JPH05271028A - 生物付着防止管とその製造方法 - Google Patents

生物付着防止管とその製造方法

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JPH05271028A
JPH05271028A JP7124892A JP7124892A JPH05271028A JP H05271028 A JPH05271028 A JP H05271028A JP 7124892 A JP7124892 A JP 7124892A JP 7124892 A JP7124892 A JP 7124892A JP H05271028 A JPH05271028 A JP H05271028A
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beryllium
copper
pipe
copper alloy
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Shunji Inoue
俊二 井上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製作が容易で防汚性能および耐久性に優れ、
メインテナンスの必要がなく、また毒性の問題のない生
物付着防止管を提供する。 【目的】 ベリリウム銅合金からなる底無しのコップ状
の薄板1を順次連結し、連結配管2を製作する。心棒な
しで管体1を次々と連結することにより、連結配管2が
形成される。さらに、外殻をFRP、塩化ビニル等の樹
脂3により被覆する。ベリリウム銅合金は、防汚機能の
発揮効果と、銅イオンの溶出の持続作用を有する。管が
コップ状であるから、コンパクトで取扱いやすいので、
所望の全長に容易に組付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ふじつぼ、紫い貝、藻
類のような海生物の付着を防止する機能を持つ防汚構造
体および防汚方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海水に接触している海洋構造体は、常に
海生物の付着による汚損に曝されている。そのため、通
常の海洋構造体は、外観が損なわれるのみならず、機能
的な障害を生ずることとなる。例えば船舶の場合、船体
の底面等への海生物の付着により抵抗が増加して船体の
推進速度が低下する。また火力発電所の場合、海水の取
水ピットに海生物が付着すると、冷却媒体である海水の
流通障害が発生し、発電を停止せざるを得ない事態に至
ることがある。
【0003】このため、従来から多くの海生物付着防止
技術が研究されているが、そのうち現在実用化されてい
る海生物付着防止技術の一つは、亜酸化銅あるいは有機
スズを含有する塗料を海洋構造体の海水との接触面に塗
布する方法である。また、特開昭60−209505号
公報には、銅または銅合金からなる板の一面にプライマ
ー層を設け、その上に粘着剤層を形成した生物付着防止
用粘着体が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の塗料を用いた防汚方法によると、塗料を厚塗りした
としても塗料が剥離しやすいため、顕著な防汚効果を発
揮する寿命は1年程度であり、毎年塗布し直す煩雑なメ
ンテナンス作業が必要となる。また特開昭60−209
505号公報に示される生物付着防止体は、銅または銅
−ニッケル(Cu−Ni)合金であるため、耐食性およ
び防汚性能が不十分である。
【0005】本発明者の長年の実験研究によると、ベリ
リウム銅合金を海洋構造体に使用すると、ベリリウムイ
オンが銅イオンと相乗的に作用し、海生物に対して大き
な忌避効果を発揮し、また海生物の繁殖を防止し、極め
て優れた防汚効果を得ることができることが判明した。
これは、ベリリウム銅合金が、防汚作用と銅イオンの溶
出の持続作用とを有するためであると推定される。
【0006】本発明の目的は、簡単な作業で組み立てら
れ、防汚性能および耐久性に優れ、メンテナンスの必要
がなく、また毒性のない生物付着防止管およびその製造
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明による生物付着防止管は、ベリリウム銅合金の
薄板により形成した複数の底無しコップ状の生物付着防
止管を挿入嵌合し、長い配管を形成し、さらに前記配管
の全外周壁に樹脂を被覆し一体化したことを特徴とす
る。前記ベリリウム銅合金は、ベリリウム含有率が0.
2〜2.8重量%であり、Be−Cu合金、Be−Co
−Cu合金、Be−Co−Si−Cu合金またはBe−
Ni−Cu合金からの群から選ばれるいずれか1種であ
ることが望ましい。
【0008】前記ベリリウム銅合金の組成は、例えば
Be:0.2〜1.0重量%、Co:2.4〜2.7
重量%、残部Cuおよび不可避不純物、Be:0.2
〜1.0重量%、Ni:1.4〜2.2重量%、残部C
uおよび不可避不純物、Be:1.0〜2.0重量
%、Co:0.2〜0.6重量%、残部Cuおよび不可
避不純物、Be:1.6〜2.8重量%、Co:0.
4〜1.0重量%、Si:0.2〜0.35重量%、残
部Cuおよび不可避不純物等である。
【0009】
【作用】本発明の基本ユニットである小管がコップ状で
あるから、コンパクトで取扱いやすいので、所望の長
さ、形状の配管に容易に組付けることができるうえ、溶
接を必要とせずに配管施行が可能であり、外殻が樹脂の
ため軽量でかつ安価であるという効果がある。またベリ
リウム銅合金は毒性の問題がないうえに、海水中におい
てもアルミ青銅や白銅と同等の優れた耐久性がある。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明におけるベリリウム銅合金の薄板により底
無しコップ状の管とした基本ユニットを図1に示す。コ
ップ状のユニットを連結して外殻を樹脂で被覆し配管状
にした例を図2、図3に示す。
【0011】底無しのコップ状の管体のベリリウム銅合
金の薄板1を順次連結し、図2に示すように、連結配管
2を製作する。さらに、外殻をFRP、塩化ビニル等の
樹脂3により被覆する。図4は曲管となるように連結し
一体化した連結配管6を示す。本実施例によると、心棒
なしで管体1を次々と連結することにより、連結配管2
が形成される。本実施例は異型部、曲管部などに適用す
ると効果的である。
【0012】ベリリウム銅合金は、防汚機能の発揮効果
と、銅イオンの溶出の持続作用を有する。この防汚機能
の発揮効果と、銅イオンの溶出の持続作用を詳述する
と、次のとおりである。 防汚機能の発揮効果 ベリリウム、銅、ニッケルのイオン化傾向は、Be>N
i>Cuであることが文献より知られており、左側の元
素の方が溶出しやすいことを示している。ベリリウム銅
の場合、ベリリウムが先に溶出し局部電池を形成し電流
効果により生物付着防止効果を発揮するとともに、ベリ
リウムイオンは内部酸化という酸化形態を取る。この内
部酸化は、内部にBeO皮膜を形成するが、このBeO
皮膜が多孔質のため、表面にCu2 O+BeOを形成す
べく銅の溶出を許容する。この銅イオンの海水への溶出
により防汚機能が発揮されるものと考えられる。
【0013】 銅イオン溶出の持続作用 前記の防汚機能の発揮効果は、銅イオンを溶出する持
続作用がある。すなわち、ベリリウム銅は防汚機能を止
むこと無く持続する作用がある。海水に接触するベリリ
ウム銅は、その表面に緻密な表面酸化物(Cu2 O)が
形成されるが、その表面酸化物の下層には、多孔質のB
eOの内部酸化物の皮膜が形成される。そのため、海水
中への銅の溶出が維持されるとともに、酸化によりこの
皮膜が体積増加する。この皮膜の体積増加量がある程度
の量になると、表面の酸化皮膜が多孔質の内部酸化物層
との間で剥離する。このため、電気化学作用と銅の溶出
が長期間維持されると考えられる。
【0014】さらにベリリウム銅が発生する銅イオン溶
出の持続作用については、ベリリウム銅とキュープロニ
ッケルとを対比すると、図3に示す模式図を用いて次の
ように説明される。図3に示すように、ベリリウム銅
(BeCu)は腐食生成物(酸化物)の厚さがある厚さ
になると、この腐蝕生成物が剥離する。すると、ベリリ
ウム銅合金の表面が現われ、再び腐食の進行とともに腐
蝕生成物の厚さが増大する。そして、再び腐蝕生成物が
ある厚さになると剥離する、ということが繰り返され
る。一方、イオンの溶出は腐食生成物の厚さが増すと阻
害されるため次第に低下する。しかし、前述のように腐
食生成物が剥離すると、合金表面が現われるためイオン
溶出量は増大する。したがって、銅イオン溶出の増大と
低下が繰り返される。
【0015】本発明の実施例のベリリウム銅では、酸化
皮膜の剥離によって銅イオンの溶出持続作用がある。こ
の結果、ベリリウム銅の表面に付着する海生物の量が少
量であるか、あるいはほとんど付着しない。これに対
し、比較例のキュープロニッケル(CuNi)の場合、
ある程度の経年によって表面層に緻密な酸化ニッケルN
iO2 または酸化銅Cu2 Oが形成されることで、図3
に示すように、銅イオンの溶出が抑制される。これは、
イオン化傾向(Be>Ni>Cu)に従えば、キュープ
ロニッケルの場合、ニッケル(Ni)が優先的に溶出し
て局部電池を形成すると考えられ、表面に緻密な酸化物
を形成することによる。そのため、図3に示すように、
キュープロニッケルの場合、腐食生成物の厚さは初期に
時間とともに増大するが、次第に腐蝕生成物の成長速度
は遅くなる。それとともに銅イオンの溶出量はしだいに
低下する。しかもキュープロニッケルでは腐食生成物の
剥離がベリリウム銅ほど容易には起こらない。このた
め、イオンの溶出量は低レベルのままとなり、防汚効果
が減退する。
【0016】なお、ベリリウム銅合金にこのような顕著
な前記防汚機能の発揮効果と銅イオン溶出の持続作用が
あることが判明したのは、本発明者が初めて見出したも
のであり、この点に言及したり指摘したりした従来の文
献を本発明者は知らない。実用的なベリリウム銅合金と
しては、ベリリウムの含有率が0.2〜0.6重量%の
11合金やベリリウムの含有率が1.8〜2.0重量%
の25合金等々の各種のものがJISで規定されている
が、防汚効果の点ではベリリウムの含有率が1.6%以
上のものが好ましい。ベリリウムの含有率が2.8%を
越えると、銅にベリリウムがそれ以上固溶しなくなるた
め、防汚効果は優れるものの展伸加工性が次第に低下す
る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生物付着
防止管によると、基本ユニットがコップ状の管であるか
ら、コンパクトで取扱いやすいので、所望の長さや形状
に容易に組付け、外殻を樹脂で被覆することができると
いう効果がある。また、本発明の生物付着防止管の製造
方法によると、簡単な作業で生物付着防止管を製作する
ことができる。またこの方法により取付けられた管によ
ると、耐食性に優れ、メンテナンスの手数が簡便で、毒
性の問題がなく海水物の付着を効果的に防止するという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す連結配管の断面図であ
る。
【図3】図2に示すA方向矢視図である。
【図4】本発明の他の実施例による曲管の断面図であ
る。
【図5】ベリリウム銅とキュープロニッケルについて銅
イオン溶出量および腐食生成物の厚さの経時的変化を対
比した模式的説明図である。
【符号の説明】
1 薄板(ベリリウム合金の薄板) 2 連結配管 3 樹脂

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベリリウム銅合金の薄板により底無しコ
    ップ状の生物付着防止管を形成し、この生物付着防止管
    の小径端と他の前記生物付着防止管の大径端とを挿入嵌
    合し、長い配管を形成し、前記配管の全外周壁に樹脂を
    被覆し一体化したことを特徴とする生物付着防止管の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記ベリリウム銅合金は、ベリリウム含
    有率が0.2〜2.8重量%であり、Be−Cu合金、
    Be−Co−Cu合金、Be−Co−Si−Cu合金ま
    たはBe−Ni−Cu合金からの群から選ばれるいずれ
    か1種であることを特徴とする請求項1記載の生物付着
    防止管。
JP7124892A 1992-03-27 1992-03-27 生物付着防止管とその製造方法 Expired - Lifetime JPH0764691B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4855655A (en) * 1984-11-02 1989-08-08 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Electromagnetic servo drive for power steering

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4855655A (en) * 1984-11-02 1989-08-08 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Electromagnetic servo drive for power steering

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