JPH06155814A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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Publication number
JPH06155814A
JPH06155814A JP32901492A JP32901492A JPH06155814A JP H06155814 A JPH06155814 A JP H06155814A JP 32901492 A JP32901492 A JP 32901492A JP 32901492 A JP32901492 A JP 32901492A JP H06155814 A JPH06155814 A JP H06155814A
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JP
Japan
Prior art keywords
recording
sheet
ink sheet
roller
ink
Prior art date
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Pending
Application number
JP32901492A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Sasai
敬三 笹井
Masakatsu Iwata
正勝 岩田
Hirohisa Sawada
宏久 沢田
Fumihiko Nakamura
中村  文彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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Publication of JPH06155814A publication Critical patent/JPH06155814A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートの搬送不良が生じた場合でも画像デー
タが欠落することなく出力される記録装置を提供するこ
と。 【構成】 シート材搬送手段と、前記シート材に画像を
形成する記録手段と、前記シート材の搬送状態を検出す
る検出手段と、前記検出手段の出力する情報に応じて所
定の画像を繰り返し記録するよう制御する記録制御手段
と、を有する。 【効果】 上記構成により、記録シートの搬送不良を即
座に検出でき、その搬送不良の状態に応じて画像を修正
することができる。また搬送不良が生じた場合でも画像
データが欠落することなく出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置やプ
リンタなど、シート材に画像を形成する記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、情報処理システムの発達に伴い、
種々の情報処理機器が開発されている。これら機器のう
ち、ファクシミリ装置やプリンタ等の記録装置はオフィ
スのみならず、一般家庭においても広く使用されるよう
になっている。
【0003】これらファクシミリ装置等にあっては小型
化を容易にするために、加熱により発色する感熱シート
を使用した所謂感熱記録方式が一般的に使用されてい
る。例えば、図22に示すようにライン型の感熱記録装置
にあっては、ロール状に巻かれた感熱シート100 を、矢
印方向に駆動回転するプラテンローラ101 により搬送す
ると共に、記録ヘッド102 を画信号に応じて発熱して記
録を行い、カッター103によって切断した後、装置外に
排出される。前記シート100 の端部を検出するセンサ10
4 が設けられており、感熱シート100 の先端及び後端を
検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、センサ104 が感熱シート100 の先端及び後端
しか検出できないため、モータの脱調やシートの引っ掛
かりによる記録中の感熱シート100 の搬送不良は検出で
きない。従って、感熱シート100 が搬送されないにも関
わらず、データの記録が行われてしまうことがあり、そ
の結果、複数のラインが重なり合って記録されたデータ
が読めなくなってしまうという問題があった。図23及び
図24にその具体例を示す。
【0005】図23は感熱シートの搬送が正常な時に出力
される記録データの例である。図22に示す如きライン型
の感熱記録装置によってデータの記録を行うと、先ず1
ライン目のデータ『ABC』を記録すると、1ライン分
のピッチYだけ感熱シートを搬送して、次いで2ライン
目のデータ『DEF』の記録を行う。以下同様にして1
ライン毎にデータの記録と搬送を順次繰り返して1ペー
ジ分の記録を行う。尚、図23においては7ライン分の記
録が行われている。
【0006】図24は感熱シートの搬送に不良が発生した
時に出力された記録データの例である。図24に示すよう
に3ライン目のデータ記録が終了した後に、4ライン目
及び5ライン目のデータの記録時に搬送不良が発生し、
6ライン目のデータ記録時から搬送が正常に復帰したと
すると、4ライン目のデータ『MNO』と5ライン目の
データ『PQR』が3ライン目のデータ『GHI』と同
じ場所に重ねて記録されており、前記データが読めなく
なってしまっている。
【0007】このように、従来の記録装置では上述の如
き搬送不良を検出することができないために、図24に示
す如き不良画像が発生し、そのまま不良画像として出力
されていたため、文書として使用できず、大きな問題と
なっていた。
【0008】そこで、本発明の目的は、シートの搬送不
良が生じた場合でも画像データが欠落することなく出力
される記録装置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の代表的な記録装置の構成は、シート材搬送手段と、
前記シート材に画像を形成する記録手段と、前記シート
材の搬送状態を検出する検出手段と、前記検出手段の出
力する情報に応じて所定の画像を繰り返し記録するよう
制御する記録制御手段と、を有することを特徴としてい
る。
【0010】
【作用】前記構成に係る記録装置にあっては、前記検出
手段によってシート材の搬送状態を即座に検出し、前記
記録制御手段によってその検出した情報に応じて画像を
修正することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して前記手段を適用した記
録装置の一実施例について説明する。
【0012】〔第一実施例〕この実施例に係る記録装置
Bはファクシミリ装置の記録系として構成されており、
一般に熱転写記録装置と称されるものである。図1は前
記ファクシミリ装置の全体構造説明図、図2はその外観
斜視図、図3はインクシートの断面説明図、図4はイン
クシートカートリッジの展開説明図である。
【0013】(ファクシミリ全体説明)先ず、図1及び
図2によりファクシミリ装置の全体構成を説明する。こ
のファクシミリ装置は図1に示すように記録シートを供
給する給紙系Aと、記録装置としての記録系Bと、原稿
に記載された画像を読み取るための読取系Cと、操作部
Dと、装填されたインクシートカートリッジEと、記録
シートの搬送状態を検出する検出手段としての回転検出
部Fとによって構成されている。
【0014】給紙系Aは、給紙カセット1に載置された
記録シート2を、給紙ローラ3とこれに圧接する給紙片
4とからなる給紙部で一枚ずつ分離給送し、その記録シ
ート2をフィードローラ対5a,5bによって搬送し、
後述する記録系Bに供給する。また、記録シート2の搬
送経路はガイド6a,6bによって記録シート2の上下
を裏返す半円形の経路を形成している。更に、記録系B
の手前近傍には、記録シート2の先端位置を検出するフ
ォトセンサ,マイクロスイッチ等の記録シート先端セン
サ7が設けられている。
【0015】前記給紙カセット1は装置本体8に対して
着脱可能に設けられており、また給紙ローラ3、給紙片
4、フィードローラ対5a,5b、ガイド6a,6b、
記録シート先端センサ7は夫々装置本体8に設けられて
いる。
【0016】記録系Bは他機から伝送された画信号、或
いは後述する読取系Cから伝送された画信号に応じて、
給紙系Aにより供給された記録シート2に画像を記録す
るものである。即ち、重合した記録シート2とインクシ
ート9とを後述する記録手段10を構成する記録ヘッド10
aによってプラテンローラ10b側に押圧し、プラテンロ
ーラ10bを図1の矢印方向へ駆動回転させることで記録
シート2を矢印a方向へ搬送すると共に、後述する駆動
機構によってインクシート9を矢印b方向へ搬送する。
前記記録シート2及びインクシート9の搬送と同期して
記録ヘッド10aを画信号に応じて発熱させてインクシー
ト9に塗布したインクを溶融(昇華を含む、以下同じ)
させ、溶融したインクを記録シート2に転写して画像を
形成するものである。
【0017】そして所定の画像を形成した記録シート2
を更に矢印a方向に搬送し、排出ガイド11a,11bによ
って形成された経路を通り、排出ローラ対12a,12bに
よって搬送して装置外へ排出する。また、排出ローラ対
12a,12b手前近傍には記録シート2の通過を検出する
フォトセンサ,マイクロスイッチ等の記録シート排出セ
ンサ13が設けられている。また、前記プラテンローラ10
bの端部には、後述する回転検出部Fが設けられてい
る。
【0018】前記プラテンローラ10b、排出ガイド11
a,11b、排出ローラ対12a,12b、記録シート排出セ
ンサ13は夫々装置本体8に設けられている。
【0019】またインクシート9は、本実施例では後述
する構成よりなるインクシートカートリッジEに収納さ
れており、このインクシートカートリッジEは装置本体
8の所定位置に装填され、また前記記録ヘッド10aは回
動軸14を介して回動可能に構成された蓋体としての記録
カバー15の所定位置に設けられている。
【0020】一方、読取系Cは原稿16に光を照射してそ
の反射光を電気信号に変換し、この信号を操作モードに
応じて他機に伝送し、或いは自己の記録系Bに伝送する
ものである。
【0021】即ち、記録カバー15の上面に形成された原
稿載置台15aに原稿16を複数枚載置し、この原稿16を予
備搬送ローラ17a及び押圧片17bで予備搬送すると共
に、分離ローラ18a及びこれに圧接する圧接片18bによ
って一枚ずつ分離給送し、その原稿16を搬送ローラ対19
a,19b及び排出ローラ対20a,20bによって搬送して
排出トレイ21へ排出するように構成している。そして前
記原稿16が搬送される間にコンタクトセンサ等の光電変
換素子22で画情報を読み取り、その画信号をコピーモー
ドの場合には自己の記録系に伝送し、送信モードの場合
は他機の記録系に伝送するように構成している。
【0022】操作部Dは、図2に示すように前記モード
切り換え操作、コピー操作、送信操作等の操作を行うた
めのパネルであり、各種操作に応じたキーが設けられて
いる。この操作部Dは、読取系Cに於ける原稿搬送機構
の上部に設けられており、装置本体8に対して回動可能
に構成されている。尚、操作部Dの一方端側には送信・
受信を行う電話器のハンドセット23が装備されている。
尚、図1に於いて、24a,24bは電装基板である。
【0023】次に上記給紙系A,記録系B,インクシー
トカートリッジE及び回転検出部F等の各部の構成につ
いて具体的に説明する。
【0024】(給紙カセット)給紙カセット1は、複数
枚の記録シート2を収容する箱形状をしたオケ1aと中
板1b、上ガイド1c、フタ1dとからなり、記録シー
ト2は中板1bと上ガイド1cとの間に所定量載置され
る。
【0025】中板1bは載置された記録シート2の下面
に一端を支点として回動自在に設けられており、後述す
る押し上げ板25によって押し上げられ、最上部の記録シ
ート2を給紙ローラ3に圧接させるものである。また、
上ガイド1cは所定位置で固定されており、最上部の記
録シート2を常に所定位置に保っている。
【0026】前記押し上げ板25は、装置本体8に回動自
在に支持されており、更に図示しないバネ等の力により
中板1bを押し上げる方向に回転力が付与されている。
従って、載置された記録シート2の枚数が少なくなるに
従って、押し上げ板25の回転力により中板1bが回動
し、最上部の記録シート2が順次搬送される。
【0027】フタ1dはオケ1aの上面に着脱可能に設
けられており、記録シート2へゴミ付着を防止すると共
に、記録が終了し装置外へ排出された記録シート2を載
置するトレイとしても機能する。図2に示す如く、フタ
1dの端部及び側部は記録シート2の載置を安定させる
ための傾斜がつけられており、またその中央部は給紙カ
セット1の着脱の際にオケ1aを持ち易くするために切
り欠きが設けられている。
【0028】また、給紙カセット1は装置本体8に対し
て着脱可能に設けられており、図1の左方向へ引き出す
ことで装置本体8から外れ、開口部8aから図1の右方
向へ挿入しつつガイド部8b,8cとで案内され、装置
本体8の所定位置(図1に示す位置)へ装着される。
【0029】(給紙部)給紙ローラ3はシリコンゴム等
の摩擦係数の高い材質からなるローラであって、円弧部
3aと平面部3bとを形成してなり、図1の矢印方向に
回転することで給紙カセット1内の最上部の記録シート
2を繰り出す。また給紙ローラ3の両側端には、円弧部
3aと略同じ外径を持つ円形のコロ(図示せず)が設け
られている。
【0030】給紙片4は、コルクを含有したウレタンゴ
ム等のシート部4aをアーム部4bで回動可能に支持し
ており、図示しないバネ等により給紙ローラ3方向へ押
圧されている。
【0031】従って、円弧部3aがシート部4aと対向
する位置にある時は、給紙片4は給紙ローラ3の円弧部
3aと圧接している。一方、平面部3bがシート部4a
と対向する位置にある時は、給紙片4は前述した給紙ロ
ーラ3a両端の円形コロ(図示せず)に圧接しており、
給紙ローラ3と給紙片4との間には記録シート2が通過
する空間が形成される。
【0032】記録待機状態に於いて給紙ローラ3は、そ
の平面部3bが記録シート2及び給紙片4に対向した位
置(図1に示す位置、以下給紙待機位置という)にあ
る。後述する駆動源により給紙ローラ3が図1の矢印方
向に回転すると、その円弧部3aが記録シート2に接す
ることで最上部の記録シート2を一枚繰り出す。この
時、複数枚の記録シート2が繰り出された場合、下部の
記録シート2はシート部4aとの接触摩擦で搬送を阻止
されるため、最上部の記録シート2のみ一枚がフィード
ローラ対5a,5bへと送られ、以後記録シート2はフ
ィードローラ対5a,5bにより搬送される。給紙ロー
ラ3は電磁クラッチ等のクラッチ手段によって1回転
し、その後前述した給紙待機位置で回転を停止する。そ
のため、記録シート2は給紙ローラ3と接することな
く、フィードローラ対5a,5bにより記録系Bへと搬
送されるのである。
【0033】(記録シート)記録シート2としては、普
通紙やプラスチックシート等及びその他の材質であっ
て、インクを転写し得るものを用いることが可能であ
る。本実施例では、B4サイズ又はA4サイズにカット
された普通紙を記録シート2として用いる。そして記録
シート2を収納した給紙カセット1は装置本体8の所定
位置(図1に示す位置)に収納している。
【0034】また本実施例ではランニングコストの低減
を図るために記録シート2の搬送速度よりも、インクシ
ート9の搬送速度を遅くして記録を行う所謂マルチプリ
ント方式を採用している。このマルチプリント方式は、
記録時における記録シート2の搬送長さLよりも、イン
クシート9の搬送長さlを短く、(L/l=n>1)と
して記録を行うものである。このようにすると、記録シ
ート2とインクシート9の搬送長さを同じにした従来の
記録方式(L/l=1)に比べてインクシート9の使用
効率をn倍にすることが出来る。
【0035】(インクシート)インクシート9は前述し
た如くマルチプリントを行うために、同一部分でn回分
のインク転写が可能となるように構成している。そのた
め、本実施例では図3に示すように第1層の耐熱コート
層9a、第2層のベースフィルム層9b、第3層のイン
ク層9c、第4層のトップコーティング層9dの4層で
構成してなる。
【0036】前記耐熱コート層9aはサーマルヘッドで
ある記録ヘッド10aの熱からベースフィルム層9bを保
護するものである。この耐熱コート層9aは同一箇所に
nライン分の熱エネルギーが印加される可能性のある
(発熱情報が連続したとき)マルチプリントには好適で
あるが、この耐熱コート層9aを設けるか否かは記録方
式に応じて適宜選択すれば良い。尚、ポリエステルフィ
ルムのように比較的耐熱性の低いベースフィルムには前
記耐熱コート層9aを設けることは有効である。
【0037】第2層のベースフィルム層9bはインクシ
ート9の支持体となるものであり、マルチプリントの場
合、同一箇所に何回も熱エネルギーが印加されるため、
耐熱性の高い芳香族ポリアミドフィルムやコンデンサ紙
が有利であるが、従来のポリエステルフィルムでも使用
に耐える。これらの厚さは、媒体という役割からなるべ
く薄い方が印字品質の点で有利となるが、強度の点を加
味しなければならず、大体3μm〜8μm程度が好まし
い。
【0038】また第3層のインク層9cは記録シート2
にn回分の転写が可能な量のインクを含有した層であ
る。このインク成分は、接着剤としてのEVA等の樹
脂、着色のためのカーボンブラックやニグロシン染料、
バインディング材としてのカルナバワックス、パラフィ
ンワックス等を主成分として同一箇所でn回の使用に耐
えるように配合されている。このインク層9cの塗布量
によって感度や濃度が異なり、これは任意に選択すれば
良いが、4g/m2 〜9g/m2 程度が好ましい。
【0039】また第4層のトップコーティング層9dは
記録しない部分で記録シート2に第3層のインク層9c
が圧力転写されるのを防止するためのものであり、一般
に透明なワックス等で構成される。これにより、非記録
部分で記録シート2に圧力転写されるのは透明なトップ
コーティング層9dだけとなり、記録シート2の地汚れ
が防止されるものである。
【0040】尚、インクシート9の構成はこの実施例の
ものに限定されるものでなく、例えば支持体となるベー
ス層及びベース層の片側に設けられたインクが含有され
た多孔性インク保持層とからなるものでも良く、またベ
ースフィルム上に微細多孔質網状構造を有する耐熱性イ
ンク層を設け、そのインク層内にインクを含有させたも
のでも良い。
【0041】またベースフィルム層9bの材質として
は、例えばポリイミド、ポリエチレン、ポリエステル、
ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース、ナイロン等
からなるフィルム、或いは紙であっても良い。更に耐熱
コート層9aは必ずしも必要でないが、その材質として
は、例えばシリコン樹脂やエポキシ樹脂、フッ素樹脂、
エトロセルロース等であっても良い。
【0042】また熱昇華性インクを有するインクシート
9の一例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、芳香族ポリアミドフィルム等で
形成された基材上に、グアナミン系樹脂とフッ素系樹脂
で形成したスペーサ粒子及び染料を含有する色材層を設
けたインクシートが挙げられる。本実施例にあっては前
記インクシート9の取り扱いを容易にするために、これ
をインクシートカートリッジEに装填している。
【0043】{インクシートカートリッジ}インクシー
トカートリッジEの構成は、図4に示すように第一巻回
部材となる供給リール26及び第二巻回部材となる巻取リ
ール27及びインクシート搬送手段となるキャプスタンロ
ーラ32を枠体28の所定位置に平行に且つ回動可能に装着
すると共に、供給リール26に巻き付けたインクシート9
を巻取リール27側に張り渡すことによってインクシート
9を装填している。このインクシートカートリッジEを
用いることによって、記録系Bに対するインクシート9
を極めて簡単に、且つ確実に安定した状態で装填し得る
ものである。
【0044】前記インクシートカートリッジEはインク
シート9が使い終わると、そのインクシート9と共に廃
棄される。即ち、インクシートカートリッジEは使い捨
てとなるために、安価に提供し得ることが要求される。
次に前記インクシートカートリッジEの各部の構成につ
いて具体的に説明する。
【0045】(枠体)本実施例に於ける枠体28は第一筐
体28a,第二筐体28bが超音波溶着されている。即ち、
図4に示すように第一筐体28aと第二筐体28bとの連結
部の溶着部28c1,28c2を超音波溶着し、第一筐体28aと
該筐体28aの略先端及び側端に形成した溶着部28a1,28
a4と、第二筐体28bの略先端及び側端に形成した溶着部
28b1,28b6とを超音波溶着することによって構成してい
る。
【0046】前記溶着部28a1,28b1及び28c1,28c2は全
長にわたって形成しても良く、インクシート幅方向へ所
定の長さを持って断続的に形成しても良い。前記枠体28
の成形材料としては、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂
等の樹脂を用いることが可能である。
【0047】前記枠体28に於いて、第一筐体28aの略中
央には図4に示すように記録ヘッド10aを挿入するため
の窓28dが形成されており、第二筐体28bの略中央には
プラテンローラ10bを挿入するための窓28eが形成され
ており、この窓28eに連続してプラテンローラ10bの軸
部10b1(図1参照)を逃げるための切欠28e1が形成され
ている。
【0048】また前記第一筐体28a及び第二筐体28bの
両側面には、夫々側板28a2,28b2が起立形成されてお
り、溶着部28c1,28c2側及び開放側は夫々1/4円の曲
面が形成されている。そして第一筐体28aの開放側曲面
端部に形成された溶着部28a1には嵌入孔28a3が穿孔さ
れ、第二筐体28bの開放側曲面端部に形成された溶着部
28b1には前記嵌入孔28a3に嵌入する嵌入突起28b3が形成
されている。更に第二筐体28bの開放側曲面には、イン
クシートカートリッジEを装置本体8に装着した際に、
該本体8に設けた図示しないコ字形溝と係合する係止突
起28b4が形成されている。前記第二筐体28bの側板28b2
の両側所定位置には、インクシートカートリッジEを装
置本体8に装着する際のガイドとなるガイドピン28fが
形成されている。
【0049】前記側板28a2,28b2の所定位置には、供給
リール26の一方端に装着した軸受29aと嵌合するU溝28
g1と、後述するように供給リール26の他方端に取り付け
る滑りクラッチ30の軸30aを固定支持するための角溝28
g2が形成されている。また側板28a2,28b2には巻取リー
ル28の一方端に装着した軸受29bと嵌合するU溝28g3
と、後述するように巻取リール27の他方端に取り付ける
滑りクラッチ31の軸部31aが嵌合するU溝28g4が形成さ
れている。更に前記側板28a2,28b2には後述するインク
シート搬送部材となるキャプスタンローラ32の軸受32a
が嵌合するU溝28g5,28g6が形成されている。更に第二
筐体28bには巻取リール27のリールギア33を露出するた
めの開口28hが形成されている。
【0050】(供給リール及び滑りクラッチ)供給リー
ル26はインクシート9を巻き付けるためのものである。
これは図4に示すようにインクシート9の幅寸法と略同
一の長さを有するリール軸26aの両端にフランジ26b1,
26b2が設けられ、一方のフランジ26b1側には軸受29aが
装填され、他方のフランジ26b2側にはテンション付与手
段である滑りクラッチ30が取り付けられている。
【0051】前記滑りクラッチ30は供給リール26から引
き出されるインクシート9にバックテンションを付与す
るためのものである。この滑りクラッチ30の構成は、図
5(a)の分解図及び図5(b)の断面図に示すように
二方取りされた端部を有する軸30aにスプリングバネ30
bが締めつけるように取り付けられ、このバネ30bにフ
ック部30b1が形成されている。そして前記バネ30bを取
り付けた軸30aを鍔30cの貫通孔30c1に挿通し、Eリン
グ30dを軸30aの先端に取り付けて抜け止めする。この
とき前記スプリングバネ30bのフック部30b1が貫通孔30
c1に形成した凹部30c2に係止するように取り付ける。更
に前記鍔30cを中空状のリール軸26aに嵌入し、鍔30c
の外周部に突設した凸部30c3をリール軸26aの端部に形
成したコ字形溝26cに嵌入係止して取り付ける。
【0052】前記構成に於いて、供給リール26を枠体28
に取り付けた状態でインクシート9が引き出されると、
供給リール26が図5(a)の矢印c方向(インクシート
9を繰り出す方向)に回転する。このとき軸30aは枠体
28の角溝28g2に嵌入して回転不能状態にあるために、軸
30aを締めつけているスプリングバネ30bはゆるみ方向
に回転力を受け、軸30aの外周とスプリングバネ30bの
内周との間に摩擦負荷が発生する。この摩擦負荷はイン
クシート9が搬送力を受け、供給リール26が所定トルク
以上の回転力を受けると、スプリングバネ30bが軸30a
の外周を前記所定トルクを受けながら滑る。
【0053】従って、供給リール26からインクシート9
を引き出す場合には常に一定の負荷がかかり、これによ
ってインクシート9にバックテンションが付与されるも
のである。尚、前記スプリングバネ30bのゆるみトルク
負荷は値が安定しているために、インクシート9には安
定したバックテンションが付与されるものである。
【0054】(巻取リール及び滑りクラッチ)次に巻取
リール27は記録に際して供給リール26から引き出された
インクシート9を巻き取るものである。これは図4に示
すように前述した供給リール26と同様にインクシート9
の幅寸法と略同一の長さを有するリール軸27aの両端に
フランジ27b1,27b2が設けられ、一方のフランジ27b1側
には軸受29bが装填され、他方のフランジ27b2側には回
転力伝達制限手段(トルク伝達手段)である滑りクラッ
チ31が取り付けられている。
【0055】前記滑りクラッチ31は巻取リール27に一定
の回転トルクを付与するためのものである。この滑りク
ラッチ31の構成は、図6(a)の分解図及び図6(b)
の断面図に示すようにDカット嵌合部31a1を有する軸部
31aにスプリングバネ31bが締めつけるように取り付け
られ、このバネ31bにフック部31b1が形成されている。
そして前記バネ31bを取り付けた軸部31aにリールギア
33を遊嵌すると共に、この軸部31aを鍔31cの貫通孔31
c1に挿通し、Eリング31d,31eを軸部31aの端部に取
り付けて抜け止めする。このとき前記スプリングバネ31
bのフック部31b1がリールギア33に形成した凹部33aに
係止するように取り付ける。更に前記鍔31cを中空状の
リール軸27aに嵌入し、鍔31cの外周部に突設した凸部
31c2をリール軸27aの端部に形成したコ字形溝27cに嵌
入係止して取り付ける。
【0056】前記構成に於いて、後述する駆動系によっ
てリールギア33が図6(a)の矢印d方向(巻取リール
27がインクシート9を巻き取る方向)に回転すると、軸
部31aを締めつけているスプリングバネ31bはゆるみ方
向に回転力を受け、軸部31aの外周とスプリングバネ31
bの内周との間に摩擦負荷が発生する。この摩擦負荷を
受けて巻取リール27が図6(a)の矢印d方向に回転し
てインクシート9を巻き取るものである。
【0057】前記スプリングバネ31bは所定以上のトル
クを受けると軸部31aの外周を前記所定トルクを付与し
ながら滑る。従って、巻取リール27には常に一定のトル
クで回転力が付与されるものである。尚、前記スプリン
グバネ31bのゆるみトルク負荷は値が安定していること
は供給リール26の滑りクラッチ30の場合と同様である。
【0058】本実施例にあっては供給リール26に滑りク
ラッチ30を内蔵し、また巻取リール27に滑りクラッチ31
を内蔵することにより、前記滑りクラッチ30,31を設け
るための特別なスペースが不要となる。このため駆動系
の設計に於けるギア等の配置を容易なものとし、組立性
の向上が図れるものである。また前記クラッチ30,31は
インクシートカートリッジEと共に交換されるため、イ
ンクシート一巻分の耐久性があれば足りることになる。
更に前記クラッチ30,31は構造が簡単であるために、市
販されているパウダークラッチと比較して安価に製造し
得る等の利点がある。
【0059】ここで本実施例にあっては前記巻取リール
27にインクシート9を巻き取る場合、インクシート9の
端部であってベースフィルム9b側をテープ等によって
巻取リール27のリール軸27a外周面に貼り付け、インク
シート9のインク塗布面側が巻取ロールの内側を向くよ
うに巻取リール27を回転させるものである。
【0060】(キャプスタンローラ)次にキャプスタン
ローラ32はインクシート9に搬送力を付与するインクシ
ート搬送手段であり、本実施例にあっては図4に示すよ
うにインクシートカートリッジE内に収納されている。
【0061】このキャプスタンローラ32は金属材料で構
成された芯部32bの外周面に、液状シリコンゴム等のゴ
ム部32cを吹きつけ塗装し、表面状態は鏡面仕上げとな
っており、且つ芯部32bの端部にギア32dを固着して構
成している。前記キャプスタンローラ32は枠体28のU溝
28g5,28g6に軸受32aを嵌入して取り付けるが、枠体28
内に収納するインクシート9のベースフィルム9b面側
に位置するように取り付ける。そしてインクシートカー
トリッジEを記録系Bに装填して記録を行う場合、図1
に示すようにインクシート9の記録搬送方向(図1の矢
印b方向)に於いて、記録手段10よりも下流側であって
巻取リール27よりも上流側でキャプスタンローラ32がイ
ンクシート9のベースフィルム層9b側に接触するよう
に構成している。
【0062】記録に際してインクシート9は図1の矢印
方向に回転するキャプスタンローラ32によって搬送され
るものである。本実施例のように記録シート2とインク
シート9とを逆方向へ搬送しながら記録を行うマルチプ
リント方式にあっては、インクシート9を搬送する力と
して最大15kg程度の力が必要とされている。そのた
め、本実施例ではキャプスタンローラ32とインクシート
9のベースフィルム9b間の摩擦係数が10〜20の範囲に
なるように設定すると、両者間でのスリップを防止する
ことが出来る。尚、本実施例では前記摩擦係数を約14程
度に設定している。
【0063】また図7に示すようにキャプスタンローラ
32に対するインクシート9の巻付角θが大きい程キャプ
スタンローラ32とインクシート9との間の接触面積が増
すため、前記キャプスタンローラ32にスリップが生じ難
くなる。そこで本実施例では巻取リール27にインクシー
ト9が全く巻き付いていない状態(巻取ロール径最小)
で前記巻付角θが約30°となるように設定している。そ
して図1からも明らかなようにインクシート9のインク
面が内側に向かって巻き取られ、且つキャプスタンロー
ラ32がベースフィルム面側に接触するように位置してい
るために、インクシート9が巻取リール27に巻き取ら
れ、巻取ロール径が大きくなると、前記巻付角θも大き
くなる。従って、インクシート9が巻取リール27に巻き
取られる程にキャプスタンローラ32によって確実にイン
クシート搬送力が付与されるものである。前記巻付角θ
は、基本的にはキャプスタンローラ32が接触していれば
良いのであるが、前記装置本体8及びインクシートカー
トリッジE等の寸法精度のバラツキを考慮すれば、キャ
プスタンローラ径にもよるが、5°≦θ≦ 180°の範囲
に設定すると良い。尚、本実施例ではインクシート9を
巻き取る巻取リール27の巻取ロール径の変化によって前
記巻付角θが30°以上90°以下の範囲で変化するように
構成している。
【0064】前記の如くインクシート9に対して高摩擦
係数のキャプスタンローラ32が所定の巻付角θで巻き付
くようにすることにより、インクシート9への搬送力付
与をキャプスタンローラ32のみで行うことが可能とな
り、従来の如きピンチローラが不要となる。尚、前記イ
ンクシート9の搬送精度を高めるためにはキャプスタン
ローラ32のゴム部32cの変形が少ない方が良い。そのた
め本実施例では前記ゴム部32cの厚さが約75μm程度と
なるように薄く構成している。これによりキャプスタン
ローラ32のローラ部が変形し難くなり、インクシート9
の搬送精度が高まるものである。
【0065】更に本実施例に於いてはキャプスタンロー
ラ32をインクシートカートリッジE内に設けたために、
該カートリッジEを交換するとキャプスタンローラ32も
交換される。従って、キャプスタンローラ32の耐久性は
インクシート一巻分で良いため、キャプスタンローラ32
の製造が容易となる。
【0066】またキャプスタンローラ32を一定速度で回
転した場合、インクシート9の搬送量はキャプスタンロ
ーラ32のローラ径に依存する。従って、特にマルチプリ
ントの場合、記録n値(記録シート2の搬送量に対する
インクシート9の搬送量の値)は所望のローラ径を有す
るキャプスタンローラ32を収納してあるインクシートカ
ートリッジEを選択することにより、容易に対応し得る
ものである。
【0067】(インクシートカートリッジの組立)次に
前記インクシートカートリッジEを組立るには、図4に
示すインクシート9を巻き付けた供給リール軸26aの一
方端に軸受29aを取り付け、該軸受29aを第二筐体28b
に形成したU溝28g1に嵌合すると共に、滑りクラッチ30
の二方取りされた軸30aを角溝28g2に嵌合する。更に巻
取リール軸27aの一方端に軸受29bを取り付け、該軸受
29bを第二筐体28bのU溝28g3に嵌合すると共に、滑り
クラッチ31の軸部31aに取り付けた図示しない軸受をU
溝28g4に嵌合する。そしてキャプスタンローラ32の軸受
32aを第二筐体28bに形成したU溝28g5,28g6に嵌合す
る。次に第一筐体28aを第二筐体28bと対向させ、溶着
部28a1,28b1と溶着部28a4,28b6を夫々超音波溶着する
ことで、インクシート9及びキャプスタンローラ32を装
填したインクシートカートリッジEを組み立てる。
【0068】これにより、第一巻回部材である供給リー
ル26aと第二巻回部材である巻取リール27aとインクシ
ート搬送手段であるキャプスタンローラ32とが夫々平行
に、且つ回動可能に支持されたインクシートカートリッ
ジEが構成される。
【0069】(インクカートリッジの装填方法)上記イ
ンクシートカートリッジEの装填方法は、先ず記録系B
に於ける記録カバー15を回動軸14を中心として開き、カ
ートリッジ元部のガイドピン28fを装置本体8に形成さ
れた図示しない案内カードレールに沿って挿入し、且つ
カートリッジ先端部の係止突起28b4を装置本体8に形成
された図示しないコ字形溝と係止することにより、記録
系Bに装填するものである。
【0070】{記録構成}記録系Bに於ける記録は前記
の如くしてインクシートカートリッジEを装填し、記録
手段10によって熱転写記録を行うものである。
【0071】(記録手段)次に記録手段10について図1
及び図8を参照して説明する。本実施例で用いている記
録ヘッド10aはヘッド基板10a1上に通電により発熱する
複数の発熱素子10a2が一列に配列されている共に、この
発熱素子10a2に対して画信号に応じて選択的に通電を行
うためのヘッドドライバー素子10a3及び記録シート2の
幅方向全体にわたり前記ヘッドドライバー素子10a3を囲
って保護する保護カバー10a4を取り付けてなるライン型
のサーマルヘッドである。
【0072】このサーマルヘッドである記録ヘッド10a
に対する前記発熱素子10a2の配列位置は、図8に示すよ
うに該発熱素子10a2から記録ヘッド10aの短手方向の一
端部までの距離をL1、他端部までの距離をL2とした
場合、前記距離の関係がL1<L2となる位置(例えば
本実施例ではL1=5mm,L2=20mm)に配設され
ている。
【0073】前記発熱素子10a2を有する記録ヘッド10a
は、図1に示すように発熱素子10a2が記録シート2の搬
送方向上流側に位置するように記録カバー15に設けたヘ
ッド支持部10cに揺動可能に取り付けられ、更に記録ヘ
ッド10aの長手方向両側には図示しないフォーク部材が
設けられている。このフォーク部材は、記録カバー15を
閉めた際に、プラテンローラ10bの軸部10b1又は所定位
置に配設された図示しない軸が係合して、プラテンロー
ラ10bに対する記録ヘッド10aの位置を設定するための
位置決め機能を有するものである。また本実施例で用い
ている記録ヘッド10aは、発熱素子の配列順を従来とは
逆にすることにより記録ヘッドの構成を変えるだけで従
来通りの画像を再現している。
【0074】次に、プラテンローラ10bに対する記録ヘ
ッド10aの押圧力を調整する駆動機構を図9を用いて説
明する。前記プラテンローラ10bは装置本体8に対して
回転可能に取り付けられた軸部10b1に記録シート2の幅
寸法よりも軸方向に長いローラ部10b2が形成され、前記
軸部10b1の一端には図9に示す如くプラテンギア48が固
着されている。
【0075】前記プラテンローラ10bに記録ヘッド10a
を圧接するために、該記録ヘッド10aの背面側には、押
圧梃子34a,34b,34cが、回転可能に支持された軸35
を回動中心として回動可能に設けられており、押圧梃子
34a,34b,34cは各々バネ36a,36b,36cにより図
1の矢印e方向に回転力が付与されている。また押圧梃
子34a,34b,34cには溝部34a1,34b1,34c1が設けて
あり、溝部34a1,34b1,34c1は軸35に固着されたピン35
a,35b,35cと所定のガタをもって接するように構成
されている。更に軸35の一端にはアーム37が固着されて
いる。
【0076】従って、軸35の位置が図1に示す位置(即
ちピン35a,35b,35cが各々溝部34a1,34b1,34c1と
接していない位置)にある時、押圧梃子34a,34b,34
cは各々バネ36a,36b,36cの力で図1の矢印e方向
へ回動し記録ヘッド10aと接することで、記録ヘッド10
aをプラテンローラ10bへ圧接するものである(以下、
この時の押圧梃子34a,34b,34cの位置を記録位置と
言う)。
【0078】一方、軸35が図1に示す位置から反時計周
りに所定角度回転すると、ピン35a,35b,35cと溝部
34a1,34b1,34c1とが接するため、押圧梃子34a,34
b,34cはバネ36a,36b,36cの力に打ち勝ち、図1
の矢印f方向に回動することで記録ヘッド10aのプラテ
ンローラ10bへの圧接力を弱める(或いは無くす)もの
である(以下、この時の押圧梃子34a,34b,34cの位
置を待機位置と言う)。待機位置は押圧梃子34a,34
b,34cが記録ヘッド10aと接しない位置であることが
望ましい。
【0079】また、本実施例では軸35に対して押圧梃子
34a,34b,34cが各々独立して回動可能に構成してあ
るため、バネ36a,36b,36cのバネ力を変えることで
押圧梃子34a,34b,34cの記録ヘッド10aへの圧接力
を記録ヘッド10aの幅方向で差を持たせ、印字品質を高
めることができる。
【0080】(駆動伝達構成)次に、前記記録シート2
とインクシート9の搬送駆動機構について図9を参照し
て説明する。図9において、装置本体8にはカセットモ
ータ38、プラテンモータ39及びインクシートモータ40が
取り付けられている。
【0081】前記カセットモータ38は、一方向の回転で
給紙ローラ3、フィードローラ5a、排出ローラ12aを
回転させ、他方向の回転で後述する手段により記録ヘッ
ド10aのプラテンローラ10bへの圧接力を調整するもの
である。
【0082】前記カセットモータ38のモータギア38aは
クラッチギア41a,41bと噛合しており、クラッチギア
41a,41bは各々バネクラッチ42a,42bを介してボス
ギア43a,43bと接している。バネクラッチ42a,42b
は線材を巻き回した一方向クラッチである。
【0083】ボスギア43aはフィードローラ5aのロー
ラギア5cと噛み合い、ローラギア5cは中間ギア44
と、中間ギア44は給紙ローラ3のローラギア3c噛み合
う。また、フィードローラ5aの回転はローラプーリ5
d、ベルト45、ローラプーリ12cを介して排出ローラ12
aへと伝達される。
【0084】一方、ボスギア43bはカム46のカムギア46
aと噛合している。このカム46はアーム37と接してお
り、回転位置に応じてアーム37を揺動させる。ここで、
カム46の形状は、カム46の半径最小部46bがアーム37と
接している時、押圧梃子34a,34b,34cは前述の記録
位置にあり、カム46の半径最大部46cがアーム37と接し
ている時、押圧梃子34a,34b,34cは前述の待機位置
にあるよう構成してある。尚、カム46の回転位置はカム
センサ47によって検出する。
【0085】前記構成により、カセットモータ38を駆動
してモータギア38aを実線矢印方向に回転する(以下、
正転という)と、クラッチギア41a,41bが回転する
が、この回転方向ではバネクラッチ42aがロックする一
方、バネクラッチ42bが空転するように構成してあるた
め、ボスギア43aが実線矢印方向に回転する一方、ボス
ギア43bは停止している。従って、給紙ローラ3、フィ
ードローラ5a、排出ローラ12aが実線矢印方向に回転
し、記録シート2を矢印a方向に搬送する。また、この
時カム46は停止している。
【0086】一方、カセットモータ38を駆動してモータ
ギア38aを破線矢印方向に回転する(以下、逆転とい
う)と、クラッチギア41a,41bが回転するが、この回
転方向ではバネクラッチ42aが空転する一方、バネクラ
ッチ42bがロックするように構成してあるため、ボスギ
ア43aが停止する一方、ボスギア43bが破線矢印方向に
回転し、カム46が破線矢印方向に回転する。従って、カ
ムセンサ47の出力(カム46の位置)に応じた所定ステッ
プだけカセットモータ38を逆転することで、カム46、ア
ーム37、軸35を介して押圧梃子34a,34b,34cを記録
位置又は待機位置へ移動させ、記録ヘッド10aのプラテ
ンローラ10bへの圧接力を強めたり弱めたりするのであ
る。
【0087】また、前記プラテンモータ39はプラテンロ
ーラ10bを駆動回転する駆動源であり、モータギア39a
とプラテンギア48とが噛合しており、該モータ39を駆動
してモータギア39aを実線矢印方向へ回転することによ
りプラテンギア48を介してプラテンローラ10bが駆動回
転し、記録シート2を矢印a方向へ搬送するものであ
る。
【0088】一方、前述したようにインクシートカート
リッジEを装填し、記録カバー15を閉じると、インクシ
ートモータ40のモータギア40aにキャプスタンローラ32
のギア32dが噛合し、且つ前記ギア32dに巻取リール27
のリールギア33が噛合する。従って、前記インクシート
モータ40を駆動してモータギア40aを実線矢印方向へ回
転させると、キャプスタンローラ32のギア32dが実線矢
印方向へ回転すると共に、巻取リール27のリールギア33
が実線矢印方向へ回転する。従って、前記キャプスタン
ローラ32の回転によってインクシート9が供給リール26
から引き出されて矢印b方向へ搬送され、搬送されたイ
ンクシート9は巻取リール27に巻き取られるものであ
る。
【0089】また、前記キャプスタンローラ32の回転周
速度よりも巻取リール27の回転周速度が速くなるように
ギア比が設定してあり、巻取リール27は滑りクラッチ31
による滑りを生じながら回転するように構成されてい
る。そして前記滑りによりインクシート9はフロントテ
ンションを付与されつつ巻取リール27に巻き取られるも
のである。尚、前記インクシート9に搬送力を付与する
キャプスタンローラ32をプラテンローラ10bの近くに配
置することにより、インクシート9の伸びを少なくし、
より正確な搬送を行うことが出来る。
【0090】(回転検出部)次に、記録シートの搬送状
態を検出する検出手段としての回転検出部Fについて図
面を参照して説明する。図10は図1に示す回転検出部F
の説明図であって、図10(a)はその詳細説明図、図10
(b)はその側面断面説明図である。
【0091】図に示すように、プラテンローラ10bは軸
受70を介して装置本体8に回転自在に取り付けられてお
り、その軸部10b1にはワッシャ71,スプリング72,セン
サアーム73が取り付けられ、止め輪74によって抜け止め
されている。
【0092】前記センサアーム73は振り子形状を成して
おり、スプリング72及び止め輪74と接するクラッチ部73
aと、フォトセンサ75のハウジング75aに当接する位置
決め部73bと、フォトセンサ75の発光部75bと受光部75
cとの間を遮るシャッタ部73cとを有している。前記ス
プリング72はワッシャ71とセンサアーム73のクラッチ部
73aとの間で所定のバネ力を発生するように圧縮して取
り付けられているため、前記センサアーム73はスプリン
グ72のバネ力によって図10(b)の左側へ押し付けら
れ、止め輪74に接することで滑りクラッチを構成してい
る。従って、センサアーム73はフォトセンサ75とストッ
パ76との間を、前記プラテンローラ10bの回転に伴って
同方向に回転する。
【0093】図10(a)において、プラテンローラ10b
が時計回り方向に回転すると、その回転に伴ってセンサ
アーム73はプラテンローラ10bの軸部10b1を中心にして
時計回り方向に回転してストッパ76に当接した位置で停
止する。逆に、プラテンローラ10bが反時計回り方向に
回転すると、前記センサアーム73は同様にして反時計回
り方向に回転し、その位置決め部73bがフォトセンサ75
のハウジング75aに当接した位置で停止する。
【0094】前記フォトセンサ75は、所謂フォトインタ
ラプタ型のセンサであり、発光部75bから照射された光
を受光部75cで受けるものである。前記発光部75bと受
光部75cとの間に遮蔽物(本実施例にあってはセンサア
ーム73のシャッタ部73c)がある時は後述する制御部50
に出力信号Lを、前記遮蔽物がない時は出力信号Hを送
るものである。
【0095】従って、センサアーム73のシャッタ部73c
が図10(a)に示す如き位置(センサアーム73の位置決
め部73bがフォトセンサ75のハウジング75aに当接する
位置)にある時は、前記発光部75bと受光部75cとの間
の光軸を遮っているため、フォトセンサ75の出力信号は
Lであり、この位置からセンサアーム73が時計回り方向
に回転すると前記遮蔽が解除されるため、フォトセンサ
75の出力信号はHとなる。即ち、フォトセンサ75はセン
サアーム73の位置を検出するものである。
【0096】次に、フォトセンサ75の光軸中心に対する
センサアーム73の位置決め部73b,シャッタ部73cの位
置関係について図面を参照して説明する。図11及び図12
は図11におけるG−G断面説明図である。
【0097】プラテンローラ10bが反時計回り方向に回
転(以下、正転という)している時、センサアーム73は
図11に示す如き位置(センサアーム73の位置決め部73b
がフォトセンサ75のハウジング75aに当接する位置)に
ある。このとき、センサアーム73のシャッタ部73cはフ
ォトセンサ75の光軸に対し、所定量iだけ覆い隠す位置
に構成している。従って、前記フォトセンサ75の出力信
号はLである。
【0098】一方、この位置からプラテンローラ10bが
時計回り方向に回転(以下、逆転という)すると、セン
サアーム73も同方向に回転してシャッタ部73cが所定量
2i移動した時にフォトセンサ75の光軸を遮らない位置
(図12に示す如き位置)に達し、フォトセンサ75の出力
信号はHとなる。更に、同方向に所定量j回転したセン
サアーム73はストッパ76に当接した位置で停止する。
【0099】更に、再びプラテンローラ10bが正転する
と、前述したようにセンサアーム73のシャッタ部73cが
フォトセンサ75の光軸を遮る位置に達した時点でフォト
センサ75の出力信号はHからLに変化する。即ち、フォ
トセンサ75の出力信号がLからHに変化したのを検出す
ることでプラテンローラ10bが逆転したと認識し、逆に
前記出力信号がHからLに変化したのを検出することで
プラテンローラ10bが正転したと認識することができ
る。
【0100】本実施例にあっては、プラテンローラ10b
の逆転は即時に、正転は所定時間の遅れを持って検出さ
れることが好ましい。従って、シャッタ部73cがフォト
センサ75の光軸を遮る量iを十分小さく、またシャッタ
部73cがフォトセンサ75の光軸の遮蔽を解除してからス
トッパ76に当接するまでの移動量jをある程度大きく設
定している。具体的には、i=1mm,j=5mmに設
定し、更にプラテンローラ10bの半径r=8mm,光軸
を遮る位置のセンサアーム73の回転半径R=40mmに設
定している。
【0101】上記i=1mm,j=5mm,r=8m
m,R=40mmの設定においては、フォトセンサ75がプ
ラテンローラ10bの逆転を検出するまでに、センサアー
ム73は2iの移動量を必要とするから、センサアーム73
の回転角度θは、 となる。この時のセンサアーム73の回転はプラテンロー
ラ10bと一体となって回転することから、回転角度θは
プラテンローラ10bの逆転角度に相当する。
【0102】従って、この時のプラテンローラ10bの円
周上の移動距離、即ち記録シート2の逆方向への搬送量
Pは、 となる。即ち、記録シート2が僅か0.40mm逆走しただ
けで、フォトセンサ75の出力信号の変化(L→H)よ
り、プラテンローラ10bの回転不良、即ち記録シート2
の搬送不良を検出することができる。
【0103】尚、前記搬送量Pは、 で表され、プラテンローラ10bの半径rが一定であれ
ば、シャッタ部73cの光軸遮蔽量iを小さく、センサア
ーム73の回転半径Rを大きく設定すれば、フォトセンサ
75がプラテンローラ10bの逆転を検出するまでの時間を
短縮でき、その間に記録シート2が逆走する量を小さく
抑えることができるため、装置本体が受ける被害は最小
限で済む。
【0104】一方、前記プラテンローラ10bの正転の検
出においては、 となる。
【0105】また、クラッチ部73aでは滑りクラッチを
構成しているが、センサアーム73が軸部10b1につれ回る
に要する必要トルクは、センサアーム73の自重をつれ回
すトルクがあれば良く、本実施例においては滑りクラッ
チのトルク値は 100gcm程度である。
【0106】また、プラテンローラ10bは記録シート2
を搬送するために、約4000gcmのトルクを発生するよ
うにプラテンモータ39の出力・ギア比を設定してある。
尚、前記滑りトルクはプラテンローラ10bの発生するト
ルクに対して十分に小さいため、記録シート2の搬送に
対して何ら悪影響を及ぼすものではない。
【0107】また、前述した通り、本実施例において、
プラテンローラ10bの回転不良検出時間を短くするため
には、シャッタ部73cの光軸遮蔽量iを小さくすれば良
く、即ちシャッタ部73cの外形寸法の一部分だけ加工精
度を高めれば良く、従来の回転検出装置におけるスリッ
ト円板の多数のスリット精密加工・エンコーダの位置決
め調整などの特殊工程がいらなくなり、多大なコストダ
ウンを実現できる。
【0108】(制御系の説明)次に前記各部材を駆動制
御する制御系について図13に示すブロック図を参照して
説明する。図13において、50は前記ファクシミリ装置の
制御部を示しており、装置全体に電力を供給する電源部
51、モデム基板ユニット52、電話器53を接続するNCU
基板ユニット54、更には操作部Dから入力した内容等を
表示する表示部55等が配置されている。
【0109】前記制御部50は、記録装置全体の制御を行
うCPU50aと、各種プログラムや各種データ等を格納
したROM50bと、上記CPU50aのワークエリアとし
て使用されると共に、記録枚数等の各種データの一時保
存を行うRAM50c等を有する。また、50dは画像デー
タの各ラインのイメージを格納するラインメモリであっ
て、原稿の送信若しくはコピーの場合は原稿読取系Cか
らの複数ライン分のイメージデータが格納され、画像デ
ータの受信の場合は復号された複数ライン分のデータが
格納される。そして上記ラインメモリ50dに格納された
各種データは、記録系Bに出力されることによって、画
像記録が行われる。また、50eは送信する画像情報をM
H符号化等により符号化したり、受信した符号化画像デ
ータを復号化してイメージデータに変換する符号化/復
号化部である。50fは送受信された符号化画像データを
格納するバッファメモリである。
【0110】次に図14を参照して、前記記録系Bと制御
部50との電気系接続について説明する。記録ヘッド10a
は前記制御部50より1ライン分のシリアル記録データ56
aを入力するためのシフトレジスタ57、ラッチ信号56b
により上記シフトレジスタ57のデータをラッチするラッ
チ回路58、1ライン分の発熱抵抗体からなる発熱素子10
a1を装備している。上記発熱素子10a1はm個のブロック
(10a1−1〜10a1−m)に分割されて駆動されるもので
ある。また上記記録ヘッド10aには、温度を検出するた
めの温度センサ59を装備しており、この温度センサ59の
出力信号56cは、制御部50内でA/D変換されて前記C
PU50aに入力される。これによって、前記CPU50a
は記録ヘッド10aの温度を検出して、その温度に応じて
ストローブ信号56dのパルス幅を変更したり、或いは記
録ヘッド10aの駆動電圧等を変更して、インクシート9
の特性に応じて記録ヘッド10aへの印加エネルギーを変
更している。
【0111】前記インクシート9の種類(特性)は、操
作部Dから入力する等により選択されているが、インク
シート9に印刷されたマーク等を検出してその種類や特
性を判別することも可能である。またインクシート9を
収納するカートリッジに付されたマークや切欠或いは突
起等を判別することも可能である。
【0112】60は前記制御部50より記録ヘッド10aの駆
動信号を入力し、上記記録ヘッド10aを各ブロック単位
で駆動するストローブ信号56dを出力する記録ヘッド駆
動回路である。この記録ヘッド駆動回路60は前記制御部
50の指示により、記録ヘッド10aの発熱素子10a1に電流
を供給するための電源線56eに出力する電流の制御時間
を変更することによって、記録ヘッド10aの印加エネル
ギーを変更することができる。
【0113】また、61,62,63は前記駆動手段であるカ
セットモータ38、プラテンモータ39,インクシートモー
タ40を夫々回転駆動するモータ駆動回路である。尚、前
記各モータ38,39,40としては、ステッピングモータを
使用しているが、これに限定されるものではなくDCモ
ータやサーボモータ等であっても良い。
【0114】更に前記制御部50には、記録シート2の先
端を検出する記録シート先端センサ7、記録シート2の
通過を検出する記録シート排出センサ13、プラテンロー
ラ10bの回転方向を検出するフォトセンサ75、記録シー
ト2の有無を検出する記録シート有無センサS1、イン
クシート9の有無を検出するインクシート有無センサS
2、インクシート9の搬送速度等を検出するインクシー
ト速度センサS3からの検出信号を入力し、その検出信
号に応じて表示部55に所定表示をすると共に記録動作を
制御する。
【0115】{給紙動作}次に記録に先立ち、給紙系A
により記録シート2を記録系Bに供給する動作について
図15に示すタイミングチャートを用いて説明する。以後
の説明に於いて、各モータの回転方向は、図9に示すよ
うに実線矢印方向への回転を正転、破線矢印方向への回
転を逆転とする。
【0116】(動作1)先ず、カセットモータ38が逆転
して押圧梃子34a,34b,34cを待機位置へ動かす。こ
れによりプラテンローラ10bに対する記録ヘッド10aの
圧接力が小さくなるため、後述するインクシート9の搬
送の際、記録ヘッド10aとプラテンローラ10bとに対す
るインクシート9の摩擦が小さくなり、インクシート9
の擦れによるシワやインク剥離などのトラブルを防止す
ることが出来る。
【0117】(動作2)記録信号が来ると、先ず記録開
始前に、インクシートモータ40が正転してキャプスタン
ローラ32を正転させて所定量インクシート9を巻き取
る。すると、供給リール26の滑りクラッチ30の作用によ
りインクシート9にバックテンションがかかり、該イン
クシート9のシワや弛み等が無くなり、記録時に於ける
記録の品質が高まる。また、キャプスタンローラ32と記
録ヘッド10aとの間でインクシート9が平らな面をなす
ことで、プラテンローラ10bとインクシート9とでくさ
び状の空間を形成する。そのため、記録シート2を記録
手段10へ供給する際、該シート2先端に折れやシワ等が
生じずにスムーズに入り込むことが出来る。
【0118】(動作3)次に、カセットモータ38が正転
して給紙ローラ3及びフィードローラ5aを正転させ
る。これにより給紙ローラ3及び給紙片4により給紙カ
セット1の最上部の記録シート2が繰り出されてフィー
ドローラ対5a,5bによりガイド6a,6bを介して
記録手段10へ向かって搬送される。前記記録シート2の
先端が記録シート先端センサ7に達すると、該先端セン
サ7の出力がONになる。この時点からカセットモータ
38の駆動ステップを制御部50でカウントし、所定ステッ
プα(ここでは、記録シート2の先端が、先端センサ7
を通過後、記録手段10へ至るに必要なステップ数であ
る。)回転することで、記録シート2の先端が上述した
ようにインクシート9にガイドされつつ印字位置に到達
する。
【0119】(動作4)上記所定ステップa経過後、プ
ラテンモータ39を正転してプラテンローラ10bを正転さ
せる。これにより、記録シート2の記録手段10への挿入
が容易に行われ、前記プラテンローラ10bと記録ヘッド
10aとの圧接部に記録シート2が挟み込まれて、以後は
プラテンローラ10bによって記録シート2を搬送する。
所定量プラテンモータ39を回転することで、記録シート
2の先端は記録手段10の印字位置よりも余白分下流まで
搬送され、記録待機状態となる。
【0120】(動作5)次に、カセットモータ38を逆転
して押圧梃子34a,34b,34cを記録位置へ動かし、記
録可能状態となる。
【0121】{記録動作} (動作6)上記給紙動作が終了し、記録可能状態になる
と、カセットモータ38、プラテンモータ39、インクシー
トモータ40が正転し、フィードローラ5a、プラテンロ
ーラ10b、キャプスタンローラ32を正転させる。これに
より、記録シート2が1ライン分のピッチだけ矢印a方
向に搬送されると共に、インクシート9が記録シート2
の搬送方向とは反対の矢印b方向に搬送され、同時に前
記制御部50におけるラインメモリー50dに収納されてい
るデータから、1ライン目のデータが記録ヘッド10aに
送られ、前記記録シート2への1ライン目の記録が行わ
れる。
【0122】1ライン目の記録が終了すると、同様にし
て記録シート2が矢印a方向に1ライン分のピッチだけ
搬送されると共に、インクシート9が矢印b方向に搬送
され、同時にラインメモリー50dに収納されているデー
タから、2ライン目のデータが記録ヘッド10aに送さ
れ、前記記録シート2への2ライン目の記録が行われ
る。以下、同様にして前記動作を順次繰り返し、複数ラ
インを記録して1ページ分の記録が行われる。
【0123】前述の如く記録シート2とインクシート9
とを逆方向へ搬送して記録を行うマルチプリント方式を
採用した場合、インク層内においてインクを剪断しつつ
画像を形成することになる。従って、インクシート9の
搬送はインクシート9と記録ヘッド10aとの摩擦力と、
インクの剪断力とを加えた力が必要となる。このためイ
ンクシート9に対する搬送力は従来のワンタイムインク
シートを用いた場合の搬送力と比較して大きな力が必要
となる。
【0124】またマルチプリント記録方式にあっては、
記録シート2に1ライン分の画像を形成する毎にインク
シート9を1/nライン分だけ確実に搬送することが必
要であり(記録n値)、前記搬送を確実に行うことによ
って記録画像の品質を高めることが可能となる。前記条
件を満足させるために、本実施例ではキャプスタンロー
ラ32によりインクシート9に対して高精度で確実な搬送
力を付与するものである。
【0125】(動作7)記録シート2への記録が終了す
ると、カセットモータ38が逆転して押圧梃子34a,34
b,34cを待機位置に動かす。これによりプラテンロー
ラ10bに対する記録ヘッド10aの圧接力が弱まる。
【0126】(動作8)次に、カセットモータ38、プラ
テンモータ39が正転して、プラテンローラ10b、排出ロ
ーラ12aを正転させる。これにより、記録が終了した記
録シート2を完全に記録手段10から脱することが出来
る。
【0127】(動作9)更に、カセットモータ38を正転
して、排出ローラ12aを正転させる。これにより、前記
記録シート2が、該シート2を載置するトレイとして機
能するフタ1d上へ排出される。尚、次ページの記録信
号が来ると上記動作2へ続いて、以下同じ動作を繰り返
す。また、連続ページ記録のページ間では上記動作8,
9を省略しても良い。
【0128】次に前記記録動作中におけるプラテンロー
ラ10bの回転に異常が発生するまでの過程について説明
する。例えば、記録ヘッド10aの誤動作によりインクシ
ート9の有するインクが多量に溶けて記録シート2上に
転写された場合、インク層内の剪断力が大きくなり、プ
ラテンローラ10bによる記録シート2の搬送力を上回っ
てしまう。本実施例にあっては、記録シート2の搬送力
に比べてインクシート9の搬送力を十分に大きく設定し
ているため、記録シート2はインク層内の剪断が不十分
なまま矢印a方向へは搬送されず、インクシート9と一
体となって矢印b方向へ搬送されてしまう。従って、プ
ラテンモータ39に脱調が生じると共に、プラテンローラ
10bは逆転してしまう。更にこの状態が続くと、記録シ
ート2がインクシートカートリッジE内に入り込み、イ
ンクシート9を切断してしまうことになる。
【0129】また、排出ガイド11a,11b、排出ローラ
対12a,12b付近で記録シート2に紙詰まりが生じた場
合、或いはプラテンモータ39の断線・モータ駆動回路62
の破損等が生じた場合にも、前述した状態と同様の状
態、即ち記録シート2が矢印a方向に搬送されず、プラ
テンモータ39が脱調し、プラテンローラ10bの逆転が生
じることになる。
【0130】前述したプラテンローラ10bの回転異常発
生時(記録シート2の搬送不良発生時)に記録される画
像を図16に示す。例えば、1〜3ライン目は記録シート
2の搬送は正常で、1ライン分のピッチYだけ搬送され
ており、1〜3ライン目のデータが記録されている。4
ライン目の記録をすべく記録シート2を搬送しようとし
た時にプラテンローラ10bに回転異常が発生し、記録シ
ート2は正常時とは反対の方向に、例えばY/2のピッ
チで戻される。従って、4ライン目の記録は3ライン目
の記録からY/2だけ戻された場所に記録される。以
下、5ライン目も同様にY/2だけ戻された場所に記録
される。従って、図16に示すように2〜5ライン目の記
録画像が重なってしまい、判読不可能な状態となる。
【0131】次に前述したプラテンローラ10bの回転異
常発生時の回転検出部Fの動作及び制御系による回復動
作について図11,図12及び図17を参照して説明する。図
17はプラテンローラ10bの回転異常発生時における回復
動作を示すタイミングチャートである。
【0132】記録動作中(動作6)において、カセット
モータ38,プラテンモータ39,インクシートモータ40が
正転され、同時に記録ヘッド駆動回路60を駆動してイン
クシート9のインクを記録シート2上へ転写し画像を形
成している。このとき、記録シート2は図1の矢印a方
向へ、インクシート9は図1の矢印b方向へ搬送されて
おり、プラテンローラ10bは図1の矢印方向へ正転して
いる。また、センサアーム73はプラテンローラ10bにつ
れ回り、図11に示す如き位置でクラッチ部73aに滑りを
生じて停止している。このときのフォトセンサ75の出力
信号はLである。
【0133】(動作6′)ここで記録シート2の搬送不
良が生じた場合、プラテンローラ10bが逆転する。前記
プラテンローラ10bが所定角度逆転すると、センサアー
ム73が図12に示す如き位置に至り、フォトセンサ75の出
力信号がHとなる。すると、制御部50は前記フォトセン
サ75の出力信号の変化(L→H)を検出して異常発生と
認識し、以下に述べる回復動作を行う。
【0134】{回復動作} (動作11)先ず、記録ヘッド駆動回路60をOFFして記
録ヘッド10aの発熱を停止し、記録動作を中断すると共
に、インクの過剰溶融を防止する。同時に各モータ38,
39,40の回転を所定時間t1 だけ停止する。前記モータ
としてステッピングモータを使用している場合において
は、回転停止と共に同一相に通電を続けて位置を保持す
る。
【0135】前記各モータ38,39,40の停止によって記
録シート2及びインクシート9の搬送を一時停止する。
このとき、仮にプラテンモータ39を停止しなかった場
合、前述の如く記録シート2はインクシート9と同方向
に搬送され、それに伴ってプラテンモータ39が脱調現象
により正逆回転を繰り返すため、記録シート2及びイン
クシート9に皺等が入り損傷してしまう。更に前記モー
タ39の正逆回転が大きくなると、プラテンローラ10bの
回転に記録シート2が追従できず、プラテンローラ10b
と記録シート2との接触面に滑りが生じ、この状態で後
述するインクシート剥離搬送を行った場合、プラテンロ
ーラ10bと記録シート2とは動摩擦接触となっているた
め、プラテンローラ10bによる記録シート2のグリップ
が不安定であり、記録シート2はインクシート9につれ
戻されて逆走するだけでインクの剥離が行われない。従
って、記録シート2及びインクシート9の搬送を一時停
止することで、プラテンローラ10bと記録シート2との
間、及びインクシート9とキャプスタンローラ32との間
を静摩擦状態として前記グリップを安定させるのであ
る。
【0136】その際の一時停止時間t1 は、前記各モー
タ38,39,40が記録時に所定の周波数で回転している状
態から、停止した際に生じる減衰振動の収束時間(セッ
トリングタイム)よりも長いことが好ましい。
【0137】本実施例において各モータ38,39,40は、
ステップ角7.5 °のPM型ステッピングモータを1−2
相励磁 400ppsで回転させており、そのセットリング
タイムは20/1000〜50/1000秒である。従って、一定停
止時間t1 は50/1000秒以上が好ましく、本実施例にお
いては、プラテンローラ10bのゴムの粘性変形の収束時
間も考慮して、t1 = 500/1000秒に設定している。
【0138】(動作12)次に、前述の如く記録シート2
に貼り付いているインクシート9を剥離するために、所
定量インクシートモータ40を正転してインクシート9を
巻き取る。ここで、インクシート剥離搬送量p1 は、イ
ンクの剪断剥離が確実に行われ、且つ次ラインの記録時
に未使用の新しいインク部分が記録位置に達する量の搬
送が必要である。
【0139】本実施例における記録ヘッド10aでは発熱
素子10a2の記録シート搬送方向の長さが約60μmである
ため、記録シート2上に溶融転写して貼り付いているイ
ンクシート9の長さも約50〜100 μmとなる。従って、
インクシート剥離搬送量p1は、約 100μm以上巻き取
るのが好ましく、本実施例ではp1 =1mmとし、1m
mのインクシート9を巻き取るのに相当するステップ数
だけインクシートモータ40を正転している。
【0140】(動作13)その後、前記各モータ38,39,
40を所定時間t2 だけ一時停止させる。前記時間t2
0〜 100/1000秒に設定するのが好ましく、本実施例に
おいては20/1000秒に設定している。
【0141】(動作14)前記所定時間経過後、カセット
モータ38及びプラテンモータ39を所定量正転して記録シ
ート2を所定の回復搬送量p2 だけ搬送する。ここで、
前述の如く記録シート2の搬送不良発生時に、プラテン
ローラ10bが逆転を始めてからフォトセンサ75の出力信
号が変化する(制御部50が逆転を認識する)までに、記
録シート2は、前述したようにP=(r/R)lだけ逆
方向へ戻されている。従って、前述した回復搬送量p2
は画像のつながりを良くするために、Pが小さい場合に
は前記Pと略同等にすることが好ましい。また、Pが大
きい場合にはインクを転写した記録シート2が再び記録
手段10を通過する量が大きく、記録シート2の搬送負荷
も大きくなってしまうため、回復搬送量p2 はPより大
きく設定して記録シート2を余分に搬送し、再度記録を
開始する時は未転写の新しい記録シート2が記録手段10
の記録位置にあることが望ましい。従って、回復搬送量
2 は、搬送不良発生部分での画像をつながりを良くし
て、且つ記録シート2の搬送負荷が大きくならないよう
に任意の値に設定すれば良い。本実施例においては、逆
方向への搬送量P=0.40mmであることから、0.10〜0.
60mmの余分な搬送量を加えて、p2 =0.50〜1.00mm
に設定している。
【0142】(動作15)前述したインクシート剥離搬送
(動作12)によって記録シート2とインクシート9とが
剥離可能だった場合、記録シート2の回復搬送(動作1
4)によってプラテンローラ10bが復帰して正常に正転
するため、センサアーム73の回転によってフォトセンサ
75の出力信号がHからLに変化する。また、記録シート
2とインクシート9とが剥離不可能であった場合、記録
シート2の回復搬送を行ってもプラテンローラ10bが正
転できないため、フォトセンサ75の出力信号はHのまま
である。
【0143】従って、記録シート2の回復搬送(動作1
4)を行った後、制御部50によりフォトセンサ75の出力
信号をチェックする。前記出力信号がLであれば搬送不
良の回復が可能であったと認識し、所定時間t3 経過
後、回復動作を終了して記録動作を再開する(動作
6″)。一方、前記出力信号がHであれば搬送不良の回
復が不可能であったと認識し、動作11に戻って再度回復
動作を繰り返す。
【0145】尚、回復搬送量p2 を固定値に定めず、フ
ォトセンサ75の出力信号がLに変化してから所定量p3
だけ搬送するようにしても良い。また、前述した回復動
作の繰り返し回数を制御部50でカウントし、所定回数で
あるn回(nは自然数)回復動作を行っても、前述した
動作14においてフォトセンサ75の出力信号がLであった
場合は、搬送不良の回復不可能と見なし、記録動作を中
断することで装置の損傷を防止できる。更には、表示部
55に記録中断を示し、ユーザによるジャム処理を促す表
示をすることが好ましい。本実施例ではインクシート9
の強度・記録時間等を考慮して、n=10回に設定してい
る。
【0146】次に前述した回転検出部Fの回復動作(動
作11〜15)の後に、画像を修正する記録制御手段として
の制御部50の動作を説明する。例えば、前述したように
3ライン目の記録終了後、4ライン目の記録シート搬送
時に異常が発生し、5ライン目の記録終了時、回転検出
部Fが異常を検出したものとする(図16参照)。
【0147】前述した回復動作における回復搬送量p3
を適切な値に設定することで、再開される記録位置は1
ライン目の記録位置からピッチ3Y進んだ位置に定めら
れる。ここで、仮に通常通り6ライン目の記録から再開
すると、前述の如く重なった2〜5ラインの画像は判読
不可能になってしまう。そこで、制御部50は回転検出部
Fが異常を検出した場合、異常が発生したラインから所
定数zだけ前のラインに戻ってラインメモリー50dから
記録データ56aを記録ヘッド10aへ転送するものであ
る。従って、図16に示すように3ライン目の記録位置か
らピッチY進んだ位置から2ライン目以降の記録が順次
行われる。即ち、記録ヘッド10aが丸字のついたライン
(2〜5)を2度記録するものである。
【0148】前述した動作によりライン1〜7のデータ
は全て記録シート2上で判読可能に記録される。前述し
た実施例においては、記録シート搬送異常発生から回転
検出部Fが検出するまでに、記録シートが1ライン分
(2×(Y/2)=Y)戻されることから、z=1とし
て2ライン目の記録から再開したものである。回転検出
部Fの構成等に応じてzの値を任意に適当な値に定めれ
ば良い。
【0150】〔第2実施例〕前述した実施例において
は、回転検出部Fを図10乃至図12に示す如く構成した
が、それに関する他の実施例を第2実施例として以下図
面を用いて説明する。尚、前述した実施例において説明
した部材と同等の機能を有する部材には同符号を付して
いる。
【0151】(第2実施例の1)図18に示すように、セ
ンサアーム73の形状を切欠73dを有する円板形状とし、
両方向のストッパ76をセンサアーム73上に設けている。
また、前記センサアーム73とプラテンローラ10bの軸部
10b1は、パウダークラッチなどのトルクリミッタ80によ
り結合している。
【0152】従って、プラテンローラ10bの回転はトル
クリミッタ80を介してセンサアーム73に伝達され、トル
クリミッタ80に一定以上のトルクがかかると(ストッパ
76がフォトセンサ75のハウジング75aに当接すると)ス
リップするものである。また、前記センサアーム73を円
板形状にしたことで、重心がプラテンローラ10bの軸部
10b1の中心と略一致するため、センサアーム73の回転及
びプラテンローラ10bの回転が安定する。更に、トルク
リミッタ80はトルク安定・耐久性に優れ、品質が向上す
る。
【0153】(第2実施例の2)図19に示すように、セ
ンサアーム73はカム形状をしており、プラテンローラ10
bの軸部10b1を中心に回転可能に取り付けられている。
また、前記センサアーム73のボス部73eと前記プラテン
ローラ10の軸部10b3とにはバネクラッチ81が巻き付けら
れている。前記バネクラッチ81はバネ用線材をコイル状
に巻き回したものであって、プラテンローラ10bの逆転
時に軸部10b3との接触摩擦により巻き付けがしまり、前
記軸部10b3とボス部73eとは一体となって同方向へ回転
し、一方プラテンローラ10bの正転時には前記巻き付け
がゆるみ、軸部10b3はボス部73eとは別体となって回転
するものである。
【0154】また、センサアーム73のフック部73fには
引張バネ82が設けられており、センサアーム73を反時計
回り方向に回転させる力を付与している。一方、本例に
あってはフォトセンサ75に代えて、マイクロスイッチ83
を用いている。センサアーム73の突起部73gがマイクロ
スイッチ83のレバー83aを押し下げることでスイッチが
ON状態となる。前記突起部73g及びレバー83aが図18
の実線位置にある時はスイッチOFF状態であり、破線
位置にある時はスイッチON状態である。マイクロスイ
ッチ83はON/OFF信号を制御部50へ送ることでセン
サアーム73の位置(即ち、プラテンローラ10bの回転状
態)を検出するものである。
【0155】上記構成において、プラテンローラ10bが
正転すると、バネクラッチ81がゆるみ方向であるので、
センサアーム73はプラテンローラ10bの軸部10b3とは結
合しておらず、引張バネ82の力によって回転し、ストッ
パ76にフック部73fが当接した位置(図18の実線位置)
で停止する。このとき、マイクロスイッチ82の出力信号
はOFFである。また、プラテンローラ10bが逆転する
と、バネクラッチ81がしまり方向であるので、センサア
ーム73はプラテンローラ10bの軸部10b3と一体てなって
同方向に回転し、図18の破線位置に達すると、マイクロ
スイッチ83の出力信号がONとなる。
【0156】尚、本例では、滑りクラッチに代えてバネ
クラッチ81を用いているので、プラテンローラ10bの正
転時(記録時)は前記バネクラッチ81がゆるみ、滑りク
ラッチのように滑りトルクが加わり続けることはない。
従って、プラテンローラ10bの回転が安定して、記録画
像も高品質を保つことができる。更に、センサアーム73
の位置を非接触で光学的に検出するフォトセンサ75に代
え、センサアーム73の位置を機械的接触・電気的に検出
するマイクロスイッチ83を設けたため、誤動作の確率が
低く、信頼性が向上する。
【0157】以上述べた回転検出部Fは、プラテンロー
ラ10bに設けた例を示したが、これに限らず、回転体で
あれば何に設けても良い。例えば、キャプスタンローラ
32に設けることで、キャプスタンローラ32の回転状態、
即ちインクシート9の搬送状態を検出することができ
る。更には各モータ38,39,40に設けても良く、その場
合はプラテンローラ10bに比べ回転数が高いため、回転
検出応答が早くなる。また、搬送ローラ19a,19bに設
けることで、原稿16の搬送状態を検出することができ
る。更には、駆動系のギア、インクシート9の巻取リー
ル、供給リールなどに設けても良いのは勿論である。
【0158】〔第3実施例〕前述した実施例において説
明した画像修正を行う記録制御手段に関する他の実施例
を第3実施例として以下図面を用いて説明する。
【0159】(第3実施例の1)本例において、記録系
Bは感熱プリンタ、回転検出部Fはエンコーダを用いて
いる。図20に示すように3ライン目の記録終了後、4,
5ライン目の搬送に異常が生じたとする。本例において
は、インクシートが存在しないため、記録シート2は搬
送異常発生時には同じ位置で停止することになる。従っ
て、4,5ライン目の記録は3ライン目の記録と同じ位
置に重なる。依って、5ライン目の記録終了後、次のラ
インの記録搬送が正常に行われた場合には、異常が発生
した時点のライン、即ち3ライン目から記録を再開すれ
ば良い。制御部50はラインメモリー50dの収納データの
中で異常の発生した3ライン目からのデータを順次記録
ヘッド10aへ転送するものである。従って、1〜7ライ
ンの全てのデータが判読可能となる。
【0160】(第3実施例の2)前述した実施例と同様
にして3ライン目の記録終了後、4,5ライン目の搬送
に異常が生じたとする(図21参照)。制御部50は記録再
開時にラインメモリー50cの収納データの中で、異常の
発生した次のライン、即ち4ライン目のデータから順次
記録ヘッド10aで転送するものである。前述構成・動作
によれば、3ライン目の記録は判読不可能となるが、1
ライン目から7ライン目までの合計ピッチ(6Y)が正
常時と同じである(前述した実施例においては、記録の
判読不可能なラインは無いが、1ライン目から7ライン
目までの合計ピッチが正常時より大きくなってしま
う)。従って、本例では記録される画像の全体的な長さ
が正常時と同じであり、図面など図形の記録時は外形が
変化しないで済むという効果がある。更にはカット紙を
使用する記録装置においては、画像修正をしたために画
像が長くなり、2ページに分割されてしまうといったこ
とも無くなり、記録シートの余分な消耗を防止する効果
もある。
【0161】〔他の実施例〕次に前述したインクシート
カートリッジ及び記録装置における各部の他の実施例に
ついて説明する。
【0162】前述した実施例では記録シート2とインク
シート9とを逆方向へ搬送して記録を行うマルチプリン
ト方式を例示したが、ワンタイムインクシートを用い、
記録シートとインクシートとを同一方向へ搬送して記録
を行うワンタイムプリント方式であっても当然可能であ
る。
【0163】また前述した実施例ではキャプスタンロー
ラ32としてシリコンゴムを吹きつけてローラ部を構成す
るようにしたが、前記シリコンゴムに限定する必要がな
いことは当然である。即ち、インクシート9に対して前
述した範囲の摩擦係数が得られるものであれば良く、他
にも例えばクロロプレンゴム等の材料を使用し得る。ま
た前記材料を芯部に取り付ける方法としても、一枚の薄
板状の部材を芯部に巻き付けて取り付けるようにしても
良い。また前記材料でパイプ状の部材を構成し、芯部を
パイプ内に通して取り付けても良い。また成型によりゴ
ム部を構成しても良い。この場合、前記吹き付け行程に
よるものよりも摩擦係数が落ちるため(1.5 〜 6.0程
度)、巻付角θ及びバックテンションを増やしてキャプ
スタンローラ32とインクシート9が滑ることがないよう
にする必要がある。実験データとしては、摩擦係数2.6
の時で巻付角45°,バックテンション400g以上でイン
クシート9の搬送不良は無かった。また前述した薄板、
パイプ、成型等の製作の場合、ゴム外周面を鏡面仕上げ
しておくことで、前述した第一実施例で使用したキャプ
スタンローラ32とインクシート9との摩擦係数に近づけ
ることが出来る。
【0164】更に前述した実施例では、キャプスタンロ
ーラ32をインクシートカートリッジEに内蔵したが、記
録装置としては前記ローラ32は必ずしもカートリッジE
に内蔵されている必要はなく、装置本体側に取り付ける
ようにしても良い。また前述した実施例では、キャプス
タンローラ32をインクシート9の搬送手段として構成し
たが、搬送ローラとピンチローラとを用いる等の他のイ
ンクシート9の搬送手段として構成しても良いことは当
然である。
【0165】また前述した実施例では、記録ヘッド10a
の発熱素子10a2の配列順を従来とは逆にすることにより
従来通りの画像を得たが、制御部50のシリアル記録デー
タ56aのデータ順列を逆にすることにより、本発明と同
等の効果が得られるとは当然である。また前述した実施
例では、インクシートカートリッジを用いた熱転写記録
装置として構成したが、感熱記録装置,インクジェット
記録装置,静電記録装置として構成しても構わないこと
は当然である。
【0166】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録シートの搬送不良を即座に検出でき、その搬送不良
の状態に応じて画像を修正することができる。また搬送
不良が生じた場合でも画像データが欠落することなく出
力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ファクシミリ装置の全体構造説明図である。
【図2】ファクシミリ装置の外観斜視説明図である。
【図3】インクシートの断面説明図である。
【図4】インクシートカートリッジの展開説明図であ
る。
【図5】供給リール側の滑りクラッチの構成説明図であ
る。
【図6】巻取リール側の滑りクラッチの構成説明図であ
る。
【図7】インクシート搬送経路の説明図である。
【図8】サーマルヘッドの構成の説明図である。
【図9】駆動伝達構成の説明図である。
【図10】回転検出部の詳細説明図である。
【図11】回転検出部の詳細説明図である。
【図12】回転検出部の詳細説明図である。
【図13】記録制御系のブロック図である。
【図14】駆動制御系のブロック図である。
【図15】記録シートの搬送動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図16】画像修正の説明図である。
【図17】回転検出部の動作を示すタイミングチャート
である。
【図18】本発明の第2実施例に係る回転検出部の詳細
説明図である。
【図19】本発明の第2実施例に係る回転検出部の詳細
説明図である。
【図20】本発明の第3実施例に係る記録制御手段の説
明図である。
【図21】本発明の第3実施例に係る記録制御手段の説
明図である。
【図22】従来技術の説明図である。
【図23】従来技術の説明図である。
【図24】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
A…給紙系 B…記録系 C…読取系 D…操作部 E…インクシートカートリッジ F…回転検出部 1…カセット 1a…オケ 1b…中板 1c…上ガイド 1d…フタ 2…記録シート 3…給紙ローラ 3a…円弧部 3b…平面部 3c…ローラギ
ア 4…給紙片 4a…シート部 4b…アーム部 5a,5b…フ
ィードローラ 5c…ローラギア 5d…ローラプ
ーリ 6a,6b…ガイド 7…記録シート
先端センサ 8…装置本体 8a…開口部 8b,8c…ガイド部 9…インクシー
ト 9a…耐熱コート層 9b…ベースフ
ィルム層 9c…インク層 9d…トップコ
ーティング層 10…記録手段 10a…記録ヘッ
ド 10a1…ヘッド基板 10a2…発熱素子 10a3…ヘッドドライバー素子 10a4…保護カバ
ー 10b…プラテンローラ 10b1…軸部 10b2…ローラ部 10b3…軸部 10c…ヘッド支持部 11a,11b…排
出ガイド 12a,12b…排出ローラ 12c…ローラプ
ーリ 13…記録シート排出センサ 14…回動軸 15…記録カバー 15a…原稿載置
台 16…原稿 17a…予備搬送
ローラ 17b…押圧片 18a…分離ロー
ラ 18b…圧接片 19a,19b…搬
送ローラ 20a,20b…排出ローラ 21…排出トレイ 22…光電変換素子 23…ハンドセッ
ト 24a,24b…電装基板 25…押し上げ板 26…供給リール 26a…リール軸 26b1,26b2…フランジ 26c…コ字形溝 27…巻取リール 27a…リール軸 27b1,27b2…フランジ 27c…コ字形溝 28…枠体 28a…第一筐体 28a1…溶着部 28a2…側板 28a3…嵌入孔 28a4…溶着部 28b…第二筐体 28b1…溶着部 28b2…側板 28b3…嵌入突起 28b4…係止突起 28b6…溶着部 28c1,28c2…溶着部 28d,28e…窓 28e1…切欠 28f…ガイドピ
ン 29g1…U溝 29g2…角溝 28g3,28g4,28g5,28g6…U溝 28h…開口 29a,29b…軸受 30…滑りクラッ
チ 30a…軸 30b…スプリン
グバネ 30b1…フック部 30c…鍔 30c1…貫通孔 30c2…凹部 30c3…凸部 30d…Eリング 31…滑りクラッチ 31a…軸部 31a1…Dカット嵌合部 31b…スプリン
グバネ 31b1…フック部 31c…鍔 31c1…貫通孔 31c2…凸部 31d,31e…Eリング 32…キャプスタ
ンローラ 32a…軸受 32b…芯部 32c…ゴム部 32d…ギア 33…リールギア 33a…凹部 34a,34b,34c…押圧梃子 34a1,34b1,34
c1…溝部 35…軸 35a,35b,35
c…ピン 36a,36b,36c…バネ 37…アーム 38…カセットモータ 38a…モータギ
ア 39…プラテンモータ 39a…モータギ
ア 40…インクシートモータ 40a…モータギ
ア 41a,41b…クラッチギア 42a,42b…バ
ネクラッチ 43a,43b…ボスギア 44…中間ギア 45…ベルト 46…カム 46a…カムギア 46b…半径最小
部 46c…半径最大部 47…カムセンサ 48…プラテンギア 50…制御部 50a…CPU 50b…ROM 50c…RAM 50d…ラインメ
モリ 50e…符号化/復合化部 50f…バッファ
メモリ 51…電源部 52…モデム基板
ユニット 53…電話機 54…NCU基板
ユニット 55…表示部 56a…シリアル
記録データ 56b…ラッチ信号 56c…出力信号 56d…ストローブ信号 56e…電源線 57…シフトレジスタ 58…ラッチ回路 59…温度センサ 60…記録ヘッド
駆動回路 61,62,63…モータ駆動回路 70…軸受 71…ワッシャ 72…スプリング 73…センサアー
ム 73a…クラッチ部 73b…位置決め
部 73c…シャッタ部 73d…切欠 73e…ボス部 73f…フック部 73g…突起部 74…止め輪 75…フォトセンサ 75a…ハウジン
グ 75b…発光部 75c…受光部 76…ストッパ 80…トルクリミ
ッタ 81…バネクラッチ 82…引張バネ 83…マイクロスイッチ 83a…レバー
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 29/48 A 9113−2C (72)発明者 中村 文彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート材搬送手段と、 前記シート材に画像を形成する記録手段と、 前記シート材の搬送状態を検出する検出手段と、 前記検出手段の出力する情報に応じて所定の画像を繰り
    返し記録するよう制御する記録制御手段と、 を有することを特徴とする記録装置。
JP32901492A 1992-11-16 1992-11-16 記録装置 Pending JPH06155814A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32901492A JPH06155814A (ja) 1992-11-16 1992-11-16 記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32901492A JPH06155814A (ja) 1992-11-16 1992-11-16 記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06155814A true JPH06155814A (ja) 1994-06-03

Family

ID=18216639

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32901492A Pending JPH06155814A (ja) 1992-11-16 1992-11-16 記録装置

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