JPH05270024A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JPH05270024A
JPH05270024A JP4098471A JP9847192A JPH05270024A JP H05270024 A JPH05270024 A JP H05270024A JP 4098471 A JP4098471 A JP 4098471A JP 9847192 A JP9847192 A JP 9847192A JP H05270024 A JPH05270024 A JP H05270024A
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ink sheet
roller
recording sheet
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正勝 岩田
Hirohisa Sawada
宏久 沢田
Keizo Sasai
敬三 笹井
Fumihiko Nakamura
中村  文彦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録位置に向かって搬送される記録シートの
先端がインクシートに接触する前に、前記インクシート
の弛みを無くすこと。 【構成】 被転写材である記録シート2を記録手段10の
記録位置まで搬送する際に、前記記録シート2の先端が
転写材であるインクシート9に接触する前に、前記イン
クシート9にテンションを付加するよう構成した。 【効果】 上記構成により、テンションの付与されたイ
ンクシートに記録シートの先端がガイドされ、スムーズ
に記録位置に達せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクシートを収納した
インクシートカートリッジ及びサーマルヘッドを用いて
記録を行う記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、情報処理システムの発達に伴い、
種々の情報処理機器が開発されている。これら機器のう
ち、ファクシミリ装置やプリンタ等の記録装置はオフィ
スのみならず、一般家庭においても広く使用されるよう
になっている。
【0003】これらファクシミリ装置等にあっては小型
化を容易にするために、加熱により発色する感熱シート
を使用した所謂感熱記録方式が一般的に使用されている
が、近年ではインクシートを使用した所謂熱転写記録方
式に係るファクシミリ装置も開発されている。例えば、
図15(a)に示すようにベースフィルムにインクを塗布
したインクシート100 を供給リール101 及び巻取リール
102 に巻き付けて装置本体に装填する。そして記録に際
しては前記インクシート100 を、駆動回転する搬送ロー
ラ103 により搬送すると共に、記録ヘッド104 に押圧さ
れた記録シート105 をプラテンローラ106 で搬送し、記
録ヘッド104 を画信号に応じて発熱することによって記
録を行うものである。尚、前記インクシート100 は印字
開始と共に搬送が開始される。
【0004】上記熱転写記録方式のファクシミリ装置に
あっては記録シートとして普通紙を用いることが出来る
と共に、画像も鮮明に記録し得る利点がある。また最近
では、上記熱転写記録方式のファクシミリ装置において
も定型サイズにカットされた普通紙を記録シートとして
用いる場合が増えてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の記録装置は、記録開始以降にインクシート100 の搬
送が行われるため、長期間記録を行わないでいると、前
記インクシート100 が弛んできて、記録開始前に記録シ
ート105 を記録位置まで搬送する際に、図15(b)に示
すように記録シート105 の先端がインクシート100 に接
触し、該インクシート100 を押し上げてしまい、正常な
搬送が行われなくなる虞がある。特に、記録シート105
の先端が図15に示すように上カールしている場合に起こ
り易い。
【0006】また、定型サイズにカットされた普通紙を
記録シートとして用いる熱転写記録方式のファクシミリ
装置にあっては、記録位置に対する記録シートの先端位
置合わせを行うための先端位置合わせ機構及び前記先端
位置合わせ機構を設けるスペースが必要となり、前記記
録装置本体の大型化、コストアップの要因につながって
しまうという問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、記録位置まで搬
送される記録シートの先端がインクシートに接する前に
前記インクシートの弛みを無くし、正常なシート搬送が
行われるようにすることであり、また記録シートの先端
位置合わせ方法を変えることにより、装置の簡素化、小
型化、及びコストダウンを図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、以下
に述べる実施例に適用される手段は、転写材及び被転写
材を平行搬送し、前記転写材を記録手段により選択的に
被転写材に転写して記録を行う記録装置に於いて、前記
被転写材を記録位置まで搬送する際に、前記被転写材の
先端が前記転写材に接触する前に、前記転写材にテンシ
ョンを付加するよう構成したことを特徴とする。また、
転写材及び被転写材を平行搬送し、前記転写材を記録手
段により選択的に被転写材に転写して記録を行う記録装
置に於いて、前記転写材を搬送する転写材搬送手段と、
前記被転写材を搬送する被転写材搬送手段とを有し、前
記転写材と前記記録手段と前記被転写材搬送手段とで前
記被転写材の先端位置合わせをするよう構成したことを
特徴とする。
【0009】
【作用】本発明によれば、被転写材を記録位置まで搬送
する際に、被転写材の先端が転写材に接触する前に、前
記転写材にテンションを付加するよう構成しているた
め、前記被転写材の先端をテンションが付加された転写
材でガイドし、スムーズに記録位置に達せしめることが
可能となる。また、本発明によれば、転写材と記録手段
と被転写材搬送手段とで、記録位置と被転写材の先端と
の位置合わせをするよう構成しているため、前記記録位
置と被転写材の先端との位置合わせをするための別の機
構等を設けることなく、記録位置と被転写材の先端との
位置合わせが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して前記手段を適用した記
録装置の一実施例について説明する。
【0011】〔第一実施例〕この実施例に係る記録装置
Bはファクシミリ装置の記録系として構成されており、
一般に熱転写記録装置と称されるものである。図1は前
記ファクシミリ装置の全体構造説明図、図2はその外観
斜視図、図3はインクシートの断面説明図、図4はイン
クシートカートリッジの展開説明図である。
【0012】(ファクシミリ全体説明)先ず、図1及び
図2によりファクシミリ装置の全体構成を説明する。こ
のファクシミリ装置は図1に示すように記録シートを供
給する給紙系Aと、記録装置としての記録系Bと、原稿
に記載された画像を読み取るための読取系Cと、操作部
Dと、装填されたインクシートカートリッジEとによっ
て構成されている。
【0013】給紙系Aは、給紙カセット1に載置された
記録シート2を、給紙ローラ3とこれに圧接する給紙片
4とからなる給紙部で一枚ずつ分離給送し、その記録シ
ート2をフィードローラ対5a,5bによって搬送し、
後述する記録系Bに供給する。また、記録シート2の搬
送経路はガイド6a,6bによって記録シート2の上下
を裏返す半円形の経路を形成している。更に、記録系B
の手前近傍には、記録シート2の先端位置を検出するフ
ォトセンサ,マイクロスイッチ等の記録シート先端セン
サ7が設けられている。前記給紙カセット1は装置本体
8に対して着脱可能に設けられており、また給紙ローラ
3、給紙片4、フィードローラ対5a,5b、ガイド6
a,6b、記録シート先端センサ7は夫々装置本体8に
設けられている。
【0014】記録系Bは他機から伝送された画信号、或
いは後述する読取系Cから伝送された画信号に応じて、
給紙系Aにより供給された記録シート2に画像を記録す
るものである。即ち、重合した記録シート2とインクシ
ート9とを後述する記録手段10を構成する記録ヘッド10
aによってプラテンローラ10b側に押圧し、プラテンロ
ーラ10bを図1の矢印方向へ駆動回転させることで記録
シート2を矢印a方向へ搬送すると共に、後述する駆動
機構によってインクシート9を矢印b方向へ搬送する。
前記記録シート2及びインクシート9の搬送と同期して
記録ヘッド10aを画信号に応じて発熱させてインクシー
ト9に塗布したインクを溶融(昇華を含む、以下同じ)
させ、溶融したインクを記録シート2に転写して画像を
形成するものである。
【0015】そして所定の画像を形成した記録シート2
を更に矢印a方向に搬送し、排出ガイド11a,11bによ
って形成された経路を通り、排出ローラ対12a,12bに
よって搬送して装置外へ排出する。また、排出ローラ対
12a,12b手前近傍には記録シート2の通過を検出する
フォトセンサ,マイクロスイッチ等の記録シート排出セ
ンサ13が設けられている。前記プラテンローラ10b、排
出ガイド11a,11b、排出ローラ対12a,12b、記録シ
ート排出センサ13は夫々装置本体8に設けられている。
またインクシート9は、本実施例では後述する構成より
なるインクシートカートリッジEに収納されており、こ
のインクシートカートリッジEは装置本体8の所定位置
に装填され、また前記記録ヘッド10aは回動軸14を介し
て回動可能に構成された蓋体としての記録カバー15の所
定位置に設けられている。
【0016】一方、読取系Cは原稿16に光を照射してそ
の反射光を電気信号に変換し、この信号を操作モードに
応じて他機に伝送し、或いは自己の記録系Bに伝送する
ものである。即ち、記録カバー15の上面に形成された原
稿載置台15aに原稿16を複数枚載置し、この原稿16を予
備搬送ローラ17a及び押圧片17bで予備搬送すると共
に、分離ローラ18a及びこれに圧接する圧接片18bによ
って一枚ずつ分離給送し、その原稿16を搬送ローラ対19
a,19b及び排出ローラ対20a,20bによって搬送して
排出トレイ21へ排出するように構成している。そして前
記原稿16が搬送される間にコンタクトセンサ等の光電変
換素子22で画情報を読み取り、その画信号をコピーモー
ドの場合には自己の記録系に伝送し、送信モードの場合
は他機の記録系に伝送するように構成している。
【0017】操作部Dは、図2に示すように前記モード
切り換え操作、コピー操作、送信操作等の操作を行うた
めのパネルであり、各種操作に応じたキーが設けられて
いる。この操作部Dは、読取系Cに於ける原稿搬送機構
の上部に設けられており、装置本体8に対して回動可能
に構成されている。尚、操作部Dの一方端側には送信・
受信を行う電話機のハンドセット23が装備されている。
尚、図1に於いて、24a,24bは電装基板である。
【0018】次に上記給紙系A,記録系B及びインクシ
ートカートリッジE等の各部の構成について具体的に説
明する。
【0019】(給紙カセット)給紙カセット1は、複数
枚の記録シート2を収容する箱形状をしたオケ1aと中
板1b、上ガイド1c、フタ1dとからなり、記録シー
ト2は中板1bと上ガイド1cとの間に所定量載置され
る。中板1bは載置された記録シート2の下面に一端を
支点として回動自在に設けられており、後述する押し上
げ板25によって押し上げられ、最上部の記録シート2を
給紙ローラ3に圧接させるものである。また、上ガイド
1cは所定位置で固定されており、最上部の記録シート
2を常に所定位置に保っている。
【0020】前記押し上げ板25は、装置本体8に回動自
在に支持されており、更に図示しないバネ等の力により
中板1bを押し上げる方向に回転力が付与されている。
従って、載置された記録シート2の枚数が少なくなるに
従って、押し上げ板25の回転力により中板1bが回動
し、最上部の記録シート2が順次搬送される。フタ1d
はオケ1aの上面に着脱可能に設けられており、記録シ
ート2へゴミ付着を防止すると共に、記録が終了し装置
外へ排出された記録シート2を載置するトレイとしても
機能する。図2に示す如く、フタ1dの端部及び側部は
記録シート2の載置を安定させるための傾斜がつけられ
ており、またその中央部は給紙カセット1の着脱の際に
オケ1aを持ち易くするために切り欠きが設けられてい
る。
【0021】また、給紙カセット1は装置本体8に対し
て着脱可能に設けられており、図1の左方向へ引き出す
ことで装置本体8から外れ、開口部8aから図1の右方
向へ挿入しつつガイド部8b,8cとで案内され、装置
本体8の所定位置(図1に示す位置)へ装着される。
【0022】(給紙部)給紙ローラ3はシリコンゴム等
の摩擦係数の高い材質からなるローラであって、円弧部
3aと平面部3bとを形成してなり、図1の矢印方向に
回転することで給紙カセット1内の最上部の記録シート
2を繰り出す。また給紙ローラ3の両側端には、円弧部
3aと略同じ外径を持つ円形のコロ(図示せず)が設け
られている。給紙片4は、コルクを含有したウレタンゴ
ム等のシート部4aをアーム部4bで回動可能に支持し
ており、図示しないバネ等により給紙ローラ3方向へ押
圧されている。従って、円弧部3aがシート部4aと対
向する位置にある時は、給紙片4は給紙ローラ3の円弧
部3aと圧接している。一方、平面部3bがシート部4
aと対向する位置にある時は、給紙片4は前述した給紙
ローラ3a両端の円形コロ(図示せず)に圧接してお
り、給紙ローラ3と給紙片4との間には記録シート2が
通過する空間が形成される。
【0023】記録待機状態に於いて給紙ローラ3は、そ
の平面部3bが記録シート2及び給紙片4に対向した位
置(図1に示す位置、以下給紙待機位置という)にあ
る。後述する駆動源により給紙ローラ3が図1の矢印方
向に回転すると、その円弧部3aが記録シート2に接す
ることで最上部の記録シート2を一枚繰り出す。この
時、複数枚の記録シート2が繰り出された場合、下部の
記録シート2はシート部4aとの接触摩擦で搬送を阻止
されるため、最上部の記録シート2のみ一枚がフィード
ローラ対5a,5bへと送られ、以後記録シート2はフ
ィードローラ対5a,5bにより搬送される。給紙ロー
ラ3は電磁クラッチ等のクラッチ手段によって1回転
し、その後前述した給紙待機位置で回転を停止する。そ
のため、記録シート2は給紙ローラ3と接することな
く、フィードローラ対5a,5bにより記録系Bへと搬
送されるのである。
【0024】(記録シート)記録シート2としては、普
通紙やプラスチックシート等及びその他の材質であっ
て、インクを転写し得るものを用いることが可能であ
る。本実施例では、B4サイズ又はA4サイズにカット
された普通紙を記録シート2として用いる。そして記録
シート2を収納した給紙カセット1は装置本体8の所定
位置(図1に示す位置)に収納している。また本実施例
ではランニングコストの低減を図るために記録シート2
の搬送速度よりも、インクシート9の搬送速度を遅くし
て記録を行う所謂マルチプリント方式を採用している。
このマルチプリント方式は、記録時における記録シート
2の搬送長さLよりも、インクシート9の搬送長さlを
短く、(L/l=n>1)として記録を行うものであ
る。このようにすると、記録シート2とインクシート9
の搬送長さを同じにした従来の記録方式(L/l=1)
に比べてインクシート9の使用効率をn倍にすることが
出来る。
【0025】(インクシート)インクシート9は前述し
た如くマルチプリントを行うために、同一部分でn回分
のインク転写が可能となるように構成している。そのた
め、本実施例では図3に示すように第1層の耐熱コート
層9a、第2層のベースフィルム層9b、第3層のイン
ク層9c、第4層のトップコーティング層9dの4層で
構成してなる。
【0026】前記耐熱コート層9aはサーマルヘッドで
ある記録ヘッド10aの熱からベースフィルム層9bを保
護するものである。この耐熱コート層9aは同一箇所に
nライン分の熱エネルギーが印加される可能性のある
(発熱情報が連続したとき)マルチプリントには好適で
あるが、この耐熱コート層9aを設けるか否かは記録方
式に応じて適宜選択すれば良い。尚、ポリエステルフィ
ルムのように比較的耐熱性の低いベースフィルムには前
記耐熱コート層9aを設けることは有効である。
【0027】第2層のベースフィルム層9bはインクシ
ート9の支持体となるものであり、マルチプリントの場
合、同一箇所に何回も熱エネルギーが印加されるため、
耐熱性の高い芳香族ポリアミドフィルムやコンデンサ紙
が有利であるが、従来のポリエステルフィルムでも使用
に耐える。これらの厚さは、媒体という役割からなるべ
く薄い方が印字品質の点で有利となるが、強度の点を加
味しなければならず、大体3μm〜8μm程度が好まし
い。
【0028】また第3層のインク層9cは記録シート2
にn回分の転写が可能な量のインクを含有した層であ
る。このインク成分は、接着剤としてのEVA等の樹
脂、着色のためのカーボンブラックやニグロシン染料、
バインディング材としてのカルナバワックス、パラフィ
ンワックス等を主成分として同一箇所でn回の使用に耐
えるように配合されている。このインク層9cの塗布量
によって感度や濃度が異なり、これは任意に選択すれば
良いが、4g/m2 〜9g/m2 程度が好ましい。
【0029】また第4層のトップコーティング層9dは
記録しない部分で記録シート2に第3層のインク層9c
が圧力転写されるのを防止するためのものであり、一般
に透明なワックス等で構成される。これにより、非記録
部分で記録シート2に圧力転写されるのは透明なトップ
コーティング層9dだけとなり、記録シート2の地汚れ
が防止されるものである。
【0030】尚、インクシート9の構成はこの実施例の
ものに限定されるものでなく、例えば支持体となるベー
ス層及びベース層の片側に設けられたインクが含有され
た多孔性インク保持層とからなるものでも良く、またベ
ースフィルム上に微細多孔質網状構造を有する耐熱性イ
ンク層を設け、そのインク層内にインクを含有させたも
のでも良い。またベースフィルム層9bの材質として
は、例えばポリイミド、ポリエチレン、ポリエステル、
ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース、ナイロン等
からなるフィルム、或いは紙であっても良い。更に耐熱
コート層9aは必ずしも必要でないが、その材質として
は、例えばシリコン樹脂やエポキシ樹脂、フッ素樹脂、
エトロセルロース等であっても良い。また熱昇華性イン
クを有するインクシート9の一例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族
ポリアミドフィルム等で形成された基材上に、グアナミ
ン系樹脂とフッ素系樹脂で形成したスペーサ粒子及び染
料を含有する色材層を設けたインクシートが挙げられ
る。本実施例にあっては前記インクシート9の取り扱い
を容易にするために、これをインクシートカートリッジ
Eに装填している。
【0031】{インクシートカートリッジ}インクシー
トカートリッジEの構成は、図4に示すように第一巻回
部材となる供給リール26及び第二巻回部材となる巻取リ
ール27を枠体28の所定位置に装着すると共に、供給リー
ル26に巻き付けたインクシート9を巻取リール27側に張
り渡すことによって、インクシート9を装填している。
このインクシートカートリッジEを用いることによっ
て、記録系Bに対するインクシート9を極めて簡単に、
且つ確実に安定した状態で装填し得るものである。前記
インクシートカートリッジEはインクシート9が使い終
わると、そのインクシート9と共に廃棄される。即ち、
インクシートカートリッジEは使い捨てとなるために、
安価に提供し得ることが要求される。次に前記インクシ
ートカートリッジEの各部の構成について具体的に説明
する。
【0032】(枠体)本実施例に於ける枠体28は第一筐
体28a,第二筐体28bが超音波溶着されている。即ち、
図4に示すように第一筐体28aと第二筐体28bとの連結
部の溶着部28c1,28c2を超音波溶着し、第一筐体28aと
該筐体28aの略先端及び側端に形成した溶着部28a1,28
a4と、第二筐体28bの略先端及び側端に形成した溶着部
28b1,28b6とを超音波溶着することによって構成してい
る。前記溶着部28a1,28b1及び28c1,28c2は全長にわた
って形成しても良く、インクシート幅方向へ所定の長さ
を持って断続的に形成しても良い。前記枠体28の成形材
料としては、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂等の樹脂
を用いることが可能である。前記枠体28に於いて、第一
筐体28aの略中央には図4に示すように記録ヘッド10a
を挿入するための窓28dが形成されており、第二筐体28
bの略中央にはプラテンローラ10bを挿入するための窓
28eが形成されており、この窓28eに連続してプラテン
ローラ10bの軸部10b1(図1参照)を逃げるための切欠
28e1が形成されている。
【0033】また前記第一筐体28a及び第二筐体28bの
両側面には、夫々側板28a2,28b2が起立形成されてお
り、溶着部28c1,28c2側及び開放側は夫々1/4円の曲
面が形成されている。そして第一筐体28aの開放側曲面
端部に形成された溶着部28a1には嵌入孔28a3が穿孔さ
れ、第二筐体28bの開放側曲面端部に形成された溶着部
28b1には前記嵌入孔28a3に嵌入する嵌入突起28b3が形成
されている。更に第二筐体28bの開放側曲面には、イン
クシートカートリッジEを装置本体8に装着した際に、
該本体8に設けた図示しないコ字形溝と係合する係止突
起28b4が形成されている。前記第二筐体28bの側板28b2
の両側所定位置には、インクシートカートリッジEを装
置本体8に装着する際のガイドとなるガイドピン28fが
形成されている。
【0034】前記側板28a2,28b2の所定位置には、供給
リール26の一方端に装着した軸受29aと嵌合するU溝28
g1と、後述するように供給リール26の他方端に取り付け
る滑りクラッチ30の軸30aを固定支持するための角溝28
g2が形成されている。また側板28a2,28b2には巻取リー
ル28の一方端に装着した軸受29bと嵌合するU溝28g3
と、後述するように巻取リール27の他方端に取り付ける
滑りクラッチ31の軸部31aが嵌合するU溝28g4が形成さ
れている。更に前記側板28a2,28b2には後述するインク
シート搬送部材となるキャプスタンローラ32の軸受32a
が嵌合するU溝28g5,28g6が形成されている。更に第二
筐体28bには巻取リール27のリールギア33を露出するた
めの開口28hが形成されている。
【0035】(供給リール及び滑りクラッチ)供給リー
ル26はインクシート9を巻き付けるためのものである。
これは図4に示すようにインクシート9の幅寸法と略同
一の長さを有するリール軸26aの両端にフランジ26b1,
26b2が設けられ、一方のフランジ26b1側には軸受29aが
装填され、他方のフランジ26b2側にはテンション付与手
段である滑りクラッチ30が取り付けられている。前記滑
りクラッチ30は供給リール26から引き出されるインクシ
ート9にバックテンションを付与するためのものであ
る。この滑りクラッチ30の構成は、図5(a)の分解図
及び図5(b)の断面図に示すように二方取りされた端
部を有する軸30aにスプリングバネ30bが締めつけるよ
うに取り付けられ、このバネ30bにフック部30b1が形成
されている。そして前記バネ30bを取り付けた軸30aを
鍔30cの貫通孔30c1に挿通し、Eリング30dを軸30aの
先端に取り付けて抜け止めする。このとき前記スプリン
グバネ30bのフック部30b1が貫通孔30c1に形成した凹部
30c2に係止するように取り付ける。更に前記鍔30cを中
空状のリール軸26aに嵌入し、鍔30cの外周部に突設し
た凸部30c3をリール軸26aの端部に形成したコ字形溝26
cに嵌入係止して取り付ける。
【0036】前記構成に於いて、供給リール26を枠体28
に取り付けた状態でインクシート9が引き出されると、
供給リール26が図5(a)の矢印c方向(インクシート
9を繰り出す方向)に回転する。このとき軸30aは枠体
28の角溝28g2に嵌入して回転不能状態にあるために、軸
30aを締めつけているスプリングバネ30bはゆるみ方向
に回転力を受け、軸30aの外周とスプリングバネ30bの
内周との間に摩擦負荷が発生する。この摩擦負荷はイン
クシート9が搬送力を受け、供給リール26が所定トルク
以上の回転力を受けると、スプリングバネ30bが軸30a
の外周を前記所定トルクを受けながら滑る。従って、供
給リール26からインクシート9を引き出す場合には常に
一定の負荷がかかり、これによってインクシート9にバ
ックテンションが付与されるものである。尚、前記スプ
リングバネ30bのゆるみトルク負荷は値が安定している
ために、インクシート9には安定したバックテンション
が付与されるものである。
【0037】(巻取リール及び滑りクラッチ)次に巻取
リール27は記録に際して供給リール26から引き出された
インクシート9を巻き取るものである。これは図4に示
すように前述した供給リール26と同様にインクシート9
の幅寸法と略同一の長さを有するリール軸27aの両端に
フランジ27b1,27b2が設けられ、一方のフランジ27b1側
には軸受29bが装填され、他方のフランジ27b2側には回
転力伝達制限手段(トルク伝達手段)である滑りクラッ
チ31が取り付けられている。前記滑りクラッチ31は巻取
リール27に一定の回転トルクを付与するためのものであ
る。この滑りクラッチ31の構成は、図6(a)の分解図
及び図6(b)の断面図に示すようにDカット嵌合部31
a1を有する軸部31aにスプリングバネ31bが締めつける
ように取り付けられ、このバネ31bにフック部31b1が形
成されている。そして前記バネ31bを取り付けた軸部31
aにリールギア33を遊嵌すると共に、この軸部31aを鍔
31cの貫通孔31c1に挿通し、Eリング31d,31eを軸部
31aの端部に取り付けて抜け止めする。このとき前記ス
プリングバネ31bのフック部31b1がリールギア33に形成
した凹部33aに係止するように取り付ける。更に前記鍔
31cを中空状のリール軸27aに嵌入し、鍔31cの外周部
に突設した凸部31c2をリール軸27aの端部に形成したコ
字形溝27cに嵌入係止して取り付ける。
【0038】前記構成に於いて、後述する駆動系によっ
てリールギア33が図6(a)の矢印d方向(巻取リール
27がインクシート9を巻き取る方向)に回転すると、軸
部31aを締めつけているスプリングバネ31bはゆるみ方
向に回転力を受け、軸部31aの外周とスプリングバネ31
bの内周との間に摩擦負荷が発生する。この摩擦負荷を
受けて巻取リール27が図6(a)の矢印d方向に回転し
てインクシート9を巻き取るものである。前記スプリン
グバネ31bは所定以上のトルクを受けると軸部31aの外
周を前記所定トルクを付与しながら滑る。従って、巻取
リール27には常に一定のトルクで回転力が付与されるも
のである。尚、前記スプリングバネ31bのゆるみトルク
負荷は値が安定していることは供給リール26の滑りクラ
ッチ30の場合と同様である。
【0039】本実施例にあっては供給リール26に滑りク
ラッチ30を内蔵し、また巻取リール27に滑りクラッチ31
を内蔵することにより、前記滑りクラッチ30,31を設け
るための特別なスペースが不要となる。このため駆動系
の設計に於けるギア等の配置を容易なものとし、組立性
の向上が図れるものである。また前記クラッチ30,31は
インクシートカートリッジEと共に交換されるため、イ
ンクシート一巻分の耐久性があれば足りることになる。
更に前記クラッチ30,31は構造が簡単であるために、市
販されているパウダークラッチと比較して安価に製造し
得る等の利点がある。
【0040】ここで本実施例にあっては前記巻取リール
27にインクシート9を巻き取る場合、インクシート9の
端部であってベースフィルム9b側をテープ等によって
巻取リール27のリール軸27a外周面に貼り付け、インク
シート9のインク塗布面側が巻取ロールの内側を向くよ
うに巻取リール27を回転させるものである。
【0041】(キャプスタンローラ)次にキャプスタン
ローラ32はインクシート9に搬送力を付与するものであ
り、本実施例にあっては図4に示すようにインクシート
カートリッジE内に収納されている。このキャプスタン
ローラ32は金属材料で構成された芯部32bの外周面に、
シリコンゴム等のゴム部32cを吹きつけ塗装し、且つ芯
部32bの端部にギア32dを固着して構成している。前記
キャプスタンローラ32は枠体28のU溝28g5,28g6に軸受
32aを嵌入して取り付けるが、枠体28内に収納するイン
クシート9のベースフィルム9b面側に位置するように
取り付ける。そしてインクシートカートリッジEを記録
系Bに装填して記録を行う場合、図1に示すようにイン
クシート9の記録搬送方向(図1の矢印b方向)に於い
て、記録手段10よりも下流側であって巻取リール27より
も上流側でキャプスタンローラ32がインクシート9のベ
ースフィルム層9b側に接触するように構成している。
【0042】記録に際してインクシート9は図1の矢印
方向に回転するキャプスタンローラ32によって搬送され
るものである。本実施例のように記録シート2とインク
シート9とを逆方向へ搬送しながら記録を行うマルチプ
リント方式にあっては、インクシート9を搬送する力と
して最大15kg程度の力が必要とされている。そのため
本実施例ではキャプスタンローラ32とインクシート9の
ベースフィルム9b間の摩擦係数が 1.5〜6.0 の範囲
に、好ましくは 2.0〜5.0 の範囲に、最も好ましくは
2.5〜4.0 の範囲になるように設定すると、両者間での
スリップを防止することが出来る。尚、本実施例では前
記摩擦係数を約 2.6程度に設定している。
【0043】また図7に示すようにキャプスタンローラ
32に対するインクシート9の巻付角θが大きい程キャプ
スタンローラ32とインクシート9との間の接触面積が増
すため、前記キャプスタンローラ32にスリップが生じ難
くなる。そこで本実施例では巻取リール27にインクシー
ト9が全く巻き付いていない状態(巻取ロール径最小)
で前記巻付角θが約 100°となるように設定している。
そして図1からも明らかなようにインクシート9のイン
ク面が内側に向かって巻き取られ、且つキャプスタンロ
ーラ32がベースフィルム面側に接触するように位置して
いるために、インクシート9が巻取リール27に巻き取ら
れ、巻取ロール径が大きくなると、前記巻付角θも大き
くなる。従って、インクシート9が巻取リール27に巻き
取られる程にキャプスタンローラ32によって確実にイン
クシート搬送力が付与されるものである。前記巻付角θ
はキャプスタンローラ径にもよるが、5°≦θ≦ 180°
の範囲に、好ましくは70°≦θ≦ 180°の範囲に、更に
好ましくは90°≦θ≦ 180°の範囲になるように設定す
ると良い。尚、本実施例ではインクシート9を巻き取る
巻取リール27の巻取ロール径の変化によって前記巻付角
θが 100°以上 130°以下の範囲で変化するように構成
している。
【0044】前記の如くインクシート9に対して高摩擦
係数のキャプスタンローラ32が所定の巻付角θで巻き付
くようにすることにより、インクシート9への搬送力付
与をキャプスタンローラ32のみで行うことが可能とな
り、従来の如きピンチローラが不要となる。尚、前記イ
ンクシート9の搬送精度を高めるためにはキャプスタン
ローラ32のゴム部32cの変形が少ない方が良い。そのた
め本実施例では前記ゴム部32cの厚さが約75μm程度と
なるように薄く構成している。これによりキャプスタン
ローラ32のローラ部が変形し難くなり、インクシート9
の搬送精度が高まるものである。
【0045】更に本実施例に於いてはキャプスタンロー
ラ32をインクシートカートリッジE内に設けたために、
カートリッジEを交換するとキャプスタンローラ32も交
換される。従って、キャプスタンローラ32の耐久性はイ
ンクシート一巻分で良いため、キャプスタンローラ32の
製造が容易となる。またキャプスタンローラ32を一定速
度で回転した場合、インクシート9の搬送量はキャプス
タンローラ32のローラ径に依存する。従って、特にマル
チプリントの場合、記録n値(記録シート2の搬送量に
対するインクシート9の搬送量の値)は所望のローラ径
を有するキャプスタンローラ32を収納してあるインクシ
ートカートリッジEを選択することにより、容易に対応
し得るものである。
【0046】(インクシートカートリッジの組立)次に
前記インクシートカートリッジEを組立るには、図4に
示すインクシート9を巻き付けた供給リール軸26aの一
方端に軸受29aを取り付け、該軸受29aを第二筐体28b
に形成したU溝28g1に嵌合すると共に、滑りクラッチ30
の二方取りされた軸30aを角溝28g2に嵌合する。更に巻
取リール軸27aの一方端に軸受29bを取り付け、該軸受
29bを第二筐体28bのU溝28g3に嵌合すると共に、滑り
クラッチ31の軸部31aに取り付けた図示しない軸受をU
溝28g4に嵌合する。そしてキャプスタンローラ32の軸受
32aを第二筐体28bに形成したU溝28g5,28g6に嵌合す
る。次に第一筐体28aを第二筐体28bと対向させ、溶着
部28a1,28b1と溶着部28a4,28b6を夫々超音波溶着する
ことで、インクシート9及びキャプスタンローラ32を装
填したインクシートカートリッジEを組み立てる。
【0047】(インクカートリッジの装填方法)このイ
ンクシートカートリッジEは、図1に示す如く記録系B
に於ける記録カバー15を開き、カートリッジ元部のガイ
ドピン28fを装置本体8に形成された図示しない案内カ
ードレールに沿って挿入し、且つカートリッジ先端部の
係止突起28b4を装置本体8に形成された図示しないコ字
形溝と係止することにより記録系Bに装填するものであ
る。
【0048】{記録構成}記録系Bに於ける記録は前記
の如くしてインクシートカートリッジEを装填し、記録
手段10によって熱転写記録を行うものである。
【0049】(記録手段)次に記録手段10について図1
及び図8を参照して説明する。本実施例で用いている記
録ヘッド10aはヘッド基板10a1上に通電により発熱する
複数の発熱素子10a2が一列に配列されている共に、この
発熱素子10a2に対して画信号に応じて選択的に通電を行
うためのヘッドドライバー素子10a3及び記録シート2の
幅方向全体にわたり前記ヘッドドライバー素子10a3を囲
って保護する保護カバー10a4を取り付けてなるライン型
のサーマルヘッドである。
【0050】このサーマルヘッドである記録ヘッド10a
に対する前記発熱素子10a2の配列位置は、図8に示すよ
うに該発熱素子10a2から記録ヘッド10aの短手方向の一
端部までの距離をL1、他端部までの距離をL2とした
場合、前記距離の関係がL1<L2となる位置(例えば
本実施例ではL1=5mm,L2=20mm)に配設され
ている。前記発熱素子10a2を有する記録ヘッド10aは、
図1に示すように発熱素子10a2が記録シート2の搬送方
向上流側に位置するように記録カバー15に設けたヘッド
支持部10cに揺動可能に取り付けられ、更に記録ヘッド
10aの長手方向両側には図示しないフォーク部材が設け
られている。このフォーク部材は、記録カバー15を閉め
た際に、プラテンローラ10bの軸部10b1又は所定位置に
配設された図示しない軸が係合して、プラテンローラ10
bに対する記録ヘッド10aの位置を設定するための位置
決め機能を有するものである。また本実施例で用いてい
る記録ヘッド10aは発熱素子の配列順を従来とは逆にす
ることにより記録ヘッドの構成を変えるだけで従来通り
の画像を再現している。
【0051】次に、プラテンローラ10bに対する記録ヘ
ッド10aの押圧力を調整する駆動機構を図9を用いて説
明する。前記プラテンローラ10bは装置本体8に対して
回転可能に取り付けられた軸部10b1に記録シート2の幅
寸法よりも軸方向に長いローラ部10b2が形成され、前記
軸部10b1の一端には図9に示す如くプラテンギア48が固
着されている。前記プラテンローラ10bに記録ヘッド10
aを圧接するために、該記録ヘッド10aの背面側には、
押圧梃子34a,34b,34cが、回転可能に支持された軸
35を回動中心として回動可能に設けられており、押圧梃
子34a,34b,34cは各々バネ36a,36b,36cにより
図1の矢印e方向に回転力が付与されている。また押圧
梃子34a,34b,34cには溝部34a1,34b1,34c1が設け
てあり、溝部34a1,34b1,34c1は軸35に固着されたピン
35a,35b,35cと所定のガタをもって接するように構
成されている。更に軸35の一端にはアーム37が固着され
ている。
【0052】従って、軸35の位置が図1に示す位置(即
ちピン35a,35b,35cが各々溝部34a1,34b1,34c1と
接していない位置)にある時、押圧梃子34a,34b,34
cは各々バネ36a,36b,36cの力で図1の矢印e方向
へ回動し記録ヘッド10aと接することで、記録ヘッド10
aをプラテンローラ10bへ圧接するものである(以下、
この時の押圧梃子34a,34b,34cの位置を記録位置と
言う)。一方、軸35が図1に示す位置から反時計周りに
所定角度回転すると、ピン35a,35b,35cと溝部34a
1,34b1,34c1とが接するため、押圧梃子34a,34b,3
4cはバネ36a,36b,36cの力に打ち勝ち、図1の矢
印f方向に回動することで記録ヘッド10aのプラテンロ
ーラ10bへの圧接力を弱める(或いは無くす)ものであ
る(以下、この時の押圧梃子34a,34b,34cの位置を
待機位置と言う)。待機位置は押圧梃子34a,34b,34
cが記録ヘッド10aと接しない位置であることが望まし
い。また、本実施例では軸35に対して押圧梃子34a,34
b,34cが各々独立して回動可能に構成してあるため、
バネ36a,36b,36cのバネ力を変えることで押圧梃子
34a,34b,34cの記録ヘッド10aへの圧接力を記録ヘ
ッド10aの幅方向で差を持たせ、記録品質を高めること
ができる。
【0053】(駆動伝達構成)次に、前記記録シート2
とインクシート9の搬送駆動機構について図9を参照し
て説明する。図9において、装置本体8にはカセットモ
ータ38、プラテンモータ39及びインクシートモータ40が
取り付けられている。
【0054】前記カセットモータ38は、一方向の回転で
給紙ローラ3、フィードローラ5a、排出ローラ12aを
回転させ、他方向の回転で後述する手段により記録ヘッ
ド10aのプラテンローラ10bへの圧接力を調整するもの
である。カセットモータ38のモータギア38aはクラッチ
ギア41a,41bと噛合しており、クラッチギア41a,41
bは各々バネクラッチ42a,42bを介してボスギア43
a,43bと接している。バネクラッチ42a,42bは線材
を巻き回した一方向クラッチである。ボスギア43aはフ
ィードローラ5aのローラギア5cと噛み合い、ローラ
ギア5cは中間ギア44と、中間ギア44は給紙ローラ3の
ローラギア3c噛み合う。また、フィードローラ5aの
回転はローラプーリ5d、ベルト45、ローラプーリ12c
を介して排出ローラ12aへと伝達される。一方、ボスギ
ア43bはカム46のカムギア46aと噛合している。このカ
ム46はアーム37と接しており、回転位置に応じてアーム
37を揺動させる。ここで、カム46の形状は、カム46の半
径最小部46bがアーム37と接している時、押圧梃子34
a,34b,34cは前述の記録位置にあり、カム46の半径
最大部46cがアーム37と接している時、押圧梃子34a,
34b,34cは前述の待機位置にあるように構成してあ
る。尚、カム46の回転位置はカムセンサ47によって検出
する。
【0055】前記構成により、カセットモータ38を駆動
してモータギア38aを実線矢印方向に回転する(以下、
正転という)と、クラッチギア41a,41bが回転する
が、この回転方向ではバネクラッチ42aがロックする一
方、バネクラッチ42bが空転するように構成してあるた
め、ボスギア43aが実線矢印方向に回転する一方、ボス
ギア43bは停止している。従って、給紙ローラ3、フィ
ードローラ5a、排出ローラ12aが実線矢印方向に回転
し、記録シート2を矢印a方向に搬送する。また、この
時カム46は停止している。一方、カセットモータ38を駆
動してモータギア38aを破線矢印方向に回転する(以
下、逆転という)と、クラッチギア41a,41bが回転す
るが、この回転方向ではバネクラッチ42aが空転する一
方、バネクラッチ42bがロックするように構成してある
ため、ボスギア43aが停止する一方、ボスギア43bが破
線矢印方向に回転し、カム46が破線矢印方向に回転す
る。従って、カムセンサ47の出力(カム46の位置)に応
じた所定ステップだけカセットモータ38を逆転すること
で、カム46、アーム37、軸35を介して押圧梃子34a,34
b,34cを記録位置又は待機位置へ移動させ、記録ヘッ
ド10aのプラテンローラ10bへの圧接力を強めたり弱め
たりするのである。
【0056】また、前記プラテンモータ39はモータギア
39aとプラテンギア48とが噛合しており、該モータ39の
実線矢印方向への駆動回転によりプラテンローラ10bが
駆動回転し、記録シート2を矢印a方向へ搬送するもの
である。
【0057】一方、インクシートカートリッジEを装填
した記録カバー15を閉じると、インクシートモータ40の
モータギア40aにキャプスタンローラ32のギア32dが噛
合し、且つ前記ギア32dに巻取リール27のリールギア33
が噛合する。従って、前記インクシートモータ40を駆動
してモータギア40aを実線矢印方向へ回転させると、キ
ャプスタンローラ32のギア32dが実線矢印方向へ回転す
ると共に、巻取リール27のリールギア33が実線矢印方向
へ回転する。従って、前記キャプスタンローラ32の回転
によってインクシート9が供給リール26から引き出され
て矢印b方向へ搬送される。そして前記搬送されたイン
クシート9は巻取リール27に巻き取られるものである。
【0058】また、前記キャプスタンローラ32の回転周
速度よりも巻取リール27の回転周速度が速くなるように
ギア比が設定してあり、巻取リール27は滑りクラッチ31
による滑りを生じながら回転するように構成されてい
る。そして前記滑りによりインクシート9はフロントテ
ンションを付与されつつ巻取リール27に巻き取られるも
のである。尚、前記インクシート9に搬送力を付与する
キャプスタンローラ32をプラテンローラ10bの近くに配
置することにより、インクシート9の伸びを少なくし、
より正確な搬送を行うことが出来る。
【0060】(制御系の説明)次に前記各部材を駆動制
御する制御系について図10に示すブロック図を参照して
説明する。図10において、50は前記ファクシミリ装置の
制御部を示しており、装置全体に電力を供給する電源部
51、モデム基板ユニット52、電話器53を接続するNCU
基板ユニット54、更には操作部Dから入力した内容等を
表示する表示部55等が配置されている。
【0061】前記制御部50は、記録装置全体の制御を行
うCPU50aと、各種プログラムや各種データ等を格納
したROM50bと、上記CPU50aのワークエリアとし
て使用されると共に、記録枚数等の各種データの一時保
存を行うRAM50c等を有する。また、50dは画像デー
タの各ラインのイメージを格納するラインメモリであっ
て、原稿の送信若しくはコピーの場合は原稿読取系Cか
らの1ライン分のイメージデータが格納され、画像デー
タの受信の場合は復号された1ライン分のデータが格納
される。そして上記ラインメモリ50dに格納された各種
データは、記録系Bに出力されることによって、画像記
録が行われる。また、50eは送信する画像情報をMH符
号化等により符号化したり、受信した符号化画像データ
を復号化してイメージデータに変換する符号化/復号化
部である。50fは送受信された符号化画像データを格納
するバッファメモリである。
【0062】次に図11を参照して、前記記録系Bと制御
部50との電気系接続について説明する。記録ヘッド10a
は前記制御部50より1ライン分のシリアル記録データ56
aを入力するためのシフトレジスタ57、ラッチ信号56b
により上記シフトレジスタ57のデータをラッチするラッ
チ回路58、1ライン分の発熱抵抗体からなる発熱素子10
a1を装備している。上記発熱素子10a1はm個のブロック
(10a1−1〜10a1−m)に分割されて駆動されるもので
ある。また上記記録ヘッド10aには、温度を検出するた
めの温度センサ59を装備しており、この温度センサ59の
出力信号56cは、制御部50内でA/D変換されて前記C
PU50aに入力される。これによって、前記CPU50a
は記録ヘッド10aの温度を検出して、その温度に応じて
ストローブ信号56dのパルス幅を変更したり、或いは記
録ヘッド10aの駆動電圧等を変更して、インクシート9
の特性に応じて記録ヘッド10aへの印加エネルギーを変
更している。前記インクシート9の種類(特性)は、操
作部Dから入力する等により選択されているが、インク
シート9に印刷されたマーク等を検出してその種類や特
性を判別することも可能である。またインクシート9を
収納するカートリッジに付されたマークや切欠或いは突
起等を判別することも可能である。
【0063】60は前記制御部50より記録ヘッド10aの駆
動信号を入力し、上記記録ヘッド10aを各ブロック単位
で駆動するストローブ信号56dを出力する記録ヘッド駆
動回路である。この記録ヘッド駆動回路60は前記制御部
50の指示により、記録ヘッド10aの発熱素子10a1に電流
を供給するための電源線56eに出力する電流の制御時間
を変更することによって、記録ヘッド10aの印加エネル
ギーを変更することができる。また、61,62,63は前記
駆動手段であるカセットモータ38、プラテンモータ39,
インクシートモータ40を夫々回転駆動するモータ駆動回
路である。尚、前記各モータ38,39,40としては、ステ
ッピングモータを使用しているが、これに限定されるも
のではなくDCモータやサーボモータ等であっても良
い。更に前記制御部50には、記録シート2の先端を検出
する記録シート先端センサ7、記録シート2の通過を検
出する記録シート排出センサ13、記録シート2の有無を
検出する記録シート有無センサS1、インクシート9の有
無を検出するインクシート有無センサS2、インクシート
9の搬送速度等を検出するインクシート速度センサS3か
らの検出信号を入力し、その検出信号に応じて表示部55
に所定表示をすると共に記録動作を制御する。
【0064】{給紙動作}次に記録に先立ち、給紙系A
により記録シート2を記録系Bに供給する動作について
図12に示すタイミングチャートを用いて説明する。以後
の説明に於いて、各モータの回転方向は、図9に示すよ
うに実線矢印方向への回転を正転、破線矢印方向への回
転を逆転とする。
【0065】(動作1)先ず、カセットモータ38が逆転
して押圧梃子34a,34b,34cを待機位置へ動かす。こ
れによりプラテンローラ10bに対する記録ヘッド10aの
圧接力が小さくなるため、後述するインクシート9の搬
送の際、記録ヘッド10aとプラテンローラ10bとに対す
るインクシート9の摩擦が小さくなり、インクシート9
の擦れによるシワやインク剥離などのトラブルを防止す
ることが出来る。
【0065】(動作2)記録信号が来ると、先ず記録開
始前に、インクシートモータ40が正転してキャプスタン
ローラ32を正転させる。これにより、インクシート速度
センサS3が検知するまでインクシート9を巻き取る。
すると、供給リール26の滑りクラッチ30の作用によりイ
ンクシート9にバックテンションがかかり、該インクシ
ート9のシワや弛み等が無くなる。これにより、次動作
で記録シート2を記録手段10の印字位置へ供給する際
に、前記テンションのかけられたインクシート9が記録
シート2の先端をガイドして、該シート2の先端に折れ
やシワ等が生じることが無く、スムーズに記録位置へ達
せしめる。
【0066】(動作3)次に、カセットモータ38が正転
して給紙ローラ3及びフィードローラ5aを正転させ
る。これにより給紙ローラ3及び給紙片4により給紙カ
セット1の最上部の記録シート2が繰り出されてフィー
ドローラ対5a,5bによりガイド6a,6bを介して
記録手段10へ向かって搬送される。前記記録シート2の
先端が記録シート先端センサ7に達すると、該先端セン
サ7の出力がONになる。この時点からカセットモータ
38の駆動ステップを制御部50でカウントし、所定ステッ
プa(ここでは、記録シート2の先端が、先端センサ7
を通過後、記録手段10へ至るに必要なステップ数であ
る。)回転することで、記録シート2の先端が上述した
ようにインクシート9にガイドされつつ記録位置に到達
する。
【0067】(動作4)上記所定ステップa経過後、プ
ラテンモータ39を正転してプラテンローラ10bを正転さ
せる。これにより、記録シート2の記録手段10への挿入
が容易に行われ、前記プラテンローラ10bと記録ヘッド
10aとの圧接部に記録シート2が挟み込まれて、以後は
プラテンローラ10bによって記録シート2を搬送する。
所定量プラテンモータ39を回転することで、記録シート
2の先端は記録手段10の記録位置よりも余白分下流まで
搬送され、記録待機状態となる。
【0068】(動作5)次に、カセットモータ38を逆転
して押圧梃子34a,34b,34cを記録位置へ動かし、記
録可能状態となる。
【0069】{記録動作} (動作6)上記給紙動作が終了し、記録可能状態になる
と、カセットモータ38、プラテンモータ39、インクシー
トモータ40が正転し、フィードローラ5a、プラテンロ
ーラ10b、キャプスタンローラ32を正転させる。これに
より、記録シート2が矢印a方向に搬送されると共に、
インクシート9が記録シート2の搬送方向とは反対の矢
印b方向に搬送され、前記記録シート2への記録が行わ
れる。前述の如く記録シート2とインクシート9とを逆
方向へ搬送して記録を行うマルチプリント方式を採用し
た場合、インク層内においてインクを剪断しつつ画像を
形成することになる。従って、インクシート9の搬送は
インクシート9と記録ヘッド10aとの摩擦力と、インク
の剪断力とを加えた力が必要となる。このためインクシ
ート9に対する搬送力は従来のワンタイムインクシート
を用いた場合の搬送力と比較して大きな力が必要とな
る。またマルチプリント記録方式にあっては、記録シー
ト2に1ライン分の画像を形成する毎にインクシート9
を1/nライン分だけ確実に搬送することが必要であり
(記録n値)、前記搬送を確実に行うことによって記録
画像の品質を高めることが可能となる。前記条件を満足
させるために、本実施例ではキャプスタンローラ32によ
りインクシート9に対して高精度で確実な搬送力を付与
するものである。
【0070】(動作7)記録シート2への記録が終了す
ると、カセットモータ38が逆転して押圧梃子34a,34
b,34cを待機位置に動かす。これによりプラテンロー
ラ10bに対する記録ヘッド10aの圧接力が弱まる。
【0071】(動作8)次に、カセットモータ38、プラ
テンモータ39が正転して、プラテンローラ10b、排出ロ
ーラ12aを正転させる。これにより、記録が終了した記
録シート2を完全に記録手段10から脱することが出来
る。
【0072】(動作9)更に、カセットモータ38を正転
して、排出ローラ12aを正転させる。これにより、前記
記録シート2が、該シート2を載置するトレイとして機
能するフタ1d上へ排出される。尚、次ページの記録信
号が来ると上記動作2へ続いて、以下同じ動作を繰り返
す。また、連続ページ記録のページ間では上記動作8,
9を省略しても良い。
【0073】本例では、プラテンローラ10bと排出ロー
ラ12aとを各々別モータで駆動するよう構成しており、
記録が終了した記録シート2を排出ローラ対12a,12b
により排出する際に、プラテンローラ10bを余分に回転
させる必要がないため、プラテンローラ10bとインクシ
ート9との接触回転を最小限に抑えることが出来、イン
クシート9の擦れによるシワやインク剥離などを防止す
ることが出来、品質を高めることが出来る。また、記録
シート排出センサ13が記録シート2の後端を検出するこ
とで記録シート2の正常排出を確認する。
【0074】〔第二実施例〕本実施例に於ける記録装置
の基本的な構成は上記実施例に於いて説明した装置と略
同等であるので、その構成についての詳しい説明は省略
する。また同等の機能を有する部材には同符号を付して
いる。本実施例は、記録シート2を記録手段10に供給す
る際に、前記インクシート9と、前記記録ヘッド10a
と、前記プラテンローラ10bとにより、記録手段10の記
録位置と記録シート2の先端との位置合わせを行うよう
構成したことを特徴としている 。
【0075】また、記録に際してインクシート9を搬送
する力として最大15kg程度の力が必要とされているこ
とは上記第一実施例でも述べたが、本実施例ではキャプ
スタンローラ32とインクシート9のベースフィルム9b
間の摩擦係数が10〜20の範囲になるように設定し、両者
間でのスリップを防止している。尚、本実施例では前記
摩擦係数を約14程度に設定している。更に、キャプスタ
ンローラ32に対するインクシート9の巻付角θ(図7参
照)が大きい程キャプスタンローラ32とインクシート9
との間の接触面積が増すため、前記キャプスタンローラ
32にスリップが生じ難くなることも上記第一実施例に於
いて述べたが、本実施例では巻取リール27にインクシー
ト9が全く巻き付いていない状態(巻取ロール径最小)
で前記巻付角θが約30°となるように設定している。以
下、上述した記録開始前に行われる記録手段10の記録位
置と記録シート2の先端との位置合わせ動作について説
明する。
【0076】{給紙動作}記録に先立ち、給紙系Aによ
り記録シート2を記録系Bに供給する動作について図13
に示すタイミングチャート及び図14(a),(b)に示
す記録系Bの部分拡大図を用いて説明する。以後の説明
に於いて、各モータの回転方向は、図9に示すように実
線矢印方向への回転を正転、破線矢印方向への回転を逆
転とする。
【0077】(動作1)先ず、カセットモータ38が逆転
して押圧梃子34a,34b,34cを待機位置へ動かす。こ
れによりプラテンローラ10bに対する記録ヘッド10aの
圧接力が小さくなるため、後述するインクシート9の搬
送の際、記録ヘッド10aとプラテンローラ10bとに対す
るインクシート9の摩擦が小さくなり、インクシート9
の擦れによるシワやインク剥離などのトラブルを防止す
ることが出来る。
【0078】(動作2)記録信号が来ると、先ず記録開
始前に、インクシートモータ40が正転してキャプスタン
ローラ32を正転させて所定量インクシート9を巻き取
る。すると、供給リール26の滑りクラッチ30の作用によ
りインクシート9にバックテンションがかかり、該イン
クシート9のシワや弛み等が無くなり、記録時に於ける
記録の品質が高まる。また、キャプスタンローラ32と記
録ヘッド10aとの間でインクシート9が平らな面をなす
ことで、プラテンローラ10bとインクシート9とでくさ
び状のの空間を形成する。そのため、記録シート2を記
録手段10へ供給する際、該シート2先端に折れやシワ等
が生じずにスムーズに入り込むことが出来る。
【0079】(動作3)次に、カセットモータ38が正転
して給紙ローラ3及びフィードローラ5aを正転させ
る。これにより給紙ローラ3及び給紙片4により給紙カ
セット1の最上部の記録シート2が繰り出されてフィー
ドローラ対5a,5bによりガイド6a,6bを介して
記録手段10へ向かって搬送される。前記記録シート2の
先端が記録シート先端センサ7に達すると、該先端セン
サ7の出力がONになる。この時点からカセットモータ
38の駆動ステップを制御部50でカウントし、所定ステッ
プa(ここでは、記録シート2の先端が、先端センサ7
を通過後、記録手段10へ至るに必要なステップ数であ
る。)回転することで、図14(a)に示すように記録シ
ート2の先端がプラテンローラ10bとインクシート9と
で形成されたくさび状の空間の先端に到達し、更に所定
ステップb(ここでは、記録シート2の先端部分にルー
プ2aを作るために必要なステップ数である。)回転す
ることで、図14(b)に示すように記録シート2の行き
場が無くなり、その先端部分にループ2aが自然と作ら
れ、記録シート2自身の腰の強さにより矢印g方向へ力
が働き、プラテンローラ10b及び記録ヘッド10aと記録
シート2の先端が平行に位置決めされる。
【0080】(動作4)前記所定ステップa及び所定ス
テップb経過後(記録位置と記録シート2の先端との位
置合わせ終了後)、プラテンモータ39を正転してプラテ
ンローラ10bを正転させる。これにより、記録シート2
の記録手段10への挿入が容易に行われ、前記プラテンロ
ーラ10bと記録ヘッド10aとの圧接部に記録シート2が
挟み込まれて、以後はプラテンローラ10bによって記録
シート2を搬送する。所定量プラテンモータ39を回転す
ることで、記録シート2の先端は記録手段10の記録位置
よりも余白分下流まで搬送され、記録待機状態となる。
【0081】(動作5)次に、カセットモータ38を逆転
して押圧梃子34a,34b,34cを記録位置へ動かし、記
録可能状態となる。上記給紙動作終了後の動作は、上記
第一実施例で説明した動作と同様であるため、ここでは
説明を省略する。
【0082】上述したように、本実施例は記録シート2
を記録手段10に供給する際に、前記インクシート9と、
前記記録ヘッド10aと、前記プラテンローラ10bとによ
り、記録手段10の記録位置と記録シート2の先端との位
置合わせを行うため、該記録シート2の先端位置合わせ
を行うための別の機構を設ける必要がない。
【0083】〔他の実施例〕次に前述したインクシート
カートリッジ及び記録装置における各部の他の実施例に
ついて説明する。前述した実施例では記録シート2とイ
ンクシート9とを逆方向へ搬送して記録を行うマルチプ
リント方式を例示したが、ワンタイムインクシートを用
い、記録シートとインクシートとを同一方向へ搬送して
記録を行うワンタイムプリント方式であっても当然可能
である。また前述した実施例ではキャプスタンローラ32
としてシリコンゴムを吹きつけてローラ部を構成するよ
うにしたが、前記シリコンゴムに限定する必要がないこ
とは当然である。即ち、インクシート9に対して前述し
た範囲の摩擦係数が得られるものであれば良く、他にも
例えばクロロプレンゴム等の材料を使用し得る。また前
記材料を芯部に取り付ける方法としても、一枚の薄板状
の部材を芯部に巻き付けて取り付けるようにしても良
い。また前記材料でパイプ状の部材を構成し、芯部をパ
イプ内に通して取り付けても良い。また成型によりゴム
部を構成しても良い。この場合、前記吹き付け行程によ
るものよりも摩擦係数が落ちるため(1.5 〜6程度)、
巻付角θ及びバックテンションを増やしてキャプスタン
ローラ32とインクシート9が滑ることがないようにする
必要がある。実験データとしては、摩擦係数2.6 の時で
巻付角45°,バックテンション400g以上でインクシー
ト9の搬送不良は無かった。また前述した薄板、パイ
プ、成型等の製作の場合、ゴム外周面を鏡面仕上げして
おくことで、前述した第一実施例で使用したキャプスタ
ンローラ32とインクシート9との摩擦係数に近づけるこ
とが出来る。
【0084】更に前述した実施例では、キャプスタンロ
ーラ32をインクシートカートリッジEに内蔵したが、記
録装置としては前記ローラ32は必ずしもカートリッジE
に内蔵されている必要はなく、装置本体側に取り付ける
ようにしても良い。また前述した実施例では、キャプス
タンローラ32をインクシート9の搬送手段として構成し
たが、搬送ローラとピンチローラとを用いる等の他のイ
ンクシート9の搬送手段として構成しても良いことは当
然である。
【0085】また前述した実施例では、記録信号が来た
時にインクシート9を搬送し、インクシート9にテンシ
ョンを付加しているが、記録シート2が搬送され、その
先端が先端センサ7に達する迄の間であれば、何時行っ
ても良い。また前述した実施例では、記録ヘッド10aの
発熱素子10a2の配列順を従来とは逆にすることにより従
来通りの画像を得たが、制御部50のシリアル記録データ
56aのデータ順列を逆にすることにより、本発明と同等
の効果が得られるとは当然である。また前述した実施例
では、インクシートカートリッジにて係止突起を形成
し、装置本体に設けたコ字型溝(図示せず)と係止する
よう構成したが、インクシートカートリッジの枠体を保
持するように装置本体及びインクシートカートリッジを
構成すれば構わないことは当然である。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、記録開始前に被転
写材を記録位置まで搬送する際に、被転写材の先端が転
写材に接触する前に、前記転写材にテンションを付加す
ることにより、長期放置による転写材の弛みや、或いは
被転写材の上カールがあっても、前記被転写材を印字位
置までスムーズに搬送することが出来る。また、前記転
写材と前記記録手段と前記被転写材搬送手段とにより記
録位置と被転写材の先端との位置合わせをすることによ
り、記録位置と被転写材の先端との位置合わせをするた
めの別の機構等を設ける必要が無くなり、記録装置本体
の小型化及び簡素化を図ることが出来る。また上記構成
により、従来より付加される部品等は一切無く、コスト
ダウンを促進するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファクシミリ装置の全体構造説明図である。
【図2】ファクシミリ装置の外観斜視説明図である。
【図3】インクシートの断面説明図である。
【図4】インクシートカートリッジの展開説明図であ
る。
【図5】供給リール側の滑りクラッチの構成説明図であ
る。
【図6】巻取リール側の滑りクラッチの構成説明図であ
る。
【図7】インクシート搬送経路の説明図である。
【図8】サーマルヘッドの構成の説明図である。
【図9】駆動伝達構成の説明図である。
【図10】記録制御系のブロック図である。
【図11】駆動制御系のブロック図である。
【図12】記録シートの搬送動作を説明するタイミングチ
ャートである。
【図13】第二実施例における記録シートの搬送動作を説
明するタイミングチャートである。
【図14】記録シートの先端位置合わせを行う記録系の部
分拡大図である。
【図15】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
A…給紙系 B…記録系 C…読取系 D…操作部 E…インクシートカートリッジ 1…カセット 1a…オケ 1b…中板 1c…上ガイド 1d…フタ 2…記録シート 3…給紙ローラ 3a…円弧部 3b…平面部 3c…ローラギア 4…給紙片 4a…シート部 4b…アーム部 5a,5b…フィードローラ 5c…ローラギ
ア 5d…ローラプーリ 6a,6b…ガ
イド 7…記録シート先端センサ 8…装置本体 8a…開口部 8b,8c…ガ
イド部 9…インクシート 9a…耐熱コー
ト層 9b…ベースフィルム層 9c…インク層 9d…トップコーティング層 10…記録手段 10a…記録ヘッド 10a1…ヘッド基
板 10a2…発熱素子 10a3…ヘッドド
ライバー素子 10a4…保護カバー 10b…プラテン
ローラ 10b1…軸部 10b2…ローラ部 10c…ヘッド支持部 11a,11b…排
出ガイド 12a,12b…排出ローラ 12c…ローラプ
ーリ 13…記録シート排出センサ 14…回動軸 15…記録カバー 15a…原稿載置
台 16…原稿 17a…予備搬送
ローラ 17b…押圧片 18a…分離ロー
ラ 18b…圧接片 19a,19b…搬
送ローラ 20a,20b…排出ローラ 21…排出トレイ 22…光電変換素子 23…ハンドセッ
ト 24a,24b…電装基板 25…押し上げ板 26…供給リール 26a…リール軸 26b1,26b2…フランジ 26c…コ字形溝 27…巻取リール 27a…リール軸 27b1,27b2…フランジ 27c…コ字形溝 28…枠体 28a…第一筐体 28a1…溶着部 28a2…側板 28a3…嵌入孔 28a4…溶着部 28b…第二筐体 28b1…溶着部 28b2…側板 28b3…嵌入突起 28b4…係止突起 28b6…溶着部 28c1,28c2…溶着部 28d,28e…窓 28e1…切欠 28f…ガイドピ
ン 28g1…U溝 28g2…角溝 28g3,29g4,28g5,28g6…U溝 28h…開口 29a,29b…軸受 30…滑りクラッ
チ 30a…軸 30b…スプリン
グバネ 30b1…フック部 30c…鍔 30c1…貫通孔 30c2…凹部 30c3…凸部 30d…Eリング 31…滑りクラッチ 31a…軸部 31a1…Dカット嵌合部 31b…スプリン
グバネ 31b1…フック部 31c…鍔 31c1…貫通孔 31c2…凸部 31d,31e…Eリング 32…キャプスタ
ンローラ 32a…軸受 32b…芯部 32c…ゴム部 32d…ギア 33…リールギア 33a…凹部 34a,34b,34c…押圧梃子 34a1,34b1,34
c1…溝部 35…軸 35a,35b,35
c…ピン 36a,36b,36c…バネ 37…アーム 38…カセットモータ 38a…モータギ
ア 39…プラテンモータ 39a…モータギ
ア 40…インクシートモータ 40a…モータギ
ア 41a,41b…クラッチギア 42a,42b…バ
ネクラッチ 43a,43b…ボスギア 44…中間ギア 45…ベルト 46…カム 46a…カムギア 46b…半径最小
部 46c…半径最大部 47…カムセンサ 48…プラテンギア 50…制御部 50a…CPU 50b…ROM 50c…RAM 50d…ラインメ
モリ 50e…符号化/復合化部 50f…バッファ
メモリ 51…電源部 52…モデム基板
ユニット 53…電話機 54…NCU基板
ユニット 55…表示部 56a…シリアル
記録データ 56b…ラッチ信号 56c…出力信号 56d…ストローブ信号 56e…電源線 57…シフトレジスタ 58…ラッチ回路 59…温度センサ 60…記録ヘッド
駆動回路 61,62,63…モータ駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/23 102 Z 9186−5C (72)発明者 中村 文彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写材及び被転写材を平行搬送し、前記
    転写材を記録手段により選択的に被転写材に転写して記
    録を行う記録装置に於いて、 前記被転写材を記録位置まで搬送する際に、前記被転写
    材の先端が前記転写材に接触する前に、前記転写材にテ
    ンションを付加するよう構成したことを特徴とする記録
    装置。
  2. 【請求項2】 転写材及び被転写材を平行搬送し、前記
    転写材を記録手段により選択的に被転写材に転写して記
    録を行う記録装置に於いて、 前記転写材を搬送する転写材搬送手段と、 前記被転写材を搬送する被転写材搬送手段とを有し、 前記転写材と前記記録手段と前記被転写材搬送手段とで
    前記被転写材の先端位置合わせをするよう構成したこと
    を特徴とする記録装置。
  3. 【請求項3】 前記被転写材は、前記転写材を転写し得
    る定型サイズにカットされたシートである請求項1又は
    請求項2記載の記録装置。
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