JP3431265B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents
磁気ディスク装置Info
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- JP3431265B2 JP3431265B2 JP06894094A JP6894094A JP3431265B2 JP 3431265 B2 JP3431265 B2 JP 3431265B2 JP 06894094 A JP06894094 A JP 06894094A JP 6894094 A JP6894094 A JP 6894094A JP 3431265 B2 JP3431265 B2 JP 3431265B2
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Description
り、例えば垂直磁気記録方式の磁気ディスクを用いる磁
気ディスク装置に関する。
ランダムアクセスの可能な大容量の外部記憶装置として
磁気ディスク装置が盛んに利用されている。そして、利
用の拡大に伴い、磁気ディスク装置には記憶容量の大容
量化および高記録密度化に対する要求がますます高まっ
ている。
に磁性層を設けてなる磁気ディスクを一本の回転軸に複
数枚積み重ねて取り付けるとともに、これらの磁気ディ
スクに対して記録再生を行う磁気ヘッドをアームに取り
付け、このアームをアクチュエータで駆動して磁気ヘッ
ドの位置決めを行うように構成されている。
て、磁気ヘッドは、情報の記録再生を行う際に高速で回
転するディスク面には直接接触せず、僅かに浮上した状
態でディスク面の所望の位置にアクセスするように配置
される。そして、ディスク面の同心円状のトラックに対
して、磁気ヘッドによって信号が記録され、あるいは再
生される。
容量化要求に答えるために、例えばディスクの線記録密
度、すなわちトラック方向の記録密度を向上させたり、
あるいはトラック密度を高めることによって記録密度を
向上させたりするなどの試みがなされている。さらに記
録密度を高めるため、近年、磁気ヘッドを極端に低浮上
させたり、あるいは磁気ディスクにほぼ接触させて記録
再生する接触記録の研究も盛んに行われている。
975年に垂直磁気記録方式が提案された。この垂直磁
気記録方式では、従来の面内方向に異方性をもつ面内磁
気記録方式に比べて、磁化転移部分での減磁界を原理上
非常に小さくでき、磁化転移幅を狭くできるので高密度
記録が可能となる。この垂直磁気記録方式において、短
冊状の軟磁性薄膜を用いた垂直磁気記録用の磁気ヘッド
を用いると、より垂直な方向の記録磁界が得られ。高密
度化に有効であることも知られている。また、垂直磁気
記録方式での記録および再生効率を上げ、より急峻な磁
化転移を形成するために、垂直磁気異方性の磁化記録層
の下に軟磁性裏打ち層を設けた垂直2層膜媒体構成の磁
気ディスクも提案されている。この磁気ディスクを用い
ると、磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層との磁気的相互作用
により、磁気ヘッド先端での減磁界を減らすことがで
き、記録時により大きな発生磁界を得ることができる。
また再生にも同様に、磁気ヘッド先端での減磁界を小さ
くでき、実効透磁率を向上させることができるので媒体
からの磁束を効率よく磁気ヘッドに集束でき、大きな信
号を得ることができる。
かも信号再生の感度を高めるために、磁気抵抗効果素子
(MR素子)を用いた能動型の磁気ヘッドが提案されて
いる。能動型の磁気ヘッドは、パーマロイなどの軟磁性
体からなるMR素子の電気抵抗が外部磁界によって変化
する性質を使い、記録媒体からの磁束を電気信号に変換
するようにしている。このMR素子を用いた磁気ヘッド
の再生感度は、抵抗変化を電圧変化に変換するために軟
磁性体に流すセンス電流の大きさに比例する。したがっ
て、磁気ヘッド・媒体間の相対速度が小さい場合でも大
きな出力が得られる。このため、大きな出力を生かし
て、トラック幅を狭くし、トラック密度を高めることが
可能となる。
MR素子内蔵の磁気ヘッドとしては、特公昭62−24
848公報や特公昭63−67250公報に示されてい
るように、記録用の単磁極膜に隣接し、かつ記録媒体に
対向する位置にMR素子を配置した構成のものが知られ
ている。
の接触によってMR素子に摩耗が起きると、MR素子の
断面積が小さくなるために抵抗が増加し、再生出力が変
動する問題があった。
488公報に示されているものでは、媒体に接する2つ
の軟磁性ヨークの間にヨークと並行にMR素子を橋上に
配置することによって、摩耗の影響を受けないようにし
ている。しかし、この磁気ヘッドでは、摩耗の影響は受
けないものの、記録時に発生する磁界の方向とMR素子
の膜面方向とが並行であるため、記録時にMR素子の膜
面方向に大きな記録磁界が印加され、MR素子の磁区構
造が乱されるという問題があった。また、この磁気ヘッ
ドでは、記録時にリング型ヘッドとして動作するため、
大きな面内方向の磁界を発生し、垂直磁気記録方式への
適用は困難であった。
録ヘッドと再生用MR素子とを離し設置することが考え
られるが、この場合には、特にディスク上の半径が小さ
いトラックで、記録ヘッドと再生ヘッドとの間の距離の
影響でトラックずれが生じてしまい、信号品質を著しく
劣化させる虞がある。
を記録再生するために、記録用の単磁極膜や磁気シール
ド膜に近接してMR素子を配置した構成を採用した場合
には、信号再生時にMR素子と記録用の単磁極膜や磁気
シールド膜とが磁気的に結合し、MR素子と隣接したこ
れらの軟磁性膜との間隔gとMR素子膜厚Tmとの和
(g+Tm)によって再生分解能が制限を受ける。この
ため、垂直磁気異方性の磁化記録層を用いた場合、磁化
記録層の優れた記録分解能にふさわしい高い再生分解能
が得られないという問題もあった。
0.1μm以下、望ましくは0.05μm以下の薄いM
R素子を使い、MR素子の抵抗値を大きくすることが必
要である。この場合には、MR素子の膜厚が垂直磁気異
方性の磁化記録層を構成している結晶の粒径とほぼ同じ
大きさとなり、分解能を十分高くできないばかりか、上
記結晶の粒径に起因するノイズが大きくなり、信号品質
を低下させてしまうという問題があった。
31に示すようにスライダ538の一部に磁気ヘッド5
39を組み込んだヘッドスライダが使用されている。こ
のヘッドスライダでは、2本の平行な平面で形成された
エアベアリング面540が磁気ディスク表面に対向し、
さらに磁気ヘッド539のギャップ部分541を磁気デ
ィスクの表面側に位置させて信号の記録再生を行う。
明するための概念図が示されている。スライダ542
は、支持点543において図示しないジンバルスプリン
グ、サスペンションスプリングによってディスク面に垂
直な力(矢印544)および支持点を中心にしたモーメ
ント(矢印545)で支持拘束されている。磁気ヘッド
546はスライダ後端に設けられており、ギャップ54
7はスライダのエアベアリング面548の後端に位置し
て矢印549で示す方向に回転する磁気ディスク550
の表面に対向している。
ィスク550の表面に粘性により連れ回る空気がエアベ
アリング面548と磁気ディスク550の表面との間で
発生する動圧と、ジンバルスプリング、サスペンション
スプリングによる支持拘束力とが釣り合った状態でディ
スク上を一定の間隙551でを保って浮上する。
との接触が回避され、磁気ヘッドおよび磁気ディスクの
接触に起因する摩耗が防止されるという利点がある。し
かし磁気記録の観点からみると、磁気ヘッドと磁気ディ
スクとの間に間隙551があることから、記録・再生時
にロスが生じ、信号出力の低下を招くという問題があ
る。この問題は記録密度が高く、記録信号の波長が短い
場合や、磁化容易軸がディスク面に垂直となるいわゆる
垂直磁気記録方式の場合に顕著となり、記録密度を向上
させる上での大きな障壁のひとつになっている。
の間隙をできるだけ小さくし、実質的には両者が接触し
た状態で記録・再生を行う方式も提案されている。例え
ば特開平3−178017公報では、磁気ヘッドの形状
を針状とし、先端の磁気ヘッドの記録再生部を極軽荷重
でディスクに押し付ける方法を提案している。この方法
によれば、微小な荷重を微小な面積に加えることによ
り、磁気ディスクとの摺動によるヘッド摩耗量を実用上
問題のない範囲に抑えられるとしている。しかし、針状
のヘッドに一定の荷重を安定して加えることは簡単では
ない。
安定して小さくする方法としては、たとえば特開昭62
−3476公報に示されているように、大小2つの浮上
スライダを結合し、小さい方のスライダに磁気ヘッドを
搭載する方法が提案されている。しかし、この方法で
は、小さい方のスライダも浮上しており、磁気ヘッドと
磁気ディスクとの間の間隙を小さくするのに限界があ
り、磁気ヘッドと磁気ディスクとを接触させることが困
難である。
素子の摩耗を防止できると同時に記録磁界によってMR
素子が影響を受けるのを防止できる磁気ヘッドを備えた
垂直磁気記録方式の磁気ディスク装置を提供することを
第1の目的としている。
めに、本発明は、軟磁性裏打ち層の上に垂直磁気異方性
を有する磁化記録層を設けてなる垂直磁気記録方式の磁
気ディスクと、この磁気ディスクへの情報記録および情
報読出しを行う磁気ヘッドとを備えてなる磁気ディスク
装置において、前記磁気ヘッドが、それぞれ高透磁率材
で形成され、それぞれの一端が前記磁気ディスク側に位
置する関係に配置された一対の主磁極と、これら主磁極
間に設けられた非磁性中間層と、発生した磁束を前記主
磁極を介して前記磁気ディスクに通す記録コイルと、前
記一対の主磁極の他端に絶縁層を介し、かつ上記一対の
主磁極と磁気的に結合する関係に配置されたMR素子と
を備えている。
トラック相互間に、実質的に有効な信号が存在しない無
信号領域を形成する手段を有することが望ましい。この
無信号領域は、例えば磁気ヘッドのサイドフリンジ磁界
を利用することにより形成できる。具体的には、磁気デ
ィスクが磁気ギャップを有するリング型記録ヘッドの場
合は、磁気ギャップのギャップ長をg[μm]、記録ト
ラック幅をTw[μm]、トラックピッチをTp[μ
m]、磁気ディスクの磁性層の保磁力をHc[Oe]と
したとき、g<(1500/Hc−Hc/4000π+
0.3)/(Hc/400π−1/2)、且つg≧(1
500/Hc−Hc/4000π+0.3−Tp+T
w)/(Hc/400π−1/2)なる条件を満たすこ
とにより無信号領域を形成できる。
記録トラック幅方向の端部がトレーリング側が狭いテー
パ状に構成された主磁極を有する垂直磁気記録用単磁極
ヘッドの場合、上記無信号領域は記録ヘッドの該テーパ
状の部分の記録トラック幅方向の寸法をp、前記トラッ
クピッチをTpとしたとき、0<p≦Tp−Twなる条
件を満たすことにより形成できる。
体に形成することも可能であり、具体的には少なくとも
信号記録のための磁性層の無信号領域の飽和磁化および
保磁力の少なくとも一方を記録トラックの領域のそれよ
り小さくすることが実現することができる。
合、磁気ディスク上の記録トラックの幅をTw、該記録
トラックのトラックピッチをTpとし、前記無信号領域
の幅をGとしたとき、G>Tp−Twなる条件を満たす
ことが望ましい。
信号記録時に一対の比較的厚い主磁極により良好な感度
で垂直方向の記録が行われ、再生時に非磁性中間層を挟
んだ一対の主磁極が差動型のヘッドとして動作し、非磁
性中間層の厚さで分解能が定まるために高い分解能が得
られる。また、再生に用いられるMR素子は、主磁極の
他端、つまり磁気ディスクとは反対側に位置する他端に
絶縁層を介して配置されている。したがって、磁気ヘッ
ドが磁気ディスクと接触走行した場合であってMR素子
に摩耗が発生することはないし、磁気ディスクが導電性
の場合であってもMR素子に流れるセンス電流が漏洩す
るようなこともない。さらに、主磁極の端面とMR素子
の膜面とが平行しているので、記録時に大きな記録磁界
が印加された場合であっても、MR素子の膜面の法線方
向に磁界が加わることになり、内部の大きな減磁界が外
部磁界を打ち消す方向に発生するので、その結果として
MR素子の磁区が乱れることもない。
説明する。
を一部切欠して示す斜視図である。
1と、垂直磁気記録方式の磁気ディスク102とを備え
ている。
て磁気ディスク102に接触するように設けられてる。
この磁気ヘッド101は、図示しないアクチュエータに
より、磁気ディスク102に同心円状に形成された複数
のトラックの内の所望のトラック104上に位置決めさ
れる。
た非磁性体基板105の上に軟磁性裏打ち層106、垂
直磁気異方性の磁化記録層107を順次積層し、さらに
その上に保護膜108を形成した構造を有している。具
体的な例で説明すると、1.8インチ径で厚さ0.4m
mのガラス基板105の上に、アルゴンガス雰囲気中で
高周波スパッタ法によりCoZrNb微結晶からなる厚
さ0.1μmの軟磁性裏打ち層106を形成した。この
軟磁性裏打ち層106の面内方向保磁力(Hcs)は、1
0Oeであった。さらにその上に、アルゴンガス雰囲気
中でのDCマグネトロンスパッタ法により、CoPtか
らなる厚さ0.08μmの垂直磁気異方性磁化記録層1
07を形成した、この磁化記録層107の垂直方向保磁
力(Hch)は、2200Oeであった。磁化記録層10
7の上には、ヘッドの接触に対する耐久性を確保するた
めに、プラズマCVD法により、ダイヤモンドライクカ
ーボンからなる厚さ0.008μmの保護膜108を形
成した。磁気ディスク102は、このようにして形成さ
れたものである。
る。
102との間の相対移動方向に沿った、磁気ヘッド10
1の断面模式図である。図3は、同磁気ヘッド101の
部分透視斜視図である。
ス製の針状アームを示している。針状アーム103の先
端部には、高周波スパッタ法により、CoFe高透磁率
材からなる主磁極109a,109bが形成されてい
る。これら主磁極109a,109bは、磁気ディスク
102の表面に対して垂直な方向に延設され、かつトラ
ック方向で互いに対面する2層構造で形成されている。
また、主磁極109a,109bは、それぞれの一端が
磁気ディスク102に対向する位置するように設けられ
ている。主磁極109a,109bのトラック方向の厚
さは0.3μmで、両者の間には、高周波スパッタ法に
より形成された厚さ0.01μmのTi製の非磁性中間
層110が介挿されている。主磁極109a,109b
の周囲には、絶縁材料111によって覆われた記録コイ
ル112が配置されている。この例の場合、記録コイル
112の巻き数は3ターンである。
ち磁気ディスク102に対向する先端とは反対側に位置
する後端部には、絶縁層113を介してパーマロイより
なるMR素子114が配置されている。MR素子114
は、その膜面が磁気ディスク102の表面と平行になる
ように配置され、主磁極109a,109bと磁気的に
結合している。MR素子114のトラック幅方向の両端
部には、2本の銅リード線115a,115bが接続さ
れており、この銅リード115a,115bを介してM
R素子114にトラック幅方向のセンス電流Isを流す
ことができるようになっている。記録および再生は、ヘ
ッド101と磁気ディスク102とが接触した状態で行
われる。
録コイル112に流すことにより、主磁極109a,1
09bを通り、かつ信号に対応した方向の強い磁束を発
生させる。このとき、主磁極109a,109bと磁気
ディスクの軟磁性層106との間の静磁気的な結合によ
り、両者に挾まれた磁化記録層107の内部には大きく
て鋭い分布の記録磁界が発生する。この記録磁界によっ
て、磁化記録層107は信号には対応した方向に磁化さ
れる。
れた位置での記録磁界分布が示されている。主磁極10
9a,109bの先端(図では下端)と磁気ディスク1
02の保護膜108とを接触させても、表面粗さに起因
して、両者の間には約0.002μmの平均間隔が存在
する。また、保護膜108の膜厚は0.008μmであ
る。したがって、主磁極109a,109bの先端と磁
気ディスク102の磁化記録層107との間の距離、す
なわち、ヘッド/記録層間のスペーシング(d)は0.
01μmである。
化転移点(magnetization revers
al point)が主磁極109a,109bの前面
を通過する際に、一方の主磁極からMR素子114を経
由して他方の主磁極へと流れる磁束が変化し、この磁束
の変化はMR素子114の電気抵抗を急峻に変化させ
る。
部を流れる磁束の変化を図5に示す。磁化転移点が主磁
極109a,109bの前面にさしかかると、それぞれ
の主磁極を通る磁束量が増大し始め、一定の値にまで増
大する。このとき、主磁極109a,109bの間には
一定の距離があるため、それぞれを流れる磁束が増大し
始める時点が異なる。その結果、主磁極109a,10
9bのそれぞれを流れる磁束量の差は、磁化転移点が非
磁性中間層110の前面にきた時点で最大となる。MR
素子114を通過する磁束の量は、二つの主磁極109
a,109bを通る磁束量の差である。したがって磁化
転移点が非磁性中間層110の前面にきた時点でMR素
子の内部を通る磁束量は最大になる。MR素子114の
電気抵抗は、その内部を通る磁束量によって変化するの
で、MR素子114に一定のセンス電流Isを流してお
けば、磁束量が最大になった時点での再生信号電圧を得
ることができる。
分した再生信号波形が示されている。再生波形のゼロク
ロス点がデータ検出点であり、その傾きが大きいほど、
対雑音比(S/N比)に優れている。図6から図8は、
主磁極109a,109bのトラック方向の厚みがそれ
ぞれ0.3μm,0.5μm,0.1μmのとき微分再
生信号である。これらの図を比較すれば明らかなよう
に、主磁極109a,109bの厚みを変えても、ゼロ
クロス近傍の傾きやその幅は変化しない。したがって、
この範囲では分解能やS/N比は主磁極の厚みに依存し
ないことが判る。
ラック方向の厚みをさらに大きい範囲で変えたときの、
ゼロクロスの傾きの変化が示されている。この結果から
明らかなように、主磁極の厚みが0.05μm以上であ
れば、のゼロクロスの傾きは主磁極の厚みに依存しなく
なる。
0.1μmにしたときの微分再生信号が示されている。
図から明らかなように、この場合には、ゼロクロス点の
傾きが小さくなっている。
広範囲に変化させたときの、ゼロクロス点の傾きの変化
が示されている。非磁性中間層110の厚みを小さくす
るほどゼロクロス点の傾きが大きくなり、大きなS/N
が得られることが判る。
スク装置に組み込まれた磁気ヘッド101では、記録感
度と、再生分解能および再生感度とを独立して制御する
ことが可能である。したがって、高い記録能力と高い再
生分解能とを両立させることができる。また、この磁気
ヘッドは記録部および再生部が一体化されたヘッド構造
であるため、記録中心と再生中心がサブミクロン程度し
か離れていない。したがってヨーク角の付いた状態でも
オフトラックの発生を抑えることが可能であり、磁気デ
ィスクの狭トラック化にも充分対応することが可能であ
る。したがって、磁気ディスク装置の記録密度と信頼性
を高めることができる。
102とを接触させて走行させることにより、スペーシ
ング損失を小さくでき、高い記録密度での信号の記録お
よび再生が可能となる。加えて、MR素子114の摩耗
やセンス電流のリークが発生しないため、接触記録であ
るにもかかわらず、MR素子内蔵ヘッドの信頼性を著し
く高めることができる。
子114に直交するような構造であるため、記録磁界に
よってMR素子114の磁区変化は生じない。したがっ
て、ノイズの少ない安定した信号再生が可能となり、装
置の信頼性を向上させることができる。
置の要部が、ヘッドと磁気ディスクとの相対移動方向に
沿った断面図として模式的に示されている。
は、次のようにして製造されたものである。まず、2.
5インチ径で厚さ0.635mmのガラス基板217の
上に、アルゴンガス雰囲気中でのDCマグネトロンスパ
ッタ法により、厚さ0.12μmのFeSiからなる軟
磁性裏打ち層218を形成する。その上に、厚さ0.0
4μmのスパッタカーボン中間層219を介して、アル
ゴンガス雰囲気中でのDCマグネトロンスパッタ法によ
り、厚さ0.1μmのCoCr垂直磁気異方性層(磁化
記録層)220を形成する。さらにその上に、ヘッドの
接触に対する耐久性を確保するために、RFスパッタ法
により、SiN膜からなる厚さ0.005μmの保護膜
221を形成する。軟磁性裏打ち層218の面内方向保
磁力(Hcs)は60Oeであり、磁化記録層220の垂
直方向保磁力(Hch)は1600Oeである。
再生を行うための磁気ヘッド222は、次のように構成
されている。SiCセラミックス製の針状アーム223
の先端部に、高周波スパッタ法により形成された、Fe
Si高透磁率材よりなる主磁極224a,224bが設
けられている。これら主磁極224a,224bは、ト
ラック方向に互いに対面しており、かつそそれぞれの一
端部は磁気ディスク216と対向して配置されている。
主磁極224a,224bのトラック方向の厚さは、
0.1μmである。二つの主磁極224a,224bの
間には、高周波スパッタ法によりSiO2 からなる非磁
性中心間層225が形成されている。該非磁性中間層2
25の厚さは、磁気ディスク216に近接する部分で
0.02μmである。主磁極224aと針状アーム22
3sの間には、絶縁材料235によって覆われた記録コ
イル226が配置されている。この例の場合、記録コイ
ル226の巻き数はハーフターン(0.5ターン)であ
る。
間層225は、磁気ディスク216に対向する先端部と
は反対側の後端部において湾曲しており、その先端の端
面と後端の端面とは90°の角度をなしている。後端部
の端面には、絶縁層227を介してパーマロイ層228
/Cu層229/パーマロイ層230/FeMn層23
1の積層膜からなるスピンバルブ素子232が配置され
ている。
a,224bと磁気的に結合されている。また、スピン
バルブ素子232の図中上下方向の端部には、2本の銅
リード線233a,233bが接続されている。これら
銅リード線233a,233bを介して、スピンバルブ
素子232の上下方向にセンス電流Isが流される。パ
ーマロイ層230の磁化方向は、反強磁性FeMn層2
31との交換結合によって一定方向に固定される。これ
に対して、パーマロイ層228の磁化方向は、磁気ディ
スク216から主磁極224a,224bを通して磁気
バルブ素子232に与えられる磁束によって変化し得
る。スピンバルブ素子232の電気抵抗は、パーマロイ
層230の磁化の向きと、パーマロイ層228の磁化の
向きとの相対的な関係によって変化する。実際は、スピ
ンドルバルブ素子232の電気抵抗は、二つのパーマロ
イ層の磁化の向きが並行の場合に抵抗値が最小となり、
反並行の場合に最大となる。したがって、スピンバルブ
素子232は、実施例1におけるMR素子と同じ作用を
奏する。記録および再生は、磁気ヘッド222と磁気デ
ィスク216とが接触した状態で行われる。
232は磁気ディスク216の表面には接触しない。ま
た、主磁極224a,224bにより発生する磁界は、
スピンバルブ素子232の表面に対して直交する。従っ
て、実施例1と同様の効果を得ることができる。
装置の要部が、図12と同様の断面図として模式的に示
されている。
ド301と磁気ディスク302とを備えている。
磁気ディスク302に情報を記録し記録された情報を再
生するためのヘッドであり、磁化信号を再生するための
MR素子を具備している。磁気ヘッド301は、アーム
303を介して磁気ディスク302に接触するように設
けられている。また、磁気ディスク302は同心円状の
複数のトラックが形成されており、磁気ヘッド301
は、図示しないアクチュエータによって所望のトラック
上に位置決めされる。
基板305の上に、軟磁性裏打ち層306、垂直磁気異
方性を有する磁化記録層307を順次積層し、さらにそ
の上に保護膜308が形成することにより製造されてい
る。具体的には、1.8インチ径で厚さ0.4mmのガ
ラス基板305の上に、アルゴンガス雰囲気中での高周
波スパッタ法によりCoZrNb微結晶からなる厚さ
(db)が0.2,μmの軟磁性裏打ち層306を形成
される。その上に、アルゴンガス雰囲気中でのDCマグ
ネトロンスパッタ法により、厚さ(dr)が0.07μ
mのCoPtからなる垂直磁気異方性を有する磁化記録
層307が形成される。該磁化記録層7の上にさらにヘ
ッドの接触に対する耐久性と絶縁性を確保するためにR
Fスパッタ法によりZrO2 、からなる厚さ(dp)が
0.01μmの保護膜308が形成される。
性裏打ち層306の面内方向保磁力(Hcs)は5Oeで
あり、その飽和磁束密度(Bsb)は1100Gであっ
た。一方、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した
結果、磁化記録層307の平均結晶粒径は0.015μ
m、すなわち膜厚の約1/5であった。また、磁化記録
層307垂直方向磁気異方性定数は2.5×105 J/
m3 以上であり、垂直方向保磁力(Hch)は2500O
e、飽和磁化(Isr)は10000Gであった。軟磁性
裏打ち層306の膜厚(db)と飽和磁束密度(Bsb)
との積(db・Bsb)は2200Gμm、磁化記録層3
07の膜厚(dr)と飽和磁化Isrとの積(dr・Is
r)は700Gμmであった。したがって、上記磁気デ
ィスク302は、Bsb・db>Isr・drの関係を満足
している。この関係を満足する磁気ディスクでは、軟磁
性裏打ち層306が飽和し難いため、磁気ヘッドとの磁
気的結合が強くなる効果が得られる。
いる。
ムを示している。針状アーム303の端部には、DCス
パッタによりCoZrNb高透磁率材よりなる厚さ0.
5μmの磁気シールド膜309が形成されている。磁気
シールド膜309外側には、厚さ0.2μmの非磁性絶
縁層310を介して、MR素子311がイオンビームス
パッタ法により形成されている。
その膜厚Tmは0.08μm、高さは6μmである。す
なわち、MR素子311の膜厚Tmは、磁化記録層30
7の平均結晶粒径0.015μmよりも十分に大きい。
また、磁気シールド膜309とMR素子311との間隔
gは、非磁性絶縁層310の膜厚と同じ0.2μmであ
る。
は左側面)には、非磁性絶縁層312、磁気シールド膜
313および非磁性絶縁層314が形成されている。磁
気シールド膜313とMR素子311との間隔gは、
0.2μmである。
工されており、この平滑加工された側面には、記録用の
種磁極315が形成されている。主磁極315は、高周
波マグネトロンスパッタ法で作成された厚さTr=0.
5μmのFeSi薄膜からなっている。主磁極315の
中央には、突起が形成されている。この突起によって、
絶縁材料317で覆われた記録コイル316により発生
された記録磁束は、効率良く主磁極つ315を貫通する
ことができる。
では下端)は、磁気ヘッドの下端に露出している。しか
し、磁気ディスクの保護膜308とMR素子311との
間の距離(ds)は、これらの表面粗さに起因して、両
者を接触させた場合でも平均で約0.01μmである。
また、既述したように、保護膜308の厚さ(dp)は
0.01μmである。したがって、MR素子311の先
端と磁化記録層307との間の距離(ds+dp)は
0.02μmである。その結果、ヘッド/媒体スペーシ
ング(ds+dp)と、MR素子311の膜厚(Tm=
0.08μm)および磁化記録層307の膜厚(dr=
0.07μm)とは、次式の関係を満たしている。
+dr<2Tm 主磁極315の先端と保護膜308との距離(dsw)
も、同様に0.01μmであるから、記録用主磁極31
5の先端と磁化記録層307との距離(dsw+dp)
も、0.02μmである。したがって、ヘッド/媒体ス
ペーシング(dsw+dp)と、主磁極315の膜厚(T
r=0.5μm)とは次式の関係を満足している。
は、記録コイル316に記録電流を流すことによって主
磁極315に強い磁束を発生させる。このとき、主磁極
315と磁気ディスクのCoZrNb軟磁性裏打ち層3
06との間の静磁気的な結合により、両者に挾まれたC
oPt磁化記録層307の内部には、大きくて鋭い分布
の記録磁界が発生する。その結果、磁化記録層307は
この記録磁界に対応した方向に磁化される。
前面を磁気ディスク302の磁化転移点が通過する際
に、磁化記録層307からMR素子311に流れる磁束
量が変化し、その電気抵抗を急峻に変化させる。MR素
子311に一定のセンス電流を流すことにより、この抵
抗変化を電圧変化に変換し、再生信号電圧を得ることが
できる。
(ds+dp)をかえた場合に、パルス幅(PW50)が
変化する様子が示されている。なお、パルス幅PW
50は、MR素子311の出力電圧をV(x)としたと
き、その微分信号(dV(x)/dx)の半値幅で定義
される。
スペーシング(ds+dp)がMR素子311の膜厚
(Tm)に比べて大きいとき、PW50は、分解能がTm
+gで規定される曲線に漸近する。既述したように、g
は、MR素子311と磁気シールド309との間の間隔
である。これに対して、スペーシング(ds+dp)が
Tmに比べて小さいときには、PW50は、分解能がTm
で規定される曲線に漸近する。この結果は、次のことを
意味している。
では、スペーシング(ds+dp)をMR素子311の
膜厚(Tm)に比べて十分小さい場合には、MR素子3
11と磁気シールド膜309との間隔gにはほぼ無関係
に、MR素子311の膜厚(Tm)のみで分解能が決ま
る。したがって、最短記録波長λmin がTm+gより短
い信号であっても再生することが可能となる。
ドとの組合せでは、ds+dpを小さくしても、再生分
解能はTm+gよりも高くはなり得ない。これに対し
て、軟磁性裏打ち層306と垂直磁気異方性の磁化記録
層307と有する磁気ディスク302と、シールド型M
Rヘッドのとを組合せた場合には、ds+dpをTmに
比べて十分小さくすることによって、再生分解能を最大
Tm/(Tm+g)倍にまで高めることができる。
r)を変えたときに、再生パルス幅(PW50)が変化す
る様子を示している。図から明らかなように、主磁極3
15の厚さ(Tr)がスペーシング(dsw+dp)の2
倍よりも小さくなると、急激にパルス幅(PW50)が増
加し、分解能が低下する。これは、主磁極315が薄く
なり過ぎると、主磁極が発生する記録磁界の傾きが小さ
くなり、磁化転移幅が広がってしまうためである。従っ
て、2(dsw+dp)<Trの条件を満足することによ
って、より高密度の記録が可能となる。なお、この関係
は、実施例1および実施例2の磁気ディスク装置でも同
様である。
装置の要部が、図12と同様の断面図として模式的に示
されている。
は、次のようにして製造されたものである。まず、2.
5インチ径の厚さ0.635mmのガラス基板419の
上に、アルゴンガス雰囲気中でのDCマグネトロンスパ
ッタ法により、FeSiからなる厚さ(db)が0.1
2μmの軟磁性裏打ち層420を形成する。その上に、
アルゴンガス雰囲気中でのDCマグネトロンスパッタ法
により、厚さ(dr)が0.1μmのCoPt0からな
る垂直磁気異方性の磁化記録層421が形成する。さら
にこの上に、ヘッドの接触に対する耐久性と絶縁性を確
保するために、RFスパッタ法により、SiN2 膜から
なる厚さ(dp)が0.005μmの保護膜422を形
成する。
性裏打ち層420の面内方向磁力(Hcs)は6Oeで、
飽和磁束密度(Bsb)は1500Gであった。また、C
oPtOからなる垂直磁気異方性の磁化記録層421の
特性について、その垂直方向保持力(Hch)は1600
Oe、飽和磁化(Isr)は9000G、結晶の平均粒径
は0.01、μmであった。この実施例の磁気ディスク
もBsb・db>Isr・drの関係を満足している。
いる。
クス製の針状アームを示している。この針状アーム42
4端部には、高周波スパッタ法により、FeSi高透磁
率材からなる主磁極425が形成されている。主磁極4
25のトラック方向の厚さ(Tr)は0.1μmで飽和
磁束密度(BsA)は18000Gである。主磁極42
5の図中左側面には、絶縁材料426によって覆われた
記録コイル427が配置されている。この例の場合、記
録コイル427の巻き数は1ターンである。
よって平坦に加工されており、この加工面には、NiF
e合金よりなるMR素子428が形成されている。MR
素子428の膜厚(Tm)は0.06μm、高さ4μm
である。また、MR素子428と主磁極425との間隔
(g)は、磁気ディスク418と対向する端部付近にお
いて、0.3μmである。MR素子428の図中左側面
側には、非磁性絶縁層429が形成されている。
先端(図中下端)と磁気ディスク418の保護膜422
との距離(ds)は、両者を接触させても表面粗さのた
めにゼロにはならず、平均で約0.01μmである。し
たがってMR素子428の先端と磁気ディスク418の
磁化記録層421との間の距離、つまりヘッド/媒体間
スペーシングは、ds+dp=0.015μmである。
したがってスペーシング(ds+dp)、MR素子42
8の膜厚(Tm)および磁化記録層421の膜厚(d
r)は、次式の関係を満足している。
中下端)と保護膜422との間の距離(dsw)も、ds
と同じく0.01μmである。したがって、主磁極42
5の先端と磁化記録層421との間の距離、すなわちヘ
ッド・媒体間スペーシング(dsw+dp)も、(ds+
dp)と同じく0.015μmである。また、既述した
ように、主磁極425のトラック方向の厚さ(Tr)は
0.1μmである。その結果、スペーシング(dsw+d
p)と主磁極425の膜厚(Tr)とは次式で示す関係
を満足している。
と同様に、優れた記録および再生分解能を発揮させるこ
とができる。
れたMR素子にセンス電流Isを供給する経路の模式図
が示されている。
示し、802は磁気ディスク801の表面に対して垂直
となるように配置された、信号再生用のMR素子を示し
ている。この例では、導電性軟磁性材で形成されたリタ
ーンヨーク803〜MR素子802〜導電性非磁性体8
04〜導電性軟磁性材で形成されたリターンヨーク80
5の経路で、センス電流Is が供給される。
成されたリターンヨーク806〜MR素子807〜導電
性非磁性体808〜記録用主磁極809〜記録側のリタ
ーンヨーク810の経路で、センス電流Isが供給され
る。なお、811は記録コイルを示している。
性軟磁性材で形成されたリターンヨーク813〜MR素
子814〜導電性非磁性体815〜導電性軟磁性材で形
成されたリターンヨーク816の経路で、センス電流I
sが供給された。なお、817も、リターンヨークを示
している。
成された磁気シールド818〜導電性非磁性体819〜
MR素子820〜導電性非磁性体821〜導電性軟磁性
材で形成された磁気シールド822の経路で、センス電
流Isが供給される。
成された磁気シールド823〜導電性非磁性体824〜
MR素子825〜導電性非磁性体826〜導電性軟磁性
材で形成された磁気シールド827の経路で、センス電
流Isが供給される。
においても、磁気シールドやリターンヨーク等のよう
な、MR素子に近接して配置される導電性軟磁性体を通
してセンス電流Isが供給される。したがって、MR素
子と磁気シールド等との間の微小隙間に、センス電流供
給用のリードを設ける必要がなくなるので、MR素子と
磁気シールドとの間の間隔を小さくし、この間隔で決ま
る分解能を向上させることが可能となる。また、MC素
子と磁気シールドとの間の間隔を小さくできる結果、再
生効率を向上させることができる。また、MR素子で発
生した熱は、導電性非磁性体を経由して、磁気シールド
やリターンヨークに効率よく伝えられる。したがって、
良好な熱放散性を得ることができ、熱によるMR素子の
特性変化や損傷を防ぐこともできる。
置の要部が、磁気ヘッド901と磁気ディスク902と
の相対移動方向に沿った断面図として模式的に示されて
いる。
であり、その先端部に磁気ヘッドの電磁変換部分が搭載
されている。アーム903の先端には、CoFe系合金
からなる軟磁性の主磁極904a,904bが形成され
ている。これら主磁極904a,904bは、磁気ディ
スク902の表面に対して垂直な方向に延設されてい
る。また、主磁極904a,904bはトラック方向で
互いに対面し、両者の間にはSiO2 からなる非磁性中
間層905が介在されている。主磁極904a,904
bのトラック方向の厚さは、それぞれ0.25μm,
0.3μmであり、非磁性中間層905の厚さは0.0
3μmである。また主磁極904a,904bの高さ
は、0.5μmである。
一端が磁気ディスク102に対向する位置するように設
けられている。主磁極904a,904bの他端には、
絶縁層906を介して、MR素子907が設けられてい
る。MR素子907は、その膜面が磁気ディスク902
の表面と平行になるように、すなわち、主磁極904
a,904bの延設方向に対して直交するように配置さ
れ、主磁極904a,904bと磁気的に結合してい
る。MR素子907のトラック幅方向の両端部には、2
本の銅リード線908a,908bが接続されており、
これら銅リード線を介して、MR素子907にトラック
幅方向のセンス電流Is を流すことができるようになっ
ている。MR素子907の上には、AL2 O3 からなる
絶縁層909を介して、CoZr系アモルファス合金か
らなるリターン磁極910が設けられており、該リター
ン磁極910は主磁極904a,904bと磁気的に結
合している。リターン磁極910には3ターンの記録コ
イル911が巻回されている。この記録コイル911に
記録電流を流すことによって、リターン磁極910およ
びこれに磁気的に結合した主磁極904a,904bを
介して、磁気ディスク902の垂直記録層912に対し
て記録磁界を印加する。主磁極904a,904bは、
磁気ディスク902の軟磁性裏打ち層913と磁気的に
結合している。この軟磁性裏打ち層913によって、記
録および再生の効率が向上される。なお、磁気ヘッド9
01による記録および再生は、ヘッド901と磁気ディ
スク902とが接触した状態で行われる。
904a,904bではなく、主磁極の上に設けたリタ
ーン磁極910に巻回している点において、実施例1と
は異なっている。その結果、記録コイル911の寸法お
よび巻線数とは無関係に、一対の主磁極904a,90
4bの高さを低くすることが可能となるので、再生効率
を向上することができる。逆の観点からいうと、一対の
主磁極904a,904bを高くすることなく、記録コ
イルの寸法および巻線数を増大できるので、高い再生効
率を維持したまま、より強い記録磁界を印加することが
できる。
置の要部が、磁気ヘッド901と磁気ディスク902と
の相対移動方向に沿った断面図として模式的に示されて
いる。なお、図では省略してあるが、磁気ヘッド901
は、先の実施例で述べたと同じく、セラミック製の針状
アームの先端に形成されている。また、図では、各部材
間に介在する絶縁層が省略されている。
は、FeN系合金からなる軟磁性の主磁極920a,9
20bが形成されている。これら主磁極920a,92
0bは、磁気ディスク902の表面に対して垂直な方向
に延設されている。また、主磁極920a,920bは
トラック方向で互いに対面し、両者の間には非磁性中間
層905が介在されている。また、主磁極920a,9
20bは、それぞれの一端が磁気ディスク902に対向
する位置するように設けられており、磁気ディスク90
2から離れるに伴って湾曲している。主磁極920a,
920bの他端には、その端綿と平行に配置されたMR
素子923が、絶縁層922を介して設けられている。
MR素子923の上端および下端には、2本の銅リード
線924a,924bが接続されており、これら銅リー
ド線を介して、MR素子923にセンス電流Is が流さ
れるようになっている。非磁性中間層921は、MR素
子923に近付くに伴って厚さが増大するように形成さ
れている。具体的には、磁気ディスク902に対向する
一端部での厚さは0.04μmであるが、MR素子92
3に対向する他端での厚さは0.2μmである。
うに、絶縁層を介して、U字型のリターン磁極924が
配置されている。また、このリターン磁極924に囲ま
れるように、記録コイル925が設けられている。リタ
ーン磁極924の平行に伸びる二つのアームのうち、M
R素子924と対向するアームは、主磁極920a,9
20bと磁気的に結合する。その結果、磁気ディスク9
02に対して効率よく記録磁界を印加することができ
る。一方、リターン電極924の他方のアームは、磁気
ディスク902の軟磁性裏打ち層912と磁気的に結合
している。その結果、記録コイル925による磁束を効
率よく導くことが可能である。
効果を得ることができる。
気ヘッド930が、該磁気ヘッドと磁気ディスク902
との相対移動方向に沿った断面図として模式的に示され
ている。なお、図24においては、各部材間に介在する
絶縁層が省略されている。
0は、薄膜プロセスによって製造されている。すなわ
ち、薄膜プロセスを用いることにより、ヘッド基板93
1の上に、まずリターン磁極932a,932b,93
2cおよび記録コイル933を順次形成する。続いて、
絶縁材料を介してMR素子934、絶縁層935、主磁
極936a,936bおよび非磁性中間層937を形成
する。
は、薄膜プロセスを用いることによって著しく薄く製造
できる利点がある。
同様の効果を得ることができる。
0が、該磁気ヘッドと磁気ディスク902との相対移動
方向に沿った断面図として模式的に示されている。な
お、この図では、各部材間に介在する絶縁層が省略され
ている。
ない非磁性中間層を介して形成された、二つの主磁極9
41a,941bを有する。二つの主磁極941a,9
41bの一端部は、磁気ディスク902と対向するよう
に配置され、この一端部の近傍でのみ相互に重なるよう
に形成されている。主磁極941a,941bの他端部
には、絶縁層924を介してMR素子943が設けられ
ている。さらに、主磁極941a,941bの上には、
図示しない絶縁層を介して、J字型のリターン磁極94
4が配置されている。このリターン磁極944は主磁極
941a,941bと磁気的に結合されており、かつ記
録コイル945が巻回されている。記録コイルの巻き数
は1ターンである。
効果を得ることができる。
じMRヘッドを具備している。したがって、実施例1で
説明したように、二つの主磁極109a,109bを通
る磁束量の差をMR素子114で検知することにより、
信号の再生が行われる。
は、図26のブロックダイアグラムに示す再生信号処理
回路が含まれている。同図において、1001は磁気デ
ィスク、1002は記録/再生ヘッド、1003は記録
アンプ、1004は再生プリアンプ、1005は微分回
路、1006は検出回路、1007はプリコーダであ
る。この処理回路の特徴は、微分回路1005およびプ
リコーダ1007が具備されている点にある。微分回路
1005は、MRヘッドの出力を時間パラメータで微分
する回路である。この微分回路は、図5に示したMR素
子を鎖交する再生磁束密度の変化を、図6に示した再生
電圧信号に変換する。プリコーダ1007は、再生ヘッ
ド1002および微分回路1005を通過する際の伝達
関数Gによって隣接ビット間に生じる干渉を、排除する
ための復元回路である。すなわち、プリコーダ1007
は伝達関数Gの逆関数G−1にしたがった処理を行う。
ルを通過する際のデータ干渉の様子と、プリコーダによ
るデータ復元の様子を示している。この例は、ビット間
隔(B)と、一対の主磁極109a,109bの厚さ
(Tr)とが下記の関係にある場合のデータの流れを示
している。
1+D+D2 +D3 であり、プリコーダ1007の伝達
関数は(1+D+D2 +D3 )-1である。
コーダ1007が配置されている。しかし、エラーの伝
搬を防ぐために、記録再生チャンネルの初段、すなわ
ち、入力の最初にプリコーダを配置してもよい。
の主磁極1011a,1011bと、その上端に配置さ
れたMR素子114とを具備している。ヘッドの相対移
動方向の上流側、すなわちリーディング側の主磁極10
11a,1011bは、その一方の側端部が他の主磁極
1011bの側端を越えて、△Wだけ延設されている。
その結果、トレーリング側の主磁極1011bの幅をW
としたとき、主磁極1011aの幅はW+△Wである。
それ以外の構成は、図5に示したMRヘッドと同じであ
る。
うに、そのヘッドギャップ面が磁気ディスクのトラック
1012に対して角度θだけ傾くように配置される。そ
の結果、主磁極1011aの側端部は、主磁極1011
bの側端を越えて△Wだけ、傾きθとは逆方向に延出す
る。しだがって、主磁極1011bの厚さをTr1と
し、ギャップ長をgとしたとき、△Wを好ましくは(T
r1+g)tanθ以上とすることにより、一対の主磁
極が再生すべき磁化転移1013の直上を確実に通過す
るようにすることができる。これにより、位相ズレおよ
び再生時のオフセットを生じることなく、正確な再生が
可能となる。
接してMRヘッドが配置された磁気ヘッドが用いられて
いる。この磁気ヘッドは、図30に示すように、MR再
生ヘッド1014の面が記録トラック1016の幅方向
に対して角度θだけ傾くように配置される。図示のよう
に、MRヘッド1014と記録ヘッド1015とは、幅
方向にずらして配置されている。このとき、記録ヘッド
の両側端を基準としたMRヘッド1014の側端のずれ
量△W1,△W2は、以下のように設定される。 <ヘッドの相対移動方向が図中の矢印Aの場合> △W1:(g+tr)tanθ以上 △W2:g・sinθ以上、かつ(g+tr)sinθ
以下 <ヘッドの相対移動方向が図中の矢印Bの場合> △W1:g・tanθ以上 △W2:g・sinθ以上
よれば、記録感度と再生分解能・再生感度を独立に制御
することが可能となり、高い記録能力と再生分解能を両
立させることができる。また、再生に用いられるMR素
子を、磁気ディスクとは反対側に位置する主磁極の他端
に絶縁層を介して配置しているので、磁気ヘッドが磁気
ディスクと接触走行した場合であってMR素子に摩耗の
発生することはないし、磁気ディスクが導電性の場合で
あってもMR素子に流れるセンス電流が漏洩するような
こともない。さらに、主磁極の端面とMR素子の膜面と
が平行しているので、記録時に大きな記録磁界が印加さ
れた場合であっても、MR素子の膜面の法線方向に磁界
が加わることになり、MR素子の磁区が乱されることも
ない。
置の部分断面斜視図。
図。
化を示す図。
磁極の厚みとの関係を示す図。
きの再生信号波形図。
非磁性中間層の厚みとの関係を示す図。
装置の要部断面模式図。
装置の要部断面模式図。
・媒体間スペーシングとの関係を示す図。
主磁極の厚みとの関係を示す図。
装置の要部断面模式図。
1の例を示す模式図。
2の例を示す模式図。
3の例を示す図。
4の例を示す模式図。
5の例を示す模式図。
置の要部を概略的に示した模式図。
ク 103,223,303,424…アーム 104…トラック 105,217,305,419…ガラス基板 106,218,306,420…軟磁性裏打ち層 107,220,307,421…垂直磁化異方性の磁
化記録層 110,225…非磁性中間層 108,221,308,412…保護膜 109a,109b,224a,224b,315,4
25…主磁極 112,226,316,427…コイル 114,232,311,428,802,807,8
14,820,825…磁気抵抗効果素子(MR素子) 115a,115b,233a,233b…銅リード 309,313…磁気シールド膜 803,805,806,810,813,816,8
17…リターンヨーク 804,808,815,821,826…導電性非磁
性体 818,822,823,827…磁気シールド
Claims (7)
- 【請求項1】 軟磁性裏打ち層の上に垂直磁気異方性を
有する磁化記録層を設けてなる垂直磁気記録方式の磁気
ディスクと、この磁気ディスクへの情報記録および情報
読出しを行う磁気ヘッドとを備えてなる磁気ディスク装
置において、前記磁気ヘッドは、それぞれ高透磁率材で
形成され、それぞれの一端が前記磁気ディスク側に位置
する関係に配置された一対の主磁極とこれら主磁極間に
設けられた非磁性中間層と、発生した磁束を前記主磁極
を介して前記磁気ディスクに通す記録コイルと、前記一
対の主磁極の他端に絶縁層を介し、かつ上記一対の主磁
極と磁気的に結合する関係に配置された磁気抵抗効果素
子とを具備してなることを特徴とする磁気ディスク装
置。 - 【請求項2】 前記磁気ディスクは、軟磁性裏打ち層と
その上に積層された磁化記録層を有するものであり、軟
磁性裏打ち層の飽和磁束密度をBsb、膜厚をdb、磁
化記録層を膜厚をdr、飽和磁化をIsrとしたとき、
Bsb・db>Isr・drを満足することを特徴とす
る請求項1記載の磁気ディスク装置。 - 【請求項3】 前記磁気ヘッドは記録用主磁極を有する
垂直磁気記録ヘッドであり、かつ前記磁気ディスクは軟
磁性裏打ち層とその上に積層された磁化記録層を有する
ものであり、前記主磁極の厚さをTr、前記主磁極の先
端と前記磁化記録層との距離をdsw+dpとしたと
き、2(dsw+dp)<Trを満足することを特徴と
する請求項1記載の磁気ディスク装置。 - 【請求項4】 前記磁気ディスク上の記録トラック相互
間に、実質的に有効な信号が存在しない無信号領域を形
成する手段を有することを特徴とする請求項1記載の磁
気ディスク装置。 - 【請求項5】 前記磁気ディスク上の記録トラックの幅
をTw、該記録トラックのトラックピッチをTpとし、
前記無信号領域の幅をGとしたとき、 G>Tp−Tw なる条件を満たすことを特徴とする請求項4に記載の磁
気ディスク装置。 - 【請求項6】 前記磁気ヘッドは前記磁気ディスク表面
に、バネ性を有する支持部材のバネ力によって接触する
ように接触摺動子に搭載され、この接触摺動子は磁気ヘ
ッドの位置決め機構に含まれる適切な固定端に連結され
ていることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装
置。 - 【請求項7】 前記支持部材は、前記固定端から一方向
に延設された第1ビームと、この第1ビームの先端から
第1ビームとは逆方向に延設された第2ビームとを含む
折り返し構造を有しており、この第2ビームの先端に前
記接触摺動子が設けられている請求項6記載の磁気ディ
スク装置。
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Applications Claiming Priority (5)
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JP35128193 | 1993-12-29 | ||
JP5-351281 | 1993-12-29 | ||
JP5-54367 | 1993-12-29 | ||
JP06894094A JP3431265B2 (ja) | 1993-03-15 | 1994-03-15 | 磁気ディスク装置 |
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JP2001368958A Division JP2002208103A (ja) | 1993-03-15 | 2001-12-03 | 磁気ディスク装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07235002A JPH07235002A (ja) | 1995-09-05 |
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