膜を形成するが、このBeO
皮膜が多孔質のため、表面にCu2 O+BeOを形成す
べく銅の溶出を許容する。この銅イオンの海水への溶出
により防汚機能が発揮されるものと考えられる。
【0011】 銅イオン溶出の持続作用 前記の防汚機能の発揮効果は、銅イオンを溶出する持
続作用がある。すなわち、ベリリウム銅は防汚機能を止
むこと無く持続する作用がある。海水に接触するベリリ
ウム銅は、その表面に緻密な表面酸化物(Cu2 O)が
形成されるが、その表面酸化物の下層には、多孔質のB
eOの内部酸化物の皮膜が形成される。そのため、海水
中への銅の溶出が維持されるとともに、酸化によりこの
皮膜が体積増加する。この皮膜の体積増加量がある程度
の量になると、表面の酸化皮膜が多孔質の内部酸化物層
との間で剥離する。このため、電気化学作用と銅の溶出
が長期間維持されると考えられる。
続作用がある。すなわち、ベリリウム銅は防汚機能を止
むこと無く持続する作用がある。海水に接触するベリリ
ウム銅は、その表面に緻密な表面酸化物(Cu2 O)が
形成されるが、その表面酸化物の下層には、多孔質のB
eOの内部酸化物の皮膜が形成される。そのため、海水
中への銅の溶出が維持されるとともに、酸化によりこの
皮膜が体積増加する。この皮膜の体積増加量がある程度
の量になると、表面の酸化皮膜が多孔質の内部酸化物層
との間で剥離する。このため、電気化学作用と銅の溶出
が長期間維持されると考えられる。
【0012】さらにベリリウム銅が発生する銅イオン溶
出の持続作用については、ベリリウム銅とキュープロニ
ッケルとを対比すると、図4に示す模式図を用いて次の
ように説明される。図4に示すように、ベリリウム銅
(BeCu)は腐食生成物(酸化物)の厚さがある厚さ
になると、この腐蝕生成物が剥離する。すると、ベリリ
ウム銅合金の表面が現われ、再び腐食の進行とともに腐
蝕生成物の厚さが増大する。そして、再び腐蝕生成物が
ある厚さになると剥離する、ということが繰り返され
る。一方、イオンの溶出は腐食生成物の厚さが増すと阻
害されるため次第に低下する。しかし、前述のように腐
食生成物が剥離すると、合金表面が現われるためイオン
溶出量は増大する。したがって、銅イオン溶出の増大と
低下が繰り返される。
出の持続作用については、ベリリウム銅とキュープロニ
ッケルとを対比すると、図4に示す模式図を用いて次の
ように説明される。図4に示すように、ベリリウム銅
(BeCu)は腐食生成物(酸化物)の厚さがある厚さ
になると、この腐蝕生成物が剥離する。すると、ベリリ
ウム銅合金の表面が現われ、再び腐食の進行とともに腐
蝕生成物の厚さが増大する。そして、再び腐蝕生成物が
ある厚さになると剥離する、ということが繰り返され
る。一方、イオンの溶出は腐食生成物の厚さが増すと阻
害されるため次第に低下する。しかし、前述のように腐
食生成物が剥離すると、合金表面が現われるためイオン
溶出量は増大する。したがって、銅イオン溶出の増大と
低下が繰り返される。
【0013】本発明の実施例のベリリウム銅では、酸化
皮膜の剥離によって銅イオンの溶出持続作用がある。こ
の結果、ベリリウム銅の表面に付着する海生物の量が少
量であるか、あるいはほとんど付着しない。これに対
し、比較例のキュープロニッケル(CuNi)の場合、
ある程度の経年によって表面層に緻密な酸化ニッケルN
iO2 または酸化銅Cu2 Oが形成されることで、図4
に示すように、銅イオンの溶出が抑制される。これは、
イオン化傾向(Be>Ni>Cu)に従えば、キュープ
ロニッケルの場合、ニッケル(Ni)が優先的に溶出し
て局部電池を形成すると考えられ、表面に緻密な酸化物
を形成することによる。そのため、キュープロニッケル
の場合、腐食生成物の厚さは初期に時間とともに増大す
るが、次第に腐蝕生成物の成長速度は遅くなる。それと
ともに銅イオンの溶出量はしだいに低下する。しかもキ
ュープロニッケルでは腐食生成物の剥離がベリリウム銅
ほど容易には起こらない。このため、イオンの溶出量は
低レベルのままとなり、防汚効果が減退する。
皮膜の剥離によって銅イオンの溶出持続作用がある。こ
の結果、ベリリウム銅の表面に付着する海生物の量が少
量であるか、あるいはほとんど付着しない。これに対
し、比較例のキュープロニッケル(CuNi)の場合、
ある程度の経年によって表面層に緻密な酸化ニッケルN
iO2 または酸化銅Cu2 Oが形成されることで、図4
に示すように、銅イオンの溶出が抑制される。これは、
イオン化傾向(Be>Ni>Cu)に従えば、キュープ
ロニッケルの場合、ニッケル(Ni)が優先的に溶出し
て局部電池を形成すると考えられ、表面に緻密な酸化物
を形成することによる。そのため、キュープロニッケル
の場合、腐食生成物の厚さは初期に時間とともに増大す
るが、次第に腐蝕生成物の成長速度は遅くなる。それと
ともに銅イオンの溶出量はしだいに低下する。しかもキ
ュープロニッケルでは腐食生成物の剥離がベリリウム銅
ほど容易には起こらない。このため、イオンの溶出量は
低レベルのままとなり、防汚効果が減退する。
【0014】なお、ベリリウム銅合金にこのような顕著
な前記防汚機能の発揮効果と銅イオン溶出の持続作用が
あることが判明したのは、本発明者が初めて見出したも
のであり、この点に言及したり指摘したりした従来の文
献を本発明者は知らない。実用的なベリリウム銅合金と
しては、ベリリウムの含有率が0.2〜0.6重量%の
11合金やベリリウムの含有率が1.8〜2.0重量%
の25合金等々の各種のものがJISで規定されている
が、防汚効果の点ではベリリウムの含有率が1.6%以
上のものが好ましい。ベリリウムの含有率が2.8%を
越えると、銅にベリリウムがそれ以上固溶しなくなるた
め、防汚効果は優れるものの展伸加工性が次第に低下す
る。
な前記防汚機能の発揮効果と銅イオン溶出の持続作用が
あることが判明したのは、本発明者が初めて見出したも
のであり、この点に言及したり指摘したりした従来の文
献を本発明者は知らない。実用的なベリリウム銅合金と
しては、ベリリウムの含有率が0.2〜0.6重量%の
11合金やベリリウムの含有率が1.8〜2.0重量%
の25合金等々の各種のものがJISで規定されている
が、防汚効果の点ではベリリウムの含有率が1.6%以
上のものが好ましい。ベリリウムの含有率が2.8%を
越えると、銅にベリリウムがそれ以上固溶しなくなるた
め、防汚効果は優れるものの展伸加工性が次第に低下す
る。
【0015】次に、本発明のベリリウム銅合金の薄板を
芯棒に巻く第2の実施例を図2に示す。第2実施例は、
芯棒1の周りにベリリウム銅合金の薄板2を螺旋状に巻
くとき、隙間5が形成されるように薄板2を巻いた例で
ある。この状態で樹脂製の管体の内部に挿入し、次いで
芯棒を引き抜く。得られた管は、その内壁面に部分的に
ベリリウム銅合金が形成され、他の部分には樹脂が露出
する。
芯棒に巻く第2の実施例を図2に示す。第2実施例は、
芯棒1の周りにベリリウム銅合金の薄板2を螺旋状に巻
くとき、隙間5が形成されるように薄板2を巻いた例で
ある。この状態で樹脂製の管体の内部に挿入し、次いで
芯棒を引き抜く。得られた管は、その内壁面に部分的に
ベリリウム銅合金が形成され、他の部分には樹脂が露出
する。
【0016】この第2実施例においても、ベリリウム銅
合金による防汚効果とその持続効果により海生物の付着
ならびに繁殖が防止される。本発明のベリリウム銅合金
の薄板の巻き方の第3実施例を図3に示す。第3実施例
は、芯棒1の外周にベリリウム銅合金の薄板2を隙間5
ができるように螺旋状に巻き付け、その隙間5を覆うよ
うにベリリウム銅合金の薄板2を巻き付けた例である。
これの外殻に樹脂を被覆する。しかる後、芯棒1を引き
抜く。得られた管の内壁は、全面がベリリウム銅合金で
形成されたものである。
合金による防汚効果とその持続効果により海生物の付着
ならびに繁殖が防止される。本発明のベリリウム銅合金
の薄板の巻き方の第3実施例を図3に示す。第3実施例
は、芯棒1の外周にベリリウム銅合金の薄板2を隙間5
ができるように螺旋状に巻き付け、その隙間5を覆うよ
うにベリリウム銅合金の薄板2を巻き付けた例である。
これの外殻に樹脂を被覆する。しかる後、芯棒1を引き
抜く。得られた管の内壁は、全面がベリリウム銅合金で
形成されたものである。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生物付着
防止管の製造方法によると、比較的簡単な作業で海生物
付着防止管を製作することができる。またこの方法によ
り取付けられた防汚構造体によると、耐食性に優れ、メ
ンテナンスの手数が簡便で、毒性の問題がなく海生物の
付着を効果的に防止するという効果がある。
防止管の製造方法によると、比較的簡単な作業で海生物
付着防止管を製作することができる。またこの方法によ
り取付けられた防汚構造体によると、耐食性に優れ、メ
ンテナンスの手数が簡便で、毒性の問題がなく海生物の
付着を効果的に防止するという効果がある。
【図1】本発明の第1実施例による生物付着防止管の製
造方法を示す説明図である。
造方法を示す説明図である。
【図2】本発明の第2実施例によるベリリウム銅合金薄
板の巻き付け方法を示す説明図である。
板の巻き付け方法を示す説明図である。
【図3】本発明の第3実施例によるベリリウム銅合金薄
板の巻き付け方法を示す説明図である。
板の巻き付け方法を示す説明図である。
【図4】ベリリウム銅とキュープロニッケルについて銅
イオン溶出量および腐食生成物の厚さの経時的変化を対
比した模式的説明図である。
イオン溶出量および腐食生成物の厚さの経時的変化を対
比した模式的説明図である。
1 芯棒 2 ベリリウム銅合金薄板 3 樹脂
Claims (2)
- 【請求項1】 芯棒の外周にベリリウム銅合金の薄板を
螺旋状に巻き、この薄板の外周に電気絶縁性樹脂を形成
し、しかる後、前記芯棒を抜くことを特徴とする生物付
着防止管の製造方法。 - 【請求項2】 前記ベリリウム銅合金は、ベリリウム含
有率が0.2〜2.8重量%であり、Be−Cu合金、
Be−Co−Cu合金、Be−Co−Si−Cu合金ま
たはBe−Ni−Cu合金からの群から選ばれるいずれ
か1種であることを特徴とする請求項1記載の生物付着
防止管の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6626992A JPH0764690B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 生物付着防止管の製造方法 |
US08/027,780 US5388319A (en) | 1992-03-24 | 1993-03-08 | Method for making organism deposit-inhibiting pipe |
EP93104374A EP0562442B1 (en) | 1992-03-24 | 1993-03-17 | Method for making organism deposit-inhibiting pipe |
DE69301322T DE69301322T2 (de) | 1992-03-24 | 1993-03-17 | Verfahren zur Herstellung eines Rohres mit schädlingsabweisender Beschichtung |
KR93004290A KR960007694B1 (en) | 1992-03-24 | 1993-03-19 | Method for making organism deposit-inhibiting pipe |
CA002092268A CA2092268C (en) | 1992-03-24 | 1993-03-23 | Method for making organism deposit-inhibiting pipe |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6626992A JPH0764690B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 生物付着防止管の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271027A true JPH05271027A (ja) | 1993-10-19 |
JPH0764690B2 JPH0764690B2 (ja) | 1995-07-12 |
Family
ID=13310962
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6626992A Expired - Fee Related JPH0764690B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 生物付着防止管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0764690B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-24 JP JP6626992A patent/JPH0764690B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0764690B2 (ja) | 1995-07-12 |
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