JPH052704A

JPH052704A - 磁気記録装置

Info

Publication number: JPH052704A
Application number: JP15436991A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Kitada; 正弘北田; Naoki Koyama; 直樹小山; Isamu Yuhito; 勇由比藤
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1991-06-26
Filing date: 1991-06-26
Publication date: 1993-01-08

Abstract

(57)【要約】【目的】記録再生分離型ヘッドを用いたディスク径３．
５インチ以下の小型磁気記録装置において、ヘッドのオ
フトラックに起因するノイズの発生を抑えた磁気記録装
置提供する。【構成】基体１上に磁気抵抗効果型再生ヘッド、誘導型
記録ヘッドの順に積層した分離型ヘッドにおいて、再生
ヘッドのトラック幅を記録ヘッドのトラック幅の１／２
以下にした。【効果】ヘッド作製プロセスによって生じる記録ヘッド
と再生ヘッドの合わせずれ、位置決め誤差、ヘッド加工
誤差などがあっても、常に記録ヘッドで記録したトラッ
クの内側に再生ヘッドトラック幅がくるようにできるの
で、トラック位置のずれに起因する雑音の影響を受ける
ことのない磁気記録装置を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気記録装置用磁気ヘッ
ドに係り、特に記録と再生を分離し、再生を磁気抵抗効
果型ヘッドで行う記録再生分離型ヘツドの再生時のオフ
トラックに起因するノイズの低減を図った高密度磁気記
録に最適なヘッドを用いた磁気記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】高密度磁気記録用ヘッドには、従来誘導
型磁気ヘッドの薄膜ヘッドが用いられているが、高記録
密度化およびディスクの小型化に伴いヘッド/記録媒体
相対スピードが低くなり、再生出力が不十分になりつつ
ある。これに対して、再生に磁気抵抗効果型ヘッドを用
いた記録再生分離型ヘッドでは、再生出力がヘッド/記
録媒体相対スピードに依存しないため、高記録密度化お
よびディスクの小型化によっても、再生出力の低下は生
じない。この記録再生分離型ヘツドの設計にあたって
は、記録ヘッドで書かれたトラック内の漏れ磁界の乱れ
がない領域の磁界だけを検知して、できるだけノイズと
なるような漏れ磁界を再生ヘッドに導かないようにしな
ければならない。このような方式の記録分離型ヘッドに
かんしては、たとえば特開昭６１-２７６１１０に開示
されており、記録媒体のトラック幅よりも再生トラック
幅を狭くすることによって実現できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
ではヘッド製造プロセスにおける記録トラック幅の中心
と再生トラック幅の中心位置の変動に関する問題への配
慮が不十分であった。すなわち、狭トラック幅化を進め
ていくと、ヘッド作製時に生じる記録ヘッドと再生ヘッ
ドの合わせの誤差の影響が大きくなってくる。したがっ
て、合わせずれのために、記録トラックの外側に再生ト
ラックがはみ出してくる場合が生じる。

【０００４】また、ヘッド位置決めによってヘッドが媒
体上を移動する場合を考えると、特にロータリ型の位置
決め機構の場合、ヘッドのシーク角によって再生トラッ
ク位置と記録トラック位置がずれてくる。すなわち、記
録ヘッドと再生ヘッドの距離をｌとし、シーク角をθと
すると、シークによってｌ・ｓｉｎθだけ記録再生トラ
ックの中心がずれてくる。このため、ヘッドの位置によ
っては、上記のように記録トラックの外側に再生トラッ
クがはみ出してくる場合が生じ、記録再生特性を劣化さ
せる原因となる。

【０００５】本発明の第一の目的は、製造プロセス中の
記録ヘッドと再生ヘッドの合わせずれを考慮して、再生
トラック幅は媒体に記録されたトラックよりも常に内側
にくるような記録再生分離型磁気ヘッドを用いた磁気記
録装置を提供することである。第二の目的はヘッドのシ
ークによって記録再生トラックの中心のずれが発生して
もても、常に記録トラックよりも内側に再生トラックが
くるような記録再生分離型磁気ヘッドを用いた磁気記録
装置を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題は、記録トラ
ック幅に応じて再生ヘッドのトラック幅寸法を規定し、
また相互の中心位置の関係を規定したヘッドを用いるこ
とによって実現することができる。

【０００７】具体的には磁気ディスク媒体に磁気ヘッド
を用いて信号を記録再生する磁気記録装置において、磁
気ディスク径が３．５インチ以下で、磁気ヘッドが誘導
型記録ヘッドと磁気抵抗効果型再生ヘッドを複合化した
ヘッドからなり、再生ヘッドのトラック幅は記録ヘッド
のトラック幅の１／２以下であることを特徴とする磁気
記録装置である。

【０００８】

【作用】トラックピッチに対して、位置決め誤差、再生
ヘッドの感度にじみ、記録ヘッドの記録にじみ、記録再
生ヘッドの合わせずれ、トラック幅加工精度およびシー
クによる記録再生トラック中心のずれなどを考慮して記
録トラック幅および再生トラック幅を決定する。これに
よって上記の誤差原因が同時に生じても常に再生ヘッド
のトラックは記録トラック境界の内側にあり、境界近傍
の雑音および隣接トラックによる雑音の影響を受けるこ
とがなく、十分な信号雑音比を確保することができる。
さらに位置決めによる誤差があっても、十分なオーバラ
イト特性を持つことができる。

【０００９】

【実施例】図１に本発明の第一の実施例を示す。同図は
媒体浮上面側からみたヘッドの断面図である。スライダ
ーとなる基体１上に磁気抵抗効果型再生ヘッド、その上
に誘導型記録ヘッドを積層してある。記録ヘッドのある
上側が流出端側となる。磁気抵抗効果型ヘッドは磁気シ
ールド層２、３の間に磁気抵抗効果膜４を積層し、両端
を電極５で接続して、電極の間隔を再生ヘッドのトラッ
ク幅としている。この上にスペーサを介して記録ヘッド
磁極６、７およびこれらの間にギャップ層８とコイル
（図中の断面には現われない）を設ける。ここでシール
ド層および記録磁極はパーマロイなどの軟磁性膜であれ
ば良く、他のＣｏ系や、Ｆｅ系の軟磁性膜であってもか
まわない。また磁気抵抗効果膜にはパーマロイを用い、
膜厚は２０ｎｍとした。また、記録トラック幅は６μｍ
とし、再生トラック幅は３μｍで、記録再生ヘッド間隔
ｌは３μｍである。再生ヘッドのトラック幅は記録トラ
ック幅の１／２以下であるため、高再生出力化を図る必
要がある。磁気抵抗効果型ヘッドの出力はパーマロイの
膜厚を薄くするほど高くできるので、薄膜化による磁気
特性や電気特性の劣化が顕著になる限界まで薄くするこ
とが好ましい。さらに、浮上面から見たときの磁気抵抗
効果膜の奥行きは、狭いほど高出力化を図ることができ
る。本実施例では２μｍとした。

【００１０】なお上記の図中では省略して記載しなかっ
たが、通常磁気抵抗効果型ヘッドでは出力の線形性を向
上するために、バイアス磁界を印加する手段が必要であ
る。この方法としてはシャントバイアス、ソフトバイア
ス、永久磁石バイアスなど従来から知られており、これ
らのバイアス手段を用いることができる。

【００１１】図２に上記ヘッドを持ちいた磁気記録装置
の概略図を示す。ドライブに接続された媒体９上をヘッ
ド１０が移動して位置決めを行なう。ヘッドの位置決め
は回転軸１１を持つロータリ型のアクチュエータ１２で
行なう。このときのシーク角θは約２０度である。した
がって先のシークによる記録再生ヘッドの中心のずれは
±０．５μｍとなる。

【００１２】図３は本実施例の磁気記録装置で評価した
オフトラックオーバーライト特性である。はじめに低密
度信号を記録した後、記録トラック幅の約１０％に相当
する０．６μｍの位置ずれを正の方向に生じさせたあと
高密度の信号をオーバーライトし、その後、負の方向に
同量だけずらして最初の低密度の信号を読んでその減衰
率を調べたものである。横軸はオフトラックオーバーラ
イト、縦軸は数多くのヘッドを測定したときの発生頻度
を表わす。ここで比較のために示した従来例は同じトラ
ックピッチで、同じ６μｍの記録トラック幅のときに、
再生ヘッドのトラック幅を４μｍとした場合について示
してある。本発明の場合にはヘッドの８０％がオフトラ
ックオーバーライトとして−３０ｄＢを満足するのにた
いして、再生トラック幅が広い従来例では−３０ｄＢ満
足するものは２０％である。ここで、オフトラックオー
バーライトとして−２６ｄＢ以下が必要であるとする
と、本実施例では歩留まりが１００％であるのに対し
て、従来例では６５％となる。このようにヘッド作製時
の合わせのバラツキのために、再生ヘッドのトラック幅
を広くすると、オフトラック特性の観点から装置の歩留
まりが低下することがわかる。したがって、本実施例の
ように再生ヘッドのトラック幅を記録ヘッドの１／２に
することによって、オフトラック特性の歩留まりの優れ
たヘッドにより磁気記録装置を構成することができる。

【００１３】なお、ヘッドを内周側と外周側にシークさ
せると先に示したように合わせずれが±０．５μｍ生じ
るために、オフトラックオーバーライト特性は、第３図
で示した結果よりもいずれも約３ｄＢ劣化する。これを
改善するためには、後に示すように、記録ヘッドと再生
ヘッドの中心間隔を狭める必要がある。

【００１４】上で述べてきたような再生ヘッドトラック
幅を記録ヘッドトラック幅の１／２以下にする効果は、
さらに狭トラック化を進めてもみられた。すなわち、ト
ラック密度が５ｋＴＰＩでは、記録トラック幅４μｍに
対して再生トラックを２μｍ、またトラック密度が６ｋ
ＴＰＩでは、記録トラック幅３μｍに対して再生トラッ
クを１μｍ、また、またトラック密度が１０ｋＴＰＩで
は、記録トラック２μｍに対して再生トラックを０．３
μｍ、にすることによって上記の実施例と同様に、記録
トラック幅の１０％のオフトラックさせたオフトラック
オーバーライト特性の劣化はほとんど見られなかった。

【００１５】第４図は本発明の他の実施例を示す。記録
ヘッドの磁極６と再生ヘッドのシールド層３が兼用され
ている。このため、記録ヘッドと再生ヘッドの間隔が約
１．５μｍと上に示した実施例よりも短くなっており、
シークによる記録再生ヘッド間のずれは、θ＝２０度の
場合±０．２５μｍである。したがって、上記の実施例
と同じ記録再生トラック幅でも、ほとんどシークによる
オフトラックオーバーライトの特性の劣化は見られなか
った。このように記録再生ヘッドの磁極の一部を兼用す
ることによって記録再生ヘッド間の距離が短縮できるの
で、シークによるヘッド中心のずれ量を低減することが
できた。

【００１６】第５図は本発明の他に実施例を示し、両記
録磁極２、３がシールド層６、７を兼用し、ギャップ部
に再生ヘッドの磁気抵抗効果膜４を設けた場合を示して
ある。この場合は記録再生ヘッド間の距離はゼロであ
る。シークの影響はトラック幅が約±３％変化するだけ
なので、シークによるオフトラック特性の劣化はほとん
ど生じない。このようにで記録磁極内に再生ヘッドを設
けることによって、シークによる影響のないヘッド構造
を提供することができる。

【００１７】第６図は本発明の他の実施例を示し、第４
図で示した実施例と同様に記録磁極の一部３を再生ヘッ
ドのシールド層６と兼用している場合で、記録ヘッドと
再生ヘッドの中心位置がずれている場合を示す。ヘッド
がシークすることによって媒体との相対速度が変化する
ので、浮上量も変化する。磁気抵抗効果型ヘッドの場
合、出力は媒体の速度に依存しないため、浮上量の大き
い外周側の特性が内周側の特性よりも劣る。これを補う
ためには、特性劣化のある外周側で最もトラック幅が増
大するように、媒体とヘッド間のアジマス角をゼロにす
ることが好ましい。このため、内周側にシークしていく
ほど記録ヘッドと再生ヘッドのずれは単調に増加する。
したがって、本図に示したようにあらかじめシークによ
るヘッド間のずれ分だけ記録ヘッドと再生ヘッドの中心
をずらしておくことによって、内周側においても常に記
録トラックの内側に再生ヘッドがくるようにできるので
良好なオフトラック特性を持つ磁気記録装置を提供でき
る。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、ヘッド作製プロセスに
おける合わせ誤差、加工誤差や位置決め誤差など種々の
変動要因が重なっても、常に記録ヘッドの内側に再生ヘ
ッドくるようにできるので、オフトラック特性の優れた
磁気記録装置を提供することができる。さらに、ロータ
リー型のアクチュエータを用いた場合でも、ヘッドシー
クによる記録ヘッドと再生ヘッド間のずれを小さくする
ことができるので、良好な特性を持つ磁気記録装置を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す浮上面側から見たヘッド
断面図

【図２】本発明の実施例を示す磁気記録装置の概略図

【図３】本発明のオフトラックオーバーライト特性

【図４】本発明の実施例を示す浮上面側から見たヘッド
断面図

【図５】本発明の実施例を示す浮上面側から見たヘッド
断面図

【図６】本発明の実施例を示す浮上面側から見たヘッド
断面図

【符号の説明】

１…基体、２、３…磁気シールド層、４…磁気抵抗効果
膜、５…電極、６、７…記録ヘッド、８…ギャップ層、
９…媒体、１０…ヘッド、１１…回転軸、１２…アクチ
ュエータ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】磁気ディスク媒体に磁気ヘッドを用いて信
号を記録再生する磁気記録装置において、磁気ディスク
径が３．５インチ以下で、磁気ヘッドが誘導型記録ヘッ
ドと磁気抵抗効果型再生ヘッドを複合化したヘッドから
なり、再生ヘッドのトラック幅は記録ヘッドのトラック
幅の１／２以下であることを特徴とする磁気記録装置。
【請求項２】請求項１において、トラック密度が３．５
ｋＴＰＩ以上、記録トラック幅が６μｍ以下、再生トラ
ック幅が３μｍ以下の磁気ヘッドを用いることを特徴と
する磁気記録装置。
【請求項３】請求項１において、トラック密度が５ｋＴ
ＰＩ以上、記録トラック幅が４μｍ以下、再生トラック
幅が２μｍ以下の磁気ヘッドを用いることを特徴とする
磁気記録装置。
【請求項４】請求項１において、トラック密度が６ｋＴ
ＰＩ以上の場合、記録トラック幅が３μｍ以下で、再生
トラック幅が１μｍ以下の磁気ヘッドを用いることを特
徴とする磁気記録装置。
【請求項５】請求項１において、トラック密度が１０ｋ
ＴＰＩ以上の場合、記録トラック幅が２μｍ以下で、再
生トラック幅が０．３μｍ以下の磁気ヘッドを用いるこ
とを特徴とする磁気記録装置。
【請求項６】請求項１において、媒体移動方向の記録ヘ
ッド中心と再生ヘッド中心の間隔が３μｍ以下であるこ
とを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項７】請求項１において、再生トラックと記録ト
ラックのトラック幅方向の中心が一致していないことを
特徴とする磁気ヘッド。
【請求項８】請求項１〜７のうちいずれかに記載の磁気
ヘッドを用いた磁気記録装置において、記録ヘッドのギ
ャップ内に再生ヘッドがあることを特徴とする磁気記録
装置。
【請求項９】請求項１〜７うちいずれかに記載の磁気ヘ
ッドを用いた磁気記録装置において、所望の基板上に磁
気抵抗効果ヘッドが作られ、その上に絶縁膜を介して記
録ヘッドが作られていることを特徴とする磁気記録装
置。
【請求項１０】請求項８または９において、磁気抵抗効
果ヘッドの感磁部の距離が磁気抵抗効果膜の上あるいは
下に多層膜として存在する導電膜、磁区制御膜等で規定
されていることを特徴とする磁気記録装置。
【請求項１１】請求項１０において、磁気抵抗効果ヘッ
ドの感磁部に流れる電流と直角に印加されるバイアス磁
界が感磁部以外の導電膜等との多層膜部分にも印加され
ていることを特徴とする磁気記録装置。
【請求項１２】請求項８または９において、磁気抵抗効
果ヘッドおよび記録ヘッドを構成する材料が全て薄膜よ
りなることを特徴とする磁気記録装置。
【請求項１３】請求項８または９において、磁気抵抗効
果ヘッドの磁気シールドあるいは記録ヘッドのコアの一
方がバルク状磁性フェライトよりなることを特徴とする
磁気記録装置。